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アフター・ザ・フラッド/After the flood

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(3人でインスト込み5時間)

【概要&ルール】

古代シュメールの土地では、多くの国家が繁栄と衰退を繰り返していました。各時代で建国し、他地域を攻め入ったり、都市の拡大することであなたの部族の威信を高めましょう。

ワレスの3人専用のゲームです。プレイヤーは部族の長のような立場になり、自部族の労働者を各地域に派遣して交易し、得た交易品で都市を拡大したり、国家を興していろんな地域を占領したりすることで勝利点を得ます。5つの時代(1250年)経過後に最も勝利点を得ていたプレイヤーが勝利します。

ゲームは複数ラウンドで構成され、ラウンドごとに以下を行います。

・収入:穀物や織物を獲得します。
・衰退:規定ラウンドでは時の流れによって労働者コマをボード上から規定数排除します。
・アクション:後述の様々なアクションを行います。
・手番決め:アクション終了時に各プレイヤーが手番決めに費やした資源をもとに次ラウンドの手番を決めます。
・勝利点獲得:軍隊コマが置かれたエリアごとの点と、都市の拡大に費やした資源による点を得ます。
・次ラウンド準備:軍隊コマを全て除去する等次ラウンドの準備をします。

アクションは以下を手番順に1アクションずつ、パスするまで行います。

・都市の建設:空いているシュメール地域に都市コマを置きます。
・労働者の配置:資源を消費し、資源の価値に応じた労働者を配置する。
・交易:労働者が置かれたエリアごとに決められている資源を手元の資源と交換する。
・建国:国を建て、軍隊コマを手に入れる。その際、資源を消費することでコマを追加したり、装備を良くすることができる。
・軍隊:軍隊コマの移動(戦争)、都市の破壊を行う。
・パス:次ラウンドの手番決めに費やす資源を置きつつ、パスを宣言する。以降、手番を行うプレイヤーは資源やコマを1つ消費する必要がある。

【プレイ内容】

前回、ゴッズプレイグラウンドを遊んだ際に同じワレスの3人用ゲームとして用意してくださっていたアフター・ザ・フラッドを、ゴッズプレイグラウンドを遊んだのと同じメンバーであるmoonさん、PHYさんとプレイすることができました。
ワレスということでルールは簡単ではないので、事前にひととおりルールを把握してからの参加でした。

都市の建築はリソースの消費もなく、しかも都市を建築した土地に応じて様々な特殊効果がつくので、まずは使えそうな効果の土地をおさえる意味で都市の建築から始まりました(ルールブックでも最初は都市の建築をすると良いよとあります)。

このゲームでの得点方法は資源を使って都市を拡大するか、軍隊で土地を占拠するかのどちらかです。(この時点では)都市の拡大が主な得点源だと思っていたこともあり、資源を手に入れられる機会を増やすという意味で僕が最初に抑えた土地は、「交易を1回追加できる」でした(正確には別に資源の数は増えないので勘違いではありましたが)。

moonさんは「軍隊の初期数に2コマ追加」、「軍隊での1土地あたりの点数をあげる」、「他プレイヤーが自都市を破壊するために必要なコマが3コマになる」など、軍事関連の土地をまとめて取られ、PHYさんはラウンド開始時の織物収入を1増やす土地などに建てられてました。
moonさんに3つ都市を建てるのを許してしまったのは後から思えば失敗だったのですが、僕は僕で軍隊が呼ばれる前にとっとと交易してしまいたかったので、さくっと労働者を配置して都市の特殊効果を使いつつ交易して資源を集めます。ここで、「何その能力、強い」とヘイトコントロールがw。最終的には1ラウンド目にmoonさんが押さえた3能力が人気になったわけですが、まあ、少しでも目立ったら潰されるのがマルチの宿命です。
その後、moonさんが建国して軍隊コマを入手、さっそく僕の交易追加能力のある土地に建ってた都市は破壊されてました。その後、PHYさんも建国されたものの軍隊コマのバラマキだけで終了。僕は1ラウンド目は建国が3番手になると軍隊コマが3つしか手に入らない(最初に建国すれば10個)ということもあり、建国しても蹂躙されて終わりそうと判断して今回は見送りました。

PHYさんmoonさん間で小競り合いはあったものの、双方それほど戦力は減らず、結果、moonさんが軍隊だけで18点を獲得しトップに。僕は力を入れようとしていた都市の拡大を行ったんですが、持っていた資源では14点までしか伸びず(最大20点)、主な得点源と思っていた都市の拡大だけではそれほど点が伸びないことにようやく気付きます。

このゲームでは手元のコマを得点へ変換するわけですが、手元のコマが増えるのはラウンド開始時の収入時の資源コマと建国時の軍隊コマしかないわけで、得点リソースを増やすという意味で建国は必須のようです。得点のバランスとして軍隊重視か資源重視かという選択はあれど、ふたつの得点源を使わないと勝てそうにありません。
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(1ラウンド目の様子)

それではということで、2ラウンド目は最初に建国して軍隊コマを大量に手に入れちゃる!と思いつつ、2ラウンド目に突入です。

moonさん:「じゃあ、衰退なのでボード上から労働者コマをどけます」
僕&PHYさん:「えーー! あ、ほんとだ衰退はラウンドの終わりじゃなくて頭だ」
moonさん:「君ら、ルールブック読んできたんだよね!?」
僕&PHYさん:「読んできました!」

とまあ、そんな冗談のようなやり取りもありました。なんとなく、他のゲームではラウンド終了時にやることが多い処理なので勘違いしていましたが、1ラウンド目に2ラウンド目に残るんだから…と考えて配置していた労働者もきれいさっぱりいなくなることに。まあ、これはこれで新たな気持ちでできるからいいやと気持ちを切り替えて、2ラウンド目。
当初の狙い通り、さくっと建国します。2ラウンド目の1番手に建国した国は他の国からやや離れた土地がスタートになるので他の勢力と絡まずに空いた土地に兵士をばらまいて得点だとのんきに考えていたのですが、お仕事としてmoonさんの持っている都市のどれかは破壊しておかんとやばかろうと判断して、moonさんの都市を破壊したのですが、2コマで済むところが3コマかかるのが地味に痛いです。
よーしこれで残ったコマをばらまいて、1土地あたりの得点アップの土地に都市も建てて得点ゲットだぜーと思っていたのですが、当然そんなうまくいくはずもなく、戦争でコマが削られ、思うほど点は伸びず。
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やはり2ラウンド目でもmoonさんが資源と軍隊のバランスをうまく取られて点を1ラウンド目以上に伸ばし、おってPHYさん、僕はちょっと離される展開に。資源と軍隊の両方から得点することが必須とか言いながら、実は1ラウンド目で収入を決めるマジョリティーで単独最下位においやられ、ひとりだけ収入がへこんでいた状態だったので2ラウンド目は都市の拡大がうまくできなかったのが点数が伸びなかった原因だということはわかっていました。

