ニザヴェッリル/ Nidavellir

(4人でインスト込み70分ほど)
【概要&ルール】
ドラゴンを倒すための軍隊を作り上げて欲しい!王からの勅命を受け、あなたは国中の酒場をめぐり、力になってくれるドワーフたちを集めるのだ!
プレイヤーは5つのコインを持っており、ドワーフカードを手に入れるために、それらをブラインドビッドします。
毎ラウンド開始時に、各プレイヤーは手元にある5つのコインのうち3つを使い、3つの酒場に1つずつブラインドビッドします。
その後、ゴブリン亭→ドラゴン亭→馬亭の順番で解決します。
各酒場にはプレイヤー人数に等しいドワーフカードが並べられており、コインの値が大きいプレイヤーから好きなカードを取り、手元に並べていきます。タイの時にはジェムと呼ばれるタイルがあり、その数字の大きいプレイヤーが勝ちます(タイブレイク後に、ジェムタイルをタイのプレイヤー同士で交換します)

(こんな感じで個人ボード上にコインを配置します。写真は2つ目の競りまで終わった(コインを公開したところ))
それを規程ラウンド分繰り返し、点数の高いプレイヤーが勝利します。
・勝利点について
ドワーフからの点、コインの価値の合計、ヒーローからの点の合計です。
ドワーフたちは5種類の職業があり、それぞれ得点方法が異なります。
戦士:書かれた数字の合計。ランク(カードに書かれた矢印というかプラカードというか的な数字の書かれたマーク)数が一番多いプレイヤーは手持ちで最も高いコインの価値を追加できます
ハンター:枚数の乗数
鍛冶:枚数に応じた点数(3,7,12,18,25,33、…と枚数-1ずつ増えていきます)
抗夫:書かれた数字の合計×ランク数
探検家:書かれた数字の合計

(ドワーフカード。カード左肩の数字の下にあるのが”ランク”です。通常はカード1枚1ランクですが、写真右下のカードだと1枚に3ランク書かれています)
ヒーローは基本的に書かれた数字分の点がはいりますが、色々な能力を持っています。
・コインの変換について
コインは以下の2つの場合、高額のコインに変換できます。
1.値がゼロのコインをビッドする:金貨袋上に置いた、このラウンドビッドに使っていない2つのコインの合計値のコインと、2つのうち数字の大きいコインを交換します。
2.コインの額を+Xするカードを手に入れる:ただちに任意のコインと、そのコインの額に+Xした額のコインを交換します。
この時、交換する値とちょうどの値のコインがなかった場合、一番近い、在庫のある高額のコインと交換します。

(上から2番目に公開されているゼロのコインにはコイン変換の能力がついているので、個人ボード下部に避けておいた2つのコインを公開し、その合計値(この場合は3+5で8)を獲得します。その後、変換に使ったコインのうち、高い方を捨てます)

(コインはこのようにディスプレイ上におかれています。場所はとりますが、どのコインが残っているかは一目瞭然です)
・ヒーローについて
ランクが5種、1列そろったら任意のヒーローカードを手に入れます。2列目がそろったら2枚目、3列目がそろったら3枚目…と手に入れることができます。
ヒーローには、ランク数の多い職業として使えるもの、単に基礎点が高いもの、点数は低いが能力(競りを全部後出しできるなど)がついているものなどがいます。

(結構人数が多い&全員並べるためのカード立てがついてますが、かなり場所をとります)

(特殊能力がない代わりに枚数を増やすと点数があがっていく5人兄弟(カードの名前が同じ)のヒーロー。毛と髭の量が違うのがなんとも)
【プレイ内容】
ニコさん、ピーヨツさん、ゆれひさん、僕の4人で。
やることは基本的にずっと一緒ですが、ゲームは前半と後半に分かれており、ちょうど真ん中で職業ごとにランク数を比べてトップのプレイヤーにちょっとした能力のついた勲章的なカードが配られます。
例えば、戦士なら即座に+3のコイン変換効果のカード、抗夫ならタイの際に必勝になるジェムがもらえる等です。
そんなわけで、前半は、どの勲章カードを取りたいかを考えつつ、ドワーフたちを取っていきます。
僕が重点的に集めようと決めたのは抗夫。勲章カードの効果は、タイの際に必勝になる金色のジェムがもらえます。
抗夫は、1枚に書かれた数字は0~2と小さいですが、最終得点はランク数との掛け算なので、集めれば強いかなと思ったのですが、はてさて。
それ以外はとりあえず手なりというか、プレイヤー人数分カードは用意されているので、取れるカードを取っていくみたいな感じでやってました。

(1ラウンド目が終わったところ辺り。オレンジ色の抗夫を集めてみてます)
そして、3ラウンド目、このラウンドの終わりで勲章カードの獲得フェイズに入るので、みなさん、自分が狙っているカードが取れるのか、ちょっと慎重に考えてビッドしてらしたのですが…。
ゆれひさん:「ゴレンジャイ!」(5職業で1ランクずつそろって、ヒーローカードを取る条件を満たしたということの模様)
3ラウンド目の最初の競りでゆれひさんとニコさんがヒーローカード獲得条件を満たしました。
インスト時にひと通りヒーローは説明してたんですが、ここで改めてヒーローを見てみると…。
どれも強い!(強そう)
特殊能力付きのヒーローももちろん強そうなんですが、特に能力のない、5職業のヒーローも1枚のカードにランクが3つ付いていたり、コインの交換能力がついてたりと、便利そうです。
が、ここで重要なのは、『複数ランク付きのヒーローとれば、逆転が難しいと思ってた職業の勲章カードもとれるんじゃないの?』ということ。
僕もこのあと、ヒーロー獲得条件を満たして、上記のように、これ取れば、こっちの職業の勲章カードとれる?ということで、それなりに悩んだんですが、まあ、誰がトップかもわからない状態で邪魔するようなプレイングはやめようということで、抗夫の点数を伸ばす(3ランク付き)のヒーローを獲得しました。
他の皆さんも、これまでの取得傾向のまま、特に誰かを邪魔するようなことはされていませんでした。
これで、抗夫の勲章は僕が獲得。その効果で、タイブレイクで必勝のジェムを獲得しました。
しかし、このあたりになるとみなさん、それなりにコインを変換しているので、そうそうタイが発生しなくなってたんですが。
まあ、狙ってたもんは仕方ないですし、あったらあったで便利なのも確かなので、良しとします。
そして、勲章カードの効果を得た後、後半戦に突入します。
後半なったからといって、特に強力なドワーフカードが登場するということもなく、基本的には前半と同じ程度の強さのものがでてきます。
が、前半と後半とで大きく違うことがあります。それはプレイヤーの持っているコインの価値です。
スタート時点では全員同じ価値のセットを持っていたわけですが、前半でみなさんそれなりに変換しており、かなり構成が変わってます。
カード効果ではなく、コインを変換する際には、変換効果付きの価値ゼロのコインをビッドした上で、ビッドで使わなかったコイン同士をその合計値に変換するので、
・ゼロのコインをビッドしないとならない(トップは諦めないとならないビッドが必ず出てくる)
・高い価値のコインを作りたければ、高い価値のコインをビッドに使わずにとっておかないとならない
ということになります。
僕はとにかくこのコインをビッドすれば必ず勝てる!という高価値のコインを作るべく、高い値のコインは競りでは使わずに変換に回してたんですが、そうすると競りに使えるのは低い値のコインばかりになるので、当然競りでは勝てませんw。
勝てないといっても、みなさんも変換するためのゼロのコインは毎回使ってますし、毎回4番手になるということではないんですが、カードを取るのは大抵3番か4番ということが続きます。
それでも、前半集めていた抗夫や戦士のカードは取れていました。戦士はプレイヤー内で一番集めていればゲーム終了時に、手元で一番価値の高いコインを追加点として得ることができるので、最強のコインを作ろうとしている自分の戦術とは相性がよいなと抗夫が取れない時は、戦士を取っていたのですが…。
誤算というか、見誤っていたのが2点。
まずヒーローカードが強い!取れたら取るかでやってたんですが、感覚的に通常のドワーフカード2,3枚分かそれ以上の強さがあるようなので、積極的にとって良いというか、取らないと勝てなそうです。
そして、2点目。通常のドワーフカードの職業間で結構強さの差がありそうということ。これは最初からわかってたことですが、余りものを取ってるだけでは勝てなさそうです。
そんなわけで、もう終盤も終盤になってから積極的に競りに勝ちに行ってみることにしました。
ピーヨツさんやゆれひさんは、ゼロビッドについてる変換効果だけでなく、勲章カードや競りでたまにでてくるコイン価値をあげるカードの効果で価値をあげていたこともあり、僕のように1つの超高価値のコイン(20後半))を作るというよりも、それをやりながら、ぼちぼち価値の高いコイン(5~9程度)も作られていました。
そして、これが非常に厄介です。実質最強のコインで勝ち目がないわけなんで。
ゼロビッドからの変換も使われていたので、当然、そこで僕のゼロと被れば、タイブレイクでは必勝なんですが、当然、欲しいカードの時には、前述の実質最強コインを出してくるわけで。ピーヨツさんたちをかわしながら2枚目、3枚目のヒーロー獲得の条件を満たすべく、色々あがいてみました。
まあ、僕がヒーローを獲得するために必要なカード=ピーヨツさんやゆれひさんが多く持っており、僕のところに回ってきてなかった職業のカードなので、ピーヨツさんたちがその職業を今以上に伸ばそうとすると、競りで勝てない僕(とニコさん)はにっちもさっちもいかないんですけどね…。
最終ラウンド、これまで育ててきたコインを使って、1戦は狙ったカードが取れてヒーローを獲得できたものの他2戦はピーヨツさん、ゆれひさんが順当に勝ち、また余りものしか取れないということになり、うーん、これでは厳しいかもなあと思っていた通り、ピーヨツさんが頭2つほど飛び出てるくらいの点数で勝利されました。

