fc2ブログ

スライドクエスト/ Slide Quest

IMG_7322.jpg
(4人で各面5分ほど)

【概要&ルール】

盤面を傾けて底にボールのついている騎士を移動させ、クエストを達成しろ! 

マップ上にスタートとゴールが決められており、その間を底に鉄球のついた騎士コマを移動させればクリアというのが基本ルールです。

各辺にひっかけた棒でマップを支えるような構造になっており、レバーを押さえるとテコの原理でマップが持ち上がります。それでマップを斜めにして騎士コマを操作します。
IMG_7336.jpg
(マップ剥がすとこんな感じになってます)

マップは1面単位で張り替えるようになっており、マップによっては、穴が開いていたり、邪魔するダイナマイトがおいてあったり、倒さなければならない(押して穴に落とす)敵キャラがいたりします。マップごとに定められたクエスト(ダイナマイトを倒さないようにしながら道に沿って進めとか、敵を全て対応する穴に落とせとか)を達成した上で、上記の通り、ゴールに進む必要があります。

騎士が穴に落ちたり、ダイナマイトを倒したりするとライフが減り、ライフがゼロになると失敗になります。ライフがある限りはそのマップのスタートに戻って再度挑戦できます。
IMG_7337.jpg
(序盤の方のマップ。マップ上のアイコンに応じてコマ置いたり障害物を配置します)

【プレイ内容】

ヒガさん、もぎさん、さくらさん、僕の4人で。

全員初プレイということで、慎重に傾けて…とスタートしたんですが、案外滑らない!ぐいーっと思いっきり傾けたり、トントントンとマップを揺すったりと結構大胆に操作するようにすぐなりました。

マップは全20面あるわけですが、最初の方のマップは余程でない限り失敗しないくらいの難易度で、道に沿ってゴールまで移動しろ!みたいな簡単なクエストになってます。
たまたま僕が全く操作しなくても問題ない(僕の側にゴールがある)マップだったので、これはチャンスとレバーから手を離して、写真とったり、動画撮ったりしてたんですが…、

みなさん:「え! ひだりさん、なんで手、離してるんですか!?(動揺)」

動揺したタイミングが悪く、そのままマップの穴に落ちる

僕:「すいません」
IMG_7323.jpg
(動揺して落ちた騎士)

そこからは真面目にプレイ。

徐々にマップで指定されるクエスト(基本的なルール(敵は穴に落とせ、数字がふられた穴があれば、対応する数字のついている敵をそこに落とせとか)が決まっていて、セットアップした形でわかるようになっているので、テキストでの説明とかはありません)の難易度は上がっていくわけですが、

その都度、「これ無理じゃない?」みたいなところを、無理やりこじ開け、あー、こうすればクリアできるのか、こういう手があるのか、ここまで無理できるのか!と経験値を手に入れ、レベルアップしていく我々。
一度レベルアップすると、ちょっと困ったような場面になっても「あれですね」と、手に入れたテクニック(※テクニックというほど大層なものではないことも稀にある)を駆使し、5面に出てくる最初のボス敵もあっさり撃破。

いったん難易度はちょっとリセットされて、やや簡単になりましたが、続けて、次のボスに向けてマップをクリアしていきます。

難易度が上がっていくに従って自分の方に滑らせる(自分が傾ける必要がない)場面でも、穴の直前でブレーキをかけるために、基本的にずっとレバーに手をかけてます(元々レバーから手を離して油断しまくってるような人は僕だけでしたが)。

僕:「XXさん!」
XXさん:「あ、ついとんとんやっちゃってました」

お名前は伏せますが熱くなりすぎて自分に関係ない時にも操作しちゃってるタイミングもありました。

もぎさん:「みんなが棒押すとマップが平行に上がって操作効かなくなるんですよね」

熱くなりすぎたら操作不能になる安心設計!

10面はそれまでにない種類のクエストが登場するとルールブックに書かれていたので、そこまで遊べたら良かったんですが、9面クリアしたところで時間切れ終了でした。
IMG_7325.jpg
(たぶん8面。穴に落ちてスタートに戻ったところなので、ダイナマイト(赤い円柱)がマップ上のアイコンからずれてます。ダイナマイト、見た目は頼りないですがこれも案外倒れません。しっかり騎士を受け止めて、進むのを邪魔をしてくれます)

【感想】

アクションゲームなので、操作が楽しいというのが一番なんですが、僕はそれ以上に、徐々にプレイヤー間で共通言語がどんどん作られていくとこと、それによって意思疎通&プレイングが上達していくという2つの過程が面白かったです。

このゲーム、全部で20面あるんですが、5面単位で使うテクニックの上昇曲線が綺麗にデザインされているので、最初はまごついたとしても、それ以降は、この状況なら、あの時のアレだなとプレイヤー個人にテクニックが身につくのに加えて、プレイヤー同士でどんどん通じ合っていきます(ちょっと話外れますが、難易度が1,2,3,4,5,2,3,4,5,6,3,4,5…って一回軽くリセットを挟むながら上がっていくのも飽きさせない良い工夫だと思いました)

さらに、「テコの要領で箱についてるレバーを操作することで、盤面を傾けてコマを滑らせる」とだけ聞くと、誰がやっても変わらないように思うんですが、人によって、全然プレイングが違うんですよね。細かくトントン、トントンと操作する人もいれば、ぐいっぐいーっと思い切りよく操作する人もいます。そのプレイヤーごとの違いを全員で飲み込んだ上で、ブレーキはこのタイミングだとか、緩やかに曲がりながら進めるとか上達していきます。

これらがすごく「チームでやってる感じ」がして良かったです。
クリアすること自体ももちろん楽しいんですが、良いチームになっていく過程があってこその面白さなので、メンバー変わったり、久しぶりに同じメンバーで遊んだりするたびに、その面白さが楽しめそうです。

あと、スライドしやすいか、しにくいかというと、案外、スライドしにくい作りです(使われているのは、普通の紙、木コマ、鉄球なんですけど)。
しっかり操作しないとスライドしませんし、多少の雑さは受け止めてくれます。この“案外滑らない”スライド具合が、遊び易さや遊んでいる実感につながっていてとてもよかったです。
すごく滑りやすい、ちょっとした操作で大きく動く作りにもできたかとは思うんですが、あえてそうしてないと思われます。滑りやすすぎる方向で難易度を上げているのではなく、滑りにくい方向である程度ミスを誘発できる作り&ある程度コントロールできる前提でマップの作りで難易度を作ってます。

滑りにくい=レバーを思いっきり操作してもミスになりにくい=ゲームにガンガン参加できる!っていう良い作りのゲームになってます。

みんなでガンガン操作しあって、チームメイトと一緒に上達していく過程と、もちろんクリアの達成感も味わえる良いゲームだと思います。

ストリーミング/ Streaming

IMG_5495.jpg
(4人でインスト込み1時間弱)

【概要&ルール】

あなたは動画配信サイトの社長です。ライバル会社たちとの競り合いに負けないよう、素晴らしい番組を買い付けてきて配信し、たくさんの人に見てもらいましょう。収益は政府から定額の支援金がでるので気にしなくて大丈夫です。

シンプルな競りゲームです。

既定数のラウンド、以下を繰り返します。

1.競りフェイズ:番組カード2枚ずつの組を既定数場に並べ、1組ずつ順番に競りを行います。競りは一斉公開の握り競りで最も高い金額を握っていたプレイヤーがその組の番組カードを獲得します。
獲得したカードはこんな感じで自分の前に並べます。
色が同じカードは獲得した順番に並べ(重ね)ます。

2.広告フェイズ:番組カードに1金おいて、その番組カードに書かれた数字分得点します。
1金を置ける番組カードは、色ごとに一番上(直近に競り落とした)の番組カードだけです。
(数字の大きいXXはカードの並びの下側になるので、得点化はできず、広告を打つとしたらXXになります)

3.収入フェイズ:全プレイヤーとも10金もらいます。

・特殊カードについて
各ゲーム、4枚ずつ特殊カードを使用します。カードには「○色のカードを一番多く持っているプレイヤーは大愚レイクで必ず勝利する」「〇色のカードは決算時にXXを得る」「ゲーム終了時、〇〇のプレイヤーはXX点得る」などが書かれており、特殊ルールとしてそのゲームに置いて適用されます。

・ゲーム終了時
既定ラウンド経過後、ゲームは終了します。終了時、色ごとにマジョリティを取っている(一番多くの番組カードを持っている)プレイヤーは、その色の番組カードの数字の合計分の点数をボーナスとして得ます。
その後特殊カードにゲーム終了時の点数に関するものがあればそれも得点した後、お金を点数に変換したものも加算し、最も点数の高いプレイヤーが勝利します。

【プレイ内容】

あっきぃらびっとさん、まーまゆさん、はるさん、僕の4人で。

全員10金持ってスタートです。

各ラウンド場、競りはプレイヤー人数+1だけ行われます。

全員同じだけ金を持っていて、プレイヤー人数+1回の競りってことは…?

