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CU部ボードゲーム交流会(2012.2.26)

CU部交流会にいってきました。

色々あって午前中だけの参加になりましたが、以下の2つのゲームをプレイしました。

・レーベンヘルツ(旧版)
・ペロポネソス

レーベンヘルツ(旧版)
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(インスト込み 4人で100~110分ほど)

ウサギさんのインストで(たぶん)初プレイの方々ばかりの4人で。
次の王様になるために、現国王が死ぬまでに一番多くの領土をもつ貴族になることを目指すゲーム。自分の城を含む範囲を城壁で囲うと、そこが自分の領土になります。基本的に最も多くの領土を獲得したプレイヤーが勝利します。毎ラウンド、3つのアクションが書いてあるアクションカードがめくられ、プレイヤーはそこから、自分が行いたいアクションを選びます。他プレイヤーとバッティングした場合は、お金を使った交渉で誰がアクションを行うかを交渉します。
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(灰色国があったので、灰色で)

まずは陣地をひとつ確定させないと!と強気の交渉(というかお金ばらまき)で、先駆けて陣地を1つの角で確定させてからは、盾(確定済みの陣地を2マス大きくするor騎士を1つ置く)を取って、その陣地を大きくしていきました。(たぶん)全員が初プレイということで、盾アクションが結構な割合で出てくること、騎士の置けるマスの制限が意外ときついこと等を把握できておらず、また、他の方々の陣地が確定するのにしばらくかかったこともあって、数ラウンドは全くのノーマークで盾のアクションを続けてできてしまいました。後で陣地を取られれば得点はさがるし、中央の陣地の確定具合によってはどうなるかわからないという思いはあったのですが、さすがに得点が大きく開きすぎて(最大で2,30点くらい)中盤以降は、とにかく誰かは僕とアクションをバッティングさせざるを得ない状況に(いわゆるお仕事というやつです)。
僕にアクションさせたくないでしょう?と足元をみた交渉で、つり上げた金額をもらう→自分が本当にやりたいアクションは豊富な金に任せて押し通すという非道な行いが功を奏してそのまま勝利できました。
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盾がこんなに出てくるとは思ってなかった&初期配置で角近くが2箇所とれたのが大きかったように思います(4つの角のうちひとつは森に囲まれていて使えなかったため、実質3つしかない角のうち2つを僕が取ることになりました)。

新レーベンヘルツでは交渉がなくなったという話は聞いていたので、交渉部分が重いのだろうかと思っていましたが、卓を囲んだ方々の性格なのか、大げさに聞いていただけだったのかサクサクと進みました。レーベンヘルツは陣取りゲームの傑作!というイメージでしたが、今回のゲームだと陣取りはあくまで結果で、交渉(アクションのバッティング)をどう仕掛けるのかの方が楽しかったです。
そうなると新ではなく既に絶版の旧版が欲しくなるわけですが…w。

ペロポネソス
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(インスト込み 5人で6,70分ほど)

※概要、ルールなどは過去の記事を参考ください。

大人数でやりたいなと持ちこんでいたところ、卓を立たせていただけることになったので、最大人数の5人で。
文明はHellas拡張のものも含めてランダムで。僕の文明は木と石を1つずつ生産する中途半端なものだったこと、思ったように人口&食料が増やせずに、序盤から中盤までずっとお金不足に悩まされ、競りのパスを2回もしてしまう体たらく。競りから追い出されたことも1度あり、8ラウンドしかないゲームで5回しかタイルを買えないのでは勝てるはずもなく、18点に沈みました。1位、2位はどちらも序盤から食料確保と人口増加をされていた方々で、1点差の熱い戦いだったようです。29点くらいだったような。

こういうゲームでは今更な感想ですが、序盤に無理をしてでも、その後にこつこつ積みあがっていくようにやっていかんとダメですね。僕は1ラウンド目の競りは、みなさん強気だったので「ここは逃げて、2ラウンド目で…!」と思ってしまったんですが、人口も少ない文明だったので、1ラウンド目こそ強気で行くべきだったのかもしれません。

ソロか2人かでしか遊んだことがなかったのですが、やはり人数多いと競りが熱くていいです! 金はないけど、どけられるよりはいいから5金積むか…、いや、誰も選ばないだろうからやっぱり4金で…等々。まあ、悩んだ結果が簡単にくつがえされるので、あまり計画的に勝つというのは無理かもしれませんが。

少人数時には自分の作戦に則って計画的にタイルを取れることも多いため、ハイスコア狙い的になりそれも十分に楽しいので、少人数から大人数までカバーできるゲームだと思ってます。5人でもプレイ時間はそこまでかかりませんでしたし。
どの人数でもOKというのは、人口点、文明点という2つの得点の低い方を取る=バランス良く伸ばしていかないとダメという、他プレイヤーとの戦いの前段に、自分のなかであーだこーだ考える楽しさがこのゲームにあるからかもしれません。

今回はインストがかなりたどたどしくなってしまい、同卓の方々の質問にかなり助けられた形だったので、申し訳なかったです。あと、インスト時にどこまでゲーム情報を出すのかいつも迷います。例えば、ペロポネソスでは食料が足りないと人が死ぬこともあって序盤に食糧とって徐々に出も積み上げるのは大事ですし、後半は石がないとほとんど建物を作れないので、石も確保しておく必要はあります(これらを贅沢品で代替することも無論戦術としてあります)。
経験した上で知ったことであれば、その理由、メリット・デメリットもわかっているはずなので問題ないと思うのですが、結果だけを伝えてしまうと、不必要な混乱や思考にバイアスを与えるなどの懸念がぬぐえません。しかし、定石的なものをルール+αで情報を伝えないとフェアでない場合もあります。
たぶん、「ゲームが楽しめるように」最低限の情報を出すのが良いのでしょうが、“楽しむ”の定義がひとそれぞれなんで、難しいですね。いちいち、ゲームやる前にあなたにとってのゲームの楽しみとは何かとか聞くわけにもいかんですし。

と、話はずれましたが、いつも通り和気あいあいとした楽しいゲーム会でした。
相方のお許しというか、ひだり家の事情次第なところもありますが、僕の気持ちとしては今後も開催される限りは参加したいです!

