チャレンジャーズ! / Challengers!

(6人でインスト込み70分ほど)
【概要&ルール】
俺たちは孤高のデュエリスト! 他のデュエリストたちを蹴散らしてこの街の頂点に立ってやるぜ!
※チーム組んで格闘しあっているのか、そういう設定のTCGやってるのか忘れましたが、とにかく1対1で戦い合います。プレイヤー総当たり(プレイ人数によっては+α)の予選でポイント2位までにはいれば、決勝戦進出。決勝で勝てばゲーム勝利です。
プレイ人数は最大8人までと幅がありますが、直接やりあうのは常に1対1です(奇数プレイ時はロボと戦います)。
戦いはシンプルで、勝利条件を満たすまで以下②③を繰り返します。
① 先攻側が最初は防御側です。カードを1枚めくって場に出します。
② 後攻側は、攻撃側となり、防御側の場にあるカードに書かれた数字を合算で等しくなるか、上回るまで自分のデッキからカードをめくり続けます。
③ 等しいか、上回った時点で、防御側の場にあったカードはベンチという名のボード脇にある墓地に送られます。攻撃側はそれまで場に出してきたカードを重ねて最後に出した1枚だけ見えるようにして、攻守交替です(フラッグを奪うという表現をします)。
・戦闘の勝利条件
相手を「デッキ枯れでカードが出せなくなる」、「ベンチのスペースが埋まってカードを置けなくなった」のいずれかに追い込んだら、勝利です。
ベンチにカードを置く際、全く同じカードは重ねて配置でき、異なるカードは異なるスペースに配置する必要があります。
(なので、デッキに含まれるカード種類がベンチのスペース数以下ならベンチ溢れで負けることはないです)
・ゲームの勝利
ゲームは予選と決勝に分かれており、予選では決勝進出のためのポイントを集めます。ポイントは予選のデュエルで勝つ、またはカード効果の1つ「ファンを得る」でポイント獲得できます。
ポイント上位2人が決勝戦を行い、勝利したプレイヤーがゲームの勝者になります。
・デッキ調整
予選の各戦の前に、新しいカードの獲得と不要カードの廃棄を行い、デッキの調整ができます。
カードにはレベルがA,B,Cと3段階あり、強さが異なります。予選が進むにつれ、A→B→Cと徐々に強いカードを補充できるようになります。獲得は1~2枚ずつですが、廃棄は任意のカードを任意の枚数捨てられます。
【プレイ内容】
あっきぃらびっとさん、あすまーさん、キノさん、さくらさん、まーまゆさん、僕の6人で。
あすまーさん、さくらさんは二度目、それ以外の皆さんは僕含め初プレイです。
まずは初期デッキとして全員共通のデッキが渡されます。
カードには特殊効果(場に出た時に発動するものや、ベンチにカードがある時に発動するものなど)が大抵ついているのですが、初期デッキは効果のないものばかりです。カードに書かれている数字は1つだけで、めくって場に出した時は攻撃側、相手がまくっている時は防御側として数字を読み取るシンプルなものです(なので、初期カードは絵とカード名以外に1つの数字が書かれているだけのカードになります)。
で、初戦の前に最初のカード獲得があります。その時点で獲得可能なカードの山から5枚配られ、良いカードがなければ、(任意のカードを残したまま)捨てた分のカードを引き直すことができます。そこから1~2枚(大抵2枚ですが、強いカードを選んだ場合、1枚ということもあります)。
最初に引いてきた5枚のうち2枚が“レア”カードだったので、これ強いんと違うか!とその2枚を獲得しました。強さも3と強そうでしたし。
効果複雑なカードをいれるより、シンプルに数字が大きいカードが使いやすいと判断したのですが…。
6人で遊んでるので、1対1の場が3つ出来ることになります。何戦目をどこで戦うかは、ゲーム開始時に対戦表みたいなのが配られ、それに従って、テーブルを移動していきます(僕はずっと動かなくて良いと指示されており、それはそれで楽ではあるもののちょっと残念でしたが)。
全員がテーブルに着き、カード獲得(と廃棄)が終わったら、
「よろしくお願いします!」
と対戦相手にあいさつした上で戦闘開始です!
初戦の相手はキノさん。
キノさんの初手はなんかポッドみたいなカードで数字は1です。効果はフラッグが奪われた時(防御側がフラッグを持っており、攻守交替することをフラッグが奪われる/奪うみたいに記述されています)に、Bのカード1枚を獲得するという、カード自体は弱いが、ちょっと先んじて上位のカードを獲得できる能力を持っています。獲得したカードが使えるのは次戦からなので、僕にとってはほぼパスみたいなもんです。
とはいえ、さっき追加した2枚以外はデッキの中身は同じデッキなので、非常にシンプルなめくり合いです。
防御するカードは、攻撃時に相手の防御カードの数字を上回った(イコールもOK)時のそのカードになるので、
相手の防御カードの強さが3だとして、
攻撃側が1枚めくって数字が2、まだ不足しているのでもう1枚めくって1がでたら、合計3なので、フラッグを奪えて攻守は交代しますが、こちらの防御カードになるのは1のカードです。
これが、めくって出てきた順番が逆(1→2の順)なら、防御カードは2になります。
こういう、相手を上回った時の数字の強さ運が非常に強いゲームなのは間違いなく、デッキ内容はほぼ同じなんですが、キノさんに敗北。戦闘前にデッキに入れた3のカード2枚は活躍もしましたが、防御カードに数字の小さいカードがなることが多かったり、3が出た時にキノさんがタイミングよく1枚目で3を引くなどであっさり負けました。
2戦目はあっきぃらびっとさんと。2戦目の前に獲得したムービースター(初期デッキに入ってるニューカマーという強さ1のカードをベンチからデッキの上に回収できる)2枚が非常にタイミングよく出てきてなんとか勝利。
ニューカマー単独では1で弱いですが、デッキ回復&次にめくられるはずだったカードの強化につながりました。

(緑マット左側に並んだベンチの一番奥にいるムービースターがいい働きをしてくれました)
ここで次戦であたるあすまーさんの戦いをみると、僕と同じムービースターを使っている模様! ニューカマー出てくるタイミング次第で勝負が決まるか……?。

(横で行われている戦いも自分の戦いが終わればゆっくり観戦です。緑カードがあすまーさんは多いようです)
そして3戦目! 対あすまーさんです。あすまーさんはこのゲーム自体は2回目で前回あまり勝てなかったと仰ってましたが、今回は2戦2勝! そろそろ土をつけてやらねばなりません。
といいつつも、3戦目の前のカード獲得フェイズでは正直あまり良いカードを引けていませんでした。カード種類を増やしてもベンチ埋まって負けが近づくだけなので、既に持っているカードを重ねるか、今のカードとシナジーのあるものが欲しかったのですが、引けず。ベンチにある強さ3のカードだけ強化されるという強さ2のカードなどを、なんか微妙だなあと思いながら獲得しました(獲得カードは手元に候補を残したまま、不要枚数だけ引き直しができるので10枚近くを引いた上で選ぶことができるんですが、運がよくなかったのか良さげなカードは既に皆さんが取った後なのか)。
対あすまーさん戦は、ニューカマーがまだベンチにいってないのにムービースターを序盤から引いてしまう、なかなかイケてないスタートでしたが、最初に獲得していた強さ3のカードがタイミングよく引けたり、あすまーさんも弱いカードでフラッグを奪う等、一進一退!(お互いに引き運があまりよろしくなかったともいえます)。
あすまーさんのデッキは残り2枚というタイミングでフラッグを奪った僕のカードの強さは4! 僕はデッキはまだ余裕がありますが、ベンチは埋まっています。
つまり、残り2枚で4以上になれば僕のベンチがあふれてあすまーさんの勝ち、4未満ならあすまーさんのデッキ枯れで僕の勝ちです。
ここでめくったカードは……、
あすまーさん:「ギャングスタ―! 攻撃時は強さ+2なので、4です! 勝った!」
僕:「めちゃくそ、悔しいいいい」
これであすまーさんは3連勝。僕は1勝2敗です。一応、予選は後半になるほど勝利時の点数が高いので、まだ逆転の目はありますが、前半負け越してる人間のデッキがこれから強くなるのか?
これがうまいことゲームが作られていて、強くなります(笑)。
4戦目前からカード獲得がBの山(中ぐらいの強さの山)から2枚とれるようになりますし、あすまーさん戦で僕のベンチがあふれたように、そろそろ不要カードを捨てて強いカードを入れていく、新陳代謝が活発化するタイミングなんですね。
僕が獲得したのは強さ5のライオンと、強さは4ですが、フラッグを奪われた時に好きなカードをデッキの一番上に持ってこれる透視能力者。
デッキ操作できるのが強いんじゃない?と周りで話してるのを聞いて入れてみましたw。
そして、3戦目がさくさく終わったのでふと隣を見ると、1戦目前に僕が獲得した強さ3のカードを2枚とも使っている方が。
これを重ねたかったのですが、もう重ならないということです。ベンチあふれ負けリスクあがるだけなので、単体ではまだそれなりの強さですが、捨てます。強さ3のカードがベンチにあれば強さアップのカードもデッキに入れたのでもったいなさもあるんですが、ここは思い切って捨てました。
4戦目はまーまゆさん戦。
僕はいきなり透視能力者を引きます。強さも4なので、それなりにまーまゆさんのデッキから枚数をめくらせたところで、ラバーダックが出てきました。特殊能力はないですが強さが5なので単純に強いです。が、透視能力者の能力、好きなカードをデッキの一番上に持ってこれるで、先程手に入れたライオンを一番上にセットします。ライオンの強さは5なので、1枚でラバーダック撃破です!
たぶんBの山だと単純に数字だけだと5が最強なので、うまいことまーまゆさんの最強をつぶしながら、自分の最強を出すことができました。