そろそろなんとかしないとなーという3ラウンド目。4ラウンド目の頭で衰退があるのでここで労働者をつぎ込んでも無駄になる場合があります。が、そんなことも言ってられないのでこのラウンドは軍隊はそれほど力を入れず、資源の獲得と次ラウンド以降の収入を増やすことに注力することにしました。
何故、資源の獲得に力をいれることにしたかというと、交易対象としてラピスラズリがある土地をようやく押さえることができたからです。

資源は、穀物、織物から始まり、鉄や金など全部で8種類あり、このうち、鉄、金、オイル、ラピスラズリの4種類だけが都市の拡大に使うことができ、種類数によって点が変わります(3種なら14点、4種なら20点など)。同種の資材を複数持っていても1回の都市の拡大では意味がありません。そして、交易で交換できるものは土地ごとに固定で、鉄、金、オイルは複数の土地で手に入る(それら3種のどれでも交換可能な土地があったりします)のですが、ラピスラズリだけはボード上に1ヶ所しか交易可能な土地がありません。これまではこの土地をmoonさん、PHYさんに取られていたのですが、ようやくこの3ラウンド目に取ることができたのです。

そんなわけで、正直迷いましたが、もうこれ以降、この土地は取れないと判断して次ラウンド以降用のためにラピスラズリを複数獲得しました。収入を決めるマジョリティーでも3人の熱い戦いがあったりしつつ、全5ラウンドのうち、3ラウンドを終え、いよいよ後半に突入です。
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(この労働者の大半は衰退でいなくなってしまうにも関わらず、負けてられんと投入する3人。資源の交易は1対1交換なので、交易で1資材の価値はあげられても数は収入以上に増えることはありません。そして、資材は労働者を雇ったり、軍隊コマを増やしたり軍備を強化するのに使いますが、その際にお釣りがでるわけでないので、資材数はアクション数ともいえるのです)

3ラウンド目が終わった段階でmoonさんは得点トラック2周目に突入し、点差はやや縮まったか、変わらずというところでPHYさん、僕と続きます。
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4ラウンド目はこれまでのラウンドとやや異なり、建国時にもらえる軍隊コマ数が建国順によらず同数です(例えば1ラウンド目だと、最初が10コマ、2番目5コマ、3番目3コマですが、4ラウンド目は全て10コマもらえます)。そして、建国位置は僕とPHYさんが協力すればmoonさんを2人で攻撃できる位置。
このラウンドで叩かないともう追いつけないと判断して、PHYさんも僕も装備を強化、PHYさんは軍隊コマも増やして臨みます。感想戦でmoonさんが「怖かった」と仰っていましたが、完膚なきまでに僕もPHYさんもmoonさんの土地に攻め込み、軍隊コマを倒していきました。
結果、このラウンドでmoonさんはほとんど得点できず、僕は軍隊でもかなり得点できたことに加え、前ラウンドに取っておいたラピスラズリを使って都市を拡大できたことが大きく、moonさんを逆転しただけでなくPHYさんにも追いつきました。
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そして、最終5ラウンド目。泣いても笑ってもこれで最後です。moonさんは前ラウンド叩かれつつも最終ラウンドで最多の軍隊コマ数を持つ国が建国できるよう労働者を残されていました。そして、僕とPHYさんは建国位置が近く、コマをばらまくのに競合しそうでしたが、moonさんは北に広いスペースを持っていました。しかも、スタートプレイヤーを取っています(前ラウンドでパスする際に資源を払います。この払った量が多いプレイヤーが先手番を取れます。要は競りです)。

そして、1手目。建国するか、交易のための労働者をまくか…と思っていると、ここで長考に入られます。僕もPHYさんも他プレイヤーから邪魔されずに1手目から建国するために、前ラウンドから建国したい土地に労働者を予め配置しています。建国するためには、建国可能な土地で労働者数が単独トップである必要があるからですが、この予め配置していた土地に、より具体的にはPHYさんが建国しようとしている土地に労働者を配置して、建国を邪魔しようとされていたのです。
そこまでするべきなのか。それとも、どうせ次のPHYさんの手番にはどうせ労働者が送り込まれて、労働者数で逆転、建国可能になるのだからやらなくて良いか。かなり悩まれていましたが、そこまできつい手を打たなくてもよいと判断して見送られていました。
(この時のmoonさんとPHYさんの手持ち資材数がどうだったかは覚えていないので、労働者数でトップを取り合う展開になったとして、どちらが最終的に勝ったか、はたまた諦めたかかはわかりません。どちらにせよそこで資材を使ってくれれば、第3者である僕は得をしていたのは確かです)

結局、3者が前ラウンドに思っていた通りの場所で建国しました。前ラウンドで追いつけはしたのですが、ラウンド間で持ち越した資材数などで僕は劣っており、軍隊コマ数でも装備でもトップを争っているPHYさんに負けていました。
そして、このゲーム、一応装備で軍隊の強さが変わりはしますが、ダイス判定の確率では、攻めた側は装備が劣っていても6割、装備がまさっていれば8割は勝てる上に防御側はダイス判定を失敗するのを祈ることしかできないという、攻撃側有利なルールです。それはみんなわかっていたので迂闊に既に他プレイヤーがコマを置いた場所にコマを配置することができません。