新世界/Mundus Novus

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(3人でインスト込み1時間半ほど)

【概要】

16世紀、新大陸から持ちかえられる様々な珍しいものは、ヨーロッパでは高値で取引されていました。
プレイヤーは商人となり、船や倉庫、優秀な人材を手に入れながら一番の富豪となることを目指します。

【ルール】

ゲームは以下の流れで進行する各ラウンドをいずれかのプレイヤーが勝利条件を満たすまで繰り返します。

1.イベントの発生
2.補給(資源カード補充)
3.交易(資源カード交換)
4.発展(勝利点or発展カードの獲得)

1.イベントの発生

場に出ている発展カードのうち、1番端のカードに示されたイベントが発生します。
イベントは、基本的にプレイヤーが不利になります(勝利点の獲得効率が落ちる、ある種の発展カードが使えなくなる等)。
 
2.補給(資源カード補充)

5枚ずつプレイヤーに手札が配られます。
その後、全プレイヤーが持っているカラベル船カードの枚数分、追加の補充用の資源カードが場に並べられ、カラベル船カードに書かれた数字の合計が小さいプレイヤーから順に好きな資源カードを手札に入れます。

3.交易(資源カード交換)

交易長トークンを持つプレイヤーが指定した枚数の資源カードを全プレイヤーが場に出し、交換しあいます。
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(2枚ずつ場に出され、これから交換が開始となる場面)

交換は、交易長トークンを持つプレイヤーがまず、好きな資源カードを取り、その取られた資源カードを場に出していたプレイヤーが好きな資源カードを取り…と、資源カードを取られたプレイヤーに手番が移る形で行います。
カードは各プレイヤーが場に出したものだけでなく、場に市場として並べられた資源カードも対象となります。

4.発展(勝利点or発展カードの獲得)

手札を組み合わせて役を作り、勝利点、又は、発展カードを手に入れます。
勝利点を手に入れるには異なる種類のカード、発展カードを手に入れるためには同じ種類のカードを組にします。この時、インカの黄金カードはワイルドカードとしてどの種類のカードとしても使えます。
役の公開は交易長トークンを持っているプレイヤーが指定したプレイヤーから時計回りに行い、交易長トークンは指定されたプレイヤーに渡します。

勝利点は資源カードの種類が多ければ多いほど高得点となり(7種:15点、9種25点等々)、発展カードは同じ資源カードの枚数が多ければ好きなカードを選択できるようになります(低価値のカード3枚では1番端の発展カードしか取れないが、5枚あれば場に出ている好きな発展カードが選択できる)。

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(7種15点です(実際には発展カードの特殊効果で右端の8を5として扱うことにして8種20点を獲得していますが))

勝利点、発展カードの獲得に使った資源カード、使ってない資源カードの全てを捨て札とした後に自ラウンドに移ります。

勝利条件について

ラウンド終了時に以下の3つのうち、いずれかを満たす場合、ゲームは終了します。
A.勝利点(お金)が75以上ある。
B.発展カードの山札がなくなった。
C.手札に10種類のカードを集めた(1~9のカード+インカの黄金)。

A,Bの場合には、その時点で最も勝利点(お金)を持つプレイヤーが勝利します。
Cの場合には、条件を満たしたプレイヤーが勝利します。

【プレイ内容】

4人くらいいた方が良いのかなと思いつつも、僕、F、Sの3人で。

Fは年に1,2回程度遊ぶ程度、Sは自分でもボードゲームを買うくらいの人たちです。

僕が交易長になってスタートです。
序盤、とりあえず手札枚数を増やさないとダメだろうと、とりあえず全員でカラベル船の発展カードを取りに行きます。
一応、カラベル船に書かれた数字の合計が小さい~とはなっていますが、基本的に枚数を取れば合計の数字もでかくなるので、大したカードはもらえません(いいカードは先に取られます)。

そんな中、任意のカードを7~9のいずれかに変換する発展カードが出てきます。
カードは全て同じ枚数が用意されているわけではなく、7~9は1~3の半分の枚数しかありません。というわけで、かなり強めの発展カードです。これは欲しいと思ったものの、手元にあるカードの役では取ることのできない位置にあったので、発展トークンをSに渡し、自分のところにまわってくるまでに他の発展カードをSとFに取ってもらうことで、僕の役で取れる位置までさげてもらおうと画策します。

が、Sの役はどの発展カードでも手に入れることのできるものだったので、まんまと欲しかった発展カードはSの手元に。

そして、この後、Sは任意のカラベル船の数字を0にすることができる発展カードを手に入れます。つまり、Sは余程のことがない限り追加の補充カードを常に一番に選べるようになったわけです。

追加の補充で好きなカードを選べる上に、変換効果の発展カードも持っているので、カード交換を希望する枚数も少なめです。一方で僕はカラベル船の数は多いのですが、もちろん書かれた数字の合計も大きいわけで、余り物のカードしかまわってこない上に、交換したくとも交易長であるSは少ない枚数しか指定しないという非常にいけていない状態になります。

この状況を打破するためには、倉庫を使ってラウンド間でカードを持ち越せるようにするしかない!と倉庫の発展カードを2枚手に入れたところで、火事のイベントが発生します(火事:倉庫の効果無効)。しかも、そのイベントが書かれた発展カードは造船所(自分より多くのカラベル船を持っているプレイヤー数分だけ勝利点を獲得する)だったので、カラベル船を数多く持っている僕には全く不要の発展カードで…。
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(火事イベント発生)

Fは、倉庫を僕よりも持っており、カラベル船は僕やSよりも少なかったので、Fが火事イベントを起こしている発展カードを購入してくれることを期待しますが、そこにイベント無視の効果を持つ発展カードが出てきたので、Fはそれを手に入れ、火事の被害を被るのは僕だけという状況になってしまいました。

これは全くもっておえん状況なわけですが、一方でFとSがそういった発展カードを手に入れている間に僕は、変換系の発展カードを2枚手に入れていました。

FやSと比べると発展カードが潤沢なわけではないですが、これ以上待っていてもチャンスはこない!と判断して、6,7種類のカードで手札で用意して、勝利点をもらい始めました。
FやSはまだ発展カードを取っています。

FやSが勝利点を取るようになるまでにどれくらい稼げるかが勝負!と思っていたのですが、カードの巡りもようやく良くなってきて、時には8種類の組も作れるなど、想像以上に点を稼ぐことができました。

Fたちもこれは逃げ切れられると思ったのか、カラベル船を追加で手に入れたり、多くのカードを次ラウンドにまわすようにしたりとあからさまに10種類勝ちを狙い始めます。

これで勝ったと思ったら、73点しかなかった次のラウンド、ここでFたちのどちらかが10種類集めなければ僕の勝利です。

カラベル船からの追加補充ではインカの黄金が2枚も出て、それをSが取っていきました。これは…と思っていると、Sが「1,2,3,4,5,6,7,8,9! これで僕の勝利です!」と高らかに勝利宣言したわけですが、それでは9種類のわけで…。実はSはカラベル船を4枚、倉庫は0枚だったので10種類集められるわけはなかったのですが、カードは1~9だから9種類で勝てると思いこんでしまったとのことです(勝利条件では10種類と言っていたのは聞いていたのですが…と言っていたのでインストミスではなかったようでほっとしました)。
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(惜しいSのカード)

