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ウォッチ / Watch

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(4人でインスト込み2時間強)

【概要&ルール】

ここはソ連の時計工場!あなたはこの工場で働き始めた新人です。今日も歯車をつくる仕事に精を出します。ん?しかし、この工場、武器の密輸や個人情報の盗難、犯罪行為が行われてるようで、上手いことWatchして証拠を握れば大金を握ることもできるぞ!?

手番管理が独特なワーカープレイスメントゲームです。ワカプレでアクションを実行後に個人ボードからディスクを外し、アクションを強化しつつ、得点倍率を決めるボードに外したディスクを配置してマジョリティ争いもします。

ゲームの流れは以下の通りです。12ラウンド行ったら、最後に密輸アクションを1度実行した後、ゲーム終了です。

1. ワーカーを移動させる:ワーカーを空いているアクションスペースに移動させます(移動前はワーカーは寝ており、移動後に立てることで判別します)。
2. Watchカードを公開する:前ラウンドに選ばれたWatchカードに書かれた場所にプレイヤーがいた場合、Watchカードを選んでいたプレイヤーorサプライに賄賂を支払う必要があります
3. アクションを実行する:ワーカーを配置したスペースのアクションを実施し、その後、個人ボードのディスクを1枚、マジョリティトラックボードに移動させます。
4. 時計の針を回す:メインボード上の時計の針トークンを90度回転させます。
5. マーケットカードを更新する:各アクションのボーナスを決めるマーケットカードは1ラウンドごとに更新されます。

〇アクションの種類
アクションは、以下の8種類です。
・密輸:個人ボード上の比率(歯車いくつで、密輸品いくつ)に応じて密輸品を得ます
・歯車売却:任意の歯車を売却し、1歯車につき1金得ます。その後、マーケットカードに書かれたボーナス金の獲得&密輸品をアップグレード(低品質を中品質、中品質を上品質に。点数が上がります)
・残業:歯車を個人ボード上に書かれた数+マーケットカードに書かれたボーナス分獲得します。
・歯車生産:歯車を個人ボードに書かれた数獲得します。その後、マジョリティトラックボード上のディスクを移動させます。
・アップグレード:個人ボード上段に示された金額を払い、個人ボード上のディスク1枚を外してマジョリティトラックボードへ移動させます。
・ゴミ漁り:個人ボードに書かれた数の歯車とお金+マーケットカード上に書かれたボーナス分を獲得します。
・ファイル探し:個人ボードに書かれた数のドキュメントカードをドローし、規定数を手札に入れます。
・Watch:マーケットカードに示された枚数のWatchカードを次ラウンドの監視用に選びます。その後、謝金の返却、賄賂を銀行が肩代わりしてくれる黒トークンを得ます。

〇手番順
ワーカーの移動やアクションの解決は、時計の針トークンに時計回りにワーカーのおいてある順に解決します。
(なので、移動前と移動後で手番順が変わります&ラウンド最後に針が回るので、そこでも手番順が変わることがあります)

〇Watchカード
8種のうち、密輸、残業、アップグレード、ファイル探しは違法アクションです。効果は高いですが、前ラウンドに監視対象として、対応するWatchカードが選ばれていた場合、賄賂を支払います。
賄賂の額は個人ボードの最も空いているディスクの列によって決まります。
前ラウンド誰もWatchアクションを行っていない場合、ランダムで監視対象は選ばれ、賄賂の支払先もサプライになります。

〇個人ボードについて
個人ボード上にはディスクがおかれていますが、対応するアクションを実行するorアップグレードアクションで、ディスクを外して、マジョリティトラックボードへ移動させることができます。
これで密輸や歯車の獲得などのアクションの効果があがったり、ゲーム終了時にもらえるボーナス点が獲得できます。

〇ゲーム終了時の得点
以下の要素から点数を得ます。
・密輸品トークンに書かれた数字の合計
・個人ボードでディスクが外された部分のボーナス点
・ドキュメントカードのセットコレクション(異なる色を一式そろえる、同色を複数枚集める)
・歯車、お金、密輸品トークンの数×マジョリティトラックボード上で決まる倍率
※マジョリティトラックボード上に配置したディスク数と場所でマジョリティ争いをし、1位と2位はボードに書かれた倍率が獲得できます(マジョリティ3位以下は倍率ゼロなので、いくら歯車などを持っていても点数にならない場合があります)

上記の合計から借金トークンごとに減点があり、ゲームの勝者が決まります。

【プレイ内容】

ありきりさん、カヤさん、ねんそさん、僕の4人で。
僕だけ2回目です。

前回は密輸アクション重視が他の方と被り、ボーナスの倍率争いのマジョリティで敗れ、ひどいことになったので、初手からボーナスを決めるボードに2つのディスクを送り込めるアップグレードアクションを選択しました。

カヤさん:「経験者が選ぶってことは強いんか?」

他人に追随されにくくなるという意味で強いことは強いとは思いますが、結局、他人が力を入れている部分を避けて、うまく自分だけ最小数でマジョリティとったり、強化されたアクションを踏めるのが強いと思っています。
ので、「いやー、そんなことないんじゃないですかねー(玉虫色の回答)」と返します。
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(1ラウンド目のワーカーを配置したところ。このゲーム、個人ボードが空いて、マジョリティボードにディスクが移るだけなので写真はずっと似た感じにになりますが)

1ラウンド目は、空いている場所に好きにおける、(他人と被ってはおけないという絞り込み要素のある)普通のワーカープレイスメントゲームですが、このゲームの特徴は2ラウンド目からです。

アクションは全部で8つしかなく、他人のワーカーが置かれているアクションには配置不可、手番開始時に自分のワーカーを前ラウンドのアクションからどけて、このラウンドのアクションに配置というルールなので、4人プレイだと4つしかアクションの選択肢がありません(3人戦だと5つです)。

ワーカーの回収という要素はないので、このあと、12ラウンド終了までずっとこの『選択肢が4つしかない』状態が続きます。

前回の3人プレイの際には、毎ラウンドそれなりにやりたいアクションができていたのですが、4つしかないと流石にあのアクションをやりたいのだけど、どうすればワーカーが置ける?というところに知恵を絞ることになります。
このゲームでは、アクションの実行順と次ラウンドのアクションの選択順もアクション選択によって自動で決まりますし、前述の通り、ワーカーの回収というアクションはないので、単純にスタートプレイヤーとればいいんでしょというわけでもないので、頭がこんがらがります。

僕:「要はやりたいアクションが埋まってるなら、それよりも(時計回りに)先のアクションにワーカーを配置すればいいってことですね。隣なら前の人がワーカーをどけた次手番になれるのでほぼ確実に、狙ってたアクションが行えます」

そういう理屈はわかるものの、隣のアクションとの相性があまりよろしくない作りになっていて嫌らしいです。

さらに言えば、非合法のアクションを選択した場合、前ラウンドに選択されたWatchカードの場所とあっていると、個人ボードのアクションの強化具合に応じてお金の支払いが生じます(ゆすられて、賄賂を払っているということのようです)。

序盤は支払額は1金とか2金なので、あまり気にせず、非合法アクションも踏めますが、みんなが気にしないのであれば、自分だけ支払い免除状態になっておけばちょっと得なのでは?と考えて、2ラウンド目にWatchアクションを選択しました。

Watchアクション、アクション効果単体で見ると中盤以降はともかく序盤はめっちゃ弱いです。次ラウンドのWatchカードを選べること、Watchカードの対象になってるアクションを選んでも賄賂の支払いが発生しないこと、他人が賄賂を自分に支払ってくれること、次にプレイヤーがWatchアクションを選ぶまで自分の賄賂の支払いを銀行が肩代わりしてくれること(目印の黒いコマがもらえます)と、並べてみると効果は沢山ありますが、所詮、序盤では、1~3金程度の得があるかも程度です。

しかし、銀行が肩代わりしてくれる効果は塵積で強いかも!?ということで、あえて選んだわけですが……。

カヤさん:「(他人に払いたくないし)Watchしとこ」

と、次のラウンドで早くも銀行が肩代わりしてくれる権利=黒いコマを手放すことに。

ぶっちゃけ、1金手に入れただけだったので、ほぼ1ラウンド棒に振ったようなもんですし、これは痛い。カヤさんと交互にWatch踏み合うほどWatch自体が強いわけでもないですし、Watchは諦めることに。

3、4ラウンド目、ゲームは全体の1/3が終わったところですが、みなさんの狙い的なものが見えてきてます。

ありきりさん、ねんそさんは歯車を手に入れてからの密輸で稼ぐのを選択されたようで、密輸品のボーナスの倍率のとこでディスクの置きあいが発生。僕はゲーム終了時のギア所持数ボーナスのところにディスクを重点的に配置します。カヤさんは色んな所におかれているというか、自分を踏み台にして他人がディスク配置スペースに書かれたおまけのリソースをもらうのが嫌な様子で、結果的に散らばっている状態。

ディスクを配置するボーナスの倍率を決めるマジョリティ争いのスペースは、全部で12マスなので、6つ置けば負けることはありません(タイは分け合うことなく、1位のボーナスが貰えます)。とはいっても、3つや4つしか置かずにマジョリティで1位取れるなら、それに越したことはないわけです。

それにとって重要なのは、別にゲーム終了時のボーナスの1位争いに参加するわけではないが、スペースに書かれたおまけリソースがもらえるならもらっておきたいという人を誘致すること。
全体の空きスペース数が少なくなれば、後から逆転される可能性はガクッと減るはずです(結果的にライバルになるリスクもありますが)。

そんなわけで、(そこまでわざとではないですが)僕は自分が置くことによって、他人が2金や3歯車などのおまけを貰えることになっても、どんどんディスクを置きたい列に配置していきました。

密輸を狙っていると、密輸品の獲得は歯車と交換になるため、歯車をゲーム終了まで残しておくということはないだろうとみなさん当然考えることもあり、歯車からのゲーム終了時ボーナスの列は2列とも僕がほぼ1位を獲得できることは確定する状態にゲーム中盤くらいで確定させました。
(誰も入ってこなかったので、今からおいても追いつけないという位置までさくっと配置出来た)

前回のプレイで、「ドキュメントカードの得点効率は高いけども、本当にドキュメントカード獲得に特化しないと得点効率が高くなるところまで届かない」という感想に、遊んだ全員がなっていました。
なので、今回、僕はドキュメントカード特化!を試してみたかったのですが、今回は、前回と異なり、カードの人気がそこそこ高く、カード獲得アクションにありきりさんやカヤさんが入っていることも多く、なかなかカード獲得アクションができませんでした。

そもそもワカプレで2人以上と被るアクション(戦術)を選択するのは(よほど強い場合を除いて)下策だよなあと、ドキュメントカードの獲得は諦めます。

そうなると、選べるのは歯車の獲得系アクションか、アップグレード、または歯車売却&密輸ということになります。
正直、歯車の獲得アクションはそこまでやらなくてよいかなと思っていたのですが、他人にやりたいアクションが専有されていたり、次のラウンドで自分が有利な手番順を選択したいというなんやかんやの綾があり、中盤時点で、歯車の獲得アクション部分の全てのディスクが外れることに。

もちろん、歯車も手元にたまりましたし、歯車獲得アクション部分のディスクが全部外れたことでゲーム終了時に15点獲得することもできるように。
これはこれで嬉しいですが、この状態で、Watchカードの対象アクションを選んだ場合、7金も支払うことになってしまいました。ちなみにお金(と歯車)がもらえるアクションからの収入は最大4金程度なので、7金といったらめっちゃ大金です。