(最終ラウンド開始時。右下が僕で、戦士(赤)と抗夫がそれなりに集まってます。左上がめっちゃ鍛冶屋(紫)をのばしてるピーヨツさん。左下のニコさんは抗夫がとれればヒーローが連続して獲得できる状態ですが、各酒場に1人しかいないので、カットされやすい状態です(僕とゆれひさんにたまたまだったり狙われてカットされてました))
【感想】
(パブリッシャーは“コインビルディング”と呼んでますが)競りで使うコインの価値を自分で育てていくというところが面白いゲームです。
単純に1点突破型にするか、それとも満遍なく勝てるようにするかなどという選択肢があるところも良いですが、単純に数字を大きくすれば良いということではなく、ベースに“他人との競りに勝つため”というところがあるため、他プレイヤーの持つコインとの相対的な価値が重要になるのが(僕の好みとして)また良いです。
例えば、20のコインは絶対値的にはかなり大きいですが、他プレイヤーが21とか22を持っていれば、相対的な価値はそれほど高くありません。それよりも、6のコインを3つ持っていた方が、絶対的には負けていても他人が1つのコインしか強くしていなければ勝てる可能性は高い=相対的な価値が高くなります。
見た目は3か所の競りを毎ラウンドするゲームですが、コインを競りで勝つための手段とするなら、何を返還対象にするかで次ラウンドも見越した4つ目の競りが行われているとも言えます。
(+Xのカード効果ではなく)変換対象にするコインは競りでは使えないのも効いており、プレイヤー間で一番大きい数字のコインもそのプレイヤーが淡々と変換に使い続けるなら別に怖くはないわけです。
単純にどのコインをいつ、どのように育てるかだけでも結構楽しいんですが、対象のコインがない時は、一番近い価値が上のコインを獲得できるというのも面白く、こちらは+Xの変換の時に、5+3で8にしようかと思ってたけど、6のコインが枯れてるからちょっと得するように3+3で7のコインを取る!とか、まあ、ちょっとした工夫と、それによる楽しさも演出してくれてます。
カードのセットコレクションも正直言って、得点形態的にはよくあるやつです。カード集めれば集めるほど1枚の得点効率が大きくなるもの、何枚目でも得点効率は変わらないものの組み合わせというか。
なんですが、ヒーローの獲得条件とその強めの能力がセットコレクションを面白くしています。
ドワーフは基本的に1つの職業を集中して集めた方が点数効率は高いです。一方でヒーローは各職業のランクが1列(5職業分)そろったらなので、両立することはできません。しかし、各競りはプレイヤー人数分のドワーフカードが用意されるので、狙ってない職業のカードも徐々に集まってきますし、集まってきたなら1枚か2枚、欠けている職業を取ってヒーロー獲得というのも自然な流れになります。
まあ、ヒーロー強いので、そうならなくても狙ってヒーロー重視という戦術もありそうなんですが。
(今回、200点前後の勝負になりましたが、状況次第で1枚で40点になるヒーロー等がいます)
ヒーローが完全にドワーフと別枠というわけでもなく、ちょっと強い職業カード的なドワーフ(ランクが3つあるとか、数字が大きいとか)もいるので、ヒーローを獲得することによって、更にヒーローの獲得条件を満たす的な動きもあり、正直、ちょっとぬるくて味気ない競りに対して、いい感じでプレイヤーに方向性と熱さを与えてくれているように思います。
ただ、ヒーローの強さは多種多様な能力のおかげ(色んな戦術と相性のよいカードがあるし、逆に戦術のもとになるだけの強い能力もちもいる)でもあるんですが、山札からめくられてくるとかではなく、最初から全てのヒーローが獲得可能ですし、ある程度、事前に説明する必要があり、どうしてもそこの説明で時間がかかるのが欠点だと思います。
競りやコイン変換のルールがシンプルな分、どうしてもそこが目立ちます。初回の印象はこのプレイ時間だとヒーローの説明時間の方が長かったなでしたし(※感覚的なもので実際にはもちろんプレイ時間の方が余裕で長いです。プレイ時間の割に長め、程度です)
そこは若干アンマッチさを感じますが、前述までの理由などゲームの出来はよいですし、きっちりプレイヤーのプレイングが勝ち負けに反映されるよかゲームだとも思います。
ニュー・フロンティアーズ/ New Frontiers

(4人でインスト込み1時間弱ほど)
【概要&ルール】
毎度おなじみ銀河帝国の発展競争だ! すごい加速度で発展するから置いて行かれるなよ。あれ?今度の銀河はなんか優しいぞ…?。
レース・フォー・ザ・ギャラクシー、ロール・フォー・ザ・ギャラクシー、ジャンプ・ドライブなどと同じ世界観というか、同じ絵柄、同じ名前のカード/タイルが出てくるゲームの第四弾(レース~はかなりの数の拡張も出てますが)です。
やることはレース・フォー~と同じですがアクションの選択&実行タイミングなど、細かい部分が変わっています。
手番順に1つアクションを選択し、プレイヤー全員が同じアクションを実行する。ただし、選択者(手番プレイヤー)のみがボーナスがある。この選択を手番順に行い、全員が選んだら1ラウンド終了(ラウンド中、既に選ばれているアクションは選択できない)。
終了条件を満たすまでラウンドを繰り返す。
※要はプエルトリコと同じアクション選択&終了処理になります。レース~がサンファンに似てる!と散々言われたので、今回は作者のトム・レーマンがプエルトリコの作者に了承を取ったそうですw。
アクション種類は以下。
・探索:袋から既定数の惑星を引き、手番順に1つずつ裏向きに手元に取っていく。アクション選択者は1つ目を取った上で、最後に残ったものから1つ取る。
・植民:コスト(金+開拓者コマ)を払って手元にある惑星を1つ表にする(軍事惑星ならノーコストで軍事力の条件を満たす)。または開拓者コマ2つを得る。選択ボーナスは開拓者コマ+1。
・開発:コスト(金)を払って中央に並べられている開発の中から1つ獲得する。選択ボーナスはコストマイナス1。
・生産:手元にある生産可能な惑星全てが商品を生産する。選択ボーナスは通常、生産しない惑星に商品を生産させる。(※生産アクションのみ、ラウンド中に誰も選択しなかった場合にお金が載っていき、次に選択したプレイヤーはお金も手に入れられる)
・交易&消費:商品1つを売る。その後、惑星や開発に消費能力があるなら残っているキューブを消費して点や金を得る。
・外交:スタートプレイヤーになり、おまけで1点もらう。(※他プレイヤーは何も行わない)
・目的カードの選定:目的カードの山から既定数を取り、1枚を選んで伏せておく。次にこのアクションが選ばれる、ゲームが終了するなどした場合に公開され、全プレイヤーに適用される。目的カードには、XXを○個持っているなどの条件と満たした時の点数が記載されている。
【プレイ内容】
ウキンさん、あらいさん、一味さん、僕の4人で。
ウキンさんは複数回プレイ済。残りの3人は初プレイです。
初プレイではあるもののレース~やロール~など、シリーズをプレイ済のため、アクション内容などは一応わかります。そんなわけでインストは差分のみの説明という簡略バージョン。
ルールの説明は簡略でしたが、開発や惑星の効果の差分というシリーズ経験者にとっては罠になりそうな部分についての説明もしてくださるという丁寧なインストでした。
(レース~もロール~も数回しか遊んだことがない自分にとって大半は「ほうそんなことだったんですか。それが変わったと。なるほどなるほど」と、そもそもの部分がわかってなかった話ではあったんですが、どうも全体的に強い効果のモノは弱くなるよう調整されているようでした)
まずは初期ワールド(惑星)決めです。20個近くあるものからスタート時点の惑星=能力を選びます。ルール上は各プレイヤー、好きなものを選べばいいようなんですが、まあ、初めてだしようわからんしということでランダムで選びました。
その結果、僕は「開発時に支払ったお金が1金戻ってくる」もの。
とにかく開発中心で進めればよさそうと、方向性が明確で遊びやすそうです(ウキンさんからも「お、いいの引きましたね」と言われましたw)。
そんなわけで初手から開発を繰り返します。
植民時に開拓者コマが必要なのですが、それを手に入れる機会の省略を狙って、探索時に開拓者コマが1つもらえるものをまず購入。というか経験者であるウキンさんが上家だったので真似をしましたw。
ちなみに、開発で購入するタイルはゲーム開始時に並べられます。完全にランダムという訳ではなく、半分は必ずゲームに登場するもの、残りの半分が両面印刷になっており、どちらの面の能力をそのゲームで使うかを開始時にランダムで決めます。
さらにいえば、同種のタイルは2枚ずつしかないので強い/強そうな能力のタイルは早い者勝ちになりますし、みんな同じものを買うというような展開になりません。
開発コストマイナス1といっても、2金以上のものを買えば金は減りますし、1金の弱い能力のタイルばかりあってもしかないので、生産力のある惑星をさっさと手に入れて生産と交易のサイクルをまわしたいところです。

(最序盤)
そんな思惑もあり、植民のコストが2下がる開発タイルをほぼ全財産を払って購入しました。
コストが安い惑星にタダで植民してやるぜーと思っていたんですが、安いコストの惑星が出てこない!
一味さん、ウキンさんが結構探索アクションを選んでくれ、たくさん袋からは引かれるんですが、コスト4以上の惑星だったり軍事惑星だったりでうまくいきません。
うーん、つらいという展開でしたが、生産力のない惑星(windfallsの惑星のことです。植民時のみ商品がわく、なので厳密には違うんですが、端的に説明できないのでお許しください)でも商品を生産できるようにする開発を手に入れ、一番最初に手に入れていた惑星で青商品を生産して交易+1と合わせて2金という細々とした儲けで食いつなぎながら、エイリアンの惑星なら植民コストマイナス3という開発を購入し、高コストでみんなが取らなかったエイリアン系のコスト6や7の惑星へ植民していきます。
エイリアンの惑星は売値の高い商品を生産できるので、ようやく安定した財源を手にいれました。これを元に消費能力のある惑星やゲーム終了時に点数になる価格9金の開発タイルを購入していく構えです。
ウキンさんは茶色の惑星に特化して植民し、さらに開発タイルなどの能力も茶色惑星に特化して、茶色商品をお金や点数に変換されていきます。
一味さんは軍事力のある初期惑星だったので、軍事方面に走ります。軍事系の惑星は軍事力が条件を満たしていれば植民できるので、探索時に惑星を追加で手に入れられる能力や、植民アクション時に複数惑星に植民できる能力などを手に入れて能力を有効活用する形でガンガン探索→植民をまわされます。軍事系惑星ながら生産ができるという惑星も中盤くらいに手に入れ、お金も困っていない様子。
あらいさんは初期の惑星こそ軍事力はなかったですが、開発タイルなどで軍事力を強化して、軍事系の惑星を一味さんと取り合いされてました。生産可能な惑星の有無なのか、開発タイルの能力自体は一味さんの方が種類も持っていて強そうでしたが、素点の高い軍事系の惑星をうまいことカットするなど惑星の点数自体は高そうな感じ。
みんな自分の形ができてきたかな?というところで、一味さんが終了トリガーを引いてゲーム終了。
数点差にみんなが収まる接戦でしたが、ウキンさんが勝利されました。
ウキンさんは序盤から中盤にかけてかなりうまいことまわっている感じだったので、納得ではあります。一味さんもかなりうまく回っているように見えてたんですが、あらいさんと軍事で被って高得点惑星が取れなかったので、点数が伸びなかったみたいです。
僕は消費アクションはほぼできてないし、惑星と開発タイル買っただけで終わったな…と思ってたんですが、素点の高い惑星やタイルを手に入れられていたようで、思っていたよりは良い勝負になりました(どうもロースコアの勝負だったようですが)。