Fもインカの黄金を3,4枚持っていましたが、カード運が悪かったことに加え、変換系の発展カードを持っていなかったので10種類集めることができなかったようです。

と、そんなこんなで75点を超えることができ、僕の勝利となりました。

【感想】

ルール自体はややこしいわけでもなく、同じカードを集める、違うカードを集めるということだけですが、10種類集めると点数関係なく勝利!というサドンデスルールのおかげもあって、戦略に幅が出ており、なおかつ、一本調子にもならないので遊んでいて楽しいです。
たぶん勝利点を集めるというだけでは、単に先に形を作って逃げ切った人が勝つというだけになっていたように思うので。

ただ、運よく10種類集めたら勝てるし、たくさんの種類を持てるようになれば得点も稼げるしと中途半端な考えでやっていると、一直線に75点稼ごうとした人や、10種類集めようとしたひとには負けることが多いと思います。
そういう点でルール通りに遊んでいるだけで楽しいようなひとには勝ちにくいゲームです。
(インスト時にがっつり勝ちに行くためには…という説明もしてよいのかもしれませんが、勝ち負けだけが重要でもないですし、自分で気づけば良いようにも思います)

とはいえ、いまの自分の状況を考えつつ、何が必要なのか、どう動けばいいかをきちんと考えれば、きちんと結果に出るので、作戦がはまればカードゲームとは言っても爽快感も達成感もあると思います。

例えば、今回の僕は手札は多くてもそれほど良いカードはないという状況だったので、少なめの点数を稼ぐようにしたり、ひとりだけ倉庫が活用できたFは10種類勝ちを狙いに行ったりしたようにです。カラベル船からの補充では良いカードがもらえる代わりに倉庫が使えなかったSは(Sの考えはわかりませんが)僕よりも少し多めの勝利点を毎ラウンド稼ぐという戦略もありだったのかもしれません。倉庫なしで10種類集めるのは結構きついです。

ですので、発展カードの獲得から勝利点の獲得へ切り替えるタイミングがポイントと言う話を聞いていましたが、発展カードの獲得のなかでも、自分のそれまでに取ったカードを元に何らかの戦略を決めるタイミングもポイントかもしれません。

イベントも今回のゲーム中ではずっと火事だったわけですが、ずっと固定ってどうなのよ?というよりも、戦略を決めるにあたっての要素として考えれば、ずっと固定で良かったようにも思います。不要な発展カードはどうしても出てくるので、むしろ数ラウンド目から固定と言うのはよくあるパターンかもしれません。
今回も一見、僕だけが被害にあっているように見えますが、Sが倉庫を使えるようになるのは、自分が倉庫を使えるようになるメリット以上に、デメリットだと感じたので放置して、その中でなんとかしようと思ったわけですし。与えられた状況内でベストを模索し、多少不利な状況でも勝つことができるのは良いゲームだと思います。

また、大航海時代と言う、数多くのボードゲームになってる上に、ロマンを感じるような、好きなひとの多いテーマであることも、このゲームのポイントかと思います。
様々な実在の人物が発展カードとして登場しているので、好きなひとにはたまらないかもしれません(新大陸発見後と、僕が好きな年代よりは先ですが)。

テーマ(というよりは設定上の年代)は異なるようですが、システム的にはマレ・ノストラムというゲームの一部を切り取ったゲームになっているようです。こちらも7不思議を集めるのが勝利条件の1つにあったり、テーマも良いですし、システム的にも面白そうです。

最後に。このゲーム、勝利点や発展カードの獲得をするために交換とかを行うわけですが、ラウンドの流れに沿って説明すると1つ1つのアクションの中身は伝わっても、目的が最後までいかないと明確にならないので、説明がどうも上滑りしているような、耳に上手く入っていっていない感じがしました。
いっそ逆に、10種類集めたり、勝利点を手に入れるためには手札のカード枚数と種類を増やす必要がある、そのためには発展カードを手に入れる必要がある、発展カードを手に入れるには同種のカードを集める必要がある…のように、目的を達成するにはという流れで説明した方が良いように感じました。

一握りのペンギン/A Fistful of Penguins

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(3人でインスト込み3,40分ほど)

【概要&ルール】

各面に動物が書かれたダイスをふって、出た目に応じたコインを得ます。
3ラウンド(3手番)を行って最もコインを持っていたプレイヤーが勝利します。

プレイヤーは手番にダイスを振ります。ダイスの数は、1ラウンド目4つ、2ラウンド目5つ、3ラウンド目6つです。

ダイスをふったらプレイヤーは3つの選択を行います。

1.ペンギンコマを消費して、任意のダイスを振りなおすか、ダイスを1つ追加して振る。
2.ペンギンの目が出たダイスをわきにどけ、数に応じたペンギンコマを受け取る。
3.ダイスの目を確定させる。

なお、ペンギンコマとの交換に使ったダイスはその手番中、ペンギンコマを使って追加する対象にすることはできません。
(つまり、「ペンギンの目が出続ける限り無限に手番を行う」ことはできないということです)

ダイスの目を確定させた後、目に応じてコインを獲得します。

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リス:
1つリスの目のダイスがあれば、左隣のプレイヤーから1金を得ます。2つあれば、左隣のプレイヤーから1金、さらに左隣のプレイヤーから2金を得ます。3つあれば、2つの時の結果に加えて、更に隣のプレイヤーから3金を得ます。〔プレイヤー数によっては、同じプレイヤーからもらうこともあります)

ヘラジカ:
ヘラジカ単独では0金です。ヘラジカの目1つにつき、リスの目が1つあれば9金もらえます。ヘラジカ1、リス2であれば、ヘラジカから9金、リスから(隣のプレイヤー等から)1+2金を得ます。ヘラジカ2、リス1であれば、9+0+1になります。

カンガルー:
ダイス1つにつき、カンガルーの目が出た数だけの金がもらえます。カンガルー1なら1金、カンガルー2なら、2金×ダイス2つで4金、カンガルー3なら3×3で9金…となります。
また、カンガルーからお金を得た際、カンガルートークンがもらえます。1ラウンド目に得たカンガルートークンなら1つ、2ラウンド目に得たカンガルートークンなら2つのダイスの目をカンガルーに変えることができます。

