ラスト・バスティアン/ Last Bastion

(3人でインスト込み1戦60分ほど)
※2008年に発売されたゴーストスートーリー/Ghost Storiesのリメイクです。
【概要&ルール】
魔物の軍勢の勢いは日に日に増してきている、ついにこの砦も襲撃されたが、英雄たちの働きによって、撃退できると信じている! え?聖騎士来てないの?戦士は?うーん、面子がちょっと不安だなあ。
最後に出てくるボスを倒すまで要塞のまわりにわき続ける敵をひたすら倒し、要塞を守る協力ゲームです。
スタート時、能力の異なる英雄たちから各プレイヤーがひとりずつ誰を使うか決めます。
ゲームスタートしたら、敵の山札の下の方に入っているボスが登場&撃破するまで、手番をぐるぐると行います。
手番の流れは以下の通りです。
1. 自分の個人ボードに接している敵ボード上の敵カードを解決する
2. 自分の個人ボードに接している敵ボードの効果を解決する。
3. 自分のキャラクターの移動とアクションを任意の順番で解決する
●プレイヤー側のアクションについて
プレイヤーはアクションとして、以下のいずれかを実行できます。
・自キャラクターのフィギュアが置かれている要塞タイルの効果を使用する
要塞タイルのアクションは、武器トークンを獲得する、ライフを回復させる、ドクロフィギュアを除去する罠を配置するなど、タイルごとにユニークに設定されています。
・自キャラクターのフィギュアが置かれている要塞タイルに隣接する敵カードを攻撃する。
攻撃の解決はダイスで、敵のライフ数以上、敵カードの色の目がでたら勝利です。

(こんな感じで、要塞の中から外の隣接している敵カードを攻撃します。敵のライフは黄色の3、出目は黄色が2つなので倒せていませんが)
●ゲーム終了条件
ボスカードを倒せばプレイヤーの勝利ですが、それまでに、ドクロフィギュアが3つ要塞内に配置される、敵カードのデッキが切れる、プレイヤーが全員死亡するのいずれかの状態になったらプレイヤー側の敗北です。
●ゴーストストーリーとの違い
・手番アクション:移動とアクションの順番が任意になりました(ゴーストストーリーでは必ず移動が先)。また、罠/仏像の設置がタイルのアクションになり、プレイヤーが持つことはなくなりました。
・タイル効果:一部似た効果のタイルが統合されたり、新しい効果のタイルが追加されています。加えて、ゴーストストーリーにあった「タイル効果を受けた後に敵を1体追加」という効果は軒並みなくなっています。
・ヒーロー能力:一部効果が削除/追加されています。また、ゴーストストーリーでは、両面で異なる能力×4人だったのが、片面×8人に変更され、組み合わせの自由度が増しました。
・コンポーネント:全体的にプレイアビリティが上がる方向に良くなっています。例えば、ゴーストストーリーではタイルを裏返していたのが、フィギュアを配置することで表現するようになったので、プレイが中断されないとか。
その他、こまごまとした違いがいくつかあるようです。
【プレイ内容】
Aさん、Uさん、僕の3人で。
このおふたりはボザの協力ゲームとかはきっと趣味ではないと思うのですが、付き合ってくださいました。
テーマ付きの協力ゲームによくあるようにこのゲームでもキャラクターに固有能力がついているので、誰がいいですかねと話した結果、「どれも見た目が好みではない」ということでランダムに決めました。
僕のキャラクターはドワーフの戦士で、戦闘時にダイスが1つ増えます(通常3個のところが4個になる)。
Aさんはエルフのクロスボウ使い、クロスボウを2つ持っている絵だからか、自分のいる場所に関係なく2つの敵カードと戦闘できます。
Uさんは魔法使いでダイスの振り直しができます。
んで、ゲーム開始です。
スタート直後は敵もいないので、まずは体制を整えますかということで、装備トークンをもらったり、旗を立てたりしてました(説明は後述)。
まあ、貯まる前にぼちぼち戦いますかと近くにいた敵を選んで戦闘開始です。
戦闘では、敵のライフ数以上の出目を出せば倒せます。例えば、青い敵でライフが2なら、青の目を2つ出せばよいわけです(正確にはワイルドの目があるので、それが混ざっても良いです)。装備トークンは色が指定されており、その色の出目1つとして使用できます。
旗も4色あり、アクションを行うことで旗の色を変えることができます。ボード上に出ている旗の色の敵はライフが1つ減っているものとして扱います。
初期セットアップで装備トークンはいくつか配られていることや(たまたま)ライフの低い敵がでてきていたこともあり、正直楽勝ペースで進みました。まあ、こんなのファミリーゲームですよてなもんです。
が、徐々に厳しい状態になっていきます。
まあ、これは当たり前で、各プレイヤーの手番の頭にある、敵ボードのアクションが「ボード上の3スペースが埋まっていなければ敵カードをめくって配置する」(or埋まっていたら敵ボード記載の特殊効果が発動する)なので、毎手番に敵は1体は必ずわくわけです。
それに対してこちらのアクションは移動に加えて、要塞タイルの効果を使う、もしくは、敵と戦闘する、なので要塞タイルの効果を使って敵を倒さなかった場合、その手番の頭にわいた敵は残ったままになります。
さらにいえば、敵が登場した時の効果や敵側のアクションで、追加で敵を登場させる効果があるので、運が悪いと1手番に3体くらい敵がわき、そのまま倒すこともできずに、次の手番に移るということもあります。
場に残っている敵はヒーローのライフを減らしたり、敵を召喚したり、ドクロフィギュアを要塞やヒーローへ配置する特殊なアクションをしてきます。
ドクロが置かれた要塞やヒーローはその能力が使えなくなります。(要塞タイルの能力や敵撃破の効果で除去できます)
敵を召喚する敵が1番やばい(敵の攻撃が増える&処理が追い付かない)ので、召喚能力のある敵を第一に殴ることにしながら、次にドクロを配置する敵…と優先順位をつけてはみますが、戦闘を有利に進めるために要塞タイルの効果を使えば、その手番では敵は倒せないので、敵がたまってまた苦しくなるという悪循環です。
一応、敵のアクションは手番のプレイヤーの前の敵しか行わないので、あの敵のアクションはやばいけども、Aさんの前に置かれているから、まだ次のUさんの手番で処理すれば間に合うななどということも考えられはします。
しかし、ドクロの優先度を下げていたため、敵が優勢になってくると僕とUさんにはドクロが置かれて能力はあっという間に使えなくなりました。
何とか敵の数を減らさないとなりませんが、そこで使うことになるのが敵2体への同時攻撃です。
要塞は3×3にタイルが並べられており、ヒーローたちはその中しか移動できません。敵はその外側に配置され、ヒーローは自分のいるタイルに接している敵しか攻撃できません(Aさんのヒーローは別ですが)。基本的には敵一体への攻撃しかできないのですが、要塞の角にいるヒーローは2体の敵と接するため、1アクションで2体を攻撃することができます。
とはいえ、戦闘のルール自体は普通の戦闘と変わらず、1つのダイスを2体ともに適用することはできないので、結局、ダイス3つしか振ってないのにどうやってライフ3の時とか倒すんじゃ!となります。
2体同時攻撃も、赤ライフ3の敵と緑ライフ2の敵を同時攻撃!運が良ければどちらか死ぬだろうなどという、同時に倒すことは端から諦めて、どちらか1体だけでも倒せればラッキー、2体同時に殴れば倒せる確率は2倍だ!みたいなやけばちな使い方しかできませんでした。
前述の旗や装備トークンを活用すれば1体ずつは倒せそうなんですが、Aさん以外は敵と隣接しないとならない→使いたい要塞タイルから離れてしまっているということも多く、タイル効果を使った方が…と思っても、移動可能範囲にあるタイルは、今使っても有効そうでない→運任せで殴るというよくないプレイングになってしまってました。
それでも、なんとか倒せる敵は倒していましたが、次第に、それぞれの前の敵ボードのスペースが埋まっていき、ドクロも排除できるような数ではなくなり、結局、要塞タイル全てがドクロで埋まって敗北終了となりました。