ということで、あまり関係のない場所に軍隊コマを進めたり、労働者コマを配置したりで、なんとか他プレイヤーが先に動いてくれるのを待ちます。しかし、僕は軍隊コマ数も隣接せずにおける土地数も一番少なかったため、どうにもできなくなり、仕方なく隣接エリアへ進軍。そしてPHYさんの軍に蹂躙されましたw。
こうなれば国境は隣接しているので今度はこちらから攻める!と意気込んで進軍したもののダイス判定は失敗。moonさんも時を置かずして北からPHYさん軍へ攻撃!失敗→追撃!(攻撃時は失敗判定後にさらにコマを使って攻撃ができます)→失敗→追撃!→失敗と装備で劣ってるとはいえ、僕とmoonさん、なんと4連続でPHYさんへの攻撃失敗!(計算してみたところ3%くらいみたいです)

PHYさんは1土地あたりの得点アップの効果の土地に都市を建てていたので土地数が同じでは軍隊での点では勝てないのです。そのための攻撃でもあったのですが、残念ながら及ばず。僕は僕でこっそり最後に都市を拡大するための資材を残しており、その点でどうにか…と思っていましたが、軍隊コマで取られた点数をまくるほどはなく、PHYさんの勝利で5時間にも及んだ熱戦は終了しました。
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【感想】

まだボードゲームにはまったばかり、2時間超えのゲーム等遊んだことがないような頃、当時、読んでいたmoonさんのサイトで、ブラスや蒸気の時代などのワレスのゲームをプレイする様子がいかにも楽しげに書かれており、ちょうどその頃にとあるゲームショップに、アフター・ザ・フラッド、スチールドライバー、ティナーズ・トレイルの3作が入荷したのを、よくわからんがこのワレスと言うひとのなら面白いに違いない!と清水の舞台からとびおりるつもりで購入したゲームです(3作とも1万円越えだったこともあり、アフター・ザ・フラッドのみ購入しました)。3人専用、プレイ時間は超長そうということで我が家のプレイ環境では遊ばれることもなく、棚の隅でずっと眠っていたのを5年越しで遊んだわけですが、遊んで良かった!買って良かった!偉い!と当時の自分に言ってやりたいです。

まあ、そんな思い入れはさておき純粋に超面白いゲームです。
偏った作戦が強いゲーム、得点源が競合しなかった人が勝つゲームなどありますが(そういったゲームの中にも面白いゲームはたくさんありますが)、全員同じ得点リソースを取り合い、どのリソースも疎かにしていては勝てない。そんなガチで濃厚なゲームでした。
やってる間は神経をすり減らしている感はありましたが、5時間と言う長さを感じさせず、だらける瞬間もないというのはとんでもないなと。

1ラウンド目にmoonさんが取られた「軍隊の初期数に2コマ追加」、「軍隊での1土地あたりの点数をあげる」、「他プレイヤーが自都市を破壊するために必要なコマが3コマになる」の3都市が強いようにも思いましたが、そことれば勝てるというわけでもないですし。
まあ、3人が殴り合うことでトップが飛び出ることを防いでいる面もどうしてもあるため、殴り合いを躊躇するようなメンバーだとまた、違うのかもしれませんが。

殴り合いでバランスを取っているせいだと思うのですが、後半の2ラウンドは全プレイヤー軍隊コマの数が多いですし、特に4ラウンド目は軍隊コマの数が同じという「2位3位でトップを叩くのに絶好の機会」になっているのが、前半どんなに頑張ってもリセットされるようで好みはわかれるかもしれません(僕はこのせいでそれまでのことが無駄になるとも思いませんし、後半を見据えてプレイするというのも大事だと思いますが)。

さらに、交易で交換して資材の価値をあげ、その資源をどのアクションに消費するか、最適解が見えるわけではなく、なんとなくこれはやらなければならないという点を見るだけで精一杯のボリュームなので、やってられないと思う人もいるかもしれません。僕は例え最善手かどうかはわからなくても、各アクションを行っているだけで楽しいというダメ具合でしたが。
また、戦いの勝ち負けの判定がダイスと言うところも人を選ぶかもしれませんし、どんなに早く回しても3時間はかかると思われるので、そもそもプレイ機会自体なかなか持てそうにないっちゃないです。
そんなハードルの高さがあっても、機会があればまた是非遊んでみたいタイトルです。

軍隊コマもずらっと並ぶといい感じです。いろんな人に聞くと足が折れてるとか破損していることも多いみたいですがw。
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アライアンシズ/ Alliances

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(4人でインスト込み30分ほど。フルゲームだとおそらく45~60分ほど)

【概要&ルール】

軍団を率いて他国を侵略せよ!
ただし、トリックテイクで!

特殊カード入りのマストフォローのトリックテイクです。ゲーム開始時に競りがあり、達成するようにプレイします。

・競り

場の中央に20カ国の分の国のタイルが置かれています。このうち、何カ国を征服できるかを競ります。この際、征服できる国数+切り札スートで宣言します。スートは政治、経済、軍事の3種があり、国数が同じ場合は、政治>経済>軍事の順にスートの強さで宣言をあげることもできます。いずれかのプレイヤーが宣言した後、全員がパスすればその宣言で次ゲームを行います。

・トリックの流れ

トリック開始前にリードプレイヤーはどの国(タイル)を攻めるかを選択します。その後、カードを1枚プレイします。その後、リードプレイヤーがプレイしたカードのスートと同じものを全プレイヤーがプレイする必要があります。この時、同じスートがなければ別スートのカードをプレイしても構いません。
全プレイヤーがカードをプレイした後、同じチーム(4人戦はチーム戦になります)の同じスートのカードの数字を合計し、チーム間で比べます。切り札がプレイされていれば切り札スートの合計値が大きいチーム、切り札がプレイされていなければリードスートの合計値が大きいチームが勝利します。
勝利したチームは攻め込まれた国の防衛値を上回っていれば、タイルに自国を示すコインを置き、自国の領土となったことを示します。

その後リードプレイヤーを選び、競りの前に配られたカードを全て使うまでトリックを続けます。

・宣言の達成について

配られた全てのカードを使い切ったら、タイル上のコイン数を数え、宣言が達成されているかを確認します。宣言が達成されていれば宣言したチームの勝ち、未達成なら、宣言達成を防いだチームの勝ちです。