6金使ったら、5金×2の人に勝てないってこと? でも、10金全部使ったら広告に回すお金なくなるから、2回競りに勝って、異なる色の番組カード4枚取るなら残りの6金でやりくりせいと? 3金ずつで2回競り勝てる気が全くしないぞ?

うむ!わからんな!

ということで、感性で欲しいカードにこれくらいかなとその場その場でお金を握ることにします(なんの方針でもない方針!)。

今回のゲームでポイントになりそうな特殊カード(特殊ルール)は以下の2枚。
・青色の番組(スポーツ)は、一番上のカードだけでなく上から順番に任意の枚数広告できる
・黄色の番組カード枚数トップのプレイヤーはタイブレイクで必ず勝つ

通常であれば、一番上のカードしか広告できないので、大きい数字のカードを取ると、その後、小さい数字のカードを競り落としにくくなります。しかし、各色で枚数のマジョリティトップを取れば最後にボーナスが入るというジレンマがあるわけですが、今回の青色番組に関しては、たくさん競り落としやすくなってると言えます。

黄色のタイブレイク必勝も、非常に少ないお金でやりくりするこのゲームではタイブレイクが起こりやすく、通常であれば、前回競り落としたプレイヤーが一番タイブレイクで弱くなるルールでバランスを取っているところに、黄色カード枚数トップであれば、最小の金額で連続競り勝ちがあり得るということです。

つまり、黄色と青色の競りが熱くなる…?

細かいことはおいといて、なんか黄色と青色は強そうだぞ!というのは、特殊カードの説明をしていた時点で全員で意識共有できました。

1,2ラウンド目が終わったところで、黄色枚数はあっきぃさんがトップ。他の色の番組カードもたくさんお持ちですが、数字は低いものが多く、点数は伸び悩んでいる模様。まーまゆさんもあっきぃさんに次ぐカード枚数をお持ちですが、点数の伸びはイマイチ。
ラウンド終了時の得点トップは、はるさん。はるさんは青色の番組の10,7をお持ちで、青色だけで17点を獲得されてました。

僕は初めに競り勝ったのが黄色の10と赤の3だったので、黄色のマジョリティを取りに行くか、それとも10点を毎ラウンド稼ぐのがいいのかで迷ってしまい、黄色の枚数はあっきぃさんに負けているのに、黄色の10は黄色の8上書きしてしまったという変な状態に。しかし、青の9を獲得したので残りの3色も高めの数字を取って、広告点を稼ぐ方向にすることにしました。

が、3ラウンド目。欲しい色の数字が低かったり、高い数字は黄色や青の小さい数字とセットだったりで取りに行けません。ここでまーまゆさん、あっきぃさんが多くのカードを獲得され、ぐんと点数を伸ばされます。

点数は獲得した番組カードに依存しますが、収入は全く関係ないので、まだ手元のお金では負けてはいません。というか、使ってない(使えてない)分、むしろ大金持ちであるともいえます。
4ラウンド目。待望の高い数字のカードが登場しました! たぶん手元のお金が2倍くらい違ってるはずなので、ちょっと過剰かなと思うほど投入して、緑と紫の高い数字カードを獲得しました。もうマジョリティを取るのは正直無理なのですが、高い数字のカードをマジョリティを取っている相手に取らせない=ボーナス点を減らすのには意味があるはず!と広告に回すつもりだったお金も使うなどして、ちょっと競りを頑張ります。

が、焼け石に水だった感もあるほど、あっきぃさんが大量のカードを競り落とされてます。広告点もそれなりに高い点を毎ラウンド取られてました。うーん。これは…と思いながらも最後のマジョリティボーナスなどを追加した結果、似たような点だった僕ら3人の2割増しくらいの点数であっきぃらびっとさんが勝利されました。

黄色枚数トップによる「タイブレイクで必ず勝利」も強かったんですが、僕が広告点重視でたいして競りに参加しなかった、まーまゆさん、はるさんは青色のカードをそれなりの枚数お持ちだったので、広告に結構なお金を使用されていて競りに回すお金がなかったと、結果から見ると、そりゃああっきぃらびっとさん勝つよねーというように周りの状況ができあがちゃってますね、これ。

【感想】

握り競りのゲームってちょっと乱暴で難しいイメージがあったんですが、驚くほど「プレイヤー間でのバランスが取れているので遊びやすく、いい勝負になる競りゲーム」です。
 
競りゲームって相場感が~とよくいわれるわけなんですが、このゲームでは考える必要がないというか、自然とあるところに落ち着くというか、ちょっとしたルールの積み重ねでセーフティネットがしっかりできています。
 
まず、収入が固定で毎ラウンド全員同じ額が手に入ることと、1ラウンドの競りの回数がプレイヤー人数+1回であること、番組カードの出方は完全にランダムであること。

要は次ラウンド以降を待つメリットが薄く、各ラウンド固定収入があるまでは使ってしまって良く(逆に言えばそこまでしか使えず)、その上、各ラウンドでは各プレイヤー平均1回程度競り勝つ機会は与えられる作りです。
(理屈の上では、2回勝ちたいプレイヤーは半額までしか握れないので、収入の半額以上を握れば基本的に1回は勝てるはず)

といっても、できる限り少額で値つければ良いし、ひとりしか欲しいプレイヤーがいないカードがでれば安く競り落とせるでしょ?というのもまた理屈なんですが、競りのシステムが『握り競り』であることが、ここらをうまくカバーしてます。
ぐるぐる手番を回しながら値上げていくタイプの競りなら、ひとりしか欲しいプレイヤーがいなければ安く落札できることもありますが、握り競りだと、他人が欲しいのかどうかが勝負がつく瞬間まで確定しないので、「たぶん、他の人はいらないだろうなー。でも、もしかしたら…」と不安に駆られて結局、ある程度の額は握ることになるんですよね。
(うまく低い値つけで落札しまくる人もいますけど)

そんなわけで、カードの相対的/絶対的な価値によらず所持金の差がつきにくく、“いい勝負”になるように思います。
特殊カードの効果や番組カードの出方によって点差はつくかもしれませんが、競りの中に閉じればみんなそれなり以上にうまく回せます。勝ち負けも僕がこれまで経験した感じだとひとりがへこむということはなく、ひとりが飛び出るか、いい勝負になるかでした。

さらにいえば、収入は同じですが、全角使う必要もないので、いくらか次ラウンドに持ち越すお金もあります。この持ち越し金がいい感じの揺らぎになっていて、握り競りの不安を煽ります。よほど強い意志がないと、金があったらあっただけ、平常時なら6金程度握るところが、7金になり、8金になり…となりがちで、これまた所持金の平坦化につながっていきます。
(中盤に差し掛かって収入プラスの余剰分のお金ができたところで相場が上がり、その相場観のまま、余剰分がなくなった終盤も高めの値つけでつっこんで痛い目にあうというゲームの流れもまた好みです)

相場が収入と競りの回数で決まっていって、カードの価値とのひも付きが浅いので、(特に数字の大きいカードの)値つけがようわからんことになりますが、それもまた楽しさの1つかなと。

シンプルすぎて大盛りあがりするというわけではないですが、良い勝負を演出してくれる良いゲームだと思います。

シンフォニー / Symphony

IMG_5164.jpg
(3人でインスト込み1時間半ほど)

【概要&ルール】

今度開かれるオーケストラの公演でうちのグループの存在感をアピールしたい!
そう、結果的にどんなことになろうとも他の派閥のやつらに負けるわけにはいかんのだ。

自分のとこの楽団員をオーケストラに送り込んで演奏で一番目立つことが目的のゲームです。
※本当は素晴らしい演奏をすることが目的とかなんですけど、やってることを素直に解釈すると↑になる。

このゲームは2つのフェイズにわかれています。

A.オーケストラフェイズ
B.シンフォニーフェイズ

Aで楽団を作って、Bで演奏するという流れになります。

A.オーケストラフェイズは、シンフォニーフェイズの準備のフェイズで以下の流れで行います。
・プレイヤーに楽器カードを既定枚数配る。
・手番順にメインボード上に楽器カード&演奏者を配置する

メインボード上に演奏者が置かれていない楽器がなくなったらフェイズ終了です。
IMG_5162.jpg
(こんな感じのボードに置いていきます)

楽器カードには、楽器の種類、ディスクを置くスペースと特殊能力、配置場所に関する半円が描かれています。

楽器の種類はフレーバー、ディスク数=この後のシンフォニーフェイズで行う演奏への影響度です。特殊能力もシンフォニーフェイズでディスクを配置する際のものなので、後述します。
ディスクスペースや特殊能力は灰色で書かれてるものがあり、これは、楽器カードが適した場所におかれる(カード上の半円がボード上の半円と一致する)ことで有効になります。

プレイヤーは楽器カード上に自分の色のディスクを置きますが、手番で自分が配置した楽器に配置しなければならないことはありません。楽器カード配置後にフェイズ開始時からボード上に置かれているものや、コンサートマスターや指揮者など、ボードにあらかじめ印刷されているものにディスクを置くこともできます。