(全部のタイルが髑髏フィギュアで埋まるという、完璧に敵の手に落ちた要塞)
実はドクロの処理を間違っており、実際には3つが要塞タイルに置かれた時点で敗北だったので、9つも置かれた我々は本当に完膚なきまでに叩きのめされたわけです。(条件だけでなく配置ルールも若干間違っていたので、実際にはボロ負けが普通の負けくらいだったかもしれませんが)
さすがにちょっと悔しいので、もう一度やらせてくださいとAさんUさんにお願いして2戦目。
今度は自分たちのキャラクターをちゃんと能力を見て決めることにしました。
1戦目はろくに能力を見ずに決めたわけですが、まともに見てみると、これ強すぎだろうというキャラが何人かいます。
が、あまり強いキャラでのプレイに魅力を感じられない面子なのか、進んでそのキャラを取る方がいません。しかし、前回のボロ負けの記憶があるので、今回はそこらへんのポリシーは忘れてとにかく勝てるパーティ構成にしましょうと話した結果、Uさんは聖騎士、Aさんは前回と同じく二刀流のクロスボウ使い、僕は人間の戦士を選択しました。
Uさんのキャラは1手番内に戦闘と要塞タイルの両方の効果を使える、僕のキャラは手番時に任意の装備トークンを1つ獲得できる能力です。
単独で見てもUさんのキャラは他キャラと比べて行動力2倍の反則みたいな能力ですし、僕のキャラもこの手番に攻撃する敵と同じ色の装備トークンをもらえば、実質的に必要な目のダイスが1つ追加されているようなものです。しかも、自力でダイス目を出せば、次手番以降にも持ち越せます。
Aさんのキャラや、前回のゲームの僕やUさんのキャラは戦闘時やダイスロール時に使用機会が限定されていましたが、この聖騎士や人間の戦士は場の状況に左右されず、必ず使えるのも強いです。
要塞タイルの並びはランダムなんですが、今回は3×3の中央に「ライフを1つ回復させた上で1歩移動する」効果のタイルがあり、これもキャラクター能力に有利に働きました。Uさんの聖騎士は、中央に移動する→タイル効果を使用してライフ回復+1歩移動で敵の目の前に移動→戦闘というヒット&アウェイが使えるようになり、基本的にライフは常に3や4ある状態に(初期値が3です)。
さらにライフが余っているので、要塞タイルの効果「ライフを1消費して、古代の王にお願いして敵を1体消滅させる(ただし、倒した際の効果は±問わず適用できない)」でライフが多かったり、やばい効果を持っている(装備トークン使用不可や戦闘ダイスを1つ使用不可にする等)敵は戦闘すらせずに除去することもできるようになりました。
1戦目ではほぼ使う機会がなかったのですが、同じタイル上にいるヒーローは戦闘時に装備トークンを共有することができるというルールがあります。なにぶん、敵と隣接しないと戦闘できませんし、移動力も1歩しか基本はないですし、そもそも共有して有利なほど装備トークンの余裕がない等々の理由で、1戦目は使えなったルールですが、今度は僕のキャラクターは必ず1つは手番に獲得できることもあるせいか、装備トークンを大量に持っているため、敵がどこにいても攻撃可能なAさんのクロスボウ使いと同じタイルに移動し、Aさんのダイス結果に僕の装備トークンを追加して、ばったばったと敵を倒すことができました。
上手く回り始めると余裕もできるので、要塞タイルの効果である「罠を仕掛ける」も活用することができました。罠は敵カードの配置スペースにあらかじめおいておき、そこに敵がわいたら罠とともに直ちに除去するという効果です(登場時効果や、撃破時効果は発動しません)。
基本的に敵カードの配置は、敵カードの色である程度は指定されるのですが、指定されていないカードも稀にあり、それはプレイヤーが選んだ任意の場所に配置することができます。大抵はそういうカードはやばい効果を持っているので、登場した?じゃあ罠で除去しましょうという流れで危機に陥るきっかけすら作らないプレイング。

(要塞タイルの並びのはまり具合&優れた能力で、ちょっと記念写真を撮るほど余裕があるヒーローたち)
やはり余裕のあるプレイングをしていると流れも来るのか、まったく振るわなかった1戦目と違い、ダイスも走ります。

(トークンを使うまでもなくダイス3つ振って、3つとも黄色の目を出して敵を撃破!)
敵カードが登場した時の効果で、新しい敵を召喚する効果が連続して出たり、ヒーロー側のトークンを使用禁止にする敵が罠の仕掛けていないタイミングで沸くなどしてそれなりに盛り上がるポイントはありましたが、それでも余裕のあるライフ&トークン類を潤沢に使って危なげなく敵カードを処理していき、いよいよボスが登場しました(セットアップ時にデッキの下の方にいれておきます)。
ここからは敵カードのデッキが切れるまでにボスを倒さなければ敗北です。が、ボスの行動まで余裕があったので、旗をボスと同じ色にそろえた上に、(戦力的には2人で足りているので不要なのに)3人集合して、トークンを共有する状態にして殴って勝利!

(赤カードのボスは単純にライフが多いだけみたいな能力ですが、他の色だと体力は少ないけれどダイス1つ封印とかからめ手の能力持ってるやつもいます)

(いやー、勝った勝った!って再度記念撮影。戦士がめっちゃ後衛にいますね)
2戦目はボス戦も含めて収支余裕がありました。しかし、1戦目のメンバーで正しいルールで遊んで勝てるかと言われると勝てる気しませんがw。
【感想】
2019年によく遊んだゲームベスト10を集めてみたみたいな海外サイトでよく名前があがっていたので購入したのですが、デザイナーがボザ、パブリッシャーがレポス(七不思議とかのとこ)、そして、ファンタージの協力ゲームと、まあ、これが、日本語版でる麻雀なら役満確定みたいなゲームなんですがリメイクだからか、まだ発表されていません。
ゲームの出来はよいです(リメイク前のゴーストストーリーの評判も良かったですし)。適度に危機が演出され、危機の種類も敵が強かったり、一気に敵の数がわいたり、自分たちの傷が深くなったりとバリエーションがあります。
戦闘解決もダイスなので単純ながらドラマ的で盛り上がります(いい意味でも悪い意味でも、まさか!?が起こりえるので、盛り上がりやすいです)。もちろん、ダイス運の偏りも当然起こりえますが、協力ゲームなので、良いも悪いもプレイヤー内で共有して、盛り上がりに変わります。
協力ゲームと結果が極端(成功か失敗かのどちらかみたいな)強力な運要素というのは相性が良いのかもしれません。
正直、システム自体は優等生で、とんがったところはなく、良くできてるな程度の感想なんですが、このゲームですげえな!と思ったのが、キャラクターの能力差です。
一応、デッキに入れるボスカードの枚数などで難易度調整できるようにはなっていますが、それは、はっきりいっておまけというか、他ゲームの単なる踏襲で、実質的な難易度調整が使用キャラクターでするようになっています。
パンデミックなどではどれも強そうにみえるけども実際に遊んでみると、この能力だけではまだ足りないというか、強すぎるということはないんですが、このラスト・バスティアンは、明らかに能力の強い弱いの差が大きい作りになっていて、楽にプレイしたいならこのキャラをいれた方がいいという作りです。聖騎士は毎ラウンドのアクション回数が常時2倍、戦士は任意の装備トークン1つもらえる=敵に必中のダイス追加(ダイスだけで勝てばトークンは持ち越せるので、ダイスよりも使い勝手は良い)と、明らかに強いです。
(とはいえ、ドワーフのダイス数+1や、エルフの振り直しも、能力だけ見ると弱そうには見えないのですが)
このキャラクター能力の差で難易度調整というか、場合によっては簡単すぎる状態にもなりえるバランスにしているのが、思い切っているなと思うと同時に、うまいなと思います。
ストレスが面白さにつながるという面もありますが、同時にさくさくクリアできた方が楽しいという面ももちろんあるわけで。
好みに合ったプレイング、気分にあわせたプレイングができるってのは良いなと。
(欲を言えば、ルールブックに難易度の下がるキャラクターの組み合わせや要塞タイル配置が載っていても良かったように思います)
敵が毎手番わいてくる(ので、毎手番敵を倒すか、二体同時に倒さないと基本的には増える一方)という、ちょっと厳しめのシステム+ダイス運や敵カードの引き運によるドラマの約束された世界のなかを、どうプレイしたいか(ハードモードか、ほぼハッピーエンドが約束されたプレイか)が選べるというのは、今風だなあと思った次第です。
※ゴーストストーリーは鬼難易度のゲームとして有名でしたが、ルールの細かい変更やキャラクターやタイル能力の変更で全体的に難易度は下げられています。それも今風だと思います。
もちろんカードバランス等で難易度調整をする方法もありますが、システム対プレイヤーの場合は、“敵が弱い”と単調さや退屈を感じてしまう(のでそれを感じさせない程度に協力ゲームは高難易度になっていると思ってます)ので、システムによる敵の登場数などは激しさを保ったまま、“自分が強い”で難易度調整している(強すぎるなと思えば弱いキャラクターを選べばよい)のは、プレイヤーの好みにあわせてうまく楽しさを担保しているなと感じました。
協力ゲームってざっくり分けて、システム的にはシンプルで、協力/連携できさえすればクリアできるが、協力/連携するための制約がきついゲーム(花火とかザ・マインドとか)と、システム的に複雑度が高く、協力/連携の制約は(特に盤外で)ゆるいが、十分に協力/連携してもクリアが難しいゲーム(パンデミックとか、アンドールの伝説とか)になると思います。
後者はその場の状況でプレイヤーたちにできることの中から最適解を見つけていくパズル的なゲーム(運要素が減るとほぼパズル)なわけですが、そういうパズル的なものと、このキャラクター能力に強弱をつけることで難易度調整をする形は相性が良さそうです。
システムから提供される難易度は変わらないが、できることが減るので難しくなるという方がなんとなく理不尽さを少なく感じるので。
まあ、ラスト・バスティアンで言えば、苦しい中でぼちぼちの能力を駆使してひいひいいいながら、運が良かった!ぎりぎりで勝った!というのもいいでしょうけど、俺たちヒーローだ!とばったばったと敵を倒して敵は猛攻を仕掛けてきたけど跳ね返してやったわ!も爽快感があってなかなかよかったですw。
ラッシュ M.D./ Rush M.D.

