花火/HANABI

(2人で20~30分ほど)
【概要&ルール】
5色の花火を1から5の順番に全て(25枚)場にプレイすることが目的です。
各プレイヤーは規定枚数の手札を持ちます。ただし、自分の手札の表を見てはいけません。
(他プレイヤーの手札のみ見ることができます)
各プレイヤーが手番にできることは以下の3つです。
1.他人の手札にヒントを出す
トークンを1つ使って自分以外のひとりのプレイヤーの手札に対して、色か数字を教えます。トークンがない時は行うことができません。
「このカードとこのカードが3」のようにカードを指定して教えることができますが、該当するカードは全て教えなければなりません。
「このカードとこのカードが3」であれば、そのプレイヤーの手札には3のカードは2枚しかないということになります。
2.カードをプレイする(花火を打ち上げる)
場に手札から1枚、カードをプレイします。プレイするカードには以下の制限があります。
・各数字とも1から順に置かなければならない。
・1種類のカードは1枚しか場には置くことができない。
制限を破るようなカードがプレイされた場合(例えば、場には白の1しかでていないのに、白の3をプレイした場合)は、打ち上げ失敗となります。
3.カードを捨てる
手札からカードを1枚捨て、トークンを1つ補充します。
捨てたカードは公開情報として場に表向きで置かれます。
上記、3つの行動を終了条件に合致するまで繰り返します。終了条件は以下です。
・山札がつきた後、各プレイヤーが手番を1回ずつ行う。
・カードをプレイした際の失敗が規定回数に達する。
終了後、場にプレイされたカードの枚数を得点として計上します。
【プレイ内容&感想】
以前、CU部で遊ばせていただいた際に気に入り、先日、カクテルゲームズ版が発売されたのをマッハで購入しました。
チームプレイのゲームですし、場に出せるカードの選択肢が増えるようプレイヤーが持っているカードが多い方が有利なはずなので2人では面白くないだろうなあと思っていたのですが、まあ、ものは試しだと相方と遊んでみました。
相方の初期手札を見ると、白の1と緑の1があります。1が出てこなくて詰むのがゲームの展開として一番ひどいので、これはラッキーと思っていると、相方が僕に「これとこれが1」とヒントをだしてくるではないですか。
色が被っている可能性はあれど4枚も1があればまずまずの序盤かもしんないと思いつつ、相方が1を出してくるのを待っていると、予想外に「これとこれが白」とヒントを出してきました。
1枚は先ほど1であることを教えてもらったカードです。
このゲーム、空気を読んだり、意図を読んだりするのがとても大事というか、それが全てのようなゲームなのですが、相方のこのヒントの解釈で悩んでしまいました。
結論から言えば、今後、数字を教える際に白のXと色まで特定できるようにするためと先のことを考えてのことだったようで、一見、納得できる理由ではあります。実際、この後、この時のヒントが役に立ちました。しかし、少なくとも僕はこういうヒントの出し方はしないです。
何故かというと、カードの数字や色だけでなく、ヒントを出す際には「何故、今なのか?」も重要だと思っているからです。
まあ、お前が思ってることなど知らんという向きもあるでしょうが、「何故、今なのか?」を含めないと手番もヒントを出すためのトークンも足りません。つまり、ゲームデザイン上、考慮されているようです。(他に手があるのかもしれませんが)
例えば、あるカードは緑の4でした。このカードの内容をただちに教えるとしたら、緑であること、4であることを別々に教えるしかありませんし、花火でいえばトークンを2つ使ってしまいます。しかし、いま場でプレイできる4のカードが緑だけの場合に「このカードは4」であることを知らされたらどう考えるのか。
「何故、今なのか?」を考えれば、自然と、「出せないカードの情報を教えてくるわけがない、よって、“緑の”4ということを伝えてきてるのだ」と”空気を読む”ことができるのではないかと思います。上述の通り、これをやらないとトークンが足りません。
という思考でプレイしていたので、相方からの色の情報は「何故、今なのか?」を考えて混乱してしまいました。
まあ、わからないならとりあえず考えても仕方なかろうと、1のカードを順に切ることにしました。相方が持つ1のカードの片方は白で僕の持つ1のカードを被っていますが、失敗は数回はしても問題ないので、教えませんでした。

案の定、白1は被りましたがとりあえず黄白緑の1は出そろいました。
しかし、相方の手札に2はありませんし、相方がヒントを出しあぐねているところをみると、僕にも2はないようです。山札から引くには、カードを捨てるかプレイするかのどちらですが、失敗に回数制限があるカードのプレイは乱発するわけにもいかないので、僕は捨てに走ります。


(その時の相方と僕の手札。僕には出せるカードがあったみたいですね。カクテルゲームズ版はカードが大きいので相方は持ちきれないとかで箱に挿しています)
2人あわせて10枚しか手札がないので、これは早くも詰んだかなと思ってしまいましたが、僕の手札に赤1や白や緑の2が入ってきたようで、幸い停滞せずに済みました。相方には白緑の3,4,5あたりがはいってきていたので、ヒントの効率はともかく出すカードに詰まることなく、進みました。
場に白3緑3が出ている状況で、相方の手札に白の4があったので「これが4」とヒントを出してみると、逆に「これとこれが4」とヒントを返してきました。うち1枚は序盤に白だと教えてもらっていたカードです。ここで白4をプレイすると、また相方と白4で被る可能性があったので、僕はカードをプレイせずに白4を捨てました。
僕からすれば、先ほどの「これが4」というヒントで、相方にそのカードをプレイしてと伝えていたつもりなので、相方が白の4ということを2回に分けて伝えてきたカードをあえて捨てることで、相方にある4も色は白である(相方が持ってるカードだからこそ捨てて良いと判断して捨てた)とあらためて伝えたようとしたわけです。
しかし、相方はどうやら序盤に白というヒントを出していたのを忘れていた(もしくは他にも白のカードがあって、区別がつかなくなっていた)ようで、「何故、色もわからないカードを捨てたのだろう? ここから私に伝えようとしていることって???」と混乱したようです。最終的には、「僕の意図はともかく、今手札に4のカードがあると伝えてきたということは出せるカードなのだろう」と判断して白の4をプレイしてくれました。
正直な話、こんなにスムーズにいくのかというほど山札から各色が1から順番に出てくれて、終わってみれば23点とかなりの高得点でした。