【プレイ内容&感想】

テセウスを遊んだ際、なんとなくカオスなゲームを持って行った方が良いのではないかと思い、アライアンシズも持参していました。前作の堕落都市カレツのルールの出来が、あまりにもあんまりだったこと、カレツ自体はキックスターター発のタイトルなのですが、既に一般流通しているにもかかわらず、まだ受け取っていないバッカーは星の数であることなどから、パブリッシャー自体がやばいと一部で言われており、そんなパブリッシャーのエッセン新作になります。

まず、コンポーネントがまあ、酷いというか、少なくとも良くはないです。カードはともかく、領土を示すコイン、攻め込んだ先を示すマーカーは、なんというか、別の何かで使う用途だったものを安く買えたから使っているんじゃないのかというレベルですし、国を示すタイルも薄いしバリもでまくりです。
とはいえ、コインもマーカーも木製やプラスチック製のキューブ使っても良いところをあえて別のものにしているので、凝ろうとはしているんですよね・・・。お金が伴わなくて微妙な結果になってますが。

しかし、ゲーム自体が面白ければ文句はありません。
チーム戦のマストフォローのトリックテイク、ボード上の駆け引きをトリックテイクで解決する、なんとなく面白くなりそうな気がします。少なくともマストフォローのトリックテイクなので最低限の面白さは保障されているとも言えます。
特殊カードの存在(しかも、全て効果が異なる12種12枚)など、かなり不安要素もありはしますが…。

というわけで、タナカマさん、タムラさん、いたるさん、僕の4人で。

宣言は確か政治の13とかになったと思いますが、タナカマさん、いたるさんチームの宣言が通りました。

僕が政治のカードがそれほどなかったので、切り札でまわされるとやだなーと思っていると最初のリードスートは軍事でした。お、これはと持っていた軍事の最強カードをプレイしましたが、勝負はチーム内のカードの合計値であるため、それだけでは勝てるとは限りません。
案の定、下家のカードで合計値は超され、最後のタムラさんがもし軍事のカードを持っていなければ負けという状況でしたが、カードを持っておられたので勝利。

しかし、このチーム戦と言うやつはいくら強いカードを持っていても全く安心できません。逆に中途半端なカードでも勝てる可能性があるともいえるため、3人目は4人目がどうやっても逆転できない数字のカードを出す必要があり、リードプレイヤー側のチームは勝ち負けに寄らずナチュラルに強いカードが狩られていきます。何このゲームw。
(トリックテイクを遊んだことがある人にはわかると思いますが、チーム戦なら、一方が勝てそうなカードを出せば、一方は温存というのが定石というか、自然なことですが、このゲームではそれは通用しません! 最大数である12が出るまでは4人目が12を出す恐怖におびえつつ、12が出てきても勝てる、それなりに強いカードをプレイしなければならないのです)

その後も2,3回はうちのチームが勝ったような気がしますが、そこから相手チームの逆襲が始まりましたというか、僕もタムラさんも強いカードがほとんどなかったようですw。
そのまま蹂躙されて負けてしまいました。

僕の持っている特殊カードの効果で攻めている国に隣接する国の経済力(たぶん)の合計がカードの強さになるというものがあり、「お、合計ならそこそこ強いだろう」と出したら8だったのですが、その後、タナカマさんがプレイしたカードの効果は、その国の経済力、政治力、軍事力の合計がカードの強さになるカードで12に。通常のカードが1~12なのであっという間に最強にw。
このカード効果の強さのぶれはなんなんだというか、特殊カードにもスートがあり、例え、そこで使うと効果が弱い、または弱くなろうともマストフォローなのでプレイしなければならない状況が多々あるというのが意味がわかりません。
例えば、政治スートの特殊カードで「場の軍事カードを全て破棄」という効果の強そう&軍事力なんてしょせん政治力の前では無力なのさ的なカードがあるのですが、軍事がリードスートの時には軍事カードを他に持っていればフォローの関係でプレイできず、逆に政治がリードスートの時には出しても意味がないのにプレイしなければなりません。

この、思いついた効果をとりあえず入れてみました感が最高ですw。

また、各国に政治力、経済力、軍事力が設定されており、それを上回らなければ国はとれないのですが、前述の国の経済力などが強さになるカードがある関係からか、あまり大きくない数字が設定されており、トリックをとれる強さなら大抵国も取れてしまうという意味の無さでした。
(2人戦、3人戦ならカードの強さを合計しなくなるので、意味がでてくるようにも思うのですが、説明書の書き方は基本的に4人戦を想定しているっぽいんですよねえ)

僕が唯一、お、これはと思ったのは、いったん埋まるまでは中立のどちらのチームもコインを置いていない国を攻めなければならず、埋まった後に、国の支配権が上書き可能になる部分です。このため、後半の1勝は前半の1敗をちゃらにできる(負けた結果を上書きして勝ちにしてしまう)ため、どんなに前半連勝したとしても後半、数敗すれば宣言が未達成になってしまうことがありえる、1勝の価値が前半と後半で異なる点です。
まあ、これも実際にどう面白さに結びついているのかは今回はようわからんかったですが、カードだけでは実現できない面白さが全く無いとはいえないです。

そもそもこのゲームはボード付きのトリックテイクって面白くなりそうな気がする!程度の気持ちでバックしたわけですが、作る側もボード付けたらなんか面白そう!(ボードと言うよりペラペラのトークンですが) せっかくボード付けたんだからそれにちなんだ特殊効果もいれよう。あと思いつく効果全部いれよう。よし、テストプレイしてないけどエッセンまで日もないしこれで発売!というような軽い感じだった気が滅茶苦茶します。

メタ的な意味も含めて、非常に楽しいゲームですが、もちっと作り込んでも良かったんじゃないかなーと思います。
4人戦のカードの合計というところが、結果としてかなりのダメさを演出しているので、2人戦、3人戦はもしかしたら、もしかしたりしないかしらと思ってたりもします(特殊カードまわりのルールは全て4人戦と同じなので、まあ期待するだけ….なのかもしれませんが)。

第14回偽エッセン会

まだ11月ではありますが、なんとなくもう年の瀬を感じはじめた先日に偽エッセン会がありました。ゲームマーケット当月ということでゲームマーケットの新作ゲームをいくつか遊びました。