(3人でインスト込み30分ほど)
【概要&ルール】
4分間で患者を救え! いやー、慌ててたんで肝臓と腎臓間違えちゃいました。
砂時計をワーカーとして使う、リアルタイムのワーカープレイスメント&協力ゲームです。砂時計は30秒で、1ラウンド4分、4ラウンドで規定以上の点数を稼ぐことを目指します。
ワーカー配置ルールは前作であるキッチンラッシュとほぼ同じですが、いくつか異なる点があります。
・砂時計には、各プレイヤーが1つずつ持つ医者と、全プレイヤーが共有で使う看護師の2種類があり、ワーカーのおける場所(アクション)に、医者専用、看護師専用、どちらでも可能の3種類があります。
・ラウンド終了前に配置したワーカーのアクションは時間切れになっても継続して行えますが、砂時計が落ちきるまでしかできません。
ゲームは、ブリーフィング、4分間のアクション、ラウンド終了時の処理を規程ラウンド繰り返します。
・アクションについて
ボードが大きく5種類あり、それぞれ実行可能なアクションが異なります。
・受付周辺:外来患者/入院患者カードを引く。外来患者を治療する。入院患者をベッドに乗せる(入院病棟へ移す)
・入院病棟:入院病棟にいる患者に薬等を処方します
・検査棟:入院患者カードに書かれた必要な検査が行えます(XXxXの4種)
・薬局:サプライからボード上に薬や注射器、臓器を補充します。
・手術室:入院患者カード、または検査カードに書かれた手術内容に従い、必要な治療を行います。
・ラウンド終了時の処理について
ラウンド終了時、入院患者と外来患者のチェックを行います。外来患者には必要な薬が処方されているか、入院患者には必要な検査、手術、薬の処方が行われているかを確認します。余剰、もしくは不足している場合、病院の評判がおちます。ちょうど、または余剰の場合は患者の治療は完了したとなり、点数を得ます。不足している場合は、病状が悪化して次ラウンドも患者が残ります(重体の患者は病状が悪化すると死んだ扱いになり、次ラウンドには登場しません)。
規程ラウンド経過する、もしくは評判がゼロになったらゲーム終了です。規程ラウンド経過&ゲーム開始時にカードで決めていた点数などの目標を達成していればクリアとなります。

(左2枚が入院患者、右2枚が外来患者。1番左のカードのあるメスのマークが手術で処方しないとダメな薬や臓器、左から2番目のカードにある赤や緑の人型のマークが必要な検査を示します。下側の小さいカードが検査結果カードで、追加の薬などが書かれています)

(1つ1つがでかいというか、ベッドが小さいというかで、検査結果カード2枚の患者さんだとこんな感じで必要な処置を全部するとベッド上はぱんぱんになります)
・検査について
検査は4種類あり、入院患者カードに何の検査が必要か示されています。
検査はトークンの中からカードに書かれた当たりを探す培養検査、ピンセットでカードに示された通りに小さいコマを並べ替える血液検査、複数のカードから当たりを探すX線検査、ベッドの上にバランスよく砂時計をおいて落ちきるまで耐えるMRI検査があります。