(終了図。25点が満点なのでかなり良いほうです)
2人の時と4人程度の時とでゲーム性は変わらないだろうと思っていましたが、少人数だと4人時以上にヒントの効率というのを意識したように思います。
4人の時って大概の場面で誰かの手にプレイして欲しいカードがあるので、そのカードを如何に出させるか?に場全体が終始して、ヒントを出す人とカードをプレイする人に分かれる傾向がありましたが、2人だとお互いのカードをうまくプレイしあわないとならないので、お互いがヒントを出す人であり、カードをプレイする人になります。
この時、1つのヒントで1つのことしか示せなければ結局、一方だけが出す人になってしまいます(カード出した時点で相手がなにも情報を持っておらず、ヒントを出したくなるため)。しかし、1つのヒントで複数のことを示すことができれば、相手にヒントを与える余裕が生まれるのでお互いに役割を共有しやすくなります。
プレイするときに考えることが変わると、何回か遊んだゲームでもまた面白くなるのが不思議なもんです。
あと、覚えやすいようにヒントをもらったカードは天地を逆さまにしていました。カードの表面は上下対称で逆さまにしても見た目は変わりませんが、裏面は上下の違いがあるので、ヒントをもらったもらってないの区別ができるようになり、覚えるのはかなり楽になりました。
では捨てていいカードは横向きに…なども考えましたが、カードを倒すと表から見てもわかるので、相手が「倒されたカードは捨てるカード」というのを知っていた場合、捨てて構わないカードはスルーして、捨ててほしくないカードの時はヒントを出すとかもできちゃうんで、横に倒すのはやめました。
このことに関して、他プレイヤーに明確に「横倒しのカードは捨てる予定のカードである」と宣言していれば、それは無論ルール違反だと思いますが、「カードを覚えられないからちょっと持ち方を工夫しよう」と考えたのを、他のプレイヤーが「どうやら、こう持っているカードはXXで、こう持っているカードは○○のようだぞ」と察するのはどうなんですかね。
あからさまに点数に直結するので、持ち方などから法則を察したとしても、その情報は考慮せずにゲームを進めるというのが花火でのマナーだと僕は思いますが、何が何でも勝つんだ!高得点を出すんだ!というプレイスタイルも否定しきれません。
他のゲームであれば、ルール外、盤外から得た情報を使うというのも、他のゲームであれば僕もやることがありますし(よくゲームをやる相方やYは顔に出やすいというのもあります。まあ、僕も出やすいですが)、こういう明確な線引きができない&マナーの問題は内容を問わず難しいです。
あえていうなら、僕が在籍していた研究室の教授がよく言っていた「プライドが許せば」ということじゃないかと思います。どんな下劣なことであっても、明確に禁止されておらず、本人が構わないのであれば他人はどうこう言っても議論にすらならないんで…。
と、話が大きくずれましたが、考えることが好きで、空気を読むことが苦にならないひとたちの集まりであれば、大変お勧めできるゲームだと思います。
産業の時代(日本マップ)/Age of Industry(Expansion Map for Japan)