犯人は踊る
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犯人、探偵、一般人、情報提供などと書かれたカードを複数枚手札に持ち、1手番に1枚プレイしてプレイしたカードの効果を適用していくゲームです。手札の最後の1枚として犯人カードをプレイしたり、探偵カードをプレイした際に指定した人が犯人カードを持っていたりすると、犯人の勝ち、探偵の勝ちなど勝ち負けが決まります。

概要だけ書くと推理要素ありそうなのですが、推理と言うよりも推理小説テーマを被せた特殊効果カード付きババ抜きという趣きです。手札交換効果のカードがあるので犯人カードはころころ移動するので誰が持っているかわかる人にはすぐわかりますし、わかられているからこその反応もあって直接カード交換に関係してなくても察せられたりします。インストしてくださったたる田さん、しのぽさんも仰っていましたが、勝ち負けよりも過程を楽しむ感じのゲームで、わいわい遊びました。(なんの事件のかわかりませんが)犯人カードがくるだけでドキドキしますし、探偵カードがくると当てたくなりますw。一般人というだけでも、事件の中の一般人という風を装ったり。

1回目は1周、淡々とプレイした後で噂(うろ覚え)カードが続けてプレイされて、手札1枚が隣のプレイヤーに移動することが2,3回と続いた結果、僕の手札に犯人カードがまわってきました。「あっ」と思ったところで、手番の方が探偵カードをプレイ。「あ、あっ」と思ってる間に僕の上家の方(つまり、僕の手札の犯人カードの元の持ち主)が、僕を指しながら「犯人、ここにありますよ」とw。結果、見事当てられましたw。
2戦目も探偵カードが3枚も手札に来て、こんなにいらないわーと手札交換で下家に流したところ、手札の中身をみるカードで犯人カードがあること&アリバイカードがないことを確認した上で、流した探偵カードを使って犯人指摘という流れるようなコンボで下家の方が勝利されました。

こんな感じでさくさく終わって、毎回笑える展開があり楽しかったです。
すごいどうでもいいですけど、警察おらんのですね(単に手札にこなかっただけかもですが)。

ジェムクロックス
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ここからいつものたる田さん、しのぽさん、ぐんまさん、僕の4人で。

様々な国への献上品となる宝石を用意するために原石を競り、最終的に献上品で勝利点を競り合うゲームです。
毎ラウンド、握り競り、1巡競り、ゲシェンク式競り(1円ずつ出していって、これ以上だせないと判断した人は出すのをやめて…と最後の一人になるまで1円ずつ出していく我慢比べみたいなやつ)のいずれかで、宝石やカードを競ります。ゲーム終了まで、どの宝石をいつ、どの方法で競り合うかはタイルを組み合わせたボードで示されています。
競りの対象はマーカーのあるタイル+隣接するタイルに置かれた宝石orカードです。競りの上位(プレイヤー人数-1人)が宝石を得る権利を得て、1位から好きな宝石を取り、最後に1位が再度取り…と、宝石をとっていきます。

競りに使ったお金は競りの順位に限らず、“使用済”となり、回収するまで使用できません。回収の機会は毎ラウンドあり、全額回収できますが、回収するたびに2金ずつストックに戻さなければなりません(要は回収の度にお金の上限が減っていく)。

また、「ルビー&ペリドット」のように宝石が2,3種類書かれた細工師カードを各プレイヤー複数枚持っており、その上に手に入れた宝石をおくことで加工済とみなされ、献上品として使えるようになります。細工師カードはお金を回収するごとに山札から手元に追加されます。

全てのタイルをマーカーが移動したなら献上フェイズにうつり、4カ国に向けてどの献上品をどの国に献上するか秘密裏に決めた上で、一斉公開し、各国の基準(価値の高い宝石のみカウント、価値は無視して個数のみカウントなど)でどのプレイヤーが一番の献上品を用意したかを決め、その順位に応じて各国から勝利点がもらえます。
この勝利点の合計が一番高いプレイヤーが勝利します。

ちょっとだらだらと書きましたが、要は、宝石を競る→細工師カードに書かれた宝石で献上品を作る→各国の勝利点を献上品で競る→勝者決定です。

ふうかさんのブログで高い評価だったので、たる田さんにお願いして持ってきてもらいました。
正直な話、インストを受けた段階ではよくわからないところもあるが、要は手元にある細工師カードに書かれた宝石を集めるために競りに勝てばよいのだろうと、ざっくりした方針でやってみました。

1ラウンド目のスタートプレイヤーになったものの相場観がわからんし、欲しい宝石もないしでいきなりパスを選択。お金は何回でも使った分を回収できるとは言え、回収するたびに2ずつ減っていくので最終的には回収した直後に有り金全部はたいても1金しか使えねーということになりかねないので、他人に使わせて自分は節約するという方針でも間違いはないはずです。

お金を節約しつつ、欲しい宝石は最低限しか取らないという方向でやる僕と対象的に、自分が取れそうなら欲しい欲しくないに限らずお金はつぎ込む方針のたる田さん。宝石はマーカーの移動に伴って規則に従って補充されるのですが、誰も取らなければどんどん累積されるので、場合によっては一気に3つ4つと宝石がもらえることがあります。なので、(衝立に隠れていてみえないのですが)僕とたる田さんの宝石の数はかなり離れていっていたと思います。

タイルの配置や数の関係で、価値の高い宝石はゲーム中に3、4回程度しか競りにかけられず、低い宝石はその倍かそれ以上の機会があります。手元の細工師カードが偏っていて、価値の高い宝石のうちルビーとエメラルドが2,3個必要だったので、そこは外せんと思っており、エメラルドに関しては最初の機会に手元のお金を全部つぎ込んで獲得、その後、ルビーについても競りにかけられる前のラウンドにお金を回収して万全の状態で挑みました。
ルビーは初めて競りにかかるし、次の競りの機会はゲーム終了間際。必要だったら終了間際に取るリスクを冒さずに、ここで取りに来るはず!競りの種類は握り競り!手元のお金は回収直後で潤ってはいるものの、回収したばかりなのはみんな同じ条件。全額はって勝負だ!
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(その結果。僕:全額、たる田さん、しのぽさん、ぐんまさん:0金w)