【プレイ内容】
一味さん、ウキンさん、僕の3人で。
3人ともキッチンラッシュは複数回プレイ済なので、概要までのルール説明はサクッと終わり、ラッシュM.D.の独自要素の説明のみで、いざゲーム開始です。キッチンラッシュが鬼難易度だった(※)こともあり、難易度(目標点)はイージーを選びました。
※自分では確認できていませんが、キック版が難易度高すぎたので、一般流通版では難易度調整が行われているということです。
座っていた位置の関係から、患者カードのドローと外来患者の治療はウキンさん、入院患者の検査や治療を僕と一味さんという分担になりました。
※ゲームボードは病棟ごとにわかれており、遊びやすいよう任意の位置や向きにおいて構わないというルールなので、やりたいことがあれば、座る位置に関係なく、ボードを動かせば良いのですが、初プレイなので、セットアップ時にたまたま置いたまま、座った位置のまま遊びました。
1ラウンド目、どの程度大変かまったくわからないので、とりあえず、入院患者と外来患者を2人ずつ見ましょうかということで開始。
患者には、軽症や重症など、症状の重さが設定されており、当然、症状が重くなればなるほど、治療に必要な薬や検査は多くなります。
軽いやつなら、薬を数個処方するだけ(薬を処方するというアクション1つで完治する)ですが、重いと検査を複数した上で、手術が必要になります。(1検査=1アクション、手術は医者が行える処置と看護師が行える処置が異なるので、それぞれ1アクションで計2アクションが完治までに必要です)。
しかも、当然、使った薬や臓器などはサプライからボード上に補充しないとなりません。この補充もアクションが必要&1アクションで補充できる個数は種類にもよりますが2,3個程度と多くはありません。
まあ、薬は初期セットアップの分があるので、1ラウンド目は足りなくなることはないとは思いますが…。
当然、インストで一通り説明はしているものの、このゲーム、案外細かいルールが多く、1ラウンド目は混乱しました。
例えば、薬などの補充アクションは通常は普通に手で補充すればいいんですが、臓器を補充する際にはピンセットでコマを扱わないとなりません。そして、病棟や外来で治療する(薬を処方する)時は素手でOKですが、手術室内では何をするにもピンセットでないとなりません。
この、どこまでピンセットを使うんだったかな?という件で、都度、どっちだっけ?という確認が入っていました。
(別のセッションでしたが、手術室内では全部ピンセットで扱うという説明をしたら、薬を処方する時、注射器もピンセットで掴んで、その中にピンセットでつかんだコマをいれるという曲芸みたいなプレイをしている方もいました。いや、“全部ピンセット”と僕がインストしてしまったので、そう解釈されるのも当然なんですが。(ピンセットは各プレイヤー1つずつということもあり、注射器は素手で触ってよいようです)。
そんなこんなで1ラウンド目終了。患者に必要な治療がされているかをチェックします。
患者カードや検査結果カードに治療に必要な薬や臓器が書かれており、それがカード上に乗っているか(アクションで乗せられているか)のチェックです。
一味さん:「エピデミック起ってるぞ!」
検査結果カードにはエピデミックアイコンが書かれているものが少数あり、それが引かれると、その検査を受けた患者のいる病棟で院内感染が発生します。院内感染発生時には、エピデミックカードを引き、患者カードや検査結果カードに加えて、エピデミックカードに書かれた薬も処方しないとならなくなります。
つまり、エピデミックに気づいていなかった=エピデミックカード分の処方は当然やってないので、治療失敗となります。
一味さん:「入院患者を入院病棟に運ぶ時に、A病棟とB病棟にわけて運んでおいてよかった」
エピデミックは病棟内だけにしか影響しないので、B病棟の患者は無事治療完了で退院していきました。
エピデミックに気づかなかった検査者は誰なのかというと、僕なんですが、次から気を付けますというぬるい再発防止策で勘弁してもらい2ラウンド目開始です。
2ラウンド目のアクションを開始する前に、作戦を練るブリーフィングです。とりあえず、1ラウンド目でどれくらい時間がきついかや目標点に達するには何人くらい患者をさばけばよいかもわかったので、その目標人数分、患者カードを引いて、後は臨機応変にいこうと決めました。
正直言って、イージーは(たぶんノーマルでも)結構時間の余裕があります。なので、分担を決めるですとか、連携を密にとかそういうのは置いておき、とりあえず、薬局に足りてなさそうな薬があれば、検査が早く終わって砂時計の砂が落ちるのを待っている間などの手が空いている時に、看護師ワーカーが空いていれば補充するみたいな感じでやってました。
それでも、たまに、いざ手術に突入してみたら臓器が足りないみたいなこともありました。
一味さん:「腎臓あると思ってたら、ない! 腎臓を誰か補充してくれー」
ウキンさん:「腎臓ってどのコマ? これ?」
僕:「豆みたいなやつ!」
処方アクションにワーカー置いたけど薬が足りないので、自分で薬補充してから改めて処方するといううアクション的には無駄極まりないことをやっても問題ないほど、落ち着いた感じでゲームは終了。
エピデミックも治療ミスも1ラウンド目だけでしたし、毎ラウンド目標数の患者を治療し続けて、危なげなくクリアできました。
(目標はイージーを目指してましたが、検査結果カード等から追加の点数がはいるため、結果的に点数はノーマル難易度をクリアできるくらいの点になってました)
【感想】
リアルタイムの協力ゲームというだけで、わちゃわちゃしたり、いい感じで連携できたりと面白さは保証されていると思うのですが、このラッシュM.D.もやはり面白いゲームでした。
患者カードや検査結果カードはめくるまでどの程度の難易度のものが出てくるかはわからないというのが不安をあおりますが、少なくともベーシック難易度ではそこまで気にしなくてもよさそうです(患者数をセーブしていれば、十分検査も治療も間に合うはず)。
難易度がハード(目標点があがる&治療ミス時の許容量が減る)は未プレイなので、どの程度運次第なのかはわかりませんが。
リアルタイムの協力ゲームということで、どの程度、プレイヤー間で意思疎通というか、連携がとれるかでゲームの難易度が変わって来そうではあるのですが、ぶっちゃけ、そう連携を強く推している作りでもないです。
これは正直残念で、最低限の役割分担は必要ですが、声を掛け合う的な場面の必要性は低いように感じました。
しかし、これはゲームの作り的に仕方ないところで、検査=アクションゲームなので、アクションゲームやりながら他のことに気を回せるか?というと、んなわけないんですよね。
キッチンラッシュはちょっとした空き時間(料理に火を通したり、皿を洗ったりとワーカーを置いて、実際に手を動かす時間が短かったり、ほぼないアクション中)に、声を掛け合ったり、状況確認したりすることができ、それがワーカー配置&アクションの解決法(食材をどの倉庫に補充するかとか)の効率化につながっていて、面白かったんですが、ラッシュM.D.では、前作のそういった面白さはある程度捨てて、個人個人の判断や解決のうまさにゲームの面白さや難易度調整をふっています。
リアルタイムのアクションゲームにふさわしい言葉ではないかもしれませんが、ソロゲーよりの面白さと言えると思います。
キッチンラッシュは1ゲーム終わると、脳みそと身体が疲弊して、続けて何戦も遊ぶというゲームでは(僕には)なかったですが、ラッシュM.D.は気軽に楽しく遊べるゲームになっていると思います。
各検査のアクション要素がちょっと単純かなーとも思いますが、これも気軽に遊べる調整にしているともとれます。
しかし、かといって、連携部分が薄すぎるというわけでもありません。
ルールのところに書きませんでしたが、今回の特徴として、検査が終わった患者は、『検査を行った医者ワーカーの砂が落ちきっていなくても』、次の検査や手術を行うことができるというルールがあります。患者が何もせずに空いている時間を節約することができるので、X線終わった!血液検査お願いします! 了解!血液検査も終わった!オペ開始してください!のように、1人の患者を複数のプレイヤーでパスしていくようなプレインができれあば展開も熱いですし、医者ワーカーのマネジメントが熱いじゃないですか!
まあ、実際はそこまでしなくてもラウンド内に1人の患者を2つ検査して、手術もして…が普通に間に合ってしまう(少なくとも3人プレイ、難易度イージーやノーマルでは)んで、あまりない場面かもしれませんが…。
協力ゲームは苦しい展開、ぎりぎりクリアできないくらいの難易度を期待する人には拍子抜けかもしれませんが、気軽に楽しんでクリア!やったぜ!と楽しめるゲームだと思います。
ロール・トゥ・ザ・トップ!/ Roll to the Top !

(3人でインスト込み30分ほど)
【概要&ルール】
ダイスを振って山を!高層建造物を登れ!苦しくなってきたら20面ダイスだ!
ダイスを振って、その結果を専用用紙に記入していく、いわゆるロール&ライト系のゲームです。
ゲームに使用するのは、4面、6面、8面、12面、20面のダイスが1つずつと、プラスやマイナスが書かれた特殊ダイス1つです。