手元のお金はぎりぎり払えそうではありますが、この後、ゲーム終了時にお金が得点になるボーナスの方にディスクを配置しようと考えていたこともあり、被害は受けたくありません。
Watchカードやアップグレードなどのお金の支払いが発生した際に、手持ちが足りなければ借金になります。1借金5金、8金で返却できますがゲーム終了までもっていればマイナス10点(金ではない)です。マイナス点も嫌だし、ゲーム終了時に点数がもらえないのも嫌です。

Watchカードの対象アクションを選んだ時に、支払いを回避するには、
・Watchアクション実施時にもらえる黒いコマの効果で銀行に支払いを肩代わりしてもらう
・「支払いを銀行が肩代わり」効果のドキュメントカードを持っている
・自分が前ラウンドにWatchアクションを選び、カードを選んでいる。
のいずれか。

やっぱドキュメントカードを取りにいかないとダメなのか?と思いはするものの、ドキュメントカードを取るアクション自体が空いてなかったり、空いてるときに限ってもっとやりたいアクションが空いてたりするんですよね……。

今回は、ドキュメントカード獲得のアクションは空いており、このラウンドのWatchカードは1枚=賄賂を要求される非合法アクションは1つだけ。ドキュメントカードを取りに行ってもいいんだけど、当たってお金減らしたくないなーと、しばらく悩んで、結局、非合法アクションを選ぶのはやめて、次ラウンド以降を楽にするためにWatchアクションを選択。

次ラウンドに監視できるWatchカードの枚数は3枚。非合法アクションは4つしかないので、3枚監視してれば、ほぼ当たりみたいなもんです。賄賂を払ってもいいやと思ってもらい、非合法アクションを選んでもらえさえできればですが。
三味線スキルをフル活用!というわけでもなく、さすがにこの時点で、半分を切っていたこともあってか、日和って得点伸びないよりは、今の点数伸ばすアクションを選びたい!という気持ちがみなさん勝ったようで、僕以外の3人が非合法アクションを選択(ドキュメントカードで銀行が肩代わりしてくれるとか、所持金的に払っても良いとかみなさん事情はあったようですが)。

そして、見事に前ラウンドに自分が選んだWatchカード3枚がすべて当たり!ということで、賄賂3人分、17金を獲得!
これで、ゲーム終了まで少々Watchされているアクションを踏んでも大丈夫そうです。

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(赤の僕以外のワーカーが踏んでいるアクションの個所をみごとWatch!)

ゲーム終了時の点数で僕が狙っているのは、歯車のボーナスと、お金のボーナスと、個人ボードを開けることによる得点の大きく3つ。この時点で歯車のボーナスは2列ともトップはほぼ確定していましたが、お金のボーナスを決めるマジョリティ争いは、まだみなさん0とか1つしかディスクを置いておらず、ここから激戦化しそうな雰囲気です。

ボーナスの倍率を決めるマジョリティ争いを有利にするには、アップグレードアクションで1手番で2つディスクを置いたり、歯車生産アクションのおまけで、自分のディスクを同じ列の中で移動させて、スペースを埋めるなどのアクションが活きてきます。
そして、ドキュメントカードの効果として、任意の1つのディスクを別の場所に移動させる効果もあり、カヤさんやありきりさん、ドキュメントカードを複数枚持っている方々のこの”飛び道具”も気を付けないとなりません。

まあ、いうて、気を付けてもどうしようもないので、アップグレードで2つ置くのが最強やな!とアップデートを狙いに行きますが、皆さん考えるのは同じで、アップグレードが空かない!
ここからは、アップグレードアクションをどうすればとれるのかに知恵を絞ります。

いまの手番順はこうだけど、次ラウンドはここに置けばスタートプレイヤーがとれるから…。あ、だめだ。スタートプレイヤーとっても、この時点だとアップグレードアクションに他の人のワーカーが置かれたままだわ。だから、この人がワーカーをどけてから一番早くなる手番を取れば…。いや、ここのアクション別にやりたくないんよ……。そもそも、自分がアクションを選んだ後で、後ろ手番の人が、さっきまで自分のいたアクションに入ってきたら、その人、アップグレード入られるか。
などと、ぐだぐだ考えてました。

実はこの時点で僕は盤面の半分のアクションは選びたくない状態になってました。
密輸とか、密輸品をどうこうするアクションはゲーム開始から全く選んでおらず、アップグレードでもディスクを外していないので、いまさらそこに行っても弱い効果のアクションしか行えませんし、密輸品のボーナスは既にねんそさん、ありきりさん、カヤさんがおさえてしまっており、点数効率がめっちゃ低いです。

そして、歯車獲得系のアクションもゲーム中盤にそうそうに全てのディスクを外してしまったので、そこを選んでもマジョリティ争いのためのディスクを置くことができません。

お金ボーナスの列のマジョリティ争いをしている今の時点でディスクが置けないはちょっと弱すぎます。

そんなわけで、選んで意味があるのは、アップグレードとその横のごみ漁り、ドキュメントカード獲得、Watchの4種類です。このうちの1,2か所は大抵埋まっているので、ゲーム開始時に「選択肢が4つしかない状態がずっと続く」とか書いてましたが、それよりも選択肢がない状態です。
それでも、現金に余裕があってWatchされても良いというのは心に余裕があり、果敢に非合法アクションを選べたのは楽でした。

ねんそさんはドキュメントカードを1枚も取っておらず、中盤くらいに「Watch当たるとやばいな」とはおっしゃっていたものの、今更、Watchカードを取りにもいけない状態。と言っても、ごみ漁りのアクションを強化し。.、歯車をごみ漁りで手に入れていたので、お金自体には若干余裕があった模様。
ありきりさんは、主に歯車を残業や歯車生産で手に入れていたので、歯車は沢山お持ちなものの、お金が手に入るアクションがあまり踏めておらず、現金がやばい。むしろここまでもアップグレードや賄賂の支払いが足りず、借金をしている状態。ドキュメントカードも銀行が肩代わりする効果をとっていなかったようです(「5枚とって、効果が全部同じとか噓でしょ!」と叫ばれていたので、色々悲劇があった結果かもしれませんが)
カヤさんはWatchも前半からやってましたし、ドキュメントカード重視なので肩代わり効果のものも持っていらしたかと思います。

そもそも密輸アクションをカヤさん、ありきりさん、ねんそさんの3人が狙っているので、密輸アクションの取り合いやアクションコストになる歯車の獲得に忙しそうで、お金があれば安心して非合法アクションも踏めるんだけど、お金をとるタイミングがない!と苦労されていらしたようでした。

ゲーム終了間際、プレイヤーが選んでおらず、ランダムにひかれたWatchカードが1枚のラウンド。流石にいま非合法にいかずに安全策を取るのは弱気すぎるでしょ!と、ほぼみんなが非合法選んだら、ありきりさんの選んだアクションが見事に当たりで、7金=20点以上を失ってたのは可哀そうでしたが……。
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(終了間際。僕のボードは密輸アクションの強化以外はほぼ空いてます)

僕は狙っていたアクションや得点源が被っていなかったこと、途中のWatchで稼いだ17金が大きく(点数にすると51点)、勝つことができました。
といっても、独走というわけでもなく、カヤさんの集めていたドキュメントカードの出方次第で勝たれていたかもしれません。

僕が狙ったお金や歯車のボーナスと、個人ボードからの点数は天井が決められており、人と被っていなくてもシステム的な制限で最後伸び悩む作りになっています。密輸品やドキュメントカードは天井がなく、うまいことやればやったぶん点数が伸びる(ただし、ドキュメントカードは運も大きい)ので、そこらへんはバランスがとれているのかもしれません)

【感想】

アクションは8種類ありますが、どれもアクション内容は単純、特殊効果のついているカードも効果は3種類のみと、ひたすら飾り気のない、他人との競い合いが中心の、シンプルな作りのピュアピュアしいワーカープレイスメントゲームです。

他人のワーカーが既にあったり、自分のワーカーの配置場所の関係でやりたいアクションができない!他人に先取される!のを、自分のやりたいアクションをどうすれば選択できるのかに頭を使うのが楽しいです。

そんなのワーカープレイスメントゲームでは当たり前と言えば当たり前の要素ではあるんですが、アクションの選択肢がかなり狭い上に、いわゆる1つ選ぶと沢山一気に決まる系のゲームなので、こっちをとったらあっちを諦める部分ももちろんあり、そこが楽しさを増しています。

一気に決まる要素は、このラウンドのアクション実行順、このラウンドのアクション、次ラウンドのアクション選択順、監視対象かどうか。
アクション間の関連は薄いので、Aさんのアクションの結果、Bさんがアクション出来なくなる、不利になるということはないため、一見、アクション順はそんなに重要そうではないようにもみえるのですが、アクション後に実施するディスク配置によるボーナスのマジョリティ争いで、ここぞ!というタイミングで手番順が重要になります。

時計の針が回ることによって、毎ラウンドスタートプレイヤー位置が変わることで単調にならないというのも、このゲームのシンプルさを邪魔せずに面白さを増している要素だと思います。

プレイの方にも書きましたが、今ならやりたいアクションが選べる、マジョリティもいい場所が取れるという場面に、Watchカードの監視対象というギャンブル要素が加わっているのも僕は大変好みでした。
そのギャンブルも、他プレイヤーがカードを選んでいて、プレイヤーに支払うのか、ランダムに選ばれていてサプライに支払うのかでだいぶ印象が違うというか、プレイ指針に影響があるように思います。
心理的なインタラクションとでもいうか、ピュアなワカプレに加えるだけで、面白いことになっているなと。Watchアクションは単体では弱い(得点に結びつかない)アクションというのもまた良いです。

特徴的なでかい仕掛けや派手さがない、テーマが地味などなど、ぱっとする要素は薄いですが、ワーカーをどこに配置すればよいかを、何をやりたいか?(どの優先度を下げるか)をピュアに悩むゲームで、しかも、ギャンブル的な盛り上がりもあり、隠し味でちょっとはっちゃけました的な感じが大変好みでした。

ディスクを外すと対応するアクションが強化される、ただし、すべて外した最強状態でアクションを実行すると外すディスクがないので、マジョリティ争いで不利になるとか、まあ、いちいち、全部うまくはいかせんからな!という作りが良かったです。

ピュアピュアしいワカプレの宿命というか、仕方ない点ですが、どんなにうまくアクションを実施してやったぜ!となっても、他プレイヤーとの競合しなかったプレイヤーが勝つというのは、当然ではあるものの、俺はベストを尽くしたがたまたまあの人と被っちまったから…と釈然としないこともあるかもしれません(3人だと若干アクションの選択肢が緩い分、他人と被らない有利さが増しているようにも感じました。4人のがいいかもしれません。狭すぎ!と思う方もいるかもしれませんが……)

ウィッチストーン / Witchstone

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(インスト込み3人で90分ほど)

【概要&ルール】

一番の魔女を決める戦いが始まったのかどうかは定かではありませんが、一番の魔女になるため頑張ります。
(すいません。設定をよく聞いていませんでした)

ゲームには6つのアクションが登場します。
手番には、異なる2つのアクションが書かれたタイルを個人ボードに配置することで、その2つのアクションを実施します。
ただ、個人ボード上で同じアクションがつながると、そのアクションの実行回数が増えたり、アクション効果が強くなったりします。
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(個人ボードの様子。アイコンがつながっているとタイル配置時にアクション回数が増えます)