(デッキ操作がうまく決まりました!)
が、ここからがまーまゆさんデッキの恐ろしいところ。「ベンチにあるカードの種類だけ強化される」とか、「ベンチからカードを強化する」など、ベンチから支援系カードがめっちゃ多い上に、ちゃんと種類を重ねているので、1枚当たりの数字は僕の方が上ではあるんですが、ベンチにある程度カードが貯まってもうまいこと、同じカードなので~と、ベンチあふれを回避してます。
しかも、支援が強い。これは長期戦になったらやばいな……と思いながらカードをめくり、めくり…でかなりドキドキしたものの、まーまゆさんのベンチあふれに持ち込んで勝利できました。
5戦目も透視能力者がうまく働いて勝利。
と、ここで横から声が。
さくらさん:「やった! とめたぞ! ぃよっしゃ!」
どうも4連勝していたあすまーさんにさくらさんが勝利したようです。
僕も6戦目はあすまーさん。3勝2敗なので、決勝進出に向けなんとか4勝して勝ち越し状態にしたいものです。
この6戦目前のカード獲得ではCの山(一番強いカードの山)も選択肢にはいってきます。Bの山から2枚か、Cの山から1枚です。
初プレイで山の中身が全くわからないのでCがどの程度強いか不明ですし、Bなら2枚強化できるので、例えば透視能力者をもう1枚取れたらそれなりに強そうです。
迷いましたが、Cの山から1枚を選択しました。Cの山札から引いてみると、強さ5とかのカードもあるんですが、10とか7とかもあります!
マジか!Cの山ってこんなに強いの!? どのカードを取るか迷いましたが、初志貫徹ということで単純に強さが10と大きいヴィランを獲得。
6戦目、あすまーさん戦に挑みます。
先攻後攻は、直近の戦いで勝利したトロフィーを持っている側、僕は5戦目勝利、あすまーさんはさくらさんに負けてますので、僕が防御側からです。
僕はデッキのめくり運もよく、タイミングよくヴィランがでたりもしたのですが、あすまーさんが持ってる、「ベンチのカードを除去する」効果のカードがやっかいで、それなりに攻めてはいますが、こちらのベンチの方が埋まりが早いです。
あすまーさんが攻撃でフラッグを奪った時に、僕のベンチが埋まりました。僕はあと1枚(1種)でもベンチに行くと負けなので、この攻撃であすまーさんのベンチが埋まる必要があります。が、それは流石に無理。あすまーさん側のベンチも埋めはしたもののそのまま僕側のベンチが溢れて連敗!
これは悔しかった!
そして、予選最終戦である7戦目。僕は3勝3敗なので決勝は諦めていましたが、幸い?あすまーさんが強すぎたおかげか、うまいこと勝ち負けがかみ合っており、3勝3敗が何人かいらっしゃる模様。
さくらさん:「やっぱり最後はひだりさんか! これに勝った方が決勝でしょう!」
なんか熱いライバルキャラみたいな人と7戦目。お互いに3勝3敗です。
といっても、さくらさんはファン獲得の効果で集めた星があり、この星の差で負けているのでは?とは思ってましたがw。
(さくらさんが言うには)これに勝った方が決勝進出!という戦い、僕の1枚目のカードはヴィラン!
強さ10のカードを防御側として配置します。相手の強いカードを倒すために後から出てきて欲しかったですが、まあ、仕方ないです。そして、ヴィランのカード効果、Aの山から1枚カードを取ってデッキの上に置くも発動します。要は運がよくて手持ちのAのカードと重複しなければベンチが圧迫されるという仕組みです(既にAのカードとか持ってないですが)。
あすまーさん戦でもベンチあふれで負けており、ヴィランいれないという選択肢もありましたが、強さ10の魅力に負けました。
実は4戦目くらいから獲得カードは緑のカードで染めており、ベンチにあれば緑のカードを強化するというカードも(1枚だけですが)持ってます。幸い、その強化カードも早めに出てカード強化効果の恩恵を早い時期から受けられたこともあり、さくらさんのベンチが順調に埋まっていきます(さくらさんのデッキはカードの被りが少なかったのも要因かと思います)。

(さくらさんのベンチ(向かって右側)のほうがより埋まっており、いい感じです)
これは、いけたか!?というところで、さくらさんがプレイしたバキュームクリーナーの効果「ベンチにあるカード2枚を破棄する」でベンチ状況は逆転!
まじかー!
その後の一進一退の攻防後、ベンチあふれで負けたか、と思いましたが、ベンチにいったカードのうち1枚が、強さ2で(対象カードがデッキにないので)効果は発動しなくなってるのに入れ続けた、ムービースターだったため、既にベンチに配置されていたもう1枚のムービースターの上に配置することができ、首の皮一枚でベンチあふれを回避しました!
そして、デッキからめくったカードはティラノ! ヴィランの10には劣りますが、マイナス効果などなしで、強さ7のカードです。
ここで、さくらさんのデッキは残り2枚。この2枚の合計が6以下ならデッキ枯れで僕の勝ちだけど……と期待しましたが、最後の最後で強さ7のカードを引き、僕のベンチあふれでさくらさんの勝利!

予選得点を集計したところ、トップ通過はやはりあすまーさん、2位争いはファン集めまくったキノさんをさくらさんが2点差でかわして決勝戦へ(この時点ではさくらさんと僕の点差は結構あったんですが、7戦目自体の点数が10点もあり、それを取れていれば僕もさくらさんの予選通過スコアと同点だったので、本当に対さくらさん戦が肝だったようです)。
予選で土をつけたさくらさんにリベンジなるか、それとも再びさくらさんが勝利するかという、あすまーさん対さくらさんの決勝です!
あすまーさんは僕と同じ緑多め、かつヴィランも持ってるのでデッキがかなり似てますが、ベンチからカードを破棄するカードを持っているのが差でしょうか。さくらさんは2枚破棄できますがデッキに1枚、、あすまーさんは1枚破棄ながらデッキに2枚入ってますと、そこにお互いの差分はありません。差があるとしたら……。
お互いにベンチが埋まって、最後の引き合い! あすまーさんは強さ5のカードで防御側。さくらさんはデッキから最後の1枚を引きます。これが、デッキの最後から引いた場合には、強さに補正がかかるというカードで、見事あすまーさんからフラッグを奪い、あすまーさんベンチあふれ!