(使うダイスはこんな感じ)
手番プレイヤーはダイスを振り、プレイヤー全員がその出目を自由に組み合わせて用紙に記入します。
使わないダイスがあっても構いません。
例えば数字の出目が2,5,8だった際は、そのまま2,5,8を書いても構いませんし、2と5だけ書いても、組み合わせて7,8や15を書いても構いません。
ダイスロールの際、あわせて特殊ダイスも振ってます。この特殊ダイスの出目によって、振ったダイスの中から次の手番プレイヤーが振るダイスを減らしたり、追加したり、交換したりします。
手番プレイヤーが4面、8面、12面と特殊ダイスを振り、結果が、1,7,9、+だったとしたら、全プレイヤーの記入確認後、隣のプレイヤーに手番(ダイス)を渡す際に任意のダイス(例えば20面ダイス)を追加できます。
もし、マイナスの目が出てたら任意のダイスをいったんゲームから除外できます。
専用シートへの記入は、(背景になっている建物や山などを登るように)下から上に埋めていきます。
条件として、下にあるマスの数字以上でなければなりません。ピラミッドみたいに2マスを土台にしている場合は、2マスのうち、大きい数字以上の数字でないと上のマスには書けません。
こうして、一番最後のマス(一番てっぺんのマス)まで数字を一番先に記入したプレイヤーが勝利です。
【プレイ内容】
ウキンさん、Blueroseさん、僕の3人で。
記入シートは(Kickstarter版なので限定のおまけもあるのかもしれませんが)10種類くらいあるようでしたが、今回はTreeというシートを使うことにしました。
序盤は出目が小さ目で全員順調に伸ばしていきます。
徐々に大きい数字をいれていかないとならないので、序盤は小さい目の方が助かります。
助かりますが、全員が同じダイス目を使うので、あまり目が良すぎると正直なところ差はほぼつきません。
2マスの上に1マスあるようなピラミッド型に並んでいる場合、土台のどちらともより大きな目でないとならないので、一方のマスに1や2が書けている時など、もう一方も同じくらい小さい目がこないかなと思いはしますが、あまりにも待ちすぎると他プレイヤーはどんどん先にいってしまうのでどうするかちょっと悩みます。
今回は最序盤で5を使うかどうかの選択で、使わなかったBlueroseさんがその分遅れ、ウキンさんと僕が同じくらいのスピードで登っていく展開。
一回、使わない選択をすると、その分、良い数字を待ってしまって停滞してしまいがちなのが怖いところ。
(5を使わない選択をしたとして、次に6がでた時、使う思い切りはなかなか持てませんが、5を使った人たちはラッキー。6だ6だと先にいってしまうので焦ります)
ウキンさんがトップ、僕が2マス差くらいで2位、さらに2、3マスの差でBlueroseさんが続きます。
そして中盤。これまで一桁の数字ばかり書いていて、8~11くらいの目を待っていたところ、出た目は6と7。
単体では書けない数字ですが、組み合わせれば13になります。8~12までをスキップするのか? 僕は悩んで使わないことにしましたが、ウキンさんは13をシートに記入されます。
この後、大きい目がでてくればウキンさん有利ですが…。
ウキンさんは20面ダイスを追加することも選択。まあ、これは当然と言えば当然。
しかし、20面ダイスの出目が全く奮いません。10以上の出目がでない! ウキンさんにとっては不利な展開。
僕とBlueroseさんの手番でダイスを減らす、または交換する目がでれば当然20面ダイスは外します(大きい目がでればウキンさんにだけ有利なダイスなので)。
2対1と外す派有利だったことと、出目が悪かったこともあってウキンさんの決断はあまり効果がなく、逆に僕らとの差を詰める結果に。
終盤になってくると、このシートだと行き止まり(てっぺん)も増えてきます。てっぺんまで行けばもう上に書く目とか気にしなくていいので大きい目も大胆に書けます。
最後、ウキンさんがあと2マス、僕が3マス、Blueroseさんが5マスという状況で、このダイスロールの結果次第となり、僕とウキンさんが同時ゴール。Blueroseさんは一歩及ばすという結果になりました。

(エッフェル塔のシートと今回使った木のシート。シートは10種類前後あるようで、それぞれ特徴が異なります)
【感想】
背景に絵があるとは言え、マスに数字を書き込むだけですし、ダイスも絵柄がついてるようなやつを使うというわけでもない地味なゲームなんですが、遊んでみるとじんわり楽しいです。
ポイントは以下の3つかと思います。
・出た目全てを使えるように待ちをどう作るか考える楽しさ
・出目は組み合わせて良いのでちょっとした計算の刺激
・使うダイスを(ゆるくながら)操作できることによる他人への干渉
1つ目2つ目はほんとちょっとしたことで、あると嬉しい程度ではあるんですが、遊んでる際に「自分で工夫できる」のは良いと思います。
とはいえ、2点だけだと、まあ、普通のそこそこ面白いシート記入型ゲームです。
このゲームなりのポイントは3つ目の他人への干渉のとこです。
シート記入型のゲームは基本的に後戻りできないシステムなためか、(どこに何をの選択肢はあれど)書くか書かないかの選択がメインになりがちです。
そして、選択肢の候補はダイスやカードといったランダマイザを使って作られることが、これまた多いので、どうしてもギャンブル的な面がでてきます(だからこそギャンブル性を下げる工夫や考えどころがあると楽しさが増すわけですけど)。
そして、ギャンブルにチャレンジするかどうかは他人の決断についてなのでこちらがどうこうできるものでもありません。
他人のダイスも使えるだとか、早どり要素があるなどの形でインタラクションを設けているゲームもありますが、結局、基本的にはソロゲームというか他プレイヤーのプレイングに干渉はできません。
また、ダイスを使ったゲームで他プレイヤーのプレイングに強く干渉するといえば、使用するダイスのドラフトがメジャーではありますが、ギャンブル寄りのゲームとドラフトは正直相性は良くないと思います(欲しかった目が出た!やった!→はい、カット〜が楽しいかという話)。
ロール・トゥ・ザ・トップでは、ギャンブルにでたプレイヤーに対し、緩やかではありますがダイスの選択によって邪魔する方向で干渉することができます。もちろん、ダイスが減ろうが増えようがどんな出目が出るかは運任せではあるのでその干渉がうまく作用するとも限りません。
限らないんですが、他人への意思を明確にルール上のアクションで示せるというのは、いいアクセントになっていて、出目に一喜一憂する中で、自分(主に手番プレイヤー)に都合の良い目がでるか出ないかだけでない、他人が干渉しようとしたけどその結果は…?という新しい観点が追加されてます。
こういう運次第でどうとでもなる干渉って、うまくいってもいかなくても盛り上がり方は大して変わらないってのがまた良いなと思います。
刺激がさほどなく、優しすぎるきらいはありますが、優しい中で精一杯あーだこーだができて、ぎゃはぎゃはと楽しさが共有できる良いゲームだと思います。
ライズ・オブ・トライブス/Rise of Tribes

(インスト込み4人で80分ほど)
【概要&ルール】
うちの部族が一番だー、いやー、うちだー。ボコスカボコスカ。いや、全く関係ないうちが一番でしたね。
自分の部族を繁栄させて最初に規定点に達することが目的のゲームです。
プレイヤーは誰かが既定点に達するまで、時計回りに手番を繰り返します。
手番は以下の流れで行います。
1.ダイスを2つ振る:ダイスの目は太陽2つ、月2つ、無地2つで、ゾロ目がでたらイベントが発生する。
2.アクションから1つを選んでダイスを配置して、アクションを行う×2
3.1エリアに既定数以上のコマがいる場合、紛争発生&解決。
4.持っている資源を消費するなどして、目標カードを達成したり、集落を作ったりする
<アクションの種類>
・成長:自コマのある任意のエリアに既定数の自コマを追加する
・移動:既定数の自コマを隣のエリアに移動させる
・収穫:自コマのあるエリアから既定数を選択し、エリアの地形に応じた資源を得る
・カードを引く:各プレイヤーが持っているデッキからカードを既定数引く
<アクションとダイスの関係>
各アクションには対応したダイスが3つずつあり、その目が月が2つ以上ならアクション効果が下がり、太陽が2つ以上ならアクション効果があがるようになってます。
成長なら、通常は3コマ増えますが、月が2つ以上なら2コマ、太陽が2つ以上なら4コマ増えると効果が変わります。

(こんな感じでボードがあり、各アクションに対応した場所にダイスをおくようになっています)
<カードの種類と達成>
カードは引いただけでは効果はなく、道具系のカードならかかれた資源を払うことでちょっと得点+アクション強化効果(例えば獲得する資源数+1とか)、目標系のカードなら書かれた条件(山エリア4つで過半数をとっている等)を満たしていればそれなりに得点できます。