(最終盤面。アクションとうまくシナジーがうまれるようなワールドにはできなかったんですが、それでも素点が高かったからか、良い勝負にはなりました)
その後、同じ日に別メンバー(キノさん、一味さん、ウキンさん、僕)で再戦しました。
今度は生産時に生産力のない惑星1つに商品を作れる能力を持った惑星でスタート。
僕の感覚的に生産力のない惑星の方が植民コストが安いと感じているので、お金獲得の主軸にする惑星は安く手に入れ、その分、点数化する方に力を入れるということにします。
緑か黄色の惑星が良かったんですが、最初の探索で手に入れられたのは茶色の惑星。売値は2金と安いので、主塾にはならないですが、探索アクション時に開拓者コマが1つもらえる効果が良いと思ってこれにしました。
この後、青の生産惑星と青商品を消費して得点化する開発タイルを手に入れて、青商品を消費するエンジンを作ります。さらに、黄色の生産惑星と消費時に加点となる開発タイルを2つ購入してエンジンを強化。惑星の能力もあり、生産→交易&消費を1回行うと8金と6点が手に入ります。
キノさんも生産系だったので、お互いに生産と交易&消費を選択し合ってエンジンをまわすこともできました。
一味さんが開発タイルのコスト軽減系のタイルや惑星を複数持っていたので、開発アクションもどんどん行われ、序盤は金が手に入る前に一味さんが選ぶので、一味さん以外買えない、というかもう開発アクションいらないというような場面もありましたが、終盤は僕も手に入れたお金を得点化する良い機会だと喜んでのっかってました。
ウキンさんは今度はただひとりの軍事力強化でしたが、惑星の引きが悪かったようで思うように点数が伸びないように見えました。
今度もまた一味さんが終了トリガー(開発タイル数)を引いて、ゲーム終了。中盤くらいからそれなりに高得点のエンジンが出来上がっていた僕が勝利しました。
面白かったのはキノさんの得点。うまくまわってないなーとゲーム中、何度か仰っていて、実際、ゲーム中の点数はそれほど伸びなかったのですが、序盤に一味さん、終盤に僕が引いた目的カードの目的がキノさんにあっていて4人の中で一番の恩恵をうけ、点数をぐーんと伸ばしていらっしゃいました(最終的な点数が50点ちょっとで、そのうち10点は目的カードからの点でした)。

(終了時。1戦目よりはうまく回ってた感じはしましたが、他の皆さんとの点差は1戦目と似たようなもん)
【感想】
劇的にめっちゃ面白い!とか、斬新なシステム!とかははっきり言ってありませんが、安心感、安定感があり、落ち着いた、無難な面白さのゲームです。
テーマに若干のとんがりはあるものの、そこさえ引っかからなければ、優等生!普通に面白い!ゲーム内にとんがってるとこもなし!強すぎない運要素、手元のエンジンがちょっと回ったくらいで終わる収束性とやった感ともっとやりたい感のバランス良し!
で感想終わりです。
レース〜もロール〜もジャンプ〜もどれも同じベースながら微妙に異なる面白さですし、トムレーマンすごいなと思います。
感想自体は終わりですが、レース〜とかロール〜といった比較先があるのでこういう印象になるのがディベロップに起因しているのもはっきりわかって面白かったので、以下、その話です。
僕がこのニューフロンティアーズの印象に関係してそうと思う、レース〜などから大きく変更があった点は以下の3つ。
・アクション選択を全員同時ではなく、手番順に行う
・探索時に各自が数枚山から引くのではなく、結構な量を規定数(4人プレイでは7枚でした)引いて、手番順に取っていく。
・開発カードとして山引きだったものが、開発タイルになりゲームで使うものは全て開始時から場に並べられている
要は偶発的な要素が削られている/減らしているディベロップになってます。
人がこのアクションをやってくれるのか?を考えて悩んだり、いざアクション公開したら被ってたーと盛り上がったりも過去作ではあったわけですが、そこら辺はカットしてより高い計画性をとってます(この辺のランダム性抑えて荒くないところは、カードゲームではない、ダイスゲームではないってのを意識されたのかなという気がします)。
んで、計画的に遊べるようになったので惑星や開発の効果は抑えてると。レース〜やロール〜などは拡大の1ステップが大きく、スピード感を感じるほどだったんですが、ニューフロンティアーズは確実に計画して拡大できる代わりに拡大する曲線はゆるやかです。
(それが落ち着いてる印象に繋がってると思います)
終わる時もそのゆるやかな曲線のまま静かに終了トリガーに達するので、手元にしっかり得点要素は作れてるのに、もう少しなんとかできた感が残ります。僕はやり切ってむやみやたらに拡大(というより拡散)するよりはこれくらいが好みですが。
驚きや偶発的な面白さはあまりないけども、毎回確実に高いクオリティのセッションを提供してくれるつくりだと思います。
じゃあ、落ち着いた、やんちゃする余地のないゲームなのか?というとそうとも限らないと思ってます。遊んでいた時には気づかなかったんですが、1点とって、スタートプレイヤーになるアクション。
これの使いどころとして、どういう場面が想定されているか次第かなーと。
レース〜などであった、「あの人があのアクションをするはずだから」の再現として取り入れられている気がしています。
自分がやりたいアクションが残っていたとしても、後手番の人が選びそうなら(ボーナスはもらえませんが)1点取るというのが十分ありえるんですよね(たぶん)。僕が遊んだセッションはどれも全プレイヤーが数点差でしたし。
やりたいアクションを淡々と選ぶだけでも良いゲームですが、他人の考えを読んで、少しでも先に進む、そんなところはしっかり生きてると思いました。
(リスク取る必要ないっちゃないんですけど)
(余談)
プエルトリコと並べて語られるんですけど、同じアクション選択システムをとってはいるものの、印象は全然違います。アクションやタイル類の絞りあいなどはないので。
「ニュー・フロンティアーズは(アクション選択のとこは)プエルトリコだよ」と聞いていたので、プエルトリコの本体はアクションやタイル類の絞りあいだと思ってる身としては、正直、「あ、そういうことか!キッツイ絞りあいなくてほっとした」と思ってしまいました。
ニュー・フロンティアーズは優しいゲームです。
偽エッセン会(ヌースフィヨルド)
なんか大雪降った日だとか台風きてる日だとか、色々と今日開催しちゃって大丈夫なのという日によくあたるゲーム会ではあるものの今回は雪の日に当たることなく、落ち着いた頃の日程に無事開催できました。
会場に使わせてもらっているフローチャートは、ボードゲームが遊べるバーからボードゲームスペース(カフェ?バー?)に形態を変えられた際に、テーブルを追加されているのですが、このテーブルがでかい!

(写真を撮らせてもらったのが12月なのでツリーが写ってますw)
一番でかいのだと、8人座っても遊べそうな大きさでめっちゃスペースを取るので、普通のボードゲームカフェでは遊びにくいみたいなのも、普通に遊べそうです。
・ヌースフィヨルド

プレイヤーは漁村の網元になって、魚を取り、取れた魚でふるまったり、船作ったり、建物作ったりします。
ワーカープレイスメントゲームではありますが、一部のアクションは2,3人実行出来て縛りがゆるかったり、逆に一部のアクションではボード上の条件を満たしていないとワーカーを置けなかったりします。
ラウンドは以下の流れで行います。
1.漁獲
各プレイヤーの漁獲高に応じた魚を手に入れ、個人ボード上の長老カード上、他プレイヤーのとこにある自分の公開株、手元にある自分の公開株に分配してきます。これで余ったら個人ボード上のリザーブに置きます。リザーブ上限を超えてしまった分は捨てます。
手元にある他人の公開株、自分の公開株上の魚はすぐに使用可能なストックに移します。
2.アクション
スタートプレイヤーから順にワーカーをアクションスペース、もしくは、自分の個人ボード上の長老カードの上に配置して、アクションを行います。
全プレイヤーが全てのワーカーを使い切ったらラウンド終了で、スタートプレイヤーマーカーを右隣のプレイヤーに渡して、次ラウンドを始めます。
既定ラウンド数繰り返し、最も点数の高いプレイヤーが勝利です。
いつものこの会のメンツであるたる田さん、しのぽさん、ぐんまさん、僕の4人で。
長老カードは獲得することで、通常アクションを組み合わせてたり、ちょっとおまけがついたりするアクションが実施できる自分だけのアクションスペースになるので、いいのがあればできれば序盤に取りたいなと言いつつ、みんなで効果をひと通り確認。
そのあと、スタートプレイヤーのたる田さんから順に長老カードを取るアクションを実行。
ワーカープレイスメント要素はありますが、制限はゆるめで長老カードを取るアクション自体はワーカーの上限が2つなので、誰かがワーカーをおいても、まだ1人はワーカー配置できます。さらに(最近のウヴェ・ローゼンベルグのゲームにはよく使われるらしいですが)「いずれかのアクションの内容をコピーする」というアクションスペースもあるので、1ラウンドに最大3人が長老カードを取ることができます。
ただし、長老カードを取るには、宴会ボード?(皿が並んでいるボード)の皿の上に魚が置かれている必要があり、また、獲得後に長老カードを使うためにも同様に魚がそこに置かれている必要があります。
セットアップ時に3皿分の魚が置かれているので、まあ、取れるならとっときますかと、スタートプレイヤーから3人連続で長老カードを獲得し、4番手のぐんまさんだけ取れない展開に。獲得した僕たちも皿に魚がないので長老カードは今は使えないですし、まあ、そんな単純なゲームではなかろうと船や建物を建てるのに使う木を集め始めるぐんまさん。
その後、みんなワーカーを使い切って1ラウンド目が終了し、2ラウンド目開始。このゲームでは、スタートプレイヤーマーカーは手番順と逆にまわされるので、4番手のプレイヤーはラウンド跨りで連続手番が行えます。
ここでこのゲームの特徴の1つである「株」に関するやり取りが行われました。
プレイヤーは全員既定数の株を持っており、スタート時は2つが公開された状態で自分の前にあり、残りは未公開状態で手元にあります。公開株は、ラウンド開始時に取ってきた魚を1株につき1尾分配されます。分配されなければリザーブに入ってしまい、取り出すアクションが必要になりますし、他人の公開株を取れれば他人の取った魚をもらえることにもなります。
では、公開株はどうすれば手に入るのか?というと、「株を公開する」アクションを選択し、手元からメインボード上に株を1つ売り出します。このメインボード上に公開株がある場合に「株を購入する」アクションを選択することでメインボード上にある全ての株を購入します。
ちなみに手元にある未公開株はマイナス1点、売りだし時にストックからもらえるお金は2金(=2点)、手元にある公開株は1点なので、株の公開アクション自体3点(マイナス1点が消えて2金もらえる)アクションとなります。
通常であれば(特に序盤は)株を公開したらすぐ下家に買われそうですが、ぐんまさんは連続手番ということで1ラウンドの最終手番に株の公開を選択。2ラウンド目、初手で買われるかとも思ったのですが、みなにお金がないことを見てさらにもう1株を公開、その後、たる田さんもお金を取るために株を公開されたので、一気に3株を購入されてました。
これでぐんまさんの魚の収入(即使えるストックに入る分)はスタート時(つまり今時点の他のみんな)から倍増したことになります。
その後、ぐんまさんの上家だった僕も似たような手で公開株を5つに増やすとに成功します。購入時にお金が必要なので、所持金を確認して、公開する枚数を調整することで他人に買われなくする/自分だけ買うというのがある程度できるようです。