(2人でインスト込み3時間半~4時間ほど)
【概要】
19世紀、各国で産業革命が起こり、工業から利益がもたらされていた。プレイヤーは銀行から融資を受け、それをもとに工場を建て、線路や港を整備し、市場へ商品を売却します。商品を売却することで得た利益を再度、工場建築や交通路の整備につぎこみ、どんどん事業を拡大させていきます。
産業の時代が終わった時、もっとも事業を拡大させられていたプレイヤーが勝利します。
【ルール】
プレイヤーは各手番に以下の行動を2回ずつ行うことができます。
・産業の建築
カードをプレイすることで産業(紡績所、工場、港、炭鉱、鉄工所、船)を作ることができます。建築の際、産業によっては建築時に石炭や鉄が必要で、鉄道または海路にて運び入れる必要があります。基本的に1都市には1プレイヤーは1つの産業しか作れません。都市が4マス以上で構成されている大都市には2つ産業を作ることができます。
カードには大きく分けてエリアを指定しているものと産業を指定しているものがあります。エリア指定のカードは指定されているエリアに好きな産業を建築することができます。産業を指定しているものは、指定されている産業を好きな場所に建てることができますが、最初の1つを除き、自分の鉄道が接している都市であること等の制約があります。
また、産業の技術力(産業タイルに書かれている数字)が大きくなるのであれば、建て替えも可能です。
・鉄道の敷設
敷設予定地に鉄道を敷くことができます。その際、鉄と石炭、敷設代金が必要です。
・開発
カードを捨てることで、技術力の低い産業タイルを手元から捨てることができます。(産業を建築する際、勝利点の低い(技術力の低い)産業から建築する必要があり、また、工場、船は技術力が低すぎて建築することができないタイルが存在します。勝利点の低い建物、建築不可能な建物を捨てる際に使用します)
・カードの補充
カードをカードディスプレイから2枚補充します。ディスプレイには手番終了時にカードが補充されます。(カードディスプレイがあるのは日本マップだけです。他マップでは山札から引きます)
・商品の売却
紡績所、または工場から商品を出荷します。出荷はまだ出荷を行っていない紡績所、または工場と港のセットで行い、一度出荷を行った紡績所、工場、港は別の出荷に使うことはできません。港は自分の港である必要はありません。出荷可能な状態の産業が複数あれば、1回の売却行動で、複数の出荷を行うことができます。出荷を行う紡績所、または工場と、港の間は交通が確保されている必要があります。
・パス
カードを捨てることでアクションを放棄します。
特殊な行動として、以下の3つがあります。
・行動の結合…1手番に行動を1回しか行わない代わりに、カードを1枚捨てることで好きな都市に好きな産業を建てることができます(都市に建築可能な産業の最大数等の制約は守る必要があります)。
・カードの購入…ディスプレイには場所に応じて1~3ドルの数字が書かれており、この金額を払うことでプレイヤーはそのカードを手札に入れる&プレイするを1行動で行うことができます。
・融資を受ける/返済する…行動を消費せずに、任意のタイミングで10ドル単位で融資を受けることができます。返済時も任意のタイミングで10ドル単位で返済できます。
全プレイヤーが手番を行ったら、次ラウンドの手番順の決定(本ラウンドで使ったお金の少ない順)、利子の返済(融資10ドルごとに1ドルの利子)を行った後、次ラウンドに入ります。
カードの山札が尽きたら、手札、カードディスプレイ上のカードの有無に関わらず、ゲーム終了です。
鉄道をお金に変換した後、お金を勝利点に変換します。それに産業から得られる勝利点を加算したものを比較し、もっとも多くの勝利点を得ていたプレイヤーが勝利します。
※カウンターの裏返しについて
各産業は産業ごとの条件を満たすことで使われたとみなされ、裏返されます。その際、産業および技術力に応じたお金を持ち主は得ます。(裏返す契機をどのプレイヤーがもたらしたかは関係なく、持ち主にお金は入る)
各産業の条件は以下です。
紡績所、工場、港…商品の売却に使われること
炭鉱、鉄工所…建築時に補充される石炭、または鉄が全て使われること
船…船に接しているマスに描かれた石炭、鉄、市場が全て使われる(石炭、鉄は使用される、市場は売却行動によって需要が満たされること)
※石炭・鉄について
高い技術力の産業および鉄道を作る際には、石炭・鉄が必要となります。炭鉱、鉄工所を建築時に規定値がそれぞれの産業カウンターの上に置かれる他、船の建築時にも規定数が船と接するマスに置かれます。また、港を通して海外から購入することもできます。石炭・鉄が必要な際には、産業または鉄道を作る場所と石炭・鉄の供給源が交通網がつながっている必要があります。海外から購入する際には、需要ディスプレイに購入する際の額が書かれています。需要ディスプレイ上から石炭・鉄がなくなっても購入はできますが、購入費用は1つの石炭・鉄につき4ドルと最高額を払う必要があります。
【プレイ内容】
久しぶりに重いゲームがやりたいなあと、相方を誘ってみたところOKの返事がもらえたので、長らく積んゲーになっていた産業の時代を遊ぶことにしました。先日、拡張の日本・ミネソタマップも届いていたので、どのマップが良い?と聞くと、「地名わかるし日本」とのことで、日本マップで遊ぶことにしました。
基本的にブラスから要素を削いで簡略化したようなゲームであり、相方もブラスはやったことがあるのですが、既に3年くらい前の話なのでインストは丁寧にやりました。
ブラスよりは簡略化されているとは言っても、最近やっていた軽めのゲームと比べるとルールも多く、1つのアクションを行うにも制約が多いのですが、相方もボードゲームをやり慣れたのか、ブラスの記憶がおぼろげにでも残ってたのか、わかんなくなったときに聞けばいいとでも思ったのか、意外とすんなり呑み込んでもらえました。
(とはいえ、インストだけで30分以上はかかったと思いますが)
ぱっと見でわかるのは、炭鉱と鉄工所を作る場所が少ないということですが、全て北海道にあるので、そこから運搬するにはかなりの鉄道を敷設しなければなりません。それはちょっと現実的ではないので、石炭と鉄は船や港から得る方針にしました。石炭は海外から購入しても安いですし、鉄工所は北海道に鉄工所しか建てられない場所があるものの、基本的にどこでも建てることができるのでなんとかなんとかなりそうです。
※これはルール誤りで、他のマップであれば鉄工所は建築に制限がありませんが、日本マップは北海道にある北見の1箇所にしか建築できません。途中で気づきましたが、誤って新潟に1つ鉄工所を建築してしまった後でした。それ以降はあらためてます。
ゲーマーじゃんけんで手番順を決め、僕からスタートです。
相方:「お金配り忘れてるよ」
僕:「あ、一文無しじゃったな。最初は何ドル配られるんだろ…。(説明書を確認する)『各プレイヤーは1ドルも持たずにゲームを開始します』ってあるな」
相方:「借金前提なんだ! やだなあ」
という会話もありましたが、どうせワレスのゲームで借金しないゲームなどないので、こういう割り切りもありかもしれません。
相方は結構借金とか、貧乏とかを気にする質なので嫌だったでしょうが。
とりあえず借金をし、次は産業を建築するわけですが、初手はここしかあるまいと
「倉紡作るよ」
と、岡山に紡績所を建築しました。
(僕は岡山県出身で、倉敷はクラボウ(倉敷紡績)やクラレ(倉敷レーヨン)等、繊維産業で栄えたところなのです)
相方は岩手県盛岡市近辺に実家がありますが、秋田があって盛岡がないことにご立腹でした。
さらに、大阪に(1つだけですが)港があるので、岡山から近畿方面に線路を敷設します。