(個人ボードの左側に引いたカードはおいておき、手番終了時に条件を満たして/資源を払えれれば個人ボードの右に移して効果を適用できます。条件を満たすのはその時点だけでよいです。カードは持ち主のウキンさんが日本語化されてます)
【プレイ内容】
ウキンさん、Domiさん、ちとさん、僕の4人で。
ウキンさん以外は初プレイでしたが、手番順で初期配置にかなり傾斜がつくようになってることにまずウキンさん以外の3人が驚きます。スタートプレイヤーは初期配置できるのは1エリアですが、4番手プレイヤーは2エリアもらえます。
ちょっとちょっと倍違うんですけど。つまりこれってかなり後手番がきついってことですかねと話しながらスタート。
今回は部族ごとにちょっとした能力を持った拡張?入りで。各部族2種類の能力があり、ゲーム開始時にどちらを使うか選びます。僕は条件が比較的楽そうな『収穫時に自コマが4つ以上あるエリアから得る資源+1』の能力を選びました。
かなりさっくりとコマが減る戦闘解決のルールだったので、まずは、自コマ数増やさないとなと思ってたんですが、僕の手番でイベントが発生。先着3名まで収穫時に木材が+2もらえるようになりました。
うーん、それなら収穫しないと損だよなあ、いまは月が2つあるから効果が弱まってるけど2エリアから既定数の資源がもらえるから、初期配置から少し移動して2エリアに広がってから収穫だよなあと、自コマを増やすのを後回しにして移動&収穫を実施。
初期配置は3コマだったので、2エリア分に広がったことで2コマと1コマに。
みなさんも収穫はしたそうですが、僕は3番手だったので、次は4番手のDomiさんは初期配置で2エリア(&6コマ)持ってるので、収穫しても特にコマが薄くなることはなし。次々手番のちとさんは2順目なので自コマ数は増やし済。
戦闘解決ルールは簡単で、手番終了時に6コマ以上になってるエリアがあれば、5コマ以下、かつ、1プレイヤーのコマのみになるまで対消滅していくシステム(なので、他プレイヤーが4コマあるエリアに4コマ移動させると全部相殺されて空き地になります)。
通常は収穫などのアクションにエリア内のコマ数は関係ないので、1コマでもアクション効果に変わりはありませんし、大量に移動してこない限り戦闘は発生しませんが、倒そうと思えばすぐに倒せる状態なのでドキドキはします。
早くコマ増やさないとなと思いながら2手番目。ダイスを振るとまたもやゾロ目でイベント発生。
今度は蛮族コマが盤上に置かれました。NPC扱いで移動はせず、戦闘開始などの条件は同じですが、蛮族のいるエリアでは収穫はできません(プレイヤー間では、上限をこえなければ1エリアに複数プレイヤーのコマがあっても問題ない)。
自分の周りから離れた空きマスに蛮族コマを一気に3つおいた結果、Domiさんがなんか安全地帯にいるみたいな感じに。
なんか僕はイベントを出す係みたいになり、何故か5手番連続でゾロ目をだしてました。XXがもらえる系のイベントは発生すると嬉しいんですが、下家の方々に取られるのでいま取れるなら取ろうか…とやってた結果、おそろしく鈍いスタートになってしまいました。

(湖エリアを移動力無しで通り抜けられるカヌーが登場したので、急いで条件を満たしてカヌーゲット。しかし、盤上では僕の黄色はめっちゃ出遅れてます…)
僕がとろとろやっていた間に、トップに躍り出たのはDomiさん。僕の作った蛮族の壁や、運良く太陽がそろったり、収穫量+1の道具カードを真っ先に達成して大量に資源を獲得するなど、いろいろと有利なことが相次ぎ、最初に集落を作られました。
集落は色々効果がありますが、手番開始時に1点もらえるのが大きいです。さらに数手番後にもう1つ集落を作られ、手番開始時に2点もらうようになってしまいました。
既定点は15点なので毎手番2点もらってたらやばいでしょうとみんなで殴ろう殴ろうということに。
ちとさんは引いたカードの効果が移動系だったためか前面にはでず、ボード隅で人を増やして資源をためて…と堅実なプレイ。
とりあえず隣接エリアにDomiさんのコマがあるエリアがあったので、移動して攻め込みます。
更にウキンさんもDomiさんのエリアに攻め込みますが、ウキンさんは序盤に達成した道具が、成長時に増やすコマ+2や戦闘開始前に相手のコマをまず1つ減らすというもの。これで部族の能力も、増やしたコマをエリアではなく手元に置いておき戦闘発生時に任意に追加できるという能力で、人増やして他人を殴るために生まれましたみたいな部族。
一気にDomiさんのコマがあった2エリア落とすという鬼のようなプレイ。
Domiさんは一時、ほぼ全てのコマを盤上に配置してしましたが、このちとさんウキンさんの波状攻撃で集落は全部破壊されるわ、コマは1つまで減らされるわでボロボロな状態に。

(Domiさん(青コマ)全盛期。緑のウキンさん、赤のちとさんに殴られて、この1巡後に1コマまで削られます…)
完全にこの対Domiさん攻勢で得をしたのは僕。
盤面に人コマがなかったり手番順がDomiさんの上家だったりで、戦闘には参加せずに国力は全く減らず。
しかも、カードの引きが悪くて使えなかっただけでめっちゃ大量の資源を持っていました。
戦闘のせいでみなさんの国力が低下したタイミングで、カード引きまくって大量に持ってた資源で一気に道具系のカードを達成。
道具パワーで移動力も収穫量も成長量もプラスされてるを活かして、人コマ増やしてばらまいて目標も達成。
移動アクションのダイスが月に偏っており、戦闘民族のウキンさんは移動系の道具を持っておらず、戦闘したくてもできない状態になってたこともあり、他の皆さんの疲弊した国力では止められることなく1,2点の状態から2,3手番で一気に15点までかけ上がって勝利しました。

(成長するコマ数+2の道具効果で一気に人コマを増やしてその後、カヌーの効果で人を複数エリアにばらまいて条件達成)
【感想】
手軽に遊べるシヴィ系のゲームです。カードを引いてアクション強化、強化したアクションで国力上げて…とサクサクっとプレイできます。
サクサクさの要因は2つで、1つはアクション効果が国力依存ではないこと、もう1つはちょっと大きめに設定された既定数以下であれば複数プレイヤーのコマが同一エリアに入れることかと思います。
この2点のおかげで国力を上げるための下地を作るという段階がすっ飛ばされて楽しいところから遊べる&こういうゲームでよくある殴る意図はないがなんとなく牽制しあってる状態や特に目的なく放置されているコマが邪魔で移動が制限されている状態になるということがなくなり、一定以上の加速度でゴールに向かって直接的なやり取りだけをすればよいゲームになってます。
シヴィ系でよくある技術ツリーなども作らず、そういうカードは全部ひとまとめにデッキにしてしまいプレイヤーの意図があって、成長の方向が決まるのではなく、引いたカードに合わせた戦術をとるしかないという、あーだこーだと考える時間も省略させてます。
面白いのがアクション選択用に用いるダイス目が偏るとアクション効果が増減するところで、太陽2つ以上ある場合と月が2つ以上ある場合とでは、アクション効果が2倍近く違います。なので、出目次第では、やりたいアクションを諦めたり、逆に予定していなかったアクションを優先させたりすることになります。
ダイスの出目次第という完全に運なので、狙ってどうこうできるわけではないんですが、ダイスの偏りのせいでアクション効果が弱くなってて必要な効果に足りなかったり、出てしまった太陽の目をいずれかのアクションに置かねばならず、下家が有利になりそうで非常に嫌な思いをしたりと案外ドラマがあります(必ずそうなるというわけではないと思いますが、序盤と終盤でアクションの重要度が異なるため、ダイスの偏りの流れが終盤に望まれない形になっているなど仕込まれてるのかもと思うようなことは起こります)。
イベントも同様でダイスで発生&何が出るかもランダムという仕様な上、効果がかなりデタラメなものがあるので、これまたドラマの一要因になってます。
とはいえ、ダイスの偏りもイベントも運任せな割に効果がでかいので好き嫌いはありそうです。
全体的にどっかんばったんの大味/大胆な作りで1順もすれば大きく盤面が変わります。なので、悩んでもしょうがない、いや、必要以上に悩む必要がなくなり純粋に楽しめます!
諸々含めてゴールに向けてのこのスピード感はありだと僕は思います。手番回数が7~8回程度、インスト無しでプレイ時間1時間前後のゲームですし。
気になるのはゲームの展開に幅があるのかどうか。
アクション効果が序盤からそれなりに強いうえに道具系のカードの効果もまた強いので、序盤に持っている資源とマッチした道具系のカードを複数引いたプレイヤーがまずとびでます。しかし、当然、これは残りのプレイヤーからトップたたきということで攻撃されます。んで、この時に一番損害が少なかったプレイヤーが勝つという流れに固定されるような気が若干します。
少なくとも、最初にとびでて、殴られてへこんだプレイヤーが再度トップまで浮上するような時間(手番)はたぶんないんじゃないかと。
そんなわけで最初にとびでるとかなり不利なんじゃないかなと思ってしまいます(別に検証したわけではありませんが)。
あと、資源もカードも使わないで上限なしに持っておけるので、盤面上はそうでもなくても実はめっちゃ国力のあるプレイヤーが隠れやすいってのもちょっとなあと思います。
しかし、そんな「目立つ行動止しとこう」「チャンスまでひたすらしゃがみ」みたいなのはこのゲームの良いところである「下積み不要」「いきなり全力でやりたいことができる」を完全に殺してるので、ガンガンやろうぜと全員全力で走るみたいなプレイスタイルがこのゲームを一番楽しめるように思います。