B.シンフォニーフェイズは以下の流れで行います。

このフェイズは楽器カード上のディスクを、楽譜ボードの音符上に送り込む(配置する)フェイズです。
楽譜はA~Eのエリアにわかれており、それぞれ、オーケストラのA列にある楽器カードからディスクを送り込む場所、B列にある楽器カードからディスクを送り込む場所…と、楽器カードの列と対応しています。

該当エリアに該当列のディスクを全て送り込んだら、次のエリア、次の列に移り、どんどんディスクを送り込んでいきます。
各列では基本的にオーケストラの前列にある楽器から1つずつディスクを送り込んでいきます。ディスクを送る順は楽器の並びだけで決まり、楽器カードの並び次第ではプレイヤーが連続手番になることもあります。

・中間決算/最終決算について
楽譜は3枚のボードを組み合わせて作成されており、B、D、E終了時(各ボードにもうディスクが送り込まれなくなった時)に中間決算が行われます。
中間決算では、シャープやフラットのついている音符や、背景色の異なる部分でのマジョリティ、ボード全体のマジョリティによる点数が入ります。

最終決算では、これらに加えて楽譜の格段のマジョリティによる点数も加えられ、最終的に最も点数の高かったプレイヤーが勝利します。

【プレイ内容】

あらいさん、しゅだっちさん、僕の3人で。

ルール的には初回はオーケストラフェイズを省略したイージールール(ルールブックに載ってるおススメセットアップで遊ぶ)を使うことが推奨されているんですが、音符の配置だけだと味気ないでしょうと判断し、皆さんの了解を取った上で、フルゲームを遊ぶことにしました(といっても拡張ルールが4,5個入ってるのでまだまだボリュームは膨らみますが)。

そんなわけで、楽器カードを配ってオーケストラ編成のオーケストラフェイズ開始です。

楽器カードの能力が上がるので、カードに描かれた半円とボード上の半円は是非合わせていきたいところ。色も合わせる必要があるので、色を頼りにだいたいどんな配置なるのか見てみると、向かって左右に弦楽器、中央らへんに管楽器(奥が金管、手前が木管)、奥に打楽器となるようです。

まあ、そこらへんは現実のオーケストラと同じですね。適した場所に置かれるなら…!

当然みなさん半円のマッチを狙うはずなのでそこを優先しておいていきます。とはいえ、この楽器&ディスクの配置はこの後のシンフォニーフェイズの手番順や手番数になるわけなので、弦楽器ばかりに置くのが良いというわけでもありません。

なので、弦楽器を置いたら打楽器をおき〜とカードの強さと位置を考慮しながら配置していきます。すると配られたカードを半分くらい置いた時点でもう半円がマッチするカードは無くなりました。
ここからは、自分の置いたカードよりも場のカードが強ければそちらを優先してディスクを置いていきます。

どうせ自分でディスクを置かないなら半円潰しのためにカードを置くという手ももちろんあるんですが…、これしかねえええ!と勢い込んで置いたのは銅羅のカード。

オーケストラの最前列の真ん中に置いてやりましたよ、HEHEHE。

そんなオーケストラもあっていいじゃない。
(中央以外の最前列は事前にランダムにカードを置いていたので、銅羅の隣はティンパニという、なんなんだこのオーケストラという配置になりました)

みなさん、マッチする場所は優先されてたかと思うのですが、次の優先事項はなんなのか? 僕はとにかくディスク数が正義!
楽器の種類ごとに特徴があるようで、打楽器や木管楽器はディスク数が多く、金管楽器は置けるディスク数は少なめ、弦楽器や木管楽器はディスク数は中庸能力もとんがってないなどなど。
IMG_5163.jpg
(オーケストラフェイズ終了!銅羅&ティンパニのセンターもいいんですが、右列の下から二段目にいるトライアングルもいい味出してます。さらに言えば、トライアングルとティンパニに挟まれたバイオリンもなんでそこに座ろうと思ったんやみたいな感あって素敵です。右端にうつってのがルールブックに記載されているおすすめ配置です。それを使ってシンフォニーフェイズだけ遊ぶこともできます)

僕としゅだっちさんは満遍なく、というより漫然と置いたらこうなったみたいな配置に。あらいさんはめっちゃ右寄りのシフト! 終盤に追い込みをかける狙いのようです。

そんなわけで、シンフォニーフェイズ開始です。僕らのはちゃめちゃ楽団が楽譜上でマジョリティを狙ったり、他人がおいた音符上にディスクを上書きしたりしあいます。

どう考えても、おれの演奏を一番目立たせるんだ!ブー!ブー!プップクプー!って感じに思えるんですが、まあ、さておき、マジョリティ争いをやります。

まずは楽譜上のAの場所にオーケストラのA列からディスクを移していきます。
といっても、あらいさんはA列にディスクを置いてないので僕としゅだっちさんがディスクを置き切ってB列に入るまで手番はきません。

そんなわけでしゅだっちさんと置き合うわけですが、点数要素は、配置した時の素点(楽譜の上の方が高得点)、A,B終わった後のマジョリティ、シャープやフラットに置いた時のボーナス、楽譜の色が青やオレンジになってる箇所のボーナス、A〜Eまで置き終わってゲーム終了直前の各段のマジョリティです。

単純に素点の高い場所に置くか、マジョリティを取りに行くか、ボーナス点を狙うかなわけです。僕はシャープやフラットでのボーナス点重視。
楽器に能力がなくても連符だと「既に置かれている色のディスクは同じ連符上の他ディスクを上書きできる」という条件がつくので、どこからディスクを置いていくかは案外重要です。
既に上書き能力を持った楽器カード上にディスクがなければ上書きされることは基本的にはないのですが、しゅだっちさんに上書きされないよう、そこらへんも気をつけつつ。
IMG_5166_20181230104751cbf.jpg
(Bの配置中。あらいさん(紫ディスク)はまだ登場していません。タクトでBの範囲を区切って、プレイミスをなくそうとしてくれてるんですが、コンポーネントのタクトが箸にみえるんですよね…)

前半、A〜Cの部分ではほとんど出番のなかったあらいさんでしたが、その分、後半はほぼあらいさんの楽器で独壇場です。ディスク数も多めの楽器カードが多く、いやー、これはやばいですねなどと言いはするものの、どうすることもできません。
各段のマジョリティ争いもあるのでどんどん置かれるあらいさんのディスクに気が気ではありません。これはあらいさんが勝ったかな?

と思っていたら、最後のEの列のディスクを7割ほど置いたところで楽譜上のスペースが全部埋まってしまいゲーム終了となってしまいました。

あとから楽譜を見てみるとCで置ける範囲でディスクが後ろに偏って置かれてました(シャープやらボーナスが期待できる特殊音符がたくさんあった模様)。そのせいでDやEのディスクの置ける場所が減ってしまい、今回のことのようになってしまったようです。
(楽譜上でアルファベットごとに置ける範囲は微妙にかぶってます)

そんなわけであらいさんも伸び切れず、シャープやフラットのボーナス点を多く稼げた僕が勝利しました。
IMG_5168.jpg
IMG_5169_20181230104754ec0.jpg
(終了時。後半はめっちゃ紫ディスクが置かれてますがこれでもまだ置ききってないディスクがあるという)

【感想】

ぶっちゃけるとマジョリティ争い部分は普通です(よく出来てるとは思いますが、目新しさはありません)。
ボーナス点エリアと普通にマジョリティを争うところ、素点高いところなど、どこに力を入れるかという選択肢も多く、上書き効果もあるので他人とのインタラクションもしっかりしてます。

と、シンフォニーフェイズ部分だけでも無難は無難な良いゲームなんですが、やはり魅力はオーケストラフェイズと組み合わさることででてきます。

今回のゲームでは笑える配置になりました。銅羅をあそこに置いたのは狙ってやったところもあるんですが、シンフォニーフェイズを経験してから考えると、ああいうオーケストラではあり得ない配置は案外起こりそうです。

なんでかってえと、各列で配置可能な場所が分割されているため、シャープやフラットなどのボーナス点がもらえるエリアでは先にそこにおける楽器を置きたいとか、どの列に力を入れた方が良いかが、自分のやろうとしている得点の取り方に応じて、時には適した場所(半円が重なる場所)に配置するより優先される場合があるからです。
(楽譜は裏表ありのモジュラーボードになってるので毎回、楽譜の作りは変わります)

適した場所に置かれない=トンチキなオーケストラになるなので、ゲーマー的な絞りあいや取り合いを意識すればするほど、楽器の配置を見てドタバタした感じになるわけです。
そうなってくると、やはりこんなテーマありなのか!?と感じた、俺の演奏の方を目立たせてやる的なものも、デザイナー狙ってやってる?という気にもなります。
真面目な箱絵からはなかなか想像しにくいですが。
IMG_5172.jpg
(真面目にオーケストラやりっぽく見える箱絵)