(場のカードの強さの数字自体は5対4ですが、さくらさんのカードは補正がついて勝利!)
優勝はさくらさんでした!
最後、よくあのカード引きましたねと話しかけたところ、「デッキの1番上から2枚引いて1枚を一番上、1枚を一番下に配置するカードで仕込んでたんです」とのこと。僕との戦いの時にも同じ効果のカードはお持ちだったようなので、僕との戦闘でも最後1枚に強いのが仕込まれてたようです。要は僕もあすまーさんも掌の上だったってことですな。
さくらさんのデッキ操作に見事にやられた本日のチャレンジャーズ!でした。
【感想】
とりあえず、理屈はさておき、参加メンバ全員での総当たり戦がひたすら熱い!
実際に戦うゲーム部分は基本的にはめくりあって数字比べるだけと、めっちゃ軽い作りなので1戦数分で終わります(ある程度効果付きカードがデッキに入ってきてからもたぶん10分はかからないです。体感5分くらい)。
その代わりに総当たり制で戦闘回数を増やして満足度を上げつつ、デッキ構築もレベルA、B、Cと明確に強さの異なるカードを用意して、徐々に入れ替えさせていくことで、デッキに新しいレベルのカードがはいってくるタイミングでの逆転劇も演出されていますし、戦闘のゲーム性よりも、繰り返し戦うこと自体に焦点を当てて、同じ土俵で繰り返し戦うことと勝敗がつくことって面白いでしょ! という、普段のボードゲームではメタ的なところにおかれている面白さを見事拾ったゲームです。
強いレベルのカードを獲得するとか、どうデッキを圧縮などして構築するかといった部分にもゲーム性を持たせようと思えばもちろん持たせることはできたはずですが、持たせてません。すごい割り切りです。
(デッキ構築要素はありますが、デッキ構築自体よりも構築した結果の戦い自体に焦点が当てられています)。
プレイヤーの総当たり戦(人数によっては総当たり+α)という仕組みができた時点で上記の通り、戦うこと自体、勝ったり負けたりする面白さがあるわけですが、横で戦ってる人の試合を見るのも面白いです。
ちらっとしか書いてないですが、そんなカードを持っているのかと他人の戦いから次戦に備えたり(いうて心構えをする程度ですが)、僕がやったように他人が持っているカードは自分のデッキ内で浮いてしまいベンチあふれの要因になるので捨てようかという選択ができたり。
なんというか、観戦の面白さもあるんですよね。
競技者/当事者として観戦しているからこその面白さというか。
前述の通り、戦闘もカードめくり合うだけなんですが、単純なだけにデッキに入れたカード効果がすぐに実感できます。
めくり合うだけと書きましたが、デッキ枯れだけでなく、ベンチあふれという2種類目の勝利条件を設けているのは、デザイナーの上手さなのは間違いないです。圧縮に意味を持たせて、デッキの強さを世代交代させるのに一役買ってます(非常にスマートに、です)
まあ、いうてめくり運が大きいシステムでもあるのでプレイングはかなり気楽ですし、めっちゃ差がついて負けるというようなこともないはずです。実際に今回と同じデッキを組んでもう1度戦ったら絶対に結果は異なるんでないかと(ベンチからカード除外する効果と、デッキ操作をいれてる人は強い気もしますが、100%勝てるという訳でもないかなと)。
欠点というほどのことではないですが、明確に1対1で戦うゲームなので、人と戦うのが苦手な人は苦手とは思います。あと、ご時世的に盛り上がりすぎるのもNGという集まりもあるかもしれません(どうしても熱くなってしまうので)。
僕は経験していませんが、奇数だとロボットのデッキと戦うようなのですが、それが1人でカードをめくっているだけなので、寂しいというか、わびしいというかな感じになるそうです。
簡単な効果とはいえ、テキスト依存あるので若干ハードルを感じる方もいるかとは思いますが、繰り返し(強化しながら遊ぶ)ことで、戦う事自体が楽しいというプリミティブな面白さを感じられる良いゲームでした。
あと、余談ですが、こないだのゲームマーケット2022秋の話題作であったデュエルボーイにコンセプト的な近さを感じました。ゲームに一歩下がってみたメタ的な観点を加えているという点で。
感想には書きませんでしたが、チャレンジャーズ!もデュエルボーイも、戦闘の外側、そのゲームに参加している自分も含めてゲームになっており、物語に参加しているような、ちょっと演じている的な面白さがあるんですよね(デュエルボーイは未プレイなので想像ですが)。
よりプレイヤー自身のゲームへの没入レベルを高めに設定されているのがデュエルボーイで、(商業的、商品量産的な理由からと思われますが)4~8人というボードゲームとしては充分だけど、物語としては若干狭い/低いところにレベル設定されているチャレンジャーズ!と感じました。
非常に近いタイミングで発売されたのも興味深かったので、ちろっと書いてみました。
デューン 砂の惑星:インペリウム拡張 ライズ・オブ・イックス/Dune: Imperium – Rise of Ix

(4人でざっくりインスト込み2時間ほど)
【概要&ルール】
デューン 砂の惑星インぺリウムに色々要素やカードが追加された拡張です。
基本についてはこちらの過去記事とか、日本語版も発売されたので、どこかしらに詳しい情報があるかと思います。
大きそうなところでは、スパイスをお金に変えるアクションなど、メインボード右上のアクションが一新(基本のボードの上に拡張ボードを乗せる)されたことと、スパイスで購入できる特殊能力タイルが追加されたことでしょうか。
もちろん、選択可能なキャラクター、手札になるカードや、陰謀(策謀)カード、毎ラウンドの戦いでもらえる物を決めるカードも追加され、バランス調整が行われています。
【プレイ内容】
ウキンさん、さくらさん、酒元さん、僕の4人です。
ウキンさんは何度かプレイ済(ハンデとして、まだ勝ったことのないキャラクターを使われてました)、さくらさんも2回目?、僕は拡張は初、酒元さんは基本含めて初プレイ。
おそらく基本を含めて10~20回くらいされているウキンさんの立て板に水のごとくのインストを受け、プレイ開始です。
使用キャラクターの能力毎に使いやすさみたいなものが書かれており、さくらさんと酒元さんは1、僕は2、ウキンさんのは3です。1の方がどの場面でも使いやすく、数字が大きくなるに従って能力がピーキーというか、うまくはまれば強いというような能力になっているそうです。
僕のキャラクターは、常時発動能力が「同盟以外の場所にワーカーが2つ以上あれば、このラウンド使用したカード1枚を捨て札にできる」、カードの指輪アイコンでの能力が「購入コスト3以下のカードを購入できる」でした。一応、キャラクターは2枚渡され、そのうち1枚を選ぶというルールでしたが、デッキ構築なら圧縮でいいんじゃないという安易な発想で選んでみました。
ウキンさん:「圧縮の条件にもなってるから、ワーカーを3体に増やすの必須!」
僕:「ほー。たしかに増やした方がよさそうですね」
そして1ラウンド目。
デューンの大きな特徴の1つに、『常時場にある3種以外、購入可能として場に出てくるカードは完全ランダム』というのがあります。購入コストは1~9とかなり幅があり、もちろんコストが高い方がカードの効果は高いです。払えるコストが6あるのに場には1とか2のカードしかなくて、デッキを膨らませるのも嫌だし、5とか6の強いカード買いたいのに買えないとなるのが、デューンあるあるでもあります。
この時、最初に公開されたカードの中に購入コストが5のカードが1枚ありました。そして、僕の手札は3枚だけで払えるコスト5を満たせる手札です(※)。手番順は3番手でしたが、上家のさくらん、うきんさんの反応を見ると、どうも買えるのは僕だけっぽいです。
※ワーカー2体を配置するために手札の内2枚は使うので、初期手札5枚のうち、カード購入に使えるのは3枚になります。ワーカーを使わないという手ももちろんあるんですが。
先に3番手なのであまりよいアクションスペースが空いておらず、購入コスト5分のカードを残すのを諦めようかなとも思いましたが、そこは初志貫徹しよう!ということで、初期手札に1枚だけある、任意の同盟アクションを実施できる(ただし、使い捨て)カードを使って、策謀カード1枚を獲得。
※デューンは基本の時から、コストを払わないアクションスペースは微妙な効果なものが多かったですが、拡張入ってもそこは変わりません。
※デューンはワカプレですが、ワーカー配置時にプレイしたカードに書かれたアイコンと同じアイコンの場所にしかワーカーを置けません。なので、プレイするカードを変えればワーカーを置けるアクションスペースの候補が変わります。
この後は予定通り、購入コスト5のカードを獲得『このカードで配置したワーカーでもらえるスパイス2倍』の効果です。

(結果的にはめちゃくちゃ使えたので購入は正解でした)
ちなみに手に入れた策謀カードの効果は『(フリーアクションとして)3金で戦艦(ドレッドノート)を購入できる』でした。
この戦艦、拡張で追加された要素で、戦場に投入した場合、3戦力になり、かつ戦いに勝っても負けてもなくならない(勝ったら1ラウンド使用不可)というお得仕様。普通の兵士コマは2戦力&戦場に投入したら勝っても負けても消えるので、かなりお得なように見えます。
実際、お得な存在のようでウキンさんはほぼ初手から戦艦を購入するアクションを行っていました。

