2018年に記事にしたかったけど書く時間なかったゲーム
タイトルの通り、2018年に遊んだゲームで記事にしたかったんですけど、書く時間がなかったりなんやりで諦めてたゲームの感想だけまとめておきます。
・ペーパーテイルズ/ Paper Tales

ヴォーパルス2版も持ってるんですが、リメイク版のこちらでようやく遊びました。
もちろんやればやるだけ、カード間のシナジーとかこの組み合わせが強いとかははっきりわかってくるんでしょうけど、2ラウンドでカードは失われる&ドラフトでカードはぐるぐるまわるということもあって、気軽にプレイできつつ、あー、このカードってこう使うのか、こう使えるのかプレイヤーが理解できていくスピードと、それがプレイングにフィードバックされるスピードが早く、小気味よく遊べる。良ゲーム。
ゲームの仕組みを発見/理解する面白さ、上手にプレイングする面白さをテーマに合わせつつうまいことプレイヤーに体験させてると思います(何年経って言ってるんだって話ですけど)。
ちゃんと記事にしたかったんですけど、うまいこと面白さの説明ができなくて諦めたゲームです。
・俺は豪族

ゲームマーケット2018春の新作。ベータ版だったのかもしれませんが遊ばせてもらった&半年前の話なので忘れてしまいました。すいません。
プレイヤーは、豪族になって毎ラウンド自分の家を発展させるためのカードをどんどんプレイしていくんですが、カードプレイに必要なリソースは、自分の家で全部賄えなければ他人の家から借りるか、国から借りることができます。
この必要リソースの設定と自分の家の成長スピードの設定が絶妙で、まず、自分の家だけでまかなえることがほぼない。大抵の場合、借りることになります。
んで、この何を借りるかと、何のカードをプレイするかはフェイズ&手番順が異なっていて、借りる手番が早いとカードプレイが遅い。借りる手番が遅ければカードプレイは早い。プレイする候補のカードは手札ではなく、場に並んでる中から選ぶので、あのカード強そうだからそれがプレイできるのを借りるか。でも、強いからカードプレイが先手番の人に取られちゃうよな…。じゃあ、弱いけど残ってそうなこっちのカードをプレイするためのものを借りるか。でも、もしかしたら先手番の人が残すかもしれないし…と思考がぐるぐるまわるゲームです。
ただ、めっちゃ悩むのは確かで、そこの読み合いと妥協が面白いゲームではあるんですが、ここのインタラクションが強すぎて、めっちゃ疲れます。カードプレイ最後手番は借りるものを悩んでも仕方ないところもあるので、悩ましさとその効果の釣り合いが悪いかも。
序盤は国が弱く、借りれるものもあまりないんですが、システム的に国に徐々に力がついていくようになっており、終盤は国の力を借りないと自分&他人の家ではなにもできなくなり、国の力を借りるとまた国が強くなるという、徐々に中央集権化していった過程がシステム化されてるのも素敵でした。
・わんぱく戦争(ボタン戦争)/ War of the Buttons

原題そのままだとボタン戦争なんですけど、元ネタである映画の邦題はわんぱく戦争なので、わんぱく戦争で。
ポイントを絞って切れ味鋭くした中量級ゲーム中心のADC Blackfireの2,018年夏だったか冬の新作。カリマラやキングス・ウィル、ウエスト・オブ・アフリカと同じラインです。
ダイスプレイスメントとダイスの数と目の大きさでの競りの複合というのが大きな特徴で、得点要素を競り合うわけなんですが、2の目ふたつより3の目ふたつや、1の目みっつの方が上なので、基本的にはダイス数で殴り合うゲームです。
序盤は得点要素も気にしながら、ダイス数を増やしていき、後半は増えたダイスで熱い競り合い繰り広げます。
ダイスはワーカーでもあり、競りをしている主戦場以外の部分、カードを手に入れたりダイスを増やしたりする場所は、ワーカー(ダイス)を置いてアクションを行います。
アクションすれば手元のダイスが減るので競りで勝てなくなりますが、かといって先に競りにダイスを置くと上書きする方が有利なアイテム(後述)があるので、上書きされます。
なので、早く諦めて置けよ〜とお互いに様子を見ないながらじりじりとプレイするのが楽しいゲームです。
しかし、そのじりじりが、本当にめっちゃ胃が痛くなるほどのじりじりになることがあるので人は選ぶかもしれません。じりじり自体が好きならいいんですけど、必要以上にはさすがにちょっと。
競りの対象に得点要素がどの程度出てくるかがランダムなので、場合によってはサクッと終わったり、超しぶい場になったり、ゲーム展開で好みも別れるかも。
ちなみに、ルール上、明文化されてませんが、フリーアクションのダイス購入やダイス目変更は効果を適用したダイスをその手番に必ず使用することというようにした方が良いです。それをしなかったために、プレイヤー1人がリーチ状態になるまで1時間、そこから驚異的な絞りあいが始まってゲーム終了まで1時間以上かかった場を知ってます。
ゲームシステム自体も好きなんですが、このゲームで1番好きなのは少年たちの争いというテーマから、システムへの理由づけ!
あるダイスの出目を1番使ってたプレイヤーはダイスをひとつ失うという強いアクションがあるんですが、そのアクション名が"チクリ"、チクったプレイヤーはそのラウンドの残りで競りに参加できなくなります。だって、チクった卑怯者は遊び場に入れさせないから!(でも翌日(次ラウンド)からは何事も無いように入れる)
ワイルドのダイスひとつになるアイテム"アニキ"。これがあるので、同じダイス数でも後から上書きが有利になります。が、使用後、アニキはその場に残らずストックに帰ります。だってアニキは子供の喧嘩になんかずっと付き合ってられないから!
1時間でサクッと終わるゲームと考えれば妥当なのかもしれませんが、バランス調整がわんぱくすぎるところがなあと若干残念に思います。
・ライジング・サン/ Rising Sun


2018年に日本語版も出た、ボード上に置ききれないほどクソでかいフィギュアを使うゲーム。
なんちゃって日本マップにフィギュアなので、マルチっぽく見えるんですが、その実全くマルチではない(※)。見た目よりずっとユーロしてるゲーム。
※ユーロしてるので、ゲーム途中のトップが誰かわかりにくく、また、特定のプレイヤーを殴って止めるということがしづらいので、基本的には、自分の点数を伸ばすのがプレイングの基本になります。
プレイヤー人数によってはラウンド内の親番回数が不均等だったり、アクション選択によってはラウンド内に登場しないアクションがあったり、その非対称さによる歪さがシステム上の肝かなーと思います。
(プエルトリコ風のアクション選択ですが、選択候補が全アクションからではなく、アクションタイルの山の上から数枚の中から選ぶので、運要素もでかいながら阿鼻叫喚も楽しいのも確かです)
とはいえ、ゲームの中心は『戦闘』。毎ラウンドの終わりに全エリアで起こるので結構な数発生しますが、お互いになんとなく察せられる所持金を考えて予定調和的なじゃんけんを繰り返すだけとも言え、フィギュアどーんどーんではありますが、案外平和だったりします。
(衝立の裏にお金を隠しての握り競りなのでめっちゃドキドキはしますが)
大抵のカードの効果はまったりしてますが、さすがにフィギュアの効果は、そんなのありなんか!みたいなのも多く、初回プレイは知らない効果の打ち合いが楽しいゲームでもあります。
・モンスターランド/ Monster Lands


ダイスプレイスメントで街で傭兵団作って鍛えた後、辺境でモンスターぶっ殺したり土地を奪い取ったりして得点稼ぎだ!なゲーム。
一応ダイスプレイスメントで絞りあいだったり、良い場所の取り合いはあるものの基本的にはダイスじゃらじゃら振って、でかい目が出たらオーケー、出ないと後手番におこぼれがっていうゲーム。
もうこれくらいのダイスプレイスメントでは、システム的な面白さ云々は言えない段階にきてると思う。そういう意味で普通!なゲームなんですが、グルームヘイブンやらのTRPGのボードゲーム化の流れの中で、超簡易にダイス判定だけ残してるって考えもありかなと。
ピュアピュアしたユーロみたいに、最強の傭兵団できた!ってラウンドか、その直前に終わるということはなく、最強の傭兵団できたからめっちゃダイスあるわって状態で1,2ラウンドやるので心ゆくまでダイスが振れます。
ダイスゲームの軽さを残したまま、ある程度の緊張感もあって長時間ダレずに遊べるゲームって案外ないんでそういう面でも面白いゲームかなと。
「こいつの強さ(ダイス数)なら勝てるだろうからおこぼれもらいに行くか」って、辺境に行ったら、ダイス目が事故って先頭のやつが死に、そのあとおこぼれ狙いで防御など考えていない傭兵たちが蹂躙される大事故が起きたり、最強装備!みたいに思ってた傭兵が1ばっかだして敗れたりとダイスゲームらしいまさか!も当然あって楽しいゲームです。
傭兵死ぬと気持ちはめっちゃへこむんですが、ゲーム的にはむしろ死んだ方が得な面もあったりして、すぐに他人に追いつけるので最後まで盛り上がれます。
・エステイト/ The Estates

建築現場にビルを建てて行くゲーム。
親(手番プレイヤー)が競り対象を決め、他プレイヤーは1巡の競りを行い、その後、最高値で親が買うか、それとも最高値をつけた子に売るかを決めるという、インダストリィと同じルールの競りをします。
大きく違うのは、自分の得点(利益)を確定させるまでの道のりの長さです。
まず、得点方法から。
ビル(になるキューブ)は6色あり、最初にその色を競り落としたプレイヤーがその色のオーナーになります。一度決まったらその後のオーナー変更はありません。
キューブには数字が書いてあり、基本的に数字イコール点数です。
ビルの建設場所は3列あって、そのうち2列が埋まったらゲーム終了で、埋まった2列にある建物は得点に、埋まってない列にある建物はマイナス点になります。
ここでポイントになるのが、3つ。
ビル(キューブ)は数字が小さいものは上に重ねられ、そのビル全部の点数は1番上のキューブのオーナーにはいります。
もうひとつは、競りの対象はキューブだけでなく、列の長さを伸ばしたり縮めたりするブロックも対象にすることができるという点。
最後。定期収入的なものはなく、スタート時に配られたお金がプレイヤー間でぐるぐるまわるだけです。
つまり、これは高得点なキューブ!と競りに勝ったとして、高得点イコール高い数字なので、今後別のプレイヤーがオーナーの色のキューブを上に乗せられたら競り落とした意味はなくなりますし、さらに言えば、オーナーを変えられなかったとしてもその列が埋められなければマイナス点です。
どうせ上に乗せられるし、別にまだ自分が競り落とさなくていいなと、自分がオーナーの色の高い数字のキューブを競り落とさなければ、一番伸びてない列=マイナス点の第1候補の列に置かれ、かといって競り落としてマイナスになりにくそうな列に置けば、自分の支払ったお金で数字の小さいキューブを別プレイヤーに競り落とされて上に乗せられるという、どうすりゃいいんだよ!の塊みたいなゲームです。
得点として確定させるには、競りに勝ち続け、自分の都合良くキューブを置き続けるしかないわけですが、そんなことはできるわけもなく、互いに互いが邪魔し合うような絞り合うようなプレイングが続いてると、あ、これ終わらせられるわという瞬間が訪れて、あっけなく終わります。伸ばそうとすることもできますが、終わる時はあれ?って感じですっと終わります。なので、狙って勝つとか無理というか神業という、変なゲームです。
でも、その変さに味があるほんと変で妙なゲームです。
・ペーパーテイルズ/ Paper Tales

ヴォーパルス2版も持ってるんですが、リメイク版のこちらでようやく遊びました。
もちろんやればやるだけ、カード間のシナジーとかこの組み合わせが強いとかははっきりわかってくるんでしょうけど、2ラウンドでカードは失われる&ドラフトでカードはぐるぐるまわるということもあって、気軽にプレイできつつ、あー、このカードってこう使うのか、こう使えるのかプレイヤーが理解できていくスピードと、それがプレイングにフィードバックされるスピードが早く、小気味よく遊べる。良ゲーム。
ゲームの仕組みを発見/理解する面白さ、上手にプレイングする面白さをテーマに合わせつつうまいことプレイヤーに体験させてると思います(何年経って言ってるんだって話ですけど)。
ちゃんと記事にしたかったんですけど、うまいこと面白さの説明ができなくて諦めたゲームです。
・俺は豪族

ゲームマーケット2018春の新作。ベータ版だったのかもしれませんが遊ばせてもらった&半年前の話なので忘れてしまいました。すいません。
プレイヤーは、豪族になって毎ラウンド自分の家を発展させるためのカードをどんどんプレイしていくんですが、カードプレイに必要なリソースは、自分の家で全部賄えなければ他人の家から借りるか、国から借りることができます。
この必要リソースの設定と自分の家の成長スピードの設定が絶妙で、まず、自分の家だけでまかなえることがほぼない。大抵の場合、借りることになります。
んで、この何を借りるかと、何のカードをプレイするかはフェイズ&手番順が異なっていて、借りる手番が早いとカードプレイが遅い。借りる手番が遅ければカードプレイは早い。プレイする候補のカードは手札ではなく、場に並んでる中から選ぶので、あのカード強そうだからそれがプレイできるのを借りるか。でも、強いからカードプレイが先手番の人に取られちゃうよな…。じゃあ、弱いけど残ってそうなこっちのカードをプレイするためのものを借りるか。でも、もしかしたら先手番の人が残すかもしれないし…と思考がぐるぐるまわるゲームです。
ただ、めっちゃ悩むのは確かで、そこの読み合いと妥協が面白いゲームではあるんですが、ここのインタラクションが強すぎて、めっちゃ疲れます。カードプレイ最後手番は借りるものを悩んでも仕方ないところもあるので、悩ましさとその効果の釣り合いが悪いかも。
序盤は国が弱く、借りれるものもあまりないんですが、システム的に国に徐々に力がついていくようになっており、終盤は国の力を借りないと自分&他人の家ではなにもできなくなり、国の力を借りるとまた国が強くなるという、徐々に中央集権化していった過程がシステム化されてるのも素敵でした。
・わんぱく戦争(ボタン戦争)/ War of the Buttons

原題そのままだとボタン戦争なんですけど、元ネタである映画の邦題はわんぱく戦争なので、わんぱく戦争で。
ポイントを絞って切れ味鋭くした中量級ゲーム中心のADC Blackfireの2,018年夏だったか冬の新作。カリマラやキングス・ウィル、ウエスト・オブ・アフリカと同じラインです。
ダイスプレイスメントとダイスの数と目の大きさでの競りの複合というのが大きな特徴で、得点要素を競り合うわけなんですが、2の目ふたつより3の目ふたつや、1の目みっつの方が上なので、基本的にはダイス数で殴り合うゲームです。
序盤は得点要素も気にしながら、ダイス数を増やしていき、後半は増えたダイスで熱い競り合い繰り広げます。
ダイスはワーカーでもあり、競りをしている主戦場以外の部分、カードを手に入れたりダイスを増やしたりする場所は、ワーカー(ダイス)を置いてアクションを行います。
アクションすれば手元のダイスが減るので競りで勝てなくなりますが、かといって先に競りにダイスを置くと上書きする方が有利なアイテム(後述)があるので、上書きされます。
なので、早く諦めて置けよ〜とお互いに様子を見ないながらじりじりとプレイするのが楽しいゲームです。
しかし、そのじりじりが、本当にめっちゃ胃が痛くなるほどのじりじりになることがあるので人は選ぶかもしれません。じりじり自体が好きならいいんですけど、必要以上にはさすがにちょっと。
競りの対象に得点要素がどの程度出てくるかがランダムなので、場合によってはサクッと終わったり、超しぶい場になったり、ゲーム展開で好みも別れるかも。
ちなみに、ルール上、明文化されてませんが、フリーアクションのダイス購入やダイス目変更は効果を適用したダイスをその手番に必ず使用することというようにした方が良いです。それをしなかったために、プレイヤー1人がリーチ状態になるまで1時間、そこから驚異的な絞りあいが始まってゲーム終了まで1時間以上かかった場を知ってます。
ゲームシステム自体も好きなんですが、このゲームで1番好きなのは少年たちの争いというテーマから、システムへの理由づけ!
あるダイスの出目を1番使ってたプレイヤーはダイスをひとつ失うという強いアクションがあるんですが、そのアクション名が"チクリ"、チクったプレイヤーはそのラウンドの残りで競りに参加できなくなります。だって、チクった卑怯者は遊び場に入れさせないから!(でも翌日(次ラウンド)からは何事も無いように入れる)
ワイルドのダイスひとつになるアイテム"アニキ"。これがあるので、同じダイス数でも後から上書きが有利になります。が、使用後、アニキはその場に残らずストックに帰ります。だってアニキは子供の喧嘩になんかずっと付き合ってられないから!
1時間でサクッと終わるゲームと考えれば妥当なのかもしれませんが、バランス調整がわんぱくすぎるところがなあと若干残念に思います。
・ライジング・サン/ Rising Sun


2018年に日本語版も出た、ボード上に置ききれないほどクソでかいフィギュアを使うゲーム。
なんちゃって日本マップにフィギュアなので、マルチっぽく見えるんですが、その実全くマルチではない(※)。見た目よりずっとユーロしてるゲーム。
※ユーロしてるので、ゲーム途中のトップが誰かわかりにくく、また、特定のプレイヤーを殴って止めるということがしづらいので、基本的には、自分の点数を伸ばすのがプレイングの基本になります。
プレイヤー人数によってはラウンド内の親番回数が不均等だったり、アクション選択によってはラウンド内に登場しないアクションがあったり、その非対称さによる歪さがシステム上の肝かなーと思います。
(プエルトリコ風のアクション選択ですが、選択候補が全アクションからではなく、アクションタイルの山の上から数枚の中から選ぶので、運要素もでかいながら阿鼻叫喚も楽しいのも確かです)
とはいえ、ゲームの中心は『戦闘』。毎ラウンドの終わりに全エリアで起こるので結構な数発生しますが、お互いになんとなく察せられる所持金を考えて予定調和的なじゃんけんを繰り返すだけとも言え、フィギュアどーんどーんではありますが、案外平和だったりします。
(衝立の裏にお金を隠しての握り競りなのでめっちゃドキドキはしますが)
大抵のカードの効果はまったりしてますが、さすがにフィギュアの効果は、そんなのありなんか!みたいなのも多く、初回プレイは知らない効果の打ち合いが楽しいゲームでもあります。
・モンスターランド/ Monster Lands


ダイスプレイスメントで街で傭兵団作って鍛えた後、辺境でモンスターぶっ殺したり土地を奪い取ったりして得点稼ぎだ!なゲーム。
一応ダイスプレイスメントで絞りあいだったり、良い場所の取り合いはあるものの基本的にはダイスじゃらじゃら振って、でかい目が出たらオーケー、出ないと後手番におこぼれがっていうゲーム。
もうこれくらいのダイスプレイスメントでは、システム的な面白さ云々は言えない段階にきてると思う。そういう意味で普通!なゲームなんですが、グルームヘイブンやらのTRPGのボードゲーム化の流れの中で、超簡易にダイス判定だけ残してるって考えもありかなと。
ピュアピュアしたユーロみたいに、最強の傭兵団できた!ってラウンドか、その直前に終わるということはなく、最強の傭兵団できたからめっちゃダイスあるわって状態で1,2ラウンドやるので心ゆくまでダイスが振れます。
ダイスゲームの軽さを残したまま、ある程度の緊張感もあって長時間ダレずに遊べるゲームって案外ないんでそういう面でも面白いゲームかなと。
「こいつの強さ(ダイス数)なら勝てるだろうからおこぼれもらいに行くか」って、辺境に行ったら、ダイス目が事故って先頭のやつが死に、そのあとおこぼれ狙いで防御など考えていない傭兵たちが蹂躙される大事故が起きたり、最強装備!みたいに思ってた傭兵が1ばっかだして敗れたりとダイスゲームらしいまさか!も当然あって楽しいゲームです。
傭兵死ぬと気持ちはめっちゃへこむんですが、ゲーム的にはむしろ死んだ方が得な面もあったりして、すぐに他人に追いつけるので最後まで盛り上がれます。
・エステイト/ The Estates