(倉紡と大阪)
これに対して、相方はいきなり北海道に炭鉱を作ります。炭鉱はマップ中2つしか作れないのでこれはこれでありだとは思います。
ただ、手が早すぎました。序盤は石炭無しでも作れる産業が多く、かつ、北海道はかなりの僻地で本州の北にある都市(仙台や秋田)とつなぐだけでも線路が3つ必要です。一方で僕は岡山から大阪に1つ線路を敷けば十分です。
相方は失敗したーと言ってましたが、その後は東京に港と紡績所を作成し、そこから北海道に向けて徐々に線路&産業を作っていってました。
僕は岡山ー大阪間をつなぎ、大阪に港を作り、すぱっと出荷です。これで借金を全て返し、手元に1、2ドル残りました。
そして次は、中部に進出して名古屋の港、伊勢湾にある船を使って一気に荒稼ぎする作戦を立てます。そのために借金を…と思ったところでふと気付きます。
船を作るためには開発が必要ですし、港やら紡績所やら船やらを建築するためにはそのカードがなければなりません。つまり、しばらくはカード補充&開発のターンになるはずです。借金をしてからカード補充を始めれば、カードがそろうまでの間、利子は払う必要があります。逆にカードがそろってから借金すれば、利子を払う期間を短くすることができます。我ながらアホウだなあと、借金をやめ、カード補充&開発でしばらくしゃがむことにしました。
相方は借金ないのずるいと言いつつ、着々と関東以北を自分の色で染めていきます。関東以北は小さい(産業の建築スペースが小さい)都市が多いですが、どうせ3マス以下の都市であれば、1つしか産業は建築できないのでひとりでやってる分には、それほど不便はないのかもしれません。
僕はと言えば、カードの補充も終わり、大阪から、名古屋、金沢へと線路を敷設した後、名古屋の建築スペースが4マスあることを活かして、港を2つ、名古屋に作ります。金沢、大阪に工場、紡績所を作り、伊勢湾沖に船も作り、どーんっと一気に出荷で80ドル近く手に入れました。
これで借金はなくなり、しかもそれなりの運転資金が残りました。
相方はようやく関東以北の鉄道網ができたところで、依然として40~60ドル程度の借金を抱えています。最初に炭鉱を作り、その炭鉱を活かそうとした結果、長大な鉄道網を作る羽目になり、しかも北海道には港はあっても炭鉱と鉄工所しか建築できないので、本州とつながるまでは出荷できず、投資の回収ができないため借金が膨らみ、戻すあてもなかなか確保できなかったようでした。
(新潟には港があり、秋田あたりからならさほど距離は離れていないのでそれを活かしても良いのではないかと思ってましたが、とりあえず北海道とつなぐことを目標にしていたようです)
かなり我慢に我慢を重ねていた相方ですが、ようやく出荷体制ができあがり一気に80ドル以上の金を手に入れてました。ようやく借金も返し、東日本鉄道網も出来上がり、追撃体制が整います。

(借金の返済に足りるか勘定中)
相方の大鉄道網の完成を見て、僕も金沢から新潟に鉄道を敷き、さらに北海道の北見に炭鉱を作りました。
既に海外からの石炭は底をついており、これ以上、石炭を海外から買うことになれば1つ4ドルと非常に高い(通常は海外からの購入でも1つ0~1ドル)金を払わなければならず、補充が必須だと判断したからです。

(中盤から終盤に入るくらいの盤面)
そして、その石炭を使い、最後に残った土地である九州についに進出しました。
と、いいつつ、九州へ次ターンから進出するぞ!という時に福岡には既に相方に港を建てられていたわけですが。
相方の手元に残っている(今後建築できる)産業を確認してみると、既に港はありません。建築ではなく、開発で技術力の低い港は捨てたようです。鹿児島にはまだ2箇所港を作ることができたので、あせらなくても僕が使うことができそうです。
東京にも港が建設可能な場所はありましたが、東京につながる線路は相方が作成しており、エリア指定のカードも手元にはなく、うかつにカード補充するとそれでゲーム終了トリガー(山札切れ)を引いてしまいそうで、カード補充はできず、かといって、行動を結合するほど建てたいわけではない(鹿児島に建てればよい)ので、東京は諦めました。
相方は手札がもう1,2枚しかなく、終了させようと思えばいつでも終了させられる状況だったので、一気に出荷した方がいいだろうと港、港、工場、工場と建築しよう、借金は減らした方がいいから安い港から作って…とやってたら、
相方:「港使わないなら使わせてもらうよ」
僕:「あ」
と、僕が鹿児島に作った港を使われてしまいました。しかし、まだ僕の手元には港カウンターが1枚残っています。カードの関係から大阪の港を建て替えることになりますが、なんとか2つの工場から一気に出荷する夢は断たれていません。よかったーと大阪に港を作るためのカードを補充して、大阪に港を作って手番を終了しました。
相方:「だから、港使わないなら使わせてもらうって」
僕:「あ」
相方がまた建築⇒出荷と行い、僕が建てた港がまた使われてしまいました。というか、ぼけぼけです。出荷⇒カード補充、次手番で港建築⇒出荷が正しいですよね…。
とりあえず1つ残った港から出荷を行い、工場を1つ裏返したところで、これ以上ぼろが出る前に&もう建てるものがないということで最後のカード補充を行い、ゲームを終了させました。

