2021年振り返り
毎年ぎりぎりに書いているその年の振り返り記事です。
最近遊んだということもあるんですが今年遊んで一番面白かった/印象深かったゲームは2つ。ウォッチとクライムズームです。
・ウォッチ記事リンク

システムもアクションも地味目のワーカープレイスメントゲーム。
自分のやりたいアクションをどうすれば実行できるのか?に焦点が当たっている感じでとてもピュアピュアしい。スタートプレイヤーが機械的にラウンド中に変わるというだけで今やりたいことと、次にやりたいことを取れるかどうかが素敵に天秤にかかっている。
ウォッチカードによる非合法アクション実施時にペナルティがあるかもしれない(ないかもしれない)というギャンブル要素も僕は好き。
勝負の決まり方もピュアピュアしく、他人と被らなかった得点方法に力を入れた人が勝つのも昔ながらで良いですね。
・クライムズーム(シリーズ)記事リンク

今年はディテクティブ シーズン1やクロニクル・オブ・クライムとかも今年は遊びました。謎解きとかの要素も重要ですが、やっぱ警察ごっこ、捜査ごっこしているのが楽しいってのが一番だなあと。
クライムズームは事件現場や調査先をカードの絵柄で示しながら、調べたいところのカードを裏返すという情報へのアクセスがスムーズかつ、直感的なのがよかったです。
絵が多く使われているので、指紋や声紋、監視カメラの映像との比較など、ごっこのバリエーションもあまり謎解きゲームになかったものも多いですし。情報量もそこまで多くなく、1シナリオ90分前後で終わるのもちょうどいい感じ。
・ゲームマーケットシミュレーター2021秋

タイトルまんまでゲームマーケットの出展者になって個人製作のボードゲームを販売する紙ペンゲーム。
日本のボードゲームマニア以外は遊んでも面白くないだろうというのは欠点といえば欠点ですが、マニアが遊べば内輪ネタ的なものも含め面白い。
メタ的な面白さを充足するための大喜利的な要素も組み込まれており、国内のボードゲームシーンをもとにした設定(テーマにゴリラを選べばとか、ライト層向けの方が売れやすいとか)を言い合うだけで(マニアなら)盛り上がること間違いなし。
最終的な販売数を決めるのは、ダイスロールであたり目を出し続ければよいという単純ながら鉄板で盛り上がる作りも、まあ、売れる売れないってそういうもんですねという納得感があって、最後までシミュレータの面目躍如。
ある程度ボードゲームシーンを知っていた方が面白いので、一般受けはしないだろうけど、このブログ読んでる人なら楽しめる気はします。
Boothでダウンロード販売しているので是非体験を。
・コーヒートレーダー記事リンク

コーヒー畑に人を派遣して豆を作って、買い付けにいって手に入れた豆を売るゲーム。
他人とのインタラクションがありすぎて、アクションだけでなく収入にまでゆらぎができるのが最高に好みでした。読めないながらも色々とセーフティが設けられていて、カオスだけでないしっかりした面白さがある。
ただ面白さの大半がドライブ感と他人とのやり取りにあるので、これこれここが面白いんですよ!とはなかなか説明しづらい。
・シーダーズ フロム セレイス:エクソダス/Seeders from Sereis: Exodus

盤面上でマジョリティ争いでカードを取り合った後、獲得したカードで自分の船団を作るゲーム。船団のカード効果はリンクしたりコンボしたりする。いわゆるタブロービルド。
盤面上でのマジョリティ争いに使うコマが条件を満たすと成長する&カード種類に対応してプラス補正がかかるというのがポイントで、ラウンドを経て、コマの成長と合わせて自分の船団の中で特定の種類のカードが集まってくるし、コンボもつながってくる。
カードのプレイコスト設定がちょい厳しめなのも、どのカードをプレイするのか悩ましくなってて良い。
ただ、殴り要素がかなり激しく。下手にトップに立って狙われるとプレイ済のカードが半分くらいなくなる酷さ。
結局マルチかよ!ってなるのが欠点でもあり、いいところでもある。
・プラハ記事リンク

正統派のゲームで大変よかった。色々と目移りしそうなんだけど、大抵の要素は3,4アクションで天井になるので、目移りしても良いし、逆にこだわらずにアクション選択していくのが大事という作りが好みでした。
リソース類もアクションのおまけでもらえることも多く、支払いの必要数がそこまで多くないこともあって、おまけでもらった分からもう少しだけで足りるから、なんとかならんかなと色々工夫しようと考えさせられる。
単純に収入だけをもらうというアクションを選びたくないへそ曲がりともいえる。
目移りしてもなんだかんだでほぼやり切れたみたいな状態になれるほど選択肢が多いのが、真面目な人にはつらいかもしれない。適度に諦め(優先度付けして選択といおう)られる人の方が楽しめるかも。
・ウエスタン・レジェンド 拡張 ブラッド・マネー記事リンク

レジェンダリーアイテムが買えるようになったのと、ストーリー性の強化というのが売りでしたが、1つ前の拡張であるアンティアップほどの変更は感じず、地味な拡張。なんだけど、移動売店が追加されたのは結構便利。
真面目にプレイしてもならず者プレイでも、ギャンブルに生きても良いという(自称)サンドボックスボードゲーム。プレイ時間が長いので、あまり頻繁には遊べないけども、年に1,2回は西部に生きた人生を体験したくなる。
基本的に何やっても点数になるんだけど、何やっても西部開拓時代のロールプレイになっているのがうまい。
・1822: The Railways of Great Britain

今年の18xx枠。目的地の概念による線路敷きの目標設定、会社などの登場がランダムに決まって徐々に出てくるなど、ちょっとユーロよりの感じがする18xx。自分でシナジーのある会社や特殊効果をとっていくことになるので、他人の会社の乗っ取りや押し付けなどはあまり考えられず、『自分の会社』の意識が強くなる。
その分、仕手戦的な要素はあまりなく、会社の運営要素が強い。最終盤の会社収入がえぐいほど多いので、序盤から中盤にかけての線路敷きのうまさも活きてくる。
一部の特殊効果カードが優秀すぎるのも、結局値付けは競りなので、まあいいかなと。ただ、会社の出方がランダムなのは、小会社と大会社の相性がかなり大きい割に完全ランダムってのは運がでかすぎないかという気もする。
(史実ベースなので、この会社取ってもどうしようもないでしょう!?みたいな会社もあるし)
・COINシリーズ

今年は、アフガニスタンテーマの「 A Distant Plain」と、インドテーマの「Gandhi: The Decolonization of British India, 1917–1947」の2作をプレイしました。
COINシリーズとしてのベースシステムである、手番順に今のラウンドでアクションを実施するか?パスして次ラウンドにアクション権を残すか?という2択の悩ましさを手番順&イベントの書かれたカードを今ラウンドと次ラウンドの2枚を公開しているだけで実現しているのが最高ですね。
ゲーム的にはかなりウォーよりで、歴史的な再現性も含めてうまくゲームに落とされていて、各陣営とも自分のところだけ頑張っても良くない、半分味方みたいな他プレイヤー陣営をうまく頑張らせて、よそを殴ってもらいましょう。自分が頑張らなすぎると他人が勝っちゃうのでそこらへんは適度な感じでというのが、妙に生々しくて良かったです。
まあ、その分、勝ち負けはうっかりだったり、ちょっとしたイベント効果だったりで、あっさり終わってしまうんですが……。
・チャーターストーン記事リンク

レガシーゲームやキャンペーンゲームいくつか遊んでるんですが、協力タイプではなく、対戦形式のものだとこれまでで一番最終的な勝利条件に納得がいったということで。
ゲーム自体はその回の最適なルートを探して、ぐるぐると回してく作りで、同じことの繰り返しじゃんと思われるかもしれません。僕は手に入れたいカードなどの関係でちょっとずつルートをいじって、新しいルートを探していくのが楽しかったですが。
あとは、ゲームをまたがれる強化要素や宝箱を開けることで手に入るアイテムなど、ワクワクのあるゲームシステムで、単純に楽しい、早く次をやりたいと思わせられたのがでかかったです。
・雑感
今年は仕事もちょっとした異動もあり、色々と環境の変化もありました。10月くらいまでは新型コロナで大人数集まってのゲーム会自体敬遠されてましたし、ボードゲーム自体はそこそこ遊んでましたが、ブログに書いたり、大々的にゲーム会!遊んだ!ということが少なかった年でした。
アウトプットインプット共にあまり充実していたとは言い難く、来年はもっとアクティブな年にしたいと思っています。
機会が少ないことに加えて、ボードゲームとの出会い運も例年よりも悪いように感じていて、もう一歩なゲームばっかり買ってしまったなあという思いも強いです。忙しかったので、情報をちゃんと吟味できなかったり、忙しいんでとりあえずゲーム買ってごまかしたりということもあったのかもしれません。
もともとゲーム購入前にそこまでルール読んだり調べたりする人ではないですが、色々余裕があった方が良い出会いがあるのかもしれません。
今年もいろんな方にいろんなゲームを遊ばせてもらったり、遊んでいただいたりとお世話になりました。
来年もぜひぜひよろしくお願いいたします。
最近遊んだということもあるんですが今年遊んで一番面白かった/印象深かったゲームは2つ。ウォッチとクライムズームです。
・ウォッチ記事リンク

システムもアクションも地味目のワーカープレイスメントゲーム。
自分のやりたいアクションをどうすれば実行できるのか?に焦点が当たっている感じでとてもピュアピュアしい。スタートプレイヤーが機械的にラウンド中に変わるというだけで今やりたいことと、次にやりたいことを取れるかどうかが素敵に天秤にかかっている。
ウォッチカードによる非合法アクション実施時にペナルティがあるかもしれない(ないかもしれない)というギャンブル要素も僕は好き。
勝負の決まり方もピュアピュアしく、他人と被らなかった得点方法に力を入れた人が勝つのも昔ながらで良いですね。
・クライムズーム(シリーズ)記事リンク

今年はディテクティブ シーズン1やクロニクル・オブ・クライムとかも今年は遊びました。謎解きとかの要素も重要ですが、やっぱ警察ごっこ、捜査ごっこしているのが楽しいってのが一番だなあと。
クライムズームは事件現場や調査先をカードの絵柄で示しながら、調べたいところのカードを裏返すという情報へのアクセスがスムーズかつ、直感的なのがよかったです。
絵が多く使われているので、指紋や声紋、監視カメラの映像との比較など、ごっこのバリエーションもあまり謎解きゲームになかったものも多いですし。情報量もそこまで多くなく、1シナリオ90分前後で終わるのもちょうどいい感じ。
・ゲームマーケットシミュレーター2021秋

タイトルまんまでゲームマーケットの出展者になって個人製作のボードゲームを販売する紙ペンゲーム。
日本のボードゲームマニア以外は遊んでも面白くないだろうというのは欠点といえば欠点ですが、マニアが遊べば内輪ネタ的なものも含め面白い。
メタ的な面白さを充足するための大喜利的な要素も組み込まれており、国内のボードゲームシーンをもとにした設定(テーマにゴリラを選べばとか、ライト層向けの方が売れやすいとか)を言い合うだけで(マニアなら)盛り上がること間違いなし。
最終的な販売数を決めるのは、ダイスロールであたり目を出し続ければよいという単純ながら鉄板で盛り上がる作りも、まあ、売れる売れないってそういうもんですねという納得感があって、最後までシミュレータの面目躍如。
ある程度ボードゲームシーンを知っていた方が面白いので、一般受けはしないだろうけど、このブログ読んでる人なら楽しめる気はします。
Boothでダウンロード販売しているので是非体験を。
・コーヒートレーダー記事リンク

コーヒー畑に人を派遣して豆を作って、買い付けにいって手に入れた豆を売るゲーム。
他人とのインタラクションがありすぎて、アクションだけでなく収入にまでゆらぎができるのが最高に好みでした。読めないながらも色々とセーフティが設けられていて、カオスだけでないしっかりした面白さがある。
ただ面白さの大半がドライブ感と他人とのやり取りにあるので、これこれここが面白いんですよ!とはなかなか説明しづらい。
・シーダーズ フロム セレイス:エクソダス/Seeders from Sereis: Exodus