建築現場にビルを建てて行くゲーム。
親(手番プレイヤー)が競り対象を決め、他プレイヤーは1巡の競りを行い、その後、最高値で親が買うか、それとも最高値をつけた子に売るかを決めるという、インダストリィと同じルールの競りをします。
大きく違うのは、自分の得点(利益)を確定させるまでの道のりの長さです。
まず、得点方法から。
ビル(になるキューブ)は6色あり、最初にその色を競り落としたプレイヤーがその色のオーナーになります。一度決まったらその後のオーナー変更はありません。
キューブには数字が書いてあり、基本的に数字イコール点数です。
ビルの建設場所は3列あって、そのうち2列が埋まったらゲーム終了で、埋まった2列にある建物は得点に、埋まってない列にある建物はマイナス点になります。
ここでポイントになるのが、3つ。
ビル(キューブ)は数字が小さいものは上に重ねられ、そのビル全部の点数は1番上のキューブのオーナーにはいります。
もうひとつは、競りの対象はキューブだけでなく、列の長さを伸ばしたり縮めたりするブロックも対象にすることができるという点。
最後。定期収入的なものはなく、スタート時に配られたお金がプレイヤー間でぐるぐるまわるだけです。
つまり、これは高得点なキューブ!と競りに勝ったとして、高得点イコール高い数字なので、今後別のプレイヤーがオーナーの色のキューブを上に乗せられたら競り落とした意味はなくなりますし、さらに言えば、オーナーを変えられなかったとしてもその列が埋められなければマイナス点です。
どうせ上に乗せられるし、別にまだ自分が競り落とさなくていいなと、自分がオーナーの色の高い数字のキューブを競り落とさなければ、一番伸びてない列=マイナス点の第1候補の列に置かれ、かといって競り落としてマイナスになりにくそうな列に置けば、自分の支払ったお金で数字の小さいキューブを別プレイヤーに競り落とされて上に乗せられるという、どうすりゃいいんだよ!の塊みたいなゲームです。
得点として確定させるには、競りに勝ち続け、自分の都合良くキューブを置き続けるしかないわけですが、そんなことはできるわけもなく、互いに互いが邪魔し合うような絞り合うようなプレイングが続いてると、あ、これ終わらせられるわという瞬間が訪れて、あっけなく終わります。伸ばそうとすることもできますが、終わる時はあれ?って感じですっと終わります。なので、狙って勝つとか無理というか神業という、変なゲームです。
でも、その変さに味があるほんと変で妙なゲームです。
2018年振り返り
もう年が明けるまで間もないですが、2018年の振り返り記事です。
とりあえず、2018年初プレイで面白かったゲーム10選から。タイトル並べて、あとから各ゲームの感想で。
(以前、ブログ記事を書いているゲームはリンクをつけてます)
マグナストーム
シティオブビッグショルダーズ
シンギュラリティ
マルシェドフランス
リバーボート
ウェスタンレジェンド
ブラックオーケストラ
ディセプション(協力者たち)
支離滅裂
うんちしたのだあれ?
・マグナストーム

これを2018年のベストゲームという記事のトップに挙げていいのかまだ迷ってます。ストレスレスな最近のユーロ風の調整をした結果、それが活かされないままなんか序盤から走った人が勝って終わるという印象のゲーム。
実態を隠して、システムに沿ってプレイすることで間接的にインタラクションやら殴り合いやらを実装している最近のユーロの作りが行き過ぎて、逆に味気なくなったようにも感じるんですが、一番目立つ得点源である目標カードの達成を全て高得点でなし得たとしても目標点には届かず、各プレイヤーが2枚は取るであろう司令官の得点を足してもまだ届かず、普通に遊ぶ分には、これなんのためにあるんだよ?w的なエリアマジョリティなどの細かい点の取り合い、司令官カードの取り合い(研究レベルやキューブ状況の探り合い)などが地味に効いてるとしか思えないのが、気に入ってます。
レースゲームで目標達成を急いでやったらいいんだよっていう雑なゲームではなく、細かいやりくり、やり取りが重要そうというところが。でも、それがプレイヤーに感じられず、雑なゲームの方の印象しか残らないなら(実態隠すのも)やりすぎでしょうと思っていまします。
が、本当はすごいんじゃないの!?の期待込めて1番頭に挙げさせていただきました。
・シティオブビッグショルダーズ

今年初めて遊んだ重ゲー枠では一番好き! でもベータ版でルールが曖昧だったり、需要と供給のバランスが大事なゲームなのに未調整ぽかったりで本格的な評価は製品版出てからにさせてもらいました。
18XX式の会社立ち上げ&運営ゲームで株主であるプレイヤーに、会社をパワーアップさせるためのワーカーを持たせたのが新しいところで、単純に儲けを増やすなら会社を増やせばいいじゃないに対して、会社増えるとワーカーの手が足りなくなりますよという観点を追加。
普通にワカプレの会社運営ゲームとしても面白く、その上で、会社の株価による手番順、それとは別のパラメータによるワカプレの手番順の2つの手番順操作の軸がある(もちろん手番順による有利不利がある)。
フェイズの分け方がいいのか、適度にシンプルされてるのがいいのか、そこまで複雑ではなくプレイ時間も18XXフォロワー的なのに3,4時間と短め。来年でるはずの製品版が楽しみです。
・シンギュラリティ

テーマとプレイングの融合が最高なゲーム。
ちょっとゲームと言うよりシミュレータよりなので味気ないのが残念。
普通にやると借金増やして増やしてそれに追いつかれないように自転車操業~という辛いゲームなんですが、うまーくプレイすると全く借金に追われることなく、淡々と会社の経営状況を改善して終わらせることもできる(というプレイングを目の当たりにしてボロ負けしたw)。
終わったあとの盤面の状況がどういう世の中を示しているのかちょっと考えるのも楽しいです。
・マルシェドフランス

シンギュラリティと同じく、慶應HQさんの作品。シンギュラリティもそうなんですが、最高のバランス調整でどういうプレイングも受け止めてくれるのがまず魅力の1つ。
そこまで広く捉えなくても、キューブを如何に無駄なく点数に変えていくのかを考えさせるゲーマー寄りの面白さから、欲しいアイコン付きのカードがでてこない/出さないとシンプルにエリアマジョリティの絞り合いの面白さまで、カードをプレイしてキューブを送り込むというシンプルなメインアクションで幅広い層に面白さを提供してくれる良いゲームだと思います。
(聞いた話ではあるんですが、手札枚数を増やしても初期のままでもゲーム終了時のトップの点は同じくらいになるとか。バランス調整半端ないですね)
・リバーボート

適度な運要素に自分なりの農場作り。どこで手番を先にするか、何を諦めるか。ユーロの基本に忠実な作りで安心して楽しめるゲームでした。
しかししかし、その中で白眉なのはコインを支払うことで全ての山札からサーチできるとこ! ボードゲームでありがちな、コストを払うと山札の上からX枚とって、そこから1枚選んで良いという、コストが若干の運を軽減するだけ(報われないリスクがある)というありがちなシステムってなんだったのか? 別に面白さに寄与してなかったじゃん!と気づかせる(ドキドキを味わうだけ。まあユーロは基本的には勝ち負けに運要素が大きく絡みますが)。
もうこれからは、コスト払ったら山札からX枚とか言わずに好きなカードをサーチできるのがデフォルトでいいんじゃないかな。
なんでゲーム本体のジレンマ、悩ましさと別の運試し部分に挑戦するかどうかコスト払ってまで悩まなあかんのや。
・ウェスタンレジェンズ

プレイヤーがなりきれるという点でテーマの再現度が最高なゲーム。
ぶっちゃけマルチなのでプレイヤー間でバランス調整しなさいというか、ガンガンやり合いなさいという作りではあるんですが、誰かが最効率のプレイングをしていたとして、西部劇のノリのままでそれを邪魔でき、さらにそれをまた邪魔できるという西部劇って実は食物連鎖的なトライアイングルがあったんだなあとアホなことを考えてしまうくらい、ゲーム内で生態系が勝手に生まれます。
ゲーム的に良く出来てると言っても、西部劇にノレないと辛そうではありますが。
・ブラックオーケストラ

ヒトラーを暗殺しようというイフの歴史を作ろうとする協力ゲーム。
ヒトラーは暗殺されず、第二次大戦を起こし、ユダヤ人も虐殺し…と歴史にどんなに疎くても”ヒトラーは生かしてたらダメなやつ”という程度の認識はあるので、(ゲームなんですが)目的への意識付けがしやすく、また、協力ゲームとしては当然のごとく目標達成の難易度はそれなりに高いんですが、それでも、歴史を変えるんだからとなんとなく納得できてしまうなどなど、実際の歴史がベースにあるからこそのプラス要素が色々あります。
が、このゲームを最高にしてるのは、ゲーム終盤、歴史通りにドイツが劣勢になっていき、ゲーム的にヒトラー暗殺をしやすくなります。なので、普通に遊ぶとゲーム終盤にようやくお膳立てが整い、ようやく暗殺を試みれるようになります。準備ができていて、運がよければ暗殺成功!となるわけですが、ヒトラーが生きていたからこその歴史はすでに繰り返されてしまっていて、『この時代で成功してもなあ』と思ってしまう作りなんですよね。しかしかといって、ゲーム序盤に最高のプレイングにより暗殺成功したとしたら、その時点ではまだヒトラーはまだドイツを導く有能な政治家なわけで、プレイヤーは完全なテロリストになります。
ゲーム外の歴史的な背景があるからこそゲーム上での成功失敗を超えたところにプレイヤーが感じる成功失敗がある。それが素敵なゲームでした。
・ディセプション(協力者たち拡張入り)

アンロック、ディテクティブ、クロニクルオブクライムなど、いくつも推理系だったり謎解き系のゲームを今年も遊びました。
ディセプションは人狼亜種なので、システムに補助されながらプレイヤーが謎を作るというか、結果的に謎になっているというだけではあるんですが、殺人事件の犯人が証拠品と凶器を指定し、それをGMが曖昧なヒントで捜査官たちに当てさせるという形で、GMが当てさせようとしたヒントを犯人たちは曲解させようとし、捜査官はGMの真に意図するところを当てようとするという、なんというか、実際の(というのは大仰かもしれませんが、少なくともテレビドラマとかでの)犯罪の形、対決の形に近くなってるので、そういうのが好きな人(僕です)にはたまりません。
基本だけだと犯人側が不利だったんですが、協力者たち拡張や今年頭に発売された拡張カードは犯人側に有利なものだったので、ますます上記のような対決が面白くなってるように思います。
証拠カード、凶器カードは無限に追加できるので、まだまだ楽しみなゲームです。
・支離滅裂

軽ゲー枠。大富豪系やトリテなどのカードゲームは人の手札や役を読み合うのが楽しさのベースになっているものが多いんですが、そのせいで重くなってるというか、とっつきにくくなってる部分が正直あったように思います。
それを支離滅裂は自分の手札の強化という自分に閉じた面白さを作り出し、さらにその面白さを楽しむことが結果的に他人に勝つことにつながるという作りのゲームです。
手札の役がどうすれば強くなるのか、何が強いのかはわかりやすいですし、2回までなら負けてもやはり手札を強化させることにつながっているという、プレイヤーを消沈させない、徹底的なエンターテイナー的な作りになってました。
1人だけの負けを決めるというのもゲームの方向性にあってて良いと思います。
・うんちしたのだあれ?

おっさんになってくると記憶力とスピードが…というのは仕方ないことですし、そもそも人によって得手不得手がありますが、短期記憶ならおっさんも若人も関係ないぜ!という人の脳みその作りをうまいことゲームにしてます。
手札を出し切れば上がりですが、最後の1枚を楽勝でだせるということはまずなく、頑張れおれの短期記憶! あのとき、あれが出てー、あれとあれはまだあるはず…と自分との戦いがはじまるのが大好きです。
あとは、某四方山話のベストに挙げさせてもらったら、うんちは宗教上の理由で…と断られたもいい思い出ですw。
選外だけど印象に残ったゲーム
・パンデミックレガシー2
完走したーというのが正直な感想。XXX要素が強く追加されて入るもののぶっちゃけ結局はパンデミックなのとゲーム中に出てくるお題がいやーこれ無理でしょというのが終盤増えてくる(運が良かった部分もありますが、結局成功させてるのでバランスはいいと思われる)ので、面白いゲームをやったというよりも、面白いストーリーを極めて実体験に近い形で体験したという感じ。
シナリオ上の驚きもありはしたものの、うーん、3はもういいかなあと今は思ってます。
他のキャンペーン系のゲームで遊びたいのもいくつくありますし、これからもキャンペーン系で面白そうなのはたくさん出てきそうですし。パンデミックばかり何十ゲームもやってる場合なのかは考えさせてほしいところです。
どうでもいいんですが、どうでも良くない話なんですが、キャンペーン系ゲームをレガシーレガシーと呼ばれるのが大変気になります!(いわゆる警察案件ですが、まあ、直接言うわけでもないので、お許しください)
・ハリウッドライヴス(記事)

まあ、ゲームと言うよりアクティビティに近いですが、一度は経験して欲しい!
演劇をするゲームですが、ガチに良い脚本を考えてガチに演じないとゲーム的に勝てないのが最高です。演技というとハードル高そうですが、いつもゲーム会で一緒しているメンバーとならまだ遊べるのではないでしょうか。
実際に遊ぶなら小物が重要です。いやー、そんなに気合い入れたくないんだよなーとか言わずに、拳銃、カツラ、スカート、帽子など、むしろゲームは恥ずかしがってもいいので小物、小物だけは気合を入れて準備するのをオススメします。
【雑感&来年の抱負】
頭に書きましたが、今年はこれだああっていう重ゲーは正直であわなかったです。(そんなに数やってるわけでもないですけど)
中量級だとクルセイダーズ、スマートフォン株式会社、ビトゥイーントゥーキャッスルズなど、よく出来てるものが多かったように思いますが、僕の好きなラインはもう少し重いやつなんだよおおって思ってました。
来年に期待したいと思います。
今年はロール&ライトゲームが躍進したというか、数も出たし、傑作もたくさん出た(ウェルカムトゥ、メトロックス、がん旬クレバーなど)年なんですが、そのせいというかなんというか、数年前までは本当に紙とペン以外のコンポーネントを使わないゲームのことを指していた”紙ペンゲーム”が、ペンを使って紙(またはボード)に書き込むゲーム全般を指す言葉として一般化しちゃいましたね…。
クロスレビュー記事も書いたりしましたけど、その後にでたロールトゥザ・トップもなかなか良かったです。
あまり行ってなかったゲームマーケットにもスタッフやブースの売り子として今年は春秋とも参加しました。
秋のゲームマーケットはフリマブースのスタッフとして参加しましたが、並んでるゲームを相場からみて損か得かという目でしか見てないマニアの方々はさておき、あまりゲームを買わない/ゲームにお金をかけない層が少しでも安くメジャーゲーム(七不思議とか宝石のきらめきとか)を買える場ではないのかと、フリマに来てるのをみると、なんとかしたいなーと思いはしました。
予約品はXX%オフとかで売ってる場がありますが、売れ線の旧作は(売れるので当たり前ですが)そんなに割引販売されないので。別に裾野を広げたいとかいう思いではなく単純に求められているならなんとかしたい程度で、何も考えがあるわけではないですけど。
ゲーム外のことでは、今年も色んな国から輸入しました。新しいところはイランとタイでしょうか。国が変わるとアートワークの感じも変わるのが面白いですし、色んな国のいろんなショップとやり取りしたり、そこで扱っているゲームを見るだけでも楽しいです。
来年の豊富は週1更新! 仕事次第、子供の具合次第ではあるんですが、夢の定期更新。なんとかしたいと思います。
とりあえず、2018年初プレイで面白かったゲーム10選から。タイトル並べて、あとから各ゲームの感想で。
(以前、ブログ記事を書いているゲームはリンクをつけてます)
マグナストーム
シティオブビッグショルダーズ
シンギュラリティ
マルシェドフランス
リバーボート
ウェスタンレジェンド
ブラックオーケストラ
ディセプション(協力者たち)
支離滅裂
うんちしたのだあれ?
・マグナストーム

これを2018年のベストゲームという記事のトップに挙げていいのかまだ迷ってます。ストレスレスな最近のユーロ風の調整をした結果、それが活かされないままなんか序盤から走った人が勝って終わるという印象のゲーム。
実態を隠して、システムに沿ってプレイすることで間接的にインタラクションやら殴り合いやらを実装している最近のユーロの作りが行き過ぎて、逆に味気なくなったようにも感じるんですが、一番目立つ得点源である目標カードの達成を全て高得点でなし得たとしても目標点には届かず、各プレイヤーが2枚は取るであろう司令官の得点を足してもまだ届かず、普通に遊ぶ分には、これなんのためにあるんだよ?w的なエリアマジョリティなどの細かい点の取り合い、司令官カードの取り合い(研究レベルやキューブ状況の探り合い)などが地味に効いてるとしか思えないのが、気に入ってます。
レースゲームで目標達成を急いでやったらいいんだよっていう雑なゲームではなく、細かいやりくり、やり取りが重要そうというところが。でも、それがプレイヤーに感じられず、雑なゲームの方の印象しか残らないなら(実態隠すのも)やりすぎでしょうと思っていまします。
が、本当はすごいんじゃないの!?の期待込めて1番頭に挙げさせていただきました。
・シティオブビッグショルダーズ

今年初めて遊んだ重ゲー枠では一番好き! でもベータ版でルールが曖昧だったり、需要と供給のバランスが大事なゲームなのに未調整ぽかったりで本格的な評価は製品版出てからにさせてもらいました。
18XX式の会社立ち上げ&運営ゲームで株主であるプレイヤーに、会社をパワーアップさせるためのワーカーを持たせたのが新しいところで、単純に儲けを増やすなら会社を増やせばいいじゃないに対して、会社増えるとワーカーの手が足りなくなりますよという観点を追加。
普通にワカプレの会社運営ゲームとしても面白く、その上で、会社の株価による手番順、それとは別のパラメータによるワカプレの手番順の2つの手番順操作の軸がある(もちろん手番順による有利不利がある)。
フェイズの分け方がいいのか、適度にシンプルされてるのがいいのか、そこまで複雑ではなくプレイ時間も18XXフォロワー的なのに3,4時間と短め。来年でるはずの製品版が楽しみです。
・シンギュラリティ

テーマとプレイングの融合が最高なゲーム。
ちょっとゲームと言うよりシミュレータよりなので味気ないのが残念。
普通にやると借金増やして増やしてそれに追いつかれないように自転車操業~という辛いゲームなんですが、うまーくプレイすると全く借金に追われることなく、淡々と会社の経営状況を改善して終わらせることもできる(というプレイングを目の当たりにしてボロ負けしたw)。
終わったあとの盤面の状況がどういう世の中を示しているのかちょっと考えるのも楽しいです。
・マルシェドフランス