システム的な目新しさやすごい面白さはないですが、まっとうなエリアマジョリティがやりたく、どったんばったんのオーケストラというテーマや背景を想像しながら、笑い合いながら遊べる環境なら良いゲームかと思います。

シンギュラリティ/ Singularity

IMG_5052.jpg
(4人でインスト込み‪3時‬間半ほど)
 
【概要&ルール】
 
『技術的特異点(ぎじゅつてきとくいてん、英語:Technological Singularity)、またはシンギュラリティ(Singularity)とは、未来学上の概念の一つである。端的に言えば、再帰的に改良され、指数関数的に高度化する人工知能により、技術が持つ問題解決能力が指数関数的に高度化することで、(頭脳が機械的に強化されていない)人類に代わって、汎用人工知能あるいはポストヒューマンが文明の進歩の主役に躍り出る時点の事である。』(Wikipediaより引用)
 
シンギュラリティは工場の経営者になって、製品や原材料の工場を作り運営することで、収入を増やすことが目的のゲームです。
 
スタートプレイヤーから時計回りに終了条件が満たされるまで手番を行います。
 
手番の流れは以下。※購入、売却など、現金払いっぽいところは“資産”の変動で表されます。
 
1.AIレベルアップ:準備状態あったAIレベルがあがり、自会社のステータスを上げることができる
2.資源購入:FRPかICのどちらかを現在の価格で上限まで購入できる
3.生産&売却:自分の持っている工場を起動させ、必要な材料を払って製品や原材料を生産する。製品はただちに現在の価格で売却、原材料は倉庫上限までストックできる。上限を上回る分は売却。
4.収入:収入トラックの分、資産を変動させる(収入がプラスなら増やし、マイナスなら減らす)
5.アクション
 ・工場建設:条件を満たしている任意の工場1つを建設し、収入を減らし(借金して建てたので月々の支払が増えてるイメージ)、消費市場を増減させ、個人ボードの労働者トラックを伸ばす。
 ・製品/原材料の購入:メインボードに示されてる今の価格で製品(ロボットやアンドロイド)か原材料(FRPなど)を1種買う。
 ・債権の売却/購入:収入を減らして資産増か、資産減らして収入増を行う。
 ・アイディアカードのプレイ:プレイ条件を満たしているアイディアカードを手札からプレイして効果を得る。
 ・AIレベルアップ:レベルに応じた資産を払うなどの処理を上げた後、AIレベルアップ準備のマスにコマを置く。
6.手番終了
 
いずれかのプレイヤーがAIレベル5に達したら全員が最後手番を行ってゲーム終了です。
収入レベル、AIレベル、工場数、技術(ギルド点的なもの)などから点数を得て、最も点数の高いプレイヤーが勝利します。
 
●ボーナスカードについて
(ほんとはちゃんとした名前があるんですが忘れました)
AIレベルがXになった、アイディアカードをX枚プレイしたなど、マイルストン的なものを達成した最初のプレイヤーは、ボーナスカードがもらえます。ボーナスカードには3ドルもらえるとか、原材料を1ドル安く買えるようになるとか、即座に工場1つを建てるとかの即時/永続効果が書かれています。最初に達成したプレイヤーの手番から1巡するまでに同じ内容を達成したプレイヤー1人にも同じ内容のボーナスカードがもらえます。1順するとそのもう1枚のカードは破棄されます。
 
【プレイ内容】
※モバイル端末工場のとり方(=売値の決め方)を今回のプレイでは間違っています。ご注意ください。
 
平日夜に月イチで遊んでいる偽エッセン会にて、たる田さん、しのぽさん、ぐんまさん、僕の4人で。
 
事前にSNSで遊ぶゲームを決めているのですが、前作のマルシェドフランスもこの面子で遊んで大変楽しかったので、ぐんまさんが買えたという話を聞いてすぐ、満場一致で今回はシンギュラリティに決定しました。
 
インストを聞いて(聞いてる途中で)まず痺れたのが、ストーリーを感じさせる、むしろプレイヤーがストーリーを作っていくかのような設定&システム(どんなのかは後述します)。
 
僕:「最高じゃないですか」
ぐんまさん:「ルール読んでて、ひだりさん、好きそうだなあと思ってました(笑)」
僕:「最高ですよ!」
 
スタートする前にアイディアカードのドラフトからです。アイディアカードには、アイディア名、プレイに必要な技術、効果が書かれています。技術はプレイ中に獲得するもので、要はカードプレイしたかったらその技術取りなよというわけです。条件を特定の技術のカードのみに絞るようにピックすれば1技術とるだけで複数のカードの条件が満たせます。
ただし、いずれかのプレイヤーが獲得すれば、他プレイヤーもストックにお金を払うことで条件を満たせるので、特定条件に固めずにある程度散らせば誰かが技術を獲得してくれるかもしれません。
 
まあ、他人には期待せずに固めてとるかとピックしていったわけですが、初回プレイなので強いカードなどはわかるわけもなく、だいたいこんなもんかーで悩みすぎない程度で。
 
そんなこんなで準備完了してスタートです。
 
1手番目だけは全員1アクション&残ったボーナスカードは1順またずに即破棄というルールなので、誰かと同じことを追随しづらい(あとから同じ手を打った方がボーナスカードを得られない分損をする)仕組みです。
 
僕はスタートプレイヤーになったので、選択肢はたくさんあったんですが、無難そうに見えたモバイル端末工場を建設しました。
稼働にはICが2つ必要で、売値は世の中にいくつ同じ工場があるかで決まります。
 
続いてしのぽさんはAI開発を選択。
AIレベルはゲーム終了トリガーになってますし、ゲーム終了時に得点にもなります。さらに重要そうなのが、AIレベルアップ時に自分の能力を上げられることです。
 
プレイヤーの能力はメインボード上に示されていて、スタート時は、技術無し、アクション数2、倉庫上限4です。これらはAIレベルを上げることで1要素ずつ強化することができます(アクション数を1段階あげるとか、技術を1つ得るとか)。
IMG_5048.jpg
(メインボード)
 
しかも、ボーナスカードはAIレベルがXレベル到達した時だけでなく、能力値アップでももらえる(アクション数が初めて3になった人とか)ので、しのぽさんは2種類のボーナスカードが獲得できることは確定です。
 
この後、たる田さんはFRP工場を、ぐんまさんはIC工場を建設されたので、見事に4人共違う手を打ったことになります。
 
このゲーム、最終的に収入=点数、現金資産は何にもならないとなるんで、収入を上げないとならないのですが、収入は固定の収支という扱いなので、工場を作って製品を製造販売したとしても収入は上がりません(製造販売の儲けは現金資産になります)。
むしろ工場建設やAI開発(レベルアップ)に伴い、労働者が会社にやってくるので、給料が固定の経費ということで収入が一定値減ります。収入は後半にならないと増やすアクションが取れないので、序盤から中盤は収入はつまりマイナス方向にどんどん増えていきます。
 
手番開始時頭に工場で製品を製造、売却して得た現金でマイナスの収入を払って、残りのお金でアクションをする。そういう展開になります。
とはいえ、手番には複数回アクション(初期は2回)することができ、1アクションで借金(現金増、収入減)することもできるので、一応金がなくてもなんとかならんことはないっちゃなく、手番開始時にマイナス収入を払うことができなくても、緊急借金(ちょっと収入の減少が大きい)ができるので、ゲームは進めることができるんですけど…。
 
マイナス増やしてもよいことはなかろうということで、手番開始時にショートしないようにマイナスの収入を調節しながら、適度に工場建設などに投資ししてくことにしました。

しかし、金はなくても工場建設はできるというのか恐ろしい話で、ショートするんかようわからんけど、特にやりたいアクションも今ないし、工場建てちゃうか?といきなり二軒目のモバイル端末工場を建てようとしたら、いや、(脱落されても困るので)流石にやめたらと周りからゆるくストップがかかりましたw(なので手堅くモバイル端末の材料であるIC工場を作っときました)。
 
IMG_5049_20181203104734534.jpg
(資産が13金しかないのにマイナス収入が7金! しかも次手番頭の生産に必要な原材料の不足分(1〜5金の変動制)も買わないとならないのでほんとぎりぎりです)
 
では、どうやれば収入がプラス方向に行くのかというと、アクションとして行える手段は以下の3つ。

・いずれかのプレイヤーが自律ロボットやアンドロイドを工場で生産した後に、ロボットやアンドロイドを購入して労働者を解雇する。
・借金返済アクションをする
・収入が増えるアイディアカードをプレイする

自律ロボット工場はAIレベル2、アンドロイド工場はAIレベル3であることが建設時の条件なので序盤には行えません。アイディアカードのプレイも誰かがAIレベルアップ時に技術をとらないとプレイできないので序盤にはできない手段です。
じゃあ、借金返済はというと、地味で弱そうなので、あえてこのアクションを選ぶかというと…。