(序盤終わったくらい)
このゲーム、毎ラウンド末にある戦闘がかなり重要で、リソースや得点(ゲームの目標は10点に達すること)がもらえるため、みんな戦闘が有利になるような行動をしっかりやってきます。
ウキンさんは前述の通り、戦艦を上限の2隻をとっとと購入、さくらさんは元々戦艦が4戦力になるというキャラクターなのに加えて、(条件はあるけれど満たした後は常時)戦力を+4する&兵士を1つボードに送り込む特殊能力タイルを購入、酒元さんも交易(※)アクションで手に入れた兵士をすぐに戦闘に送り込める特殊能力タイルを獲得します。
僕は戦艦は持ってるとはいえ、戦闘力強化系の能力はないので、どこかで皆さんが戦力が減ったタイミングでどばっといかないと勝てなそうだなーと思ってみてました(もちろんちょろっと絡んで3位とか、そういうのをちょこちょこやってはいましたが)。
これは、策謀カードの運にかけるしかねえ!と、みなさん、策謀カードを取るアクションをあまり行わなかった(アクションスペースがよく空いてた)のもあり、策謀カードを多めにとっていく戦術をとってみることに。
一方で、またこれもウキンさんからの指南があったのですが、ボード上のスパイス獲得アクションのスペースはコストで水が必要で、水2払ってスパイス3つとかなんですが、1ラウンド目に購入したスパイス2倍効果で、水2払ってスパイス3つ、その後、同盟側のアクション効果でスパイス6つ払って、5兵士+水2を獲得というアクションを実施すれば、スパイスと水は無限循環で兵士5つだけ得するという作りなのに気づきます。
さらに固有能力のデッキ圧縮があるので、基本的に2ラウンドに1回スパイス2倍カードが手札に入ります。
スパイス4つ払ってで5金+αがもらえるアクションや、交易アクションで5金もらったり(その代わり全プレイヤーに1金ずつ渡される)で稼いだお金で3つ目のワーカーも獲得します(ワーカーを増やすアクションのコストが8金かかるのです)。
ウキンさんとさくらさんの手札やボードのタイミングがあっていたのか、お互いに経験者なのでマークしていたのかはわかりませんが、同じラウンドで戦闘に戦力を注ぎこむことが何度かあり、次ラウンドに、おらああスパイス6つで5兵士!さらに戦艦と普通の兵士1つじゃああ、1手で15戦力!で、漁夫の利的に2回ほど勝たせてもらいました。
スパイス2倍カードを軸にうまいことやってる一方で、圧縮のためもあってワーカーを3体配置している=手札5枚の内、カード購入に使えるのは2枚ということで、購入コストは手札運が良くて3、大抵2と、全く強いカードを買うことができません。
手札ドロー効果を上手く使って、購入にまわせるカードを増やしたいのですが、どうも僕はそれが苦手です。
ウキンさんやさくらさんが手札を増やしまくってカード購入を有利に進めますが、場に超ハイコストのカードがでてこないようで、結局4とか5のカードしか買えていません(それでも僕からすれば十分強いカードを買われているんですが)。
特にさくらさんは、他プレイヤーの手札を2枚捨てさせるという鬼のような効果のカードを持っており、かなり痛い目にあわせられました。
そしてラウンドが進み終盤に。
戦闘勝利で手に入る勝利点が2点のカードもでてきますし、みなさんの勝利点も6,7点とちょっとしたことでゲームが終了しそうです。
ここで戦闘勝利後に、スパイスやお金などを払うことができれば最大3点獲得できるというカードがめくられました。
僕は手元にスパイスがないタイミングだったので、戦闘はみあわせますが、うきんさん、さくらさんがどんどんどんと兵士を戦場にどんどんいれていきます。
その結果は、ともに20を超える大戦争になり……、結果、同点!
ウキンさん:「戦力あげる策謀カードを別の効果で使っちゃったー。やっちゃったー」
双方2位で1点ずつ! ここでウキンさんが3点取ってると10点達成していた可能性もあり、あぶねーとみんなで言い合います。
この時点で僕はまだ7点、ゲーム終了時に1点追加という効果のタイルは持っていましたが、それでもさすがにすぐには勝てなそうです。唯一、策謀カードも点数になるものがあるんですが、僕は引けていません。しかし、購入コストを2下げるというかーどは持ってました。要は手札で7に達すれば、購入コスト9の1勝利点カードを購入できるのです。
が! ラウンド最後に残せるカードでは6にしかなりません!あと1、あと1あれば、1勝利点カード買えたのにーーー!
と激しくなんとかならんかねとボードと手札を、交互に見ている僕の横で、さくらさんはこのラウンドも戦闘で勝てそうな戦力を戦場に投入。

(そろそろ終了するか!?ってラウンド。戦闘を仕掛けるか悩みましたが、さくらさんがここの2点以上の点がとれないのに賭けました)
さくらさんは、このラウンドも戦闘に勝利して2勝利点獲得。勝利目前の9点。リーチです。
購入コスト9のカードを買われたら終わるので、さくらさんの手元にみんな注目していましたが、9には足らず!
ゲーム終了は次ラウンドに持ち越しです。
このラウンドで戦闘に勝てば2勝利点もらえるので、いま7点の僕にも十分勝ちはあります。さくらさんが何かで1勝利点稼いだとしても10点ちょうどにしかならないので、ゲーム終了時に1点もらえるタイルのおかげで同点にはなります(タイブレイクは基本的に残りリソースです)。
よっしゃー、5兵士購入でがっつり戦力送り込むぞーと思ってるとこで、天啓が!
さっきワーカー1つプレイせずに購入フェイズに入れば1勝利点カード買えたわ!!
天啓、5分くらい遅い!
まあ、過ぎたことはしょうがないなと思っていると、さくらさんがなんとか勝利点を稼ごうと、策謀カードを引きに来ます。戦闘勝利以外で勝利点を獲得するのは、策謀カードで条件付きの勝利点獲得カードを引くか、購入コスト9のカードを買うか同盟のトークンを他人から奪うかののどれかくらいで、同盟トークンを取るのは今からだとちょっと無理なので、策謀カードを狙ってくるのは正しい選択です。
さくらさん:「1枚引いて…。違う! けど更にアクション効果で4枚以上持ってるプレイヤーから1枚策謀カードを奪います! ひだりさんは4枚持ってるはず!」
僕:「ばれとるがな」
この時、僕が持っていた策謀カードは、購入コスト2減、他人が置いているスペースにワーカー配置できる、戦力+3、スパイス払って戦力+4の4枚。
さくらさんは兵士コマを送り込みやすいので、戦力を持っていかれるのも嫌ですが、それ以上に持っていかれたくなかったのは他人が置いているスペースにワーカー配置できるカード。もちろんコスト2減も1勝利点につながるので、嫌です。
本当に、さっきのラウンドで策謀カード使って1勝利点のカードを買っておけばよかったー!
で、ランダムで引かれたカードは、コスト2減!
さくらさん:「あぶねー、こんなカード持ってた!(1勝利点カード買われるところだった!)」
まあ、さくらさんに得点機会を渡したのは厳しいですが、どうせ僕の手札では購入コスト9のカードには届かないので、ワーカー配置の方のカードを持っていかれるよりはマシでした。
さくらさんにカードを取られる前手番の酒元さんが交易を2回行うスペースにワーカーを置いていたのですが、ここにどうしてもおきたかった!
交易は拡張で追加されたアクションで、アクション効果が3段階あり、効果を1段階上げるか、効果(利益)を得るかを1アクションごとに選べます。1段階目は5金or2スパイス、2段階目は同盟を1つ上げる+兵士2つボードに送り込む、3段階目は2スパイス安く場に出ている特殊能力タイルを買う、です。
どうもゲームに登場する最高コストのタイルらしいのですが、スパイス8つのところを6つにして、即時で1勝利点もらえるタイルを購入、これで8点! さらにボードに兵士を送り込みます。
その後、ボード上の兵士をほぼ全て戦場に送り込みます。
そして、カード購入フェイズではさくらさんが僕から奪ったカードの効果も使って1勝利点のカードを購入。さくらさん10点到達で終了トリガーが引かれます。
その後処理した戦闘は、最後だからと大変盛り上がりましたが、それでも策謀カードの効果もあり、僕が勝利。これで僕も10点です。
ここからは策謀カードや特殊能力タイルなどで、ゲーム終了時に点がのびるものがあれば……、そいつがまくるかも!?とドキドキしましたが、終了後に点数が伸びるようなものは僕のタイルだけだったようで、その1点分抜け出ることとなり、勝利できました。
感想戦で話がでましたが、購入コスト6とか7のカードが今回は出てこなかったようで、ワーカー3体いたし、プレイング的に購入コストを稼ぐのが苦手な僕には有利な展開だったようです。さくらさんとかうきんさんとか、知らん間に手札が増えてて購入コストがほぼ毎ラウンド5以上確保されてました。プレイング上手い方々の手札増やすプレイは(今回みたいな不運がなければ)基本的には強いと思います。
序盤に戦艦買えたりなど、便利な策謀カードを引けてましたし、全体的に運が良かったですね。