盤面上でマジョリティ争いでカードを取り合った後、獲得したカードで自分の船団を作るゲーム。船団のカード効果はリンクしたりコンボしたりする。いわゆるタブロービルド。
盤面上でのマジョリティ争いに使うコマが条件を満たすと成長する&カード種類に対応してプラス補正がかかるというのがポイントで、ラウンドを経て、コマの成長と合わせて自分の船団の中で特定の種類のカードが集まってくるし、コンボもつながってくる。
カードのプレイコスト設定がちょい厳しめなのも、どのカードをプレイするのか悩ましくなってて良い。
ただ、殴り要素がかなり激しく。下手にトップに立って狙われるとプレイ済のカードが半分くらいなくなる酷さ。
結局マルチかよ!ってなるのが欠点でもあり、いいところでもある。
・プラハ記事リンク

正統派のゲームで大変よかった。色々と目移りしそうなんだけど、大抵の要素は3,4アクションで天井になるので、目移りしても良いし、逆にこだわらずにアクション選択していくのが大事という作りが好みでした。
リソース類もアクションのおまけでもらえることも多く、支払いの必要数がそこまで多くないこともあって、おまけでもらった分からもう少しだけで足りるから、なんとかならんかなと色々工夫しようと考えさせられる。
単純に収入だけをもらうというアクションを選びたくないへそ曲がりともいえる。
目移りしてもなんだかんだでほぼやり切れたみたいな状態になれるほど選択肢が多いのが、真面目な人にはつらいかもしれない。適度に諦め(優先度付けして選択といおう)られる人の方が楽しめるかも。
・ウエスタン・レジェンド 拡張 ブラッド・マネー記事リンク

レジェンダリーアイテムが買えるようになったのと、ストーリー性の強化というのが売りでしたが、1つ前の拡張であるアンティアップほどの変更は感じず、地味な拡張。なんだけど、移動売店が追加されたのは結構便利。
真面目にプレイしてもならず者プレイでも、ギャンブルに生きても良いという(自称)サンドボックスボードゲーム。プレイ時間が長いので、あまり頻繁には遊べないけども、年に1,2回は西部に生きた人生を体験したくなる。
基本的に何やっても点数になるんだけど、何やっても西部開拓時代のロールプレイになっているのがうまい。
・1822: The Railways of Great Britain

今年の18xx枠。目的地の概念による線路敷きの目標設定、会社などの登場がランダムに決まって徐々に出てくるなど、ちょっとユーロよりの感じがする18xx。自分でシナジーのある会社や特殊効果をとっていくことになるので、他人の会社の乗っ取りや押し付けなどはあまり考えられず、『自分の会社』の意識が強くなる。
その分、仕手戦的な要素はあまりなく、会社の運営要素が強い。最終盤の会社収入がえぐいほど多いので、序盤から中盤にかけての線路敷きのうまさも活きてくる。
一部の特殊効果カードが優秀すぎるのも、結局値付けは競りなので、まあいいかなと。ただ、会社の出方がランダムなのは、小会社と大会社の相性がかなり大きい割に完全ランダムってのは運がでかすぎないかという気もする。
(史実ベースなので、この会社取ってもどうしようもないでしょう!?みたいな会社もあるし)
・COINシリーズ

今年は、アフガニスタンテーマの「 A Distant Plain」と、インドテーマの「Gandhi: The Decolonization of British India, 1917–1947」の2作をプレイしました。
COINシリーズとしてのベースシステムである、手番順に今のラウンドでアクションを実施するか?パスして次ラウンドにアクション権を残すか?という2択の悩ましさを手番順&イベントの書かれたカードを今ラウンドと次ラウンドの2枚を公開しているだけで実現しているのが最高ですね。
ゲーム的にはかなりウォーよりで、歴史的な再現性も含めてうまくゲームに落とされていて、各陣営とも自分のところだけ頑張っても良くない、半分味方みたいな他プレイヤー陣営をうまく頑張らせて、よそを殴ってもらいましょう。自分が頑張らなすぎると他人が勝っちゃうのでそこらへんは適度な感じでというのが、妙に生々しくて良かったです。
まあ、その分、勝ち負けはうっかりだったり、ちょっとしたイベント効果だったりで、あっさり終わってしまうんですが……。
・チャーターストーン記事リンク

レガシーゲームやキャンペーンゲームいくつか遊んでるんですが、協力タイプではなく、対戦形式のものだとこれまでで一番最終的な勝利条件に納得がいったということで。
ゲーム自体はその回の最適なルートを探して、ぐるぐると回してく作りで、同じことの繰り返しじゃんと思われるかもしれません。僕は手に入れたいカードなどの関係でちょっとずつルートをいじって、新しいルートを探していくのが楽しかったですが。
あとは、ゲームをまたがれる強化要素や宝箱を開けることで手に入るアイテムなど、ワクワクのあるゲームシステムで、単純に楽しい、早く次をやりたいと思わせられたのがでかかったです。
・雑感
今年は仕事もちょっとした異動もあり、色々と環境の変化もありました。10月くらいまでは新型コロナで大人数集まってのゲーム会自体敬遠されてましたし、ボードゲーム自体はそこそこ遊んでましたが、ブログに書いたり、大々的にゲーム会!遊んだ!ということが少なかった年でした。
アウトプットインプット共にあまり充実していたとは言い難く、来年はもっとアクティブな年にしたいと思っています。
機会が少ないことに加えて、ボードゲームとの出会い運も例年よりも悪いように感じていて、もう一歩なゲームばっかり買ってしまったなあという思いも強いです。忙しかったので、情報をちゃんと吟味できなかったり、忙しいんでとりあえずゲーム買ってごまかしたりということもあったのかもしれません。
もともとゲーム購入前にそこまでルール読んだり調べたりする人ではないですが、色々余裕があった方が良い出会いがあるのかもしれません。
今年もいろんな方にいろんなゲームを遊ばせてもらったり、遊んでいただいたりとお世話になりました。
来年もぜひぜひよろしくお願いいたします。
デューン:インペリウム / Dune: Imperium

(インスト込み4人で3時間ほど)
【概要&ルール】
Duneの世界の登場人物になって、資源をあれやこれやしながら、仲間を増やしてあれやこれやしよう!
(原作を知ってれば、もちっと書きようがあるかと思うのですが、残念ながら…)。
デッキ構築+ワーカープレイスメントのゲームです。
自分のカードの山札から毎ラウンド5枚ドローし、手番が来る都度、ワーカーをアクションスペースに配置するか、ラウンドから抜けて新しいカードを買うかの選択をします。
10ラウンド経過するか、ラウンド終了時に10点に到達したプレイヤーがいたらゲーム終了で、ゲーム終了時の得点を加えた上で、最も点数の高いプレイヤーが勝利します。
手番にできるのは、以下の2択です。
・手札からカードを1枚プレイし、カードにアイコンで示されたエリアにあるいずれかの空いているアクションスペースにワーカーを配置する。コストを払い、アクション効果を得る。また、あわせてワーカー配置として公開した時に得られるカード効果を得る。
・手札を全て公開し、手札に書かれたお金の合計分を使って、場に並んだカードを購入する(捨て札の山に入れる)。あわせて、カード購入のために公開した時に得られるカード効果を得る。この後、そのラウンドの手番はパス扱いになる。

(カード中段左にある△や〇などのアイコンがエリアと対応していて、そのカードをプレイした際にワーカーを配置できる場所を示しています。また、カード下部の2つの帯の上段がワーカー配置用にプレイした際の効果、下段が手札公開時の効果です。青いひし形がお金になります)
全プレイヤーが手札公開&カード購入を行ったら、場に出されている戦力(駐屯とか戦闘状態とか、とにかく手元からボード上に戦力を配置することをワカプレフェイズ時にやってる)+カード購入時の効果として戦力を加えて、そのラウンドの戦闘の1~3位を決め、報酬カードに書かれた報酬を順位に応じて得る。
この時、使用可能な陰謀カードがあれば、スタートプレイヤーから順に公開して、戦力をプラスするなどします。
●点数について
得点を得る手段は大きく3つです。
・戦闘の報酬として得る:1位の報酬の半分くらいは得点です。後半は2点もらえたりします。
・派閥のコマを進める:特殊なアクションスペースとして、派閥があります。派閥でアクションを行うと、派閥横のスペースに置かれたコマを進めることができ、規定値をコスト1点、更に進めて規定値を超えた上で、一番先に進んでいるプレイヤーにはその派閥のトークンが渡され、1点になります。
・カード購入時に常に場に出ている9金のカードを購入すると1点ついています。
あとは、狙うことは難しいですが、条件を満たすと1点みたいなカードが陰謀カードという特殊能力カードの山の中に2枚だけあります。
【プレイ内容】
ありきりさん、カヤさん、如月さん、僕の4人で。
4人とも全く原作を知らない(僕が知ってたのは砂の惑星デューンという映画があることと、そのテーマのマルチゲームがあるということくらいです)というのは、あまりよろしくなかろうと、インストしてくださった方が、軽くデューンの世界観や背景などを説明してくださいました。
スターウォーズのもとになってる要素もあるという話もあり、スターウォーズがお好きなありきりさんは「興味出てきた!」と仰ってましたが、その他の我々も盛り上がってきたところでゲーム開始です。
(僕はスパイスのくだりとか面白かったです。今度の映画が楽しみです!)
プレイヤーごとにキャラクター1人を担当し、そのキャラクターの持っている特殊能力を使用できます。
僕のキャラクターは「ソラリをコストにするアクションを行うと、手札を1枚補充できる」能力です(ソラリという通貨のようです)。

(僕のキャラ。カードやキャラクターシートは持ち主の方が日本語化されてました(少ない量ですが、英語テキストがちょこちょことあります)
んではいざワカプレ、なんですが、アクションスペースが、数個ずつのグループになっており、そのグループに該当するアイコンが書かれたカードにないと、いくらやりたいアクションがあってもワーカーをプレイできません。
で、やりたいアクションがあるかというと、なんというか、出来るアクション全部が渋い!
ノーコストで選択できるものは、1ソラリもらうとか、1スパイスもらうとか、地味な効果ばかりです。
手番も4番手でしたし、ゆっくりじっくりプレイしていくことにします。