(ウキンさんがお持ちなのがキック版だったせいか、色々と特殊コマが入ってたのでゲーム後みんなで遊んでましたw)
ルクソール/ Luxor

(4人でインスト込み1時間半ほど)
【概要&ルール】
1人で奥にはいるよりできるだけみんな揃って奥の方に行こうぜ!一番奥にある宝よりみんなの名声だよねー。
プレイヤーは探検家?になって遺跡の中に潜っていきます。途中に獲得した宝や、最終的な到達場所が点数になります。
プレイヤーは5枚の手札と複数の探検家コマを持っています。手札は並べ替えることができません。手番には手札を1枚プレイして書かれた数字分、または書かれた特殊な方法で自分の探検家コマのいずれかを進めます。
プレイできるのは手札の右端か左端のどちらか1枚だけです。
移動した先のマスの処理をして、手札を補充したら、次のプレイヤーに手番が移ります。
補充する手札は必ず真ん中(左右に2枚ずつの場所)にいれます。
これを繰り返し、遺跡の一番奥の部屋に規定の探検家コマが入ったらそのラウンドの最後までやってゲーム終了です。
・宝の獲得処理
移動先のマスに書かれた処理を行いますが、宝の書かれたマスには、その宝を獲得するために必要なコマ数も書かれており、1人のプレイヤーがそれと同じ数のコマを置く(何手番かかけて移動させる)とそのタイルを獲得でき、あわせてタイルに書かれた点数を得ます。
これにより空きマスができるため、今後、宝タイルがあったマスはとばして探検家は移動します。
【プレイ内容】
たる田さん、しのぽさん、ぐんまさん、僕の4人で。
ツイッター上で評判がよいツイートをよく見かけたので、遊ばせてほしいとたる田さんに持ってきていただきました。
手札からカードをプレイしてその数字分進んだり、その手札の使い方に制限があったりするもののマスの並びは(中心に向かってらせん状にはなってますが)一直線だったりで、基本的にはすごろくです。
(ルクソール=テーベのどの遺跡がモデルになっているかよくわからないのですが、とりあえずルクソール神殿は(らせん状ではなく)一直線みたいです)
じゃんけんに勝って僕がスタートプレイヤーです。
ひとりだけ先に進ませて使える探検家コマ数を増やすのがいいのか、手前からお宝を取っていくのが良いのか、よくわかりませんが、とりあえず適当にカードをプレイして始めます。
あまり意図せずに3のカードをプレイしたのですが、ここは、獲得に2コマ必要なお宝タイルのマスです。
つまり、僕はもう1コマ同じマスに移動させれば獲得できます。
当然ながら、他のみなさんはこれから2コマを移動させて来なければ取れないわけで、手札に移動できるカードがあればという条件付きですがこのタイルに限れば僕が一番有利になりました。
そんなわけなのかたまたま手札になかったのか、下家のぐんまさん、たる田さんと僕と被らないタイルに移動させていきます。
なるほどね!と思いながらも僕の使える手札に3のカードはなかったので、別のコマを動かします(1と2のカードはあったのでそれで3マス目を目指そうとしました)。
本当にカードがなかっただけで、特に意図があったわけではないんですが、移動先には既にぐんまさんのコマがあったため、お!お?と取り合いか?みたいな感じに。いやいや、カードがないからですよとヘイトをあげないようアピールしました(そもそもスタート直後はコマは2つしかないのでこのマスを争えません)。その直後、たる田さんも僕が既にコマを置いているマスに進めてきたので、あ、これは確かにドキドキするわと納得。
ドキドキ回避と当初の予定通り、スタートから3マス目の宝を獲得しました。
この前後にぐんまさん、たる田さんも宝を獲得された関係で一気に空きマスが増えました(宝タイルがあった場所は壁に何も書かれてなければ宝をとられると空きマスになります)。
しのぽさん:「あ、空きマスはとばすから一気に進めるようになるのか。計算狂うわー」
そう、これまで4や5のカードでないと進めなかった場所まで2や3のカードで進めるようになりました。

(こんな感じで空きマスができます)
さっき僕は3マス先の宝タイルを取るのに、3,1,2とカードが手札にあったので、よしよし獲得に必要な2コマをちゃんと送り込めるぞと思っていたわけですが、手前のタイルを他の方が取った場合、3,1,2とカードをプレイしても同じマスにたどり着けなくなる場合がでてくるようです。
おー、なんだこれwと楽しいのは楽しいですが、狙ったところに移動できなくなるのは困ります。
さらに言えば、先頭を移動するとこの空きマスの恩恵を受けられず、あとから来る人たちと比べて移動効率が悪くなってしまいます。んじゃ、ゆっくりあとから進むのか?というと、やはり誰にも触れられていない宝タイルは魅力的ですし、ゆっくりいくのは、他プレイヤーに楽に得点を与えているということにもなります。
まあ、そもそもどんなカードが補充されるかは運任せだしと気楽にいきます。
宝タイルが取られたところは空きマスになると書きましたが、タイルのわきの壁に壁画あるマスは宝がとられたあと、特殊マスになります。特殊マスではゲーム終了時に点数になるスカラベがもらえたり、強い移動カードがもらえたりします。
強めの移動カードは宝タイルが取られた跡地だけでなく、最初から見えている特殊マスでももらえます。そこでは、最奥の至聖所(ルール読んでないので表現は違うかもしれません)に入るのに必要なアンクか、強めの移動のためのカードがもらえます。
この強めの移動カード、獲得時にはそのマスに止まったプレイヤーの手札に入りますが、プレイすると普通に全員共通の捨て札になり、移動カードの山札がきれた際には捨て札が全部シャッフルされて補充用の山札になって、あとは普通の移動カードと同じ扱いということで、最初の一回だけ引いた人が得、あとは運任せです。
一方でアンクは至聖所に入らなければ入らないで1つ1点になります。じゃあ、自分以外も得する移動カードよりもアンクの方がいいんかな?でも、特殊移動カード強いの多いみたいだしな…と悩ましいです。
とにかく最初の1回は確実に自分の得になるからその後のことなど知らん!とばかりにカードばかり集めていくしのぽさん、他人が得するのはいやじゃあとアンクしかとらないたる田さんとこのおふたりは両極端。ぐんまさんは中庸というか、その時々でちゃんと損得考えて選択されている模様。
そして、僕はというと、悩むくらいなら最初からそのマスに止まらない!という方針を取りました。
(どうしても止まる以外の選択肢がない時は、カードを選択してました。どうせ最後の至聖所には他の方が入って自分は入れないだろうと思っていたので)
中盤にはいったあたりでちょっと困ったことが。
ルクソールでは宝は3種類あり、3種類そろえることでセットボーナス点がもらえます。なので、色んな種類の宝を取っていった方がいいんですが…。ここまで取ったの壺しかねえ! いくらなんでももう少し種類を増やした方がいいのはわかるんですが、効率よくカードを使おうとしたり、他の人と被っている部分を避けようとしてたらこんなことに…。
まあ、こちらは心を入れ替えて壺以外も取っていけばいいんですが、それよりちょっとまずいなーと思っていたのが、壁画付の場所の宝タイルを取る機会がなかなかなく、みなさんは宝タイル+αを手に入れていたのが、僕は宝タイルだけということです。