(最終ラウンド、戦闘にみなさんぶっこんだところ)
【感想】
基本ゲームの特徴はそのままに、狙い処をより明確化し、プレイヤーごとのプレイスタイルをより伸ばせるようにした拡張だと思います。
ただ、悪く言えば再調整版なので、面白くなっていることは確かですが、最初からこの作りにしとけばよかったのでは?と感じる人もいるとは思います(それなりに要素はボリュームがあるので、基本があったからこそすんなり入れるという面もあるでしょうが)。
基本ゲームの特徴は、
・自分が伸ばそうとする方向性にあったアクションスペースを使えるよう、効果+アイコンを考慮しつつ構築する必要のあるデッキ
・低コストで弱い効果と高コストで強い効果のアクションスペースのメリハリがはっきりしている
・リソース貯めて変換するなどという優しい方法ではなく、他人に勝ったり、運がないと獲得できない勝利点
・3種の共通カードを除き、購入コスト(1~9?とめっちゃ幅広い)に関係なく、完全ランダムに購入候補として場に出てくるカード
・1金獲得から、(条件満たせば)1勝利点獲得まで効果に幅がある策謀カード
という、しっかり戦術・戦略を考えながら進める部分と、それが上手くいくかは他人/運次第という洗練されていない部分の混在具合が魅力的なゲームでした。
そこは拡張が入っても変わってないです。カードや策謀カードは追加されたものもありますが、基本ゲームと同じというか、カード間のシナジーが増えたのでむしろ特徴は強まってます。
大きくバランス調整されたと感じたのは、(まあ、ボードみりゃわかるんですけど)スパイスの使い道です。
基本ゲームではスパイス→お金の変換アクションがあり、ちょっと高価なリソースという程度でしたが、変換アクションがなくなり、スパイスでしか行えないアクション(特殊能力タイルの獲得)が増えたので、ちゃんと狙い定めてリソースも獲得していかないとダメという作りがここでも強化されているように思います。
その他、拡張で追加された要素、交易アクション、特殊能力タイル、戦艦、どれもゲームの面白さを増していて、ゲームを“完成版”に近づけているように思います。
交易は、やってみると強く実感するんですが、めっちゃ手間がかかる!んですね。最終的に、利益獲得を行うまでは何ももらえないので、何もやってないかのような手番を何度か行わないとなりません。
アクション権や手番をコストとしてはいますが、高いコストで高い効果を得るというこのゲームのベースに即しつつ、効果を得るまでじりじりとじれったい、プレイヤーごとの好みで選ばれるかが決まる、良い追加アクションだと思います。
特殊能力タイル自体は、よくある要素、ではありますが、それなりに強力な飛び道具としてや、各プレイヤーの狙いところを明確にしてワカプレの面白さ(誰がどこを先取りしたいかや、このゲームのメインギミックであるワカプレのためのデッキ構築等々)を感じる機会を増やすことに貢献してます。
戦艦(ドレッドノート)も拡張でやること/やれることが増えたので、消えることのない兵士コマとして大変便利なんですが、これもコスト払って高い効果を得るで、徹底しているなと。
しっかりコストを払えばその分のリターンがありますし、うまくプレイしないとコストを用意できないので、プレイングの楽しさもかなりあります。
まあ、やはり、好みを分けるのは、根底にある強めの運要素ですね。
策謀カードの引き運と、場に並んでる購入可能カードのまわり運は、好みが得に出るのではないかと。
積み上げた努力を運で否定されたり、他人の唐突な飛び道具で負けるのは納得いかない、気に食わないというのはよくわかります。
購入カードを入れ替えるアクションがない上に完全ランダムなので、せっかく手札がいいのに、場にはコスト安いカードしかない!ということはよくありますし、そこまでいかなくても、支払える範囲で最高コストのカードを買いたいと思っちゃいますよね。
でも、ノーコストながら山引きになる策謀カード、スパイスを払う特殊能力タイルは山が3つ(で補充も山がわかれていて尽きたら終わり)と、獲得方法やコスト、補充がいちいち違うんですよね。僕はここはデザイナーの強い意志を感じました。
(とはいえ、そこが気持ちよく遊べないので嫌い!というにはもったいないゲームなので、カード流したり補充ルール変えちゃってもいいとは思いますが)
強いアクションや強い戦法が固定化するわけでもなく、プレイングの上手い下手はあるけれど、他プレイヤーの仕掛けタイミングや手札、山札運も大きく作用する、おおらかさも持っているところがやはり魅力のように僕は思います。
繰り返しになっちゃうのですが、拡張は、特殊能力タイルや戦艦などの恒常効果の要素のおかげで、スピードアップ、ダイナミックさアップしつつ、様々な追加要素で基本ゲームの魅力を強化し、完成度を上げているものと僕には感じられました。基本ゲーム気に入った方は是非、拡張入りで遊んで欲しいです。
チャーターストーン / Charterstone
※最初の数ゲーム分に関わる直接的なネタバレ(開始後に追加されるゲーム要素等)があります。また、最終的な勝敗の決め方に関する言及があります(これは明確にルールに記載がないだけで初期から明らかではありますが)。
※盤面の写真などもぼやーっと見ないとどこでもネタバレなので、気にする方はあまりまじまじと見ないでください。

【概要&ルール】
君たちは偉大なる王に新たな土地の開拓を任せられた! 国の中の施設を使いながら自分の担当エリアと、国を発展させ、王の信頼に応えるのだ!
レガシータイプのキャンペーンゲームです。
各ゲームで特殊ルールが追加されることもありますが、システムは基本的に押し出し式のワーカープレイスメントゲームです。
アクションスペースにワーカーを配置して、コストを払ってアクションをするというシンプルなルールです。
既にワーカーが置かれているアクションスペースにワーカーを配置すると、置かれているワーカーが持ち主のプレイヤーの手元に戻ります。
手番には手元のワーカーを配置する、もしくは配置済のワーカーをすべて回収し、手元に戻すことのどちらかを行います。
自分のエリア、他人のエリアという区分けはありますが、単に建物を建築できる範囲というだけで、ワーカーの配置に関しては他人のエリアでも問題なく配置できます。
●基本的なゲームの流れについて
時計回りに1ワーカー配置/全ワーカー回収のどちらかを行います。
建築や目標達成などの一部のアクションを行うと時間が進みます。
プレイヤー数に応じて、1ゲーム当たりの時間が決まっており、規定の時間が経過すると1ゲーム終了です。
(あまりないですが)終了時の点数を追加した上で最多得点者がそのゲームの勝者となります。
●レガシー要素について
アクションスペースは“建物”という形になっており、手札に建物カードがある場合に、建築アクションを行うことで、自分のエリアの任意のスペースに建物シールを貼ることができます。この建物が出てくる順番や貼る場所には決まりがないため、キャンペーンごとに独自のボードが作られていくことになります。
(カード自体がシールになっているので1回貼ってしまうと、そのカードは建物カードとしては使えなくなります)
また、新しい要素が住人という形で追加されるため、カードが新しくゲームに追加される都度、プレイヤーが名前を決め、カードに記入します。

(能力は伏せますが今回のキャンペーンで大活躍したキム・カッファンとモタイ。右上のキャラは自分自身です)
●キャンペーン要素について
各ゲームの終了時、獲得した点数に応じて星を獲得でき、それによって自身の強化ができます(ゲーム開始時に1金もらえる、カードがもらえる、基本的に1ゲーム1枚のペルソナ(特殊能力)が2枚使える等)。
また、ゲーム中に手に入れたカードやリソース類の一部を次ゲームに持ち越すことができます(この持ち越し数は各ゲームで1位でない場合などに増やすことができます)。
もちろん、ボードに貼り付けた建物も持ち越しますが、それ以外のボード上の状況はゲームごとにリセットされます。
その他、宝箱カードをあけるアクションを行った際や既定の回のゲームにて新しいゲーム要素/ルールが登場します。これは、その回だけのこともあれば、その後のゲームを通して適用されるものなこともあります。
【プレイ内容&感想】
1キャンペーンを通しで行うと12ゲームにもなるので、個々のプレイ内容は書かずに感想のみです。
最初の1,2ゲームはまだアクションスペース(建物)も少ないですし、効果もシンプルなもの(指定のリソース1つもらう、リソース1つを1金に替える等)しかないので、正直言って単調です。
しかし、数ゲーム進むと、得点効率、リソース獲得効率の良い建物がでてきます。それを、どう回していくかを考えるのが楽しいです。