(ボード左側 (写真の右側)の派閥のところのキューブが全然進んでないので、ほんとにスタート直後の写真のようです)
インスト時に気になっていたのが、「戦闘の報酬は、後半ラウンドに行くほど良いものになる」ということ。
序盤、中盤、終盤のようになっており、序盤は1位でもリソースとかですが、中盤で1位1点、終盤では1位2点とかになります。
あまり放置しすぎも問題でしょうが、基本的に終盤の戦闘に力を入れることにして、序盤、中盤は“ぼちぼち”くらいに抑える方針にしました。
同様にあまり力を入れすぎないようにしようと思ったのが、派閥のコマの進め具合。トークンを取りたいならともかく、3マス目位にある1点は急ぐ必要ないと判断しました。
砂の惑星というだけあって、水が貴重なリソースで、次がスパイス、最後にソラリというのが手に入りにくさです。当然、僕の手番が回ってくることにはノーコストで水やスパイスがもらえるアクションは埋まっていたので、手札のアイコンと相談して、陰謀カードがもらえるアクションへ。陰謀カードはかなり効果に差があるのですが、まあ、陰謀カードと手札以外は公開なので、10点までどれくらい余裕があるのかはっきりわからない方がよいかもしれんと判断しました。
僕のキャラクター能力的にはソラリを使うアクションを行うべきなんですが、「ワーカーを増やす」や「カード購入時に2金援助が毎回でる」という結構魅力的なアクションのコストとして、ソラリがそれなりの両必要だったこともあり、最初の3ラウンド目位までは特に何も目立ったことはやらず/できず、しゃがみます。
序盤目立っていたのは如月さん。
キャラクター能力が、「購入可能なカード1枚を脇にどけて自分以外購入できない状態にできる&そのカード購入時に1金安く買える」で、序盤の初期デッキは当然、弱いカードばかりな時に、3~5金という“ちょうど買えそうだし、今後のことを考えると欲しい”カードが場に出てくるとサッと脇にどけてしまい、周りから「だよね」「ずるい」「買おうと思ってたのに」とさんざん言われてました。
デッキ構築といっても、毎ラウンド手札は5枚で、初期デッキが10枚で最大でも10ラウンドでゲームが終わるため、1ラウンド目に購入したカードですら、4回程度しか手札に来ることはありません。一応、カードを破棄する(いわゆる圧縮する)効果も稀にありますが、ほぼないといっても良いです。
なので、とりあえず買うかなんてことはしたくなく、これだ!というカードを買いたいのですが、購入後即時補充とはいえ、完全にランダムで場に並んだ5枚のうちから買わないとならないので、「全部、大したことの無い効果のものしかない」「お金がなくてどれも買えない」ということがそれなりに起こります(一番つらいのは、せっかく手札が良くて高いカードが買えそうなのに場には安いカードしかないなので、如月さんのキャラクター能力はやはり便利ぽいです)。
無駄にデッキが太るのも嫌なので、安いの複数枚買うよりも高いの1枚買いたいですし。
そして、このゲームの驚くポイントして、各派閥でアクションしたければ、その派閥のアイコンが書かれたカードを買っていかないとならないという点です。初期カードにどの派閥でもアクション出来るものがありますが、使い捨てなので、自分のやりたいアクションに沿ったカードを購入していかないと、いつまでたってもそのアクションにワーカーを配置することはできません。
うーん、派閥のコマを進める(その派閥でアクションを行う)のが得点になるので、派閥に進出するのは必須だとして、どこにするか? 僕はソラリを使うと発動する能力なので、ソラリがもらえる帝国を優先することにして、帝国アイコンを持ったカードを購入しました。
何しろワーカーが2つしかない上に、ノーコストのアクションだと効果が地味なので、ソラリを2つにスパイスを1つ獲得したらラウンドが終わったということもあります。
戦闘の結果、リソースがもらえることもあるので、単純にリソースを獲得するアクションを選ぶのではなく、他プレイヤーの様子を見つつ、戦闘に少しだけコマ(兵士)を参加させて、リソースをもらったり、とにかく序盤から中盤にかけては地味なプレイングでした。
そんな中、カヤさんは派閥でのアクションを重視して、コマを進めて、得点したりトークン獲得したりで頭一つとびでます。派閥のコマをトークン獲得まで進めるとリソースももらえるので、更にそれも使って、有利にゲームを進めてました。
あとは、如月さんが序盤に購入した5金くらいのカードが戦闘に戦力を追加する効果がついており、このカードの効果で戦闘結果をひっくり返すのも強かった覚えがあります。
ありきりさんも5金で購入したカード効果がかなり強く(何度もずるい、ずるいと言われてましたし、僕もちょっと効果確認させてもらっていいですかって言った覚えがあります)。確かプレイするだけで、アクションと同等か、それ以上の効果を得るようなカードだったはずです。忘れましたけど。
そして、ありきりさんが一番初めに追加ワーカーを購入します。
正直、2ワーカーでは全然やりたいことができないんですが、ワーカーが増える=手札を消費してラウンドから抜ける時のカード購入時にお金として使えるカードが減るなので、ソラリ8つとめっちゃ効果なこともあって、ワーカー増やさなくてもいいやと思っていたんですが、いざ、ありきりさんが増やしいるのを見ると、いいなあ、増やしたいなあという気持ちが出て来ます。
やりたいアクションがあるからということ以上に、ワーカーが多ければ、他プレイヤーのワーカーが尽きたのを見てから、戦闘に勝てる数だけのコマを後から置くことができるというのが便利ですし、ありきりさんをその有利な状態で放置するというのもできなかったため、1,2ラウンド後になんとか工面してワーカーを増やしました(帝国がソラリがもらえるアクションばかりなので、手札に帝国アイコン付きのカードがくる→手札は次ラウンドに持ち越せないので、帝国のコマを進めるために帝国でアクション→ソラリがたまるという形になっていたというのもありますが)。
派閥のコマも対して進めず、カード購入でも目立った効果のカードが買えたわけでもなく、では、僕は何をやってたかというと、隙を見ては陰謀カードをちょこちょこ集めてました。
みなさんが重視されていなかったのでアクションスペースが空いてたというのもあるんですが。
中盤が終わり、終盤に移行するというタイミングで手に入れていた主な陰謀カードの効果は、
・ノーコストで戦闘力+4
・条件付きで戦闘力+7
・使用済ワーカーを手元に戻す
・4スパイスを払って1点獲得
という、戦闘でも戦闘以外でもいつでも不意打ちで点数を伸ばすことのできる効果のものばかり。
(もちろん、2ソラリもらうみたいなしょぼい効果のカードも引いてましたが、それでもかなりの引き運の良さだったと思います)

(強そうな効果の陰謀カードを見てほくそえんでます)
そして、ゲームは8ラウンド。終盤に突入します。
7ラウンド目の戦闘1位の報酬で、「全派閥のコマを1つ進める」を得たありきりさんが点を延ばして、この時点で、ありきりさんが8点ともう少しで10点に到達。その後ろ、2,3点差内に如月さん、カヤさんが続きます。僕は3点と大きく離されてます。
逆転できる計画があるというわけでもないんですが、ここからが本番だ!ということで全力投入です。
とりあえず、このラウンドで奇跡的に9金確保できたので、1点になるカードを購入して4点にします(カード効果はほぼないですが、1点になるカードが9金でいつでも買えます)。

(ボード右下にあるのが得点トラックですが、僕の黄色がちょっと離れて下にあります。ここから勝負!とアクションしながら戦闘地域にコマをどんどん送り込んでいきます)
戦闘で1位になった際にもらえるのは2点なので、とりあえず、これを取りに行くぞ!とこれまでのラウンドで駐屯地に送り込んでいたコマをどんどん戦闘に参加させていきます。ありきりさんもここが勝負どころと思われてる(そりゃあ、2点取れば勝利ラインである10点到達なので当たり前ですが)のか、僕のコマを上回る数のコマを送り込んできます。
如月さん、カヤさんはとりあえず静観(戦闘の裏で派閥のトークンの取り合いをにらんだコマの進めあいが起こった結果、ありきりさんは7点に!)。
全員がワーカ配置とカード購入を終えて、戦闘の解決フェイズに。ここでスタートプレイヤーから順に戦闘に効果のある陰謀カードをプレイして、最終的な戦闘力を決定します。僕とありきりさんの戦闘力の差は2で僕が負けています。とりあえず、戦闘力+4のカードを出して逆転しますが、ありきりさんは、「戦闘力+5」のカードを出して更にさを広げます。ありきりさんがまだ戦闘力を伸ばすカードを持っていたら終わりですが、戦闘力+7のカードを続けて出します。ありきりさんの反応は…?
ありきりさん:「+7のカードがあるの!? +5が最強かと思ってた。それは負けた」
よっしゃ!

(戦闘力はコマ数だけでなく、カードなどからの追加もあるので、戦闘力を表示するトラックがあります。20はかなり頑張らないと超えません)
これで6点になりました。残り4点です。
続けて9ラウンド目も戦闘1位の報酬は2点です。
例のスパイス払って1点の陰謀カードもあるので、残り3点をひねり出せれば勝てます。前ラウンドで全力で戦闘しているので、できれば戦闘での勝負には持ち込みたくないですが…。
「つかったワーカーを手元に戻す」陰謀カードも使って、ずっと下の方で上げていなかった派閥のコマをどんどんどんと進めて、なんとか2点は確保しましたが、あと1点が取れません。しかし、このラウンド、みなさん戦闘にそこまでコマを送り込んでいないので、なんとかなるかも!?という淡い期待を抱いて、戦闘にコマを送り込みます。
さすがに3ワーカー+使ったワーカーを手元に戻すとかやってるので、大した数を送り込むためのアクションは埋まってましたが。トップの如月さんをなんとかかわして戦闘力トップになるだけのコマは送り込むことができました。あとは如月さんが戦闘力を上げる陰謀カードを持ってるか次第!
如月さん:「じゃあ、戦闘力+4で」
僕:「持ってるかー」
僕と如月さんがともに9点、カヤさん、ありきりさんが7点で最終10ラウンド目に突入します。
もう10ラウンド目のことなど考えずに9ラウンド目で全力を出し切ったので、手元にはソラリ以外のリソースはありませんし、陰謀カードも効果が強いものは残っていません。
水やスパイスを使う効果の強いアクションはリソースがないので行えませんし、残っている勝ち筋はキャラクター能力であるソラリをコストで使うアクションで手札を増やして9金確保するのが一番ありえそうでしたが、ソラリをコストに使うアクションスペースに配置できるアイコンのかかれたカードが1枚しか手札になく、それも難しいです。
リソース無いのは自分で使ったことなのでともかく、ここまで手札に偏りができたのは10ラウンド目にして初めてで、何で、このタイミングで~と思いましたが、どうしようもありません。
(お金をそろえるのが本当に大変&圧縮がほぼできないので、「手札を1枚引く」効果が、このゲームでは思いもよらないほど強く感じます。手札5枚でカード購入に使えるのが2、3枚ですし、デッキもゲーム終了時に20枚ない程度なので、追加の1,2枚がほんとに大きいです。まあ、このラウンド、僕はドローうまく使えませんでしたが)

(最終ラウンドの途中。ありきりさんが戦闘にめっちゃコマを送り込んでます)
最後の戦闘1位の2点はありきりさんが獲得しましたが、如月さんが、9金のカードを購入したり、ゲーム終了時に点数を得る陰謀カードを持っていた等、最後に2点、3点と点数を伸ばして勝利されました。
【感想】
アクション効果がノーコストでしょぼいところ、コストそれなりで効果がでかいところという作りになっている上に、デッキ構築+ワーカープレイスメントというシステムで、デッキに残っているカード=行える可能性のあるアクションがある程度わかる&次ラウンドも選択肢になるアクションが同じということはほぼため、しゃがむところと、大きく張るところのメリハリがはっきりしたゲームです。
(無論、デッキの方は構築部分を工夫すればある程度コントロールできるかもしれませんが、リソースとコストの関係上、毎ラウンド、似たようなことはやれない/やらない方が効率的です)
リソースを貯めている間はじりじりと地味なアクションを繰り返すことになるので、非常にじれったいですが、ある程度リソースがあれば、ドーンと効果のでかいアクションを行えるというのがスカッとして気持ちよいです。アクションの作りがいやらしく、ノーコストで選べるアクションはリソースごとにほぼ1か所なので、他プレイヤーに抑えられたら次ラウンドまで待たないとなりませんし、狙っているリソースを素直に欲しい量まで貯めるということ自体が結構大変です。
そもそも1ラウンドに行えるのは基本的に2アクション、しかも配置時にカードによる制限もあるので、本当にじれったいです。
が、その「なんでもできるわけではない」感や、「やりたいアクションの選択肢自体が狭い」ことが、逆にワーカープレイスメントのプリミティブな面白さを強く感じさせているように思います(なんでもできるぜー、選択肢も多いぜーというプレイヤーにストレスレスなプレイングを提供するようなすかしたゲームではない、泥臭いゲームだと思います)。
さらにカードにワーカープレイスメントの時に使用した時だけに発動する効果とかついているので、いまじゃねえ!とか、アクション弱いけど効果使いたいから選ぶか…とか、やりたいアクション/空いてるアクションにいけるアイコンがついてねえとか、他プレイヤーとの戦いの前に手札(自分の引き運)とも戦うってのが、本当に苦しいです。「やりたいアクションを行いたい」だけなのに!
そして、面白いのが、得点は獲得したリソースを点数へ変換するという素直な作りではないという点です。リソースは戦闘に送り込むコマ(兵士)や更なるリソースの獲得には使えるだけで、なんぼリソースを稼いでも、直接点数に変換するというアクションは存在していません。
リソースを集めることで、兵士を増やして戦闘での勝利点を得やすくなったり、派閥のアクションの支払いを賄えるので派閥でアクションを実施しやすくなってコマを先に進められはしますが、戦闘も派閥(のトークン)も他プレイヤーとの競争に勝たないと点にはなりません。
プレイ内容のとこに書いている、僕とありきりさんが戦闘に力をいれて競い合ったところなど、僕もありきりさんも出せるコマは全部出していますし、そのためにかなりのリソースを払っています。陰謀カードも出し切っています。僕は2点取れたからいいですが、ありきりさんは2位だったので、もらえたのはスパイスやソラリ、陰謀カードとかです。
積み上げたものが報われないというのはゲームであっても結構きついです。そのむき出し感、ALL or Nothing感はひりひりしますし、嫌いではないですが、きついゲームだと思います。
熱い!ともいえますし。
さらになのか、ただなのか、その上なのか接続詞を迷うところですが、このゲーム、荒い部分がかなりあります(勝利点の獲得が相手次第というのも十分荒いんですが)。
1番大きいのは陰謀カードの引き運です。手札をプレイするだけでおまけで陰謀カードがついてくるという効果もありはしますが、基本的にはアクションで1ワーカーを消費して1枚獲得するというようなものなんですが、ソラリ2つから、戦闘力+7や(条件を満たせば)1点、2点というカードまで効果がめっちゃ幅広いです。しかも、全体で結構な枚数がある中に数枚の当たりカードがあるという内訳なので、引けた引けないでかなりゲームへのかかわり方が変わります。
(僕はたまたま良いカードを引けていたため、勝負に絡めましたが、そうでないとかなりつらいゲームになったと思います。勝った如月さんも陰謀カードの引き次第で4点くらい稼いでいた気がします)
次に、手札運です。
ワーカープレイスメントに使えるのが(ワーカーを増やさなければ)2枚しかないので、ワカプレで使いたいカードが一気に手札に来ると使えないまま、捨て札に行ってしまいますし、ドミニオンのようなデッキ構築メインのゲームと異なり、デッキのシャッフル&購入したカードのドロー機会がそうそう何度もあるわけでもないので、
最後にスタートプレイヤーの周りが時計周りのみなわりにプレイ人数に依らず、最終ラウンドは10ラウンド(途中収量はありますが)固定なので、ゲーム開始時に4番手のプレイヤーは後手番になる割合が多くなります。
戦闘は基本的に後置きが有利とはいえ、最後はほぼ全力で殴るだけなので、ワカプレ有利な先手番プレイヤーの方が有利さは上だとは思います。
まあ、手番順どうこうよりも手札運、陰謀カード運の方がゲームの有利不利には強く作用する気がするので、そこまで気にならなかったですが(現に僕は4番手でいい勝負できてますし)。
最後に書いたところはまんま文句ですが、それ以上に、ゲームの熱さ、ワーカープレイスメントやマジョリティ争い(戦闘力比べ)のプリミティブな楽しさは、なんというか荒さゆえのパワーを感じさせるゲームです(星間宇宙船があるほど科学は発達してるのに、チャンバラするひとらが一番強いみたいな理屈じゃない感じです)。
タペストリー / Tapestry