(公開株をうまいこと買ったぞ!とこのゲームで僕が最も輝いていた瞬間)
即使える魚は増えたとはいえ、純粋な魚の収穫量を左右するのは漁獲量です。漁獲量は船を作って増やす必要がありますが、大、中、小とある船はそれぞれ4隻ずつしかなく、必要な資材量がそれなりに異なるので買おうとしてた船を買い逃すと結構ダメージがでかいです。
1隻目はみなさん順調に作られていたのですが、ここら辺から個性がでます。
スタート時から船建造時に資材がもらえる/ディスカウントされる系の能力を持った建物ばかり建てていらしたたる田さんは、中規模の船をタダで獲得できるようにいつの間にかなっており、アクションスペースを占めて締め出さないとあっという間に船がなくなりそうです。といってもその後、船建造もできる長老カードを取られてましたが。
魚の入手は主に漁からなので船がなくなったらやばい!と中盤ではみなさん船を作りに走ります。
僕は手元にある魚に余裕があった一方でお金は株購入でなくなっていたので、作るのにお金が必要な中規模の船は諦めて大規模の船を作りました。船建造時にリザーブに木がもらえる能力の建物や、リザーブからストックに資材を移す際に木がもらえる長老カードのアクションなどでぱぱっと必要資材を集めて、最後に残ってた大規模の船の2隻目をなんとか作れました。
たる田さんは前述の船建造時の能力を活かして船を4隻獲得し、漁獲量はマックス、僕とぐんまさんはそれには若干劣るものの船を3隻獲得して続きます。しのぽさんは船は小規模のものが2隻しかありませんでしたが、建物や長老カードのシナジーが素晴らしく、森の植林と伐採で資材がどんどんたまる上に、木をお金に変換する建物も建てており、漁獲量以外はうまくまわっている模様。
僕は株もだいたいうまくとれたし、船も狙ってたのが作れたしと、だいたいやりたいことが出来てはいるものの、なんか上手いこと回っている感じがしません。
リソースをうまいこと点数化できていない感じがめっちゃします。といっても、こつこつやるしかないかと、個人ボード上の空きスペースを埋めるべく建築のための資材を集めます。
(個人ボード上の空きスペースは建物1つ分につきゲーム終了時にマイナス1点になります。埋める方法は建物を建てる以外にノーコストで2スペース分を埋める森タイルを配置するということもできます)
しかし、しかし、一部の建物を除いてえらい点数効率が悪いというか、支払う資材量の割に点数が低く、建物についてる効果を含めても空きスペース分の1点のために建築しているみたいな感じになります。
うーん、これ、建築してちゃダメなのか?と思いながらも集めたリソースと建築に向けて回し始めたワーカーたちは止まらず、というか、案外手番はないのでしっくりこないまま終了。
個人ボードのほぼ全スペースを建物で埋めたたる田さんが勝ったかな?と思ってましたが、ふたを開けてみれば僕がビリのたる田さんがブービー、「なかなかうまく回りませんね」「後手を踏んでるなあ」と途中こぼされていたぐんまさんが勝利されました。
結果からすれば、魚を皿に盛るアクション大事でそれを細かくされていたのがぐんまさんの勝因のようでした。
オーソドックスなワーカープレイスメントで資源集めて建物建てる系のゲームの中に、異種である皿アクションと公開株。その2つを一番うまく扱ったぐんまさんの勝利は当然と言えば当然です(ちょっと強めの建物を建てていらしたというのもありますが、株はイマイチでも皿アクションを2番目に使っていたしのぽさんが2位でした)。
ちょっとしたゲーマーズゲームだと、初回はある程度、得点要素を決め打ちして、今回は君と心中だみたいなプレイングになることがままあるんですが、今回はそうなってしまったというか、明らかにこのゲーム独自要素の皿を軽視して、普通に建築してる場合じゃなかったってもんです。
(点数効率の良い建物は他の人に取られてしまったというのもあるんですが)
前述の通り、ワーカープレイスメントの縛りとしてはたいしてきつくなく、複数ワーカー置けるとかコピーとか、アクションによっては長老カードで同じ/似たような事できたりと、アクション選択に関してはゆるいゲームです。ワーカープレイスメント制のゲームにつきもののワーカー数増加もないため、そこで取り合いやワーカー数で優位に立ったプレイヤーがどうこうということも発生せず、ゲームに登場する資源も3種類とシンプルな方です。
そんなわけでプレイしやすい…のですが、このゲーム、所々にえらい強烈なインタラクションがあり、しかも、それが恒常的にではなく、状況に応じて発生する仕組みになってます。
メリハリの利いたプレイ感で所々のきつさが際立つため、鋭いな!ってなります。
んじゃ、きついのがどこかというと、株のやり取りのところ、皿の上に魚をおく/使うところ、たまに出てくる妙に得点効率の高い建物あたりです。
それ以外の行動の点数効率が低いというか地道感があることはあれど、上記に関わる行動だけは、うん、みんなの状況見たけど、XXだから今やっても大丈夫だなとか、できるかどうか資源の計算するから少し考えさせてとか、急にゲーマーズゲームの顔がひょっこり顔を出します。
ちょっとプレイ時間の長い資源を点数化する系のゲームって、得点手段にまでたどり着く過程をどう行動すれば効率的なのかだとかいう、ルート構築/ルーチン構築を自分の思い通りに作ることが面白さのメインにあって、その面白さを重視しようとするのが行き過ぎて「多人数ソロゲーム」というような、自分の思い通りにプレイするための他人とのインタラクションが排除/軽視されるゲームが出来上がってきてたんだと思ってます(んで、その先鋒のひとりがウヴェだったという認識です)。
でも、ヌースフィヨルドは、そのこれまで面白さのメインにしてたところの得点効率をあまり高くしないで、他人とのインタラクションが強い部分に得点効率の高い部分を設けています。
ゲームに登場する資源が一定量以上ため込むことができず、捨てなければならなかったり、即使える場所と引き出さないと使えない保管場所という自分のストックの2種あったりなどなど、「資源を効率的&計画的に使うアクション」をした方がよさそうだなと、既にウヴェ達に条件付けさせられたゲーマー達は自然と効率的な動きを考え始め、実行してしまいます(まあ、それが実際楽しいんですが)。
ここで木材が○本たまるから、あふれないようにX回目のアクションで回収して、その頃には、こっちの建物効果で魚が増えてるはずだから、建物建てて、このタイミングで引き出してきて…とかやるのが楽しいのはどうにもならんです。
面白さをリソースコントロール&箱庭作りで担保しつつ、その上に部分的に強インタラクションの箇所を作り、得点競争はそちらメインに据えることでプレイングの幅や新しいプレイ感を提供させつつもそう長くないプレイ時間でソロゲーム的箱庭作りと強インタラクションによるプレイヤー間の駆け引き的な面白さをプレイヤーに十分味合わせる。
良いゲームだと思いましたし、ウヴェはとんでもねえなとも思いました。
(ただ、短時間に色々な面白さが一定量以上詰め込んだゲームとかまで出ちゃうと、どんどんなんというか刺激物に慣れていってしまいそうで若干怖くはあります)
会場に使わせてもらっているフローチャートは、ボードゲームが遊べるバーからボードゲームスペース(カフェ?バー?)に形態を変えられた際に、テーブルを追加されているのですが、このテーブルがでかい!