(キャンペーン開始時と終了時のボードの様子。終了時の方はあまりまじまじとみると建物効果などネタバレ要素ありますので注意)
これが面白いのが、キャンペーンの中の1ゲームなので、プレイヤー初期資源も違いますし、その回のゲームで勝つための効率の良さ以上に、建築したい建物や開けたい宝箱(開けるとペルソナや建物カードが入っている)等、この後のキャンペーンを考慮して行いたいアクションがあるので、各プレイヤーで効率の良いアクションが異なり、異なる動きになるところ。
この他プレイヤーの動きの予測ができないところをより面白くしているのが、押し出し式のワカプレと途中から1~3ゲームくらいから登場するミニオンの存在です。
ミニオンは特殊なワーカーで自分のエリアにしか配置してアクションできず、また自分の他人の問わずワーカーが配置済のアクションスペースには配置できません(アクションできません)。しかし、配置時と配置後に同じスペースに他人のワーカーが置かれた時に、ミニオンの種類に応じてリソースがもらえたり、カードがもらえたり、点が入ったり、得点のもとになるトークンを獲得出来たりします。
要は、他プレイヤーの動きが予測しづらいのに、押し出し式もミニオンの存在も他人とアクションスペースが被った方が良い=他人の動きが予測できた方が良い作りなわけです。
なので、単純に自分のことだけ考えると最効率ではないが、他人に使ってもらえることを考えるとこっちの方がいんじゃない?てのが出てきます。
逆に、他人に得させるから自分にとっての最高効率のアクションにもかかわらず、やらねえ!やりたくねえ!も出てきます。
これが新しく登場する建物や、そのゲームだけの特殊ルールも絡んで、さらに固定化しにくい作りにもなってます。
案外ゲーム終了タイミングが読めないこともあり、アクション選択は結構悩ましいです。
しかも、プレイヤー(担当エリア)ごとに特徴があるので、上記のミニオンの特性(自エリアにしか配置できない)もあって、各プレイヤーでやはり優先度の高いアクションがちょっとずつ変わってくる作りで、一筋縄でいきません(初期カードの中にある宝箱を開けて、またその中の宝箱を開けて…とやっていってる前提です。カードの所持数制限があるので、手放さざるを得ない時もありますし、作成されるタイミングも場所もキャンペーンごとに異なります)。
この宝箱を開けて、新しい建物カード(と宝箱)やペルソナを獲得するのがとても楽しく、単純に獲得ペルソナ数が点数に反映されますし、新しいペルソナ能力、新しい建物効果もゲームの動きが変わるのでワクワクです。しかし、ゲーム後半になると宝箱が尽きて、もう手に入らなくなるんですが…。宝箱開けはかなりキャンペーン継続のモチベーションや戦術に影響するところだったので、もっともっと用意して欲しかったです。建物種類やペルソナの種類は倍くらい、使い切れない量があってよいと思います。
この辺のペルソナや宝箱への興味が薄いと、自エリア中心にアクションローテーションが組めるようになる中盤以降は、同じことの繰り返しという人もいるとは思います。
固定化しづらい、他プレイヤーの動きが読めないというのも、取りようによっては、どうプレイしても構わないということにもなるので、冷めずに盤面を楽しく悩めるか次第というところはあります。僕はどのアクションが良いのか、どの順で行うのが良いのか、というところはとても楽しめたんですが
ここら辺はストーリー性、テーマ性の薄さも関係しているように思います。一応、ストーリーはあるんですが、そこまで魅力的でないというか、添え物みたいな薄い内容ですし、そもそもうちらの得点ってなんなのさ、(特にゲーム終了タイミングに関して)どうしてこういうことになるの?ってのが、「そういうもんだから」って感じで、淡々とプレイし始めると冷めるんですよね…。繰り返しになりますが、箱開けや新しい要素でわくわくを維持させる作りではあるんですが。
・最終得点計算について(それなりにネタバレなので注意!)
最終得点計算はかなりがっかりでした。(実は各プレイヤーのコマをいれたり、強化具合を記録する箱にゲーム開始時から書かれてはいて、そのままなんですが)キャンペーンを通して獲得した星の数(各ゲームの得点の10の位とほぼ等しい)による得点割合がかなり大きく、最終得点全体の8割ほどを占めました。
要は結局、キャンペーンを通して高得点を取り続けたプレイヤーが勝つというのは、納得できもしますが、上記の通り、各自が点数を無視してでも優先したレガシー要素、キャンペーン要素(どうゲームを進めたか、どう自分やエリアを強化していったか、どういうプレイ方針だったか)が、それまでのゲームの肝だったこともあり、その部分が反映されるような仕組みが良かったです。
(ペルソナ枚数や各ゲームの勝利数などの素点が何点になるかは、中盤くらいでプレイヤーごとに選ぶ場面があり、それを受けて、僕はペルソナ重視!とか思ってしまうんですが、その辺の素点が上下する部分は全体からみると誤差レベルになるくらいの割合しかなく、俺の中盤からの思いはいったいってなるんですよね)
ここは星1つあたりの点数を減らせば、理想に近い感じになると思うのですが、キャンペーン終了まで逆転の目がありつつ、キャンペーン内容を反映できる得点ルールが良かったなあと。星の点数が高すぎて中盤から終盤入ったくらいで最終的な勝者が決まっちゃうんですよね。今の得点ルールだと。
文句書いてますが、これまで遊んだ他の対戦型のキャンペーンゲーム(サイズ:フェンリス襲来とか)と比べて、一番キャンペーン中の得点が最終得点に反映される仕組みだったのは満足しています。ものによっては、1位以外には意味がないとか、途中の順位や得点には意味がないとかあったので。
ただ、キャンペーンを通す意味が薄いので、もうリチャージパックや最近出た日本語版を買って2周目を遊ぶモチベーションは、最終得点計算の内容を知る前よりは薄くなりましたが。
・プレイ環境と一緒に遊んだみなさんの感想
記録を見ると2019年の10月に最初の1ゲーム目を遊んで、そこからひと月に3ゲーム程ずつ遊んでいったのが、みなさんの事情やコロナで集まれなくなり、最後の4ゲームに10か月(最後の1ゲームだけで4ヶ月)程もかかっています。
完走は難しいんじゃないかという思いもありましたが、しばらく期間が空いても集まってくれたメンバーには感謝の気持ちしかありません。
しかも、完走後にみなさんの感想を聞いたら、理由はまちまちでしたが、面白くなかったという方も半分いらしてて、みんな大人だな!最後までつきあってくれてありがてえ!ってなりました。感想にも記載してますが、ゲーム自体の単調さ、ストーリーの薄さ等がキャンペーンとして12ゲームを遊ぶ際の魅力として弱かったようです。
僕は毎回、ワカプレの優先順位が変わるのがめっちゃ面白く、楽しい!早く進めたい!って思ってた勢なんですが、毎回、開催を促してくれて場所の確保もしてくれていた方が、おもしれえ!勢だったので、無事完走できた一番大きな要因かもしれません。
日本語版もでましたし、6人で遊べるキャンペーン式のボードゲームとしても貴重なので、ストラテジーよりもワクワク感重視のゲームではありますが、そこに興味があるなら是非、通して遊んでみて欲しいです。
ただ、人数が少ないと盤面の変化も少なくなるはずなので、出来る限り多い人数、5,6人で遊ぶのをお勧めします。3人や4人で遊べるキャンペーンゲームは他にも沢山あるので、(人数少ないと向いてないのはわかるが)どうしてもワカプレのキャンペーン、ワクワク重視のゲームを遊びたい!というのでなければあえてチャーターストーンを選ぶ優先度は低いかなと。

(みなさんのステキな笑顔は隠しますが、長いキャンペーンお付き合いいただきありがとうございました! 楽しかった!)
(そんなに…と思ってる人が写真の中に3人いますw)
※盤面の写真などもぼやーっと見ないとどこでもネタバレなので、気にする方はあまりまじまじと見ないでください。

【概要&ルール】
君たちは偉大なる王に新たな土地の開拓を任せられた! 国の中の施設を使いながら自分の担当エリアと、国を発展させ、王の信頼に応えるのだ!
レガシータイプのキャンペーンゲームです。
各ゲームで特殊ルールが追加されることもありますが、システムは基本的に押し出し式のワーカープレイスメントゲームです。
アクションスペースにワーカーを配置して、コストを払ってアクションをするというシンプルなルールです。
既にワーカーが置かれているアクションスペースにワーカーを配置すると、置かれているワーカーが持ち主のプレイヤーの手元に戻ります。
手番には手元のワーカーを配置する、もしくは配置済のワーカーをすべて回収し、手元に戻すことのどちらかを行います。
自分のエリア、他人のエリアという区分けはありますが、単に建物を建築できる範囲というだけで、ワーカーの配置に関しては他人のエリアでも問題なく配置できます。
●基本的なゲームの流れについて
時計回りに1ワーカー配置/全ワーカー回収のどちらかを行います。
建築や目標達成などの一部のアクションを行うと時間が進みます。
プレイヤー数に応じて、1ゲーム当たりの時間が決まっており、規定の時間が経過すると1ゲーム終了です。
(あまりないですが)終了時の点数を追加した上で最多得点者がそのゲームの勝者となります。
●レガシー要素について
アクションスペースは“建物”という形になっており、手札に建物カードがある場合に、建築アクションを行うことで、自分のエリアの任意のスペースに建物シールを貼ることができます。この建物が出てくる順番や貼る場所には決まりがないため、キャンペーンごとに独自のボードが作られていくことになります。
(カード自体がシールになっているので1回貼ってしまうと、そのカードは建物カードとしては使えなくなります)
また、新しい要素が住人という形で追加されるため、カードが新しくゲームに追加される都度、プレイヤーが名前を決め、カードに記入します。

(能力は伏せますが今回のキャンペーンで大活躍したキム・カッファンとモタイ。右上のキャラは自分自身です)
●キャンペーン要素について
各ゲームの終了時、獲得した点数に応じて星を獲得でき、それによって自身の強化ができます(ゲーム開始時に1金もらえる、カードがもらえる、基本的に1ゲーム1枚のペルソナ(特殊能力)が2枚使える等)。
また、ゲーム中に手に入れたカードやリソース類の一部を次ゲームに持ち越すことができます(この持ち越し数は各ゲームで1位でない場合などに増やすことができます)。
もちろん、ボードに貼り付けた建物も持ち越しますが、それ以外のボード上の状況はゲームごとにリセットされます。
その他、宝箱カードをあけるアクションを行った際や既定の回のゲームにて新しいゲーム要素/ルールが登場します。これは、その回だけのこともあれば、その後のゲームを通して適用されるものなこともあります。
【プレイ内容&感想】
1キャンペーンを通しで行うと12ゲームにもなるので、個々のプレイ内容は書かずに感想のみです。
最初の1,2ゲームはまだアクションスペース(建物)も少ないですし、効果もシンプルなもの(指定のリソース1つもらう、リソース1つを1金に替える等)しかないので、正直言って単調です。
しかし、数ゲーム進むと、得点効率、リソース獲得効率の良い建物がでてきます。それを、どう回していくかを考えるのが楽しいです。