(4人でインスト込み3時間ほど)
【概要&ルール】
国土拡大だ!発明だ!探索だ!科学発展だ! うちの国を発展させるぞ! あれ?なんか隣の国の発展スピード、うちの倍くらいあるんですけど…。
手番でやることはシンプルながらしっかり国が発展していく拡大再生産のゲームです。
手番には以下のいずれかを行います。
・進歩:科学、発明、軍事、探索の4つのトラックのいずれか1つを選んで、自分のコマを1マス進めます。進んだ先のマスにかかれたコストを払った後、利益やボーナスを得ます。
・時代を進める:新たなタペストリーカード(特殊能力カード)をプレイしたり、自文明の能力を使ったり、収入(リソース&点数)を得たりします。
時代を規定回数進めたら、そのプレイヤーはゲームから抜けます。全プレイヤーがゲームから抜けたらゲーム終了です。
(プレイヤーによってゲームから抜ける時期はまちまちです)
・トラックの固有アクション
各トラックの利益には、アクションが実施できるものもあります。
科学:ダイスを振って、出目に対応したトラックを進めることができます(進んだ先の利益がもらえない場合もあります)。
技術:入手済の技術を1段階アップグレードすることができます(技術には2段階もらえるものがあり、アップグレードごとに1つずつもらいます)
軍事:自分の領地に隣接する土地にアウトポストを置き、新たな領地にします。その後、戦争ダイスを振り、点数やリソースを手に入れます。
探索:手元から土地タイルをボード上の空きスペースに配置します。周りの土地タイルを模様があっていたら得点になります。
・収入
個人ボード上の収入トラック上で見えているマス(セットアップ時に家コマをおいて埋めています)に書かれた収入(リソースや点数)を得ます。
【プレイ内容】
一味さん、キノさん、僕の3人で。
まず最初に自分の国の文明を決めます。ランダムに文明カードが2枚ずつ配られるので、そこから1枚を選びます。
僕が引いたのはミスティックスとアーキテクト。XXは、ゲーム終了時に自分の国がどの程度発展しているかをゲーム開始時に予想して、正解していたらボーナス点がもらえるというギャンブル能力です。初プレイでは予想もくそもなかろうともう一方のアーキテクトを使うことにしました。
アーキテクトの能力は、自分の首都ボードの縦列、横列が埋まっている場合にもらえる点数が1点から2点になるというもので、これも使えるんかな?とは思いましたが、まあ、ないよりはましということで。
一味さんはアルケミスト。時代が新しくなる際に、サイコロを振って、目が被らなければ最大で4つ、出目に対応したトラックを進めることができる能力です。
キノさんはフューチャリスト。全てのトラックが4段階進んだところから始まります。
トラックを進めるためのコストは、全トラック共通で以下の通りです。
1~3段階:任意の資源1つ
4~6段階:任意の資源1つ+トラックに応じた資源1つ(科学なら人、探索なら食料など)
7~9段階:任意の資源2つ+トラックに応じた資源1つ
10~12段階:トラックに応じた資源2つ
つまりキノさんは、20個くらい資源を払わずにトラックをあげた状態からスタートです。
強すぎねえか?という話も出ましたが、1~4段階目の利益を得る機会はなくなってますし、この後は、トラックをあげて利益を得るためのコストは初期の2倍かかるんで、フェアな設定になってるんじゃないのかな?と、まあ、やってみましょうとスタート。
ゲーム開始一番初めのアクションは必ず「時代を進める」です。ここで資源とタペストリーカードを1枚手に入れることができます。
タペストリーカードは、次からの時代を進めるアクション時にプレイ可能になるカードで、その時代の間ずっと効果を発揮するものと即時効果のみのものがあります。
この時、僕が引いたカードの効果は「技術カード獲得時に中段の効果がもらえる」でした。
技術カードは通常、獲得時に技術スペースの下段に置かれ、アップグレードというアクション効果で中段→上段とあがることで、各段に対応した効果を得ます(アクションが出来たり資源がもらえたり等)。要は1回分余計にカード獲得だけでもらえてしまうという効果で、これ、強いのでは?と考え、進めるトラックを発明中心にすることにします。

(よさげなタペストリーカード)
※このゲームの特徴として、プレイヤーが行えるアクションは「進歩=資源を払ってトラック上でコマを1つ進める」ですが、進めた先のマスの効果として、家を建てるアクション、発明品をアップグレードするアクション、探索アクション、他人を攻めるアクション等が行えます。
自分でやりたいアクションを選ぶことはできません。あくまでプレイヤーが選べるのはどのトラックを進めるか(または時代を進めるか)だけです。
技術のトラックを進める際の固有資源はお金です。そして、お金を手に入れるためには、発明トラック上にあるアクションで建てることのできる種類の家を多く建てる必要があります。
家を建てようとそのアクションまでトラックを進めると、その間にある技術カード獲得のアクションもしてしまうのですが、仕方ないと割り切ります。
そして、タペストリーカードを使うべく時代を進めます。1時代目に建てた家の分、もらえる資源も増えていますが、消費資源も増えているので、アクション数はそう変わらなそうです。
というところで、ふと気づきます。初期は1アクションのコスト=資源1つですが、キノさんは4段階進んだところからスタートしてるので、コスト=資源2つです。なので、僕らの半分しかアクションをこなせないはずですが、時代を進めるタイミングがほぼ同時でした。
キノさん:「この文明、初期に追加で4つ資源もらえるんです」(通常は4つなので、要は倍もらってる)
僕&一味さん:「強すぎやろ!」
僕と一味さんが取った戦術もよくありませんでした。
最初に場に出ていた技術カードが強そうだったせいか、一味さんも技術トラックをメインに進める戦術を取っており、軍事、科学、探索を一番進めているのがどれもキノさんというイケてない状態です。
といっても、僕はタペストリーカード的に少なくともこの時代は技術トラックを進めるしかないんですが。
技術カード獲得時に利益を得る効果はやはり強く、この時代でそれなりに躍進することはできました。
(場に並んでいるものから選ぶので、、良いカードが出てくるとキノさんたちに取られてしまってましたで、効果はぼちぼちでしたが)。

(拾ってきた技術カード。なんか時代がめちゃくちゃな感じしますが)
しかし、それでもキノさんがやはり強い。トラックが進んだ状態だとコストも上がってますが、効果もいいものが多いせいか、まあ、徐々に独走態勢に入りつつあります。
探索トラックを進めて土地を広げ、軍事トラックを進めて領土を広げ、キノさんの土地を攻めれば少しは止められそうではありますが、キノさんが先に領土を広げているのがよくありません。
一味さん:「これ、土地広げてキノさんとこに隣接したら先に殴られない?」
僕:「殴られますね。判定とかなく、殴った側が勝ちますし、1つの土地におけるアウトポストコマの数は2つまでなので、1度殴られると、元々あったアウトポストと攻め込んできた側のアウトポストで2つになるので、その土地は不可侵になります」
一味さん:「殴られた方もその先の土地に攻め込めるの?」
僕:「できませんね。殴られた側のアウトポストは横倒しにされて、自分の土地ではなくなるので。攻め込めるのは自分の領土に隣接する土地だけです」
一味さん:「じゃあ、(後から領土を広げていく側は)どうしようもねえじゃねえか!」
その通りで、このゲーム、圧倒的に先に領土を広げた方が有利です。1度戦闘があって不可侵になった土地は、攻め込んだ側はそこを拠点に接してる敵国に攻め込めるのですが、攻め込まれた側は不可侵土地が邪魔で敵国を殴りにいけません。
しかし…、
僕:「タペストリーカードの中に、トラップっていうカードがあって、それを持っていれば攻め込まれた側が逆に勝てます。なので、一応、防御というか、止める手段はあります。全体の10%弱がそのカードで結構枚数があるので、まあ、タペストリーカードを2,3枚持ってるなら、そのうちの1枚がトラップでも不思議ではないので、殴りにくくはなります」
一味さん:「ほー。でも、それは攻め込まれた時だけの話? キノさんがトラップ持ってたら攻め込んでも負けるってこと?」
僕:「そうですねえ」
キノさん:「トラップカードねえ」(と言いながら、そっと手元のカードに視線を送る)
僕:「あ!持ってるっぽいですよ!」
キノさん:「どうですかねえ」
このゲーム、他プレイヤーより先に達成するとボーナス点がもらえる要素がいくつかあります。
ボード中心の島を占拠するとか、戦闘で2勝するとかです。
キノさんが中心の島にも手を出そうとされていたのもあり、先ほどのような会話をしたんですが、止めに行く?と一味さんと顔を見合わせます。

(キノさんの国が真ん中に進出したあたり)
一応、戦闘は戦闘アクションのマスに軍事トラックを進めないとできないので、キノさんが戦闘アクションのマスを全部通過した後から、一気に隣接して攻め込むとか、戦闘アクションまで2マス以上あるタイミングで隣接するなど、やれる手はありますが、今すぐに止めるということはできず、キノさんがボード中央に進出。ボーナス点を獲得されます。
僕と一味さんも苦しい状態ではありましたが、キノさんを止められないだけで、自分たちのやりたいことはできるため、淡々とキノさんに絡まない場所でソロプレイ。
しかし当然やりたいことを好きにやってる人の方が伸びはいいですし、このゲーム、非常にシンプルな拡大再生産なので、僕らがトントンと点を稼いでる間に、キノさんはドーンドーンドーンと点を稼いで拡大もやってと、もうどうしようもありません。
僕はアーキテクトの能力を活用するためにランドマーク(首都ボードにおけるでっかい建物コマ)を多く取得して首都ボードを埋めたかったんですが、そちらもイマイチうまくいきません。
ランドマークの獲得は2つ方法があり、1つは技術カードのアップグレード時に獲得する方法、こちらからはいくつかランドマークを獲得できましたが、上段まで上げた際の報酬なので、終盤になってようやくでした。もう1つの方法は、各トラックの4、7、10段階目に一番先に到達することですが、こちらはもうキノさんを止めることなどできず、キノさんが「置ききれないけど、ボードの外においていいの?」と聞くくらいの独占状態。
フューチャリストはツヨイナア。
中盤以降は、もう勝ち目ないけど最善を尽くすというスタイルで僕も一味さんもプレイしており、キノさんには勝てなかったが、自分の国でやりたいことはやってやるぜ!と望んだ最後の時代。
一味さんは技術トラックがもう少しで最後まで進むのでそれをやりきるのが目的のようです。
キノさん:「このタペストリーカードの効果で一味さんの技術トラックを指定します」
何を言ってるのかとカードの効果を確認してみると、「指定したプレイヤーが指定したトラックを進めた場合、同じ利益を獲得できる」という効果。
一味さん:「じゃあ、俺が技術トラック進めたら、キノさんもトラック終盤の効果がもらえるってこと!?」
キノさん:「そう」
一味さん:「マジか!?」
僕:「技術上げるの諦めて別のトラック進めればキノさんは得しませんよ」
まあ、ひどい効果のカードで一味さんは何も損はしません、しませんが、それでも、効果だけさらっていくとかやりきれません。
最後の時代なので、この時代は諦めて後で上げるというのもできませんし、これは辛い。
(結局、やってられない的なことをおっしゃりながら、技術トラックを上げ、キノさんはありがとうと効果を受け取ってらっしゃいました)
僕は技術トラックは最後までは進められませんでしたが、技術トラックを進めることで建てられる家をすべて建てることが3時代目あたりでできたため、時代を進める際の得点でドーンドーンと稼ぐことができ、最後にグンと点数を伸ばしてフィニッシュ!
やりきった!