シンギュラリティと同じく、慶應HQさんの作品。シンギュラリティもそうなんですが、最高のバランス調整でどういうプレイングも受け止めてくれるのがまず魅力の1つ。
そこまで広く捉えなくても、キューブを如何に無駄なく点数に変えていくのかを考えさせるゲーマー寄りの面白さから、欲しいアイコン付きのカードがでてこない/出さないとシンプルにエリアマジョリティの絞り合いの面白さまで、カードをプレイしてキューブを送り込むというシンプルなメインアクションで幅広い層に面白さを提供してくれる良いゲームだと思います。
(聞いた話ではあるんですが、手札枚数を増やしても初期のままでもゲーム終了時のトップの点は同じくらいになるとか。バランス調整半端ないですね)
・リバーボート

適度な運要素に自分なりの農場作り。どこで手番を先にするか、何を諦めるか。ユーロの基本に忠実な作りで安心して楽しめるゲームでした。
しかししかし、その中で白眉なのはコインを支払うことで全ての山札からサーチできるとこ! ボードゲームでありがちな、コストを払うと山札の上からX枚とって、そこから1枚選んで良いという、コストが若干の運を軽減するだけ(報われないリスクがある)というありがちなシステムってなんだったのか? 別に面白さに寄与してなかったじゃん!と気づかせる(ドキドキを味わうだけ。まあユーロは基本的には勝ち負けに運要素が大きく絡みますが)。
もうこれからは、コスト払ったら山札からX枚とか言わずに好きなカードをサーチできるのがデフォルトでいいんじゃないかな。
なんでゲーム本体のジレンマ、悩ましさと別の運試し部分に挑戦するかどうかコスト払ってまで悩まなあかんのや。
・ウェスタンレジェンズ

プレイヤーがなりきれるという点でテーマの再現度が最高なゲーム。
ぶっちゃけマルチなのでプレイヤー間でバランス調整しなさいというか、ガンガンやり合いなさいという作りではあるんですが、誰かが最効率のプレイングをしていたとして、西部劇のノリのままでそれを邪魔でき、さらにそれをまた邪魔できるという西部劇って実は食物連鎖的なトライアイングルがあったんだなあとアホなことを考えてしまうくらい、ゲーム内で生態系が勝手に生まれます。
ゲーム的に良く出来てると言っても、西部劇にノレないと辛そうではありますが。
・ブラックオーケストラ

ヒトラーを暗殺しようというイフの歴史を作ろうとする協力ゲーム。
ヒトラーは暗殺されず、第二次大戦を起こし、ユダヤ人も虐殺し…と歴史にどんなに疎くても”ヒトラーは生かしてたらダメなやつ”という程度の認識はあるので、(ゲームなんですが)目的への意識付けがしやすく、また、協力ゲームとしては当然のごとく目標達成の難易度はそれなりに高いんですが、それでも、歴史を変えるんだからとなんとなく納得できてしまうなどなど、実際の歴史がベースにあるからこそのプラス要素が色々あります。
が、このゲームを最高にしてるのは、ゲーム終盤、歴史通りにドイツが劣勢になっていき、ゲーム的にヒトラー暗殺をしやすくなります。なので、普通に遊ぶとゲーム終盤にようやくお膳立てが整い、ようやく暗殺を試みれるようになります。準備ができていて、運がよければ暗殺成功!となるわけですが、ヒトラーが生きていたからこその歴史はすでに繰り返されてしまっていて、『この時代で成功してもなあ』と思ってしまう作りなんですよね。しかしかといって、ゲーム序盤に最高のプレイングにより暗殺成功したとしたら、その時点ではまだヒトラーはまだドイツを導く有能な政治家なわけで、プレイヤーは完全なテロリストになります。
ゲーム外の歴史的な背景があるからこそゲーム上での成功失敗を超えたところにプレイヤーが感じる成功失敗がある。それが素敵なゲームでした。
・ディセプション(協力者たち拡張入り)

アンロック、ディテクティブ、クロニクルオブクライムなど、いくつも推理系だったり謎解き系のゲームを今年も遊びました。
ディセプションは人狼亜種なので、システムに補助されながらプレイヤーが謎を作るというか、結果的に謎になっているというだけではあるんですが、殺人事件の犯人が証拠品と凶器を指定し、それをGMが曖昧なヒントで捜査官たちに当てさせるという形で、GMが当てさせようとしたヒントを犯人たちは曲解させようとし、捜査官はGMの真に意図するところを当てようとするという、なんというか、実際の(というのは大仰かもしれませんが、少なくともテレビドラマとかでの)犯罪の形、対決の形に近くなってるので、そういうのが好きな人(僕です)にはたまりません。
基本だけだと犯人側が不利だったんですが、協力者たち拡張や今年頭に発売された拡張カードは犯人側に有利なものだったので、ますます上記のような対決が面白くなってるように思います。
証拠カード、凶器カードは無限に追加できるので、まだまだ楽しみなゲームです。
・支離滅裂

軽ゲー枠。大富豪系やトリテなどのカードゲームは人の手札や役を読み合うのが楽しさのベースになっているものが多いんですが、そのせいで重くなってるというか、とっつきにくくなってる部分が正直あったように思います。
それを支離滅裂は自分の手札の強化という自分に閉じた面白さを作り出し、さらにその面白さを楽しむことが結果的に他人に勝つことにつながるという作りのゲームです。
手札の役がどうすれば強くなるのか、何が強いのかはわかりやすいですし、2回までなら負けてもやはり手札を強化させることにつながっているという、プレイヤーを消沈させない、徹底的なエンターテイナー的な作りになってました。
1人だけの負けを決めるというのもゲームの方向性にあってて良いと思います。
・うんちしたのだあれ?

おっさんになってくると記憶力とスピードが…というのは仕方ないことですし、そもそも人によって得手不得手がありますが、短期記憶ならおっさんも若人も関係ないぜ!という人の脳みその作りをうまいことゲームにしてます。
手札を出し切れば上がりですが、最後の1枚を楽勝でだせるということはまずなく、頑張れおれの短期記憶! あのとき、あれが出てー、あれとあれはまだあるはず…と自分との戦いがはじまるのが大好きです。
あとは、某四方山話のベストに挙げさせてもらったら、うんちは宗教上の理由で…と断られたもいい思い出ですw。
選外だけど印象に残ったゲーム
・パンデミックレガシー2
完走したーというのが正直な感想。XXX要素が強く追加されて入るもののぶっちゃけ結局はパンデミックなのとゲーム中に出てくるお題がいやーこれ無理でしょというのが終盤増えてくる(運が良かった部分もありますが、結局成功させてるのでバランスはいいと思われる)ので、面白いゲームをやったというよりも、面白いストーリーを極めて実体験に近い形で体験したという感じ。
シナリオ上の驚きもありはしたものの、うーん、3はもういいかなあと今は思ってます。
他のキャンペーン系のゲームで遊びたいのもいくつくありますし、これからもキャンペーン系で面白そうなのはたくさん出てきそうですし。パンデミックばかり何十ゲームもやってる場合なのかは考えさせてほしいところです。
どうでもいいんですが、どうでも良くない話なんですが、キャンペーン系ゲームをレガシーレガシーと呼ばれるのが大変気になります!(いわゆる警察案件ですが、まあ、直接言うわけでもないので、お許しください)
・ハリウッドライヴス(記事)

まあ、ゲームと言うよりアクティビティに近いですが、一度は経験して欲しい!
演劇をするゲームですが、ガチに良い脚本を考えてガチに演じないとゲーム的に勝てないのが最高です。演技というとハードル高そうですが、いつもゲーム会で一緒しているメンバーとならまだ遊べるのではないでしょうか。
実際に遊ぶなら小物が重要です。いやー、そんなに気合い入れたくないんだよなーとか言わずに、拳銃、カツラ、スカート、帽子など、むしろゲームは恥ずかしがってもいいので小物、小物だけは気合を入れて準備するのをオススメします。
【雑感&来年の抱負】
頭に書きましたが、今年はこれだああっていう重ゲーは正直であわなかったです。(そんなに数やってるわけでもないですけど)
中量級だとクルセイダーズ、スマートフォン株式会社、ビトゥイーントゥーキャッスルズなど、よく出来てるものが多かったように思いますが、僕の好きなラインはもう少し重いやつなんだよおおって思ってました。
来年に期待したいと思います。
今年はロール&ライトゲームが躍進したというか、数も出たし、傑作もたくさん出た(ウェルカムトゥ、メトロックス、がん旬クレバーなど)年なんですが、そのせいというかなんというか、数年前までは本当に紙とペン以外のコンポーネントを使わないゲームのことを指していた”紙ペンゲーム”が、ペンを使って紙(またはボード)に書き込むゲーム全般を指す言葉として一般化しちゃいましたね…。
クロスレビュー記事も書いたりしましたけど、その後にでたロールトゥザ・トップもなかなか良かったです。
あまり行ってなかったゲームマーケットにもスタッフやブースの売り子として今年は春秋とも参加しました。
秋のゲームマーケットはフリマブースのスタッフとして参加しましたが、並んでるゲームを相場からみて損か得かという目でしか見てないマニアの方々はさておき、あまりゲームを買わない/ゲームにお金をかけない層が少しでも安くメジャーゲーム(七不思議とか宝石のきらめきとか)を買える場ではないのかと、フリマに来てるのをみると、なんとかしたいなーと思いはしました。
予約品はXX%オフとかで売ってる場がありますが、売れ線の旧作は(売れるので当たり前ですが)そんなに割引販売されないので。別に裾野を広げたいとかいう思いではなく単純に求められているならなんとかしたい程度で、何も考えがあるわけではないですけど。
ゲーム外のことでは、今年も色んな国から輸入しました。新しいところはイランとタイでしょうか。国が変わるとアートワークの感じも変わるのが面白いですし、色んな国のいろんなショップとやり取りしたり、そこで扱っているゲームを見るだけでも楽しいです。
来年の豊富は週1更新! 仕事次第、子供の具合次第ではあるんですが、夢の定期更新。なんとかしたいと思います。
シート記入型(ロール&ライト)GM2018春&大阪新作ゲーム+αクロスレビュー / Roll 'n Write games Cross reviews
BGGのカテゴライズだとRoll’n Write(ロール&ライト)に分類されるランダム要素+シート記入系のゲームが2018年春のゲームマーケットで何故か多数新作が発表されました。その直前のゲームマーケット大阪で発売されたOKAZU Brandさんのメトロックスが大変面白かったことや最近、国産ゲームの傑作、良作が増えてきていることから、どうせなら全部買ってクロスレビューをしよう!ということでクロスレビュー企画です。
ちょうどKDJの候補にガンシュンクレバーというRoll’n Writeのゲームが選ばれたりこないだ遊んで面白かったウェルカム・トゥなどもついでだーと混ぜております。
概要とか書いてたんですが、手っ取り早くレビュー結果が見たかろうということで、記事の流れは、クロスレビュー対象ゲーム名羅列、クロスレビュー結果、対象ゲーム紹介&各レビュアーの評価全文、僕のロール&ライトゲーム全般に対する感想となっております。
【クロスレビュー対象ゲーム】
●ゲームマーケット2018春&大阪新作枠

・アルペンツィアン
・エクストリームス
・ダイスワイドシャット
・バスルートをつくろう
・メトロックス
●海外産ゲーム枠
・ウェルカム・トゥ…
・ガンシュンクレバー
※デザイナーやサークル/パブリッシャー書こうか迷いましたが、いつも書いてないので割愛します。
【クロスレビュー】

(クリックすると大きくなります)
※ゲームは1~10点で評価。基本的にはBGGの評価基準準拠。ざっくりと書くと、
~4点:つまらない
5/6点:普通。誘われればやる/誘われなくてもやる
7点:面白い
8点~:とても面白い
※未評価のゲームはそのレビュアーが未プレイのゲームです。
※匿名ですが中身は全て別の人です(H○号みたいなひとも僕の人格1,2,3じゃないです)。
【ゲーム概要&レビュー全文】
以下、ゲームごとにゲーム概要&レビューコメント全文です。概要はシート記入型ゲームとしての概要でゲームルールなどについては公式サイトなどをリンクしますので、そちらをご覧ください。インタラクションの有無などはH1号氏がレビュー内に書いてくださっています。
※R&WマシンH1号のレビュー前文
ロール&ライトには、ダイスゲームとしての面白さと個別のシートに記入する面白さがある。となると必然運要素が強め、ソロプレイ感強めとなり、ゲームジャンルとしては僕の好みからはズレてくる。本レビューにおいてはロール&ライトの面白さはもちろん、インタラクションをどのように持たせているかに注目したい。なおリメイク作品が含まれるが今回は元ゲームとの比較は行わない。
●ゲームマーケット2018春&大阪新作枠
・アルペンツィアン 公式サイト

シート種類:紙(5種類×15枚) ※別売りでホワイトボードマーカー対応のボードあり。また、後日公式サイトから用紙データがDL可能になるとのこと。
最大人数:5人
ランダム要素:ダイス
手番の概念:あり
R&WマシンH1号 6点
インタラクション:ダイスドラフト及び各要素のマジョリティ争い。とはいえ、基本的には自分のやりたいことをやるべきゲームで、その時の選択肢で都合のいいものを選ぶことになる。終盤は多少絡みが出てくる。
線路を敷いたり、家と羊をペアにしたり、システムとして新しいところはないが、安定感のある面白さで絵を描くところも含めてプリミティブな楽しさがある。
R&WマシンH2号 5点
他人のボードも見つつ、ダイスを選択していくのは面白い。
微妙なお絵かき要素が好き。
R&WマシンH3号 7点
得点要素が複数あり、あの目はここに書こう、この目はこちらとダイス目の種類に応じて高得点になるよう考えるのが楽しい。シートへの記述も文字を書いたり、チェックを入れたりではなく(簡単ながら)絵を描くので、やはりこれまた楽しい。「煙突付の家の隣におっきな羊が~♪」とか言いながら遊べる。
ただ、ダイスのドラフト&書き込みエリアの先取りはインタラクションではあるけども、ダイス運の方がでかすぎて、自分の思い通りになりやすいラウンドとなりにくいラウンドを段階的に作ってる(手番が早い方が有利)だけな印象で、ドラフト&先取りと聞いて想像するような絞りあい要素は薄く感じました。けど、ゲーム性とはあってると思います。ダイス目でやったー/出てないじゃーんと盛り上がり、ドラフトで取らないで!/欲しいの残ったーと盛り上がります。
振り直し無し、(欲しい目やエリアは限定的なので素早く)ドラフトでダイス決定というシステムは、ダウンタイムもほぼなく、スピード感があって良かった。
かるーいけれど、得点要素の多用さ、ドラフト&先取りとゲームやってる感ありつつ、ダレルこともない。もう少しゲーマー向け寄りが好みではあるけど良いゲームだと思います。
R&Wマシン4号 未プレイ
田中さん(仮) 6点
かわいい。お絵かき楽しい。線路は無視したかったのにそれしか選べない時が何度かあるのが嫌だった。
鈴木さん 5点
どんどんダイスのピックが苦しくなるところで好みが分かれそう。個人的にはこの苦しさはあまり好みではない。
・エクストリームス ゲームマーケット紹介ページ

シート種類:紙(100枚) シート単体での販売あり
最大人数:無制限
ランダム要素:タイル
手番の概念 無し
R&WマシンH1号 7点
インタラクション:なし。完全にスコアアタックである。人の得点を見て、ビハインドならリスクを負って逆転を目指すといったことはできるけれどもシステム的にはソロプレイ。
ランダマイザとしてダイスではなく、タイルドローを採用しているため、ゲームが進むにつれ、何が残っているか待ちが広いのはどこか等理屈が通用するようになってくる。システムとして終盤に向かって盛り上がるようになっている。
R&WマシンH2号 6点
ストリームスが帰ってきた。ラウンド制が追加され逆転も可能に。
正当進化といったところで面白さも継続。
R&WマシンH3号 7点
3マスから1マスずつ7マスまで増えて5ラウンドを行うA面と25マスと長いB面でストリームスを行うゲーム。ランダムに引かれる数字を昇順に並べるだけではあるものの、特にA面は連続するマス数が1マス違うことよる得点差が大きく常に逆転性をはらんだままゲームが進行するのですごいスリリングです。
(ストリームスの時から言われてましたが)エクストリームスはマス数の少ないA面、多いB面問わず、プレイヤー間で配置が似通ったり、時には全く同じになったりするゲームです。この複数人で同じ(ような)状況になるのが、数字タイルが引かれる前後の共感につながっていて、遊んでいてすごく楽しいです。チームプレイ的な楽しさというか、嬉しさ、喜びを共有できる楽しさが大きく、反対にすごく喜んでいる人がいるからこそ、欲しいタイルがこなかった時の落胆も大きくなるんですが、そこにも同じく落胆している仲間がいるわけです。
個人プレーなんだけど、プレイヤー間で似通う部分が出てくる(数字の並びだけで複雑さがないのがまた効いてると思います)おかげで、悲しみは半分に喜びは2倍にが味わえる良いパーティーゲームです。
少人数でも楽しいですけど、人数を縛るようなコンポーネントの制約はないですし、大人数で遊ぶのが良いと思います。
ただ、他のゲームと一緒に持ち運ぶと周りのゲームを傷つけそうで怖いので木箱(しかも角が尖っている)はやめて欲しかった。僕は木箱は家においてシートとタイルだけ持ち運んでます。
R&Wマシン4号 6点
いまある意味話題のゲーム。表面で練習して裏面で本番
ここまで番号(前作はカード)を引く人が怒られるゲームはなかなかない。
確率論が得意な人とプレイするとものすごく楽しいです。
※だいたいその人の言うとおりにならない
田中さん(仮) 6点
楽しいけど地味。A面の1,2回目意味ない。B面を沢山の人でやりたい。
鈴木さん 7点
A面、B面の2部構成となっており、A面の状況により、B面の戦い方を変えられるのが好み。
・ダイスワイドシャット ゲームマーケット紹介ページ

シート種類:ボード ※ホワイトボードマーカーで書くあれ
最大人数:5人
ランダム要素:サイコロ
手番の概念:あり
R&WマシンH1号 5点
インタラクション:ダイスドラフト。他人が取りたいものというのが明確であるため、邪魔が容易で、インタラクションは強め。
シートへのチェックの縛りが緩く、もうちょっと個人シートへ記入する楽しさがほしい。
R&WマシンH2号 6点
ダイスドラフトで他人のボードが気になる系。後半の緊張感が良い。
映画オマージュも好き。
R&WマシンH3号 6点
振ったダイスを2個ずつ取って手元のボードにチェックを入れる。縦にチェックが並べば高得点、ただし横にそろってしまうとチェックが分断されて点数が下がるという仕組みのゲーム。
振ったプレイヤーから順にドラフトで2つずつ(1つの場合もある)ダイスを取っていく&色の縛りもあるゲームで、そこがプレイヤー間のインタラクションになってるわけですが、要素は赤青2色のみ&得点ルールもシンプルということで、あの人、これがくると困る、あいつはこれが欲しいはずがわかりやすく、また起こりやすくなっているように思います。
横一列揃うと起こる断絶(ダイスがワイドにそろうとシャットされるってことですよね?)もあからさまに点数下がる(というか、減点要素はこれだけ)のでくらいたくないという気持ちが強く、横にそろいそうになるとダイスが振られるたびにドキドキします(楽しいです)。
ただ、それはチェックが増えてきてからの話で、だいたいは速攻で終了条件を満たして終わらせてしまうプレイヤーがいる(というか、長引かせる必要性があることがあまりない)ので、断絶ドキドキするーというところにいかずに終わってしまうのが残念です。終了条件がもう少しチェックが多くなるようなものの方が僕の好みでした。
R&Wマシン4号 7点 ※ダイスだから1点足してます(笑)
ダイス系のシート記入ゲームとしてはシンプルな方で初心者向き。
断絶のルールはプレイしてみるとあまり発生せず、機能していない様に感じる。
青列速攻埋めプレイばかりやっているので今度は赤列を攻めてみたい。
田中さん(仮) 5点
映画オマージュなのはわかるけど箱のウサギがキモい。特にトム・クルーズの方のウサギ。
ゲームは淡々としてて普通。
鈴木さん 6点
ダイスピックでシートへの記入の選択肢がそれなりにあり遊びやすい。ピックが苦しいというより、どの選択がより効率良いかを考えるところが好み。
・バスルートをつくろう 公式サイト