ペンギン:
ペンギンコマを得ます。ペンギンの目1つでコマ1つ、ペンギンの目2つならコマ3つ、ペンギンの目3つならコマ6つ…と増えていきます。

ライオン:
ライオンの目1つで7金もらえます。ただし、ライオンからお金を得る時には、他の動物の目は全て無効になります。逆にライオン以外の動物からお金を得るのであれば、ライオンの目からお金をもらうことはできません。
例えば、ライオン1、リス1、カンガルー2の場合、ライオンから7金を得るか、リス&カンガルーから5金(うち1金は隣のプレイヤーから)得るかの2択になります。

ラクダ:
ラクダの目の1つで5金になります。ただし、他の動物と違い、ライオンからお金を得ない場合でもライオンの目がでているとラクダからお金を得ることはできません。
例えば、ライオン1、リス1、カンガルー2、ラクダ1の場合、ライオンから7金を得るか、リス&カンガルー&ラクダから5金(ラクダの目からは0金)を得るかになります。

・上級ルール
上級ルールでは手番プレイヤー以外もダイスを1つ振って、その目を任意の金額で手番プレイヤーに売ることができます。

【プレイ内容】

見た目も可愛いし、ダイスゲームということで相方たちの受けもよかろうと思い、相方、Y、(超熟睡しているK)のいる場で出してみました。

ダイスも変わってるし、ペンギンコマは可愛いしと思っていたとおりのリアクションを得ます。
よしよし、いい感じだと思っていると、相方から、で、どういう背景、ストーリーのゲームなのかと尋ねられました。説明書を見る限り、そんなものはなかったのですが、いやいや、じゃあ、意味もなく動物の形の目をしているだけなのかと、例えばライオンとかはライオンの絵じゃなくて、「+7」とか書いた方がわかりやすかろうと言います。

普段は適当なところもあるくせに、やけに絡むので適当に動物の売買をして稼いでいる動物商だとでっちあげてなんとか納得してもらった後にインストしてスタートしました。

相方からスタートしましたが、相方もYも僕も、振りなおさないとダイスゲームじゃない!とばかりに、ペンギンコマを消費して2,3回は振りなおしていました。
出た目を元にどうすればお金がもらえそうか、ヘラジカが出ているのだから、リスを狙おうか等々、なんやかやと全員で相談しつつで。

相方とYは、他プレイヤーからお金が取れるということと、セットになればお金が入るという設定が気にいったのか、リス&ヘラジカ重視でやってました。1ラウンド目はダイスも少ないのでそれほどの額にはなりませんが。

僕はラクダが偏って3つ出たので、とりあえず置いておいて、ダイス追加でライオン出るな!と祈りながらのスロー。無難にカンガルーで1金と一緒にトークンゲットです。サイコロの数が増えればカンガルーの目はどんどん価値が上がるので、良いものをもらえました。

そして2ラウンド目。単価でいえばライオンの7ドルに敵う動物はいないので、他の動物が使えなくなるとは言え、そう悪い目ではないと思うのですが、他の動物を食い殺すというイメージが良くないのか、誰もライオンの目を残すことはせず、1ラウンド目で減らしたペンギンをやや補充する形で全員2ラウンド目は終了。

3ラウンド目はペンギンコマをキープする必要もないので、ダイス追加して、何回も振りなおしてベストと思われる結果を、全員目指します。相方はほとんどの目をカンガルーにあわせてきて、40金弱をゲット! Yもそれなりに良い目を出します。

僕はと言うと、ペンギン5つとか出て、今更、ペンギンコマ15個補充とか言われても…となりながらも、ライオンを4つまでそろえられたので28金をゲットし、相方から僅差で逃げ切って勝利できました。
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(3ラウンド目でこんなにペンギン出ても・・・)

【感想】

ダイスゲームはいいですね。小難しいことを考えずに振ってるだけで楽しいです。ただし、相方もいっていましたが、ダイスの各目に必然性はないですし、さらにぶっちゃけていえば、ほとんど意味のない目もあります。

僕が好きなダイスゲームは、振って振って振りまくってというタイプのゲームなので、このゲームもそこは良かったです。
今回は初めてということもあって意識できませんでしたが、序盤はペンギンコマを貯めまくって、後半、3ラウンド目は大量のダイス投入&良い目が出るまで振りなおしということができるのも面白いかもしれません。

しかし、すごく近視眼的な見方ができないと、そこまで面白くないかもしれません。振りなおし回数は限られているので、初回の振った結果を「どう活かせば効率的か」を考えるには、いろいろな効果の目があるのは良いですし、見た目も楽しいです。一方で、どの目になれば一番高い金額になるかを考えると、ライオン1択なんですよね。

リスとかで1金ずつ稼いでる場合ではないです。リスとヘラジカの組み合わせで10金、リス2、ヘラジカ2で21金ですが、ライオン3個で同等です。カンガルーも7個はそろえないとライオンの得点効率に追いつけません。
色々な動物があるのも、ライオンが出なかった時の救済というか、全くもらえないわけではない程度の認識になってしまうと、えらい無味乾燥なゲームになってしまいます。

目的が金を稼ぐという1つしかないので、手段が複数用意されていてもその中で効率の良いものに絞ってしまうような気がします(しかも金の大小というえらいわかりやすい勝利条件ですし)。
具体的なこうすれば、という考えがあるわけではないのですが、カンガルートークンのように、いまは一番の効率ではないが、後で逆転につながる目だったり、この目が多いと勝利条件が変わる、他人の結果を次第で同じ結果でも自分のダイスからもらえる額が変わるなど、ダイスを振る際の目標が複数提示されていれば、もっとよいゲームになったように思います。

シャーロック・ホームズ 10の怪事件/Sherlock Holmes Consulting Detective

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(インスト30分1事件解決まで2時間ほど)

※第一の事件である「武器商殺人事件」を遊んだ様子を書いています。ネタばれには気をつけていますが、勘が良くて、記憶も良い人の場合、実際に遊ぶ際の楽しさを削いでしまうかもしれません。読まれる場合には十分にご注意ください。

【概要】

あなたはヴィクトリア朝時代のロンドンでベーカーストリートイレギュラーズの一員となり、かの名探偵シャーロック・ホームズの事務所に持ち込まれた10の怪事件を解き明かすのだ!