(終了時の僕の首都ボードと全体の様子)
まあ、僕と一味さんを足してもキノさんに届かないくらいの点数だったんですけどね。
キノさんは2つのトラックを最後まで進め、1つは一味さんのおかげで最後までの効果を受けともう本当にやりたい放題で圧倒的大差で勝利されました。
(領土からの収入を終始忘れていたので、実際はもう少し点が伸びたとは思いますが、まあ、伸び幅は当然キノさんが一番なので…)
【感想】
面白いか、面白くないかといわれると、間違いなく面白いゲームです。
ただ、文明能力とタペストリーカードの能力差がとんでもないので、プレイヤー間でインタラクションはあるにも関わらず、勝負してる感が薄い、やってらんないという不思議なゲームです。
フューチャリストは最強の文明ですが、他にもこれ強すぎるやろという文明がいくつかあります。強すぎてもいいんですけど、弱い奴らもいるんで、文明間の差がものすごいことになる場合があります。タペストリーカードも、思わず二度見するほど弱い効果のものもあれば、キノさんが使ったみたいなめっちゃ強いのもあります。
プレイヤーインタラクションもタペストリーカードで一方的に攻撃したり搾取したりとか、先に殴った(攻撃成功した)方が圧倒的有利な妙な戦闘システムとかで、相互と言うには弱いので、一方通行とすら言えます。
(戦闘に関してはトラップカードの存在=逆襲されると痛すぎるから初めから攻めない方がいいよという作りかとは思うんですが)
じゃあ、何がいいんやねんというと、単純にプレイングが楽しい。それに尽きます。
本来、ちゃんと準備して、手順を考えて行うことを簡略化して、深く考えることなく、過程をすっ飛ばしつつ、ちゃんと4X(「ストラテジーゲームの中でも、"eXplore":探検、"eXpand":拡張、"eXploit":開発、"eXterminate":殲滅、の4つの性質を兼ね備えた作品を指す」(wikipedia)をプレイさせてる感じを味合わせる。そういうゲームです。
このすっ飛ばし具合がうまくて、例えば、カード1枚をプレイして、唐突に、それであなた帝国を作り上げました!やったね!と言われても、なんのこっちゃとなります。タペストリーでは、アクションを簡略化させつつも、これは残しておかないと「〇〇をやった」感が薄れる/なくなる部分を残してます。
この残してる部分の抽出がうまいんですが、デザイナーが必死に抽象化したというよりは、「プレイヤーの他ゲームの経験上、こういう要素を〇〇だと思ってるだろうな」という部分を残してる感じがするんですよね。
まあ、徹底的にテストプレイをするパブリッシャーなので、プレイヤーたちの考える〇〇の平均値が残ったのかもしれませんが、どちらにせよ、こういう他ゲームで似たようなことをやってたから、この行為は〇〇だ!って感じるのはちょっと面白かったです。
このすっ飛ばし=簡略化ですが、1つのアクションを簡略化しているのももちろんですが、プレイ内容の方にも書いた通り、プレイヤーは自由にアクションを選ぶことはできず、通常なら、3つ4つのアクションをどの順で行うのかを自分で考えて実行していくところを、トラック上で決められた通りの順番で実行することしかできない=アクション選択を簡略化されています。
つまり、最適なアクション順がゲームによって決められているわけです。
家を建てる際に、石を手に入れ、木を手に入れ、設計図を作り、職人を雇い、家を作るという段階を踏む場合、最後の家を作る以外をどういう順序で行うかはプレイヤー次第です。
しかし、タペストリーでは、別にそんなのどうでもええやろと、順番を決め、やるかやらないかの2択にしてしまっています。
んで、恐ろしいのが、これで十分面白いんですよね。もちろん段階を踏む過程に面白さがあるゲームも存在はしますが、そこは切り捨てても問題ないという。
むしろ、資源を払い続ければ間違いなく、やりたい方向に進めるという。さらに言えば、そこで人と差が付くことはありません(※)。
単純に、自分のやりたい(国を発展させたい)ことを決め、そこに資源を払うか払わないか、トラックが4つなので、ほぼ四択をずっと続けるだけのゲームなんですが、前述のとおり、それでもしっかり国を発展させてる感じはするし、面白い。
※トラック上にそって成長させても全部の家を建てることはできませんし、うまくやる余地は残ってるんですが、あくまで通常のアクションの範囲ではということで。
資源の支払いも簡略化されており、トラックの進んでいる段階で数は決まり、後はトラックの種類で一部特定の資源が必要というだけ。特定トラックを進めるのに必要な特定資源がなくなったら、余ってる資源でどこか別のトラックを進めればよいというわかりやすさ。
さらに言えば、資源がもらえるのは基本的に時代を進めた時だけなので、
時代を進めて資源をもらう → どのトラックを進めるかの四択で資源を消費する → 時代を進めて資源をもらう
という、考えるのはどう使うかだけで済むという、完全に収入と消費をわけた、わかりやすさ重視の作りです。
4Xゲームの要素のみを抽出し、特定ジャンルを成長させる際の選択肢をなくし、資源の支払い方やマネジメントを簡略化した、徹底的なわかりやすさ、プレイヤーの手間を省いた面白さ一直線のゲームだと思います。
(徹底的にすぎた結果、インタラクションや時代に関係なく登場する技術など一部が正直いびつになってるとも思いますが)
ぶっちゃけた話、もっと泥臭いのが好きなので、面白いゲームではあるものの僕の好みではないんですが。トラック上のアクションを行うだけでは上限がある、特化できないなど、コントロールされすぎてるようにも感じますし。
※いつも以上にまとまりのない感じになっておりますが、年こすまでにもう1記事書きたいのでご容赦ください。
フォアシュピール2019秋に参加してきました その1
ゲームマーケット新作の試遊イベント、フォアシュピール2019秋に参加してきました。
2日間開催されており、試遊できるゲームは異なっていたようですが、特にゲームなどは確認せず、都合の良かった日程で参加してきました。
全部で11ゲームを試遊させていただきました。どれもそれぞれの面白さがありましたが、これ!というのは、以下の3ゲームでした。
・マーチヘアゲームスさんの「転がる芝浜」
・ワンモアゲーム!さんの「SCOUT!」
・バンダイナムコ研究所さんの「イロトカタチ」
【ゲームの感想】
転がる芝浜

※コンポーネントは試遊用のもので、製品版とは異なります。
魚を市場から買ってきて、お店に卸してお金を稼ぐゲーム。
各プレイヤーが複数持っているダイスを市場に置いていって、市場のダイスの数が規定値に達したら決算となり、置いたダイスの数と価値が高いプレイヤーから、多くの魚を獲得できる。要はエリアマジョリティのゲーム。
基本的には1手番に市場へおけるダイスはひとつなんだけど、目が同じダイスは複数同時に置けたり、ダイスが6面と10面の2種類あって決算時にタイブレイクで10面多い方が勝ったりする。
決算は数多い方が有利なので複数同時置きしたり、そこに価値の高いダイスを混ぜたりなんやかんやする。
ポイントは獲得した魚が手番終了時に徐々に腐る(一番足が速い魚だと獲得した手番含め3手番で腐る)ところと、1手番に市場に出せるダイス数が0~X個と幅広いところ。
魚は腐るので、獲得後、さっさと売る必要があります。しかし、売却は契約カード形式になっており、場に出ているカードの組み合わせでないと売ることができません(正確には売れますが安くなる)。
ではどうすればいいかというと、1つの市場で決算が起きた後、他の市場でも続けて決算を起こして組み合わせを作るしか基本的にはありません(偶然、市場に出ている魚とカードの組み合わせが同一というパターンももちろんありますが)。
ここで効いてくるのが、ダイスを置く時の数の幅があるところで、他人の決算を邪魔したければ1つずつ置けばいいですし、逆に自分のために急いで決算を起こしたいのであれば、同じ目のダイスを手元に複数残しておいて一気に決算という手もあります。
使ったダイスを手元に戻すタイミングも一応任意なので、手元にはやりたいことをやれるだけのダイスはないが、回復させて、他人より有利な状況を作ってやれとかもできます。
しかし、どちらにせよ、自分単独では決算は起こせない(起こせないわけではないが難しい)ので、他人に「相乗ってくれー」とか、「お前の狙ってる決算なんて起こしてやらんからな!」とか、水面下でばちばちやり合うのが楽しいゲームでした。
ベースはイムホテップなどの、複数の決算エリアでマジョリティ争いをする、各エリアに自分のコマを1手番にX個送り込んでいくという形のゲームなんですが、獲得したリソースを活かすところまで計画に入れないとダメ(逆に他人の計画を狂わせることもやろうと思えばできる)だったり、手番で獲りえる選択肢が多かったりなど、工夫のし甲斐がありました。
あと、市場におけるダイスの最大数などでうまく調整されているのか、ダイスを使ってはいますが、遊んでいて、ダイス目の大小の影響をさほど感じなかったのも良かったです。決算時、だいたいは数と価値(10面ダイス数)でほぼ決まり、数の勝負になることが少ないので、ダイス運にやきもきすることが(少なくとも今回のゲームでは)ほぼなかったです。
同時だしできるかどうかの判断で“ダイス目”という要素が必要だからダイスを使っていますが、それ以外のところでは普通のコマと大して違わんというか。純粋にどこに、どのタイミングで、どれくらいの数を置くのかに焦点が絞られていて好みでした。
(正確に言えばダイス目の合計数でぎりぎりやるということもできると思うんですが、数や価値で殴られるとどうにもならないので、たぶんダイス目の大小が機能する場面はそう多くないと思ってます)
ただ、魚を売る際にもダイスを1つ使うのですが、その際、ダイス目によって売れる契約カードが決まってくるという仕組みになっており、結局、ダイス目次第なんかーと、ちょっと残念ではありました(同じ目であれば複数ダイスの合計値でOKなので、制限はゆるめではありますが)。
ゲームが終わって、面白かった旨をお伝えしたところ、頒布価格がそれなりの額になりそう(なので販売数は伸びなさそう)というお話をされていました。1時間程度の中量級なので、十分ありな価格かなーとは思いましたが、ゲームマーケットだと全体的に価格帯が低いので、厳しいのかもしれません。
良いゲームと思うので、売れると良いのですが。
SCOUT!