そんなわけで、工場建設して収入を減らしながら、浮いたお金をAI開発に注ぎ込み、とにかくAIレベルアップに勤しみます。
(AIレベルアップには現金がいります)

とはいえ、工場は無限に建てられる訳ではありません。配置数の制限がありますし、製造に必要な材料を収納するのに十分な倉庫がないと工場は建てられないのです。
(例えば、自動運転車工場は1つあたり材料が3FRPと1ICが必要です。初期の倉庫上限は4なので、倉庫を拡張しないと自動運転車工場を2軒建てることはできません)

なので、しのぽさん、たる田さんは倉庫拡張を選択。
僕は技術(映像解析技術)を獲得。ゲーム終了時にアクション数の3倍の点を得ます。ぐんまさんは量子コンピュータの技術を獲得、こちらは倉庫上限の3倍得点です(※エラッタがでており、実際の効果はこの半分です)。
あきらかにぐんまさんのとった技術の方が得点的にいいんですが、アイディアカードをさっさと使って収入を改善したかったので、まあ、いいんです。

しのぽさん:「え、その技術やってくれるの? 自分でやらないとその技術誰も取ってくれないかと思ってた」
僕:「技術自分以外とってくれない気がしますよねー」

この会話からわかる通り、僕としのぽさんはさっさとアイディアカードをプレイしたかった派。僕は続けて別の技術も取り、どんどんアイディアカードをプレイしていきます。
しのぽさんも技術使用料3金は払いますが、そんなの安いものだとどんどんカードをプレイしていきます。

たる田さんはカードプレイなどせずにひたすら工場を拡大! AIレベルアップ時の能力アップは全て倉庫上限に注ぎ込みます。

IMG_5060.jpg
(中盤。たる田さんのマイナス収入は約50金もあります。僕とぐんまさんはマイナス10~20金くらいなんですが、ラウンド頭の儲けはたる田さんの方が大きいので、なんとかしたいところです)

僕は収入増えるからいいかとカードプレイだけの手番を作ってしまったのが失敗。カードプレイでアクションを使い切ってしまったため、これまでAI開発でトップを走ってきたのをたる田さん、ぐんまさんに追い越されます。
AIレベル3でもらえるボーナスカードは「自律ロボット工場、アンドロイド工場の建設にアクションを消費しない」で、超強そうです(実際強かったw)。

しかも、たる田さんの倉庫が上限に達し、これ以降、全ての材料は2金固定にというボーナスカードの効果が発動! がんがん工場建てて生産を狙うたる田さんには嬉しいイベントですが、何気に工場の生産時に余った材料の売却益もいい収入になってた僕とぐんまさんには結構な打撃です。

当然狙ってやられてるわけですが、痛過ぎます。

(実は前手番に、しのぽさんの資金がショートし、手番頭に生産できず、さらに借金でマイナス点という、悲しい出来事もありました。1手番遅ければ材料が安くなって助かったのに…。無念)

僕もさっさと工場をさらに建てて現金収入を増やしたかったんですが、倉庫上限を上げてない関係でこれ以上、工場が作れない状態に。AIレベルアップと工場建設がベストなアクションだとは思ってもできないものはできないので諦めます。アイディアカードをプレイするタイミングを完全に誤りました…。

アイディアカードをプレイしまくって収入を改善する方法もあったんですがどうもその技術が必要なカードを持っているのが僕と(カードを無視している)たる田さんだけのようで、倉庫上限をあげてさらに拡大するか、技術とってカードプレイに走るかの2択で、僕は倉庫上限拡大を選択します。
(十分な儲けがでてるなら拡大は悪手で、技術&カードで収入あげるのが良いと思うんですけど、この儲けではどんどん高額になるAI開発費を賄えないと判断しました。モバイル端末の売値をルールミスしてなければ…とも思いますが、ロボット工場やアンドロイド工場作りたかったんですw)

しかし、たる田さんが自律ロボット工場を建設し、生産もしてくれたので収入を改善する手段もさらにできました。
工場建設できるだけの倉庫の余裕はできましたが、それはおいといて、自律ロボット購入からのAI開発を選択。またAI開発でトップに躍り出ました。

これで僕のAIレベルは4、たる田さんも同じラウンドの後手番であげたので同じく4です(たる田さんの手番に4になる)。5に上がると終了トリガーが切られるので、もう終わりが見えてます。

マイナス収入はイコールマイナス点なので、ここから労働者をロボットやアンドロイドに代えていって収益を改善させるわけですが、手番が足りるか怪しいです。
この手番にアンドロイドやロボットが買えればいんですが、AI開発のコストを払うとお金が足りません。
若干点数は下がりますが、無駄なアクションを作るよりはマシか?と考えて、レベル5のAI開発は諦めて労働者の機械化をやって手番を終えました。
 
IMG_5064.jpg
(AIレベルを5に上げるのをやめ、ロボットを購入して収入の改善に努めた決断をしたところ。結果的にこの一手が敗因になります…)

たる田さんはAI開発を選択され、これで残りは2手番です(たる田さんは1手番)。
その2手番でやることを考えて僕は愕然とします。

AIをレベル5にできるプレイヤーは1人だけというのが完全に頭から抜けていました。単純にAIレベルの点が入るというだけでなく、レベル5を押さえることで他人の得点要素を削るという意味があったのにいまさら気づきました。
僕は労働者をロボットなどに代えていくことで収入はプラスに持っていくことはできますが、それ以上の得点リソースがありません。
 
IMG_5066.jpg
(たる田さんのAIレベルが5に! 知能労働者は全員解雇され、それに伴い、一気に消費市場が冷え込みます)
 
 手元に残ってたアイディアカードをプレイしたり、やれることはやりましたが、そこまで。
ぐんまさんが終盤にアイディアカードを立て続けにプレイされ、その点が効いたのか、AIレベル5のたる田さんと同点で勝利されました(遊んだ時は数点及ばずでぐんまさんの勝ちとなったんですが、倉庫上限が点数になる技術のエラッタを考慮するとたる田さんと同点でした)。
 
IMG_5069.jpg
(終了図。もう工場で働いてる労働者はほぼいません)

【感想】

色々と書きたいことはあるんですけど、まず、システムとテーマの融合が素晴らしかったです。
 
ヒトが工場を建て、製品を作っていく中でAIのレベルが高い方が有利なので、率先してプレイヤーはAIレベルを上げ続ける。そのおかげか、工場は乱立し、消費市場の需要は上がり続けていくが、自律ロボットやアンドロイドができてからは収益改善のためにどんどん労働者と入れ替える。そのせいで消費市場はどんどん冷え込んでいく。最終的に完全に人間に変わるだけの能力を持ったAIが開発され、知能を持っていても、技術を持っていても、力を持っていてもみんな人間は解雇される。
それでもモバイル端末や自動運転車をはじめとする工場の製品は変わらず売れ続け、会社設立以降、最高の収益を上げ続ける。
 
プレイヤーの目的として、収入を上げることが求められるわけですけど、その目的や途中から労働者を機械に入れ替えていく過程など、システムで決められているとはいえ、『当然、そういうことをするよね』と、自然に受け入れられる設定であり、アクションなんですよね。そして、人間は完全に取って代わられたところでゲームは終わる。
 
ルール読んだ時から、まあ、こうなるんだろうなと思っていた通りのところに着地するとはいえ、皮肉めいた実証実験みたいで単にボードゲームの枠に収まってないすごさ、きれいさを感じました。
ほんと消費市場が最低になった時にだれが自動車買ってんでしょうね。
AI技術が進歩してきて、身近な存在になってきてる現実とのリンクもあって、他人事だと笑えないちょっと未来のSFなお話なんですよね。
 
以上! 最高だった!
 