【ルール】

簡単に言ってしまうとゲームブックです。
ゲームブック全盛時代にドイツゲーム大賞も受賞していますが、厳密にいえばボードゲームでもカードゲームでもないです。

1冊の冊子に10の事件が収録されており、各事件は、事件の概要を説明するイントロダクション、ロンドン中の様々な場所を訪れた際に何が起こったかが記されているゲームブック部分、事件に関する質問部分、(袋とじになっている)解答部分で構成されています。

イントロダクションを読んだ後、事件の調査をゲームブック部分で行い、事件を解決した!と思ったら質問に回答、そして答え合わせという流れを10の事件分行います。

イントロダクションは、小説として書かれており、依頼人がホームズの事務所を訪れて、事件の概要や重要な人物等について話をしてくれます。

ゲームブック部分はこのゲームの肝です。
付録として、ロンドンの地図、住所録、タイムズ(新聞)、重要人物一覧がついており、イントロダクションやゲームブック部分で登場した人物や建物で気になるところがあれば、住所録で調べてゲームブック上でそこに向かうというのが基本的な流れになります。

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(通常のゲームブックでいえば、「右に進む 5へ」のようになっている部分が、「リチャードの話が聞きたい⇒住所録で調べるとリチャードの住所は5SW(英字はロンドンの地区名)だ⇒ゲームブック部分の5SW部分を読もう」というようになっています。無論、同じ住所であっても事件が変われば違うことが起こります)

解剖結果が聞ける聖バーソロミュー病院(バーツ)や、情報屋のポーキー・シンウェルなど、どの事件でも重要な話が聞けそうな場所は、捜査の情報源一覧に載っています。

あと、面白いのはタイムズで、各事件の依頼日よりも前の日付部分に関連する情報が載っています。
これはどういうことかというと、1つめの事件でタイムズでも見とくかと3月20日付部分を読んでいた場合、先の事件を調べている時に「あれ?この人の話ってどこかで見たような…。3月20日付のタイムズだ!」となる(かもしれない)わけです。
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(タイムズ)

1冊に複数事件が納められていて、かつ、事件が時系列に沿って発生するから起こりえるわけですが、実際に事件を調べているような感覚が引き起こされて、わくわくします。

ロンドン地図は、まんまロンドン市街の地図になっています。住所録を使わなくても、地図上の建物名と住所からゲームブックの該当ページを調べることもできます。

こうしてゲームブック部分で情報を集め、既に事件は解決できたと判断したならば、各事件の最後に書かれた質問を読み、それに回答します。その後、巻末の袋とじ部分に書かれた解答で答え合わせをし、正解であれば各質問に設定された得点を得ます。
各事件はホームズも同様に調査していたという体になっており、ホームズが事件を解決するために要した手数(訪れたゲームブック上の場所)との差を先ほどの点数から引いたものが最終的な得点になります。

この得点が100点以上であればホームズに勝ったということになります。

・多人数プレイについて
一応、多人数でのプレイ方法もルールには書かれています。
ゲームブック上での行き先を手番のプレイヤーが決定し、行った先に書かれた話を手番のプレイヤーが読み上げる。そうしたら、隣のプレイヤーに手番をうつし、同様に行き先を決め…と事件が解決したと判断するまで繰り返すというものです。


【プレイ内容】

推理小説好きで集まる機会があり、色々調べていた際に、イスタリから再版されるという話を読んで、BGGを見ると、1~6人用とあったので、その集まりの時に使えないかと思い購入しました。
このホームズのゲームブックシリーズは4冊あり、学生時代には全て持っていたという相方が、「複数人で遊べるようなものじゃなかったと思ったけどなあ」と言ってましたが、まあ、そんなに高いものではない(状態にもよりますが、古本屋で買えば1000~2000円程度です)し、面白そうだしと購入しました。

ちなみに、相方は卒業する時に後輩に全て後輩に譲ってしまっており、内容も既に忘れているということだったので、相方とふたりで遊んでみました。

まず、事件に入る前に全体共通のイントロダクション部分があります。黙読だけなら早いのですが、ここはルール通りに相方に読み聞かせます(軽く10分以上は朗読したと思います)。

その後、1つ目の事件である「武器商殺人事件」に取りかかりました。

相方の手番からのスタートで、相方はどうも被害者が残したメモの内容が何を示しているかを追及するようです。では、僕は被害者の死因や犯行現場の様子を調べに行こうと、分担しました。1冊の本を共有して、交代で行き先を決めているだけなのに、相方の調べたこと、僕の調べたことが小説やドラマで2人の捜査官の場面が交互に出てくるかのように進んでいきます。

すると、別々のところを調べていた我々ですが、ある同じ単語が話の中にでてきました。

ひだり探偵と相方探偵の目がきらりと光ります。怪しいです。

ひだり探偵:「では、僕が○○を調べにいくから、相方探偵はそのまま被害者の当日の足取りをおってくれないか」
相方探偵:「わかった。では、気をつけて。モナミ」

ホームズでない探偵が混ざっていますが、それはおいておき、最初の事件と言うこともあってか、次に調べるべきと思われる場所や、事件の背景はわかりやすく、とんとん拍子で捜査は進んで行きました。
しかし、途中、もう解けているような気もするし、これ以上何を調べたらいいのか、よくわからなくなった時がありました。

相方探偵:「うーん。ちょっと行き詰ってる気がする。これってどう調べたらいんだろ」
ひだり探偵:「あ! タイムズ読んでない。ちょっと待ってて。(タイムズを読んで…) あった! ○○○だって!」
相方探偵:「急行するよ!」

そして、捜査も大詰めに。

相方探偵:「この△△ってのが誰かを特定できれば…」
ひだり探偵:「直接捜査線上にはあがってないけど、同じ○○○だし、ここ会いに行ってみよう。おお! 読むよ。『彼は△△で…』だって!」
相方探偵:「そいつだ! あと、たぶんこいつが犯人なんだけど、特定する証拠がないよね…。××が○○できれば…。あ! 最初の頃に取ったメモに○○って書いてある!こうつながるんだ!解けた!」

事件を解決しただろうとふたりは判断して、質問にとりかかります。
質問は事件の真相を答えるパート1と、事件をより深く捜査していればわかるパート2にわかれていましたが、パート2の1つを除いて、全て回答することができ、いざ、答え合わせです。

解答も僕らの回答通りで、パート2の1つを除いて全問正解となり、この時点で120点獲得できました。
しかし、ホームズは4ヶ所訪れただけで解決しているとかいう、酷いインチキ能力で、一方で僕らは22ヶ所訪れていたため、120-(22-4)×5となり、最終得点は30点でしたw。

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(事件解決の決め手になった相方メモ)

【感想】

最高でした!