シリメツレツをベースにした、手札を整えながら出し切りを狙うゲーム。
手札は配られた時点から並び順も上下も変えることができません。手札から出す際には、隣り合っているカードが同数、または連番なら複数枚同時だしができます。
手番時に、場に出ているカード(の組)より強いカード(の組)であれば、手札からプレイして、出ていたカードを点数(1枚1点)として獲得することができます。自分の出したカードの組が新しい場札になります。
場札が強く手札から出すことができない、または出したくない場合、スカウト!となり、場札から1枚を取り、手札の任意の場所に任意の向きで差し込むことができます(カードの数字は上下で異なっているのです)。この時、1枚とった代わりに、サプライから1点チップをその場札をプレイしていたプレイヤーに渡します。
こうして、弱くなった場札に対して、次のプレイヤーが手札からプレイするか、スカウトするか…を
・誰かが手札を全て出し切る
・誰かがプレイした場札を1巡の間、誰も上回ることができない(みんなスカウトした)
のいずれかになるまでぐるぐると手番を続けます。
手札を出し切った、または誰も上回れない場札を出したプレイヤー以外は、残った手札が1枚1点のマイナスになります。こうして、獲得していたカード枚数+1点チップー残り手札枚数が得点になります。(この時は1ディールだけでしたが、たぶん人数分ディールやるルールだったはず)
試遊後に、デザイナーさんがシリメツレツの良さを熱く語ってしまうくらいシリメツレツをベースにしたゲームなんですが、プレイ感はずいぶん違っていて、あちらは1人の負けを決める、SCOUT!は1人の勝ちを決めるんで、緊張感が全然違います。
シリメツレツはどこかのんびりした印象すらあったんですが、SCOUT!は、一撃必殺を狙って手札を強化するメンツと、必殺の手札を作られるより前に逃げ切ろうとするメンツの1手を競うような争いが、淡々とした手札プレイ/強化の流れの水面下で繰り広げられています。
(必ずしも出し切らなくても、自分以外の全員がスカウト(手札強化)しても終わりってのが、ギャンブルにでる要素があっていいと思います)
しかし、そういう一撃必殺、デッドオアアライブな戦いのゲームでありながら、デザイナーさんの人柄が反映されているのか、全体的に優しい印象を受けるゲームでもあります。手札を上下反転しても良い点(配り運の軽減、自分の選んだ手札という自己責任感の強化)や、スカウト(手札強化)時にカードの代わりに渡す1点チップはプレイヤーの点が減るわけではない(サプライから渡します)点など、ちょっとした“嫌”を軽減する作りがとても好印象でした。
基本的にマイナス面はないゲームかと思いますが、誰でも遊べはするけども決して大人しいわけでもないゲームなので、そこだけ面子によっては注意かなと思います。
イロトカタチ

手番プレイヤーが引いたお題カードの内容をランダムに配られた10枚の色カードを使って表現して、他プレイヤーに当ててもらうゲーム。
もし当てられなかったら更に色カードを10枚追加して次手番プレイヤーが同じお題に挑戦します。
ポイントは色カードを動かしてもいいところ! リアルタイムヒント!
“おにぎり”とかのお題だと、白いカード3枚くらいで三角作って、黒カードで海苔をつけて…で動かす必要ないんですが、この試遊の時に出た最高難度のお題だと、

1.適当なカード3枚を横一列に並べ、それと直角になるようにもう3枚のカードを置く。
2. 左手に肌色(最近は薄オレンジとか表現されるんですがご容赦ください)カードの下2/3に青カードを重ねてもち、右手に肌色カードの下2/3に白カードを重ねて持って、両手を近づけてしばらくゆらゆらさせる。
3.横一列に並べていたカード3枚をぐいっと縦にして、直角に並べていた3枚のカードと重ねる。
4.先ほどの左手:肌色+青カード、右手:肌色+白カードを同じように持ち、右手をびくっとさせた後、テーブルの下にはけさせる。その後、右手は肌色+緑カードに持ち帰る。
とかやってました。(正解は数行下に)
制限の中で伝える表現を作ることがゲームとしての面白さというのは、過去の類似ゲームで散々僕たちは思い知ってきてるわけです。ピクテルやぽんこつペイントとか。
動かしていいですよって聞いた時は、マジか!動かしちゃっていいのか!ぬるすぎませんかって思いましたが、(実際簡単なお題だと簡単すぎると感じることはありますが)制限がゆるい分、表現の幅が半端なく広い! こういう表現をしたいんだけど、このルールだとできないんだよな…ということがほぼありません。
伝える側のスキルの受け入れ幅もものすごく、子供から大人まで。大人の中でも苦手気味の人から、こういうの得意な人まで楽しめるかと思います。
あと、ヒントを出す側って、他の類似ゲームだと伝わらない時にものすごくもどかしい思いをするのですが、このゲームはそんな時にはどんどん動かしていいし、新しいヒントを出しても良いと、もどかしさを感じるくらいなら、何かしら行動しちまえ!というアクティブなところが、とても良かったです。
コンセプトとかも追加ヒントを出せる仕組みではありますが、静的な表現と動的な表現の2軸があるので、イロトカタチはヒント出しやすいのかなと。
まあ、やはり表現の広さ=制限のゆるさなので、一部のがっちがちのゲーマー向けではないとは思います。幅広い層と遊ぶという方にかなり寄っているゲームです。そういう場で遊ぶ機会があるのならかなり良いかと思います!
ちなみに、上の例の答えはシンデレラでした。
その2に続きます。
2日間開催されており、試遊できるゲームは異なっていたようですが、特にゲームなどは確認せず、都合の良かった日程で参加してきました。
全部で11ゲームを試遊させていただきました。どれもそれぞれの面白さがありましたが、これ!というのは、以下の3ゲームでした。
・マーチヘアゲームスさんの「転がる芝浜」
・ワンモアゲーム!さんの「SCOUT!」
・バンダイナムコ研究所さんの「イロトカタチ」
【ゲームの感想】
転がる芝浜

※コンポーネントは試遊用のもので、製品版とは異なります。
魚を市場から買ってきて、お店に卸してお金を稼ぐゲーム。
各プレイヤーが複数持っているダイスを市場に置いていって、市場のダイスの数が規定値に達したら決算となり、置いたダイスの数と価値が高いプレイヤーから、多くの魚を獲得できる。要はエリアマジョリティのゲーム。
基本的には1手番に市場へおけるダイスはひとつなんだけど、目が同じダイスは複数同時に置けたり、ダイスが6面と10面の2種類あって決算時にタイブレイクで10面多い方が勝ったりする。
決算は数多い方が有利なので複数同時置きしたり、そこに価値の高いダイスを混ぜたりなんやかんやする。
ポイントは獲得した魚が手番終了時に徐々に腐る(一番足が速い魚だと獲得した手番含め3手番で腐る)ところと、1手番に市場に出せるダイス数が0~X個と幅広いところ。
魚は腐るので、獲得後、さっさと売る必要があります。しかし、売却は契約カード形式になっており、場に出ているカードの組み合わせでないと売ることができません(正確には売れますが安くなる)。
ではどうすればいいかというと、1つの市場で決算が起きた後、他の市場でも続けて決算を起こして組み合わせを作るしか基本的にはありません(偶然、市場に出ている魚とカードの組み合わせが同一というパターンももちろんありますが)。
ここで効いてくるのが、ダイスを置く時の数の幅があるところで、他人の決算を邪魔したければ1つずつ置けばいいですし、逆に自分のために急いで決算を起こしたいのであれば、同じ目のダイスを手元に複数残しておいて一気に決算という手もあります。
使ったダイスを手元に戻すタイミングも一応任意なので、手元にはやりたいことをやれるだけのダイスはないが、回復させて、他人より有利な状況を作ってやれとかもできます。
しかし、どちらにせよ、自分単独では決算は起こせない(起こせないわけではないが難しい)ので、他人に「相乗ってくれー」とか、「お前の狙ってる決算なんて起こしてやらんからな!」とか、水面下でばちばちやり合うのが楽しいゲームでした。
ベースはイムホテップなどの、複数の決算エリアでマジョリティ争いをする、各エリアに自分のコマを1手番にX個送り込んでいくという形のゲームなんですが、獲得したリソースを活かすところまで計画に入れないとダメ(逆に他人の計画を狂わせることもやろうと思えばできる)だったり、手番で獲りえる選択肢が多かったりなど、工夫のし甲斐がありました。
あと、市場におけるダイスの最大数などでうまく調整されているのか、ダイスを使ってはいますが、遊んでいて、ダイス目の大小の影響をさほど感じなかったのも良かったです。決算時、だいたいは数と価値(10面ダイス数)でほぼ決まり、数の勝負になることが少ないので、ダイス運にやきもきすることが(少なくとも今回のゲームでは)ほぼなかったです。
同時だしできるかどうかの判断で“ダイス目”という要素が必要だからダイスを使っていますが、それ以外のところでは普通のコマと大して違わんというか。純粋にどこに、どのタイミングで、どれくらいの数を置くのかに焦点が絞られていて好みでした。
(正確に言えばダイス目の合計数でぎりぎりやるということもできると思うんですが、数や価値で殴られるとどうにもならないので、たぶんダイス目の大小が機能する場面はそう多くないと思ってます)
ただ、魚を売る際にもダイスを1つ使うのですが、その際、ダイス目によって売れる契約カードが決まってくるという仕組みになっており、結局、ダイス目次第なんかーと、ちょっと残念ではありました(同じ目であれば複数ダイスの合計値でOKなので、制限はゆるめではありますが)。
ゲームが終わって、面白かった旨をお伝えしたところ、頒布価格がそれなりの額になりそう(なので販売数は伸びなさそう)というお話をされていました。1時間程度の中量級なので、十分ありな価格かなーとは思いましたが、ゲームマーケットだと全体的に価格帯が低いので、厳しいのかもしれません。
良いゲームと思うので、売れると良いのですが。
SCOUT!

シリメツレツをベースにした、手札を整えながら出し切りを狙うゲーム。
手札は配られた時点から並び順も上下も変えることができません。手札から出す際には、隣り合っているカードが同数、または連番なら複数枚同時だしができます。
手番時に、場に出ているカード(の組)より強いカード(の組)であれば、手札からプレイして、出ていたカードを点数(1枚1点)として獲得することができます。自分の出したカードの組が新しい場札になります。
場札が強く手札から出すことができない、または出したくない場合、スカウト!となり、場札から1枚を取り、手札の任意の場所に任意の向きで差し込むことができます(カードの数字は上下で異なっているのです)。この時、1枚とった代わりに、サプライから1点チップをその場札をプレイしていたプレイヤーに渡します。
こうして、弱くなった場札に対して、次のプレイヤーが手札からプレイするか、スカウトするか…を
・誰かが手札を全て出し切る
・誰かがプレイした場札を1巡の間、誰も上回ることができない(みんなスカウトした)
のいずれかになるまでぐるぐると手番を続けます。
手札を出し切った、または誰も上回れない場札を出したプレイヤー以外は、残った手札が1枚1点のマイナスになります。こうして、獲得していたカード枚数+1点チップー残り手札枚数が得点になります。(この時は1ディールだけでしたが、たぶん人数分ディールやるルールだったはず)
試遊後に、デザイナーさんがシリメツレツの良さを熱く語ってしまうくらいシリメツレツをベースにしたゲームなんですが、プレイ感はずいぶん違っていて、あちらは1人の負けを決める、SCOUT!は1人の勝ちを決めるんで、緊張感が全然違います。
シリメツレツはどこかのんびりした印象すらあったんですが、SCOUT!は、一撃必殺を狙って手札を強化するメンツと、必殺の手札を作られるより前に逃げ切ろうとするメンツの1手を競うような争いが、淡々とした手札プレイ/強化の流れの水面下で繰り広げられています。
(必ずしも出し切らなくても、自分以外の全員がスカウト(手札強化)しても終わりってのが、ギャンブルにでる要素があっていいと思います)
しかし、そういう一撃必殺、デッドオアアライブな戦いのゲームでありながら、デザイナーさんの人柄が反映されているのか、全体的に優しい印象を受けるゲームでもあります。手札を上下反転しても良い点(配り運の軽減、自分の選んだ手札という自己責任感の強化)や、スカウト(手札強化)時にカードの代わりに渡す1点チップはプレイヤーの点が減るわけではない(サプライから渡します)点など、ちょっとした“嫌”を軽減する作りがとても好印象でした。
基本的にマイナス面はないゲームかと思いますが、誰でも遊べはするけども決して大人しいわけでもないゲームなので、そこだけ面子によっては注意かなと思います。
イロトカタチ

