プロミストランド/Promised Land

(4人でインスト込み3時間半ほど)
【概要&ルール】
すすめー すすめー ヘブライ人 いきょうとどもを けちらせ
地中海の東岸、今でいうところのエジプト、イスラエル、シリアあたりを舞台に、ヘブライ人と異教徒での戦い、国の興亡をテーマにしたゲームです。プレイヤーはスタート時にヘブライ側、異教徒側を決めますが、別にチームというわけでもなく、個人戦です。ゲームは3つの時代にわかれており、1つの時代ごとに配られたカードから任意のカードを規定数(プレイ人数によって変化)取り、そのカードに書かれた国を操ることになります。
(僕は未プレイですが、同デザイナーのヒストリー・オブ・ザ・ワールドとほぼ同じ形式です。よりざっくり言えばスモールワールドというか)
国を操って課題を達成したり、お金を手に入れたりしつつ、得点に変換していく。そんなゲームです。プレイヤーの立場は神様と言うか、時代を超えて存在する何かのようです。
ゲームは以下の流れで進行します。
1.カード(国)の選択
決められたデッキから数枚ずつカードがプレイヤーに配られ、そこから自分が操る国(カード)を決めます。
2.手番の実施
カードには数字が書かれており、数字の小さいカードを持つ人から手番がきます。手番では以下を行います。
2-1.国のアクション
カードには手番順、国の本拠地、ユニット数、戦争時にふれるダイス数が書かれています。手番がきたら書かれた分のユニットを得て、そのユニットを消費することで以下のアクションを行います。
・攻め込む:隣接する他国のエリアに攻め込みます。攻め込んだ先の国の地形(丘か平地か)によって、振れるダイス数が決まっており、攻め込んだ側はその分のダイスを振り一番高い目を選びます。攻め込まれた側はダイスを1つ振ります。攻め込んだ側の目が上回れば勝利です(同数は敗北)。この時、攻め込んだエリアに都市がある、本拠地であるなど、いくかの条件に該当すると守る側の目に補正がつきます。
この補正が全くない又は補正がマイナスの場合は、振るダイス数に応じてダイスを振らずに無条件勝利することができます(3つなら無条件、2つなら1/2ユニットを消費すれば、1つなら1ユニット消費すれば)。
敗北した場合、続けて攻め込むなら連戦数に応じてプラス補正が攻め込む側につきます。
・ユニットのスタック:通常、1エリアには1ユニット配置しますが、それを2ユニットにします。これで攻められた際にダイス目に補正がつきます。
・都市や神殿を作る:ストックに都市や神殿があれば、自分の国の任意のエリアに都市や神殿を作れます。神殿は都市のあるエリアにしか作れません。
・お金を得る:お金1をもらいます。お金は金銀銅の3種類ありますが、任意のお金が1つもらえます。
・アークを動かす(ユニット消費なし):国の中の任意のエリアにアークを動かします。
2-2.プレイヤーのアクション
プレイヤー数に応じたAP数分、アクションを行います。
・ロイヤルトラックを進める:ロイヤルトラックの次のマスに書かれたコストを支払うことでトラック上のコマを先に進めます。これにより得点と(マスによっては)特殊効果が手に入ります。
・王国トラックを進める:この手番の国のアクションで担当した国が王国トラックの次のマスに書かれた条件(草原エリア2ヶ所以上が国に含まれるなど)を満たしていればコマを先に進めます。これにより得点が手に入ります。
・人物コマの配置/移動:各プレイヤーの神官、商人、農民コマをこの手番の国のエリア内に配置/移動させます。
・お金を得る:お金を1もらいます。
2-3.収入
手番の国に関係なく、ボード上に配置されている神官、商人、農民コマに応じてお金をえます。神官からは金、商人からは銀、農民からは銅が手に入ります。
2-4.アーティファクト購入
ボード上に公開されているアーティファクトを購入します。
アーティファクトは何からの特殊効果(お金を他の種類に両替する、ユニット数を増やすなど)を持っています。ほとんどは一度しか使えません。
3.時代の終わり
全プレイヤーの手元のカードが使い終わったならば、その時代が終わり、アーティファクトの補充などが行われます。ゲームは3つの時代で構成されており、3時代目が終わった時点で所有するアーティファクト、これまでに使ったカード、王国/ロイヤルトラックのコマの場所、盤上にある神官などのコマから点数を得た後、もっとも得点の高いプレイヤーが勝利します。