(写真を撮らせてもらったのが12月なのでツリーが写ってますw)
一番でかいのだと、8人座っても遊べそうな大きさでめっちゃスペースを取るので、普通のボードゲームカフェでは遊びにくいみたいなのも、普通に遊べそうです。
・ヌースフィヨルド

プレイヤーは漁村の網元になって、魚を取り、取れた魚でふるまったり、船作ったり、建物作ったりします。
ワーカープレイスメントゲームではありますが、一部のアクションは2,3人実行出来て縛りがゆるかったり、逆に一部のアクションではボード上の条件を満たしていないとワーカーを置けなかったりします。
ラウンドは以下の流れで行います。
1.漁獲
各プレイヤーの漁獲高に応じた魚を手に入れ、個人ボード上の長老カード上、他プレイヤーのとこにある自分の公開株、手元にある自分の公開株に分配してきます。これで余ったら個人ボード上のリザーブに置きます。リザーブ上限を超えてしまった分は捨てます。
手元にある他人の公開株、自分の公開株上の魚はすぐに使用可能なストックに移します。
2.アクション
スタートプレイヤーから順にワーカーをアクションスペース、もしくは、自分の個人ボード上の長老カードの上に配置して、アクションを行います。
全プレイヤーが全てのワーカーを使い切ったらラウンド終了で、スタートプレイヤーマーカーを右隣のプレイヤーに渡して、次ラウンドを始めます。
既定ラウンド数繰り返し、最も点数の高いプレイヤーが勝利です。
いつものこの会のメンツであるたる田さん、しのぽさん、ぐんまさん、僕の4人で。
長老カードは獲得することで、通常アクションを組み合わせてたり、ちょっとおまけがついたりするアクションが実施できる自分だけのアクションスペースになるので、いいのがあればできれば序盤に取りたいなと言いつつ、みんなで効果をひと通り確認。
そのあと、スタートプレイヤーのたる田さんから順に長老カードを取るアクションを実行。
ワーカープレイスメント要素はありますが、制限はゆるめで長老カードを取るアクション自体はワーカーの上限が2つなので、誰かがワーカーをおいても、まだ1人はワーカー配置できます。さらに(最近のウヴェ・ローゼンベルグのゲームにはよく使われるらしいですが)「いずれかのアクションの内容をコピーする」というアクションスペースもあるので、1ラウンドに最大3人が長老カードを取ることができます。
ただし、長老カードを取るには、宴会ボード?(皿が並んでいるボード)の皿の上に魚が置かれている必要があり、また、獲得後に長老カードを使うためにも同様に魚がそこに置かれている必要があります。
セットアップ時に3皿分の魚が置かれているので、まあ、取れるならとっときますかと、スタートプレイヤーから3人連続で長老カードを獲得し、4番手のぐんまさんだけ取れない展開に。獲得した僕たちも皿に魚がないので長老カードは今は使えないですし、まあ、そんな単純なゲームではなかろうと船や建物を建てるのに使う木を集め始めるぐんまさん。
その後、みんなワーカーを使い切って1ラウンド目が終了し、2ラウンド目開始。このゲームでは、スタートプレイヤーマーカーは手番順と逆にまわされるので、4番手のプレイヤーはラウンド跨りで連続手番が行えます。
ここでこのゲームの特徴の1つである「株」に関するやり取りが行われました。
プレイヤーは全員既定数の株を持っており、スタート時は2つが公開された状態で自分の前にあり、残りは未公開状態で手元にあります。公開株は、ラウンド開始時に取ってきた魚を1株につき1尾分配されます。分配されなければリザーブに入ってしまい、取り出すアクションが必要になりますし、他人の公開株を取れれば他人の取った魚をもらえることにもなります。
では、公開株はどうすれば手に入るのか?というと、「株を公開する」アクションを選択し、手元からメインボード上に株を1つ売り出します。このメインボード上に公開株がある場合に「株を購入する」アクションを選択することでメインボード上にある全ての株を購入します。
ちなみに手元にある未公開株はマイナス1点、売りだし時にストックからもらえるお金は2金(=2点)、手元にある公開株は1点なので、株の公開アクション自体3点(マイナス1点が消えて2金もらえる)アクションとなります。
通常であれば(特に序盤は)株を公開したらすぐ下家に買われそうですが、ぐんまさんは連続手番ということで1ラウンドの最終手番に株の公開を選択。2ラウンド目、初手で買われるかとも思ったのですが、みなにお金がないことを見てさらにもう1株を公開、その後、たる田さんもお金を取るために株を公開されたので、一気に3株を購入されてました。
これでぐんまさんの魚の収入(即使えるストックに入る分)はスタート時(つまり今時点の他のみんな)から倍増したことになります。
その後、ぐんまさんの上家だった僕も似たような手で公開株を5つに増やすとに成功します。購入時にお金が必要なので、所持金を確認して、公開する枚数を調整することで他人に買われなくする/自分だけ買うというのがある程度できるようです。

(公開株をうまいこと買ったぞ!とこのゲームで僕が最も輝いていた瞬間)
即使える魚は増えたとはいえ、純粋な魚の収穫量を左右するのは漁獲量です。漁獲量は船を作って増やす必要がありますが、大、中、小とある船はそれぞれ4隻ずつしかなく、必要な資材量がそれなりに異なるので買おうとしてた船を買い逃すと結構ダメージがでかいです。
1隻目はみなさん順調に作られていたのですが、ここら辺から個性がでます。
スタート時から船建造時に資材がもらえる/ディスカウントされる系の能力を持った建物ばかり建てていらしたたる田さんは、中規模の船をタダで獲得できるようにいつの間にかなっており、アクションスペースを占めて締め出さないとあっという間に船がなくなりそうです。といってもその後、船建造もできる長老カードを取られてましたが。
魚の入手は主に漁からなので船がなくなったらやばい!と中盤ではみなさん船を作りに走ります。
僕は手元にある魚に余裕があった一方でお金は株購入でなくなっていたので、作るのにお金が必要な中規模の船は諦めて大規模の船を作りました。船建造時にリザーブに木がもらえる能力の建物や、リザーブからストックに資材を移す際に木がもらえる長老カードのアクションなどでぱぱっと必要資材を集めて、最後に残ってた大規模の船の2隻目をなんとか作れました。
たる田さんは前述の船建造時の能力を活かして船を4隻獲得し、漁獲量はマックス、僕とぐんまさんはそれには若干劣るものの船を3隻獲得して続きます。しのぽさんは船は小規模のものが2隻しかありませんでしたが、建物や長老カードのシナジーが素晴らしく、森の植林と伐採で資材がどんどんたまる上に、木をお金に変換する建物も建てており、漁獲量以外はうまくまわっている模様。
僕は株もだいたいうまくとれたし、船も狙ってたのが作れたしと、だいたいやりたいことが出来てはいるものの、なんか上手いこと回っている感じがしません。
リソースをうまいこと点数化できていない感じがめっちゃします。といっても、こつこつやるしかないかと、個人ボード上の空きスペースを埋めるべく建築のための資材を集めます。
(個人ボード上の空きスペースは建物1つ分につきゲーム終了時にマイナス1点になります。埋める方法は建物を建てる以外にノーコストで2スペース分を埋める森タイルを配置するということもできます)
しかし、しかし、一部の建物を除いてえらい点数効率が悪いというか、支払う資材量の割に点数が低く、建物についてる効果を含めても空きスペース分の1点のために建築しているみたいな感じになります。
うーん、これ、建築してちゃダメなのか?と思いながらも集めたリソースと建築に向けて回し始めたワーカーたちは止まらず、というか、案外手番はないのでしっくりこないまま終了。
個人ボードのほぼ全スペースを建物で埋めたたる田さんが勝ったかな?と思ってましたが、ふたを開けてみれば僕がビリのたる田さんがブービー、「なかなかうまく回りませんね」「後手を踏んでるなあ」と途中こぼされていたぐんまさんが勝利されました。
結果からすれば、魚を皿に盛るアクション大事でそれを細かくされていたのがぐんまさんの勝因のようでした。
オーソドックスなワーカープレイスメントで資源集めて建物建てる系のゲームの中に、異種である皿アクションと公開株。その2つを一番うまく扱ったぐんまさんの勝利は当然と言えば当然です(ちょっと強めの建物を建てていらしたというのもありますが、株はイマイチでも皿アクションを2番目に使っていたしのぽさんが2位でした)。
ちょっとしたゲーマーズゲームだと、初回はある程度、得点要素を決め打ちして、今回は君と心中だみたいなプレイングになることがままあるんですが、今回はそうなってしまったというか、明らかにこのゲーム独自要素の皿を軽視して、普通に建築してる場合じゃなかったってもんです。
(点数効率の良い建物は他の人に取られてしまったというのもあるんですが)
前述の通り、ワーカープレイスメントの縛りとしてはたいしてきつくなく、複数ワーカー置けるとかコピーとか、アクションによっては長老カードで同じ/似たような事できたりと、アクション選択に関してはゆるいゲームです。ワーカープレイスメント制のゲームにつきもののワーカー数増加もないため、そこで取り合いやワーカー数で優位に立ったプレイヤーがどうこうということも発生せず、ゲームに登場する資源も3種類とシンプルな方です。
そんなわけでプレイしやすい…のですが、このゲーム、所々にえらい強烈なインタラクションがあり、しかも、それが恒常的にではなく、状況に応じて発生する仕組みになってます。
メリハリの利いたプレイ感で所々のきつさが際立つため、鋭いな!ってなります。
んじゃ、きついのがどこかというと、株のやり取りのところ、皿の上に魚をおく/使うところ、たまに出てくる妙に得点効率の高い建物あたりです。
それ以外の行動の点数効率が低いというか地道感があることはあれど、上記に関わる行動だけは、うん、みんなの状況見たけど、XXだから今やっても大丈夫だなとか、できるかどうか資源の計算するから少し考えさせてとか、急にゲーマーズゲームの顔がひょっこり顔を出します。
ちょっとプレイ時間の長い資源を点数化する系のゲームって、得点手段にまでたどり着く過程をどう行動すれば効率的なのかだとかいう、ルート構築/ルーチン構築を自分の思い通りに作ることが面白さのメインにあって、その面白さを重視しようとするのが行き過ぎて「多人数ソロゲーム」というような、自分の思い通りにプレイするための他人とのインタラクションが排除/軽視されるゲームが出来上がってきてたんだと思ってます(んで、その先鋒のひとりがウヴェだったという認識です)。
でも、ヌースフィヨルドは、そのこれまで面白さのメインにしてたところの得点効率をあまり高くしないで、他人とのインタラクションが強い部分に得点効率の高い部分を設けています。
ゲームに登場する資源が一定量以上ため込むことができず、捨てなければならなかったり、即使える場所と引き出さないと使えない保管場所という自分のストックの2種あったりなどなど、「資源を効率的&計画的に使うアクション」をした方がよさそうだなと、既にウヴェ達に条件付けさせられたゲーマー達は自然と効率的な動きを考え始め、実行してしまいます(まあ、それが実際楽しいんですが)。
ここで木材が○本たまるから、あふれないようにX回目のアクションで回収して、その頃には、こっちの建物効果で魚が増えてるはずだから、建物建てて、このタイミングで引き出してきて…とかやるのが楽しいのはどうにもならんです。
面白さをリソースコントロール&箱庭作りで担保しつつ、その上に部分的に強インタラクションの箇所を作り、得点競争はそちらメインに据えることでプレイングの幅や新しいプレイ感を提供させつつもそう長くないプレイ時間でソロゲーム的箱庭作りと強インタラクションによるプレイヤー間の駆け引き的な面白さをプレイヤーに十分味合わせる。
良いゲームだと思いましたし、ウヴェはとんでもねえなとも思いました。
(ただ、短時間に色々な面白さが一定量以上詰め込んだゲームとかまで出ちゃうと、どんどんなんというか刺激物に慣れていってしまいそうで若干怖くはあります)
ノースアメリカンレイルウェイズ/North American Railways