手番プレイヤーが引いたお題カードの内容をランダムに配られた10枚の色カードを使って表現して、他プレイヤーに当ててもらうゲーム。
もし当てられなかったら更に色カードを10枚追加して次手番プレイヤーが同じお題に挑戦します。
ポイントは色カードを動かしてもいいところ! リアルタイムヒント!
“おにぎり”とかのお題だと、白いカード3枚くらいで三角作って、黒カードで海苔をつけて…で動かす必要ないんですが、この試遊の時に出た最高難度のお題だと、

1.適当なカード3枚を横一列に並べ、それと直角になるようにもう3枚のカードを置く。
2. 左手に肌色(最近は薄オレンジとか表現されるんですがご容赦ください)カードの下2/3に青カードを重ねてもち、右手に肌色カードの下2/3に白カードを重ねて持って、両手を近づけてしばらくゆらゆらさせる。
3.横一列に並べていたカード3枚をぐいっと縦にして、直角に並べていた3枚のカードと重ねる。
4.先ほどの左手:肌色+青カード、右手:肌色+白カードを同じように持ち、右手をびくっとさせた後、テーブルの下にはけさせる。その後、右手は肌色+緑カードに持ち帰る。
とかやってました。(正解は数行下に)
制限の中で伝える表現を作ることがゲームとしての面白さというのは、過去の類似ゲームで散々僕たちは思い知ってきてるわけです。ピクテルやぽんこつペイントとか。
動かしていいですよって聞いた時は、マジか!動かしちゃっていいのか!ぬるすぎませんかって思いましたが、(実際簡単なお題だと簡単すぎると感じることはありますが)制限がゆるい分、表現の幅が半端なく広い! こういう表現をしたいんだけど、このルールだとできないんだよな…ということがほぼありません。
伝える側のスキルの受け入れ幅もものすごく、子供から大人まで。大人の中でも苦手気味の人から、こういうの得意な人まで楽しめるかと思います。
あと、ヒントを出す側って、他の類似ゲームだと伝わらない時にものすごくもどかしい思いをするのですが、このゲームはそんな時にはどんどん動かしていいし、新しいヒントを出しても良いと、もどかしさを感じるくらいなら、何かしら行動しちまえ!というアクティブなところが、とても良かったです。
コンセプトとかも追加ヒントを出せる仕組みではありますが、静的な表現と動的な表現の2軸があるので、イロトカタチはヒント出しやすいのかなと。
まあ、やはり表現の広さ=制限のゆるさなので、一部のがっちがちのゲーマー向けではないとは思います。幅広い層と遊ぶという方にかなり寄っているゲームです。そういう場で遊ぶ機会があるのならかなり良いかと思います!
ちなみに、上の例の答えはシンデレラでした。
その2に続きます。
シティ・オブ・ザ・ビッグ・ショルダーズ(ベータ版)/City of the Big Shoulders (Beta)

(3人でインスト込み4時間ほど)
※BGGのこちらにあるPnPデータと、ベータ版のルールで遊んだものです。製品版とは異なる部分が諸々あるのではないかと思いますので、参考程度にご覧ください。
【概要&ルール】
1871年にシカゴの街で起こった大火事からの復興がテーマのゲームです。プレイヤーは投資家になり、自分の資本で会社を立ち上げて製品を生産・販売することで街の需要を満たしていきます。さらに、様々な建物を建てるなど、会社の直接的な運営だけでなく、成長に役立つことをどんどんしていきましょう。
ゲームは、会社設立フェイズがまずあり、その後に本格的にゲームが始まります。既定ラウンドをこなすとゲーム終了です。
会社設立フェイズでは、任意の順でプレイヤーが1つずつ会社を設立します。設立は、以下の流れで行います・
・設立したい会社を選ぶ
・初期株価を設定する(※この後でてくる株価=10%株の値段という意味です)
・設立した会社のシートと株券、トークン類を受け取り、トークンは株価とアピール値(会社ごとに初期値が決まってます)のトラックにおく
・初期株価の3倍分のお金を所持金から払って(払える分以内に初期株価を設定する)会社シート上に置き、会社から社長株(30%分の株)を受け取る
※要は設立ルールはほぼ18XXと同じです。
ラウンドは以下の5フェイズで構成されています。
1.株フェイズ
2.建物フェイズ
3.取引フェイズ
4.運営フェイズ
5.クリーンナップフェイズ
1.株フェイズ
プレイヤーが手番順に設立済の会社の株を1株買う、自分が持っている株を売る、会社を設立するといったアクションか、ソフトパスを選択する。全員が続けてパスするまで続ける。最後にパスしたプレイヤーの次手番のプレイヤーに次ラウンドの株フェイズのスタートプレイヤーマーカーを渡す。
2.建物フェイズ
全プレイヤーに建物タイルを既定枚数ずつ配り、その中から、1つを選んで自分のエリアに建てる(ノーコスト)。(新たに配られないラウンドもある)
3.取引フェイズ
アピール値が一番低い会社を持っているプレイヤーから時計回りに、プレイヤーが持っているワーカーを1つずつ建物に配置してアクションを行う(建物=アクションスペースで、要はワカプレを行います)。
建物の効果(資源がもらえる、マネージャーを雇う、従業員を雇う等々)は、ワーカーを配置したプレイヤーが持っているいずれか1つの会社にのみ適用する。建物に記載されている使用コストは効果を受ける会社の資産から払う。共用の建物なら銀行へ、いずれかプレイヤーののエリアにある建物ならそのプレイヤーへ払う(自分のエリアに建てた建物の効果を自分の会社へ適用する場合でも、会社から自分が受け取る)。まれに銀行から会社がお金を受け取る場合もある(資金援助的なアクションを選んだ場合等)。
4.運営フェイズ
アピール値の高い会社から順に、全ての会社でリソース購入、商品生産、商品売却、利益の配当有無決定、リソース補充を行います。
商品購入:メインボード上の市場に置かれているリソースキューブを示されている値で購入します
商品生産:各会社には工場のラインが複数あり、それぞれに必要な従業員数、リソース種類&数、生産される商品数が記載されています。必要な従業員を(取引フェイズで事前に)雇っており、必要なリソースが全て購入済である工場は、リソースを捨てることで記載されている数の商品を得ます。
商品売却:各会社にはどの分野(畜産品とか靴とか)の商品を生産するか記載されており、メインボード上の同じ分野の需要カードに対して、商品を売る(需要カード上の○を埋めるように商品を置く)ことができます。需要カードが埋まっていた場合でも利益(後述)は半分になりますが売ることはできます。
利益の配当有無決定:会社ごとに商品1つ当たりの利益は決まっており、売った商品×その利益の金額がその会社の全利益になります(需要カード外に売った商品は半額で計算)。全利益を株主に配当するか、配当せずに会社に全部ためるかを決めます。配当した場合、全利益×所持する株のパーセンテージの額が銀行から株主に支払われ(会社に株がある場合、会社に支払われる)、その後、株価が上がります。配当しなかった場合、会社に全利益と等しいお金が入り、株価が下がります。
リソース補充:メインボード上に空の市場がある場合、そこに補充が入ります。
5.クリーンナップフェイズ
埋まった需要カードの破棄&新たな需要カードの補充などを行った後、次ラウンドに移ります。
●最終得点計算
規定ラウンドが経過したら、まず、目的タイルの確認を行います。目的タイルは「自分が社長株を持っている会社の従業員数が一番多い」、「10%株を一番持っている」など、ゲーム開始時にランダムに設定され、その条件を満たしている場合、ボーナスでプレイヤーにお金がはいります。
その後、保有している全ての株をその時の株価で売り、現金化し、所持金が最も多いプレイヤーが勝利します。
【プレイ内容】
※あくまでベータ版のルールを元に不明点は都度プレイヤー間で協議して決めつつ遊んだ内容になります。
一味さん、Blueroseさん、僕の3人で。
面白いに違いないと思ってはいたものの、正直、得体のしれないゲームなので、これでいいですかね?と確認とった上でスタート。
セットアップ後、まずは会社を1つ設立するわけですが、かなり会社ごとに性能(というのも変ですが)が異なってます。必要従業員数が多い代わりに生産可能な商品数が多かったり、生産商品数は多く、必要な従業員数は少ない代わりに商品の単価(利益)が少なかったり、単価は高いけども他が…というのがあったり。
じゃんけんでスタートプレイヤーになったので、本当に好きなのを選べることになったものの、候補が10社と多いので目移りします。とりあえず、このラウンドの需要が1つしかない(需要カード運がすごく悪かった)畜産系の会社はないなと候補から外し、残りを見てみます。
すると、初期アピール値3(初期値としては一番高い)、必要従業員数は2ライン分でたった2人(大抵のは1ラインで2,3人必要)という会社があったので、これにしました。
その分、生産できる商品数は最大3個と少な目ですし、単価も安めではありますが、実はこのゲーム、アピール値を上げていくと色々と会社にボーナスが入り、アピール値3のボーナスは『従業員2人をサプライから得る』なので、設立した瞬間に2ラインとも(リソースがあれば)稼働可能になるというお得な会社でした。
当然、「ずるい!」「ずるい!」とステレオで言われますが、他にも良い会社ありますよ!と返します(さすがにないとベータ版とは言え、バランスとれてなさすぎるので)、次にBlueroseさん、最後に一味さんが選んでいよいよ本格的にゲーム開始です。
Blueroseさんの会社は従業員はそれなりに必要で商品の生産数も少ないものの商品単価が高い(僕のとこの2倍以上)会社。
一味さんとこは必要従業員数も生産商品数も単価もアピール値も全部ぼちぼちの会社。
商品の分野は畜産を避けてさらにみんなばらばらにしました。被せると被らなかった一人が楽になるだけなので、これは当たり前と言えば当たり前ですが。
1ラウンド目の株フェイズはお金がないので、全員パスして、建物フェイズへ。建物フェイズは建築候補の建物が既定数配られ、そこから1つ選んでノーコストで建てる(メインボード上に置く)フェイズです。
※建物=この後の取引フェイズにおけるアクションスペースです。
僕のところに配られたのは、商品単価を1段階あげるセールスマンを1人雇うものと、青空市からリソースを手に入れるもの×2。青空市からリソースを手に入れるものはリソースが指定されているのですが、うちの会社の工場で使えるリソースではなかったので、セールスマンを雇える建物を建てることにしました。
一味さん、Blueroseさんが選んだのは、マネージャーを雇うものとアピール度+2のもの。なんかいい建物引いてますね!
マネージャーは向上に配置でき、その工場の生産に必要なリソースを1つ少なくする&生産後にアピール度+1というとても使える能力を持ってる上に、公共建物だと60ドル必要なのが、一味さんの建物だと20ドルですみます(払うのは会社の金ではあるんですが)。
Blueroseさんのアピール度+2もアピール度をあげる手段はそれほどないうえに、アピール度が9になれば取引フェイズで使えるワーカーが1つ増えるのに向けてコツコツでもいいのであげたいため、これまた使いたい建物です。
しかし、これらの建物は使うと一味さんやBlueroseさんの懐にお金が流れるため、悩ましいところですが、今回僕が取るべきなのは公共建物にある「アセットの購入」で、黒リソースを青空市場から手に入れるアセットを購入しました。
なぜなら、うちの会社の工場の生産に必要なリソースが1つも市場にでなかったからですw。
ワーカーは初期でも2つあるので、もう1つはマネージャーを獲得して取引は終了。Blueroseさんはアピール値&マネージャー。一味さんは従業員雇用です。
建物へのワーカー配置は一部の公共建物(従業員雇用など)を除いて1ワーカーしか置けない早どり&取引フェイズに使えるワーカーは2つしかないので、お互いに「あー、それね。それいいよね。やりたかった」といいあっていました。
一味さんは残り物からアピール値が低めの会社を選ぶしかなく、唯一、従業員を金で雇った(僕とBlueroseさんはアピール値のボーナスでもらえた)ので、なんだなんだ先手番有利の強い会社選んだもの勝ちゲーか!?と仰っていましたが、まあ、会社設立時に会社にいれた150ドルのうち、100ドルを従業員雇用に使わないと工場が動かないとか言われれば、そう愚痴りたくもなります。
続いての運営フェイズ、Blueroseさんはマネージャーがいることもあり、普通に生産&売却。僕は市場に黒リソースが全くでてきませんでしたが、取引フェイズに獲得していたアセットのおかげでなんとか生産して売却。市場に黒リソースがあれば2ライン動かせたんですが、1ラインのみでちと残念でした。
そして、一味さんですが従業員雇用で会社の金をほとんど吐き出していたせい&市場に出てくるリソース運(巾着からランダム引きです)のせいで、運用資金がショート。1ラウンド目から緊急株売却を行い、なんとか資金を確保して生産されていました。
(資金ショート時の緊急株売却でも、商品を生産しなかった時と同様に株価は下がります。下がりますが、生産&売却できれば株価はまた上がりますし、需要を満たした際のボーナス等、色々あるので、一時的にショートしても基本生産して売った方がよいと思います)
2ラウンド目。建物フェイズではまた一味さんがマネージャー雇用の建物を建設。これで安価でマネージャーを雇える場所が2ヵ所に。僕とBlueroseさんは青空市場からリソース獲得できる建物でした。
僕は本当に市場に黒リソースが出てこないので仕方なしという感じでしたが、Blueroseさんは工場の全ラインを確実にフル稼働するのが目的の模様。
マネージャーをもう1人雇ってアピール値をどんどんあげられるようにされてました。
僕はなんとしてもこのラウンドで2ラインとも動かしたかったので、黒リソースを獲得するためにワーカーは使用しました。
そして、このラウンドの運営フェイズで僕とBlueroseさんのワーカーは2人から3人になりました。僕は工場の全てのラインを起動させたボーナス(この辺のルールはあいまいですが、この時はこういうルールでやりました)、Blueroseさんはアピール値が9まであがったことによるボーナスです。
ワーカーは取引フェイズで建物(アクションスペース)におくことで、運営フェイズでの各会社の生産を助けたり利益を増やしたりするのに使うわけですが、3人もいれば、もう1社会社作ってもワーカーなんとかなるんじゃない?と考え、3ラウンド目の株フェイズで新会社を設立しました。質より量の畜産品生産会社です。少ない従業員で多くの商品を作れる代わりに単価がめっちゃ安いです(僕の1つ目の会社がBlueroseさんの1社目の半分くらいでしたが、さらにその半分)。
従業員を雇うのにワーカーを使うのが馬鹿らしいので、必要従業員数が少ない会社を選んでみました。設立したばかりの会社はさすがにアピール値が低いので取引フェイズ(ワーカー配置のフェイズ)でスタートプレイヤーを取れそうです。
スタートプレイヤーが取れれば、ずっと取れなかったアピール値+2の建物にワーカーを置けるだろうから、それでアピール値ボーナスでさらにワーカーが1人増える…と皮算用していたところ、Blueroseさんも新会社を設立!
そして、選んだ新会社の初期アピール値はなんとゼロ。
当然、場にある会社の中で一番アピール値が低いので取引フェイズのスタートプレイヤーはBlueroseさん。そして、株価が一番高い会社もBlueroseさんの1社目なので、運営フェイズでもスタートプレイヤー。運営フェイズでは各社がリソースを好き放題使うので、自分の会社に番になった際に欲しいリソースが残っているか運任せなんですが、スタートプレイヤーなら、今見えているリソースがそのまま自分の手番の時のリソースなので、取引フェイズから無駄なく計画を立てることができます。
うーん、これはやばいです。
アピール値ボーナスでワーカーを増やそうという目論みもつぶされて、思ったより会社の成長が遅れそうで若干ピンチです。
ここで目を引いたのはアセット。
即時効果でアピール値+4の効果がついてます。これを取れば、予定通りワーカーをもう1人増やせます。ただ、市場には生産に必要なリソースがいまはないので、アピール値トップになっちゃうと生産できなくなりますし、何故か今回のゲームでは黒リソースがほとんど出てこず、いまだに初期配置時に出ていた3つしか場にないという状況です。この状況で黒リソース2つを青空市場から獲得できるアセットを手放すことはできません。
仕方ないので、このフェイズでワーカーを増やすことは諦め、先ほど設立したもう1社の全ライン稼働によるワーカー追加を狙う作戦に変更しました。
すると、一味さんが、「これいんじゃない!」とその即座にアピール値+4のアセットを獲得。これで一味さんもワーカーを1人追加して3人体制になりました。
これでワーカー的な差はなし。一味さんは1社しか持っていないので、全ワーカーをその1社につぎ込むことができます。
生産効率向上&アピール値アップのマネージャー、単価アップのセールスマンを雇用し、一気に稼ぎをあげてきました。
なんつうか、おふたりの工場は販売時の利益がでかいでかい!
幸いこのラウンドはそこまで差は開きませんでしたが、僕の1社目はスタートダッシュには優れているものの単価や生産数の上限がそれほどではない上に2社目にワーカーを割いたことがじわじわ効いてきそうです。
あと、僕の1社目とBlueroseさんの2社目のは商品の分野が工業製品で被っているのもうまくありません。あちらはまだ生産量も少なく、また、メインの会社ではないですが、僕は思いっきりメインの工場なので、こちらを邪魔されると大変痛いです(まだ今はいいんですが、最終的に需要が枯れるのを早める要因になるのがやばそうです。需要以上の商品を生産しても利益は半額になってしまいます)。
といっても、このゲームの勝ち負けを決めるのは、会社の儲けではなく、プレイヤー自身の所持金です。儲けのでかい会社の株を持ってれば、それでいいんです!
まあ、Blueroseさんの1社目の株は僕は持っておらず、一味さんの会社の株しか持ってないんですが…。
僕とBlueroseさんがまだ儲けの少ない新会社の株に払ったお金を全プレイヤーの1社目の株購入に充てている分、少なくとも2ラウンド目、3ラウンド目の株からの儲けは一味さんが一番多いように感じてました。
アピール値が上限近くになってくると、会社のラインを1つ追加する効果や、生産する商品を追加する効果がでてきます。
僕は結局マネージャー効果でなんとかワーカー追加のあたりまでアピール値を上げた後は、アピール値上げにワーカーを使わなかったんですが、一味さんとBlueroseさんはがんがんにアピール値を上げてライン追加、さらに生産商品数を2つくらい追加です。
僕も取引フェイズのアクションでラインは増やしていたので、そこまで差はつきませんでしたが、次のラウンドからは追加商品がお二人とも4つつきます。
単価でも負けてるし、大変苦しいことになってます。
んじゃ、僕がアピール値を上げずに何をやってたかというと、毎ラウンド株価を1段階アップといういんちき性能のアセットを獲得してました。
商品の販売では負けてますが、計算からいけば終了時に僕の1社目が株価トップになるはずです。
(株持ってるプレイヤーが売れば株価は下がるので、一味さんたちが僕の会社の株を売る可能性もあったんですが、売って僕に与える損害よりも、持っていることによる配当&最終的な販売額の方が魅力的だと判断してくれたようで売られませんでした)
あと、実はこっそり2つのことをやってました。
1つ目は会社の金を自分の懐に移すこと。取引フェイズで自分の建てた建物にワーカーを置けば会社から自分に使用料が支払われます。これまでは会社の儲け最優先でやってましたが、僕の会社は2社ともかなり大胆にワーカーを配置しない限り売り上げはもう伸びなさそうだったので、方針転換しました。
2つ目は目標タイルです。ゲーム開始時にランダムに5つの目標が決定され、それぞれ指定された条件でプレイヤーの中で1位になれば200ドルもらえます(ゲーム終了時の1社目の株価が10%あたりだいたい200ドル前後なので、かなり大きい額です)。
タイのものもありますが、最終5ラウンド目に他の方の出方にある程度あわせれば5つのうち4つはトップがとれそうです。
5ラウンド目。アピール値トップのBlueroseさんの1社目、次席の一味さんの会社が単価を上げきったうえにアピール値ボーナスでの生産商品追加等も加えて、これまでに見たこともないような額の儲けをたたき出します。
僕はBlueroseさんの2社目に需要を食われたこと&絶対的な生産数が少ないことなどから、ぼちぼちの儲け(みんなで株を持ち合ってるので、うちの会社の儲けが少ないと、あからさまにがっかりされましたw)。
しかし、思惑通り株価はトップで終了し、目標タイルでも4つでトップが取れました(一味さん、Blueroseさんは2つずつ)。
結果は目標タイルの達成数の差で一味さんをまくって勝利できました!
説明はあったけど目標タイルのこと忘れてた!ずるい!ずるい!と散々言われたので参考勝利ということで。
Blueroseさんは会社の儲けはすごかったんですが、僕や一味さんの会社の株を買うのが遅れて十分な枚数の株券を買えてなかったのが効いたようでした(今回は一味さんが1社しか設立されなかったので、場にある全ての株券数が全プレイヤーの所持数限界に対して少なかったようです)。