僕はそれだけで最高なんですけど、システム的な面にも触れておきます。
 
最高なところその2は、このゲームのハイスピードな展開です。
現金がいらないといえば聞こえはいいですが、借金でしか工場を建設できなかったり、AI開発による能力アップや最後にもらえる得点が強めに設定されていたり、収益改善はアンドロイドやロボットを登場させなければならなかったりと、必然的に収入をマイナス方向に強く振らせ、破たんするより早く拡大させないとならないというのっぴきならない状況にプレイヤーを追いやるような仕組みになっており、プレイヤーは走り続けないとなりません。
周りも走り続けるので、自分も走る。あなたが走るなら僕も走る。システム&他人との競争を意識することで次へ次へと進み続ける、停滞を許されない感覚。資金不足にならないか確認しつつ、最短経路を走り抜ける感覚。なんでこんなにも焦らされ、走ってるのか疑問に思うほどですが、走っちゃうんですよね…。
(ストーリーの終着点を知っていると何故走るのかという気持ちにもなります。メタ的な意味でも最高です)
 
最高なところその3は、プレイヤー間の互助的なインタラクションです。
原材料工場からの供給で材料費が変動するというのもインタラクションではありますが、技術とロボット/アンドロイド工場の、「誰かが持ってれば(生産してれば)よい」という他人のアクションによって急にアクションの幅が出るところが最高に好みです。(特に技術は)他人の思惑次第なので全く予期ができず、元の戦術に組み込むことはできない/しづらいんですが、それが起こると取るべき戦術に変更を余儀なくされるような影響の大きい言わばイベントがプレイヤー同士の手によって起こるというのが、計画性?クソくらえ!って感じでかなり最高でした。
 
他人を助けることになるのならやりたくないという考えももちろんあるかと思うんですけど、点数的な得はもちろんありますし、このハイスピードハイリスクなゲームでは、予め戦術に組み込めるというのは十分なアドバンテージだと思うんですよね。なので、この妙な他人へのトスのシステムが活きてるように思います。
 
と、散々興奮して最高最高書いてますが、落ち着いてキャッシュフローと最後の目標(AIレベル5)をしっかり認識してクレバーなプレイをすれば、テーマやシステムに踊らされることなく、トップ争いしつつ労働者を残してゲームを終えることも可能です。テーマのアンチテーゼのような形になるので、それはそれで素敵です。
今回のプレイ内容の方では思いっきり踊らされちゃってますが。
 
工場作って材料買って生産して、キャッシュフローを改善していくというありきたりなゲームではあるんですが、プレイヤーの好みに応じて取れる戦術(目的へのルート)を提示しながらも、絶対的な強アクションである“AIの開発競争”に焦点を絞らせて、『プレイヤー同士の競争』を意識させる作りは見事でした。
しかもそれがテーマと見事に重なっていくところが~(繰り返しになるので以下略)。
 
欠点は、スタート時のドラフト以外運要素がないうえに全公開なので、テーマに興味がない、共感できない人にとっては重苦しいゲーマーズゲームだということがまず1点。アートワークが地味なのを無機質でテーマにあってると取るか、テストプレイ用のコンポ―ネントみたいというかなど。
テーマに興味がなければ楽しくはプレイできないゲームじゃないかと思います(結果的にゲームが面白い、面白くないというのとは別軸の、プレイ中に楽しいか楽しくないかという話です)。
 
あと、運要素がないということで緩い市場経済や(気持ちの上では)競争をあおるなどのインタラクションがあり、展開に多少影響があるかもしれませんが、極まっていくほどにドラフトで決まる(そして、ゲーム中に止める手がほぼない)のも欠点と言えば欠点かもしれません。そこまでやりこめばもう十分でしょうとも思いますが(やりこめる余地があるかないかはまだ2回しか遊んでないのでなんともいえませんが)。

サンド・オブ・タイム/ The Sands of Time

IMG_3647.jpg
(3人でインスト込み4時間ほど)
 
【概要&ルール】
 
この世の中は諸行無常。ラウンドの頭に手に入ったリソースが全て自分の手番が始まる前に上家に略奪されることもある。南無ー。
 
ある文明を率いて、建築、文化、戦争のいずれかの分野でうちの国はすごいんだぞと知らしめる(点数を取る)ゲームです。
 
ゲームは3つの王朝で構成され、王朝は複数の世代で構成されます。
各ラウンドの終わりに世代が終わったかの判定があり、一定ラウンドが経過した後、世代が変わるタイミングで王朝も変わります。
 
各ラウンド開始時に、プレイヤーは2枚のアクションカードを選択し、自分の手番がきたら公開、カードの内容でアクションを行います。
全員が1度ずつ手番を行ったら王朝トラックと世代トラックが1ずつ進みます。この時、ダイスを振り、世代トラックに記載されている閾値以下の目が出たらその世代は終了し、世代トラックはリセットされます。さらにこの時王朝トラックが一定数進んでいれば目標カードの達成確認があり、その後、次の王朝に移ります。
 
・アクションカードの扱い
 
各ラウンドでプレイする2枚のカードは、11種のアクションカードと3種のアンロックカードから選びます。
アクションカードは実行後、捨て札になるが、アンロックカードは場に残ります。
アクションカードには常に実行できる内容とアンロック時のみ実行できる内容が併記されており、該当のアンロックカードをプレイ済の時のみ、アンロック時のアクションが実行できる。
 
アクションカードはアンロックカードも含め世代終了時に手札に戻ります。基本的に同世代中、同じアクションカードはプレイできませんが、不満トラックを進めることでプレイ済のカードを1枚再利用できます。
 
・偉業カードと達成
 
主な得点源は偉業カードに記載された目標を達成することです。アクションカードの中に偉業カードをプレイするというアクションがあり、それを使ってプレイします。偉業カードは達成の難しさに応じて7種類あり、最初から各プレイヤーが持っています(かつ、使ってもなくなりません)。
王朝の終了時に各プレイヤーがプレイ済の偉業カードの内容を確認し、自分がプレイした偉業カードの目標を達成していれば、偉業カードに書かれた点数を獲得できます。
ただし、達成するにはプレイした偉業カード以上に自文明の偉業レベルを上げておく必要があります。
 
3王朝分(つまり3回)偉業カードの達成で得点したらゲーム終了で、最も点数の高いプレイヤーが勝利します。
IMG_3653.jpg
(写真の向きが悪いですが、上の方にあるボードが偉業レベルを示すトラックと偉業カードをプレイするところ。手前の6列くらい並んでるのは各カテゴリに対応した技術カード)
 
【プレイ内容】
 
タロ吉さん、ウキンさん、僕の3人で。
 
タロ吉さん、ウキンさんは2回目。僕は3回目です。
 
まずセットアップで最初に自国になる3つのエリアを決めます。
各エリアは初期セットアップ時にランダムに産出するリソースとその上限が決まっています。リソースはお金と麦の2種類ですが、今回、建築に特化したプレイをしたかったので、建築に使うお金がたくさんでるエリアを取りました。
 
しかし、今回は上限の高いエリアがマップの一部に偏っていたため、ウキンさん、タロ吉さんも近くのエリアにというか、みんな隣接した状態でのスタートになりました。
 
このゲームでは1度建築した建物は何があっても壊れることなく、そのエリアに残り続けます。つまり、建物をたくさん建てて、ひゃっほーと浮かれていても、ワンパン殴られたらその全ての建物は他プレイヤーにエリアごと奪われてしまうわけです。
そんなわけで、他プレイヤーが近くにいるのはプレッシャーでしたが、スタート前にもらえる技術も建築カテゴリ(※)のものを選択しました。農民コマを2つ捨てることで建築コストを下げる技術です。
 
※得点の元になる偉業や技術は文化、建築、戦争という3つのカテゴリにわかれています。
 
お、ひだりさんは建築ですか…。これは殴らないとダメですねえという顔を(僕の気のせいかもしれませんが)されるおふたり。
 
初期の技術、タロ吉さんは文化、ウキンさんは戦争カテゴリのを獲得されました。
 
技術はツリー状になっており、技術アクションを行うことでどんどん高いレベルの技術を習得できるのですが、そのカテゴリの偉業レベルが一定値以上である必要があるので、基本的にその技術と同じ偉業レベルを上げることになります。
さらにいえば、偉業レベル=達成可能な偉業カード(点数になる目的カード)の上限なので、最初に獲得した技術と同じカテゴリの得点に結びつく行動をしていくことになります。
 
つまり、建築の技術を取った僕は、建築カテゴリの得点条件である
・首都に建てた建物レベルの合計
・建築した建物&獲得した技術についてる噴水アイコン数の合計
を伸ばすようなアクションをとるということで、
 
戦争カテゴリのウキンさんは
・自国のエリア数
・盤面上の自コマ数合計
 
文化カテゴリのタロ吉さんは
・交易アイコン上のキャラバンコマ数
・獲得した技術や建物についてる竪琴アイコン数の合計
 
を伸ばすような行動をすることが得点につながります。
 
噛み砕いていうと、建物カテゴリの僕は建築しまくる、戦争カテゴリのウキンさんは攻撃&併合で自エリアを増やしまくる、タロ吉さんはキャラバン引きまくりつつ、技術を上げる(たまに建築もする)ということになります。
 
建物はエリアについてる&奪い取られるリスクがあるということは書きましたが、ゲームを通して3回しか得点機会がないので、ある程度得点要素に集中してリソースを注ぎ込む必要があります。
 
徴兵もして戦争国家まっしぐらのウキンさんが僕の国を攻撃して、建物が建ったエリアを奪われる恐れはありましたが、エリアを奪えば得点リソースがなくなる建築カテゴリと異なり、文化カテゴリの得点リソースであるキャラバンと技術はいったん作ったり獲得したりしてしまえばなくなることはありません。そういうわけで、文化カテゴリで点数を取ろうとしているタロ吉さんに対しては、キャラバンを作るのに必要なリソースを削るなどのねちねちとした嫌がらせを序盤から仕掛けていくのが重要と思われます。
 
それを考慮されたのか、とりあえず目立っている僕だけでなくタロ吉さんのエリアに対しても略奪(自分の全ての兵士コマを隣接エリアに移動させて移動先のエリアの持ち主の資源を1コマにつき1つ奪う)を行われてました。
 