シート種類:ボード ※ホワイトボードマーカーで書くあれ
最大人数:5人
ランダム要素:カード
手番の概念:あり(ほぼ同時進行)
R&WマシンH1号 5点
インタラクション:先取性のあるルート構築及び課題達成。後から進入するとペナルティがあるのだけれど、偶発的なインタラクションであり、特に駆け引きを発生させるものではない。
ランダマイザとしてダイスではなく、引き切りのカードデッキを使用しているため終盤は読みが利くように出来ているはずなのだけど、あまり引き待ちができるシステムではないので論理的に立ち回るというのは難しい。長期的な戦略として目的カードがあり、短期的な戦略として待ちを広く取る、中期的な戦略として各要素を取っていく、というデザイン意図はわかるのだけれど、やれと言われていることに対して、引きの比重が大きくアンコントローラブルな印象。ただ一方で遊べば遊ぶほど上手くなっていく実感もある。このゲームに対してどのように取り組むべきか測りかねている。
R&WマシンH2号 4点
ボーナス点数が大きいので最初の方で大体のルートを決めたらそれに従い進むしかないような。
他人とルートがかぶっても点数が大きければ行かざるを得ないといった感じであまり効いてない。
なんか淡々としてしまう。
R&WマシンH3号 5点
京都観光楽しい!というのがこのゲームの全てな気がします。京都観光は3,4回いったことがある程度ですが、それでも、お寺や神社、大学などゲームに登場するランドマークは覚えてますし、あー、懐かしいという気にもなります。そこは楽しいです。
システム的には勝負ごとの面白さに寄与するようなものはなく、その場その場でパーティーゲーム的に盛り上がるもののみです(ガチにならずに盛り上がれるという方向で評価すべきなのかもしれませんが)。
例えば、同じ道を後から通ったプレイヤーは減点されるなど、共通ボード上でインタラクションがあるようになってますが、プレイヤーにはどうすることもできず運ゲーです(先得要素があるのにプレイヤーの意思が介在せずに移動力の差がランダムにうまれる時点でガチゲーなわけはないんですけど)。いや、それくらいのインタラクションの方が良いという人もたくさんいるということはわかってるんですが。
とはいえ、インタラクションは、プレイヤーの選択の結果生まれるようにして欲しいです。曲がる方向を決めたり、(減点されますが)経路変更をする余地はプレイヤーにあると言っても僕には裁量がなさすぎるように感じられました。
得点要素は複数あるものの差別化ができているようには思えず、結局なんでもいいからたくさんアイコン集めればいいじゃんと思ってしまいました。確かに、こうしたい、ああしたいを考えれば考えるほど楽しいゲームというのはわかります。あと1人通勤客拾って駅に行きたいなとか、こっちにいけば観光客ひろえるぞとか。最初に遊んだ時はそのように遊んで楽しかったんですが、どうも一度冷めるとそうは遊べませんでした。
これまで凝ったシステムのゲームを作られているサークルだったこと、今回比較対象とした同時期のシート記入型ゲームがシステム的にも見るべき点があるゲームばかりだったことなどのせいか、単純にワイワイキャーキャー楽しむゲームならそう楽しめばいいのにそうできなかった僕が悪いです。
R&Wマシン4号 5点
盤面がキレイ、みんなで共通のボードを使用するので書いてて楽しい。
反面、ゲームで使用するカードが共通なので、途中で脱落事故がおきたり
目的地到達やボーナス点獲得が無理とわかっちゃうのは記入ゲームとしてどうなのかなー。
最後まで僅かながらでいいから達成の可能性を残して欲しかった。
田中さん(仮) 7点
京都懐かしくてキャーキャーいってしまった。ボードもかわいいし、ペンの色がカラフルなのもいい。
おじいちゃんと学生は降ろさなくていいのか気になる。
鈴木さん 6点
共通目標、渋滞の仕組みによるインタラクションがあり面白い。人数が少ないといまいちかもしれない。
・メトロックス 公式サイト

シート種類:紙 (2種類×100枚)
最大人数:6人 (実質的には無制限)
ランダム要素:カード
手番の概念:無し
R&WマシンH1号 6点
インタラクション:先取性のある課題達成。とはいえ、狙ってできるものではなく基本的にはソロプレイ。
ランダマイザとしてダイスではなくカードデッキを使用しているが、さらにランダムでシャッフルが入るという読みが"ある程度"利くという調整。パズルであるからして毎回同じ展開では飽きてしまう。引き切りのカードデッキにして終盤カツカツな運のマネジメントを求めるのも結構だが、本作はより揺れを重視している。強いカードがたくさん出ることもあればさっぱり出ないこともある。この絶妙なバランス感覚がゲームを面白くしている。
R&WマシンH2号 7点
さすがのOKAZU BRAND。
共通マスの扱いや早埋め要素など色々悩みどころが多い。
R&WマシンH3号 8点
面白いです。
めっちゃくちゃ運がよくないと全路線でゴールするのは無理!と最初につきつけられる、または序盤にわかるので、逆に、どこで得点しようか?とふっきった形で悩めるのは良いと思いますし、無理めな難しさがあるからこそ、点数の高い低いに関わらず、自分なりにうまくやったぞ!という達成感が得られるのも良いです。
各路線のゴール点と、路線が交差してる駅に星の効果を使って得られる交差点という2つの得点要素が進むことで得られる点と、止まっている(都合の良い交差点まで進めて星が出てくるまで待つ)ことで得られる点という相反してるのも悩ましくて当然で、どちらも高得点を取りたいと思ってプレイするので、あれ?これ止めてたのについ先に進めちゃったとか、進みたいけど止まりたいーと謎の煩悶が楽しめます。
ただし、頭を使う個所になる部分のルールは聞くだけだとややこしく、インスト難易度は高いです。初回で誤解なくプレイできるようルールを説明したり、聞き取ったりするのはかなり大変だと思います。でも、東京マップと大阪マップが入っていてプレイ時間も短いので、2戦1セットにすれば問題ないですね!
R&Wマシン4号 6点
ゲームとしての完成度はピカイチ、8点だしてもヨイくらい。
プレイ人数ほぼ制限なし、カードめくりにひねりの効いたルール。
エクストリームスと同じくカードめくりする人が怒られます。
ただし肝心の記入シートが小さすぎて辛い。ひたすら辛い。ここが減点。
初回は記入間違いが発生しがち。1回目は練習と割り切りましょう。
田中さん(仮) 7点
必死に説明してもらったけどルールがわかりにくかった。最後、はじめのとこに空白があったのでやっぱり間違ってたらしい。
レビュー対象の中ではゲームぽい面白さは一番かな。箱もかわいい。
鈴木さん 6点
あっちを狙えば、こっちを諦めなければならないという悩ましいかんじが面白い。誰かがゴールしたら「自分もゴールさせる〜」というカルバ的なアレがあります。
●海外産ゲーム枠
・ウェルカム・トゥ 公式がフランス語なので当ブログ記事

シート種類 紙 (100枚)
最大人数:無制限 (ドラフトルールを入れる場合はカード枚数的に上限あり)
ランダム要素:カード
手番の概念:無し
R&WマシンH1号 7点
インタラクション:先取性のある課題達成及び終了フラグ。他人の進捗を確認しつつ、チェックしていく必要がある。長期的にみて効率のいいチェックをするかそれとも即物的なチェックをするか。
ランダマイザとしてダイスではなく、カードデッキを使用しているのだけれど、本作は山札が三つあり、常に3択が確保されているというところで個々のプレイに揺れを持たせている。
数字を書いていくだけではなく、数字の連なりを柵で区切ることで得点化されるというところや区切った部分の得点を加算するアクションなど、パラメータマネジメントのような面白さがある。
インタラクション、パラメータ操作の楽しさ、適度な選択肢、頭一つ抜けている印象。
R&WマシンH2号 7点
毎回3つの選択肢がありそれぞれ違う町になるのが面白い。
おすすめ。
R&WマシンH3号 9点
おしゃれで1点追加。
基本的にはストリームスをしながら街づくりというゲームで、毎ラウンドの書く数字は全プレイヤーが同じ3つの候補から1つを選ぶという形だったり、ストリームスをやる(数字順に書く)ラインが3本あったりと自由度がめっちゃ高いです。
街づくりも制約(例えばXXの隣は〇〇でないとダメとか)はほぼなく、「とにかく数字を昇順に並べてくれ、あとは任せた!」みたいな作りです。
それが楽しいのかというと、これが楽しい。
前半逃げ切り型の都市計画重視、後半追込み型のプールや公園などの素敵な住宅地重視、バランスタイプなど、カードの出方次第ではありますが、都市計画のお題から方向性を決めたり、そんなのガン無視で自分の好きな街を作ったり色んな進め方、色んな街づくりが楽しめます。
制約が薄く、自由度が高いと言ってもシートが埋まってくるに従って、欲しい数字や街の要素はどんどんピンポイントになってくるので、苦しくはなってきますが、書けない状態で長引いたりするなど不満が溜まってくる前に終了条件を満たす調整がされてるように思います。
都市計画の達成タイミングなどインタラクションはごく一部にしかなく、システム的には基本的にソロプレイですが、見栄えするので他人の街を見たい、比べたいという1点のみ強インタラクションです。
一応、カードをドラフトするルールもありますが、このゲームらしい面白さは通常ルールの方だと思います。
R&Wマシン4号 7点
箱絵と中のシートがステキ
昇順にうめていくよくあるタイプのゲームなんだけど、住宅街を作ってる気分になる。
終わった後に他人のシートを見てそっちの得点ルート行ったんだ~みたいな感想戦もやりやすい
めくりが3枚ずつなのでめくり担当も怒られにくいのもグット!
なお上級ルールでドラフトするとお互いゴミカードを流し合う泥仕合となる模様(笑)
田中さん(仮) 7点
プールや公園を作るのは楽しい。何故数字を並べると住宅が建つのか。数字みたいな人が住んでると思うと面白い
鈴木さん 8点
共通目標と戦略の幅の多さが面白く、繰り返し遊びたくなる要素となっている。国内流通お願いします。
・ガンシュンクレバー メビウスゲームズの紹介サイト

シート種類:紙 (100枚)
最大人数:5人
ランダム要素:サイコロ
手番の概念:あり
R&WマシンH1号 6点
インタラクション:ダイスドラフト。カットはあまりする意味がなく基本的にはソロプレイなのだけど、手番プレイヤーが選ばなかったダイスを使用できるので、自分の番では強い出目を、他人の番では弱い出目を使うことになるというのは一つの指針となる。
シートにチェックをしていくコンボゲームで、そこの楽しさありきのパズル。正のフィードバックで満たされている。
R&WマシンH2号 7点
KDJノミネートおめでとうウォルーシュ。
マークをつけることによるコンボが爽快。
逆にコンボさせないと勝てないので有る程度集中させるべきか。
ボーナスの使用などのダウンタイムがあるので他に比べ時間がかかる。
R&WマシンH3号 7点
ダイスゲームの今時点の最終形じゃないかと思います。
コンボの概念で爽快感アップ、他人の出目を気にさせることで自手番以外もゲームに参加させる作り、間延びせずにさくっと終わるプレイ時間、制限やマイナスをプレイヤーにあまりかさないストレスレス設計です。
手番プレイヤーは通常3回サイコロを振って、3つのサイコロを選びますが、基本的に振り直しが無しであることと、選んだダイス目以下のダイスは手番外プレイヤーのモノになるというルールがあるので、できるだけダイスが減らない目を選びたくなることの2点があるので、比較的手番プレイヤーの選択はスピーディーですし、手番外プレイヤーが手番プレイヤーのサイコロを選べるようになるという特殊能力が回数制限付きながらあるので、ダウンタイムはほぼ感じません。
ダイスゲームというと、どれもいらない…、どれとっても苦しい…という場面が出てくることが多いですが、ガンシュンクレバーはあまりそういう印象がありません。得点要素の受けが広いかったり、どれも選べない(使えない)なら通常の選択範囲から広げて選んでよかったり、欲しいダイス目をプレイヤーの誰かが振ればそれを自分も取れる能力があったりなどなどの工夫がされているからだと思います。
さすがにダイス選択に制約が全くないという訳ではないですが、かなりピンポイントで欲しいダイス目があっても、おそらく必要な目が出る確率が1/6を下回ることはないんじゃないかと。大抵1/3くらいだと思います。
R&Wマシン4号 7点 ※ダイスだから1点足してます(笑)
いろいろ弄ったダイスゲーム。
どの記入ルートもよく考えられていて調整力の高さは感じる。
楽しいんだけど、楽しいんだけど、もう少しシンプルな方が好みかなー。
4人戦1回だけなので、2人戦をやってみたい。
1人でも出来るらしいけど、これ1人でやって楽しいのか?
田中さん(仮) 6点
ゲーム中サイコロを降る回数が少ないのがいい。
普段は他人を気にしないけど、これは他人が振ったサイコロも取れるので気になる。+1がもっと欲しい。
鈴木さん 6点
コンボを決めてウホウホするのが楽しい。ダウンタイムが少し気になる。
【シート記入型ゲームについての総括】
“ロール&ライト”、“シート記入型のゲーム”と括られはしますが、これは単にゲーム中のメモをとれるようにした、または、コンポーネントの節約した結果の形式で、それ自体が(例えばワーカープレイスメントのように)固有のシステムを指すわけではないので、面白さが担保されたり、好みなどと直結することはありません。
ということに気付いてなかったので、シート記入型ゲームクロスレビューなんて企画してしまったわけです。システムとして面白さが担保されてるわけじゃないと気付いた時には失敗したと思いましたが、まあ、楽しかったので良しとします(書いてませんが買って遊んで、うーん、ぼちぼち!なゲームが結構ありましたw)。
※ロール&ライトと書いてますが、ロールしないものもBGGには同カテゴリに登録されてたりします。シート記入型のゲームの総称でよいかと思います。ただ、見た目で誤解を与えてしまうので、以下では明らかにBGGのカテゴリを示す時以外はシート記入型で統一します。
メモ書き、コンポーネントの節約という話にちょっと触れておきます。ロール&ライトというジャンルがBGGに登録されたのは案外新しく、(色々物自体はあったのでしょうが)数が増えてくるのは、クウィックス以降です。それ以前だと、ヤッツィー、ダイスビンゴ、ロールスルージエイジズあたりくらいしかあがってません。
メモ書き、コンポーネントの節約というのは、例えばヤッツィーで、基本的にダイスがあればゲームはできます。できますが、全部覚えておくんかい!というわけで、シートにメモしたり、メモすることで役を作った際に受け取るタイルなどを節約できるというわけです。
シートへの書き込みルールでバリエーションや複雑さを作れるものの基本的にはシート記入型でないと実現できないというゲームはないはずです。
(基本的に“消す”というアクションが難しいので、もらったリソースを消費して、また増やすみたいなことはできず、不可逆的なゲームの方がシート記入型には向いてはいますが)
あとはコストバランスの問題なんじゃないかと僕は思ってます。複雑なコンポーネントを用意する時点でシートではなく普通にコンポーネントを用意すればいいんじゃない?となるんじゃないかと思いますが、そこらへんはようわかりません。どの程度売れるかとかもあるはずです。
カルバやテイクイットイージーだってタイルは1セットのみであとはシートに書き込ませても構わなかったはずです、(細かいところうろ覚えではありますが)ブルゴーニュもメインボード以外はシートで遊べるはずです(違ってたらすいません)。それでもそうはなっておらず、ちゃんとしたコンポーネントをつけて売られているわけです。
僕が考えるシート記入型ゲームの利点は、安く済むところとプレイヤー人数に制限をなくせるところです。
ガンシュンクレバーやアンコールなどは、とても面白いダイスゲームです。とても面白いものの仮にちゃんとしたボードを付けて、チェックする代わりに使うタイルやキューブなどをプレイ可能人数分付けてしまうと、結構なお値段になるはずです。僕はガンシュンクレバーの国内流通価格が1800円というのはとても安いと思いますが、その一方で4000円とかしたら面白さとのバランス的に微妙とも思います。
シート記入型にすることで、ボリュームや面白さにあったお値段で提供できるのは売る方にも買う方にもWin-Winなんじゃないかと。
もう1つのプレイヤー人数の制限をなくせるのはそのままで、全プレイヤーが共通で書き込んだり何かを配置するようなコンポーネントンのないゲームは何人ででも遊べます。ウェルカム・トゥ…は、プレイ可能人数100人となってます(これは購入時にシートが100枚入っているからだと思うので、その理屈だと遊ぶごとに最大プレイ人数が減っていってしまい、ちょっと面白いです。もちろんシートさえあれば何人ででも遊べると思います)。
ダイスの選択など、プレイヤーごとに時間が必要なゲームだと(理屈の上ではともかく)一定以上の人数で遊ぶのは厳しいとは思いますが。
これを書いている時点で自分以外のクロスレビューの結果を僕は知りませんが、得点やレビュー内容はおいといて、シート記入型ゲームの利点を活かしているという点で、今回のレビュー対象の中では、ウェルカム・トゥ…、エクストリームス、メトロックスの3つがシート記入型ゲーム大賞だと思います(利点活かしていても面白くなかったら意味がないんですが、少なくとも僕はこの3つのゲーム内容については高評価です)。
※前述の通り、シート記入型は何らかのシステムではないですし、基本的にどのようなゲームでもシート記入型にできるので、その利点を活かしてないといってゲームが面白くないということではありません。
シート記入型ゲームだからこそ実現できるゲームは確かにあります(アンコールなどにしてもまともにコンポーネント用意しないとダメだったら発売されてないと思う)。しかしそれは、お金の問題というゲーム自体の面白さとは無関係だったりします。
プレイ人数無限というのは面白さに寄与していますが、もうちょっとゲーマー好みのシステム的な面白さのある、シート記入型だからこそ生まれたシステムであり面白さを持ったゲームがいつか登場しないかなーと思ってますし、それがいつか登場するのがちょっと楽しみです。
蛇足。今は売られていない昔のシート記入型ゲームをレビューのために遊ぼうと、とあるボードゲームカフェ/スペースに遊びに行きました(ボドゲーマさんは、カフェ/スペースから置かれているゲームを、またはゲームから置かれているカフェ/スペースが検索できるので便利です!)。
そしたら、箱には使用済のシートとサイコロとルールだけが入っていて、未使用のシートが入ってないゲームが有りましたw。
まあ、そりゃあそうですよねというしかないんですが、カフェ/スペースの中の方、使う方、ご注意くださいませ。
ちょうどKDJの候補にガンシュンクレバーというRoll’n Writeのゲームが選ばれたりこないだ遊んで面白かったウェルカム・トゥなどもついでだーと混ぜております。
概要とか書いてたんですが、手っ取り早くレビュー結果が見たかろうということで、記事の流れは、クロスレビュー対象ゲーム名羅列、クロスレビュー結果、対象ゲーム紹介&各レビュアーの評価全文、僕のロール&ライトゲーム全般に対する感想となっております。
【クロスレビュー対象ゲーム】
●ゲームマーケット2018春&大阪新作枠