ゲームブック中に書かれた内容を追っていけば、基本的に解くことはできると思います(事件と関係ないところで知識がいる問題もあるようですが)。
密室トリックを解くような奇抜な発想は必要ありません。ただ、書かれた事実から真相を想像するようなちょっとした推理は必要になります。例えば、「Aさんは犬が好きだったのに、犬を嫌っている描写があるからこの時のAさんはおそらく本人ではない」くらいの推理です(第一の事件のネタばれにはなっていないと思いますが、別の事件でこういう推理がでてくるようでしたらすいません)。

自分で推理ゲームを作った時の経験からも知っているのですが、推理小説というか、推理物が好きな人は、物事を推理するのも好きなのですが、大概、疑似的に捜査のまねごとをするのも大好きです!
このゲームブックでいえば、怪しいと思うところを住所録で調べて訪問したり、新聞を調べて事件に関係のある内容を見つけたりするところです。他にも、証言をもとにタイムスケジュールを作ったり、現場の図を作って移動経路を確かめたり、ちょっとした矛盾を証言間で発見したり、指紋を採取したり等々、推理好きの人が好きな行動はたくさんあります(一部例外ありです)。

ファンタジー風味のゲームブックが受けたのは、“冒険している”感じがしたからだと思いますが、このゲームブックでは“捜査している”感じがすごいあります。このワクワク感だけで十分です。

つまり、捜査があれば実際には難しい問題は必要ないんです。俺は難しい問題を華麗な推理で解きたいんだ!という人もいるでしょうが、そういう人でも実際にやってみれば楽しめる内容かと思います。
今回、僕が遊んだのは1問目だけなので、これから難易度はガンガン上がっていくのかもしれませんが。

このゲームの難点は、非常に楽しいゲームではありますが、あくまでゲームブックなので10回遊んだらもうおしまいという点です。
遊んだ後、5年くらい寝かしておけば、また遊べるようになるかもしれません。

あとは、質問に進むタイミングが“解けたと思ったら”と曖昧なので、実際に質問を読んでみて、「知らないひとのことを聞かれた…」と、明らかにまだ解けていなかったという状況が起こりえることでしょうか。まあ、そうなったら、無理に回答せずに、また捜査に戻ればいいわけです。
厳密にいえば、得点計算上でずるをしたということになりますが、ホームズの回答(というか、回答にいたるまでの訪問場所数)がインチキなので、得点は気にせず、質問を回答できるかを楽しむのがよいと思います。

推理物は好きだけど、ちょっと難易度が高い…というひとは、先に質問を読んでしまうのも良いかと思います。逆に自信があるひとは質問を読んでしまうと楽しさが半減してしまうでしょうが。

やる前は、複数人で遊ぶのはあまりいけてないのでは…と思っていましたが、実際にやってみると、プレイヤー間で発見を共有できますし、協力ゲームとして非常に楽しいです。
ただし、複数人プレイだと文章を読み上げる必要があります。今回は、僕が文章を読み上げ、相方がメモを取る形で進めましたが、1つの事件でも文章量がかなりあるので、文章を読み上げるだけで結構な時間がかかります。メモも僕の言葉からひろうため、読み上げを途中で止めて待ったりしていたので、ひとりでやる場合にはもっと短時間で終わるかと思われます。
無論、僕と相方くらいのずっこけと勘と推理力でという前提にはなりますが。

先の事件に進むに従って、前の事件の時に読んでいたあの新聞の記事が!となるようなので、これから時間を見つけて相方と遊ぶのが楽しみです。

もし、興味をもたれた方がいらっしゃれば、既に絶版なので購入の際には、日本の古本屋を利用されると良いかと思います。

フランス語がわかるのであれば、イスタリのリメイク版もかっこ良いです。

【余談】

このゲームを遊ぶ際に一番の問題になったのは、「解答の袋とじを開けるか?」でした。普通の人の感覚はわからないのですが、新刊本で複数冊手に入るならともかく、絶版本の袋とじを破るなどどう考えてもできないだろう!と悩みました。
(それほど稀覯本というわけではないですが、袋とじ未開封の本は今以上に増えることはもうないのですから)
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まあ、上から覗けば普通に読めたので、未開封のままですみました。

余談ついでに、袋とじ付きでメジャーなのは、『生者と死者』(泡坂妻夫)と『歯と爪』(ビル・S・バリンジャー )でしょうか。『生者と死者』は袋とじを開けると長編小説、開けないと短編小説として読めます。『歯と爪』は袋とじ未開封なら出版社が代金を返金してくれるという本です。
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(長編用と短編用。古本屋で見かけてつい購入してしまった未開封の『歯と爪』)

あと、似たような作りの本として『マイアミ沖殺人事件』(デニス・ホイートリー)も有名です。こちらは、血痕の付いたカーテンや採取された指紋、毛髪、使用済みのマッチなどの実物が付属しており、捜査の雰囲気が存分に味わえます(やったことないので、そのはず!程度ですが)。文庫版は実物ではなく写真になってます。

ちょっとずれますが、『秘文字』(泡坂妻夫)という本もあります。全編暗号で書かれた小説で、暗号を解かないと読めません。相方が本当にたまーに思い出した時に暗号を考えており、相方のライフワークになっていますw。
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(『秘文字』の本文)

祈り、働け/Ora et Labora

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(2人でインスト30分、ゲーム2時間ほど)

【概要】

あなたは中世の修道院長です。布教のために土地を切り開き、施設を建設し、村を作り、神の教えを広め多くの人々に伝えましょう。

【ルール】

プレイヤーは終了条件を満たすまで、ラウンドを行います。各ラウンドでは、スタートプレイヤーだけが2回、他のプレイヤーは1回のアクションを行います(ラウンドごとにスタートプレイヤーは時計回りに交代します)。

各プレイヤーは、以下のアクションから1つを選んで行います。

1.建物の効果を使う
2.森または泥炭地を開拓する
3.建物を建てる

1.建物の効果を使う

既に建っている建物に修道士コマをおくことで、建物の効果を得ます。
建物は、アイテムを得たり、アイテムを加工したりと様々な効果があります。
他人のボードにある建物もお金(ワインやウイスキーで代用可)を持ち主に支払うことで、他人の修道士コマを建物に配置し、効果を手番プレイヤーが得ることができます。