(キャンペーン開始時と終了時のボードの様子。終了時の方はあまりまじまじとみると建物効果などネタバレ要素ありますので注意)
これが面白いのが、キャンペーンの中の1ゲームなので、プレイヤー初期資源も違いますし、その回のゲームで勝つための効率の良さ以上に、建築したい建物や開けたい宝箱(開けるとペルソナや建物カードが入っている)等、この後のキャンペーンを考慮して行いたいアクションがあるので、各プレイヤーで効率の良いアクションが異なり、異なる動きになるところ。
この他プレイヤーの動きの予測ができないところをより面白くしているのが、押し出し式のワカプレと途中から1~3ゲームくらいから登場するミニオンの存在です。
ミニオンは特殊なワーカーで自分のエリアにしか配置してアクションできず、また自分の他人の問わずワーカーが配置済のアクションスペースには配置できません(アクションできません)。しかし、配置時と配置後に同じスペースに他人のワーカーが置かれた時に、ミニオンの種類に応じてリソースがもらえたり、カードがもらえたり、点が入ったり、得点のもとになるトークンを獲得出来たりします。
要は、他プレイヤーの動きが予測しづらいのに、押し出し式もミニオンの存在も他人とアクションスペースが被った方が良い=他人の動きが予測できた方が良い作りなわけです。
なので、単純に自分のことだけ考えると最効率ではないが、他人に使ってもらえることを考えるとこっちの方がいんじゃない?てのが出てきます。
逆に、他人に得させるから自分にとっての最高効率のアクションにもかかわらず、やらねえ!やりたくねえ!も出てきます。
これが新しく登場する建物や、そのゲームだけの特殊ルールも絡んで、さらに固定化しにくい作りにもなってます。
案外ゲーム終了タイミングが読めないこともあり、アクション選択は結構悩ましいです。
しかも、プレイヤー(担当エリア)ごとに特徴があるので、上記のミニオンの特性(自エリアにしか配置できない)もあって、各プレイヤーでやはり優先度の高いアクションがちょっとずつ変わってくる作りで、一筋縄でいきません(初期カードの中にある宝箱を開けて、またその中の宝箱を開けて…とやっていってる前提です。カードの所持数制限があるので、手放さざるを得ない時もありますし、作成されるタイミングも場所もキャンペーンごとに異なります)。
この宝箱を開けて、新しい建物カード(と宝箱)やペルソナを獲得するのがとても楽しく、単純に獲得ペルソナ数が点数に反映されますし、新しいペルソナ能力、新しい建物効果もゲームの動きが変わるのでワクワクです。しかし、ゲーム後半になると宝箱が尽きて、もう手に入らなくなるんですが…。宝箱開けはかなりキャンペーン継続のモチベーションや戦術に影響するところだったので、もっともっと用意して欲しかったです。建物種類やペルソナの種類は倍くらい、使い切れない量があってよいと思います。
この辺のペルソナや宝箱への興味が薄いと、自エリア中心にアクションローテーションが組めるようになる中盤以降は、同じことの繰り返しという人もいるとは思います。
固定化しづらい、他プレイヤーの動きが読めないというのも、取りようによっては、どうプレイしても構わないということにもなるので、冷めずに盤面を楽しく悩めるか次第というところはあります。僕はどのアクションが良いのか、どの順で行うのが良いのか、というところはとても楽しめたんですが
ここら辺はストーリー性、テーマ性の薄さも関係しているように思います。一応、ストーリーはあるんですが、そこまで魅力的でないというか、添え物みたいな薄い内容ですし、そもそもうちらの得点ってなんなのさ、(特にゲーム終了タイミングに関して)どうしてこういうことになるの?ってのが、「そういうもんだから」って感じで、淡々とプレイし始めると冷めるんですよね…。繰り返しになりますが、箱開けや新しい要素でわくわくを維持させる作りではあるんですが。
・最終得点計算について(それなりにネタバレなので注意!)
最終得点計算はかなりがっかりでした。(実は各プレイヤーのコマをいれたり、強化具合を記録する箱にゲーム開始時から書かれてはいて、そのままなんですが)キャンペーンを通して獲得した星の数(各ゲームの得点の10の位とほぼ等しい)による得点割合がかなり大きく、最終得点全体の8割ほどを占めました。
要は結局、キャンペーンを通して高得点を取り続けたプレイヤーが勝つというのは、納得できもしますが、上記の通り、各自が点数を無視してでも優先したレガシー要素、キャンペーン要素(どうゲームを進めたか、どう自分やエリアを強化していったか、どういうプレイ方針だったか)が、それまでのゲームの肝だったこともあり、その部分が反映されるような仕組みが良かったです。
(ペルソナ枚数や各ゲームの勝利数などの素点が何点になるかは、中盤くらいでプレイヤーごとに選ぶ場面があり、それを受けて、僕はペルソナ重視!とか思ってしまうんですが、その辺の素点が上下する部分は全体からみると誤差レベルになるくらいの割合しかなく、俺の中盤からの思いはいったいってなるんですよね)
ここは星1つあたりの点数を減らせば、理想に近い感じになると思うのですが、キャンペーン終了まで逆転の目がありつつ、キャンペーン内容を反映できる得点ルールが良かったなあと。星の点数が高すぎて中盤から終盤入ったくらいで最終的な勝者が決まっちゃうんですよね。今の得点ルールだと。
文句書いてますが、これまで遊んだ他の対戦型のキャンペーンゲーム(サイズ:フェンリス襲来とか)と比べて、一番キャンペーン中の得点が最終得点に反映される仕組みだったのは満足しています。ものによっては、1位以外には意味がないとか、途中の順位や得点には意味がないとかあったので。
ただ、キャンペーンを通す意味が薄いので、もうリチャージパックや最近出た日本語版を買って2周目を遊ぶモチベーションは、最終得点計算の内容を知る前よりは薄くなりましたが。
・プレイ環境と一緒に遊んだみなさんの感想
記録を見ると2019年の10月に最初の1ゲーム目を遊んで、そこからひと月に3ゲーム程ずつ遊んでいったのが、みなさんの事情やコロナで集まれなくなり、最後の4ゲームに10か月(最後の1ゲームだけで4ヶ月)程もかかっています。
完走は難しいんじゃないかという思いもありましたが、しばらく期間が空いても集まってくれたメンバーには感謝の気持ちしかありません。
しかも、完走後にみなさんの感想を聞いたら、理由はまちまちでしたが、面白くなかったという方も半分いらしてて、みんな大人だな!最後までつきあってくれてありがてえ!ってなりました。感想にも記載してますが、ゲーム自体の単調さ、ストーリーの薄さ等がキャンペーンとして12ゲームを遊ぶ際の魅力として弱かったようです。
僕は毎回、ワカプレの優先順位が変わるのがめっちゃ面白く、楽しい!早く進めたい!って思ってた勢なんですが、毎回、開催を促してくれて場所の確保もしてくれていた方が、おもしれえ!勢だったので、無事完走できた一番大きな要因かもしれません。
日本語版もでましたし、6人で遊べるキャンペーン式のボードゲームとしても貴重なので、ストラテジーよりもワクワク感重視のゲームではありますが、そこに興味があるなら是非、通して遊んでみて欲しいです。
ただ、人数が少ないと盤面の変化も少なくなるはずなので、出来る限り多い人数、5,6人で遊ぶのをお勧めします。3人や4人で遊べるキャンペーンゲームは他にも沢山あるので、(人数少ないと向いてないのはわかるが)どうしてもワカプレのキャンペーン、ワクワク重視のゲームを遊びたい!というのでなければあえてチャーターストーンを選ぶ優先度は低いかなと。

(みなさんのステキな笑顔は隠しますが、長いキャンペーンお付き合いいただきありがとうございました! 楽しかった!)
(そんなに…と思ってる人が写真の中に3人いますw)
ドブル360° / DOBBLE 360°