・アルペンツィアン
・エクストリームス
・ダイスワイドシャット
・バスルートをつくろう
・メトロックス
●海外産ゲーム枠
・ウェルカム・トゥ…
・ガンシュンクレバー
※デザイナーやサークル/パブリッシャー書こうか迷いましたが、いつも書いてないので割愛します。
【クロスレビュー】

(クリックすると大きくなります)
※ゲームは1~10点で評価。基本的にはBGGの評価基準準拠。ざっくりと書くと、
~4点:つまらない
5/6点:普通。誘われればやる/誘われなくてもやる
7点:面白い
8点~:とても面白い
※未評価のゲームはそのレビュアーが未プレイのゲームです。
※匿名ですが中身は全て別の人です(H○号みたいなひとも僕の人格1,2,3じゃないです)。
【ゲーム概要&レビュー全文】
以下、ゲームごとにゲーム概要&レビューコメント全文です。概要はシート記入型ゲームとしての概要でゲームルールなどについては公式サイトなどをリンクしますので、そちらをご覧ください。インタラクションの有無などはH1号氏がレビュー内に書いてくださっています。
※R&WマシンH1号のレビュー前文
ロール&ライトには、ダイスゲームとしての面白さと個別のシートに記入する面白さがある。となると必然運要素が強め、ソロプレイ感強めとなり、ゲームジャンルとしては僕の好みからはズレてくる。本レビューにおいてはロール&ライトの面白さはもちろん、インタラクションをどのように持たせているかに注目したい。なおリメイク作品が含まれるが今回は元ゲームとの比較は行わない。
●ゲームマーケット2018春&大阪新作枠
・アルペンツィアン 公式サイト

シート種類:紙(5種類×15枚) ※別売りでホワイトボードマーカー対応のボードあり。また、後日公式サイトから用紙データがDL可能になるとのこと。
最大人数:5人
ランダム要素:ダイス
手番の概念:あり
R&WマシンH1号 6点
インタラクション:ダイスドラフト及び各要素のマジョリティ争い。とはいえ、基本的には自分のやりたいことをやるべきゲームで、その時の選択肢で都合のいいものを選ぶことになる。終盤は多少絡みが出てくる。
線路を敷いたり、家と羊をペアにしたり、システムとして新しいところはないが、安定感のある面白さで絵を描くところも含めてプリミティブな楽しさがある。
R&WマシンH2号 5点
他人のボードも見つつ、ダイスを選択していくのは面白い。
微妙なお絵かき要素が好き。
R&WマシンH3号 7点
得点要素が複数あり、あの目はここに書こう、この目はこちらとダイス目の種類に応じて高得点になるよう考えるのが楽しい。シートへの記述も文字を書いたり、チェックを入れたりではなく(簡単ながら)絵を描くので、やはりこれまた楽しい。「煙突付の家の隣におっきな羊が~♪」とか言いながら遊べる。
ただ、ダイスのドラフト&書き込みエリアの先取りはインタラクションではあるけども、ダイス運の方がでかすぎて、自分の思い通りになりやすいラウンドとなりにくいラウンドを段階的に作ってる(手番が早い方が有利)だけな印象で、ドラフト&先取りと聞いて想像するような絞りあい要素は薄く感じました。けど、ゲーム性とはあってると思います。ダイス目でやったー/出てないじゃーんと盛り上がり、ドラフトで取らないで!/欲しいの残ったーと盛り上がります。
振り直し無し、(欲しい目やエリアは限定的なので素早く)ドラフトでダイス決定というシステムは、ダウンタイムもほぼなく、スピード感があって良かった。
かるーいけれど、得点要素の多用さ、ドラフト&先取りとゲームやってる感ありつつ、ダレルこともない。もう少しゲーマー向け寄りが好みではあるけど良いゲームだと思います。
R&Wマシン4号 未プレイ
田中さん(仮) 6点
かわいい。お絵かき楽しい。線路は無視したかったのにそれしか選べない時が何度かあるのが嫌だった。
鈴木さん 5点
どんどんダイスのピックが苦しくなるところで好みが分かれそう。個人的にはこの苦しさはあまり好みではない。
・エクストリームス ゲームマーケット紹介ページ

シート種類:紙(100枚) シート単体での販売あり
最大人数:無制限
ランダム要素:タイル
手番の概念 無し
R&WマシンH1号 7点
インタラクション:なし。完全にスコアアタックである。人の得点を見て、ビハインドならリスクを負って逆転を目指すといったことはできるけれどもシステム的にはソロプレイ。
ランダマイザとしてダイスではなく、タイルドローを採用しているため、ゲームが進むにつれ、何が残っているか待ちが広いのはどこか等理屈が通用するようになってくる。システムとして終盤に向かって盛り上がるようになっている。
R&WマシンH2号 6点
ストリームスが帰ってきた。ラウンド制が追加され逆転も可能に。
正当進化といったところで面白さも継続。
R&WマシンH3号 7点
3マスから1マスずつ7マスまで増えて5ラウンドを行うA面と25マスと長いB面でストリームスを行うゲーム。ランダムに引かれる数字を昇順に並べるだけではあるものの、特にA面は連続するマス数が1マス違うことよる得点差が大きく常に逆転性をはらんだままゲームが進行するのですごいスリリングです。
(ストリームスの時から言われてましたが)エクストリームスはマス数の少ないA面、多いB面問わず、プレイヤー間で配置が似通ったり、時には全く同じになったりするゲームです。この複数人で同じ(ような)状況になるのが、数字タイルが引かれる前後の共感につながっていて、遊んでいてすごく楽しいです。チームプレイ的な楽しさというか、嬉しさ、喜びを共有できる楽しさが大きく、反対にすごく喜んでいる人がいるからこそ、欲しいタイルがこなかった時の落胆も大きくなるんですが、そこにも同じく落胆している仲間がいるわけです。
個人プレーなんだけど、プレイヤー間で似通う部分が出てくる(数字の並びだけで複雑さがないのがまた効いてると思います)おかげで、悲しみは半分に喜びは2倍にが味わえる良いパーティーゲームです。
少人数でも楽しいですけど、人数を縛るようなコンポーネントの制約はないですし、大人数で遊ぶのが良いと思います。
ただ、他のゲームと一緒に持ち運ぶと周りのゲームを傷つけそうで怖いので木箱(しかも角が尖っている)はやめて欲しかった。僕は木箱は家においてシートとタイルだけ持ち運んでます。
R&Wマシン4号 6点
いまある意味話題のゲーム。表面で練習して裏面で本番
ここまで番号(前作はカード)を引く人が怒られるゲームはなかなかない。
確率論が得意な人とプレイするとものすごく楽しいです。
※だいたいその人の言うとおりにならない
田中さん(仮) 6点
楽しいけど地味。A面の1,2回目意味ない。B面を沢山の人でやりたい。
鈴木さん 7点
A面、B面の2部構成となっており、A面の状況により、B面の戦い方を変えられるのが好み。
・ダイスワイドシャット ゲームマーケット紹介ページ

シート種類:ボード ※ホワイトボードマーカーで書くあれ
最大人数:5人
ランダム要素:サイコロ
手番の概念:あり
R&WマシンH1号 5点
インタラクション:ダイスドラフト。他人が取りたいものというのが明確であるため、邪魔が容易で、インタラクションは強め。
シートへのチェックの縛りが緩く、もうちょっと個人シートへ記入する楽しさがほしい。
R&WマシンH2号 6点
ダイスドラフトで他人のボードが気になる系。後半の緊張感が良い。
映画オマージュも好き。
R&WマシンH3号 6点
振ったダイスを2個ずつ取って手元のボードにチェックを入れる。縦にチェックが並べば高得点、ただし横にそろってしまうとチェックが分断されて点数が下がるという仕組みのゲーム。
振ったプレイヤーから順にドラフトで2つずつ(1つの場合もある)ダイスを取っていく&色の縛りもあるゲームで、そこがプレイヤー間のインタラクションになってるわけですが、要素は赤青2色のみ&得点ルールもシンプルということで、あの人、これがくると困る、あいつはこれが欲しいはずがわかりやすく、また起こりやすくなっているように思います。
横一列揃うと起こる断絶(ダイスがワイドにそろうとシャットされるってことですよね?)もあからさまに点数下がる(というか、減点要素はこれだけ)のでくらいたくないという気持ちが強く、横にそろいそうになるとダイスが振られるたびにドキドキします(楽しいです)。
ただ、それはチェックが増えてきてからの話で、だいたいは速攻で終了条件を満たして終わらせてしまうプレイヤーがいる(というか、長引かせる必要性があることがあまりない)ので、断絶ドキドキするーというところにいかずに終わってしまうのが残念です。終了条件がもう少しチェックが多くなるようなものの方が僕の好みでした。
R&Wマシン4号 7点 ※ダイスだから1点足してます(笑)
ダイス系のシート記入ゲームとしてはシンプルな方で初心者向き。
断絶のルールはプレイしてみるとあまり発生せず、機能していない様に感じる。
青列速攻埋めプレイばかりやっているので今度は赤列を攻めてみたい。
田中さん(仮) 5点
映画オマージュなのはわかるけど箱のウサギがキモい。特にトム・クルーズの方のウサギ。
ゲームは淡々としてて普通。
鈴木さん 6点
ダイスピックでシートへの記入の選択肢がそれなりにあり遊びやすい。ピックが苦しいというより、どの選択がより効率良いかを考えるところが好み。
・バスルートをつくろう 公式サイト

シート種類:ボード ※ホワイトボードマーカーで書くあれ
最大人数:5人
ランダム要素:カード
手番の概念:あり(ほぼ同時進行)
R&WマシンH1号 5点
インタラクション:先取性のあるルート構築及び課題達成。後から進入するとペナルティがあるのだけれど、偶発的なインタラクションであり、特に駆け引きを発生させるものではない。
ランダマイザとしてダイスではなく、引き切りのカードデッキを使用しているため終盤は読みが利くように出来ているはずなのだけど、あまり引き待ちができるシステムではないので論理的に立ち回るというのは難しい。長期的な戦略として目的カードがあり、短期的な戦略として待ちを広く取る、中期的な戦略として各要素を取っていく、というデザイン意図はわかるのだけれど、やれと言われていることに対して、引きの比重が大きくアンコントローラブルな印象。ただ一方で遊べば遊ぶほど上手くなっていく実感もある。このゲームに対してどのように取り組むべきか測りかねている。
R&WマシンH2号 4点
ボーナス点数が大きいので最初の方で大体のルートを決めたらそれに従い進むしかないような。
他人とルートがかぶっても点数が大きければ行かざるを得ないといった感じであまり効いてない。
なんか淡々としてしまう。
R&WマシンH3号 5点
京都観光楽しい!というのがこのゲームの全てな気がします。京都観光は3,4回いったことがある程度ですが、それでも、お寺や神社、大学などゲームに登場するランドマークは覚えてますし、あー、懐かしいという気にもなります。そこは楽しいです。
システム的には勝負ごとの面白さに寄与するようなものはなく、その場その場でパーティーゲーム的に盛り上がるもののみです(ガチにならずに盛り上がれるという方向で評価すべきなのかもしれませんが)。
例えば、同じ道を後から通ったプレイヤーは減点されるなど、共通ボード上でインタラクションがあるようになってますが、プレイヤーにはどうすることもできず運ゲーです(先得要素があるのにプレイヤーの意思が介在せずに移動力の差がランダムにうまれる時点でガチゲーなわけはないんですけど)。いや、それくらいのインタラクションの方が良いという人もたくさんいるということはわかってるんですが。
とはいえ、インタラクションは、プレイヤーの選択の結果生まれるようにして欲しいです。曲がる方向を決めたり、(減点されますが)経路変更をする余地はプレイヤーにあると言っても僕には裁量がなさすぎるように感じられました。
得点要素は複数あるものの差別化ができているようには思えず、結局なんでもいいからたくさんアイコン集めればいいじゃんと思ってしまいました。確かに、こうしたい、ああしたいを考えれば考えるほど楽しいゲームというのはわかります。あと1人通勤客拾って駅に行きたいなとか、こっちにいけば観光客ひろえるぞとか。最初に遊んだ時はそのように遊んで楽しかったんですが、どうも一度冷めるとそうは遊べませんでした。
これまで凝ったシステムのゲームを作られているサークルだったこと、今回比較対象とした同時期のシート記入型ゲームがシステム的にも見るべき点があるゲームばかりだったことなどのせいか、単純にワイワイキャーキャー楽しむゲームならそう楽しめばいいのにそうできなかった僕が悪いです。
R&Wマシン4号 5点
盤面がキレイ、みんなで共通のボードを使用するので書いてて楽しい。
反面、ゲームで使用するカードが共通なので、途中で脱落事故がおきたり
目的地到達やボーナス点獲得が無理とわかっちゃうのは記入ゲームとしてどうなのかなー。
最後まで僅かながらでいいから達成の可能性を残して欲しかった。
田中さん(仮) 7点
京都懐かしくてキャーキャーいってしまった。ボードもかわいいし、ペンの色がカラフルなのもいい。
おじいちゃんと学生は降ろさなくていいのか気になる。
鈴木さん 6点
共通目標、渋滞の仕組みによるインタラクションがあり面白い。人数が少ないといまいちかもしれない。
・メトロックス 公式サイト

シート種類:紙 (2種類×100枚)
最大人数:6人 (実質的には無制限)
ランダム要素:カード
手番の概念:無し
R&WマシンH1号 6点
インタラクション:先取性のある課題達成。とはいえ、狙ってできるものではなく基本的にはソロプレイ。
ランダマイザとしてダイスではなくカードデッキを使用しているが、さらにランダムでシャッフルが入るという読みが"ある程度"利くという調整。パズルであるからして毎回同じ展開では飽きてしまう。引き切りのカードデッキにして終盤カツカツな運のマネジメントを求めるのも結構だが、本作はより揺れを重視している。強いカードがたくさん出ることもあればさっぱり出ないこともある。この絶妙なバランス感覚がゲームを面白くしている。
R&WマシンH2号 7点
さすがのOKAZU BRAND。
共通マスの扱いや早埋め要素など色々悩みどころが多い。
R&WマシンH3号 8点
面白いです。
めっちゃくちゃ運がよくないと全路線でゴールするのは無理!と最初につきつけられる、または序盤にわかるので、逆に、どこで得点しようか?とふっきった形で悩めるのは良いと思いますし、無理めな難しさがあるからこそ、点数の高い低いに関わらず、自分なりにうまくやったぞ!という達成感が得られるのも良いです。
各路線のゴール点と、路線が交差してる駅に星の効果を使って得られる交差点という2つの得点要素が進むことで得られる点と、止まっている(都合の良い交差点まで進めて星が出てくるまで待つ)ことで得られる点という相反してるのも悩ましくて当然で、どちらも高得点を取りたいと思ってプレイするので、あれ?これ止めてたのについ先に進めちゃったとか、進みたいけど止まりたいーと謎の煩悶が楽しめます。
ただし、頭を使う個所になる部分のルールは聞くだけだとややこしく、インスト難易度は高いです。初回で誤解なくプレイできるようルールを説明したり、聞き取ったりするのはかなり大変だと思います。でも、東京マップと大阪マップが入っていてプレイ時間も短いので、2戦1セットにすれば問題ないですね!
R&Wマシン4号 6点
ゲームとしての完成度はピカイチ、8点だしてもヨイくらい。
プレイ人数ほぼ制限なし、カードめくりにひねりの効いたルール。
エクストリームスと同じくカードめくりする人が怒られます。
ただし肝心の記入シートが小さすぎて辛い。ひたすら辛い。ここが減点。
初回は記入間違いが発生しがち。1回目は練習と割り切りましょう。
田中さん(仮) 7点
必死に説明してもらったけどルールがわかりにくかった。最後、はじめのとこに空白があったのでやっぱり間違ってたらしい。
レビュー対象の中ではゲームぽい面白さは一番かな。箱もかわいい。
鈴木さん 6点
あっちを狙えば、こっちを諦めなければならないという悩ましいかんじが面白い。誰かがゴールしたら「自分もゴールさせる〜」というカルバ的なアレがあります。
●海外産ゲーム枠
・ウェルカム・トゥ 公式がフランス語なので当ブログ記事

シート種類 紙 (100枚)
最大人数:無制限 (ドラフトルールを入れる場合はカード枚数的に上限あり)
ランダム要素:カード
手番の概念:無し
R&WマシンH1号 7点
インタラクション:先取性のある課題達成及び終了フラグ。他人の進捗を確認しつつ、チェックしていく必要がある。長期的にみて効率のいいチェックをするかそれとも即物的なチェックをするか。
ランダマイザとしてダイスではなく、カードデッキを使用しているのだけれど、本作は山札が三つあり、常に3択が確保されているというところで個々のプレイに揺れを持たせている。
数字を書いていくだけではなく、数字の連なりを柵で区切ることで得点化されるというところや区切った部分の得点を加算するアクションなど、パラメータマネジメントのような面白さがある。
インタラクション、パラメータ操作の楽しさ、適度な選択肢、頭一つ抜けている印象。
R&WマシンH2号 7点
毎回3つの選択肢がありそれぞれ違う町になるのが面白い。
おすすめ。
R&WマシンH3号 9点
おしゃれで1点追加。
基本的にはストリームスをしながら街づくりというゲームで、毎ラウンドの書く数字は全プレイヤーが同じ3つの候補から1つを選ぶという形だったり、ストリームスをやる(数字順に書く)ラインが3本あったりと自由度がめっちゃ高いです。
街づくりも制約(例えばXXの隣は〇〇でないとダメとか)はほぼなく、「とにかく数字を昇順に並べてくれ、あとは任せた!」みたいな作りです。
それが楽しいのかというと、これが楽しい。
前半逃げ切り型の都市計画重視、後半追込み型のプールや公園などの素敵な住宅地重視、バランスタイプなど、カードの出方次第ではありますが、都市計画のお題から方向性を決めたり、そんなのガン無視で自分の好きな街を作ったり色んな進め方、色んな街づくりが楽しめます。
制約が薄く、自由度が高いと言ってもシートが埋まってくるに従って、欲しい数字や街の要素はどんどんピンポイントになってくるので、苦しくはなってきますが、書けない状態で長引いたりするなど不満が溜まってくる前に終了条件を満たす調整がされてるように思います。
都市計画の達成タイミングなどインタラクションはごく一部にしかなく、システム的には基本的にソロプレイですが、見栄えするので他人の街を見たい、比べたいという1点のみ強インタラクションです。
一応、カードをドラフトするルールもありますが、このゲームらしい面白さは通常ルールの方だと思います。
R&Wマシン4号 7点
箱絵と中のシートがステキ
昇順にうめていくよくあるタイプのゲームなんだけど、住宅街を作ってる気分になる。
終わった後に他人のシートを見てそっちの得点ルート行ったんだ~みたいな感想戦もやりやすい
めくりが3枚ずつなのでめくり担当も怒られにくいのもグット!
なお上級ルールでドラフトするとお互いゴミカードを流し合う泥仕合となる模様(笑)
田中さん(仮) 7点
プールや公園を作るのは楽しい。何故数字を並べると住宅が建つのか。数字みたいな人が住んでると思うと面白い
鈴木さん 8点
共通目標と戦略の幅の多さが面白く、繰り返し遊びたくなる要素となっている。国内流通お願いします。
・ガンシュンクレバー メビウスゲームズの紹介サイト