2.森または泥炭地を開拓する。

ボード上におかれた森、または、泥炭地のカードをボード上から除外します。
森を除外すれば木が、泥炭地を除外すればピート(泥炭)が手に入ります。

3.建物を建てる。

場に公開されている建物から1つを選び、必要な資材を支払うことによって建物を建てることができます。
建物によっては、海岸、山地等の建築場所の制限があります。

建てた時、手元に副修道院長(でかいコマ)が残っていれば、ただちにその建物に配置して、効果を得ることもできます(個の配置はアクションを消費しません)。

また、以下の行動は手番中であればいつでも好きなだけ行えます。

・麦を藁にする
・1金と5金の両替
・追加ボードの購入と配置

ラウンド開始時の処理について

ラウンド開始時、自分の修道士が全て建物に配置されているプレイヤーは、全ての修道士コマを手元に戻します。(任意のタイミングでコマを手元に戻すことはできません)

次に、収穫リングをひと目盛分、反時計回りにまわします。
収穫リングは、そのラウンドで各アイテムがいくつ手に入るかを表しています。以下の状態なら小麦と木なら2個、レンガは3個です(実際にはもっとリング上には多くのコマがおかれます)。いずれかのプレイヤーがアイテムを獲得するアクションを行った場合、コマは0のマスに移動します。
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収穫リングが建物コマの場所を通過すると、村フェイズを行います。
村フェイズがあれば村フェイズ後に、なければそのまま各プレイヤーがアクションを行います。

村フェイズについて

必要なエネルギーと食糧を支払うことで村カードを配置できます。村カードは初期に配られる分と、各村フェイズに補充される分がありますが、全プレイヤーに同じものが配られます。
また、新たな建物カードを場に公開します。

得点計算

終了条件を満たすと、得点を計算します。得点は、以下の3つの合計です。
・手持ちのアイテムトークンに書かれた点数
・自分が建てた建物と村に書かれた経済価値
・村、及び、村に面して建てられた建物の居住価値

合計点が最も高いプレイヤーが勝利します。

【プレイ内容】

相方は、トークンを型から抜く時にえらい大量(400個以上)にあるのを見ていたので、「重そうだからやりたくない」と言われるかもと思いましたが、「ショートゲームだと1時間ってあったし、なんか軽そうだからいいよ」と快くプレイすることを了解してもらえ、2人プレイを遊ぶことができました。

相方は軽そうとはいっていましたが、2人プレイだと終了条件が「建物が最後の1つになること」とあったのを見て、僕は長くなりそうな予感がしていました。
まあ、終わらなければ途中終了でもいいやと思いつつ、インスト開始です。

できることは単純ですし、誰かがアイテムをとったら補充されるまでもらえる数は減る点や素材を払って建物を建てたり、誰かが使っている建物は使うことができないというのは、ル・アーブルと同様なので、意外とすんなりインストは終了しました。
お金を払えば他人の修道士コマを配置できるというのが、ちょっと伝わりにくかったですが、ひっかかったのはそれくらいです。

説明用のルールやプレイエイドが付属されていたのも大きかったと思います。

※以下、初回プレイということもあり、途中途中でルール誤りが見つかった時点で是正できるものはできる限り直しています。そのため、建物やボードの位置が写真によって変わっている場合があります。

相方の手番から始まったものの、相方はお金を取らなかったので序盤の1金は貴重だろうと、お金取る⇒追加ボードを2金(次の追加ボードは3金)で購入してみました。ぱっとみた感じ、森の開拓が一番効率的に木を入手する方法ぽかったので、森が多い方の面で追加しました。

一方で相方は石を序盤から手に入れることのできる石材商を建築します。まだ、石を使う建物はそう多くはないですが、なんとなく強そうです。
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(序盤の相方のボード)

ル・アーブルでは序盤で屠殺場を建てて、肉を作るというのが強かったような覚えがあったので、精肉所を狙ってましたが、相方も当然狙っていたわけで、見事に建てられます。家畜も相方に大量にとられてしまったので、仕方なく麦からパンを作ろうと風車小屋を建設しました。
パンは食料としては肉に比べると効率悪いですし、風車小屋で麦から小麦粉を作った上で、ベーカーリーで小麦粉を元に焼かないと出来上がりません。結構な手間だなあと思いつつ、いったん作った小麦粉が無駄になるのも嫌なので作りましたが(結果的に食料は正直、そこまで厳しくはありませんでした)。

石が欲しければ相方の建物を使うしかないわけですが、2食料、1エネルギーごとに石1つとそんなに効率は良くないかも?と思っているうちに収穫リングが進み、石切り場が出てきてしまいました。
この建物を使えば収穫リング上に示された数だけ石を手に入れることができます。そんなわけで、さくっと石切り場を建てて、そこから石を取るようにしました。

2人プレイだと(1手番2アクションですが)自分と相手の手番ごとに収穫リングがまわるので、(調整はされていますが)なんかあっという間に時間も進むし、アイテムの入手量も増えるような感覚がします。自分にまわってくるまでに行われるのも2アクションだけなので、貯まったアイテムも意外と思っていたとおりに取れますし。

まあ、これは相方が僕と比較してアイテムを取りに行くよりもぎりぎりのアイテム量で建てられる建物を建て、建物の効果で変換してアイテムを手に入れるようにしていたこともありますが。

石切り場を建てることができたので、できるだけ相方に使われないように気を付けて、石をできるだけ独占するようにします。後半は石を使う建物も多いので、これで相方の選択肢をぐっと減らすことができました。

相方は修道院作業場で陶器をつくったり、ブドウ畑とワイン醸造所でワインを大量に作って、それらを売って手に入れたお金で宮殿を建設していました(そのせいで経済状況はきゅうきゅうになっていましたが)。
この後も相方は、城壁や造船所など高得点の建物を次々に建てていました。
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僕はと言えば、豊富な石を活かして修道院教会や聖具室など、修道院系の建物を建てまくることができました。
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偶然ではありますが、序盤に作ったベーカリーのパンを活かして、本や装飾品、聖遺物をいくつか作って、聖具室で奇跡(1つで30点もらえるアイテム)を手に入れます!
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(トークンもでかいです!)