(終了時)
元々、僕の方が資金繰りには余裕があり、かつ、線路も大都市間をつなぐ路線を抑え、数も多く敷いていたのでお金だけでかなりの差がつきました。
次に、建築した産業に描かれた数字=技術力=勝利点を計算したところ、7点差で僕が勝利できました。
お金計算した時点で5点以上は差がついていたように見えていたので、てっきりもう少し大差かと思ってたんですが。土地の取り合いがなく、建てたい産業をお互いに全て建てられたので思ったよりも差がつかなかったようです。
【感想】
ブラスも好きですが、産業の時代もいいですね! 面白いです。家でやったゲームとしては久しぶりに、ボードゲームマニアが喜びそうな面白さにあふれていましたし。
相方はあまり考えすぎるゲームは好きではないですし、僕が邪魔をするようなプレイをすると不機嫌になりますが、2人プレイだとマップにかなり余裕があり、他プレイヤーとの絡みが減ったため、重いゲームとはいえ気分良くプレイできたようです。(まあ、実は途中中断を挟んで二日間にわたって遊んでます)
最後、相方とお金の差はかなりありましたが最終的な点数はさほど離れませんでした。お金は5ドルで1勝利点と変換率が低く抑えられていること、借金に対するリスクが低いため、借金で得たお金も事業で得たお金も、同じような感覚で使うことができることが原因ではないかと思います。
ブラスでは収入という考え方があったので借金もしすぎてはいけない感覚がつきまといましたし、お金をどうマネジメントするかという要素もありました。そこをすぱっと切り落とした形ですが、僕はこの変更は大成功だと思います。
お金以外のリソースだけでも、十分にマネジメント要素はあり、収入の要素がなくなってもそこから得られる面白さはなくなってはいないというだけでなく、窮屈さがなくなってかなりプレイの自由度が広がっている感じを受けます。ある程度、ややこしいのがゲーマーズゲームの常とはいえ、贅肉であれば削ぎ落すことでプレイヤーの裾野が広がりますし、そういう意味でも良かったかなと。
点差がつかなかった理由としては、僕が作った港をまんまと相方に使われたこともあります。建て替えができるとはいえ、港の数は建築可能な場所も、カウンターも限られているので相手の港を使うことで相手は出荷できなくなり、工場や紡績所を建てたお金を回収することができなくなるのが痛いです。普通なら考えがおよぶところだと思うのですが、今回のゲームは前半、東日本と西日本が分断されており、相方は手札的&戦略的に西日本に手を出してこなかったんですよね。中盤、一気に名古屋の港から出荷した際は相方は手を出してこないだろうと読んでのんびりしていたわけですが、終盤の2回出荷漏れは中盤の感覚が残っていたための大ポカでした。
せっかくなのでマップの話も。
こういった拡張マップというやつで遊ぶのは初めてでしたが、初プレイから拡張マップというのはちょっと邪道だったかもしれません。でも、読めもしない地名が並んでいるよりはプレイアビリティが向上しましたし、どこから手をつけていいかわからない⇒とりあえず地元を開発するかなど、考えのとっかかりも見つけやすくなったかなと思います。
このマップの特色であるカードディスプレイからカードを購入して使うというのは、上記のとおり、2人だと盤面に余裕があり、1手をおしむような状況にはならなかったので全く使いませんでしたが、ちょっと人数が増えると1手の遅れでどんどん自分が建築できるスペースがなくなっていくため、借金してでも使われるようになるのではないかと思います。特に炭鉱は2箇所、鉄工所は1箇所しか建築可能な場所がないので、取り合いになるのではないかと。一番安い炭鉱は1ドルで建築できるので、急いで鉄道でつながずに放置してもそれほど痛手にはならないと思いますし。
僕も相方も炭鉱や鉄工所は建て替えを1,2回して日本に石炭と鉄を供給していました。それ+船+海外からの購入(ボード上における枠)をフルに使って、ぎりぎり足りたので、まあ、そういうバランス調整なんだと思います。
(つうか、何人用とかの情報を気にしていませんでしたが、日本マップ5人対戦は面白さを感じる間もないように思うので、2~3人用といったところなのではないでしょうか。どっかに書かれているのかもしれません)
日本が舞台のゲームではよくあることですが、場所がずれてるのが気になるっちゃ気になります。岡山は日本海に面してるし、紀伊半島は小さすぎです。こうったずれは余談レベルでどうでもいいことですが、終了後、片づけをしている際にようやく気付いたことで、東京と名古屋がつながってないんですよ。このマップ。

(名古屋からえらい遠い、むしろ僻地な東京)
ゲームバランス的な意味でつなげなかったのかもしれませんが、このせいで東京にはASAKA(場所は違いますg、埼玉の朝霞?)からの鉄道1本しかつながらず、産業を4つ建設できる割に非常に使いにくい都市になっています(エリア指定のカードか行動の結合でないと鉄道を敷設したプレイヤー以外は産業を建築できません)。
仙台も北(青森と思われる村)からまわりこまないといけませんし、関東以北はどうにも不便な作りになってます。
多人数プレイになった際に、関西、中部、九州で争う組と関東以北でのんびりのプレイヤーに分かれる等ということを意図した作りなのかもなどとも思います。まあ、他マップやっていない状態でこんなことをいうのもなんですが、ピーキーな作りになってるんでしょう。
相方に「別マップもやってみたい?」と聞いてみたところ、「やってみたいけど数ヵ月後でいい」と言われました。数ヵ月後とはいえ、許可はいただけたので、別マップも(できれば3人以上で)遊んでみたいと思います。
最後の余談。
カードやボードの絵柄は当然全マップ共通なので、こんな風景日本にはないだろと思ったりしますが、倉敷アイビースクエアとか赤レンガ倉庫とかを見るに、案外、このゲームにでてくる時代、各産業の風景は、国に依らず似たような外観だったのかもしれません。ゲームとは関係ないですし、絶対に作者が狙ったものではないでしょうが、興味深いです。

(なんとなくアイビースクエア(wiki)を思わせる絵)
カルカソンヌ10周年記念版

(2人でインスト込み40分ほど)
【概要】
プレイヤーは南フランスのカルカソンヌ周辺の道や都市に部下を送り込み、発展させていきます。
部下を上手に送り込み発展させなければなりませんが、あなた好みに発展させるには多少の運も必要です。
【ルール】
今更、ルールを書くまでもない気もしますが。
各プレイヤーは、以下の行動をタイルがなくなるまで繰り返します。
1.タイルを引く。
2.いま置かれているタイルと絵柄があうようにタイルを置く。
3.置いたタイルに自分の部下を置くかどうか選択する。
4.置いたタイルによって、得点が発生する場合、得点を得て、部下を手元に戻す。
タイルには、草原、道、城、修道院が描かれており、自分の部下は”タイル”ではなく、タイルに描かれた道や草原などに配置します。道、城、修道院は城壁が1周つながるなどの条件で完成します。その際、完成した対象に最も多くの部下を置いていたプレイヤーが得点を得ます。同数であれば複数のプレイヤーが得点します。
ただし、基本的に1つの対象(城、道など)に部下コマは1つしか置けません。プレイヤーが同じでも異なっても複数個置くことはできません。部下を置いた時点では分かれており、その後のタイルの配置によって1つの対象となった場合のみ、1つの対象に複数の部下コマが置かれます。
全てのタイルが置かれたならば、草原と未完成の道、城、修道院分の得点計算を行い、その時点で最も得点の高いプレイヤーが勝利します。
【プレイ内容】
まだ未所持、未プレイだったのを10周年版の透明ミープルが可愛かったので購入&プレイしてみました。
すごろくややメビウスゲームズのチラシで相方も見たことはあったので、カルカソンヌ買ったよというと、「あれね」と言ってました。自分でゲーム買わないひとにまで知られているってのはすごいですよね。
初プレイは草原からの得点は入れない方が良いかもという話をどこかで読んだ覚えがあり、相方に相談したところ、確かに草原ルールは少しややこしいので無しの方が良いとのことだったので、草原ルール無しで遊びました。
道、城、修道院だけで比べれば一番得点効率が良いのは城だよねえと、僕も相方も主に城に部下を置いていくことにしました。あとは、得点効率はようわからんが、一度に9点ももらえるのが大きいので修道院にも置いとくかと。
と、いいつつ、僕も相方もタイルを引いて置くだけでは面白くないので、部下を配置できるようなら道にでもガンガン置いてましたが。
自分しか部下を配置していないにも関わらず、最終的にひと塊りになりそうな城に部下を2,3人配置するなど、ふたりとも無駄なこともやってましたが、僕の引きが悪いのか相方の引きがいいのか、相方が得点を順調に伸ばします。
15点差、30点差、50点差(点数トラック1周差です)とどんどん離されていきますが、その主な原因は、僕が結果的に3人も部下を送り込んでいる大きめの城が一向に完成しなかったからです。