シート種類:紙 (100枚)
最大人数:5人
ランダム要素:サイコロ
手番の概念:あり
R&WマシンH1号 6点
インタラクション:ダイスドラフト。カットはあまりする意味がなく基本的にはソロプレイなのだけど、手番プレイヤーが選ばなかったダイスを使用できるので、自分の番では強い出目を、他人の番では弱い出目を使うことになるというのは一つの指針となる。
シートにチェックをしていくコンボゲームで、そこの楽しさありきのパズル。正のフィードバックで満たされている。
R&WマシンH2号 7点
KDJノミネートおめでとうウォルーシュ。
マークをつけることによるコンボが爽快。
逆にコンボさせないと勝てないので有る程度集中させるべきか。
ボーナスの使用などのダウンタイムがあるので他に比べ時間がかかる。
R&WマシンH3号 7点
ダイスゲームの今時点の最終形じゃないかと思います。
コンボの概念で爽快感アップ、他人の出目を気にさせることで自手番以外もゲームに参加させる作り、間延びせずにさくっと終わるプレイ時間、制限やマイナスをプレイヤーにあまりかさないストレスレス設計です。
手番プレイヤーは通常3回サイコロを振って、3つのサイコロを選びますが、基本的に振り直しが無しであることと、選んだダイス目以下のダイスは手番外プレイヤーのモノになるというルールがあるので、できるだけダイスが減らない目を選びたくなることの2点があるので、比較的手番プレイヤーの選択はスピーディーですし、手番外プレイヤーが手番プレイヤーのサイコロを選べるようになるという特殊能力が回数制限付きながらあるので、ダウンタイムはほぼ感じません。
ダイスゲームというと、どれもいらない…、どれとっても苦しい…という場面が出てくることが多いですが、ガンシュンクレバーはあまりそういう印象がありません。得点要素の受けが広いかったり、どれも選べない(使えない)なら通常の選択範囲から広げて選んでよかったり、欲しいダイス目をプレイヤーの誰かが振ればそれを自分も取れる能力があったりなどなどの工夫がされているからだと思います。
さすがにダイス選択に制約が全くないという訳ではないですが、かなりピンポイントで欲しいダイス目があっても、おそらく必要な目が出る確率が1/6を下回ることはないんじゃないかと。大抵1/3くらいだと思います。
R&Wマシン4号 7点 ※ダイスだから1点足してます(笑)
いろいろ弄ったダイスゲーム。
どの記入ルートもよく考えられていて調整力の高さは感じる。
楽しいんだけど、楽しいんだけど、もう少しシンプルな方が好みかなー。
4人戦1回だけなので、2人戦をやってみたい。
1人でも出来るらしいけど、これ1人でやって楽しいのか?
田中さん(仮) 6点
ゲーム中サイコロを降る回数が少ないのがいい。
普段は他人を気にしないけど、これは他人が振ったサイコロも取れるので気になる。+1がもっと欲しい。
鈴木さん 6点
コンボを決めてウホウホするのが楽しい。ダウンタイムが少し気になる。
【シート記入型ゲームについての総括】
“ロール&ライト”、“シート記入型のゲーム”と括られはしますが、これは単にゲーム中のメモをとれるようにした、または、コンポーネントの節約した結果の形式で、それ自体が(例えばワーカープレイスメントのように)固有のシステムを指すわけではないので、面白さが担保されたり、好みなどと直結することはありません。
ということに気付いてなかったので、シート記入型ゲームクロスレビューなんて企画してしまったわけです。システムとして面白さが担保されてるわけじゃないと気付いた時には失敗したと思いましたが、まあ、楽しかったので良しとします(書いてませんが買って遊んで、うーん、ぼちぼち!なゲームが結構ありましたw)。
※ロール&ライトと書いてますが、ロールしないものもBGGには同カテゴリに登録されてたりします。シート記入型のゲームの総称でよいかと思います。ただ、見た目で誤解を与えてしまうので、以下では明らかにBGGのカテゴリを示す時以外はシート記入型で統一します。
メモ書き、コンポーネントの節約という話にちょっと触れておきます。ロール&ライトというジャンルがBGGに登録されたのは案外新しく、(色々物自体はあったのでしょうが)数が増えてくるのは、クウィックス以降です。それ以前だと、ヤッツィー、ダイスビンゴ、ロールスルージエイジズあたりくらいしかあがってません。
メモ書き、コンポーネントの節約というのは、例えばヤッツィーで、基本的にダイスがあればゲームはできます。できますが、全部覚えておくんかい!というわけで、シートにメモしたり、メモすることで役を作った際に受け取るタイルなどを節約できるというわけです。
シートへの書き込みルールでバリエーションや複雑さを作れるものの基本的にはシート記入型でないと実現できないというゲームはないはずです。
(基本的に“消す”というアクションが難しいので、もらったリソースを消費して、また増やすみたいなことはできず、不可逆的なゲームの方がシート記入型には向いてはいますが)
あとはコストバランスの問題なんじゃないかと僕は思ってます。複雑なコンポーネントを用意する時点でシートではなく普通にコンポーネントを用意すればいいんじゃない?となるんじゃないかと思いますが、そこらへんはようわかりません。どの程度売れるかとかもあるはずです。
カルバやテイクイットイージーだってタイルは1セットのみであとはシートに書き込ませても構わなかったはずです、(細かいところうろ覚えではありますが)ブルゴーニュもメインボード以外はシートで遊べるはずです(違ってたらすいません)。それでもそうはなっておらず、ちゃんとしたコンポーネントをつけて売られているわけです。
僕が考えるシート記入型ゲームの利点は、安く済むところとプレイヤー人数に制限をなくせるところです。
ガンシュンクレバーやアンコールなどは、とても面白いダイスゲームです。とても面白いものの仮にちゃんとしたボードを付けて、チェックする代わりに使うタイルやキューブなどをプレイ可能人数分付けてしまうと、結構なお値段になるはずです。僕はガンシュンクレバーの国内流通価格が1800円というのはとても安いと思いますが、その一方で4000円とかしたら面白さとのバランス的に微妙とも思います。
シート記入型にすることで、ボリュームや面白さにあったお値段で提供できるのは売る方にも買う方にもWin-Winなんじゃないかと。
もう1つのプレイヤー人数の制限をなくせるのはそのままで、全プレイヤーが共通で書き込んだり何かを配置するようなコンポーネントンのないゲームは何人ででも遊べます。ウェルカム・トゥ…は、プレイ可能人数100人となってます(これは購入時にシートが100枚入っているからだと思うので、その理屈だと遊ぶごとに最大プレイ人数が減っていってしまい、ちょっと面白いです。もちろんシートさえあれば何人ででも遊べると思います)。
ダイスの選択など、プレイヤーごとに時間が必要なゲームだと(理屈の上ではともかく)一定以上の人数で遊ぶのは厳しいとは思いますが。
これを書いている時点で自分以外のクロスレビューの結果を僕は知りませんが、得点やレビュー内容はおいといて、シート記入型ゲームの利点を活かしているという点で、今回のレビュー対象の中では、ウェルカム・トゥ…、エクストリームス、メトロックスの3つがシート記入型ゲーム大賞だと思います(利点活かしていても面白くなかったら意味がないんですが、少なくとも僕はこの3つのゲーム内容については高評価です)。
※前述の通り、シート記入型は何らかのシステムではないですし、基本的にどのようなゲームでもシート記入型にできるので、その利点を活かしてないといってゲームが面白くないということではありません。
シート記入型ゲームだからこそ実現できるゲームは確かにあります(アンコールなどにしてもまともにコンポーネント用意しないとダメだったら発売されてないと思う)。しかしそれは、お金の問題というゲーム自体の面白さとは無関係だったりします。
プレイ人数無限というのは面白さに寄与していますが、もうちょっとゲーマー好みのシステム的な面白さのある、シート記入型だからこそ生まれたシステムであり面白さを持ったゲームがいつか登場しないかなーと思ってますし、それがいつか登場するのがちょっと楽しみです。
蛇足。今は売られていない昔のシート記入型ゲームをレビューのために遊ぼうと、とあるボードゲームカフェ/スペースに遊びに行きました(ボドゲーマさんは、カフェ/スペースから置かれているゲームを、またはゲームから置かれているカフェ/スペースが検索できるので便利です!)。
そしたら、箱には使用済のシートとサイコロとルールだけが入っていて、未使用のシートが入ってないゲームが有りましたw。
まあ、そりゃあそうですよねというしかないんですが、カフェ/スペースの中の方、使う方、ご注意くださいませ。
2017年に遊んだひと言書いておきたいゲーム
あけましておめでとうございます。本年もマイペースでブログを書いていきたいと思います。
2017年遊んで面白かったゲーム10選は2017年末の記事に書いたんですが、このゲーム、ブログ書きたいなーと思いながらも書けなかったゲームがいくつかあるので、いつものようには書けないんですがまとめて書いてみます。
・タバルア/Tavarua

サーフィンがテーマのゲーム。ロングボード2回、ショートボードで2回の計4回分、波に乗って合計点を競います。
毎ラウンド公開されるカードに設定された目標値以内の数字を手札からだせれば波乗り成功、失敗すればボードから落ちて岸まで戻るという、システム的には運試しを延々とやるだけなんですが、テーマの乗せ方がうまくて、数字の書いてあるカードをプレイしているだけなのに、うまく波に乗ってる感がありますw。
サーフィンのことなんてロクに知らないんですが、カードに書かれた絵と技の名前から、数字が大きい方がすごい技だとなんとなーくわかるので、小さい数字で安全策を取ってからの、大技!みたいなのが味わえます。サーフィンの先に立って両足の指でボードをつかむ『ハングテン』という技があり、このゲームでも目標値ぴったりだとハングテン!が決まってボーナスがもらえるのですが、これもまた気持ちいいです。
波の大きさはダイスで決まります。沖に出て大きい波を待っている時など気分は(気分だけは)最高にサーファーしてます。

(ボードに腹ばいになって沖に向かう3人と、同じ波に乗って競いあう2人!この臨場感!)

(波を読んで、3人がハングテン!)

(ロングボードの部、ショートボードの部、総合の部、それぞれの1位にトロフィーが送られます。このトロフィーはゲームの終了後、勝者が決まったら勝者に送られます(ゲーム中は使いません。ボードも10種類もついてきていてコンポーネントも気分を盛り上げます)
大変盛り上がるゲームだと思うのですが、残念なのは内容に対してプレイ時間が長いこと。ロングボード2本、ショートボード2本と計4本分の点数を記録する必要があるので仕方ないとは言え、運試しを2時間弱というのはちょっと長かったです。
(盛り上がって無駄に写真撮ってる時間も含んではいますが)
・パンデミックレガシー シーズン1/Pandemic: Legacy Season 1

BGG1位になってたりもしましたが、ゲームとしての面白さは正直普通で、色々趣向はこらされるもののパンデミックはパンデミックだなあという感じでした。普通のパンデミックと同じようにどのカードをどのように使うのかを、エピデミックやアウトブレイクに怯えながらやるのは楽しいですし、手札が全て公開なのでよりそういったやり取りは面白くなってはいます。
とはいえ、主に面白かったのは12ヶ月分続けることによる話の盛り上がりやキャラクターの中に生まれるドラマの方です。レガシーシステムあるなし関係なく、同じゲームは何回も遊んだ方がやっぱいいですね。
何故か、よくウイルスがたまる都市や、中継地点としてよく使って愛着のわく都市など、仲間うちで盛り上がれる話が蓄積されていくのもよいかなと。
レガシー2ももう始めてますし、今年はレガシー以外にもキャンペーンゲームをやっていきたいです。
写真は1月開始時点のもので、ウイルスを積むか、積まないかという話になった時に撮ったものです。
僕が一番遊んだ2008年発売の初版だとウイルスが大きめの木製キューブ、かつ、都市間が狭かったので、縦に積んでたんですが、2013年に出た2版(副題に新たなる試練てついてる方)だと若干丸みのあるプラスチックキューブになったり、都市間も広がったりで、縦に積むメリットないんですね。
・18TK/18tk

関東が舞台になった18XX。馴染みのある地名なので、つい普段使っている路線の株を買ったり、線路を敷きたくなります。
18XXとして評判もよく、実際ゲームとしての面白さは十分あるのでおいといて、よく知ってる地域だからこその思い込みのせいもあるかと思いますが、案外、都市が成長するタイルが少なく、のんびりしてると他所に使われて、あと1枚しか無い/なくなったとかになって、えええーとなるのも面白かったです。
僕は東急の社長プレイヤーで、現実だと副都心線と接続したことで列車の遅延が増えたり、渋谷駅のホームが地上2階から地下5階まで降ろされたりと良い印象がなかったため、絶対に渋谷から先には行かない!横浜-渋谷間でやりくりします!と社長株購入時に宣言したものの、前述のタイルが少ない問題にひっかかり、横浜が発展しなかったため東急は渋谷から新宿、最終的に八王子を通る路線になってました。
すいません!東横線ユーザーのみなさん!本当にすいません!
・客家円楼/Round House

円状の家の中を時計回りに移動しつつ、各部屋に設定されたアクションを行うワーカープレイスメントゲーム。
色々工夫のあるゲームで楽しいのですが、特に良かったのはアクションの絞り合いのところ。
3人、または4人プレイだと各プレイヤーがワーカーを2つずつ持って手番には好きな方を進めることができます(5人だとワーカーは1つずつ)。自分の他人の問わずワーカーが既にある部屋にはワーカーを置けずそのアクションが実行できないので、他人のワーカーが通り過ぎるのを待ってから自分のワーカーを移動、後ろから来た自分のもう1つのワーカーで再度踏んで他人に特定のアクションをさせないということができます。
得点要素は複数要素あって、各要素に複数手段で絡めるのですが、そのメインどころを自分のワーカー1つ潰して封殺、使えるワーカーが1つしかないので自分も選択肢減って苦しい苦しいとやってると、他人を苦しめてるんだか自分を苦しめてるんだかわからないところが最高でした。
他人のワーカーを押し出す手段がないのでそれまで伸ばしてきてた得点手段につながるアクションを抑えられると、ちょっとーー!となるので喧嘩にならない仲の人相手にするのが良いと思います。
・アーグラ/Agra

ワーカーおいてアクション選択する資源とって変換して上納するゲーム。他人にワーカーを押し出されるとたまるパワーや、押し出されてないワーカーを倒してためるパワー、カレー食べると使えるパワーとかでワーカー配置のアクションにありとあらゆるフリーアクションを追加してひたすら手を前に前に進めます。
フリーアクションがめっちゃ多彩な上、後半はパワーも溜まりやすくてめっちゃたくさんフリーアクションできるので、出来ないことなどないんじゃないのかと思ってしまうくらいフリーアクションでなんとかできます。今やりたいことを実現するにはどうフリーアクション+メインアクションを組み合わせるのがいいのかをあーだこーだと考えるのは楽しいだろう?好きだろう?というゲームで、いや実際楽しいのだけど、いくらなんでも自由すぎるので好み的にはもう少ししめるところしめて欲しかったです(楽しいのは否定しませんが)。
このゲームですげえと思ったのはインタラクションがあるようでいて、その実、まったくないんじゃないのかというところ。主な得点要素のギルドや王様への納品は明らかに他人と絡まない方が点数効率が良く、しかも最大4人プレイで選択肢は4つあるのでみんな別の選択肢を選ぶだろうし、他人に追い出されるとフリーアクションで使えるパワー貯まる(追い出すとパワーを与えてしまう)という仕掛けも追い出されてないワーカーからも別のパワー湧くからと、追い出しても追い出さなくても(別物とは言え)結局パワーたまるのか!とびっくりするしで、ハンスとかのデベロップされてるなあビシッとまとまってるなあという優等生ゲームと比べると超奔放。2017年の奔放ゲーム大賞。
このゲームの出版社であるQuinedGamesやWhiteGoblinGamesなどは、その野放図さ、自由奔放さが魅力なのかもしれませんが、好みとしてはこの面白さをこの仕組みで届けるという狙いをはっきりさせているものの方が好きです。
・タイムライン(各種)/Timeline

色々な出来事(ある国の歴史だったり、雑学だったり)のかかれたカードを起きた年順に並べるゲーム。
どうせクイズゲームでしょくらいに思ってたんですが、(実際その要素もありますが)それ以上に各国テーマのタイムラインだと、どの出来事が選ばれているのか、そもそも何故、そのテーマでタイムラインが作られているのかなど色々興味深いですし、遊ぶ時も、知らない出来事でも知っている知識と絵柄から推察するのが楽しく、2017年にメタ的にハマったゲームだと思います。
各国版のタイムラインで一番古い(その国の歴史の始まり)はどういった出来事なのか(アメリカやケベックだと入植からスタート)、文化的な出来事の割合はどの程度なのか(そもそもアメリカは歴史と文化が別ゲームでわかれてたり、ロシアはバランス良く混ざってたり、逆に韓国はひとつも文化的な出来事が入ってなかったりなどなど)、というかアメリカ・ロシア・フランスと国別で作られているのに何故ケベックは1都市で作られているのかとか、色んな観点でなんでだろが楽しいゲームです。
徐々にカードが増えていくとより正しい年を推察しなければならなくなって配置の難易度があがるので、よくわからないものは早く出すとか、補充カードは見えているので難しそうなものに挑戦して失敗してもわかりやすいカードを新しい引くなど、案外、戦術的な部分もあってちゃんとゲームしてます。
・インディアン・サマー/Indian Summer

ウヴェ様のパッチワーク、コテージ・ガーデンに続く、色んな形のタイルをうまく配置しましょうシリーズの3作目。
パッチワークは相手プレイヤーの手を縛る手なども含めてとにかくパズル性が高いゲームで、コテージガーデンはタイル獲得の選択肢を広めたり、手元のボードを2つにするなどパズル性は若干緩くはなったもののパッチワークを多人数で楽しめる形にしてたゲームでした。
それに対して、インディアンサマーはスピード勝負! とにかくプレイヤーの中で一番早く手元のボードをタイルで埋めた人が勝利です。しかも、うまくタイルを配置した時にもらえるトークンで、タイル2個同時配置や、フリーアクションで1マス分のタイル配置ができるなど、なんというか本当にパズルよりもアドリブ力の高さや思い切り重視のチューニングで全然ゲーム性が違って驚きました(面子的に手が早い人ばかりでちゃっちゃっちゃと進んだせいもあるかもしれません。1手1手みんなの手を確認しあいながら遊ぶような場だとまた違うかと思います)。
見た目は似てるんですが、ゲーム性は3作全部違っていてそりゃあ同じものなら作る必要ないんだろうけど、売れてるゲームをちょちょっと変えただけの拡張やカードゲーム版とかで手堅く稼ぐ出版社/デザイナーも多いなかでずいぶん思い切るなあと思わされました。
・イクアズ/Iquazu

(たぶん)大人HABAの2017年新作。驚くほどピュアピュアしたユーロで手札を出して自コマを置き、マジョリティ争いを延々と繰り返すゲーム。
手札から1枚カードをプレイして、カードと同じ色の場所に自分のコマを配置、縦列が1列埋まったらマジョリティ勝負して上位が得点という超シンプルな仕組み。面白いのは縦列が5列先まで公開されていてカードを複数枚同時にプレイするとその枚数分先の列にコマを置けるところで、縦列の決算時に横列も決算が起こり、最多数ならボーナストークンがもらえます。得点の決算は縦列の1回のみですが、先に置いて置けば横列の決算に複数回の絡めてボーナストークン分得をします。
カード運はあるものの基本的に手番の配置をどう効率的に使えたかのみで、何故かずいぶん先の列で熱い戦いを繰り広げてることもあれば、あっさり縦列トップを取れたりとうまいこと他人と争わないようにマジョリティを取るにはどこを狙うか?とシンプルな面白さがあります。
最新ゲームは複雑さを増しつつ、しかしそれを感じさせないスマートな作りというのが流行りではありますが、こういう今やクラシックになったシンプルな面白さのゲーム遊ぶとユーロやった!って感じがすごくします。
余談ですが、滝の上をドラゴン(だったか)が移動していて、ドラゴンの下は水がこないので滝の裏が見えるというのを表すギミックがあり、ラウンドごとにプラスチックの棒を右から抜いて左に移すという作業をやるんですが、僕が遊んだ時はインストしてくださった方が、何故か妙なテンションで壊れたエレクトリカルパレードの曲みたいなを口ずさんでその作業を最初にやったため、それ以降も毎ラウンドみんなで合唱してました。こういう妙なノリの良い方々と卓を囲めるのは幸せなことです。
2017年遊んで面白かったゲーム10選は2017年末の記事に書いたんですが、このゲーム、ブログ書きたいなーと思いながらも書けなかったゲームがいくつかあるので、いつものようには書けないんですがまとめて書いてみます。
・タバルア/Tavarua

サーフィンがテーマのゲーム。ロングボード2回、ショートボードで2回の計4回分、波に乗って合計点を競います。
毎ラウンド公開されるカードに設定された目標値以内の数字を手札からだせれば波乗り成功、失敗すればボードから落ちて岸まで戻るという、システム的には運試しを延々とやるだけなんですが、テーマの乗せ方がうまくて、数字の書いてあるカードをプレイしているだけなのに、うまく波に乗ってる感がありますw。
サーフィンのことなんてロクに知らないんですが、カードに書かれた絵と技の名前から、数字が大きい方がすごい技だとなんとなーくわかるので、小さい数字で安全策を取ってからの、大技!みたいなのが味わえます。サーフィンの先に立って両足の指でボードをつかむ『ハングテン』という技があり、このゲームでも目標値ぴったりだとハングテン!が決まってボーナスがもらえるのですが、これもまた気持ちいいです。
波の大きさはダイスで決まります。沖に出て大きい波を待っている時など気分は(気分だけは)最高にサーファーしてます。

(ボードに腹ばいになって沖に向かう3人と、同じ波に乗って競いあう2人!この臨場感!)