(インスト込み5人で10分ほど)
【概要&ルール】
自分の前にカードが来たら素早くとれ!
電池で回転する土台にカードを乗せて遊ぶドブルです。
土台には背中合わせでカードを乗せて、両面に見えているカードの共通の模様を宣言しながら、2枚のカードを土台から抜いて手元に置きます。※プレイヤーの手札はありません。
(この時、重ねずに、2枚並べておくことで、正解してますよね?とみんなにアピール&確認してもらうルールになってます)
回転スピードは、遅いモードと早いモードの2パターンあります。
ちなみに電池は単4が3本必要です&付属しているカードは、360°独自のもので、普通のドブルの流用とかではありません(別にどのドブルでやっても変わらんのですけど)
【プレイ内容】
さくらさん、あらいさん、カヤさん、僕の4人で。
ゆっくりモードでなんかやってられるか、早いモード一択ですよ!と早いモードで遊びました。
普通のドブルなら自分のカードと人/場のカードを見比べて…と遊びますが、ドブル360°では、手札はありません。
土台がくーるくーるとまわっているので、自分の前に見えている面にある模様をひたすら覚えて、次にもう1つの面が回ってきた時に、同じものがあれば、これだ!と取ります。
なければまたいくつか模様を覚えて回ってくるのを待ちます。
よくよく考えれば、自分に綺麗に見えている時は隣の人には見えていないか、見切れている状態なので、焦る必要はないんですが、腰を低く、手をやや前に出して格闘家の構えみたいなポーズで遊んでました。
みんなが同じカードを見ているので緊張感があるせいかとは思います。
しかし、みなさん早取りモードになっている甲斐はあり、
「ちょっと! まだカード見てもないのに取らないでくださいよ!」
「焦りすぎて、カードが土台から落ちた!」
などと、まあ、楽しい声があがってました。
その後、早い方で慣れた我々には簡単でしょうが…と余裕こきながら、ゆっくりモードでも遊んだんですが、
ゆっくりの方が難しい!
前述の通り、片面を覚えて、もう1面が回ってきたら確認して~の繰り返しなんですがゆっくりだと、そのスピードがゆっくりなわけで、記憶時間が延びて楽になるなどということはなく、われらごときの脳細胞だと、短期記憶が!短期記憶があっという間に消えていってるから早く回ってきて~、答え合わせさせて~ってなりました。
ドブル360°、速さが2段階あり、早い方でばかり遊んでたんですが、遅い方が難しいことがわかり、まだまだ熱いドブル360°界隈です pic.twitter.com/DjZ5ALNNCU
— ひだり@1/9,23,2/13,27 (@h_idari) September 21, 2020
【感想】
ドブルはドブルではあるものの、結構プレイ感が普通のドブルと異なります。
後述する要因で難易度があがっているんですが、その難易度と盤面の取ったとられたをプレイヤー全員で共有できるってのが普通のドブルよりも、楽しい!感が増しているように思います。
もちろん回るギミックが楽しいのもあるかとは思いますが、全員共通のお題にむかっているというのが楽しさに結構貢献してます。単に全員が同じ問題に取り組むと得意な人しかゲームに参加できず、つまらん!って人も出てきますが、何しろ回っているので、両面が見えるまでは得意な人も取りに行けないんですね。
そのため、全員参加ができていて、前述の”全員共通”ってのをちゃんと全員が共有できるので、良いパーティーゲームだと思います。小ゲームの繰り返しなので、次第に得意不得意で差がつくのは確かなんですが、簡単簡単とずっと取り続ける人がでてこないが、難しすぎてゲームにも参加できないほどでもないという難易度が良いかなと。
で、普通のドブルとの違いですが、脳みその使うところが案外違って驚きます。
普通のドブルってパターン認識とほぼ隣り合った絵柄を比較する能力のゲームですけど、360°は記憶力をベースに見ている絵柄と記憶の中の絵柄を(時には変形させながら)比較するゲームです。
記憶に頼る部分が増しているので、他人にとられた時のショックが増しているように思います。
マジカルナンバーが7±2なのか4±1なのか、そういうことは置いといて、覚えられないものは覚えられないんじゃいということで、ドブルのカードには8つの模様が書かれていますが、1周の間に答え合わせできるのは、頑張ってせいぜい3つ、4つくらい、下手すると2,3つくらいなんじゃないでしょうか。
次に大きいのが(疑似的ですが)手番制になるところ。
カードが回転しているので自分にカード面が見えていない時は取りに行くことができません。基本的に回ってきた時だけが自分が取りに行ける状態=手番です。普通のドブルが全員同時に手番を行っているため、ある意味、行儀正しいドブルではあります。
それでも自分が覚えていたカードが変わってしまうので、やはり他人にとられると、ああーってなるところは普通のドブルと変わりませんが。
あとは、自分の前を通り過ぎて行ってしまうので、焦りも大きくなってます。
変わり種ドブル程度の認識ではもったいない、ちょっと新しいドブルのドブルらしさを強調した、ドキドキアップ版ドブルになっていると思います。
容器がでかいせいで、送料が若干高いのが残念ではあるんですが、面白さプラスアルファ版のドブルです。
ドブル:鳥肌たったわ! / Dobble : chair de poule


(5人でインスト込み10分ほど)
【概要&ルール】
ドブル10周年記念版に2つ入っているデッキのうちの1つ。
絵柄はお化けテーマ(発売的にハロウィンテーマ?)なんですが、絵柄の上に蓄光塗料が塗られており、暗闇で光ります。
あとは普通のドブルです。
【プレイ内容&感想】
蓄光塗料にあらかじめ光を当てておくために、テーブルの隅の空いているところに広げて準備します。
「ひだりさん、何広げてるんですか?」
という質問も「まあまあ」とか濁しながら、他ゲームを遊んで、夜になるのを待ちます。
参加者の方:「(そろそろ終わりの時間ですし)このドブルやりませんか」
僕:「(まだ他のゲームやってるので暗くなったら遊べなくなりますけど)やっちゃってもいいんですか?」
他のゲーム遊んでる方:「(遊ぶために暗闇にするとか当然ご存知ないので)いいよ」
僕:「じゃあ」と言いながら照明を消すと、
「カードが光ってきた!」「そういうことか!」という声が上がりますが、他のゲーム遊んでる方から「盤面が見えねえでしょ!」という当然の指摘もあったので、「だから聞いたのに!」と言いながら照明をつけたり…という寸劇も入れたのち、全部のゲームが終わったところで、改めて、しゅだっちさん、うきんさん、あすまーさん、一味さん、僕の5人で遊ぶことにしました。
照明を消したばかりは、「見えない」とか「光弱すぎない?」とかいう声も聞こえましたが、目が暗闇に慣れてくるに従い、次第にはっきり見えてきます。(とはいえ、全体的にはやはりぼんやりしてます)

(なんとか絵柄がわかるか?くらいの見え方)
さすがにこの見え方であつあつポテトはできないだろうと判断して、最初に1枚持ち、その後は場から拾っていく形式で。
「(色がないし、ぼんやりとしか光ってないので)なにが書いてあるのかわからん!」
という声も聞こえましたが、絵柄によって明らかに見えやすい見えにくいがあることに気づいたので、隣のカードとの同じ絵柄を探すのではなく、逆にクモの巣の絵が書かれたカードを探すことにしました。
僕が「クモの巣、クモの巣、クモの巣…」と拾いまくっていると、あすまーさんも「カレンダー、カレンダー、カレンダー…」とカレンダー(どうも13日の金曜日という絵柄だった模様)ばかりを集めてらっしゃいました。
どれも長い棒の先に何かついてるので、ハタキと悪魔のヤリとホウキが区別つかなかったり、なんか小さい生き物(猫と悪魔?と他多数)は全部同じに見えたりとみなさん苦戦されていましたが…、
どなたか①:「あとで答え合わせしないとですね」
どなたか②:「でも、ドブルだから絶対に1つの絵は合うでしょ」
僕:「確かに! まあ、言った覚えのない絵でつながってたらミスってことで」
部屋の明かりを消しているので、うっすら光るカードは見えますが、周りのプレイヤーは見えません。なので、自然と動きがゆっくりになりますし、ちょっと遠くのカードを取ろうとすれば、ぶつからないように前失礼しますねと声かけながらとりにいったりと変な感じです。
取りやすい絵柄のカードが枯れてきたのか、それとも、
「だんだん光らなくなってきてませんか?」
入り口のドアの脇から光が漏れていたので、そこまでカードを持って行って、光を当てて帰ってくると「また光って見やすくなった!」とか、なんのゲームをしているのか。ちなみに光を当てに行くと逆に部屋の中は外からの光がさえぎられるため、カードの光が見やすくなります。
そんなこんなでなんとか全部のカードを集めて終了。誰がとか、何をやってた人がとかそんなこともなくそれほど差はつかずに終了しました。
一味さん:「(暗くて移動もままならないので)場所取りうまかったやつが有利だな」
ウキンさん:「目が弱ってるおっさんには連戦無理」
普通のドブルなんですが、見えにくい!というのが逆に画期的でした。
まあ、ドブルの面白さはあるわけで、出落ちよりではありますが、ゲームとしても面白いのでセーフです。
なんというか、夏に泊りがけの旅行に行った先のテンションで遊ぶみたいなゲームでした。
普通に蓄光塗料を使った何か、暗闇で遊ぶ楽しさはあると思います。今回はテーブルに広げましたが、部屋全体にばらまいて光を頼りに探すとかも、できそうです。それがドブルなのかはおいておいて。