僕は得点要素としてわかりやすい『首都に建てた建物レベルの合計』を優先して伸ばすことにして、首都の隣のエリアに隣接およびそのエリアでの建築コストをマイナス1する効果の建物を建設しました。この後、首都エリアに高レベルの建物を建てまくる狙いです(各エリアに建てられる建物数は決まっている&コストを下げる建物は建物レベルが低かったので、首都に直接建てるのはやめました)。
 
しかし、ルール上、世代(ラウンドみたいな単位)が終わらないと同じアクションを実施できない(実施できないことはないが民衆の不満というパラメータがたまる)ので、コスト下げ建物を建てた分、この王朝(複数ラウンドで構成され、1ゲーム3王朝で構成される。各王朝の最後にだけ得点機会がある)中に狙っていたところまで建物を建てられるか微妙なことに。
 
1世代の間に何手番あるかは、ダイスで決まります。
1世代は1~4手番で構成され、2,3手番目の終了時にスタートプレイヤーがダイスを振って、目標値を下回れば世代終了、次の世代にという流れで、世代終了時に王朝トラック上でマーカーが次の王朝まで進んでいれば今の王朝が終了し、得点計算に入ります。
 
あと1手番で王朝トラックが次の王朝にまで進んでしまうので、この手番で世代が終わって、ぎりぎり今の王朝の間にもう1世代分アクション出来ないかなーと思っていたところ、ウキンさんが見事?世代終了の判定に成功して、もう1世代行われることに。
これでなんとか狙っていたレベルの偉業カードが達成できるところまで首都の建物レベルの合計数をあげられそうです。
ここで悲喜こもごもが発生します。タロ吉さんは世代がここで終わらず、王朝がすぐに終わると考えられていたようで、ちょっと控えめなレベルの偉業カードをプレイされていた模様。
 
もう1世代あるんだったら、その分のアクションでもう少し上のレベルの偉業カードが達成できたのになあと若干悔しそうです。
 
そんなわけで、最初の王朝で最大限頑張れた僕が第一王朝終了時の得点計算ではトップに。ウキンさんはここで偉業カードをプレイしてもわずかな点しか取れないしと偉業カードをプレイする分のアクションを自文明の発展に充てたようでした。
 
といっても、僕が7点、タロ吉さんが3点、ウキンさんが0点という低いレベルの争いではありましたが。
(得点トラックは1周100点ある&偉業カード1枚達成で最大28点稼げるゲームです)
 
まあ、たかだか7点とはいえ、トップであることには間違いないので、「じゃあ、ひだりさんの首都を攻撃して得点要素なくしましょうか」という流れに。
 
ウキンさんもタロ吉さんも初期配置が近かったので、攻撃しようと思えばすぐに攻撃できそうな位置にいらっしゃるんですよね…。
 
口八丁でごまかすにも流石に限界で、近いうちに殴られるのは間違いありません。
 
僕の文明の兵士は初期配置の3コマしかおらず、これで防衛するのは流石にちょっと厳しいです。徴兵して兵士を増やす必要があります。
ここで重要になるのがカテゴリのアンロックです。
 
アクションカードは偉業のカテゴリと対応づけられており、対応するカテゴリをアンロックしている場合、強化されたアクションを実行できます。徴兵アクションであれば、通常は1金払って兵士を1コマ配置するのみですが、戦争カテゴリをアンロックしていれば、通常の兵士1コマに加え、全ての自エリアで1金払って兵士コマと農民コマのコンバートが行えます。
つまり、僕はいま3エリア持っているので、戦争カテゴリをアンロックして徴兵アクションをすれば兵士コマを最大で4つ増やすことができます。
アンロックしなければ1回のアクションで1コマしか増やせないので、4回分のアクションを1回に圧縮したことになります。
 
じゃあ、アンロックすればいいじゃんという話ではあるんですが、アンロックは該当カテゴリの技術を上げてアンロックの技術を獲得するか、アクションカードの代わりにアンロックカードをプレイするかしかありません。僕は戦争カテゴリの技術を上げてないので技術でのアンロックは無理なため、戦争カテゴリのアンロックカードをプレイするしかないわけなんですが、プレイできるアンロックカードは1世代に1枚のみなので、僕が伸ばそうとしている建築カテゴリのアンロックカードはプレイできないということになります。
 
建築カテゴリのアクションカードはアンロックで追加される効果は限定的で、いまは不要なので、まあ、効果的にはいいんですが、アンロックカードにはもう1つ重要な『アンロックカードプレイ後に、該当カテゴリのアクションを何度か実行して経験値を貯めることで偉業レベルが上がる』という効果があります。
 
要は建築カテゴリのアンロックカードをプレイしたうえで、建築関連のアクションをしまくれば、建築カテゴリの偉業レベルがあがり、高得点の偉業カードが達成可能になるという仕組みになってます。
 
なので、できれば自分が得点要素(僕だと首都の建物レベルとか噴水数とか)をのばしているカテゴリの偉業レベルはどんどんあげておきたいんですが、流石に軍備を固めないと脱落まっしぐらです。
 
ウキンさん、タロ吉さんの兵士コマがどんどん迫ってくる中、慌てて戦争カテゴリをアンロック、徴兵アクションを実施してさらに移動アクションで首都に兵士を集めます。
IMG_3648.jpg
(柱のコマが兵士。青コマがおかれている僕の国に赤い柱コマ=ウキンさんとこの兵士が大量に寄ってきてます。タロ吉さんの黄色兵士もこのあと寄ってきました)
 
その分、薄くなった首都の隣のエリアはウキンさんに取られましたが首都はエリアのコマ数上限を超える数の兵士を送り込んだので、ここ殴ったらダメージでかすぎるなと見逃されたのか、他にリソースを回して自分らの得点あげた方が良いと判断されたのか、兵士コマを下げてもらえました。
IMG_3649.jpg
(第一次ひだりウキン戦争。首都にウキンさんとこの兵士もいるんですがうちの兵士コマのほうが多く、かつ、大量の農民コマも良くはありますが戦力になるので攻めてはいらっしゃいませんでした。コマ数がエリア上限を2倍以上超えた場合、餓死という体でコマが撤去されるので、ウキンさんはさくっと退却)
 
ウキンさんはそのあとも空白エリアを占領されたりしてこの王朝で7つまで保有エリアを伸ばされました。これでそれなりの得点リソースは確保されました(戦争カテゴリの偉業カードは達成が結構の目標が高く設定されている気がします)。
 
タロ吉さんはキャラバンを上限まで配置して竪琴数を増やす方に移行されてました(偉業カードは7段階ありますが、キャラバンや首都の建物レベルの合計については4段階くらいまでの偉業カードにしか目標が記載されていません。ルール上とり得る最大まで上げるのが容易だからかと思います)。
 得点よりもタロ吉さんはうち回しが素晴らしく、長引いた世代の隙を見逃さず、得意な文化カテゴリからちょっと浮気して戦争カテゴリの技術を上げて常時戦争カテゴリアンロックの技術を獲得し、文化カテゴリに特化しながらも徴兵、略奪などの戦争系アクションを強化されてました。

ウキンさんはまだ自分のエリアを増やそうとされるはずですが、空きエリアもなくなり他国を攻めるしかありません。高得点の偉業カード達成のために噴水や竪琴のアイコン付き建物を今後建てていくことになる僕やタロ吉さんにとってはいつ攻められるかわからずちょっと不安です。
まあ、僕は攻めてこいやと兵士コマを自エリアに固めてますが。
 
第二王朝ではみんな順調に点数を伸ばして順位は変わらず。第一王朝からの加速がきいてるのか僕とタロ吉さんはウキンさんと比べて大きく伸ばしました。
 
そして、いよいよ最後の第三王朝がスタート。
IMG_3650.jpg
(第三王朝開始直後の盤面。僕は左上にちいさくまとまってますが、ウキンさん、タロ吉さんは盤上に大きく広がってます。このゲーム、”戦争”を起こさない限り、同じエリアに異なるプレイヤーのコマが入っても問題ありません(上限超えると民の不満があがるんですが))
 
ウキンさんは僕やタロ吉さんの得点リソースを削ってくるか、ご自分の得点リソースを増やすことに専念されるのか。
僕とタロ吉さんは第二王朝の時からどう点を伸ばすかです。
 
得意カテゴリを伸ばすか、それとも、他のカテゴリにも手を出すか?
 