(波を読んで、3人がハングテン!)

(ロングボードの部、ショートボードの部、総合の部、それぞれの1位にトロフィーが送られます。このトロフィーはゲームの終了後、勝者が決まったら勝者に送られます(ゲーム中は使いません。ボードも10種類もついてきていてコンポーネントも気分を盛り上げます)
大変盛り上がるゲームだと思うのですが、残念なのは内容に対してプレイ時間が長いこと。ロングボード2本、ショートボード2本と計4本分の点数を記録する必要があるので仕方ないとは言え、運試しを2時間弱というのはちょっと長かったです。
(盛り上がって無駄に写真撮ってる時間も含んではいますが)
・パンデミックレガシー シーズン1/Pandemic: Legacy Season 1

BGG1位になってたりもしましたが、ゲームとしての面白さは正直普通で、色々趣向はこらされるもののパンデミックはパンデミックだなあという感じでした。普通のパンデミックと同じようにどのカードをどのように使うのかを、エピデミックやアウトブレイクに怯えながらやるのは楽しいですし、手札が全て公開なのでよりそういったやり取りは面白くなってはいます。
とはいえ、主に面白かったのは12ヶ月分続けることによる話の盛り上がりやキャラクターの中に生まれるドラマの方です。レガシーシステムあるなし関係なく、同じゲームは何回も遊んだ方がやっぱいいですね。
何故か、よくウイルスがたまる都市や、中継地点としてよく使って愛着のわく都市など、仲間うちで盛り上がれる話が蓄積されていくのもよいかなと。
レガシー2ももう始めてますし、今年はレガシー以外にもキャンペーンゲームをやっていきたいです。
写真は1月開始時点のもので、ウイルスを積むか、積まないかという話になった時に撮ったものです。
パンデミックの病原体コマ、積みますか?平置きしますか?
— ひだり@ 12/3,16,1/6,20 (@h_idari) 2017年8月23日
(アンケート機能使ってます
僕が一番遊んだ2008年発売の初版だとウイルスが大きめの木製キューブ、かつ、都市間が狭かったので、縦に積んでたんですが、2013年に出た2版(副題に新たなる試練てついてる方)だと若干丸みのあるプラスチックキューブになったり、都市間も広がったりで、縦に積むメリットないんですね。
・18TK/18tk

関東が舞台になった18XX。馴染みのある地名なので、つい普段使っている路線の株を買ったり、線路を敷きたくなります。
18XXとして評判もよく、実際ゲームとしての面白さは十分あるのでおいといて、よく知ってる地域だからこその思い込みのせいもあるかと思いますが、案外、都市が成長するタイルが少なく、のんびりしてると他所に使われて、あと1枚しか無い/なくなったとかになって、えええーとなるのも面白かったです。
僕は東急の社長プレイヤーで、現実だと副都心線と接続したことで列車の遅延が増えたり、渋谷駅のホームが地上2階から地下5階まで降ろされたりと良い印象がなかったため、絶対に渋谷から先には行かない!横浜-渋谷間でやりくりします!と社長株購入時に宣言したものの、前述のタイルが少ない問題にひっかかり、横浜が発展しなかったため東急は渋谷から新宿、最終的に八王子を通る路線になってました。
すいません!東横線ユーザーのみなさん!本当にすいません!
・客家円楼/Round House

円状の家の中を時計回りに移動しつつ、各部屋に設定されたアクションを行うワーカープレイスメントゲーム。
色々工夫のあるゲームで楽しいのですが、特に良かったのはアクションの絞り合いのところ。
3人、または4人プレイだと各プレイヤーがワーカーを2つずつ持って手番には好きな方を進めることができます(5人だとワーカーは1つずつ)。自分の他人の問わずワーカーが既にある部屋にはワーカーを置けずそのアクションが実行できないので、他人のワーカーが通り過ぎるのを待ってから自分のワーカーを移動、後ろから来た自分のもう1つのワーカーで再度踏んで他人に特定のアクションをさせないということができます。
得点要素は複数要素あって、各要素に複数手段で絡めるのですが、そのメインどころを自分のワーカー1つ潰して封殺、使えるワーカーが1つしかないので自分も選択肢減って苦しい苦しいとやってると、他人を苦しめてるんだか自分を苦しめてるんだかわからないところが最高でした。
他人のワーカーを押し出す手段がないのでそれまで伸ばしてきてた得点手段につながるアクションを抑えられると、ちょっとーー!となるので喧嘩にならない仲の人相手にするのが良いと思います。
・アーグラ/Agra

ワーカーおいてアクション選択する資源とって変換して上納するゲーム。他人にワーカーを押し出されるとたまるパワーや、押し出されてないワーカーを倒してためるパワー、カレー食べると使えるパワーとかでワーカー配置のアクションにありとあらゆるフリーアクションを追加してひたすら手を前に前に進めます。
フリーアクションがめっちゃ多彩な上、後半はパワーも溜まりやすくてめっちゃたくさんフリーアクションできるので、出来ないことなどないんじゃないのかと思ってしまうくらいフリーアクションでなんとかできます。今やりたいことを実現するにはどうフリーアクション+メインアクションを組み合わせるのがいいのかをあーだこーだと考えるのは楽しいだろう?好きだろう?というゲームで、いや実際楽しいのだけど、いくらなんでも自由すぎるので好み的にはもう少ししめるところしめて欲しかったです(楽しいのは否定しませんが)。
このゲームですげえと思ったのはインタラクションがあるようでいて、その実、まったくないんじゃないのかというところ。主な得点要素のギルドや王様への納品は明らかに他人と絡まない方が点数効率が良く、しかも最大4人プレイで選択肢は4つあるのでみんな別の選択肢を選ぶだろうし、他人に追い出されるとフリーアクションで使えるパワー貯まる(追い出すとパワーを与えてしまう)という仕掛けも追い出されてないワーカーからも別のパワー湧くからと、追い出しても追い出さなくても(別物とは言え)結局パワーたまるのか!とびっくりするしで、ハンスとかのデベロップされてるなあビシッとまとまってるなあという優等生ゲームと比べると超奔放。2017年の奔放ゲーム大賞。
このゲームの出版社であるQuinedGamesやWhiteGoblinGamesなどは、その野放図さ、自由奔放さが魅力なのかもしれませんが、好みとしてはこの面白さをこの仕組みで届けるという狙いをはっきりさせているものの方が好きです。
・タイムライン(各種)/Timeline

色々な出来事(ある国の歴史だったり、雑学だったり)のかかれたカードを起きた年順に並べるゲーム。
どうせクイズゲームでしょくらいに思ってたんですが、(実際その要素もありますが)それ以上に各国テーマのタイムラインだと、どの出来事が選ばれているのか、そもそも何故、そのテーマでタイムラインが作られているのかなど色々興味深いですし、遊ぶ時も、知らない出来事でも知っている知識と絵柄から推察するのが楽しく、2017年にメタ的にハマったゲームだと思います。
各国版のタイムラインで一番古い(その国の歴史の始まり)はどういった出来事なのか(アメリカやケベックだと入植からスタート)、文化的な出来事の割合はどの程度なのか(そもそもアメリカは歴史と文化が別ゲームでわかれてたり、ロシアはバランス良く混ざってたり、逆に韓国はひとつも文化的な出来事が入ってなかったりなどなど)、というかアメリカ・ロシア・フランスと国別で作られているのに何故ケベックは1都市で作られているのかとか、色んな観点でなんでだろが楽しいゲームです。
徐々にカードが増えていくとより正しい年を推察しなければならなくなって配置の難易度があがるので、よくわからないものは早く出すとか、補充カードは見えているので難しそうなものに挑戦して失敗してもわかりやすいカードを新しい引くなど、案外、戦術的な部分もあってちゃんとゲームしてます。
・インディアン・サマー/Indian Summer

ウヴェ様のパッチワーク、コテージ・ガーデンに続く、色んな形のタイルをうまく配置しましょうシリーズの3作目。
パッチワークは相手プレイヤーの手を縛る手なども含めてとにかくパズル性が高いゲームで、コテージガーデンはタイル獲得の選択肢を広めたり、手元のボードを2つにするなどパズル性は若干緩くはなったもののパッチワークを多人数で楽しめる形にしてたゲームでした。
それに対して、インディアンサマーはスピード勝負! とにかくプレイヤーの中で一番早く手元のボードをタイルで埋めた人が勝利です。しかも、うまくタイルを配置した時にもらえるトークンで、タイル2個同時配置や、フリーアクションで1マス分のタイル配置ができるなど、なんというか本当にパズルよりもアドリブ力の高さや思い切り重視のチューニングで全然ゲーム性が違って驚きました(面子的に手が早い人ばかりでちゃっちゃっちゃと進んだせいもあるかもしれません。1手1手みんなの手を確認しあいながら遊ぶような場だとまた違うかと思います)。
見た目は似てるんですが、ゲーム性は3作全部違っていてそりゃあ同じものなら作る必要ないんだろうけど、売れてるゲームをちょちょっと変えただけの拡張やカードゲーム版とかで手堅く稼ぐ出版社/デザイナーも多いなかでずいぶん思い切るなあと思わされました。
・イクアズ/Iquazu

(たぶん)大人HABAの2017年新作。驚くほどピュアピュアしたユーロで手札を出して自コマを置き、マジョリティ争いを延々と繰り返すゲーム。
手札から1枚カードをプレイして、カードと同じ色の場所に自分のコマを配置、縦列が1列埋まったらマジョリティ勝負して上位が得点という超シンプルな仕組み。面白いのは縦列が5列先まで公開されていてカードを複数枚同時にプレイするとその枚数分先の列にコマを置けるところで、縦列の決算時に横列も決算が起こり、最多数ならボーナストークンがもらえます。得点の決算は縦列の1回のみですが、先に置いて置けば横列の決算に複数回の絡めてボーナストークン分得をします。
カード運はあるものの基本的に手番の配置をどう効率的に使えたかのみで、何故かずいぶん先の列で熱い戦いを繰り広げてることもあれば、あっさり縦列トップを取れたりとうまいこと他人と争わないようにマジョリティを取るにはどこを狙うか?とシンプルな面白さがあります。
最新ゲームは複雑さを増しつつ、しかしそれを感じさせないスマートな作りというのが流行りではありますが、こういう今やクラシックになったシンプルな面白さのゲーム遊ぶとユーロやった!って感じがすごくします。
余談ですが、滝の上をドラゴン(だったか)が移動していて、ドラゴンの下は水がこないので滝の裏が見えるというのを表すギミックがあり、ラウンドごとにプラスチックの棒を右から抜いて左に移すという作業をやるんですが、僕が遊んだ時はインストしてくださった方が、何故か妙なテンションで壊れたエレクトリカルパレードの曲みたいなを口ずさんでその作業を最初にやったため、それ以降も毎ラウンドみんなで合唱してました。こういう妙なノリの良い方々と卓を囲めるのは幸せなことです。
2017年振り返り(10選やらなんやら)
2017年も今日で最後ということで振り返り記事です。
2017年初プレイのゲームから10個あげてみました。
・汽車は進むよ(ポチョンク)紹介記事

線路つなげて駅にたどり着こうゲーム。
アートワークの可愛さ、インスト込み30分で終わる手軽さ、早く駅へ到達するか寄り道して移動点を稼ぐかの悩ましさ、どこにつながるのかコントロールできるようでできない線路の接続の複雑さに起因するドキドキさと半端ないゲーム。
キャッキャウフフと楽しめるゲームであるのも間違いないんですが、勝ち負け意識すると人の動きを気にする必要もあるし何気に本気で勝ちにいく楽しさがあります。
僕がこいつにやられたのは、ぐるぐる線路がつながって進む楽しさだけでなく、あまりにぐるぐるしてると線路がうっかり他列車のとつながると列車同士が衝突して消滅してしまうというドキドキのせいで適度に緊張感もあり、実際にぶつかると、ああああーと盛り上がるところがいい具合に好みだったのではないかと思います。

(全部の線路タイルがユニークで可愛いです)
・サイドリアル・コンフルエンス紹介記事

公称2時間から3時間の交渉ゲーム(4人なら1時間くらいで終わりますが)、テーマはSFと、避ける人多そうなゲームなんですが、交渉といっても、お互いに状況が違いすぎて基本的に1対1交換することになりますし、得点行為がプレイヤー全員の生産性向上につながってる仕組みなので、”交渉”でイメージする内容よりピットよりで、ワチャワチャ楽しみながら集めた資源で拡大再生産するゲームです。
アクションで資源を集めて、自分とことの施設で変換するというよくあるゲームの資源を集める所を会話にしましたという形ではありますが、資源を交換することが場全体の資源量を増やして得点しやすくすることになる&誰かが得点すれば自分にも新しい施設がきたり既存施設をパワーアップできるなどの恩恵がかなり大きい形であるという、いわゆる”交渉ゲーム”にある「公平な交換って言ってるけど、どうせあいつが得するんでしょう?」のような騙されている/騙している感がほぼなく、施設だけでなく、人との資源の交換自体が自分も得する拡大再生産のひとつであるという新しい、気持ちよくプレイできる交渉ゲームです。
ただ、既存の交渉ゲームと同じ感じで遊ぶと既存の交渉ゲームになってしまうので、資源を余らせるくらいなら交換しようぜーくらいの軽い気持ちで遊んだり、生産力の高い低Difficultyの種族を入れたりした方が楽しいかと思います。
・アズール

まだ今年のエッセン新作、そこまで遊べてないのですが今のところこれが一番面白いです。
やることがシンプルなので人の狙いもわかりやすく、ああ、こうくるでしょ?というのがすっきり見渡せるのが好印象です。もちろん、自分がこうしたいのに人に邪魔されてできなーいという場面もありますが、ラウンド開始時には結構好き勝手できるというか、その結果苦しんでるというのが分かる程度に明確なので自業自得だったりします。とはいえ、この好き勝手できる適度な自由さとその結果の自業自得さ、みんなで苦しもう(楽しもう)が良いところかなと。
見た目のシンプルな綺麗さも、プレイのシンプルさ(そっけなさ)をうまくフォローしているというか、うまくプレイヤーをのせてると思います。
・アンロック!紹介記事

(去年からそういうゲームは出てましたが)今年は色んな脱出ゲーム系のゲームというか、謎解き系のゲームがでました(クロスレビューもやりました)。
ストーリーによっているもの、謎解きに重きをおいているものなど色々ゲーム化のスタンスは異なっていましたが、アンロック!はカードの組み合わせや観察で謎を解くという、ゲームのコアシステムが、プレイヤーにヒントを与えつつ実際のモノを使って問題を頭だけでなく実際に解かせるというのがダントツに楽しかったです。
モノが(カードという形とはいえ)実際にそこにあるので、唐突な設定や解法がなく、納得感が強かったのも良いところかなと。
・リスボア紹介記事

今年はあまりこいつは最高だ!という重ゲーに当たらなかったんですが、遊んだ中ではこれが良かったです。
インストを聞いてもどこから手を付けて良いのかよくわからない円環状に連なるアクションの絡みがメインに据えられていて、どうすりゃいいんじゃと思わせる反面、終盤になるに従ってアクションコストが下がるようになっているため、ゲームに対する習熟を実際以上に感じさせる仕組みもあるので、「ワケワカランゲームだったけど、わかったぞ!」と思わせる度合いが高く、遊んでてて気持ちいい(実際以上に感じさせられているだけなので再プレイ時はまた、わからん!となるのも最高)。
コアの部分の謎解きのようなどうすれば得点効率があがるのかという部分に対して、冗談のような強力な特殊効果付きのカードやタイルがあり、コアシステム部分で悩んでいたのかアホらしくなるような超能力バトルが急に始まるカオスさもまた良し。
ただ、全体で10手前後しかないゲームなので、能力を取ること自体や有効活用できるようになる土台作りに手番を使っては意味もなく、単純に「XX能力が強い」だけでは片付けられないゲーム。
BGGにあがる「XX能力強すぎないか?」という質問に、「良い戦術だね!XXはもっと強いぜ/XXをやってみたかい?」などと全く動ぜずに返すデザイナーもまた最高。
・看板娘(3卓戦)紹介記事

3~5人用のゲームを3つ組み合わせて最大15人で遊ぶという、馬鹿じゃないのかフリーゼはというゲーム。
セッティングがランダムということもあり、当たりのセッティングの卓に最初についたプレイヤー達が勝ち負け的には有利になってしまいどうしようもないですが、それ以上に、同じゲームを3卓でやってるので他卓よりも早く手番をまわした方が得というリアルタイム制の要素が最高に面白く、これだけでも体験してもらいたいです。
単純に早く早く手番をまわせまわせと手番プレイヤーだけでなく銀行役まで協力ゲーム的に素早く行動したり、卓間の移動があるため、この卓は7人いるが、あの卓は3人しかいないので、手番が早く回って得だ!という通常であればメタ的な要素が自然にゲームに組み込まれているのは流石フリーゼと感心させられます。
・18cz