(終了時。見えにくいですがアピールトラックの一番上にBlueroseさんと一味さんの会社のトークン(おはじき)が重なって置かれ、その右隣りの株価トラックでは僕の青いおはじきが一番上にあるのがわかるかと思います)
【感想】
プレイヤーが社長になって自分の工場を運営するようなゲームはたくさんありますし、鉄道ゲームに限れば(というか18XX)1人が複数社経営するゲームもあります。でも、鉄道会社以外の会社を複数社1プレイヤーが持てるゲームって(少なくとも面白くて評判になるものは)意外となかったわけなんですが、このシティ・オブ・ザ・ビッグ・ショルダーズはちゃんとめっちゃ面白く、複数社経営できる意味、1社でいく意味ちゃんとあって楽しめました。
とはいえ、ベータ版のゲームについて細かい話をあーだこーだ書いても仕方ないので1点のみ。
ワーカープレイスメント+1プレイヤーが複数会社経営可能+プレイヤーと会社の財布は別という要素の組み合わせが最高に良いです!
ぶっちゃけ、遊んだ人は声をそろえて「荒い」というほど処理や能力が荒いところがあり、バランス調整などまだまだされていくと思うのですが、そんなことはとりあえず置いておいて、面白い、製品版でたら欲しいと思わせる力がワカプレ+複数社経営+別財布というこのゲームのコアシステムにはあります。
一般的なワーカープレイスメントゲームでもわかるかと思うんですが、ワーカー数=やれることであり、自分のとこの成長スピードです(なので一般的にワーカーを増やす戦術が有効になる)。
このゲームでもそれは同じです。同じなんですが、ワーカーが効果を与える会社を選択しなければならないというのが大きく違う点です。
単純に世界1の会社を作ればよいのなら、ワーカーを1社のみに投入すればよいですが、このゲームはプレイヤーが金持ちになることが目的で、金を増やすには株券を買わなければなりません。しかし、1社が発行できる株券枚数は7枚(30%1枚、20%1枚、10%5枚)なので、購入可能な株券はあっという間になくなります。そうなると手元のお金が遊んでしまうので、新しく会社を設立した方が良いということになります。
でも、その新会社作っても元々持ってた会社と併せて成長させられるだけのワーカーあるの?大丈夫?ワーカー足りなくても新会社建てた方が儲かるの?と、迷うところですが、それを目的タイルに「自社の従業員合計数トップ」など、複数社持つことで有利になる目的を出すことで複数会社保有を促進しています。
さらに、会社がいくら儲けようと(配当はありますが)会社に金が入るのはプレイヤーの勝ち負けだけ考えれば無駄なので、どうやって、どの程度プレイヤーにお金を移動させるかを考えるのもまた楽しいですし、逆に、会社から他プレイヤーにお金を渡すのはどうなんだと、会社の成長のみにワーカーを費やすだけでなく、自身の得になるワーカーの使い方もまた考えることになります(大抵は会社をどーんと成長させれば株価があがるので、それでいいとは思います)。
他にもアセットという成長加速&会社運営安定要素があったり、アピール・生産量・単価などのどこから会社を成長させるか考えたり、需要カードという売り方にもひと工夫あると有利になれたりなど、「単に会社を運営しているだけで楽しい(通常の工場まわして商品作るゲーム)」です(なので、会社からお金を抜くとか、他人の株の売買に関する考えとかが疎かになりがちだったりしますw)。
プレイ時間が4,5時間と重量級ゲームではありますが、長時間平気な重ゲースキーな方は製品場が出たら是非遊んで欲しいタイトルでした。