ボンファイア(黄昏の篝火)のタイル配置→アクション実施のイメージに近いです。

アクションは以下の6種類。
・クリスタル:メインボード上のポイント間をつなぐようにクリスタルコマを配置します。必要数を全て配置すると配置した数に応じて即座に点数が入ります。
・魔女:メインボード上に魔女をわかせたり、クリスタルの道を通ってポイントへ移動させます。ポイントに初めて到達するとボーナストークン(アクションができたり得点したり)がもらえます。
・五芒星:五芒星トラック上をフクロウコマを移動させます。規定数進むと得点トークンや、個人ボード上に配置できるアクション数を増やすトークンがもらえます。
・水晶:個人ボード上に初期配置時に置かれた水晶を移動させます。個人ボードから除外すると追加のアクションが実施できたりします。
・魔法の杖:魔法の杖トラック上をフクロウコマを移動させます。通過したマスによって、追加アクションや条件に応じた得点があります。
・巻物:巻物カードを1枚獲得します。このアクションだけアクション回数ではなく、選択肢が増えるようにアクションが強化されます。巻物カードはゲーム終了時に得点のものとアクションを強化するものがあります。

規定回数の手番を行ったのち、巻物カードなどの点数を獲得し、最も点数の高いプレイヤーが勝利します。

【プレイ内容】

ニコさん、一味さん、僕の3人で。

ニコさんがニコボドでのゲーム紹介用に遊ぶ際の相手に選んでくださったので、よっしゃわいもブロガーの端くれやと、紹介記事書いてみます。特にホビージャパンさんに了解とかとっていませんが、問題あればご指摘ください。

個人ボードにタイルを配置する際には、アイコンがつながるように配置すればアクション数が増えるという作りなので、当然、最終的にはそういうアクションを優先的に実行するにしても、ゲーム開始時には全部のアクションが1回(元々個人ボード上に書かれているアイコンがあるので、正確にはタイルに書かれた2つのアクションのうち、片方は2回にできますが)なので、どれをやっても変わりません。

どれが強いアクションかなんてようわからんしなあと悩みましたが、いくつか早く実行した方が有利なアクションがあることに気づきました。

・五芒星:五芒星トラック上でもらえる得点トークンは、1着7点、2着6点…と下がっていく
・魔法の杖:アクション実施のマスは、1着の人は2倍実行できる
・魔女:各場所に最初に魔女を移動させるとボーナストークン(得点や追加アクションが行える)がもらえる

スタートプレイヤーのニコさんが五芒星トラックを進めていらしたので、魔法の杖か魔女かの2択ですが、魔女を移動させる前段としてクリスタルで道を作る必要があります。しかし、手元にクリスタルのアクションが行えるアクションタイルがなかったので、じゃあ、杖からはじめるかと杖のアイコンがついたアクションタイルを置くことにしました。

たまたま選んだアクションタイルの一方が、個人ボードに元々書かれているアイコンで杖の隣にある水晶だったので、んでは、杖アイコンに隣接させつつ、水晶方向に延ばすかと配置してみました。

魔法の杖トラック上のフクロウコマを2マス(2アクション分)進めると、水晶の書かれたマスにとまりました。当然、1着なので水晶アクションが2回できます。タイルに書かれていたものと併せて、この手番で3アクションできるようになりました。

水晶アクションは個人ボード上の水晶を移動させるアクションですが、イマイチその有用性がわかっていません(ならなんでやろうとしてるんだって話ですが)。

個人ボード上にアクションタイルを配置する際に、水晶の上には配置できないので、水晶をどかした方がタイル配置が有利になるというのは理屈ではわかるものの、そんなの避けて置けばいいのでは?という思いも正直強いです。個人ボードには6ヵ所、外側に穴が開いていて、そこから水晶を外に出すことで穴に対応したボーナスアクションが実施できるんですが、これも水晶を動かすこと自体に価値を見いだせていないので、そんなにやらんでもいいかな……と消極的です(水晶を動かすマイナス分とボーナスでのアクション分でとんとんなのかなと)。

とはいえ、せっかく機会をもらったのだからやるかと、個人ボードをよく見てみると、初期配置から3アクション分移動させれば、水晶1つを外に出すことができます。
お!じゃあ、さっきやろうとして、できなかったクリスタルのアクションやるか!と思ってみたものの、先ほど配置したアクションタイルが見事にクリスタルアクションが実施できる穴を塞いでいます。
やっちまったーと思いつつ、仕方ないので、今後、魔法の杖のアイコンをつないでいくのに邪魔になりそうな水晶を移動させて、手番を終えました。

おそらく、手元の個人ボードにどう配置しようかと悩まれていたのだと思うのですが、手番がまわってきて開口一番に
「先に杖がやられてる!(2倍取られてる)」
という一味さん。へっへっへ、後手番のやつが悪いんですよお。

しかし、それでも杖を進めていらしたので、争いが発生しそうな雰囲気です。

その後はもちろん僕は魔法の杖アクションのアイコンをつなげて、どんどん杖トラックを進めましたという展開を狙っていたのですが、杖トラックは、空白マス、アクションの書かれたマス、得点方法の書かれたマスの3種類があり、中盤くらいまでは基本的に空白、アクション、空白、得点、空白、アクション、空白…という並びになっています。

次の得点マスに進む前に得点要素(この時は完成しているクリスタルの道の数)を伸ばしておきたいなあと思ったものの、手元にはクリスタルのアイコン付きタイルは、クリスタルと魔法の杖のセットのものしかありません。

個人ボードに元々書かれているクリスタルアイコンと接するように置けば、クリスタルアクションは2回できますが、杖はどこにも接しない場所しかまだないので、1回しかできません。先ほど配置したタイルの杖アイコンに接すれば、杖は3回出来ますが、クリスタルは1回です。

うーん。と少し考えたのち、とりあえず、今回はクリスタルアクションを重視することにしました。
杖の次の得点要素ということ以上にクリスタルの道やその道を通ってメインボード上のいろんな場所に魔女を訪問させる魔女アクションは、他プレイヤーとの先取なのでやっといても損はないかなと。

しかし、手元のタイルの引きがあまりよくなく、杖もクリスタルも引けません。正直あまり強くなさそうという水晶アクションのアイコン付きばかりきます。
(タイルは5枚を手札のように持っていて、手番で使った後に1枚ずつ補充します。全てのタイルが手札になり、4枚残す状態でゲームは終了です。早い遅いはあれど、欲しいタイルが手に入らないということはありません)

まあ、アイコンは重ねた方がよかろうと水晶アクションを続けます。正直、やってることがいったりきたりで、色んな事に手を出してしまってますが…。
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(序盤終わったあたりの個人ボードの様子)

この後、杖は2つめのアクションマスまではトップを維持できたものの、得点マスでの点数をほぼ捨てて、トラックを進めることを重視した一味さんに先に行かれてしまいました。
逆に、これで急ぐ必要もなくなったので、個人ボード上でアイコンがつながってきている水晶、魔女、クリスタルにさらにアイコンを重ねていくことにしました。

ラッキーなことにちょっと前に実施した五芒星アクションで手に入れたタイルが、水晶と魔女にかかわるもの。

五芒星アクションでは、ある程度フクロウコマを進めると点数以外にも、アクションのアイコンが2つ書かれたタイルがもらえます。これは個人ボードに配置するか、使い捨てのアクショントークンにするかを選ぶことができます。

もちろん、魔女と水晶はつながりをつぶさないようにつなげていくつもりなので、普通にアクションタイルを配置していくよりも常に+1回の状態になりました。

全くやる気のなかった水晶アクションにめっちゃ力を入れることになってますが、果たしてどうなるのか。

ニコさんは五芒星トラック、一味さんは杖トラックを先行して進めており、僕もそういう人と競争している部分で頑張った方がいいとは思うのですが、手元に来るタイル運次第というところもあり、結局、水晶アクションみたいな展開です。

メインボード上のクリスタルの道の配置(1つのルートは1人のプレイヤーしかクリスタルを置けない)や、それを通って移動させる魔女(初めての場所にいくとボーナストークンがもらえる)など、メインボードに力をいれたいのですが…。

3人プレイということもあり、僕はニコさんと一味さんに挟まれる位置がスタート場所になってしまったので、とっととクリスタルの道作らないと、僕のスタート位置の近くから埋められてしまいます。

といっても、メインボード上のクリスタルや魔女をどこに配置するか、どこに移動させるかは、他人の邪魔どうこうというよりも、巻物カードの内容がでかいんですが。

巻物カードはゲーム終了時に点数になる目的カード的なものと、アクション実施時に+1/+2回する強化カードがあります。このうちの目的カード的な方で、ゲーム終了時にどこそこに魔女を配置していることというカードがあるのです(割合的に結構多そうでした)。

なので、直接的に僕の邪魔だけを考えてくるということはないはずですが、それでも、

僕:「ちょっとちょっと、ボードの反対側は誰もいないんですから、そっち行ってくださいよ」
一味さん、ニコさん:「たまたま。たまたま。あとで誰もいない方行くんで」
僕:「あからさまにつぶしにきとるがな」
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(僕=青の方によって来てる、赤と黄色コマ)

なんてやり取りもありつつ。

じゃあ、とっととクリスタルや魔女を進めたのかというと、そうでもなく、あえての水晶アクションでした。

アクションタイルの引き的に都合が良かったのもあるんですが、それ以上に、水晶アクションで水晶を個人ボード外に出した時にもらえる巻物アクションが使いたかったのです。
巻物アクションは巻物を取るアクションですが、アイコンを重ねても実施回数(獲得できる巻物カード数)は増えず、カード枚数が欲しければアクション機会を増やすしかないです。
もちろん達成できなければ無駄になりはするものの、ゲーム終了時に点数になる巻物カードが大事そうに見えたんですよね。

そして、僕の個人ボードの状況だと魔女アクションのアイコンをつなげはじめると、巻物アクションが行える穴(わかりにくいと思うので、どこかで個人ボードの写真見てください)が埋まりそうだったんで、とっとと水晶アクションをやりきってしまうことにしました。

2回、3回でもそれなりにアクションできるなあと思っていたのですが、最後には、6アイコンのつながり=6回も実施できるようになり、

僕:「水晶アクション×6のうち、4回を使って、真ん中の黒い水晶を水晶アクションの穴から外に出して水晶アクション2回×2を得ます。これで残り6回なので、3回、3回で個人ボード上に残っている水晶2つとも外に出しちゃって、五芒星アクション2回と、巻物アクション獲得して終わり」

と、なんかすごいことになってました。
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(ほぼゲーム終了時の個人ボードの様子)

インストを聞いた時からわかっていたものの、終盤になるとアイコンがつながっているので、みんな1手番で得意アクションを5,6回実施するようになっており、序盤の小さい動きと違い、一気に五芒星トラックを半周したり、クリスタルの道が2,3ルート埋まったりします。
なので、得点トラック上で差が付いたなあと思っていても、案外、1アクションで20点近く稼いで追い付いたり、逆転したりと展開も派手になっていきます。

ニコさんは五芒星トラックの得点トークンや巻物カードなどのゲーム終了時に点数がはいる系の得点手段を重視されていたので、得点トラック上では一歩遅れている感じ。一方で一味さんは手に入れた巻物の半分近くがアクション回数+2の強化カードだったこともあり、盤面の動きが派手で、得点トラックでも先頭を走られていることが多かったです。

たぶんゲーム中に手に入る得点はクリスタルの道が一番大きいんで、僕も得点トラック上はいい感じですし、魔女の移動で手に入れたトークンも巻物アクションのものだったりで、とにかく巻物カード枚数がみなさんより2,3枚多いです。
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(僕の持ってた最終的に得点になる巻物カード、もっととれたんですが、「めっちゃとってる」と言われまくったので、ちょっと日和ってアクション強化の方を取ったりしてました)

ニコさん:「ひだりさん、めっちゃうまくいってる感じしますねえ。アクション回数も毎回多し、すごい枚数の巻物カード持ってるし」
僕:「僕も上手いこと言ってるんじゃないかと思ってるんですよ」

などと余裕をこいたやり取りをしつつもどきどきしながら最後手番を終えて、最終的に入る点数を色々いれてみた結果…、

1点差でニコさんの勝利でした!