【プレイ内容】
昨年、一番面白かったボードゲームとしてバラ戦争をあげているのですが、その特徴のひとつとして、「チーム戦、ただし、最終的な勝者はひとり」というのがあります。ちょうどバラ戦争を遊ばせて頂いてすぐくらいにこのゲームのキックスターターが始まり、さっそくバックしていたのですが昨年末に届きました。大変、期待してはいたもののエッセン新作があふれている状態ではなかなか出す機会もなく年をこしてしまい、いつ遊べるかなあと思っていました。
そこに一味さんに遊びますが、どうですかと声をかけていただき、いそいそと出かけていきました。
そういうわけで、いたるさん、一味さん、つなきさん、僕の4人で。一味さん、つなきさんがヘブライ人側、いたるさんと僕が異教徒側です。
いたるさんのインスト後、初期配置をしてみたのですが…、
紫色の異教徒ユニットがボードの半分以上のエリアを占拠しています。これはおかしいのでは?とみんな口にだしたものの、ルールブックを確認してもやはり間違いではないようなのでそのまま開始。一方でヘブライ人はオレンジと黄色の2種類のユニットがあるのですが、それぞれ1エリアずつともうすぐ滅亡しそうです。
とりあえず第1時代に自分が使う国(カード)の選択です。カードに書かれているのはヘブライ人は王様の名前、異教徒は国の名前になっています。カードの内容ではその国がどれくらいのユニット数なのかが重要(ユニット数=アクション数であるため)なのですが、登場順とともにボード外側のトラックに書かれています。
僕の手元にきた4枚のカードは、ユニット数が2~4のカード。4のカードを取るべきなのか?と思いましたが、あえて「弱い」カードを選択しました。カードの中には「弱い」カードがあり、ユニット数は少ないもののゲーム終了時に点数になるのです(ユニット数が多いカード自体は点数にはならない)。
では、まずヘブライ人の国からですねと始めたところ、最初に出てきた国のユニット数は7! 2とか4とかでどちらにしようかと迷っていたのがアホらしいくらいの戦力です。よくよくボードに書かれている今後でてくる国とユニット数を見てみると異教徒側2~4、ヘブライ人側4~7と倍ぐらいの戦力差です。
そして、その戦力差であっというまに蹂躙される異教徒たち。紫の異教徒の国もどんどんせん滅されます。
一応、戦争のルール上、攻撃側は複数のダイスを振れるので大きな目がでやすいとはいえ、同値の場合は防御側の勝ちですし、攻め込まれたエリアがその国の本拠地だったり、都市があれば防御側に補正値がつくため、6を出せば防御側が必勝ですし、5でもまず勝てます。
にも関わらず、いたるさんと僕の異教徒側は全くダイス目がふるわず3以上の目がでません。そのため、ダイス振るの意味ないくらいの勢いでヘブライ人側がエリアを広げていきました。
(防御側に補正がないなどの条件を満たせば攻撃側が自動的に勝てる場合もあります)
これ、うまくできてるなーと思ったのが2つあります。1つ目は王国トラックを進めるために、操作している国の占拠エリアである条件を満たさなければならないのですが、それが「港のあるエリアを1つ占拠していること」だとかでヘブライ人側が戦力が高いとは言ってもある程度侵攻の方向が限られるため、異教徒側の国がいたずらに蹂躙されるというわけでもないこと、2つ目は異教徒側は確かにユニット数も多く、丘のエリアに攻め込む際にはダイスを3つ振れて超強いのですが、平野に攻め込むにはダイスが1つしか振れない設定になっており、そこでもブレーキがかかることです。
王国トラックの序盤に「平野を2つ占拠していること」もあるため、いくら丘のエリアを占拠しても王国トラックを先に進めませんし、農民コマによる銅貨の収入も丘より平野の方が高かったり、商人コマの銀貨の収入も港から多く得られるのに丘にある港は1つしかなかったりで、収入面でヘブライ人は(少なくとも銀貨、銅貨では)異教徒においていかれることになりました。
逆に戦力でもダイス運でも負けていた異教徒側としては、その収入が上回っている間に、お金をうまく使いたいです。お金を使うのは2つで、ロイヤルトラックを進めるか、アーティファクトを購入するかです。どちらも特殊効果+得点という効果ではあるのですが、アーティファクトは相手に使われたくないものを購入すれば邪魔にもなります(ロイヤルトラックはお金さえあれば他人の干渉は関係ありません)。