相方:「なんかお手軽な奇跡だねえ」

奇跡の材料となる聖遺物などはまだ持っていますし、修道院系の建物を建てまくったこともあって、牧師館の効果も大きく、一度で12点分のアイテム(2人ゲームだと1つあたりの点数が下がるので9点の間違いでした)を手に入れることができるということもあり、修道士が手元に戻ってきたらまた聖具室でもう1つ奇跡を作ります。
まだ聖遺物等を作って、奇跡を手に入れるという流れをまわすことはできたのですが、それって楽しいか?という気分になり、相方とそろそろ終わらせようかと、建物を一気に建ててゲーム終了となりました。

アイテムからの点数では、僕が奇跡2つやら、大量の聖遺物、装飾品やらで相方に60点差をつけ、あれ、これって相方は寂しいことになるかもと思ったものの、居住価値、経済価値では相方が勝っており、結局、265対257と意外と僅差で僕が勝利しました。

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(終了時のお互いのボード)

【感想】

BGGでも8点以上、僕の好きなル・アーブルからいいとこ取りをしたゲームということで期待していたのですが、正直な感想は、期待していたほど面白くは感じなかったというところです。

このゲームの面白さは箱庭を作るところと、建物を使ってアイテムを成長(最初は小麦でも色々な建物を使っていくことで奇跡になるような)ところだと思うのですが、僕はどちらにもそこまで面白さを見出すことができませんでした。

箱庭作りは、単に得点の高い建物を作っていくだけで、「自分の村を作っている」感じはしません。
無論、自分の思い通りの村を作ること、例えばうちの村はブドウ農園を中心にワイン産業で栄えさせるんだ的な思いを持って建物を建てることはできますが、他人の建物を使う条件がゆるいこともあって、自分の、感はありません。
ゆるいとは言ってもお金などを支払う必要はあるので、基本的には自分が建てた建物中心で計画を立てますが、ふたりゲームだとお金が互いを行き来するだけなので、使える建物ならどちらが建ててもさほど気にはなりませんでした。

村カードによって建物を建てる位置や、村の種類自体でプレイヤー間の個性はでますが、村は単なる居住価値を発生させるためだけの手段にすぎないので、村の選択にも得点以外の要素はありません。例えば漁村を作ったからといって漁が有利になるとかはありません(ルール見逃しかもしれませんが)

アイテムを変換して成長させていくところも、感覚的で申し訳ないのですが、(タイルなのだから当たり前という以上に)どうも無機質で、何らかの数値を与えられた記号以上には感じませんでした。修道士の生活に疎いので、何故こうなる?が先行してしまったのかもしれません。
陶器、装飾品、本、聖遺物を聖具室に持ち込むことで奇跡になる!というのも、点数が増えて30点になるという以上の感じは受けませんでした。

テーマがほとんどなくてシステマチックなところを楽しむゲームはたくさんありますし、そういったゲームにも好きなもの、楽しめるものはたくさんあります。
では、何故、僕が楽しめなかったのかというと、1点目としては、このゲームの煩雑さは、ある程度、現実をシミュレートしているからこそ発生しているものであるため、テーマにのっかれずに冷めた目で見てしまうと単に(無駄な)手続きが多いだけと感じてしまったことがあります。

2点目は、2人ゲームだったせいもあると思いますが、基本的に欲しい建物は建てることができる(相方と被りまくったとしても、単純に考えて5割建てられるので、実際には7,8割は建てれていた)し、建物の配置は基本的にどこでも建てられるし、アイテムは大量に手に入るし、建物は(相手に建てられていたとしても)使えないタイミングなどそうそうないし、食料が足りなくても別に餓死とか緊張感のある要素はないし等々、なーんも考えなくても、好きなことができてしまったこと。

3点目は、2人プレイでは建物が残り1つになるまで終わらない=2人とも終わらせる必要を感じなければずっとプレイし続けることができたことです。
実際には勝っている方が逆転される前に終わらせるのでしょうが、細かい得点手段を全て、終盤になれば200点以上の得点を、計算した上で、今勝っている負けているというのは判断できないので、圧倒的に勝っている人がいる時と、ようわからんがもう十分遊んだから終わらせようとでも考えた時くらいしか終わりません(今回のゲームでは得点の低い建物が残ったので、建物を建てる以上に得点を得る手段がふたりにあったことも大きいのでしょうが)。

個人的な思いですが、ゲームのシステムを楽しむだけならルールは単純なもので十分です。テーマ性があり、それをゲームで再現しているからこそ、多少の複雑さもゲームの面白さに結びつくものと考えています。なので、ゲームから冷めてしまった時点でこの煩雑さは必要性も感じられず、ついていけませんでした。
一応補足ですが、ルールは単純です。説明書も丁寧ですし処理に迷うことはないので、ルールは複雑なことはないです。単に僕が無駄に煩雑なと感じただけで、AをBに変えて、BをCとあわせてDにして…というのを考えるのは、基本的に面白いですし、相方も難しくなかったし、(僕が楽しめなかったというのに対して)そこまで悪いとは思わなかったと言ってました。

あとは、よくゲームの面白さを表現する時に、ジレンマという言葉が使われます。やりたいことが両立できない、制限の中でどう計画するか、どう他人より一歩先んじるかというのが面白さにつながっているのだと思うのですが、2人ゲームだと、祈り、働けは、超ゆるいです。わかりにくい例えだと思いますが、「桃を何個食べられるか競うゲームをやろう。桃は君が欲しいと思った時に目の前に現れる。時間制限もないし、君が欲しいと思った時にだけ食べるだけで構わない。ゲーム終了は君が『終わり』と言った時だ。勝ち負け?競争相手?そんなものはないよ」とでも言われたゲームに参加しているような。
一部、ル・アーブルのシステムが使われていますが、あれは、限られたラウンドで、常に足りない食料を気にしつつ、どう効率的に立ち振舞うかという制限のなかで最適解を行うゲームだったから、楽しめたし、好きだったんだなあと。

細かくは書きませんが、どの得点方法を重視してもいい勝負になる、わかりやすいルールでひとの手を気にしつつ遊ぶゲームで、邪魔をされてもリカバリー手段もある等々、文句ばかり書いてはいますが、良いゲームだとは思っています。あくまで僕の感覚として2人ゲームは面白くなかったということなので、今度、3人以上でのゲームをどこかで機会を見つけて遊んでみたいです。

最後に余談ですが、昔、ヨーロッパ旅行に行った時に列車から撮った写真(見えにくいですが、山の上に教会?があります)です。こんなところにまで教会(修道院?)を建てるのか!と驚いた覚えがあります。このゲームも最初はこういう環境なのかなあと。
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プロフィール

ひだり

Author:ひだり
川崎市で相方や友人たちとボドゲやってます。

オールタイムベストは、
・グローリー・トゥ・ローマ
・バサリ
・インペリアル
・アフター・ザ・フラッド
・ゴッズプレイグラウンド
・HABA社製品 全般

推理ゲーム好きだけど↑には入ってないという
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連絡先:hidarigray@gmail.com
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