あれー?

僕:「あ、そういえば、魔女って初めての場所にいったら都度2点もらえるってインストされてましたっけ」
ニコさん:「そうですよ。でも、最後の方いれてたか忘れたな……」
僕&一味さん:「ずっと忘れてたわ」

ノーコンテストということで!
(たぶん僕がトップで、一味さんとニコさんがいい勝負になったんじゃないかという話になりました)
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(終了時。終盤はアクション回数が多いので、中盤すぎくらいに、まだ空きあるように見えてるメインボードもあっという間に埋まります)

【感想】

単純にやれることが増えていく仕組みなのが楽しいです。
アクションが思った以上にコンボする作りになっていて、あれやって、これやって、こっちのボーナスでそれやってとなっていきます。
煩雑とも言えますが、たくさんできることはやはり楽しいです。
全体的に軽いプレイ感なので、この思いもよらないアクションの連鎖を狙って作れたり、意図せずしてつながったりが、複雑性とハプニング性を作っていていいアクセントになっていると思います。

うまいなあと思うのが、アイコンがつながった数=アクション数なので、どうやっても徐々にしかアクション回数は伸びません。つまり、ゲームに慣れていない時はちょっとずつアクションをこなすしかないのでそこまで複雑ではないですし、ゲームに慣れてきた頃には少々の煩雑さ・複雑さなら理解できるんですよね。2回目以降のプレイなら、序盤はよりもどかしさを感じるので、後半の爽快感があがるのではないでしょうか。

あと、今風なのはコストの支払いがないところです。やりたいことがあれば、基本的には(タイルがあれば)できます。盤面の状況次第で効率が変わるので、自分がそのタイミングをどう判断するか、やるのかやらないのかっていうだけで、他人や自分の状況によって受けるストレスはあっても、システム的な制限で受けるストレスは極めて低いです。

ストレスが低いという点だと、プレイ内容のところにも書きましたが、必ず全ての組み合わせのアクションタイルが入手できるので、あれがやりたい(けど今はできない)が、必ずいつかはできるということもあげられます。

この、楽しい&ストレスレスに振ってる感じがすごい今風だなあと僕は思います。苦しさが楽しさという面ももちろんあるんですが、苦しさがなくても楽しさは十分にあるんですよね。

あと、追加でもらえるアクションも即座に発動するタイプとトークンなどの形で入手後に任意のタイミングで発動させるものがあり、前者は通常のアクションと同じような感じですが、後者はいまだ!ここだ!ってタイミングを自分ではかっているような気になれます(この、「気になれます」という点をどう自分の中で落としどころをつけるかがなんですよね…。気になってるだけなのか実際はどうなのか……)。

作りがシンプルなんですが、ちょっとした考え所があるのは、面白さのアップにつながっていると思います。

メインアクションと追加アクションの実施タイミングをどう制御するのか、どうしたいのかという、プレイヤー自身の意思を強く尊重するタイプのゲームです。
ただ、なんぼ工夫できるとはいえ、基本的にはシステム的な縛りはゆるく、ストレスを感じさせない作りということもあり、ゲーマーだと、「これ、どうプレイしても結果変わらなくね?」と、選択肢は与えられているようでいて、上手にやりくりする部分、自分の実力を発揮する部分がない/少ないと感じるところはあると思います。

最後に、大したことじゃないんですが、このゲームの欠点として、色々と細かく点が入ることでバランスがとられているわりに、サマリーが全くイケてない点があります。本当に文章をだらーっと書いただけみたいなサマリーです。
インスト時に抜けにくいのは良いかもしれませんが……(でも記憶があいまいですが、魔女の移動時の点数とか一部の内容は書いてなかった気もするような)。
ちゃんと流通した後で、どなたかが絵柄も入れた素敵サマリーを作ってくれるのに期待してます。

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(文章がずらっと並ぶサマリー。裏面はアクションの説明が文章でずらっと並んでます)

ウエスタン・レジェンド:アンティアップ / Western Legends: Ante Up

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(5人でインスト込み約5~6時間!)

【ざっくりルール】

大枠はウエスタンレジェンドの基本ゲームとほとんど同じです。 基本ゲームの紹介記事

西部開拓時代のアメリカを舞台に、“西部の伝説“になるべくプレイヤーたちが悪事に正義に賭け事に東奔西走するゲームです。

プレイヤーは手番に3アクションポイントを持っており、それを用いて任意のアクションを行います。
アクションは、大きく、移動、戦闘、アイコンの解決の3つです。

移動は自コマを自分の移動力分移動させます(馬を購入して持っていれば、移動力が上がります)
戦闘は他プレイヤーのコマと同じ場所にいる際に選択できます(NPCとはアクションを選択しなくても同じエリアに入れば戦闘が発生します)。手札を出し合って、書かれた数字の大きいプレイヤーが勝利します。
ボード上に様々なアイコンが書かれており、アイコンごとに対応するアクションが違います。自コマのある場所のアイコンに対応したアクションが実行できます。

このアイコンの多種多様さがこのゲームの魅力の根源です。
・牧場:牛の輸送や牛泥棒
・キャバレー:豪遊
・お店:買い物
・金鉱:金鉱掘り
・銀行:金の売却や銀行強盗
・列車:列車強盗
・酒場:ギャンブル
・開拓地:開拓
などなど。

そして、これらアクションのほとんどが勝利点(レジェンドポイント、LP)につながっています。
直接LPがはいるものもあれば、悪党ポイントや保安官ポイントがあがり、結果として、LPがあがるものがあります。

●拡張について
拡張「アンティアップ!」では、主に以下が追加されています。
・開拓地ボードの追加(開拓地アクション、開拓地の村が追加)
・列車の追加(移動手段&列車強盗アクション追加)
・ギャンブル(ファロ)が追加(前作はポーカー(ホールデム的なもの)のみ)
・キャラクターカードの追加
・イベントトークンの追加(悪党ポイントなどの規定値に配置され、そこをいずれかのプレイヤーが通過すると、イベントカードが引かれる)

【プレイ内容】

しゅだっちさん、さくらさん、ウキンさん、あすまーさん、僕の5人で。

正直、拡張なしの基本ゲームでは5、6人ではボード上も狭くなるし、ダウンタイムが長くてだれるイメージがあったのですが、拡張が入って開拓地マップが追加されており、狭さに関しても解決するはずなので5人でやってみました。

基本ゲームでは、

金鉱を銀行に売ることで1金鉱あたり1LPと30金獲得&キャバレーで豪遊すれば、30金ごとに1得点獲得なので、金鉱掘りが得点効率高い

金鉱掘りにボーナスがつく装備(ロバや地図等)を購入してひたすら金鉱掘りするプレイヤーが出てくる

町で待ってて、金鉱掘りを襲う悪党プレイヤーの誕生

悪党は悪党であるだけで、毎ラウンド1~3得点獲得できる上に、金鉱&キャバレーの得点も獲得できる

保安官プレイで悪党を止める

という西部の生態系が作られておりました。
果たして、拡張入りではどうなるのか…。

始めにランダムにキャラクターを2枚ずつ配り、1枚を選びます。
キャラクターごとに特殊能力がある他、スタート地点や所持品も個別に決められています。

僕のキャラクターはアクションとして保安官ポイントや悪党ポイントを得られる(ただし、通常のあげ方ならもらえるボーナスがもらえない)という能力です。
(今見ると、能力違うかもなんですが、そういう解釈でプレイしました&結局、この能力は使ってないので間違っていてもセーフ!)

僕とあすまーさんが、開拓地ボードでスタート、残りのさくらさん、うきんさん、しゅだっちさんがメインボードでスタートです。
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(スタート直後。フィギュアの下のリングがプレイヤーカラーです。NPCというかごろつきもそこら辺にいます)

このゲーム、何はともあれ欲しいのは武器と乗り物。
戦闘は手札からプレイしたカードの数字比べですが、武器があれば数字に補正がついたり、勝負の前に相手の手札をみれたり、戦闘後に手札を補充出来たりと色々便利です。プレイヤー間の戦闘がなくても、銀行や列車を襲う時にも戦闘ですし、保安官として荒くれものたちを倒す時にももちろん戦闘というこのゲームでは、武器はかなり使うアイテムです(一応初期の所持品でリボルバーは持ってはいます。能力ついてませんけど)。

あと、乗り物は単純に移動力アップです。めっちゃ移動するゲームなので、あるとないとではアクション効率が全然違います。

これがメインボード側なら金鉱掘って売ってが主な金策なんですが、開拓地ボードでは金鉱もなけりゃ、売ることもできません(金鉱はメインボードにある銀行でだけ売却可能)。じゃあ、金策どうすればいいのかなあと思いながら、とりあえず、開拓アクションをしてみます。

開拓アクションは、ボードに書かれた数字+ランダムに配置された開拓トークンの数字の合計以上の数字を手札からプレイ出来れば、成功で、開拓トークンの裏に書かれたものがもらえます。

開拓アクションに必要な数字が低い場所がいくつかあったので、そのうちの1つで開拓してみたところ、テキサスロングホーン(※)を獲得しました。
※グレートウエスタントレイルにでてくるあの牛です。

テキサスロングホーンもアンティアップ拡張で追加になった要素で、牛運びを完了させれば、通常の牛よりも良いものがもらえます。その代わり、持っている数分だけ移動力が下がります。
通常の移動力は2なので、1歩しか移動できなくなってしまいました(一応、ゼロ以下にはなりません)。

多少良いものがもらえるとはいえ、移動力が1になったのは困りました。移動だけで手番が終わってしまいます。が、次手番の頭で補充した手札の1枚にスプリントの効果がついていました(手番開始時に、10ドル/カード1枚を任意の組み合わせで2つもらえます。&、手札はトランプのスートと数字がついており、下部にテキストで色々と特殊効果が書かれています)。
スプリントの効果は移動力+3なので、テキサスロングホーンをさっさと牧場に運び、報酬に変えることが今回はできました。
(この後、あすまーさんが開拓アクションの報酬でテキサスロングホーンを獲得された時は、スプリントもなく、まだ馬も獲得してなかったので、移動だけで1手番なくなったりしてました…)

本来ならテキサスロングホーンはそれなりに当たり報酬なのかもしれませんが、できれば馬を手に入れてからにして欲しいもんです。この後、開拓アクションを2,3回実行して(テキサスロングホーンは幸運にも当たらず)、乗り物を無事購入しました。

乗り物以外のアイテムは、特定のアクションが強化されるものがあり、アイテムの購入でそのプレイヤーが何をやろうとしているかがわかることがあります。

今回はレジェンダリーカードという名の、目的カードをいれていたので、まあ、目的カードに沿ったプレイングを目指す→そのためのアイテム購入ということになりますが。
(目的カードはそのキャラクターに合ったものになっており、キャラクターたちは実際に西部開拓時代に実存した人たちのようなので、詳しい人ならキャラクター見ればプレイングまでわかるのかもしれません)