(もちっと離されました)
しかも、相方が、「これ置かれたら困るんじゃない」と置いたタイルのせいでまんまと配置できるタイルの選択肢が狭まったおかげでした。
説明書についてるタイル構成表を見ると、配置可能なタイルは1種類のみ、かつ、既に数枚配置されているので残りは1枚という状況で、相方にひかれても僕が望む場所に置いてくれるわけはないので、あと1枚を果たして引けるのか…とやや絶望的な気分でプレイしてました。(いま冷静に考えれば、いつかは僕か相方が引くんだから5割は可能性があるわけで、そこまで暗い気持ちにならなくてもよかったです)
後半は相方の引きが道に偏り、得点が前半ほどは伸びなくなります。そんな相方がロマンチックロードを作り上げるとかやっている間に、残り1枚のタイルを見事引き当てました!

これだけで30点弱を手に入れて、ここから一気に逆転だ!と思ったもののさすがに得点トラック1周分の差は大きく、あと、数点のところまで追いつきはしましたが、相方の勝利で終了しました。

というか、むしろ追いつけたことの方が驚きでした…。
【感想】
プレイ感が軽すぎるような気がして、ずっと購入を渋っていましたが、透明ミープルにやられて購入してしまいました。
いざやってみると、確かにプレイ感は軽いですが、軽すぎず重すぎずという感じでした。
どのタイルを引くかは運任せといいつつ、タイル配置に適度に幅があるので運だけではない感じもしますし、選択肢が多すぎることもない。考えすぎることもなく、考えなくても遊べるわけでもない、良いバランスだと思います。
とはいえ、僕は物足りなさを感じました。
パーティーゲーム的な楽しさ、笑うような要素がないので、ガチに競うゲームの側にはいるのでしょうが、その割にはゲームのプレイ時間に占める自分が能動的に考えている時間の割合を少なく感じました。それが物足りなさにつながっています。
これは、まだ僕がタイルを引いたときに、どこが自分に都合がよいかだけしか見ていない(相手の邪魔になるところを考慮していない)せいかもしれませんし、手番間に次の自分の一手を考えることができないのがあっていないだけかもしれません。
序盤はタイルがつながって広がっていくのを楽しく思いますし、終盤は相方との点数を見て勝てるのか勝てないのかが気になります。でも、毎回、中盤ではだれてしまっていました。タイルを減らして中盤をなくすというのも考えましたが、タイルのバランスが変なことになるのも嫌ですし。
プレイ人数が増えるとまた違うのかもしれませんが、大会が2人プレイということなんで、やはり2人プレイが一番運に左右されないのかなとも思ったりで、どうなんでしょうか。
相方はミープルの可愛さと運の要素、あと、疲れていてもあまり考えずにプレイできるということで気に入ったみたいですが、僕は同じプレイ時間がかかるならほかのゲームの方がいいなあというのが正直なところです。
What is the way they work?(同人ゲーム)