(インスト込み5人で60分ほど(頑張ればインスト込み30分で終わりました))
【概要&ルール】
俺が育てた会社の株を買うんじゃねえええ。おめえ一人にうまい汁吸わせてたまるかあああ。
…まあ、何円で買えばいいかまじわからんよね。そだよね…。
株を買い、会社を運営し配当で儲けるゲームです。
1ラウンドは3フェーズに分かれており、終了条件を満たすまでラウンドを繰り返します。
フェイズ1:株購入
スタートプレイヤーから順に1巡、手番を行います。
手番では、パスするか、場に並べられている株カードのうち、各列の1番下のもののいずれかを指定します。
この時、以下の場合分けで処理を行います。
1.社長がまだいない会社の株を購入する場合:自分の所持金のうち、任意のお金を支払い、その株の会社の資金に全額入れる。その会社の社長トークンを得る。
2.社長がいる株を購入する場合:
a) 自分が社長でない:任意の購入希望価格を社長のプレイヤーに伝え、OKがでればその額を支払い、株カードを手に入れる。社長と株数が同数になったら社長トークンを得る。支払ったお金の半分は会社に、半分は銀行にいく。売らないと言われた場合、その額で株カードは社長が購入し、社長は半分を会社に、残りを手番プレイヤーに払う。手番プレイヤーは続けて手番を行う(株を指定するかパスする。ただし同じ色の株は指定できない)
b) 自分が社長である:500ドルを会社、500ドルを銀行に払う
フェイズ2:駅購入
スタートプレイヤーから巡に手番を行う。
手番には、ハードパスしてフェイズから抜けるか、自分の持っているいずれかの株の会社の金を使って、場に並べられている駅カードのうち、各列の1番下のもののいずれかを購入して、その会社のものにすることができる。
※自分が社長である必要はない
駅カードには、購入額、収入額、ゲーム終了時の株の売却に関係するアイコンが書かれてます。
全員がパスしたらフェイズ終了です。
フェイズ3:配当
各会社の持つ駅カードに書かれた収入を合計し、株の枚数で割って株主に分配する。割り切れずに余った収入は規定額を社長に渡し、それでも残ったら会社に残す。
・ゲーム終了
株カード、駅カードが規定枚数以下になる、または、すべての会社がフェイズ2で駅を1つも購入できなかったらそのラウンドでゲームは終了し、各会社の持つ駅カードに書かれたアイコン数×100ドルを株券1枚毎に株主に配る。
その後、最も金を持つプレイヤーが勝利する。
【プレイ内容】
僕と一味さんは2回目、他のみなさんは初めてです。
2回目ではあるんですが、最初1枚目の株を買って社長になるとき、いくらぐらい払えばいいかはさっぱりわかりません。各社とも1枚目の株の購入時のみプレイヤーが支払った金額が全額会社に入り、2枚目以降は支払った金額の半分しか会社に入らないので、株をプレイヤーが買うフェイズ1の後にある、会社のお金で駅(線路)を買うフェイズ2のことを考えると出来るだけ多くのお金をぶち込みたいですが、誰かが同じ会社の株を買ってしまえば、会社の儲けはざっくり折半なので、「俺が大量にぶち込んだ金でうまい汁吸いやがって…!」となってしまいます。
一応、社長以外のプレイヤーが株を買おうとした際には、社長に拒否権があります。なので、独占したければ理屈の上では独占も可能ではあるんですが、その買おうとしたプレイヤーの言い値を払う必要があるので、自社株を守りたければお金をある程度以上持っている必要があります。
まあ、それほど収入差のつくゲームではないのでよほど株の出方が良くなければ独占とか夢物語ですし、前述の通り、会社に多くの金を持たせて、それで駅を買うと考えれ複数人で1社を育てた方がよいのではないかとも思うのですが…。
とにかく、会社に金をぶち込みたくて所持金の大半を支払うと他プレイヤーがその株を買おうとした時に全く防御できません。しかも、株数が同じになった時点で社長は移動するので、
・紫色の会社に全所持金をぶち込む
→これで紫色会社は大金持ち!駅買いまくって配当うはうはだー!と盛り上がる
→下家のプレイヤーが青色株を買いたいという。自分はもうお金がないので買わせざるを得ない。金がないのは知られているので安値で買い叩かれる。
→下家プレイヤーは社長ゲット&安値で買った株で配当うはうはー!
→自分しょぼーん
となる可能性があります。かといって、自分が社長になった会社の株を守りたくてあまりお金を支払わなければ会社の収入の伸びが心配…とうだうだ考えていたんですが、僕の前の手番のたる田さん、如月さん、一味さんはみなさん初期所持金の半分かそれ以下で株を買い、社長になられていたので、みんな同じことやっても仕方なからろう!と思いきって所持金のほとんどを紫の株購入にぶち込みました。
このゲーム、買う株は自由に選べるわけではなく、各列の最下段にあるものしか選べません(4列しかないので場合によっては1,2種類からしか選べなかったりもします)。
所持金はもうほとんどないので、僕の買った紫の株が下家であるしのぽさんの購入対象になっているかどうかが非常に大きいポイントだったんですが、見事に購入対象の1つにありましたw。盤面をよく見てから購入金額決めればよかったとは思ったものの後の祭り。

(写真では上のほうが購入対象になる株カードです。紫株購入対象ゾーンに固まりすぎです…)
僕の株買った方がいいと思いますよと正直な気持ちはお伝えしたものの、単独での社長にあこがれるということで、誰も株を持っていない赤の株を購入対象に選ばれたため、僕は単独株主、他会社の2倍近い会社の所持金という状況で1ラウンド目のフェイズ2がはじまりました。
フェイズ2もスタートプレイヤーから時計回りに手番を行うわけですが、このときに買える候補になる駅も、株券と同様に各列の最下段にあるもののみです。
この駅の並びは完全にランダムなので列の上の方ほど収入が良い駅があるというわけでもないです。そのため、自分の手番にはあまり購入価格と収入の割合がよろしくないものしかないのに、そのどれかを買ってしまうと下家の人たちにはよさそうな駅が買われてしまうという状況もでてきます。
しかし、ハードパスのため、いまの状況が良くないからといってパスしてしまうと全く収入が伸びないまま1ラウンド経過してしまいます。
(別に社長でなくても会社の金を使って駅は買えるので、2手番先のプレイヤーが自分の伸ばしたい会社の株を持ってるからその人に駅を買うのは任せてパス抜けするとか、自分はあまり重要視してないが自分より上の順位になってそうな奴がたくさん株を持ってる会社だから、変な駅買って邪魔してやれとか、色々出来はします)
今回はなんか駅の並びと手番順のめぐりがよく、紫会社はそれなりによい駅を購入できました。
これで、当面全員でつぶすべき対象は僕に確定。
2ラウンド目、スタートプレイヤーは如月さん。購入可能な株券に紫株が含まれてます。この状況なら当然、紫株を指定。ここで如月さんが値段を高くつけるか、安くつけるかが僕にとって非常にポイントになります。
安くつけられればさっきの配当を利用して僕が株を買うことができますが、会社に入るお金は少なくなります。株券の枚数は限られているので会社を成長させようとするならすべての株をそれなりの額で買ってもらった方がありがたいです。会社が成長しきっていれば安く買えるのは万々歳なんですが、さすがにまだ2ラウンド目なので僕としては安くつけられるよりも、それなりに高く値段をつけてもらいたいところです。
1ラウンド目の配当は僕が一番もらっていたとはいえ、1ラウンドに残していたお金を含めれば所持金で負けているかもしれませんが、全財産をつっこんでくるわけもたぶんなく、常識的な金額であれば僕が株を買えて、社長も守れるし、会社も裕福になるし、僕が払ったお金の半額、会社に入ったお金の残りは如月さんのお金になるので、Win-Winです。
自分の懐に入るお金を減らしてまで僕を叩きたければ別ですが、如月さんならきっと…と思っていると、やはり、それなりに高い値段をつけてくれ、紫株は僕が購入、如月さんも懐が潤う想定通りWin-Winの展開に。
その後、如月さんは僕からもらったお金を使って赤株を購入し、しのぽさんから社長を奪い取ります。所持株数が同じで社長が移動するため、結構、社長は簡単に移動します。
如月さんの隣の一味さんも紫株を指定してきましたが、さすがにこの株まで買えるほどのお金は持ってなかったので、紫株は一味さんと分け合うことに。といっても社長は移動してないので、共同経営は望むところではあったんですが。
その後の手番の僕は、たる田さんが社長の青株を指定。さっきの如月さんの手番での紫株購入での支払いが結構懐にダメージがあり、ちょっと懐を暖めたいなという思惑からたる田さんが買ってくれるように安めの金額をつけたところ、狙い通りたる田さんが買ってくれました。
が、やはりお金がない&今買うべき株はないと判断してパスしてお金をためることを選択しました。
しかし、僕の思惑から外れたのはたる田さん。株券の並びで社長であった青株が列の下の方にかたまっていたこともあり、よく指定されていたんですが、それをほぼ全て自分で買い取ります。あまり高くない金額での購入なので会社にはさほど金は入っていないとはいえ、ゲーム終了時には所持株券×各社の株価のお金が入るので、株券を多く持ってるプレイヤーはやはり脅威です。
僕よりもたる田さんがやばいんじゃないかな?と思いながらの3ラウンド目。
スタートプレイヤーの一味さんが奇策に出ます。
400ドルとか200ドルとか、その色の社長が比較的楽に払える金額での値付けを3連発。ちゃちゃちゃっと手元に1ラウンド分の配当くらいのお金を獲得した後、なんとパスを選択。自分が社長である黄色か、下家の僕が社長である紫は選択可能でしたが、あえて選ばないクレバーさ。さすがです。
なぜ、一味さんが黄色や紫を買わなかったかというと、黄色に関しては自分が社長なので購入金額が1000ドルとかなり高い、もうおそらくゲーム終了時までに黒字になることはない金額を払わされるからで、これは紫株の社長である僕にも同じことが言えます。
僕はまだ紫会社を伸ばしたいと思っており、1000ドルつっこんでもいいかな?と思っていた(けども、一味さんがそれよりも安い金額で買おうとしてくれれば、社長権限で買いとれてラッキーではあった)ので、紫に手を付けずにパスされたのは非常に困りました。
元は取れるだろうけどももっと安く買いたかったーと思いながらも紫株を1000ドルで購入。まあ、半額である500ドルを会社にいれたかったんだと自分を納得させます。一味さんは紫株持ってるので僕がつぎ込んでくれれば労せず得を取れるんですよね…。
一味さんの作戦によりさらに株券の枚数をたる田さんが増やすことになったので、うおおおおいとは思いましたが、一味さん自身の得もあった(少なくとも一味さんは自分が得していると思って手を打たれてる)わけで、というか、どうすればいいのか、ようわからんのですよね。このゲーム…。
僕も所持金増やすのにこの金額なら買ってくれるだろ!?という額でたる田さんに株券の購入機会与えてはいるわけで。難しいです。
なんかたる田さんが社長の株を指定すればたる田さんが買ってくれるという状況になり、決して高いという金額ではないですが、しのぽさんもたる田社長からお小遣いをもらってました。たる田さんはさすがにもう金がないと自分の手番ではパスされてましたが。
一味さんは自分から黄色会社の株を買わないが、他人が社長の株を指定して貯めた金で黄色株を守るという手に出て、見事に黄色会社の社長を守りきられてました。
(といっても、このゲーム、各社の収入が株数で割り切れちゃうと社長であることにメリットはないんですが)
最後に残った1枚の紫株は如月さんが購入。このラウンドで終了条件を満たし、この後のフェイズ2と配当が終われば株を売ってゲーム終了です。
最後のフェイズ2、駅購入ですが、紫は僕が500ドルいれたこと、如月さんがそれなりの額で買ってくれたことから、会社の資金はそれなりにありました。しかし、駅カードの並びが悪く、株価があがるような駅が僕の手番では買えません。もう紫の株価は伸ばせないのか?と思っていたところ、ついさっき株主になったばかりの如月さんから素敵な提案が。紫の全財産900ドルで購入できる株価300ドルアップのサンフランシスコの手前にあるソルトレイクシティを緑の会社で買えというのです。900ドル持ってる会社は黄色と紫ですが、黄色の株は一味さんしか持っておらず僕と如月さんの間に手番があるしのぽさん、たる田さんはサンフランシスコを買える分だけの資金を持った会社の株は持っていません。
散々つぶすべきトップ、みんなの敵としてこのゲーム中扱われた僕は、本当に如月さんが紫会社でサンフランシスコを買ってくれるのか?全く株価があがらないバンクーバーとかをしれっと買われるのではないかと疑心暗鬼になっていたのですが、如月さんは有言実行。「こちらの方が自分の順位はあがるんです」とにこやかに笑いながらサンフランシスコを紫会社で購入してくれました。
これで株券1枚の価値が300ドルあがり、紫株を3枚持ってる僕の総資産は900ドルもアップ。この差のおかげで黄色独占でかなりの資産を持っていた一味さんを交わして勝利できました(如月さんは紫をおとして4位になるか、紫をあげて3位になるかの選択だったようです)。