今年の18XX枠。18XXは基本的な共通フォーマットが優秀すぎて遊ぶと必ず楽しいわけですが(評判良い作品ばかり遊んでいるのもあるでしょうが)、昨今のゲームの面白さ要素の抽出、スピード化をうまく18XXフォーマットに乗せていました。
18XXの魅力の1つであるプライベート会社の個性をつぶして、能力を全部統一化するという大胆さに驚きましたが、これが単に煩雑さをなくすだけでなく、その能力によってプレイヤーや会社の資金ブーストを任意のタイミングでかけられるようになっており、プレイヤーの意思を任意に反映させることと、やりたいと思った戦術を取りやすくしています。
あと、列車もこれまでは4列車が買われたら2列車がとぶなど、1元的な仕組みだったのを、1枚の列車カードに複数の列車を表現させたことによって、4列車のカードは買われたがそれは4列車としてではなくXX列車としてだったからセーフ!という多元的な仕組みにしたため、列車の廃棄の突発性が薄れてちょっとしたセイフティが効くようになったのも今風だなと思いました。
・トリックと怪人

ゲームマーケット2017秋の新作。各プレイヤーが1枚ずつカードを伏せてプレイして、誰が一番大きい数字を出しているか(犯人か)を当てる(一応事件の犯人を当てる設定)というだけのゲーム。示す色でだいたいの数字がわかることと、5がでてると10は犯人になれないとか、全部5以上なら3が犯人とかの軽い効果を考えつつ、犯人を指差して当てます。
全員がカードを伏せてプレイした時点でだいたい2択か3択かになり、そこから1人ずつ指差しで誰が犯人と思っているかを公表していく過程で、あれ?あの人がこう推理したということは…と絞り込まれていくので大抵全員が指差し終わる頃には確定してる。
推理ゲームは、個々人が推理を公表したいゲームであり、かつ、推理は論理パズル的なもので十分楽しまれる思っていたのだけど、まさにこのゲームで、難しくないパズルメーカーとしてプレイヤーを使いつつ、思惑の入り込む余地のないシンプルさにすることで、個々人の頭の中で『解決編』を繰り広げさせて楽しませるのはお見事。難しい設定やシステムはいらんかったんや!
・□□◯◯◯紹介記事
漢字2文字+カタカナ3文字のヒントでお題を回答者に当てさせるゲーム。
ヒントを出す方もそれで答える方も適度に頭を使う必要があるのでセンスの戦いになるところと、ヒントのフォーマット(漢字2文字+カタカナ3文字)のせいでパワーワードが自然にうまれるところが良かったです。
ヒントでお題を当てさせる系のゲームは、ヒントを出した人をネタにして笑うところがありがちですが、笑うにしてもヒントそのもので人にまでそれが及びにくいのもクールでかっこよい。
・BONK
理屈はいらない。
R120大賞について
R120というセミクローズ会を定期開催してるのですが、その参加者の中で毎年、その年のベストゲームを決める戦いをしています。
・参加者1人あたり、自分の今年のベストゲーム2つを選ぶ
・それを候補にトーナメントを作り、ランダムに選んだ2,3ゲームをプレゼン→投票で戦う
・決勝戦で勝ったゲームがR120大賞
というレギュレーションです。
今年の参加ゲームは以下の17ゲームでした。
デルブ、主計総監1914、アズール、大東亜共栄圏、ロレンツォ、ワトソン&ホームズ、汽車は進むよ、チングース、ヒットZロード、ガイアプロジェクト、サイドリアル・コンフルエンス、BONK、タイムストーリーズ、エスノス、18TK、テラフォーミングマーズ、ラッタニア
対戦カードがランダムに3つくらい選ばれるので、人気ゲーム同士がぶつかると票が割れて、ひょっこり負けてしまうこともあり、ガイアプロジェクトやテラフォーミングマーズ、アズールといった人気ゲームが負ける波乱があったりなかったりした結果、大賞は主計総監1914になりました!(紹介記事)
見た目がウォーゲームみたいにみえるかもしれませんが、各プレイヤーがそれぞれの国のデッキを持ち、そのカード効果をカードプレイで使ったり、伏せて罠みたいにしたりと対戦カードゲームぽいゲームです。チーム戦なのでプレイヤー間で助け合うのも楽しいですし、うまく「史実よりうまいことやったか」が点数になるようにバランスが取れられいるので、同じ条件ではじめて点数を取り合うのがベースになっているユーロゲーマーが遊ぶと新鮮で楽しいかと思います(僕はそこが楽しかったです)
その他振り返り
2017年はちょっと生活環境がガラッと代わり、ボードゲーム遊ぶのどうなるかなーと思っていたのですが、新しい知り合いができたり、自宅会の回数が増えたりと、これまでと変化しつつも、ボードゲームへのパスは増えた一年でした。
全体的に見れば遊ぶ時間自体は減っているように思うのですが、色んな機会が増えたので多彩な面から楽しめるようになったとも感じています。
面白かったゲームは上に書いたのでそれ以外のボードゲームの話だと、ワトソン&ホームズを全シナリオ終えたのは感慨深いです。最初は元版であるスペイン語版を買うかどうか迷い、英語版がでてからそれを買い、1シナリオずつ訳して遊んでいたものを日本語版がでたので自分も遊べるようになって、ようやく全シナリオ完了と(日本語版出た時点で2,3シナリオしか残ってませんでしたがw)。一番好きなのは、4つ目くらいの目を閉じた死体みたいな名前の事件です。あまり書くとネタバレになるので書けませんが。
ブログは書きたい気持ちはあるもののめっきり記事数が減ってしまい、情けない限りです。書きたいゲームもゲーム以外の内容もあるんですが。今年は月3本なので、来年は月4本にはしたいもんです。とはいえ、ボードゲームブログ自体が増えてるので僕のストレス発散以外の役割は薄くなってるように思いもしますけど。
読んでいただけている方がいるのは嬉しいですし、暇つぶしに使っていただけているのはありがたいです。
今年は夏に浅草ボードゲームフリーマーケットのお手伝いをさせてもらった関係で、ゲームマーケット春にも宣伝を兼ねて出展したりと久々にイベントに複数回参加した年でもありました(ゲームマーケット秋は家に居ましたが)。
フリーマーケットは主催のタロ吉さんが色々考えられていて、開催形態やその運営など興味深い点もあり、良い経験をさせてもらいました。
ボードゲームはひとりでは遊べない趣味ですし、単純に「面白い」といっても、個々人の遊び方や趣味嗜好で受け止め方が劇的に変わるものでもあります。そういう意味で、いま色んな方々に遊んでいただいていることや、その方々が僕と同じゲームを似たペースで遊んで面白いと言っていただけるというのは、めちゃくちゃありがたい話でもあります。
是非是非、来年も引き続きよろしくお願いいたします。
2017年初プレイのゲームから10個あげてみました。
・汽車は進むよ(ポチョンク)紹介記事

線路つなげて駅にたどり着こうゲーム。
アートワークの可愛さ、インスト込み30分で終わる手軽さ、早く駅へ到達するか寄り道して移動点を稼ぐかの悩ましさ、どこにつながるのかコントロールできるようでできない線路の接続の複雑さに起因するドキドキさと半端ないゲーム。
キャッキャウフフと楽しめるゲームであるのも間違いないんですが、勝ち負け意識すると人の動きを気にする必要もあるし何気に本気で勝ちにいく楽しさがあります。
僕がこいつにやられたのは、ぐるぐる線路がつながって進む楽しさだけでなく、あまりにぐるぐるしてると線路がうっかり他列車のとつながると列車同士が衝突して消滅してしまうというドキドキのせいで適度に緊張感もあり、実際にぶつかると、ああああーと盛り上がるところがいい具合に好みだったのではないかと思います。

(全部の線路タイルがユニークで可愛いです)
・サイドリアル・コンフルエンス紹介記事

公称2時間から3時間の交渉ゲーム(4人なら1時間くらいで終わりますが)、テーマはSFと、避ける人多そうなゲームなんですが、交渉といっても、お互いに状況が違いすぎて基本的に1対1交換することになりますし、得点行為がプレイヤー全員の生産性向上につながってる仕組みなので、”交渉”でイメージする内容よりピットよりで、ワチャワチャ楽しみながら集めた資源で拡大再生産するゲームです。
アクションで資源を集めて、自分とことの施設で変換するというよくあるゲームの資源を集める所を会話にしましたという形ではありますが、資源を交換することが場全体の資源量を増やして得点しやすくすることになる&誰かが得点すれば自分にも新しい施設がきたり既存施設をパワーアップできるなどの恩恵がかなり大きい形であるという、いわゆる”交渉ゲーム”にある「公平な交換って言ってるけど、どうせあいつが得するんでしょう?」のような騙されている/騙している感がほぼなく、施設だけでなく、人との資源の交換自体が自分も得する拡大再生産のひとつであるという新しい、気持ちよくプレイできる交渉ゲームです。
ただ、既存の交渉ゲームと同じ感じで遊ぶと既存の交渉ゲームになってしまうので、資源を余らせるくらいなら交換しようぜーくらいの軽い気持ちで遊んだり、生産力の高い低Difficultyの種族を入れたりした方が楽しいかと思います。
・アズール

まだ今年のエッセン新作、そこまで遊べてないのですが今のところこれが一番面白いです。
やることがシンプルなので人の狙いもわかりやすく、ああ、こうくるでしょ?というのがすっきり見渡せるのが好印象です。もちろん、自分がこうしたいのに人に邪魔されてできなーいという場面もありますが、ラウンド開始時には結構好き勝手できるというか、その結果苦しんでるというのが分かる程度に明確なので自業自得だったりします。とはいえ、この好き勝手できる適度な自由さとその結果の自業自得さ、みんなで苦しもう(楽しもう)が良いところかなと。
見た目のシンプルな綺麗さも、プレイのシンプルさ(そっけなさ)をうまくフォローしているというか、うまくプレイヤーをのせてると思います。
・アンロック!紹介記事

(去年からそういうゲームは出てましたが)今年は色んな脱出ゲーム系のゲームというか、謎解き系のゲームがでました(クロスレビューもやりました)。
ストーリーによっているもの、謎解きに重きをおいているものなど色々ゲーム化のスタンスは異なっていましたが、アンロック!はカードの組み合わせや観察で謎を解くという、ゲームのコアシステムが、プレイヤーにヒントを与えつつ実際のモノを使って問題を頭だけでなく実際に解かせるというのがダントツに楽しかったです。
モノが(カードという形とはいえ)実際にそこにあるので、唐突な設定や解法がなく、納得感が強かったのも良いところかなと。
・リスボア紹介記事

今年はあまりこいつは最高だ!という重ゲーに当たらなかったんですが、遊んだ中ではこれが良かったです。
インストを聞いてもどこから手を付けて良いのかよくわからない円環状に連なるアクションの絡みがメインに据えられていて、どうすりゃいいんじゃと思わせる反面、終盤になるに従ってアクションコストが下がるようになっているため、ゲームに対する習熟を実際以上に感じさせる仕組みもあるので、「ワケワカランゲームだったけど、わかったぞ!」と思わせる度合いが高く、遊んでてて気持ちいい(実際以上に感じさせられているだけなので再プレイ時はまた、わからん!となるのも最高)。
コアの部分の謎解きのようなどうすれば得点効率があがるのかという部分に対して、冗談のような強力な特殊効果付きのカードやタイルがあり、コアシステム部分で悩んでいたのかアホらしくなるような超能力バトルが急に始まるカオスさもまた良し。
ただ、全体で10手前後しかないゲームなので、能力を取ること自体や有効活用できるようになる土台作りに手番を使っては意味もなく、単純に「XX能力が強い」だけでは片付けられないゲーム。
BGGにあがる「XX能力強すぎないか?」という質問に、「良い戦術だね!XXはもっと強いぜ/XXをやってみたかい?」などと全く動ぜずに返すデザイナーもまた最高。
・看板娘(3卓戦)紹介記事

3~5人用のゲームを3つ組み合わせて最大15人で遊ぶという、馬鹿じゃないのかフリーゼはというゲーム。
セッティングがランダムということもあり、当たりのセッティングの卓に最初についたプレイヤー達が勝ち負け的には有利になってしまいどうしようもないですが、それ以上に、同じゲームを3卓でやってるので他卓よりも早く手番をまわした方が得というリアルタイム制の要素が最高に面白く、これだけでも体験してもらいたいです。
単純に早く早く手番をまわせまわせと手番プレイヤーだけでなく銀行役まで協力ゲーム的に素早く行動したり、卓間の移動があるため、この卓は7人いるが、あの卓は3人しかいないので、手番が早く回って得だ!という通常であればメタ的な要素が自然にゲームに組み込まれているのは流石フリーゼと感心させられます。
・18cz

今年の18XX枠。18XXは基本的な共通フォーマットが優秀すぎて遊ぶと必ず楽しいわけですが(評判良い作品ばかり遊んでいるのもあるでしょうが)、昨今のゲームの面白さ要素の抽出、スピード化をうまく18XXフォーマットに乗せていました。
18XXの魅力の1つであるプライベート会社の個性をつぶして、能力を全部統一化するという大胆さに驚きましたが、これが単に煩雑さをなくすだけでなく、その能力によってプレイヤーや会社の資金ブーストを任意のタイミングでかけられるようになっており、プレイヤーの意思を任意に反映させることと、やりたいと思った戦術を取りやすくしています。
あと、列車もこれまでは4列車が買われたら2列車がとぶなど、1元的な仕組みだったのを、1枚の列車カードに複数の列車を表現させたことによって、4列車のカードは買われたがそれは4列車としてではなくXX列車としてだったからセーフ!という多元的な仕組みにしたため、列車の廃棄の突発性が薄れてちょっとしたセイフティが効くようになったのも今風だなと思いました。
・トリックと怪人

ゲームマーケット2017秋の新作。各プレイヤーが1枚ずつカードを伏せてプレイして、誰が一番大きい数字を出しているか(犯人か)を当てる(一応事件の犯人を当てる設定)というだけのゲーム。示す色でだいたいの数字がわかることと、5がでてると10は犯人になれないとか、全部5以上なら3が犯人とかの軽い効果を考えつつ、犯人を指差して当てます。
全員がカードを伏せてプレイした時点でだいたい2択か3択かになり、そこから1人ずつ指差しで誰が犯人と思っているかを公表していく過程で、あれ?あの人がこう推理したということは…と絞り込まれていくので大抵全員が指差し終わる頃には確定してる。
推理ゲームは、個々人が推理を公表したいゲームであり、かつ、推理は論理パズル的なもので十分楽しまれる思っていたのだけど、まさにこのゲームで、難しくないパズルメーカーとしてプレイヤーを使いつつ、思惑の入り込む余地のないシンプルさにすることで、個々人の頭の中で『解決編』を繰り広げさせて楽しませるのはお見事。難しい設定やシステムはいらんかったんや!
・□□◯◯◯紹介記事
漢字2文字+カタカナ3文字のヒントでお題を回答者に当てさせるゲーム。
ヒントを出す方もそれで答える方も適度に頭を使う必要があるのでセンスの戦いになるところと、ヒントのフォーマット(漢字2文字+カタカナ3文字)のせいでパワーワードが自然にうまれるところが良かったです。
ヒントでお題を当てさせる系のゲームは、ヒントを出した人をネタにして笑うところがありがちですが、笑うにしてもヒントそのもので人にまでそれが及びにくいのもクールでかっこよい。
・BONK
理屈はいらない。
BONK。左上がうますぎる人で右下がへちょい人です pic.twitter.com/MbMuURFZR6
— ひだり@ 12/3,16,1/6,20 (@h_idari) 2017年12月17日
R120大賞について
R120というセミクローズ会を定期開催してるのですが、その参加者の中で毎年、その年のベストゲームを決める戦いをしています。
・参加者1人あたり、自分の今年のベストゲーム2つを選ぶ
・それを候補にトーナメントを作り、ランダムに選んだ2,3ゲームをプレゼン→投票で戦う
・決勝戦で勝ったゲームがR120大賞
というレギュレーションです。
今年の参加ゲームは以下の17ゲームでした。
デルブ、主計総監1914、アズール、大東亜共栄圏、ロレンツォ、ワトソン&ホームズ、汽車は進むよ、チングース、ヒットZロード、ガイアプロジェクト、サイドリアル・コンフルエンス、BONK、タイムストーリーズ、エスノス、18TK、テラフォーミングマーズ、ラッタニア
対戦カードがランダムに3つくらい選ばれるので、人気ゲーム同士がぶつかると票が割れて、ひょっこり負けてしまうこともあり、ガイアプロジェクトやテラフォーミングマーズ、アズールといった人気ゲームが負ける波乱があったりなかったりした結果、大賞は主計総監1914になりました!(紹介記事)
見た目がウォーゲームみたいにみえるかもしれませんが、各プレイヤーがそれぞれの国のデッキを持ち、そのカード効果をカードプレイで使ったり、伏せて罠みたいにしたりと対戦カードゲームぽいゲームです。チーム戦なのでプレイヤー間で助け合うのも楽しいですし、うまく「史実よりうまいことやったか」が点数になるようにバランスが取れられいるので、同じ条件ではじめて点数を取り合うのがベースになっているユーロゲーマーが遊ぶと新鮮で楽しいかと思います(僕はそこが楽しかったです)
その他振り返り
2017年はちょっと生活環境がガラッと代わり、ボードゲーム遊ぶのどうなるかなーと思っていたのですが、新しい知り合いができたり、自宅会の回数が増えたりと、これまでと変化しつつも、ボードゲームへのパスは増えた一年でした。
全体的に見れば遊ぶ時間自体は減っているように思うのですが、色んな機会が増えたので多彩な面から楽しめるようになったとも感じています。
面白かったゲームは上に書いたのでそれ以外のボードゲームの話だと、ワトソン&ホームズを全シナリオ終えたのは感慨深いです。最初は元版であるスペイン語版を買うかどうか迷い、英語版がでてからそれを買い、1シナリオずつ訳して遊んでいたものを日本語版がでたので自分も遊べるようになって、ようやく全シナリオ完了と(日本語版出た時点で2,3シナリオしか残ってませんでしたがw)。一番好きなのは、4つ目くらいの目を閉じた死体みたいな名前の事件です。あまり書くとネタバレになるので書けませんが。
ブログは書きたい気持ちはあるもののめっきり記事数が減ってしまい、情けない限りです。書きたいゲームもゲーム以外の内容もあるんですが。今年は月3本なので、来年は月4本にはしたいもんです。とはいえ、ボードゲームブログ自体が増えてるので僕のストレス発散以外の役割は薄くなってるように思いもしますけど。
読んでいただけている方がいるのは嬉しいですし、暇つぶしに使っていただけているのはありがたいです。
今年は夏に浅草ボードゲームフリーマーケットのお手伝いをさせてもらった関係で、ゲームマーケット春にも宣伝を兼ねて出展したりと久々にイベントに複数回参加した年でもありました(ゲームマーケット秋は家に居ましたが)。
フリーマーケットは主催のタロ吉さんが色々考えられていて、開催形態やその運営など興味深い点もあり、良い経験をさせてもらいました。
ボードゲームはひとりでは遊べない趣味ですし、単純に「面白い」といっても、個々人の遊び方や趣味嗜好で受け止め方が劇的に変わるものでもあります。そういう意味で、いま色んな方々に遊んでいただいていることや、その方々が僕と同じゲームを似たペースで遊んで面白いと言っていただけるというのは、めちゃくちゃありがたい話でもあります。
是非是非、来年も引き続きよろしくお願いいたします。