しゅだっちさんは、地図(金鉱掘りアクションにて行うダイスロールで振り直しができるようになる)とロバ(金鉱の所有限界数が増える)を購入。金鉱掘りプレイのようです。
さくらさんはテンガロンハットを購入。テンガロンハットの効果は、ポーカー勝利時の勝利点+1等、ポーカーで有利になります。

みなさん:「いつ狂犬が殴ってくるか油断できない」

さくらさんは前回基本ゲームで遊んだ際に、初手で金鉱掘りプレイの方に襲い掛かり、西部に名を轟かせた伝説の悪党。今回はスタート時に保安官ポイントがもらえるキャラクターを選ばれたようなのですが、全く信用されていません。
(この後もゲーム終了時まで、他プレイヤーに攻撃することはなかったので、とんだ誹謗中傷だったわけですが)

その代わりというとおかしいですが、悪党プレイに走ったのがウキンさん。イベントで発生したごろつきたちに移動を邪魔されるなど、若干装備強化にてこずっていたものの、銀行強盗や金鉱掘りを襲うなど、順調に悪党ポイントを伸ばされていました。一応、同じマップ内に保安官ポイントのある(保安官ポイントを伸ばした方が点数が伸びる)さくらさんはいるものの、どうも戦ってとめるようなことはなさそうな様子。シェリフというNPCコマがおり、それを移動させてウキンさんのコマにぶつけることで戦闘→逮捕ということもできるのですが、シェリフコマの位置が微妙でウキンさんにぶつけることがなかなかできません。

ウキンさん:「強盗で手に入れたお金でキャバレーで豪遊だー」(豪遊はこのゲームでは代表的な得点行動です)
みんな:「いいなー。俺も豪遊してええ」

僕とあすまーさんはプレイングはともかく開拓地ボードにいるので、開拓アクションをしながら装備強化です。僕は悪党プレイをしたかったのですが、開拓地ボードでは強盗ができません。正確には列車強盗はできますが、列車は常に移動しており、手番開始時に都合よく襲える位置にいないと出来ません。
そうなると…、

僕&あすまーさん:「ギャンブルだ!」

アンティアップ拡張で、保安官ポイント、悪党ポイントに加えて、ギャンブラーポイント(以下GP)というのが追加されました。これは同じく拡張で追加されたファロという賭け事で勝利することで獲得できます。GPは直接得点はもらえないのですが、GPをあげていくことでレジェンドトークンがもらえます。レジェンドトークンは裏に0~4の数字が書かれていて、ゲーム終了時に数字分追加点がもらえます(得点すらギャンブルです)。

これは基本ゲームから変わっていませんが、酒場でギャンブルを行った際、同じ町のなかにいるプレイヤーは参加/不参加を宣言でき、参加すれば、(ほぼ)手番プレイヤーと同様にギャンブルを行えます。なので、開拓地ボードの田舎町で僕とあすまーさんはひたすらファロをやるわけですが、一方が町にいる時にアクションをやればやったで、「参加しちゃう!?」「するするー」とウェイウェイやり、一方が何かのようで町から出ている時にやれば(自分で町から離れているのに)「ずるい!」「何故、自分が町にいる時にやってくれないのか!?」と、ぐだぐだ言い合うという、正しい田舎のクズ野郎ロールプレイです。

ファロはそんなクズ野郎たちでも遊べるくっそ単純なギャンブルで、
1. ディーラー(手番プレイヤーの右隣に近いギャンブル不参加プレイヤーがやります)が、山札から4枚カードを引き、そのうち、3枚を公開する。その後、4枚をシャッフルする。
2. 参加プレイヤーは開拓地ボードの下部に書かれたA~Kまでのランクのいずれか、最大2カ所ににビッドする。
3. ディーラーは4枚のカードのうち1枚を公開する。このカードと同じランクにビッドしていれば負けで、お金は没収。
4. 追加で、ディーラーは残ったカードからさらに1枚を公開する。このカードと同じランクにビッドしていれば勝利。ビッドしていたお金と同額+GPを獲得。
5. さらに3枚目に挑戦するかの選択をし、めくったカードと同じランクにビッドしていれば勝利、していなければ負け

(ちょっと端折ってますが)要はA~Kのどのランクがめくられるか賭けるというシンプルな賭け事で、大抵は最初に公開される3枚のランクに賭けるという、ほんとに馬鹿な内容です。
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(ファロのボード。プレイヤーカラーのビッド専用のコインを使います)

要は1枚目にビッドしたランクがでると負け、2枚目以降に出れば勝ちなので、ディーラープレイヤーに対する不参加プレイヤーの猛烈な野次が飛びます。参加プレイヤーが負ければ歓声、勝てばブーイング。最高に下品で最高です。

僕とあすまーさんが、他の方々の野次られながらファロファロファロファロ…とやってる時、メインボードの酒場では、テンガロンハットをかぶったさくらさんがポーカーをやっていました。
ポーカーはテキサスホールデム的なやつで、手札から最大4枚を選んだ後、山札から公開されたXX枚と組み合わせてディーラー(もしくは他の参加プレイヤー)と競います。
テンガロンハットを持った状態で勝てば2点入りますし、さくらさんのキャラ能力なのかアイテム能力なのかで、ポットに払った参加費が返ってくるので、無限にポーカーをすることができます。

標準ゲームなので、目標点は20点なので、ポーカーで2点というのはかなりの点数ですし、手番の3アクションポイントを全てポーカーを行えば6点獲得できるので、得点効率的にかなり良いアクションです。

しかし、ディーラー役を担当するしゅだっちさんの運が強い! ディーラーは山から引いたカード+公開カードで役を作るんですが、なんとさくらさんはポーカーで8連敗。
ディーラー:6のワンペア、さくらさん:3のワンペアという時もあったので、しゅっだっちさんの運というだけではないですが、さくらさんはかなり困惑&疲労困憊。
どうも選んだキャラクターのレジェンダリーカードにポーカーで勝利するというがあったようで、そのあと、ようやく1勝して、カードを達成されていました。

このゲーム、手札に特殊効果が色々ついているのは前述の通りですが、「○○を得た後で、XXができる」というものがあります。どちらかといえば、前半部分の○○が欲しい時にそういった効果のカードを手番で使用します。

僕:「おまけ効果でシェリフを移動させられるので、あすまーさんの逮捕に向かわせます」(僕もあすまーさんも悪党ポイントは1や2で大した悪党ではないのですが、一応シェリフをけしかけられます)
あすまーさん:「なんで!? 一緒にファロやってる仲じゃん」
僕:「いや、カード効果がもったいなかったから…」

しかし、あすまーさんはシェリフを無事撃退!

僕:「じゃあ、2アクション目で同じ効果のカード使って、またあすまーさんの逮捕にシェリフを」
あすまーさん:「なんで!?」

相変わらず酷いゲームですねと、皆さん楽しく会話しながら、今度はあすまーさん敗北で逮捕されました。これで、所持金が半額、悪党ポイントも失います。

あすまーさん:「酷いゲームだよ」

まあ、その後はまたふたりでファロやってたんですが。

そんなバカ楽しいゲームも、悪党プレイで点数を伸ばしていたうきんさんが目標点を突破し、終了トリガーが切られました。あと、1巡でゲーム終了です。

あすまーさん:「積年の恨み! ひだり! 決闘だ!」

虎視眈々とシェリフをけしかけた逆襲を狙っていたあすまーさんに決闘を申し込まれます。ぶっちゃけ、ファロやってた方が点数は伸びたのかもしれませんが、こういうゲームなので、決闘はベストな選択だと思います。

決闘は通常の戦闘と同じく、手札からカードを1枚ずつプレイして、ランクの高いプレイヤーが勝利します。
あすまーさんが手札から渾身の高ランクカードをプレイされます!

あすまーさん:「やった!勝ちでしょ」
僕:「僕の出したカードは戦闘を仕切り直す効果があるので、残り手札で決闘やり直しです」
あすまーさん:「ええええ。ひどくない!?」

あすまーさんの高ランクカードは1枚しかなかったようで、仕切り直した後の勝負は危なげなく僕が勝利。2点を獲得します。
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(あすまーさん渾身のAを、8の特殊効果でキャンセルし、そのあとは、4対7というしょぼい勝負に勝利)

僕の手番では、メインボードに移動して、これまでにたまっていた金鉱を売って、その後、キャバレーで豪遊して終了(AP追加のカードを使っています)。

僕の後手番のしゅだっちさんたちも最後に残ったお金を使うべく、キャバレー豪遊フィニッシュを決めていきます。

あすまーさん:「いいなあ。キャバレーいきたい!」

ウキンさんも豪遊したかったみたいなのですが、AP的に無理だったのか強盗&金鉱売りで終了。
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(キャバレーに集まる3人と、もうちょっと足りなかったウキンさん)

さらにゲーム終了時にも悪党ポイントからの得点でうきんさんが点を伸ばし、圧倒的な差で勝利されるかと思ったのですが、ファロで蓄えた大量のレジェンダリートークンで20点近く稼いだあすまーさんが数点差まで追いつき、「最後、決闘で勝つか、決闘しなけりゃ勝ってましたね」というオチがつきました(うきんさんが勝利されました)。

僕もファロで手に入れたレジェンダリートークンはそれなりに持ってたんですが、0点とか1点とか、寂しい点数のものしかなく、やはり世の中は因果応報なのだなと思ったのでした。

【感想】

馬鹿です!馬鹿で最高なゲームです!

西部劇で思い浮かぶこと(銀行強盗や金鉱掘りや決闘や…)がほぼ全てできるというのが魅力で、そのなんでもできるアホさを笑いながら楽しむゲームです。

基本ゲームでは正直空気だったギャンブル(ポーカー)にテコ入れされたり、開拓地ボードが追加されてマップが広くなって保安官(プレイヤー&NPC)のプレッシャーが減ったため悪党プレイがやりやすくなったり等、全体的に自由度があがった拡張です。元々、自由度は高かったゲームではありますが、自由なのでプレイヤー間でバランスとってねだったのが、多少、システム側でテコ入れがあったことによって、全員が自由に楽しんでるだけで良いという形に近づいたと思います。

保安官プレイへのテコ入れが少ないので、保安官一筋だときついかもしれませんが、みんな悪党やギャンブラーなど、保安官以外をやればよいのでは?という気もしますし、保安官プレイしつつギャンブルしたり金掘ったり、変に型にはまる必要はないと思います。

めっちゃくちゃ楽しいのは確かですが、圧倒的な欠点として、プレイ時間が長い! 濃密な時間であっという間というわけでもなく、途中、「このゲーム長いな」とふと我に返るタイミングは確実にありますし、今回のプレイでもスマホゲーム遊んでた方もいらっしゃいました。が、そこを責める気にはなりませんってくらい長いです。ギャンブルにせよ、決闘にせよ、はじまると少なくとも4,5分はかかります。手番に使える3AP全部をギャンブルに使えば、1人の手番で20分弱かかったりします。ファロなら慣れれば、1勝負2分前後になるかもしれませんが、ポーカーは確実に時間がかかります。
しかも、まあ、馬鹿プレイなので、ちょっとしたロールプレイとかいれてると、とんでもなく時間がかかります。

しかし、しかししかし、それでも楽しいのです。1年に1回とかお祭り的に遊びたい馬鹿ゲームです。

人数が減ればダウンタイムも減り、プレイ時間もかなり短くなると思いますし、実際、基本ゲームは3,4人がいいなあと思っていました(特に6人は、マップ内の密度が上がって狭いしダウンタイム長いしでめっちゃダレる)。しかし、前述の通り、やれることが増え、マップも広くなったアンティアップ拡張をいれるのであれば、5人くらいで遊ぶのがよいと思います。

一応、バカバカしく楽しめる前提として、何気にバランスの取れている点数システムや、アンティアップ拡張で一部変更されたカードの特殊効果を活用しつつ、効率的にAPをどう使用するかという悩ましさ、色んなことができるために、計画的な実行が必要という“普通に良く出来ている”部分があります。

今回はプレイ内容で触れませんでしたが、プレイヤーの過半数が達成することでボーナスがもらえる短期目標(「町の外で手番を終える」「1手番中にXXドル以上を使用する」等)が提示されており、これが”普通に良く出来ている”面白さのポイントの1つだと思ってます。
単純に自分のプレイングを計画通り進める中で、もらえるボーナスがそれなりに良いものなので、短期目標を組み込めないかなとちょっと悩ませる作りになっていて、非常に良いです。
短期目標は常に2つ提示されていて、過半数が達成してボーナスが達成プレイヤーに支払われた後で新しいものがまた公開されます。なので、2つのうちのどちらかをやりたいことをやりながら、達成できないか?を毎手番考えることになりますし、単純な繰り返しプレイも防ぐしでいいことづくめです。

「どうしても、この手番にやらなければならない」という行動が希薄で、ゲーム終了までの間に、寄り道してボーナス貰いながら、ロールプレイもやって笑いながら、点数を稼ぐアクションをいれていくという、ロングスパンの計画というか、道のりを毎手番ちょっと頭を使いながら楽しめる、良いゲームだと思います。

しかも、馬鹿ですし!