アーティファクトはざっというと、金銀銅の中から指定されたいずれか1つを3,6,9払えば購入でき、効果と得点は金額に対応しています(例えば、アクション消費なくコマを配置する効果のアーティファクトは3金のものなら1つしか置けず、得点も1点ですが、9金のものならコマは3つ置け、得点も3点です)。
何分初プレイと言うことでどの効果が強いのかはさっぱりでしたが、お金から得点への変換手段だと割り切って、購入上限である毎手番に1つは必ず購入するようにしていました。
先ほどお金は3種類あると書きましたが、金は都市や神殿を建築したエリアに神官コマを配置することでもらえるのですが、他人のコマをどかすには戦争でそのエリアを奪う必要があり、エリアで戦争が起こると都市も神殿も破壊されてしまいます。そして、新たに作るには都市で1ユニット、神殿で2ユニットを消費するため、両方作るには3ユニット必要なのです。初期配置で異教徒は全ての都市と神殿を自分たちの国に置くことができるのですが、ヘブライ人側からの侵攻で破壊され、そして立て直すほどのユニットもなく…ということで金だけは、ゲーム開始して3,4手番後にはヘブライ人側が有利になります。
今回はカード運のせいか、重視した戦術の違いか一味さんが一気にヘブライ人側の国をひとりで大きくし、都市も神殿も独り占めしてしまったため、1手番で7金とかいうかなりぶっとんだ収入を得ていました(他の3人は金銀銅全部あわせてようやく7金いくかいかないかというところ)。

(中盤くらいから緑の一味帝国が誕生します)

(これが伝承や宗教画によって伝えられる一味タワー。国の奥にそびえたつため、破壊するのはかなり困難です)
2時代目に突入してもヘブライ人側の方が圧倒的に戦力は優位と言うか、ソロモン王などのメジャーネームも出てくるなどヘブライ人側は絶好調です。しかし、いくら戦力があるといってもやられるがままでは勝てないので、無謀とは思いつつも一味さんのタワーを崩すべく攻め込みます(というか、国のアクションはあまり選択の余地はなく、ほぼ攻め込むことしかできないのですが)。
僕といたるさんの連続攻撃が功を奏し、一味タワーのひとつを壊すことに成功!そして、次の手番だったつなきさんがつなきタワーを建造しました・・・。なんか、異教徒側報われてなくないか?と思いながらもトップを削れたので良しとします。
みなさんアクションとしては王国トラックを進めるのをかなり優先されていたように見えたのですが、僕は正直、それほど重要視していませんでした。
徐々に達成条件は厳しくなっていくし、1,2マス離されたとしても数点差だし…と思っていたのです。しかし、一味さんが巨大な国を作り上げていたため、ほとんどの条件を達成し、一気に先に先にと進んだ結果、王国トラックだけで10点以上の差がついてしまいました。
さすがにこれはやばいと王国トラックをなんぼかあげるために、一味さんの収入源削りの手を緩めて近場を攻めることなどもしてました。
序盤は初期配置のおかげや、平野が不得意だったおかげで銀銅に関しては収入源を確保できていましたが、中盤をまわるとヘブライ人にめっためたにされるので収入源が削られまくり、僕の当初の方針であるお金を点数に変換する手がまわらなくなっていたのも、王国トラックをのばした理由でもあります。
一味さん絶対優位、異教徒側は息も絶え絶えという状態で、ようやく3時代に入りました。ここで異教徒側にはアッシリアとバビロンが登場し、しかも、このゲームでは同じ国として扱うので、アッシリア&バビロンで合計36ユニットを持つ巨大帝国になります。
あくまで合計ではありますが、3時代の異教徒側のカード9枚のうち、6枚がアッシリア&バビロン、これを4枚ずついたるさんと僕に配って、1枚捨てるということになるので、まあ、少なくとも2枚、大抵は3時代で使う3枚全てがアッシリアかバビロンになることはほぼ確実です。
しかし、かといって好き勝手できるかというとそうでもなく、ヘブライ人だけはこの3時代目終了時にボード上にコマを残せば得点になる(そのコマが得られる収入分だけ得点)ので、コマが置かれているエリアを優先的に攻める必要があるのです。
トップ(と思われる)一味さんのコマはマップ南部にかたまり、アッシリア&バビロンの国はマップ北部です。ダイス運もありますし、限られたユニット数でどこまで一味さん、つなきさんのヘブライ人側のコマを駆逐できるか?と盛り上がりつつ引いたカードは…。

(アッシリア&バビロンが1枚しかねええええ)