得意カテゴリを伸ばした方が点数の伸びは良い(偉業カードの点数はレベルが上がるごとに1,3,6,10…とあがるので)んですが、噴水アイコンをこれからいくつ増やせるのか不透明というか、同じ建物は同一エリア内に複数建築できないんで、効率良く噴水アイコンを増やすには自エリアが複数あった方が良いです、しかし、今あるのは2エリアだけですし、増やしたら増やしたでまた攻撃されそうですということで、壊されないリソースで得点できる文化カテゴリに手を出すことにしました。

タロ吉さんは戦争カテゴリアンロックの技術をうまく使って戦争カテゴリの偉業を達成すべく動かれている模様。
ほぼ全ての自コマを盤上に展開して自コマ数合計での点数を狙っているようです。

ウキンさんはトップは諦めたというか、僕やタロ吉さんを殴るのはやめて戦争カテゴリでの最高点を取るべく、10エリア占領を目指して空きエリアやタロ吉さんのたいしてコマを置いてないエリアを攻撃されてました。
自エリアが多く、兵士コマもマックスなので収入でも略奪でもめっちゃ資源が手に入ります。僕やタロ吉さんが麦と金を合計してもせいぜい10くらいなのに、20とか30とかお持ちでした。とは言え、占領にかかるコストもエリア数に比例して多くなるのでなんぼ使うのか使っていいのか計算するのが大変そうでしたけど。

タロ吉さんも僕も偉業カードは3枚プレイしてます。あとはそのレベルがどうかとお互いに達成が邪魔できるかどうか。
僕の兵士は首都に貼り付けていたのでとてもタロ吉領まで移動するような時間はありません。一方でタロ吉さんの兵士はうちの領土周辺に駐留してたのがいくつかいたので、首都の隣のエリアを攻撃してきました。

といっても、当然これは読んでいて、コマは配置していたのでタロ吉さんは不満を限界まで上げて兵力をブーストしないと勝てませんし、勝ったとしても手番順的に僕が下家なのでゲーム終了間際に取り返せば済む話です(一度建てた建物はどうやっても壊すことができません)。

手番順の綾で僕よりタロ吉さんが下家になってからゲーム終了だったならたぶん最後の手番で殴られてたろうなと思います。

最後の王朝も終わり、いよいよ得点のために偉業カードを公開します。ウキンさんは10エリア占領で一枚の偉業カードとしては最多の28点を獲得。
僕とタロ吉さんは3枚プレイしているわけですが、僕は3+10+15の28点、タロ吉さんは3+6+21の30点でタロ吉さんがわずかに上回りました!
しかし、建物点などでコツコツ稼いだ第2王朝までの点差でギリギリ逃げ切って勝つことができました。

タロ吉さんは偉業レベルはもう少し余裕があったんですが、偉業カードに同じレベルのものがないため泣く泣くひとつ低いレベルのものをプレイせざるを得ず、その分の点差で勝てたようで、手番の綾といいラッキーでした。

IMG_3654.jpg
(終了図。第一王朝目にちょっと無理して点数を稼いだのと、最後の世代の手番順のおかげで勝てました)
 
【感想】

パッと見た感じが地政学マルチゲームで実際、攻撃要素はあって、その効果も派手ではあるんですが、効果の割に勝利に貢献する度合いがそれほどでもないという不思議なゲームです。
(ウキンさんいわく「こんなに戦闘(の勝利)が報われないゲームは他にない」だそうです)
 
戦争特化すると兵士コマ1つあたりの戦力が3倍とかになりますし、徴兵時の兵力の増え方も全然違うので、戦争に力を入れていない国では勝ち目がなくなって、簡単にエリアは失いますし、毎ラウンド(世代)開始時にもらえる収入も略奪アクションで全部奪われてしまうということも結構ざらです。
なので、攻撃した側はすごい得したように感じ、攻撃された側はめっちゃ殴られたように感じますし、実際に、他のゲームなら「こんなにぼろぼろになったらもう勝ち目ない」と思う程度のダメージではあります。
 
しかし、サンド・オブ・タイムでは不思議なんですが、得点要素的に見れば「全然大したことない」「ちょっと1手番やること増えたな」程度です。資源ゼロになったけどアクションに影響なかったり、むしろ自エリア減ってラッキーと思うことすらあります。遊べばわかりますが、建物を奪う目的以外で他人のエリアを減らすメリットはほぼないです。
 
攻撃の得点へのダメージが少ないってことで、「勝ちそうなやつを叩いて止める」のがゲームの主な特徴であり、ゲームの進み方である(地政学)マルチとはやっぱサンド・オブ・タイムは違うゲームなんですよね。
(でも、パッと見の被害がでかすぎるので殴られ耐性がある人しか遊ばないとは思いますが)
 
ゲームのメインどころは、
・得点方法である偉業カードの目標達成に向けた得点リソースの獲得(自エリア増やしたり、建築したり)
・最大点を伸ばすための偉業レベル上げ
・アクションコスト増につながる民衆の不満の解消
 
という3本柱を、
 
・プロット式のアクション選択
・アクションのアンロック対象選択
・いつ終わるのか手番数不定のラウンド
・(もちろん)他プレイヤーの動向
 
の中でどううまく回していくかという部分で、運、不運へのリカバリーも含め、遊ぶ側としてはかなり工夫のし甲斐があります。
 
でも、プロット式って難しくないの?と思うわけですが、うまく作られているなと思うのが、そのプロット式のアクション部分で、普通、プロット式のゲームというとプロット失敗=死というゲームもあったりしてかなり厳しい印象があります。しかも、サンド・オブ・タイムでは同時解決ではなく手番があるので、上家のアクションによってはアクション自体の意味がなくなってしまうことがもちろんあります。
例えば、建築しようとしてたのにお金を上家に奪われた時などです。
もちろんアクションが無駄にならないように他人のアクションを読む、手番順を考える、資源を消費するアクション+資源を獲得するアクションをセットにしてプロットするなどなど、対策はするわけですが、仮に手番開始時に資源がゼロで資源獲得系のアクションをプロットしてなかったとしてもなんとかなる作りになってます。フリーアクションで不満を上げる代わりに資源をいきなり獲得したり、偉業レベルを仮に一時的に上げることなどができるからです。
(不満は様々アクションのコストになっていますし、戦争時に不満をあげて戦力を追加することもできるので、低いにこしたことはないんですが)
 
事前に手をうったり、アクションカードのプロットで対処した方がフリーアクションでなんとかするよりもコストは小さいんですけど、とにかく資源がゼロになってもなんとかなりますよという作りです。
逆に言えば、こういったちょこっとした邪魔、できないわけじゃないけどちょっとだけ邪魔という手でじわじわと攻めていかないとトップ目のプレイヤーを引きずり落とすのは難しいと思います。
 
ちょっとコスト払ったり手が遅くなったりするけども、やりたいことはできますよというのがすごい僕はユーロ的に感じます。
そういう意味で非常に手軽なゲームです。だって、コストはあってもリソースマネジメントの意識は低くていいんですから。
 
余談みたいなもんですが、このゲームってシヴィ系ですかといわれれたことがあります。技術ツリーがあって軍事勝利や文化勝利的なものがあるので、シヴィ系といえばそうなんでしょうが、シヴィ系というにはテーマが希薄で、なんか原始人がなぐり合ってる感じなので、シヴィ系!?大好物!という人には期待に応えられるかちょっと自信がありません。
 
んで、最後に。
どういった手が強い弱いという話はあまり好きでない人もいるでしょうが、このゲーム、あまり仕組みをしらないプレイヤー同士だとまず間違いなく文化カテゴリ特化のプレイヤーが有利です(たぶん勝ちます)。戦争、建築はリスク無視したり他人無視したりして自分の得点源を最初にがっつり確保しにいかないと、得点リソースが破壊されたり奪われたりする分、不利な作りなので。普通の地政学マルチのつもりで遊んで最後に文化カテゴリ殴っても意味なーい、とめられなーいという場面を何度も見ました。
 
別にそうなっても楽しいゲームではあるんですけど、みんな文化カテゴリにいってプラスアルファの部分で競うとか、今回のプレイ内容みたいに最初期に無理してその点差で逃げ切るとか、一見無害に見える文化カテゴリこそ、一番たちの悪い敵であることは認識しててもいいんじゃないと思います。
 
見た目がめっちゃマルチ感あって、かつ、攻撃関連でめっちゃ殴られてる感あるのとプレイ時間がはっきりいって長い(たぶんインスト0.5~1時間+プレイ人数×1時間はかかる)ので、人は選ぶかもしれませんが、単純に殴った殴られたではない、アンロックによるアクションの変化や不満によるコスト増減のコントロールしつつのアクションカードのうち回しというプレイヤーが試されるシステムは是非遊んでみて欲しいです。
殴られまくっても案外なんとでもなる作りになってるので、プレイ時間はさておき、気軽に遊べる/殴れるゲームかと思います。
プロフィール

ひだり

Author:ひだり
川崎市で相方や友人たちとボドゲやってます。

オールタイムベストは、
・グローリー・トゥ・ローマ
・バサリ
・インペリアル
・アフター・ザ・フラッド
・ゴッズプレイグラウンド
・HABA社製品 全般

推理ゲーム好きだけど↑には入ってないという
-------------------------
連絡先:hidarigray@gmail.com
※当blogはリンクフリーです

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード

QLOOKアクセス解析