(最後の紫会社(トークンは白ですけど、紫会社です)。経路はともかくニューヨークとサンフランシスコをつなげてるとはなかなかの会社だと思います)
【感想】
僕の2016年遊んだ中で一番面白かったゲームです。3,4回遊んでますが、遊ぶたびに面白くなってるといっても過言ではありません。
とはいえ、ぶっちゃけた話、今風のゲームではないです。新しい斬新なシステムがあるわけでもなし、流行りの自分ひとりでやったぜ爽快!ひゃっふー的な要素もありません。
どちらかといえば古臭い、90年代のゲームといっても信じてもらえそうなシステムです。
競りの価格を手番プレイヤーが自由に決めてOK,ただし宣言は1回のみという時点でかなりプレイヤーは絞られてしまうようにも思います。何円で値つけるのがいいの?は、遊んだプレイヤー全員が感じるところでしょうし、それをストレスに感じてしまう人もいるだろうと思います。
何回か遊んでますが、それでも、具体的な価格までもいかない、株の購入は高い値段で行うのがいいのか、安い値段で行うのがいいのか、その程度のこともさっぱりわかりません。これは一意に定まるものではなく、株カードの並び方、駅カードの並び方、各プレイヤーの株の持ち方、手番順、ゲームが序盤か終盤か、誰がトップ目かなどなど、複数の、ゲームに登場しているほぼ全ての要素を考慮しないと決められないからです。
一応、各プレイヤーの所持金は非公開情報ですが、それ以外の要素は公開されてるので競りゲームをプレイしているというよりも、多人数アブストラクトをプレイしているのが近い感覚になると思います。
(そういう思考が得意な人は別として)何が最適手かをその場の状況を全て把握して行うなどできないので、「自分の所持金」という自分以外にはわからない情報で最終的な判断は手番プレイヤーが行うとして、それ以外の公開情報をもとに、
「トップ目はAさんだからAさんの収入削る意味で、Aさんの独占している黄色株を買うのがいいんじゃない?」
「フェイズ2のスタートプレイヤーはいま手番のBさんなんだから、いま駅カードの購入可能対象になってるよさそうなカードを買うってことで黄色に拘らなくてよくない?」
「Bさんが緑株買えば、緑株持ってる人の手番が3手続くことになるから、いま見えてるおいしい駅カードは全部緑で買えそう。そうなると黄色じゃなくて緑買った方が…」
「いやいや、おいしい駅が買えるのはどの株買っても同じでしょ?だったら既にかなりの株価になってる黄色買うのもありでしょ」
「株価あげてAさんにトスするのはないでしょー。さっきまでの話の通り緑買うのがいいんじゃない」
「そりゃあ、Bさんが緑買ってくれれば、Cさんは社長確定するからなあ」
などと、(非常にマニアックな話で恐縮なんですが)プレイヤー全員で色々と最適手の検討をして、思いもよらない手に気づけたり、みんなでうんうん唸ったりするのが非常に楽しいゲームだったんですよね。プレイヤーインタラクション全開でゲームの半分はプレイヤー間の絡みでできているようなゲームなので全員で話すことに(少なくとも僕がよく遊んでもらってる面子の方々では)必然的になりますし。
下手したら“口出し”でマナー違反ではあるんですが、僕は、この「自分以外のプレイヤーが最適手を考えるにあたって考慮が漏れていると思われる手の気づきを与える」というのを結構やります。
最終的な判断はもちろん手番プレイヤーに任せるとしても、少しでも全プレイヤーが取り得る最大の点を目指していくセッションの方が圧倒的に楽しいですし、大好きなのですが、まあ、そこは人それぞれで。
(念のため補足しますが、どの手を打つのか決定するための考え自体には口出ししないようにしてますし、普段は頻度は低いです。あくまで考えるにあたって、そのプレイヤーが見逃してそうなボード上の状況、忘れてそうなルールなどを検討対象に入ってますか?と、ん?ここって重要局面じゃない!?という時に僕の気付いた点を伝えて、検討材料にしてもらおうとする程度です)
最近のある程度以上の重量級ゲームは、各プレイヤーの手元に得点ルーチンを作ったり、強力なユニークの特殊能力を持っていたりで、各プレイヤーの状況が違いすぎて、全プレイヤーが手を検討するために必要な情報を共有するのが難しかったり、自分のことで手いっぱいでよそまで見てられなかったり、選択肢は多くても点数効率的に実際に選択肢になり得る手自体は少なくて言われるまでもなかったりと、案外、プレイヤー全員で検討しあうというのが少ない中で、ノースアメリカンレイルウェイズは、がっつり全員で検討できて、それでも最適手がようわからんというゲームでした。
この「みんなで手を検討する」楽しさというのは、どのゲームでもあって、例えばごきぶりポーカーで「Aさんにごきぶりたまってきてるから、今、ごきぶり出すべきなんじゃない!?」だの言うのも一種といえなくもないと思います。ただ、みんなでワイワイがやがやと検討しあうには、その場の全員の中に完璧な最適手を答えられる人間は一人もいないが(重要!)、同じ土俵で状況を把握できて(ガッチガチのアブストラクトとかだと、僕は思考停止してしまうので無理)、みんながちゃんとゲーム自体を楽しんでいるという場であることが必要で、つまり、ノースアメリカンレールウェイズは、僕&僕と遊んでくれる方々にとってちょうどいい塩梅のゲームだったんだと思います。
「トップが会社の株独占してるのはとっととやめさせないとダメだから、みんなで株カードの列を掘っていこうぜ」
とか言いながら、全員で時に協力してトップ叩きし、時にその協力を裏切って抜け駆けしようとするのが最高に楽しかったです。
遊び方や好みの話を除けば、かなりプレイヤーにぶん投げてますし、色んなとこでこの手がいいのか悪いのかようわからんのんじゃーばかりのゲームなので決して万人におススメはできませんが、ゲーマーの方々であれば琴線にふれるものがあるかもしれません。
生産が500部限定となかなか手に入れにくいゲームではあるんですが、この記事を公開した今時点ではFunagainで購入可能です(他のものを買うなど結構頑張って送料減らしてもカードゲームの割に5千円とか6千円とかしちゃうので、気軽に買うのはなかなか難しいんですが…)。
ニューヨーク1901/New York 1901

(3人でインスト込み80分ほど)
【概要&ルール】
1901年。ニューヨークでは高層ビルの建築ラッシュを向かえていた。そこに死んだ叔父さんが残してくれたビルと現金をもとにニューヨークの建築王になろうというおっさん、おばさんがいた…。
ニューヨークの街にビルを建てまくって勝利点を稼ぐゲームです。
ビルを建てるゲームというと、ビルを建てるためにお金だの資源だのが必要なものが多いですが、このニューヨーク1901では、お金も資源も必要ありません。
ただ、カードで土地の権利を獲得し、その土地に最初から配られているビルタイルを配置するだけです。カードの獲得にもビルタイルの配置にもコストは必要ありません。
プレイヤーは終了条件を満たすまで以下の行動を時計回りに行います。
カード置き場に並んだカードから1枚を選び、その色と模様に対応する場所にコマをおきます。その後、ビルが建てたければコマをどけて、コマが置かれていた場所の大きさに収まるビルタイルを手元からボード上に配置します。