異世界ギルドマスターズ

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(4人でインスト込み2時間半ほど)

【概要&ルール】

異世界で金儲けしながら、冒険に出てボスを倒すぜー(薄い概要)。
※インストしてくださった方は世界設定などをちゃんと教えてくださったのですが、ちょっと気恥ずかしさがあり、このような記載となっております。

毎ラウンド以下の流れを終了条件を満たすまで繰り返します。
収入:各プレイヤー、自分のパラメータに応じてお金、パワー、ポーションを受け取ります。
カード購入:各プレイヤーに規定枚数配られたカードから、欲しいものを任意枚数購入します。
アクション:各プレイヤーがスタートプレイヤーから順番にアクション(コストを払ってカード1枚をプレイする、冒険を行う、ポーションを使用する、目標を達成する)を行います。パスするまで手番をぐるぐるとまわします。パスしたプレイヤーの手番はとばします。

・冒険について
タイルで埋められた冒険ボードがあり、冒険者コマを配置することで冒険を行います。外周、もしくは自分の冒険者コマに隣接するタイルを裏返し、そのタイル及び、周りのタイルに書かれた☆マーク数に応じたコストを払うことで、タイルとそこ書かれた報酬を得ます。その後、タイルが置かれていた場所に自分の冒険者コマを置きます。
また、別アクションとしてコストを払って冒険者コマを砦化することができます。砦に隣接した場所に冒険者コマが置かれた場合、ポーションを獲得することができます。

・ポーションについて
手番にポーションを1~3個消費することで、特殊アクションを行えます。お金を得たり、カードを引いたり、砦化したりなどの効果があります。ポーション消費による特殊アクションは1ラウンド中に全プレイヤー共通で1種1回しか行うことができません。

・終了条件について
カードプレイ時にあがることがある文明値と、冒険時にとられたタイルに書かれた☆の数に応じた冒険値はゲージを共有しており、一方は上がり、一方は下がります。いずれかの場所でマーカーが出会ったら規定回数手番を行ったのち、ゲーム終了となります。

【プレイ内容】

如月さん、一味さん、カヤさん、僕の4人で。

お値段が結構すると聞いていたんですが、カードは多いですし、トークン類もしっかりしているで、これは仕方ないですねえみたいな話をしている時に、各プレイヤーの前に立ててくださいと渡されるアクリル製のスタンド?キーホルダー?。

僕:「アクキーついてくるとは、高くても仕方ないって感じですねえ」
如月さん:「アクキーは別売りです」
僕:「別売りなんだ!(買ったのも売ってるのも)すげえ!」

まあ、ゲーム本体の話ですが、スタート時には8枚(初期4枚、毎ラウンド頭に4枚もらえるので、1ラウンド目は8枚)が配られ、そこから必要そうなものを購入して手札にします(テラフォーミングマーズと同じです)。

このカード効果強いなというカードも欲しくはなるんですが、重視したいのは収入が上がるカードです。
たまたまコストが低くて収入が上がるカードが2枚(お金とパワーが1枚ずつ)あったので、それを含めて6枚を購入しました。

通常のカード以外にもゲーム開始時にレガリアカードというのも配られます。これはいわゆる目的カードで、プレイするための条件が厳しめ(特定のマークがついているカードを規程数プレイしている等)ですが、コストに対してもらえる点数が高いです。
この条件もプレイの指針に当然なります。

その結果、できる限りタグのついているカードをプレイしていこうというふわっとした方針でプレイすることにしました。

しかし、プレイング自体は配られたカードからよさげなのを買い、今の収入(所持金)と相談してコストの払える&早めにプレイした方が良いカードをプレイしていくだけです。

プレイヤーごとに個別の能力を持っているのですが、僕の能力はアクション前にメインボードのタイルの内容を確認できる能力。
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(各ギルドの受付が能力を持ってます)

メインボードは冒険を進める場なのですが、伏せておかれたタイルを表に返せば星マークといくつかの資源やタグの絵が描かれています。
冒険を選ぶと、選んだ場所のタイルを表に返し、そのタイル+隣接するタイルの見えている星マーク×5金をコストとして払えれば、冒険成功として、その場に冒険者コマを置けます。
冒険は外周、もしくは置かれた自分の冒険者コマに隣接するタイルにを対象にできます。
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(若干ゲーム進んでますが、メインボードはこんな感じです)

能力的には冒険を重視した方がよさそうだなと思っており、しかも、冒険で1パワー=5金として支払うことのできるパワー(剣のアイコン)の収入があがるカードを最初に手に入れてもいたので、よしよしと、パワーをあげてから冒険だと思っていたのですが、みなさん冒険への出足が早い!

最低でも20金かかる(外周の角のタイルはタイル3つと接しているため、どのタイルも星が1つなら、(冒険の対象に選びめくったタイル+周りのタイル)の星の数×5=(1+3)×5で20金)ので、そうそう手を出さないだろうと思っていたのですが、冒険で得られる点は奥(中心)の方が高く、1歩ずつしか進めないので、早くを付けた方が良いと判断されたのでしょうか。

外周からはいっていくのであれば、基本的にはどこも変わらないですし、進む先が埋まることもないので、できれば人と隣接していない方がよさそうです。が、如月さん、一味さんが指定したタイルが“虚無の穴”(冒険不可で冒険しようとしたタイルが表返した際に虚無の穴だった場合、別タイルが指定できる)なことが2,3回あり、他人と隣接せずに、かつ、虚無の穴ではない場所がどんどん減っていきます。

ちょっとまだ早いかもだけど、冒険でていかないと盤面が埋まっちゃうがなと僕も冒険に出発。コストの安いところを狙った結果、一味さんや如月さんの近くになったため、この先、狙うタイルが被る可能性がありそうですが、それはまだ先の話なので、とりあえず目先のお金の節約です。

ここら辺まではスタート時に購入したカードメインでプレイしていましたが、そろそろ尽きてくるというか、コストの高いものしか手札に残っていません。毎ラウンド頭に4枚ずつ配られはするもののこちらもコストが高いものが多く、なかなか都合よく、コストが低めで収入が上がるものというのが手札にこなくなってきました。

一方で調子よくカードをプレイしているのが一味さん、スタート直後は「収入上がるカードなんてあるの!?」と仰っていましたが、僕と違って徐々にカード運が上がってきたのか、次々にカードをプレイされています。

僕はこのカードをプレイしたら手札からはすぐにプレイしたいカードはなくなるから、次でいいカードひかんとやばいな…と思いながらカードをプレイしたのですが、

僕:「あ!」
如月さん:「どうかしました?」
僕:「さっきプレイしたカードが『異世界デザートの開発』だったんですが、いまプレイしたカードは『異世界ラーメン食堂』でした! 異世界フードコーディネーターです」

などとゲームの本筋とあまり関係ないながら(自分だけ)盛り上がりました。
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手元の高コストカードをプレイした方がいいのか、それともいったんこのラウンドはしゃがむか…と悩んでいると、カヤさん「この脇にあるカード、達成出来たらしちゃっていいんですよね」とインストしてくれた如月さんに確認。

共用のレガリアカード(目的カード)が場に公開されており、条件を満たしていれば手番にコストを払って早い者勝ちで獲得することができます。
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(各ゲームランダムで3枚公開されてます)

そうかそうか、レガリアカードがあったなと、僕も共用&個人で達成できるのがあったので僕もカヤさんと同じようにできるものは達成します。これで他の方は共用のレガリアは取れなくなったので、(成長を後回しにしたのは気にはなりますが)まあ、得点要素をつぶしたということで。

冒険は1回ごとに手元の冒険者コマを消費(ボードに置きっぱなし)にするので、冒険を続けるには、個人ボード上に示された条件(ポーション2個とか、カードを一定以上プレイ済とか)を達成して新たな冒険者コマを得ないとなりません。こっちもやらないとなと、条件を満たしたところから冒険者コマを獲得します。

この冒険者コマの獲得はプレイヤー能力の強化にもつながっており、ここを先行したのは如月さん。当然、手に入れた冒険者コマは冒険に使って、冒険を先行します。
そして、一味さんもすぐに後をおって冒険を進めます。

一応、僕の能力はタイルをこっそり見れるという冒険向き能力ではあったんですが、外周の一歩目以外は、進む方向は中心方向のほぼ一択ですしで、事前に確実に準備できるということ以上のうまみはなくなってました。とはいえ、冒険向きだなとパワーの収入をぼちぼち増やしてきたこともあり、せっかくなので、如月さんや一味さんよりも早くに中央のボスにたどり着きたいです。
そんな時引いてきたのが『迷宮攻略RTA』のカード。タイルの公開&公開されているタイルへの冒険コストが5金安くなる効果です。

よし、勝ち負け別にしてとりあえずボスは倒しちゃる!と決めて、ちょっとお金のやりくりを無理して冒険を一気に進め、見事ボスも撃破!
ボスにはRTAカードの効果は効きませんし、かなりの額のお金を払う必要があるので、正直な話、ボスを倒すよりも手元のカードをプレイして収入あげたりした方が良いのではないかとも思いましたが、まあ、倒せるものは倒してしまえとやっちまいました。
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(赤の僕のコマが中央(ボスのいたところ)に置かれてます(これはそのあと、砦化までやっちゃってますが)

この頃になると、一味さんの勢いはとんでもないことになっており、まだカードプレイできるの!?と周りが驚くほどラウンドが終わりません。

これはお金の収入がめっちゃ多くなってたというのももちろんあるんですが、そもそもその元になったのはどうもポーションのようです。ポーションは各効果は1ラウンドに1回だけではあるものの、お金と交換できたり、パワーのもとになったり、複数消費すればカードをノーコストでプレイ出来たりと、めちゃ便利なリソースなのですが、一味さんは序盤にそのポーションを毎ラウンド得るカードをプレイされていたようで、めっちゃ持ってます。
(他にも砦化などで得ることはできますが、そちらの手段でも入手されてました)