(2人で30分弱)
【概要&ルール】
マンガ家版ファウナです。
↓な感じでマンガ家名だけをみて、出身地、出版社、デビュー年、性別等を当てます。

自分の回答は、記事先頭の写真のようにカード上に自分のコマをおくことで表現します。
当たれば点数がもらえ、外れればコマが没収されます。
本家のファウナと異なるのは、以下の2点です。
・ニアピンはデビュー年にしかありません。
・出身地が県単位だけでなく地方単位での回答もできます。
マンガ家名だけでは回答できない際などには、カードに書かれた
代表作まで見たうえで回答を行うというバリアントもあります。
【プレイ内容】
ファウナが好きなのと、まわりにマンガ好きが多いということで購入してみてみましたが、なかなか友人たちと集まる機会がなかったので、相方とふたりで遊んでみました。
マンガを良く知っているということの、一般的な尺度というのがないので難しいですが、多分、僕も相方もマンガ好きであり、よくマンガを読んでいる方だとは思います(少なくともマンガといえばワンピースという層ではないです)。ただ、まわりにはもっと読んでる人たちばかりですが。
名前見て知ってるマンガ家だけで遊ぶというのも手かと思いましたが、とりあえず、カードをシャッフルして出てきたカードを使って遊んでみました。
で、ひとり目が「玖保 キリコ」でした。これは僕も相方も知っていると一安心です。
とはいえ、少女マンガ出身なので僕はさほど詳しくなく、デビュー年代や出身地を当てるのは無理です。となると出版社か・・・と考えます。あの絵柄で少女マンガ家なら小学館、講談社、集英社ではないだろう。となると無難に行くと白泉社だけど・・・と悩みましたが考えているうちにわけがわからなくなり、なんとなく徳間に。
相方は迷わず「白泉社だよ」と白泉社に。
あれーと思っているうちに性別も抑えられ、結局デビュー年代も当てた相方が一気に10点以上リードします。
次も「御茶漬海苔」で、僕はわからん。相方知ってるということで、ここでもまた10点以上リードを広げられてやばい感じです。
ただ、次に出てきた須賀原洋行は2人とも知らず、代表作まで見ましたがやはりわからなかったので、ほぼ差はつかず。
「とり・みき」「いしいひさいち」は、どちらが詳しいということもなく、お互いにそこそこ知っていたので、無難に点数を稼ぐ展開で相方は既に50点を超えて、そろそろ終了条件である60点に届きそうな勢いです。
しかし、相方は正直調子にのっていたのでコマが多数没収されており、ここで僕だけが知ってるマンガ家さんがくれば・・・と思ってるところに「あろひろし」(代表作:ふたば君チェンジ!)と、思いっきり少年マンガ家が!
黄金期のジャンプにふたば君チェンジの広告が載っていたはずなので、出版社は集英社、絵柄から考えるにデビュー年代は~と相方が「たぶん少年漫画だから小学館」などとやってる間に、それっぽい回答にコマをおけたので、一気に9点差に!
相方はあと2点で60点に到達しますが、まだ誰が出てくるか次第ではわかりません。
そして出てきたマンガ家は「星里もちる」で僕はわかるけど、多分、相方は読んでない・・・。そして案の定相方は知らず、僕も60点には到達して差もそれなりに詰めましたが、さすがに逆転するところまではいかず、相方の勝利となりました。
【感想】
面白いですが、本家ファウナよりはかなり人を選びます。まあ、購入した時点からわかっていたことではありますが。
少々のマンガ好きでは辛いです。ゲーム終了後にも面白かったので勝敗と関係なく30枚ほどカードを見てみましたが、僕か相方のどちらかは知ってるというマンガ家さんが8割程度でした。それくらいの知識のひとがやった記事だと思ってお読みください。
ゲームの面白さとは関係ないですが、子供の頃の記憶というのは不思議なもので、最近の読んでるマンガの作家さんよりも、昔に読んでたマンガの作家さんのほうが圧倒的に覚えてますね。最近の作家さんは代表作を見て、あー、それなら読んでるわということもしばしばありました。
しかし、このゲームを遊んでみて初めて気づきましたが、本家のファウナがそれほど動物好きでなくとも楽しめるのは、カードに絵が描かれているからだということがわかりました。
それなりに写実的な絵が描かれているからこそ、カラフルな色の爬虫類はジャングルとかアマゾンとかの奥地にいるだろうとか、けむくじゃらで体毛が白いから雪が降る地方の動物だろうとか、こいつ尻尾はかなり短く描かれているけど全体がこれくらいだろうから…とかの想像が働くんだなあと。
例えば「スナネコ」と名前だけしか開示されておらず、そこから生息地や体長等を推測するゲームでは、“スナ”とか”ネコ”ってついてるから…程度の想像しかできず、面白さは半減していたと思います。
なので、What is the way they work?もカードに代表作の絵が数コマでも1ページでも入っていれば全然違っていたと思うんです。(プレイ時にお互い知らなかったと書いた「須賀原洋行」も絵を見たら知ってる人でしたし)
プレイ前からマンガ家の出身地は、当てても楽しくないだろうなと薄々思っていました。それは、マンガ家の名前や絵柄から推測することが、ほぼ不可能な内容だからです。たまに自分の出身地の方言を出したり、よく舞台にしたりするマンガ家はいますが、それは、そのマンガを読んでいなければわからない知識で、推測するようなことではありません。
しかし、絵柄がカードにあれば、少年マンガっぽいから集英社かなとか、目が超きらきらしてるから70~80年代デビューの少女漫画家かななどの推測が働くようになります。そうなると本家ファウナと同様インチキ推理がでてくるので、当たろうが外そうが盛り上がるのではないかと思います。
(やはり、出身地は推測できてませんが)
ファウナの楽しさは知識を自慢しあうものではなく、適当なことを勝手な理屈をつけながら言い合うところなんだなあと再認識するような内容の記事ですが、What is the way they work?も自分が知っているマンガ家であればそういった楽しみ方がもちろんできます。
そういう意味で、プレイヤーの大半が知ってるマンガ家さんだけを対象にゲームするのもありとは思います。ようわからない対象にインチキ知識で回答するというのも本家ファウナの面白さなので、知ってるマンガ家だけ選ぶにはちと残念ではあるのですが。
あとは、ファウナは問題になった動物を知っていることが必ずしもアドバンテージではなかったですが、こちらは確実にアドバンテージになります。そして、ニアピンでの得点がほぼないので、相乗ることも難しいです。そういう点でも、気軽に楽しめるゲームではないので、人を選んで、その中で盛り上がるゲームです。
今度は、マンガに詳しいひとらでやりたいと思います。
最後にゲームの面白さとは関係ないのですが、正直な話、デザイナーさんがどういった層を想定されているのかが、ようわからなかったのは気になりました。プレイ時間40~60分と記載されていますが、今回のゲームは30分かかっていません。記事ではかなりはしょってますが、2人ともそれなりに悩んだりお互いに知ってるマンガ家であれば盛り上がったりしてます。その上でのプレイ時間です。
知ってるマンガ家であれば話が盛り上がって時間がかかる一方で点数も稼げるので、相対的にプレイ時間はそこまで延びないと思います。なので、案外、マンガ家をあまり知らない層を想定されていたのかもしれません。そういう層がこのゲームを買うかは謎なんですが・・・。
(2011.7.15追記)
今回は2人で遊んでますが、3人、4人となれば答えられる場所が少なくなるので1問あたりの点数の伸びが悪くなって、必然的にプレイ時間は伸びますね。我ながらあほうでした。
我が街、シカゴ