(壺しかない)
セットボーナスも特殊マスからもらえる恩恵も受けずにプレイするのは流石にやばいだろうと心を改め、カードの内容重視にするのは変わりませんが、できるだけそういう宝やマスを狙うことにしました。
そんな矢先、僕が1つコマを置いていた壺の宝タイルの上にしのぽさん、たる田さんがコマを移動させてきました。他のコマを動かしている間にしのぽさんたちの2つ目も置かれました。流石にもう壺いらないだろうと思われてるんでしょうが、いや、2人も2つ置いてくれたなんて、ちょっとおいしすぎませんかということで、「本来の獲得に必要な人数から1コマ少なく獲得できる」特殊カードを使用して壺を獲得! うーん、楽しそうだからやっちまいましたが、さすがに壺を集めすぎてるな…と、ここからは本当に心を入れ替えました!
そして、後半戦にはいっていくとゲーム展開が速い! 特殊マスとしてワープ(ワープマスAからワープマスBに一気に移動できる)が使えるようになったり、空きマスがどんどん増えたり、そこで移動終了すると1~3マス先まで移動できるマスが増えたりで、序盤から中盤にかけて徐々に徐々に進んできたのがウソのように、バッ!バッ!と先に進めます。
特殊移動カードももうかなりの数が山札に混ざっており、えーと、手札にある数字が〇とXだから…とか考えていたのが、全コマ2マス移動カードで一気に移動して、1~5マス移動できる(範囲内ならどこでも止まれる)カードで微調整しつつ宝獲得だななどと、やれることも派手になってます。
誰が最奥を目指すのか?と様子見をしたのかわかりませんが、結果的には僕が最初にとびでて最奥に向かう流れに。実は僕はまだ1コマスタート地点にいたので、他のみなさんが全部のコマを先に進めるのを優先されたのに対して、僕はそうしなかったというだけかもしれません。
最後まで駆け抜けてしまおうかと思ったのですが、1~2コマで取れる宝は至聖所手前にいくつかあり、みなさんゆっくり目の進行スピードだったので、もう1つのコマを待って、宝を取りながら進むことにしました。
先に頭1つ抜けてるメリットは大きく、よしよし邪魔されずに宝タイルとれそうだと油断していると、ぐんまさんに「本来の獲得に必要な人数から1コマ少なく獲得できる」特殊カードを使われて、1手無駄にしたりしましたが、そのあとは、だいたい思い通りに取りたい宝は取れて、まず1コマを至聖所に。ぐんまさんやたる田さんが至聖所を目指されるかと思いましたが、移動カードの関係か、もう少し手前の宝獲得や、スカラベ獲得中心に行動されてます。
ゲーム終了時にコマがある場所に応じて点が入りますが、それは当然奥の方が点数が高いです。しかも、最奥に近付くにつれ得点の上がり具合が急になるのでスタート地点付近にコマが残っている僕は不利といえば不利です(同じだけ進めた場合、点数の上り幅が僕以外の方の方が大きい)。
では、さくっと終了トリガーを切ってしまいたいわけですが、自分で最奥行くと思ってなかったのでアンクを持っていませんw。
急いでアンクをとってもう1コマ至聖所に突っ込ませます。これでなんとか勝てたかな?と思っていると、たる田さんから「(移動カードの数字が)ちょうどじゃないと至聖所には入れないよ」との指摘が! そうでした!
幸運なことに次のカードは1~5の範囲移動カードだったので、1ターン足踏みして後ろの方のコマを動かし、その次の手番で今度こそ至聖所にもう1コマ突入成功。
僕がスタートプレイヤーだったので、みなさん最後の1手番を実行して、ゲーム終了となりました。

(至聖所?玄室に突入してゲーム終了!)
この時点では僕が勝ってますが最後のボーナス点などの追加です。
コマの位置の得点は至聖所に2コマ突っ込ませているものの、遅れていたコマの分が効いてそこまでみなさんと点差はつかず、スカラベ点はたる田さんが後半毎手番スカラベを取るという戦術をとられていたので、ダントツ。
そして、宝のセットボーナス点です。僕はセットボーナスは2組のみ。しのぽさん、たる田さんは3組、ぐんまさんはなんと4組です。
このセットボーナスの点でぐんまさんが1点差で僕をまくり、勝利されました!
【感想】
ルクソールは毎手番、数字を1つ決めてその分、コマを進め、進んだ先のマスのイベントを解決するというすごろくフォーマットのゲームです。
(ボードゲーマーの中で)一般的にすごろく(人生ゲームも含んでいいと思います)がつまらないと言われるのは、3つの要素が不足しているからだと僕は考えています。
1つ目は刺激、2つ目は計画性、3つ目は選択肢です。
(この3つが抑え目になっていることで誰にでも受け入れられるゲームになる/なっているとも思うんですが)
逆にルクソールはこの3つの要素が充足されているからこそSDJの候補にも選ばれるような(ボードゲーマー受けする)ゲームになっているのだと思います。
例えば計画性です。このコマをXマス進めて、今度はこちらに〇マス…と考えることができるのは、手札を複数枚持っており、その中から選ぶ形になっているからで、通常のすごろくでもサイコロを手番ごとに振るのではなく3つくらいストックしてそこから使うようにすれば計画性がうまれます。
選択肢は手番に使えるカードは右端か左端の2択&どのコマを動かすかで多くはないですが、計画性と相まって意味のあるものになっています。『右に行けば10%で百万ドル、左なら50%で二十万ドル』みたいなものではなく、意図を持って選べる選択肢だと思います。
計画性と選択肢が加わって面白くなっているのは確かなんですが、僕がルクソールのシステムで一番うまいなと思っているのは、計画性でも選択肢でもなく、前述の"刺激"の部分、ゲーム中に徐々にゲームに加わっていく空きマスや特殊カード、追加コマです。
計画性も選択肢も最小限のもので、正直な話、徐々に飽きてしまいます。そこに随時新しい刺激(空きマスや特殊カード、追加コマ)が投入されるため、徐々に考え方を変えていったり、それまで気にしなくて良かった点を気にする、新しいムーヴができると、飽きを解消する/飽きさせない作りになっているように思います。
他プレイヤーの動きと新要素の随時追加が、ルクソールでの良い感じの“刺激”になっています。
単調にならないような計画性や選択肢をあらかじめ用意し、さらにそれに慣れてきたところに追加追加と単純でありながら単調にならないように工夫している、基本は簡単なシステムながら言い方は悪いですが、終了までの時間、逃げ切っているゲームだと思います。
と、良い作りのゲームであることは間違いないんですが、優しすぎるゲームであるとも思います。
例えば、ルクソールは点数(宝)を取るには複数コマが必要になります。一部の特殊カードを除けば、1度に1コマしか動かせないので、先に手を付けられた宝を他プレイヤーが後からきて獲得することは非常に困難です。なので、大抵の場合、先に手を付けた宝は計画通り獲得することができます(手札にカードがないかもしれませんし、計画実行中に途中に空きマスができるなどして、まごまごしてる間に取られることがないとはいいませんが。何しろみんなの通り道なので取れるものがあれば取るでしょう)。
この建てた計画がちゃんと実現するというのは、ちゃんと達成感を味あわせる、計画することの意義を持たせるという意味で大事だと思います。しかも、もしかしたら失敗するかもというドキドキも感じた上での達成というのは嬉しいものです。
しかし、前述の通り、ほぼほぼ先に手をつけた人が取れてしまうので、厳しい目で見れば、自分の計画通りに淡々とコマを進めているところに見せかけのハラハラドキドキが加わっているだけとも言えます。
移動カードの選択肢があると言っても制限された上での2択なので他人に干渉することも難しく、また、それほど意味がありません。
遊びやすく、楽しさもきっちり提供され、しかも、基本的にカードの引き運以外ではプレイヤーは嫌な思いをすることはほぼないみたいな優しい世界のゲーム。良いゲームだとは思いますが、僕はもう少し汚くて優しくないゲームが好みではありました。