如月さんもポーションを収入として得るカードをプレイし、その効果は使われていましたが、絶対数の差がありますし、一度つき始めた差はどんどん広がるゲームなので、一味さんを止められません。

一味さん:「レガリアのこと忘れてた」

とか仰ってましたが、まあ、金持ってるので共用のはともかく手元のは普通にプレイされ、圧倒的な点差で勝利されました。
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(左上が一味さんの場になりますが、並んでいるカードの枚数が右下の僕の2倍くらいあるのがわかるかと思います)

僕はゲーム開始時に手札にして以来、ずっと持ち続けていた大魔導ヘイゼルを終了間際にプレイできたので満足です。
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(ゲーム開始時に手札にして以来、ずーっと持っていてようやく終了間際にプレイできた大魔導ヘイゼル)

【感想】

ゲームのうたい文句が『超アッパー系拡大再生産』となっている通り、気持ちよく遊べるゲームです。
リソース類もほぼお金だけですし、基本的には収入増やして得点化のみと非常にシンプルなゲームですが、そのシンプルさが気持ちよさにつながっており、楽しいゲームでした。

超アッパー系の拡大再生産かと言われれば、ジャンプドライブなど、もっとアゲアゲでイケイケな拡大再生産ゲームはあるっちゃあるんですが、このゲームの気持ちよさは、ゲーム全体を占める成長の割合だと思います。
ずーっと成長していることができる、どんどん成長してやれることに制約がなくなってくる、そこに楽しさがあります。

ドイツゲームだとリソースを強化から得点に変えるタイミングを見極める物は結構あり、このゲームもそういう側面はありますが、基本的には強化強化で本当の終盤に得点重視という形でよさそうです。

リソースを消費すれば手番を回数制限なく行えるタイプのゲームで、かつ、リソースがかなり増えた状態になるまでゲーム終了のトリガーが切られないので、最後の最後でも得点行動が間に合うでしょうし、とにかく成長し続けるのにリソースを使って、どんどんどんどん気持ちよくプレイできるようにしていくのが、このゲームの面白さかなと。

人との絡みが薄いようにも思えるのですが、成長しきってから終了トリガーが切られるこのデベロップであれば、序盤から中盤は気持ちよくプレイし、終盤にどこまで昇れるかを競うようにポーション効果の先取り争いをする、というところだけでも十分なように思います。

ただ、ゲーム的な展開のバリエーションはあまりないかもしれません。
得点手段のバリエーションが少ないため、結局カード選択の優先度については、毎回似たような感じになる気がします(例えば、ポーションが収入になるカードを優先するとか)。

とはいえ、得点手段のバリエーションが少ないためにドラフトの必要性も薄く、ゲーム進行がシンプルで問題ないという面もありますし、バリエーションという面でいえば、このゲームは、得点手段のバリエーションよりも、カードのフレーバーから生じるバリエーションを楽しむことの方が大事です。
フレーバーによって、今回のプレイはどうだったああだったと、どう異世界で過ごしたかがゲームごとプレイヤーごとに様々になりますし、それでよいのかなと思います。
このゲームに興味を持つ面子であれば、素養はあるでしょうし、多彩なフレーバーから生じる各プレイヤーストーリーを楽しまなければもったいないです。

エティン / Ettin

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(4人でインスト込み1時間ほど)

【概要&ルール】

神々の力によって、この世界の真ん中に巨大なクレーターが出来上がった。輪のようになった世界に残った国々は必ず2つの国に隣接する形になった。両方の国と戦えば自国は滅びるだろう。一方とは同盟を組み、もう一方と戦うしかない。
※エティンは箱絵にも描かれている通り、双頭の巨人だそうです。一方が敵、一方が味方というところからのイメージでつけられたタイトルかもしれません。

カードを敵とドラフト、味方のチームメンバとドラフトした後に敵と戦争×3をした後、チームの合計点で競います。

●プレイヤーの並び方について
このゲームは、2人1組のチームに分かれて戦います。プレイヤーは必ず片方の隣は敵、反対の隣が味方というように座ります。
つまり、AチームとBチームで、ABBAのようになります。円形に座れば端のプレイヤー同士が隣り合うことになります。4人プレイだと、
AB
AB
って感じです。
(6人戦の場合は3チーム戦になり、CAABBCと並びます。奇数の時は1人で二人分プレイする人を作ります)

●ゲームの流れ
ゲームは、敵とのドラフト(スカーミッシュ)、味方とのドラフト(ピースタイム)を交互に行いつつ、ドラフトを3回したら敵と戦争を行います。(スカーミッシュ、ピースタイム、ス、戦争、ピ、ス、ピ、戦争、ス、ピ、ス、戦争)

●ドラフトについて
スカーミッシュ(敵とのドラフト)は、共通デッキから引いたカードを、イニシアチブを持っているプレイヤーが1枚とったら、一方のプレイヤーが2枚とり、最後のカードをイニシアチブを持っているプレイヤーが受け取るという流れで行います。
ピースタイム(味方とのドラフト)は、各プレイヤーの固有のデッキから引いたカードを隣り合う味方同士で見せ合い、カードを2枚ずつ分け合います。

ドラフトしたカードは、ドラフトの都度、カードに書かれたコストを払って雇用し、戦争デッキにいれるか、売ってお金にするかの選択を行います。

●戦争について
戦争は、配置→戦闘前スキル→戦闘力の比較→冒険→戦利品の獲得→リタイア→生産 の流れで行います。
・配置:戦争デッキのカードを自分と敵との間の戦闘箇所に配置します。戦闘箇所は、4か所(通常の戦闘場所3つ+冒険)あり、任意の場所に伏せて配置します。

・戦闘前スキル:全てのカードの配置が終わったらカードを公開し、雷(敵カード1枚を除去して、敵のリタイアデッキに入れる)や遠隔攻撃(遠隔攻撃スキル持ちと敵カード1枚を自分のリタイアデッキに入れる)などの効果をイニシアチブを持っているプレイヤーから発動&解決します。

・戦闘力の比較:各戦闘箇所でカードの数字を合計し、大きい方が勝利します。この時、防御カード(砦とか要塞とか)を出していれば、勝利側に防御カードを倒すスキル(魔法だったり、ステルスだったり)がなければ、勝者無しとなります。勝利数の多いプレイヤーは勝利点を獲得します。

・冒険:冒険の場所で戦闘に勝った側は、冒険カードに記載されている目標値を超えることができるか、カードに記載された冒険能力を用いてダイス判定をすることができます。成功すれば、冒険カードを獲得できます(得点だったり、戦闘で使える防御カードが手に入ります)。

・戦利品の獲得:各戦闘箇所で勝利した側は、敵プレイヤーが配置しているカードを獲得できます(枚数は何回目の戦争かによります)。もし、戦闘にカードを配置していない場合、敵プレイヤーの固有デッキからカードを獲得します。

・リタイア:戦闘に配置したカードのうち、兵士カードを自分のリタイアデッキに入れます。防御カードはその場所に残します。この時、リタイアせずに復帰するスキルを持っているカードは、戦争デッキに入り、次の戦争で使用できます。

・生産:防御カードやプレイヤーボードに記載されている生産能力の効果を解決します。

●ゲーム終了
3回目の戦争が終わったら、得点計算をします。戦争勝利時の点数、リタイアデッキ・戦争デッキ・各戦闘等にあるカードに書かれた点数、所持金に応じた点数を合計し、さらにそれをチーム内で合計します。チームの総点数が多いチームが勝利します。

【プレイ内容】

ウキンさん、さくらさん、酒元さん、僕の4人で。

ゲーム開始時に自分の国を決めます。国ごとの固有デッキがあり、それぞれ特徴と使いやすさ/使いにくさがあるんですが、これかなーと適当に選んで1戦やってみました。
Aチーム(ウキンさん:死者、さくらさん:悪魔)、Bチーム(酒元さん:巨人、僕:人間)というチーム&国わけでしたが、ウキンさんが担当された死者の国が、「カードコストが高く使いにくいが、一度雇用できれば強い(復活するし能力値高い)」という特徴持ちだったところに、

・酒元さんが雇用したバウンティハンター(能力はそこそこ良いが、倒されると敵にお金が入ってしまう)を戦力集中したウキンさんが倒してしまい、序盤から懐事情がかなり良くなり、カードを思う存分使えた

・さくらさんが味方の戦争デッキにカードを送る能力付きカードを多用した

などなど、とにかくウキンさんがめっちゃ強くなり、酒元さんがフルボッコにされて終了。
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(これは別のセッションでの写真ですが、死者陣営は戦いが終わってリタイアした兵士を生き返らせる能力付きのカードが多いので、そういったカードをちゃんと倒していかないと大変なことになります)

チーム戦なので、僕との合計点ではあるんですが、僕はさくらさんとは良い勝負でほぼ点差がなかったので、酒元vs.ウキン戦で勝負が決まってしまいました。
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(さくらさんに翻弄されて本領発揮できなかった神龍(に見た目が似てるドラゴン))

ちょっと、もう一度良いですかということで、今度は使っていない国を使って2戦目。

Aチーム(ウキンさん:空飛ぶドワーフ、酒元さん:エルフ)、Bチーム(さくらさん:獣人、僕:オーク)です。
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(正面に敵がいた諏訪り位置のまま、隣を敵にしたのでちょっと窮屈なことになってます)

チーム戦ではありますが、直接殴り合うのは、目の前の1人だけということで、実質的には、ドワーフ対獣人、エルフ対オークです(エルフとドワーフが、オーク&獣人を倒すために同盟を組んだみたいな感じでしょうか)。

僕の相手はエルフ酒元さん。エルフは遠隔攻撃スキル持ちが多そうなイメージがあります。

うちの陣営であるオークの特徴はなんなのかなと思いながら、最初の味方とのドラフトで出てきたカードを確認すると一目でわかりました。

『雇用コストが安い割に攻撃力が高い。その代わりスキルはあまり持っていない』のようです(あとからルールブックを確認すると防御カードの数値が低い(作りが粗末だから?)とかも特徴のようでした。

戦闘は個人ボード上で3か所、あと冒険カード横で1か所の計4カ所で行われます。戦闘箇所にドラフトで手に入れたカードを配置して、全て配置が終わったら一斉公開して、数字を比べ合うというシンプルなもの。
まあ、そこまで数字に差は(まだ時代が早いですし)そこまでないので、基本的には枚数多い方が勝つくらいの気楽な感じです。

わざわざ相手がカードを置いて戦いに来てる場所にカードを配置して負けるのも嫌ですし、どうせ4か所ともに自信をもって配置できるほどカードがあるわけでもないので、お互い、置かない場所は作りつつ、力を入れる場所には数枚カードを配置します。

んじゃ、どこに力を入れるのかというと、個人ボードにこの場所で勝つと起こる効果が書かれており、その効果が良さげなところです。
簡単に言うと、デッキ圧縮(不要カード破棄)、お金獲得、次の時代の戦闘デッキに+1枚です。これは、次の時代の戦闘デッキに+1枚1択でしょうと、お互いにそこに数枚カードを配置します。
が、僕が本当に欲しかったのは、その横にある冒険カードです。

冒険カードは戦争の前に1枚ずつ公開され、効果は(たぶん)全カードユニークです。今回僕が欲しかった冒険カードの効果は、「毎ラウンドの生産フェイズでリタイアしたカードから時代1のカード2枚を戦闘デッキに戻せる」というもの。
通常であれば、時代1のカードは弱いので使えなさそうですが、オークは時代1でも戦闘力が高いので、これは使えそう!と、味方とのドラフト時にさくらさんと話していました。