うわあああああ、やっちまったああああ。
この結果で、またしばらくしゃがむことに。

競りゲームは徐々に相場観が形成されていくのも面白いところですが、このゲームではそれはあるようなないようなです。例えば、手持ちが5金だったとして、ちょっとでも欲しい宝石があって最初から競りから降りないのであれば、次ラウンドに1,2金を手元に残しても足元見られるだけだし、どうせこのラウンドで回収するのは確定だからと、相場や宝石の取りたさとは別に5金使いきってしまうことが多いです。
さらに手持ちのお金の最高額が回収の度に減っていくこともあって、終盤はメリハリが激しかったです(これは毎回かは分かりませんが)。相場観を作るというよりも、プレイヤーの手元のお金と回収による上限減少のバランスを各自がどう考えているかで競りに出てくるお金が決まっている感じでした。
今回は最後の1つ手前の競りで僕以外の方は全てのお金をつっこんで回収、これで最後の競りで勝てるのが確定したので悠々と勝ちたい競りには勝って競りラウンドは終了しました。

さて、あくまでここまでの宝石の競りは勝利点を手に入れるための元手を稼いだようなもので、こっからの各国への献上品をどう用意するかで勝負が決まります。

各国、獲得できる勝利点は3つあり、4位になると0点です。その3つの勝利点も内訳は10-9-8だったり、12-11-1だったりと傾斜がついていたり、平坦だったり様々です。この競りも、フォーセールの後半部分のように、絶対値として高い得点を獲得する以上に、点数傾斜が高い国で高い点を取ることが重要だと考えて、そういう国に力を入れることに。
そう考えていたのですが、まあ、色々あって…、一番傾斜が激しい12-11-1の国で献上品の点が1点差で負けて3位で1点を取るという最低の状況が発生したり、結果として力をいれたことになってた国が10-9-8の傾斜の一番緩い国だったりと…。まあ、言い訳ですねー。分配を色々としくじって最下位になってしまいました。
豊富な宝石と細工師カードで取るべき勝利点をがっちり取ったたる田さんが見事勝利されていました!
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(献上先はこんな感じで衝立の後ろで決めた後、衝立を倒して一斉公開です)

めっちゃくちゃ面白いゲームでした!
競りゲームが好きというのがあるのは置いといたとして、「使ったお金はいつでも回収可能。ただし、回収するたびに2金ずつ減る」というシステムが最高です。使用済のお金がオープンなので、何金持っているかは全員に公開されており、下手に使えば手元のお金が少ないのがばれて足元見られますし、かといって、手元のお金を増やそうと回収したらしたで上限が減って全力勝負でも勝てなくなるわ、勝負にでれる回数が減るわで、このお金の処理に関する仕組みだけで、ご飯3杯くらいおかわりできます。
この単純ながら効きまくりのメカニズムを僕は他のゲームで見たことありません(単にものしらずなだけだったらすいません)。

お金を使う仕組みとの相方として競りとの相性はもちろん良いですし、お金の回収と組み合わせられている細工師カードの入手というのも非常に重要なアクションなので、回収機会を増やす(上限を減らす)必要性にも結びついていて色々と素晴らしいです。
やってみればわかるのですが、僕が今回とった「必要最低限のお金を使って、最低限の宝石をとる」戦術はこのゲームでは正解ではありません。狙ってなくても誰かがしゃがんだ時などに意図せずに手に入る宝石もありますし、そうして手に入った宝石を無駄にしないためにも一定数以上の細工師カードは必須です。細工師カードを手に入れるのはお金を回収した時だけなので、「お金をある程度使って、足元見られない程度、他人と戦える程度で回収して細工師カードを手に入れる」が、(唯一無二かはわかりませんが)正解に近いと思います。僕は細工師カードに書かれたセットコレクションを序盤から意識しすぎましたが、宝石と細工師カードとりまくって、セットコレクションの達成はあとからついてくるくらいでよいのかなと。

最後の勝利点を得るための競りも上記の通り、傾斜がついているのが嫌らしくて好みです。

自分で買っていないゲームはけなさないという方針でブログを書いてはいるのですが、別に他人のゲームは褒めまくるということもないですし、正直な話、このゲームの主軸のシステムには本当にやられまくりました。
で、けなさないと書いておいてなんなのですが、システムにやられまくっているからこそ、その自分ルールを破ってでも書きたいことがあります。
それは、最後の勝利点を得るための競り(献上品の分配)部分での指針の無さです。誰がどの程度の影響力を持った献上品を持っているかは、全くのクローズ情報ですし、誰がどの国に力を入れるかを知るすべもありません。そんな状態で一斉公開の競りをやるのは、あまりにも乱暴ではないかと思います。他も全て洗練されているとは言い切れませんが、この点だけはかなり気になったので。
この1点だけが残念ではありますが、他の多くの同人ゲームと比べるようなレベルではない出来なのは確実ですし、海外メーカーさん、ここに傑作ありますよ!と大声でいいたいです。

エイト・エピックス
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能力値や特殊能力が異なる8人の英雄を使って、世界を襲う5つの災厄にダイスで立ち向かうゲーム。

災厄カードに目標値と「ダイスの合計値が○以上なら目標-1」「ダイスのゾロ目の数○個なら目標値-2」といったように、災厄カードの目標値を減らすために作らなければならない役、あとは英雄の使う能力が書かれています。

プレイヤーは手番に使う英雄を選び、指定されている能力の値と等しい数のダイスを振ります。いくつかキープ&数回振り直しOKというダイスゲームによくあるあれで災厄カードに示された役を作り、8人の英雄全員の行動が終わるまでに目標値を0にできれば災厄を退けたことになります。規定数の災厄を退ければ勝利です。

僕のところに来た英雄は魔人と剣聖。武勇が高い(そして他はそんなに高くない)脳筋勢です。
スタートプレイヤーになったので、さっそくダイスをふったところ、合計値系の役なのに関わらず出たのは1や2の目ばかりw。このゲーム中、延々とこの低い出目に悩まされ、僕は合計値系の役ではほとんど戦力になりませんでした(ゾロ目で役を作る時は2の目が大量にでて活躍できましたがw)。