(2人でインスト込み10分ほど)
【概要】
街の資産を奪い合うギャング同士の激しい抗争。
そんな中にもルールはある。1つの資産について、どちらのものか一度決まったらもう文句は言わねえ。
金に女に、銃、どんな勝負になっても良いようにモノを運び込んでおけばいいだけだからな。
【ルール】
ギャングになって街の資産を取り合うゲーム。資産を示すカードなどに勝利点が書かれており、最終的に多くの勝利点を得たプレイヤーが勝利します。
ゲームは以下の流れで行います。
1.影響カードのプレイ
2.勝負方法の決定(資産カードの入手)
3.勝利点計算
1.影響カードのプレイ
影響カードは、山札の上から2枚が常に表になっています。
手番プレイヤーはその内容を見て、「自分が影響カードをプレイする」か「相手に影響カードをプレイさせるか」を選択します。
影響カードをプレイしなかったプレイヤーが次の手番プレイヤーです(つまり、次回も手番プレイヤー(自分と相手のどちらに影響カードをプレイさせるかの選択者)になりたければ、相手に影響カードをプレイさせます。
影響カードの山札(12枚)がなくなるまで続けます。
2.勝負方法の決定(資産カードの入手)
手番プレイヤーは、「勝負方法を決める(女、銃、金のいずれで勝負するか決める)」か「相手に勝負方法を決めさせる」かを選びます。
資産カードと影響カードには女、銃、金の3種類のシンボルが任意の種類、任意の数描かれています(たまに何も描かれていないのがあります)。
勝負方法に選ばれたシンボルの数を、自分側の影響カード置き場に置かれた影響カードと資産カードの合計数でプレイヤー間で比べ、数が多い方が勝負に勝ったとして、資産カードを得ます。
全ての資産カードで勝負方法を決めるまで続けます。
3.勝利点計算
自分が得た資産カードに描かれた数字と自分側の影響カード置き場に置かれた影響カードに見えている(一番上に置かれている影響カードに描かれている)数字の合計が大きい方が勝利です。
影響カードに描かれた数字は、その場所での勝負の勝敗に関係なく、描かれた数字が勝利点としてプレイヤーに入ります。
【プレイ内容】
そろそろゲームマーケットで販売されたゲームがお店で買えるようになってきたので、会社帰りにテンデイズゲームズに立ち寄り、ゲームを物色してきました。
案内メールでの「我が街、シカゴ」の紹介にあった“ゲーム中に使われるのは12枚のカード”という言葉が気になっていたので、説明して頂くと、変わったゲームながらもプレイヤー間の駆け引きもある、カードを12枚プレイすれば1ゲーム終了と短時間ゲームでもあるということだったので購入しました。

(テンデイズゲームズの通販はあまり使わないので、通販で似たような仕組みがあるかはわかりませんが、実店舗で買うとポイントがもらえます。ポイントもらえるようなお店はそんなにないので、会社から近いこともありよく行きます)
やることは単純なのでさっくりと相方にルールを説明して、とりあえず1ゲームやってみました。
資産カードの点数は4枚と3,4点と似たような数字だったので、影響カードに点数が書かれたやつが出てきたら、それをどうするかで勝負が決まるなとは思ったものの、だからといって、何をしていいのかわかりません。
こちらが圧倒的に負けそうであっても、1種類のシンボルだけでも勝っていれば自分が勝負方法を選ぶ限りは負けないので、積極的に影響カードを置こうとも思えません。
とりあえず、描かれたシンボルが多そうな影響カードは自分で置くようにしてやってみました。相方もきっと大した根拠はないまま、僕に置かせたり自分で置いたりしていました。と、点数の描かれた影響カードが出てきました。これは取らねばと自分側に置き、相方に影響カードを重ねられないように祈ります。
祈りが天に届いたのか、重ねられることもなく影響カードは置ききれました。そして、勝負は案の定、僕と相方とで資産カードを2枚ずつ分け合うことになり、最終的には影響カードに描かれた点数分僕が勝ちました。

相方いわく「なにをどうしたらいいかわかんない」
ということで、続けて2戦目。
今度は5点とずば抜けた点数の資産カードが1枚あり、これを取れるかどうか次第で勝負は決まりそうです。
影響カードも点数が描かれたものが5,6枚と1戦目よりもかなり多く出てきました。マイナス点のついたものは相手側におきつつ、プラス点のものは自分のところに。相手のプラス点の影響カードは上にカードを重ねてプラスをなくし、自分のマイナス点にもカードを重ねてマイナスをなくす…とやってる間に影響カードの山札がなくなってきたので、少々の失点や不利は無視して手番をキープ。
見事5点の資産カードを手に入れ、勝負に勝つことができました。
【感想】
うーん。面白い…んだと思います。要素は多くないのでゲーム全体の見通しはよいはずなんですが、ゲームが面白いのかそれともつかみどころのないプレイ感覚から「きっと面白いはずだ」と勝手に思ってしまっているのか、正直、数回のプレイではよくわかりません。
ベターな手がわかりやすい場合とわかりにくい場合の差が大きいのが、この妙な感覚の原因なのかもしれません。例えば自分の側にマイナスの点数が置かれれば、上にカードを重ねてマイナス点を隠すのが、ぱっと思いつく手です。ところが、下の写真のようなケースでは、どこに置けばよいのか全くとっつきどころがありません。

既に優勢なシンボルを更に数を増やすのか、いま負けているシンボルを増強するのがよいのか、何をやっても結局は相手の出方次第のようにも思えて、判断がつきません。とはいえ、ここでの行動が結局相手の行動に左右されるからといっても全く意味がないと思っているわけではないので、こういう悩みどころも混みで面白い点だとは思ってます。
カードは「女王の身代金」と同じ、安っぽいテカテカしてるやつで、開封時はカード同士がくっついていてペリペリ剥がすところから始めました。あと、基本的にややひわってますゆがんでます(ひわるは方言だったんですね…)。
そういや、女王の身代金も良い2人用ゲームだと思いますが、あちらは数回のプレイで定石めいたものがわかるんです。お互いに相手の手を読める段階になってからの面白さも良いものですが、ともすると、ゲームの仕組みは違っていても、相手の思考を読むという楽しみに集約されてしまうところはあるかと思います。というか、2人プレイのゲームって突き詰めれば、結局、相手の思考の読み合いではありますね。3人以上になれば思惑次第で変わる部分もあるでしょうが、2人プレイは思惑もくそもなく、倒す相手はひとりですから。
ところが、我が街、シカゴは自分が何をすれば良いかがまだわかっていないので、相手が何故そうするのか、何をしようとしているのかがさっぱりわからんですw。これは僕と相方の勘の悪さのせいだけではないと思いたいですが、これからプレイを繰り返して行くうちにどう変わって行くのか、楽しみです。

(どうでもいいですが、頭にナイフ刺さってるのかと思ったら羽付き帽子でした)