(こんな感じでカードにエリアの色と形が書かれており、カード獲得=土地獲得(そこにコマを置く)です。エリアの形は2マスか3マスかの2種類(3マスカードは2マスに比べて数が少ないです)、色は4色なのでカードは8種類しかありません)

(2手番使って2コマ配置し、大きいビルを最初から建てることもできます)
これだけでビルタイルに書かれた数字分の点数が入ります。
手番にはもうひとつ、ビルの立替という選択肢があります。立て替えは、自分が配置していたビルタイルをゲームから除外し、ビルの建てられていたエリアと隣接する自コマが置かれたエリアに収まる別のビルタイルを配置します。
除外したビルの点数がマイナスされることはありません。
終了条件を満たしたら、ゲーム開始時に選ばれた全プレイヤー共通の目的カードから点数を得て、最も点数の高いプレイヤーが勝利します。

(目的カードは4枚。左の3枚は指定された通りに面したビルを最も持っているプレイヤーに加点、一番右のは六角形の書かれたビルタイルを配置した数によって加点。目的のカードはゲームごとに変わります)
【プレイ内容】
如月さん、G2さん、僕の3人で。
※初期配置の位置を間違えてますが序盤の終わりごろに気づいたのでそのままやってます。
序盤は規定の通りに面したビル数が一番多ければ点数がもらえるカードの点数を狙って、その通りに面した土地から埋まっていきます。
誰かが獲得した土地は他プレイヤーに奪われることはないので、とっとと埋めちまえということで。

カードのめぐりもありましたが、G2さんは早めに大き目の土地を確保するように動いたので、通りボーナスの獲得は僕と如月さんの競い合いに。
ビル数ということなので2マス、3マスの小さいビルが建てられていきます。
実はビルには金銀銅のレベルがあり、規定点を越えないと、銀のビル、金のビルは建てることができません。まあ、規定点のハードルは低いので建てられるビルを適当に建ててたらすぐに越えますが。
ビルの立て替えは除外したビルよりも高レベルのビルしか建てられないので、序盤に銅しか建てられないのは後々立て替えで除外される準備みたいなものなのかもしれません。立て替えは既にビルを建てて得点済みのエリアで再度得点が得られるのでお得だとは思うのですが、立て替えることで通りに面したビルの数が減ることもありますし、何よりも立て替えを選択するとカードが取れないので自分の土地を増やせません。
僕はそれを嫌って中盤まで立て替えはあまりせず、新しい土地を獲得することを優先。如月さんは手元のビルタイルの形などを考慮しつつちょっとずつ立て替えていき、G2さんはガンガン立て替えをし、さらに3×3になるよう土地を固めて獲得し、超高層ビルタイル(ビルタイルは全プレイヤー共通のものが配られてますが、それ以外に4枚、共通のビルよりもでっかい(高い)ビルが数枚用意されており、早い者勝ちで建てられます。当然、大きければ大きいほど土地数に対する点数効率は良いです)の一番点数の高いやつを配置!
一気に点を伸ばします。

(超高層ビルタイルは同じ得点のものはありません。ゲーム終了時、同点の場合のタイブレイクになります)
広い土地を必要とするビルの方が点数は高いですし、2マス、3マスのビルは数が限られているので土地は隣接して確保したいです。ここで効いてくるのが通りに面するために細かくばらまいた土地で、近くに他プレイヤーがいててきめんに邪魔ですw。他プレイヤーが広い土地を確保し終えてるところに飛び込むのは大した邪魔になりませんし、自分は結局小さい土地しか取れないのであまり意味がありません。他プレイヤーも小さい土地、自分の小さい土地を確保している真ん中に誰のものでもない土地がある。そんな状況が方々で発生し、場に出ているカードをにらんで、如月さんはこの中ではこのカードを取るはずだ、G2さんは…とある程度は考えもしますが、僕が土地をとれば新しいカードが補充されますし、上家のG2さんのところでどんなカードが出てくるかなど読みようがありません。
そんなわけで、
「青でろー。青でろー」、「青でるなー。青でるなー」と自分の欲しい色が他人の手番で出ないように、自分の手番で出るように祈り続けます。
一応、場のカードを全て捨てて新しいものを引きなおすという特殊効果カードを各プレイヤー1枚は持ってますが、使ったのは如月さんだけでした(ゲーム終了時に1点になりますが、残しとくのは使いどころを見誤ったともいえます)。

(特殊カードは、カード入れ替え、1手番に2枚カードを取る、1手番に2回建築の3種です)
序盤はこの祈りが通じていたのですが中盤から終盤にかけては如月さん、G2さんにいい風が吹き、超高層ビルを建てるための広い土地を確保できず、しかも、僕はまだ立て替えをあまりしてなかったので点数は完全に置いていかれました。
G2さんがこのまま逃げ切るかと思われましたが、ボード左側に8マスのエリアを独占することに成功し、そこにビル建設jから何回か立て替えを経て、超高層ビルを建設という流れで如月さんがG2さんに追いつき、追い越しました。

(まだ埋まっていってる途中ですが、左のピンクのエリアの一画が如月さんの茶色タイル&コマに占有されていってます)
迂闊に飛び込んでも邪魔されるし、今ある土地を広げた方がと全員が思ったのか、ボードの右側にはまだ誰も手をつけてない広い土地が。もうここに飛び込むしかなーいと、飛び込んだところ、意外と誰も邪魔に来なかったので、よしよし、この間に他の土地を…とかやってたら、G2さんが土地を2枚獲得する特殊カードを使って見事に封殺されましたが。
僕の手元には2、3マスのタイルはもうないので、G2さんに蓋をされてしまいもう土地が何にも使えなくなってしまいました。
うーん。一応まだ誰も手をつけてない土地はあるけど、そこに飛び込んでもちょっと狭くて超高層ビルは建てられない。
かといって、ここで勝負にでないと勝てないか!と僕も土地2枚獲得カードで、再び誰も手をつけてない土地に飛び込みます。
もうゲーム終了が見えており、他人の邪魔よりも自分の点数を伸ばす方を取ったのか、今回は誰も邪魔にこなかったので、徐々に徐々に土地を取り、2回建築カードも使ってその広い土地を有効に使って立て替え、立て替え、立て替え。
お題カードにある六角形ビルをぶっ壊すことになりますが、点数が伸びることはわかったので超高層ビルも最後の最後に建設。


(写真右下の赤と黄色の土地で構成された区画を独占しつつ、徐々に高レベル、高得点のビルに立て替えていってます)
この立て替えラッシュで追いつき、序盤にいい土地カードを取れたのが効いて3枚中2枚で通りに面したビル数ボーナスを獲得できたので突き放して勝利できました。

※終了条件のひとつである補充カードが足りなくなったらの方ばかり気にしていたため、「手元のビル数が規定枚数以下」の方を全員すっかり失念してました。ちゃんとやってれば、僕の立て替えラッシュ前に終了トリガーは引かれて如月さんが勝っていたはずです。
【感想】
何を今更という話ではあるんですが、面白いゲームを作るのにややこしいルールなんて全く必要ないんだな!というのを久しぶりに実感したゲームでした。
基本的に色が違うだけのカードを4択で選んで、カードの色と同じ場所ならどこにでもコマが置ける。そのコマのある場所に大きさのあったタイルを置いてビルを建てる。コマを置く場所に特別な条件もなく、ビルの建設に何もリソースなどがいらない。
おいおい何を言ってるんだい。土地を取るにはお金がいるだろう。ボードの縦列にアルファベットが横列に数字が振られててカードかタイルに座標が指定されてるだろう。ビルをを建てる?建築士を雇わなくていいのかい。粘土や木や鉄は支払わなくていいのかい。
でも、きっちり戦略要素のあるゲームとして成立してるんですよねー。遊ぶ前にファミリー向けとか聞いてたので、ルール単純な子供向けゲームみたいな感じなのかな?と思ってたんですが、ルール単純でも子供向けじゃなかったです(もちろん子供も遊べます)。
(まあ、立て替えは建物レベル上げないとダメとかちょっと制限ありますが)
このゲームの特徴は、散々書いた「条件の緩さ」だと思うのですが、その結果、好きなことが出来るか出来ないかが他プレイヤーとの絡みと若干のカード運に集約されてます。カード運といっても所詮4色ですし、自分がこの色が欲しい!というよりも他人に先に取られたくない!というのがカード運を気にする原因なので、結局、他プレイヤーとの絡みでゲーム中の綾が発生します。
僕がこのゲームを気に入った大きなポイントが、他プレイヤーとの絡みが綾と言いつつも、他人の手を妨害しあう絞りあうような展開は自分に損になるだけで、基本的に全プレイヤーが自分のプラスになるよう手を打ったら他人と欲しいエリアが被っていたので妨害するような結果になったというような、悪意よりもほぼ善意だけでプレイヤー間の絡みが発生するという点です。
遊んでみればわかるんですが、この土地取られたら困るだろうなという点はたまに出てくるんですが、他人の土地にちょこちょこちょっかい出すよりも自分の元々持ってた土地を広げるような手を打ったほうが点が伸びることが多いんですよね。
まあ、それだけだとソロプレイになっちゃうんですが、「通りに面した建物数」のボーナスが利いていて、そこで絡みも出てきますし、土地が固まらずに散らばるので後々、面していないところでも土地の取り合いが発生するようになってます。
あと、単純に高いビルを建てる(大きいタイルを配置する)のが楽しかったですw。
どん!どん!と立て替えで自分のビルが大きくなっていくのも楽しいですし、ビルは四角形のものばかりではなくて、テトリスのブロックみたいなのや変な形のがあるんですが、それをこの土地におけるかな、置くためにはこう土地を取らないとダメだな…と、タイル配置って大した作業でもないのになんで面白いんですかね。
ルールの単純さ(縛りの少なさ)、プレイしている際の気持ちよさ、チケット・トゥ・ライドやカルカソンヌクラスの誰でも深くも浅くも楽しめる王道ゲームなように僕は感じました。