冒険カードを手に入れるには、その場所の戦闘に勝利した上で、生き残ったカードの冒険力が、冒険カード上の数字+ダイス目以上であれば成功です。
そこまで冒険力が大きいカードは手元にありませんでしたが、冒険力を持っているカード全てを冒険カードでの戦闘に配置しました。

結果、お互いにカードを置かなかった場所が1つずつあったので、1勝1敗、そして、力を入れたであろう3戦目。オークは攻撃力が高いのでもしかしたら勝てるかな?とも思っていましたが、冒険カードにつぎ込んだ分の差で敗北。冒険カードの戦闘では勝ちましたが…、
3以下で成功するダイスロールで見事6を出して冒険は失敗。

僕&さくらさん:「まじで!?」

戦争は2勝2敗でしたが冒険カードの戦闘で勝った方が戦争で勝利というルールなので、戦争では勝利。勝利点を獲得しました。
(が、戦争勝利の点数は、1時代目5点、2時代目10点、3時代目15点という、3時代目が本番という作りなので、まあ、おまけみたいなもんです&BGGで作者が冒険の勝敗が関係するのはタイブレイクの時のみのような発言をしているので処理間違いでした)。

そして2時代目。
1時代目に冒険カードが取れなかったのは、そこに戦力をつぎ込んでいたので痛くはあるんですが、気持ちを切り替えて臨みます。
2時代目は味方とのドラフト、敵とのドラフト、味方とのドラフトという順番です。まずは、味方のさくらさんとのドラフトでそこそこ良さげなカードが出てきたので購入します。
が、これが失策。

味方とのドラフトで使う各陣営の固有デッキは時代1のカード、時代2のカード、時代3のカードの順に重ねられていて、まさにこの味方とのドラフトが1から2に移るきわだった模様で、2回目のさくらさんとのドラフトで時代2のカードが出て来ました。
敵とのドラフトに使用する共通デッキは時代ごとに分けられているので当然時代2のデッキを使いますし、限られたお金を使って弱めのカードをつかんでしまったわけです。

うーん、やっちまったなと思いながらも時代2の戦争に突入です。イニシアチブを持っているのは酒元さんなので、酒元さんから配置するわけですが、なんか持っているカードの枚数が多いです。
何枚持ってます?と確認してみると、やはり、僕よりも2,3枚多かったです。
なんでた?と思い、酒元さんのチームメンバであるウキンさんの場を見ると、そこには大量の味方同士でお金を得る建物のカードが!
めっちゃ収入が強化されていて、僕の倍くらいの収入があったようです。

カード枚数ではなく、カードに書かれた戦力を比べるといっても、そりゃあカード枚数が多い方が合計戦力も多そうです。
戦力分散させて各個撃破されるよりは、戦力を集中して、そこだけでも勝つか?と考えて、配置を始めたわけですが、端からカードを分ける気がないのが見透かされてしまい、僕がカードを集中させたところに酒元さんもほぼすべてのカードを配置してきます。

や、やっちまったーと思いはしますが、時すでに遅し。1つも勝てずに時代2は終了で時代3に移ります。

さくらさんもこの時代はやられてしまったようで、うちのチームが二人ともイニシアチブを持っています。

建物は戦闘で負けて除去されない限り、時代を超えて残るので、敵チームの資金はやはり潤沢ですが、うちのチームもさくらさんの配置したリタイアデッキから味方陣営にカードを戻す効果の建物や、僕が前時代にプレイした地味に収入を残す建物など、総合力では負けているでしょうが、それなりに場は整っています(戦闘に負けたからといって、全てのカードがなくなるわけではなく、敵にとられるのは時代数に等しい枚数だけなので、集中しておけば、いくらかカードは残ります。とはいえ、戦闘にカードを配置していなければ、自陣営のデッキから直にカードを持っていかれてしまうので、それはそれで辛いのですが)。

時代3は敵、味方、敵の順番でドラフトです。敵とのドラフトで用いる時代3の共通デッキには、“ドラゴン”という区分のカードがあり、雇用コストは高いですが、どれも強いです。時代3にイニシアチブがあると、このドラゴンカードを取れる確率が高くなるので、有利は有利なんですが…。

とドラフトで配られたカードを見ると、めっちゃ戦闘力の高いカードが1枚あります。ドラゴンです。ウハウハしながら、これは確保~とやっていると、さくらさんも、うちにもありましたよとドラゴンを見せてくれます。
これは全時代共通のことですが、イニシアチブ持ちは強いカードを取れるだけでなく、ドラフトに登場した全カードを見れるのが強いです(敵チーム内のドラフトで出てきたカードは流石にわかりませんが)。

そして、2回目の敵とのドラフトでもドラゴンを確保。しかも運のよいことにドラフトのカードに1枚ずつしか入ってなかったので、酒元さんにドラゴンが手に入っていないのも確定です。

この時代の冒険カードの効果は「自分のリタイアデッキ内の戦士カード枚数分の点を得る」効果。1枚で10点以上は確定のカードです。今度はカード枚数的に劣っていた酒元さんは、この冒険カードを取ろうと戦力を(分散させつつも)冒険に集めてきます。
しかし、僕は配置済のカードを公開する効果のカードなども活用しつつ、時代2とは逆に全ての戦場で勝利!
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(見えにくいですが、ドラゴンの攻撃力&カード枚数で圧倒してます)

戦利品として多くのカードを獲得し、これはひっくり返した?とまで思いましたが、ウキンさんがめっちゃ強かったようで、さくらさんのドラゴンも活躍はしてその戦場では勝ったものの全体で見れば敗北。
IMG_0974.jpg
(冒険カードの点数が高かったので、お互いにめっちゃカードを置いてます)

結局、またウキンさんが点を稼いだこともあり、酒元さんと僕との点差だけでは追いつけず、ウキン&酒元チームの勝利となりました。

【感想】

チーム戦ゲームは最高だな!に尽きるゲームです。
正直言って、戦闘(というかカード効果)は荒いですし、戦闘解決時のルールはかなり煩雑です。が、それでも、味方とこっちのカードは買った方が良いですねとか、このカードは僕に買わせてくださいとか、(ルール上は明記されていませんが)カード配置時に、これこれこういうことを考えているんだけど、どうかな?と相談できるなど、楽しいです。2人チームなので、楽しい時は2倍楽しめ、苦しい時は半分で済みます。

チーム戦といいつつ、戦い自体で連携するところはあまりない(ドラフトで融通し合うとかはありますが、あくまで隣同士だけです)ので、単にプレイ人数を無限にするためのちょっと強引な仕様なのかと思っていたのですが、よくよく考えてみると、ゲーム全体がチーム戦用にチューニングされており、ちょっと普通のゲームと異なっているところがいくつかあります。

例えば、勝った負けたの星の数ではなく、チーム全体の点数の合計で勝負するため、直接戦っている敵プレイヤーとの相対的な点数で勝てば良いというわけではなく、可能な限り多く点を取って勝った方が良いのです。
つまり、30対29で勝つよりも、100対80で勝つ方がいいわけです。

これがどう勝負に影響するかというと、1点目としては、プレイングがイケイケになりますw。相手に20点取られてもこっちが30点取ればいいんじゃーみたいな。
2点目は気づいた時には案外繊細なところがあるんだなと驚いたのですが、戦場を捨てて負けるよりも、どうせ負けるのであれば、相手に勝利点の少ないカードを取らせた方が良いため、負ける戦場であってもある程度はカードを配置した方がよい等、戦場の勝ち負け以上に勝利点付きカードを取り合っていることを意識させられるます(単にドンドンガンガン遊んでもいいんですけどね)。

カードが全く配置されていなければ、陣営のデッキの山から引かれる=この時代に戦闘で使ったものよりも先の時代のカード(=1枚当たりの点数が高い)が引かれるのですが、捨てカードとして配置されていれば、そのカードが持っていかれることになります。
負ける戦場に持っていかれても失点の少ないカードを配置しつつ、勝てる戦場では勝つ!というのがうまいプレイングになります。

また、ゲームの作り的にイニシアチブを持っている側が強い作りになっており、特に時代3はプレイ内容の方にも書いた通り、めちゃ強いカードを引ける可能性が上がるため、イニシアチブ持ちがより有利だったりします。なので、時代2は負けた方がいいんじゃないのか?という話もありました。
しかし、負ける=自分が戦場に仕掛けた防御カード(大抵生産能力を持っています)を敵に持っていかれるということでもあります。生産能力には味方にお金を渡す、味方にカードを渡すというものもあるため、迂闊に負けて生産能力がなくなれば、良いカードは引けたとしても、総合力で負けることにつながります。
チーム二人ともが負けてイニシアチブを取りに行って良いのかどうかは、単純な話ではなく、チーム全体としての生産力を見据えて戦った方が良いのは確実です。

そんなわけでチームとして場を作っていくというのがこのゲームの勝ち負けに大きくかかわっているように思います。
何回か遊んだ感じ、戦闘力が単純に強い陣営よりも防御カードの強い、場を作れる能力を持った陣営が使いやすくチームとしても遊びやすく、また点数も伸びました。戦闘では味方を援護できないのですが、生産施設で援護して、戦闘開始時に味方のおかげで有利になってたというのが、チームで良かった!となります。

戦闘は正直荒いと書きました。初プレイだったり、単純に遊ぶ分には、ほぼ枚数勝負になると思います。相手が3枚置いた、もう上回れないから別のところに力を入れようというような。しかし、防御カードは特定の攻撃以外を止める(負けにならない)能力持ちもいますし、上記の通り、生産力をどう残すか/奪うかがゲームの勝ち負けに大きく絡むゲームなので、戦闘に勝つというよりも、場を作っていく/敵の場を崩すという方に意識が向くと、荒さの中にも考えどころが生まれてきます。

ゲームには8陣営あり、冒険に強い、強カードが多いがコストが高い、飛行能力(特定の能力持ちがいなければ敵にとられない)が多い、遠隔攻撃(戦闘開始前に敵のカードを戦場から奪える)持ちが多い等、陣営ごとに特徴があります。これの特徴を踏まえて、チーム内のドラフトでカードを融通しあったり、敵陣営が不得意なものにあわせてカードがドラフトする等、味方チーム、敵チームの組み合わせでちょっと考えどころも追加されます。

まあ、そうはいってもやはり荒いゲーム、特殊能力の飛び交うハチャメチャゲームという印象は強いですし、実際、小難しく考えることなく、遊べばいいゲームとも思います。点数も時代1:10点、時代2:20点、時代3:40点!みたいな入り方しますしね…(時代3はもっと、60点前後入る気すらします)。

やはりメインは、チーム内で相談しながら、大量得点のもとになる時代3に向けて場を作っていく、苦しい時はチーム内で相談し、楽しい時はチーム内で笑う。そういう楽しさのゲームです(その上で、“案外”戦闘で考えるところ、敵陣営の特徴や、チームとして場を作っていくことを考慮しても良いかなと思います)

ルール上はコンポーネントさえあればプレイ人数に上限はないので、遊ぶ機会があれば40人とか60人とかで遊んでみたいもんです。
プロフィール

ひだり

Author:ひだり
川崎市で相方や友人たちとボドゲやってます。

オールタイムベストは、
・グローリー・トゥ・ローマ
・バサリ
・インペリアル
・アフター・ザ・フラッド
・ゴッズプレイグラウンド
・HABA社製品 全般

推理ゲーム好きだけど↑には入ってないという
-------------------------
連絡先:hidarigray@gmail.com
※当blogはリンクフリーです

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