最初の災厄でかなり苦戦をし、「これはクリアするの超難しいのでは…?」とみんな不安になりましたが、その後は無難に災厄をクリアし、英雄の能力がかなり強かったり、能力がイマイチな英雄でも能力使用に必要なトークンを払えばダイスが2つ追加できるということで、チップを惜しげもなく使えば、案外、どの災厄も7~9人(使用済の英雄を使用可にできる能力の英雄がいる)くらいでクリアでき、最後に出てきた世界崩壊の災厄も無難にクリアして、世界を無事に救うことができました。
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大量のダイスを振る&協力ゲームというのはみんなで盛り上がれるということで相性よさそうでした。みんなで一喜一憂できましたし。

写真を撮るのを忘れてしまったのですが、前回のGM後の偽エッセンで遊ばせて頂いたシークレットガーデンと同じく、カードの裏面はぐんまさんの奥さまによるかっちょいい意匠が使われてました。

前回のGM後の偽エッセン会と同じく、GMの新作を遊ばせていただけました。自分が最近のゲームマーケットに行けてないので、こういった機会があるのは大変ありがたいですし、今回はジェムクロックスという、自分が最近遊んだ中でもダントツにシンプルながら大変素敵なメカニズムを持ったゲームを遊ばせきましたし。
次回はいよいよリトルエッセンも開催されますし、ホビージャパンなどからもエッセン新作の流通が始まった後の会になります。システムの目新しさがだとか、なんだかんだ文句もいいつつ、新作を遊べるのはいまから楽しみです。

パルミラ/Palmyra

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(2人でインスト込み30分ほど)

【概要&ルール】

帝国の繁栄のために領地を広げ、税金を徴収しなければならない。ただし、同じ土地からは新たな土地の情報かお金かどちらかしか手に入れられぬのでそのつもりで。

プレイヤーは手番に以下のいずれかを行います。

・タイルを獲得する:兵士コマが置かれたタイルに隣接するようにタイルを置きつつ、兵士コマを移動させ、配置したタイルに応じた数のタイルを得る。
・お金を獲得する:徴収官コマが置かれたタイルに隣接するようにタイルを置きつつ、徴収官コマを移動させ、配置したタイルに応じた数のタイルを得る。この際、手元のタイルを裏返すことで貢物としてボーナスを得ることができます。
・コマの場所を移す:タイルを置かず、コマを任意の場所に移動させる。このアクション実施時にはタイルを1枚もらえる。

タイルの配置について

タイルには大タイル、小タイルの2種類があり、小タイルは大タイルの上下左右にしか置けず、小タイル同士が隣接するようには置けません。大タイルは小タイルの上下左右か、大タイルの斜め位置に置けます。大タイルの左右上下には置けません。
タイルを配置した際、隣接したタイルと地形(砂漠や山岳など)が一致すれば1点、特徴(塔や池、キャラバン隊などの絵が書かれている)が一致すれば2点というように、隣接タイルとの関係を見ます。この時移動させていたのが兵士コマなら点数分のタイルを、徴収官コマなら点数分のお金を獲得します。
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(青い兵士コマのあるタイルを新しく置いたとしたらなら8枚タイルがもらえます)

お金かタイルが尽きたらゲーム終了で最もお金を持っているプレイヤーが勝利します。

【プレイ内容】

K君と一回やっていたのですが、タイルの隣接ルールを誤ったいたため、もう一回!となったものの、K君は参加できず、M君とのプレイになりました。

前回のK君とのゲームで中盤以降、タイルが場にある程度並んでからは一気にタイルorお金が手に入ることがあったため、それを意識して、プレイしました。

とはいっても、結局、地形か特徴が一致するような場所を選ばないとえらく効率が悪いため、手持ちのタイルと相談しつつやるしかないんだよなと思いましたが、タイルは取って次手番で使おうが、ためておいて後で使おうが手として問題はありません。そういうわけで序盤はひたすらタイルを貯め込むことにしました。
M君はお金とタイルの獲得をほぼ交互にやっており、お金の入手金額は1回で3,4金なので、それほど差が開いている感じはなかったので、心行くまで貯め込みました。

タイルを貯め込むと言っても、一手で2枚以上獲得できるならタイルを配置して兵士コマを動かす方が一手あたりの効率は良いわけですが、残念ながら1枚タイルを配置して1枚しか取れないような、タイルの引き運だったのでコマ移動→1枚引くというのをこつこつと。
正直な話、タイルを貯めようとしている時に、1手に1枚しかタイルが取れないのはひどく効率が悪かったですが、しょうがないと割り切りました。
その甲斐あって、タイルが10枚以上貯まったので、ここからは兵士コマ側とあうタイルはタイル引きに使い、徴収官コマ側の場のタイルとあうタイルはお金獲得で使うという、まあ、普通の使い方がようやく出来始めました。

苦労して貯めたタイルを使って5、6枚のタイルを取っている横で1手で10枚以上タイルを取っていくM君は羨ましかったですが、逆にここで取られたのがお金ではなく、タイルだったのを幸運だったと思うことにしました。

2人ならストックにある120金を2人で分け合うことになるので、61金以上獲得した側の勝ちです。そのため、20金を超えたあたりからスパートをかけ、貢物も増やして一手で10金以上稼ぐのを3手番続け、あと1手番で勝てるかも?というところで、場のタイルとうまく組み合わないタイルしか手元になくなりました。
ここでふたりともお金を数えてみると、僕が54金、M君が52金と、あと1,2手、先に金を取った方が勝つという状況。
M君も1手番で9金以上稼げるようなタイルは持っていなかったので、安心してタイルを増やすと、8金以上とれそうなタイルを無事に引き、次手番でそのタイルを配置して勝つことができました。

【感想】

序盤は1手番に1、2枚のタイルと隣接するように配置して3~5金(枚)取れれば十分という感じなのですが、場にタイルが並んでくると、大タイルを1枚配置するだけで10金(枚)前後とれるようになるのが気持ち良いです。
これが相手にされると、うぐぐぐと大変悔しい思いもしますが、まあ、それはお互いさまなので。
以前、タウンセンターをやった時にも思いましたが、どうもこういう「ゲーム序盤に置いたものが効いてきて、爆発的に効果があがる」というゲームが気持ちよくて好きなようです。

タイルは場に公開して並べられたものを取るという形式ではなく、伏せられた山札から取るという形式なので、今回の僕のように欲しいタイルが中々引けないだけでなく、引きたくないタイルばかり引くということも続いたりします。それが気になる人もいるとは思いますが、2人プレイだったせいか、どちらかに運が偏るということもなく、いい感じで盛り上がりました。プレイ人数が増えるとちょっと運の偏りが気になるかもしれません。タイル次第で一手の効果が2倍くらい違うので。

それよりも、僕が遊んだ2回とも数金差、1手差の勝負になったので、いつ貢物をあげるかを見極めるかがポイントかなと思います。
M君とのプレイでは僕もM君もへたれだったため、3,4金の貢物でしたが、K君は5金、6金、7金と徐々にあげていき、当初、30金近く差をつけていたのにまくられて負けましたし。
貢物をあげるとそもそも手元のタイルも減りますし、あげすぎるとボーナスもらえなくなることもありますが、一手でもらえるお金がうまくやれば倍になるわけで、プレイ中はそこまで効果がないようにも感じるんですが、結果をみると明らかに貢物で勝負が決まっていたので。

タイル引きゲームはいくつか遊んだことありますが、どうしても引き運に左右されがちで、引いたタイルによってはどうにもならないということもよくあります。正直、自分の手が悪いわけでもないのに、なすすべもなく負ける、不利になるというのがあまり好きではありませんでしたが、パルミラでは、兵士コマか徴収官コマか、そのどちらかのいる場所で使えれば良いため、なんぼか引き運が緩和されているようにも思いますし、上記の通り、貢物という一種の賭けの割合も大きいので、楽しめました。
タイル引きゲームの中では一番好きかも知れません。

推理小説×ジグソーパズル 鏡の国の住人たち

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(2人で3時間くらいやったものの解けず)

【概要&ルール】

大富豪が亡くなった屋敷に探偵が2人招かれた。依頼内容は遺産の隠し場所が示された暗号の解読…、に必要なジグソーパズルのピースの探索だった。

小説とジグソーパズルを組み合わせて謎を解く形式の推理小説です。

冊子とジグソーパズルがセットになっており、冊子の【問題編】を読んだ後、ジグソーパズルを使って謎を解き、その後、【解決編】で答えあわせというつくりになってます。

【プレイ内容&感想】

ボードゲームかは少々定義が微妙なところではあるのですが、ホームズのゲームブックと同じカテゴリと言うことで。

脱出ゲームに参加する等、こういう謎解きが好きそうなHさんが遊びに来た時、ちょうどこのゲームを購入したところだったので誘ってみたところ、やってみましょうということになりました。
問題編&解答編はあわせても短編程度の長さなので、その場でHさんには問題編を読んでもらました。僕は事前に読んでいます。

どう解いたか、どう考えたかも書くとネタばれになってしまうので書きませんが、ある方針でもってHさんと2人でジグソーパズルを組み立てていきました。問題編にあからさまに書かれているので、この考え方で間違いなかろうとは思うものの、何分2人ともジグソーパズルスキルが低く、用意されているピース(問題編で使えるのは一部ピースのみです)の全てを組み立てることができません。

うーん、これはここだ、あれはそこだと2人で必死にやったものの眠気も極まり、諦めてしまいました。

その後もことあるたびに、どうだったのかなーと気になっていましたが、考え方はあれしかないだろうと思っており、パズルスキルが低いせいで解答にたどり着けないというのは納得いかんし、時間をかけてもあのパズルはあれ以上組みあがらないだろうとも思っていたため、僕の負けだ、ギブアップだと解答編を読んでしまいました。

読んでしまいました。が、正直な話、めちゃくちゃ、めちゃくちゃがっかりしました。

はっきりいいますが、謎が解けず、解けるまでは解答編を読むまいと、解答編を読んでない方がいれば解答編を読んでしまって構わないです。

謎が解けるまで解答編は読まないという真摯でミステリ好きな考えの持ち主の方ならば、僕と同じく、この結末にがっかりするのではないかと思いますし、その真摯な姿勢が故にこの解答にはたどり着けないのではないかと。

ネタがつまらないというのは僕の好みに会ってるかどうかも関係しているので、まあ、いいとして、ジグソーパズルをちゃんと組み、ちゃんとその意味を読みとれたとしても、作者が用意した解答にたどり着けるのかはかなり疑問で、その点にがっかりしました。

少なくとも僕は、犯人が誰だとか、当てた当ててないとか全く気にしていませんし、犯人やトリックのわかりやすさは推理小説の面白さに関係ないと思ってます。では、何を以って面白い推理小説だというかというと、魅力的な謎があり、意外性と納得性の高い結末のものを面白いと評価しています。

そういう点でこのゲームの出来は残念と言わざるを得ません。

また、ジグソーパズルと組み合わせている意味も薄いように思います。単に小説中のことであれば理屈だけ閃けばよかったものを、では、その閃きが本当かどうかこのパズルを使って実践してごらんなさいなということ以上の意味はありません。

と、ここまで書いて気づきましたが、パズルを使った謎解きがあると思いこんでいた僕が悪かったのかもしれません。このゲームの実態は小説中の人物のように実体で解法の実証ができる体験型の小説であり、それ以上でも以下でもない(謎解きの出来を期待するものではない)という心持ちで取りくめば良かったのだと思いますし、そう宣伝すればよかったんじゃないかなと思います。

※『本書にまつわる結末をネットに書き込むなどのネタバレ行為は厳禁』との注意書きが箱にあります。この記事の内容も「まつわる結末」といえないことはありませんが、ネタバレには含まれないと判断して記事をあげました。注意書きに抵触するようであれば直ちに記事を削除いたしますのでご指摘いただければと思います。
プロフィール

ひだり

Author:ひだり
川崎市で相方や友人たちとボドゲやってます。

オールタイムベストは、
・グローリー・トゥ・ローマ
・バサリ
・インペリアル
・アフター・ザ・フラッド
・ゴッズプレイグラウンド
・HABA社製品 全般

推理ゲーム好きだけど↑には入ってないという
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連絡先:hidarigray@gmail.com
※当blogはリンクフリーです

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