アッシリア&バビロンはどのカードでもユニット数が5~7と結構な数を誇るのですが、僕の引いたカードは2~4としょぼいユニット数しかありません。これはやばいと思ったものの、考え方をスパッと変えます。
つまり、一味さんを攻めるのは基本的にいたるさん(と、つなきさん(異教徒同士は戦えませんが、ヘブライ人同士は戦えるのです)に任せて、自分の利益のためだけに動くことにします。
通常、他国を攻めるために使うユニットをすべtお金に変換し、ロイヤルトラックを進めることやアーティファクトの購入に充てました。
しかし、それでもいたるさんの手元に3枚たまったアッシリア&バビロンのユニット数は多く、一味タワー、つなきタワーとも破壊することに成功しました。残す得点源はアークにくっつけて最南端のエリアに荷がした神官コマのみ。
そして、異教徒側で残すは僕といたるさんの手番が1回ずつ。僕によってはようやく出てきたバビロンのカードです。
いたるさん:「アーク、とっちゃいましょうよ」
王国トラックを進める条件のひとつに「アークを持っていること」があり、いたるさんはこの条件のせいでその先に進むことができなくなっていました。僕はアクション数の問題でアークの条件のマスまで進めないので、アークを取ったとしても一味さんを1点削り、いたるさんに最大9点トスすることになります。
うーん、異教徒チームではあるんだけど、結局個人戦だからなあ…。
アークはとらずに自分の得点になるようにだけ動かします!と宣言して、お金を稼いでロイヤルトラックを進めました。
いたるさんは最終手番にアークを取りに行ったものの、一味さんが持つ「この手番、指定したエリアを攻められなくなる」アーティファクトの効果で戦いを止められ(僕が攻めていれば一味さんはそこでこのアーティファクトを使うことになったため、いたるさんがアークを取れていた)、王国トラックはアークの手前でストップ。
途中の金満状態があったので、一味さんがアーティファクトもダントツで持っており、圧勝かと思われましたが、異教徒側は1時代、2時代のユニット数が少ないカードについていた点数がじわじわと効いており、意外と僅差での一味さんの勝利でした。
もう何点差かは忘れましたが、確か、僕も一味さんと数点差、アーク取れていればいたるさんが勝利というくらいだったと思います。

(最終盤面)
【感想】
期待していたのとは若干ゲーム性は違いましたが、期待以上の面白さでした。
僕はヒストリー・オブ・ザ・ワールドは未プレイなのですが、「手番ごとに国を選択して操作する」のが、なんというか、”自分の国”というのがないため、目先の目的の達成だけを考えてサクサクと手軽にプレイできて好印象でした。
今回のプレイが偶然だったのかもしれないのですが、色々と「うまい」作りになっているゲームだなと思いました。
例えば、前半から中盤にかけてはヘブライ人側は大量のユニットを持った国ばかりでてくるのですが、その中でも前半は平野を攻めるのが苦手(ふれるダイスが1つ)で、王国トラックの進みを抑制していたり、逆に異教徒側は序盤のまだ攻め込まれきってない時に、その条件は突破しなければならなかったりしてます。終盤はその反対でアークの条件がストッパーになっているのでヘブライ側はアークを守りきれるかどうかになっていたり。
また、通常、国のアクションでは他国に攻め込むことがメインになり、盤面も派手に動くのでどうしてもそちらに目がいってしまいますが、ユニット数が少ないカード=点数がついてるカードで、しかもユニット数が少なければ少ないほど点があがるので、ボード上の優劣と一致していないところです。大抵のゲームでは救済措置レベルで戦術として使えるものではないことが多いですが、このゲームでは酷い言い方をすれば、自分が頑張らなくてもチームメイトが相手を叩いてくれればよいということもあり、戦術として成り立っているように思いました(ゲーム中、大してユニット数の多くない国ばかり担当していた僕が最後2位になってますし)。
うまく言えないのですが、得点手段が多様とか単純にそういうことではなくて、ゲームの途中展開、最後の得点計算が非常にドラマチックになるような作りになっているように思いました。
ゲーム中に主にやることはドンパチで、最後まで盛り上がるような作りになっているゲームが楽しくないわけがなく。気持ち良く遊ぶことができました。
無論、殴られること自体、気分が悪いという人もいるでしょうから、人は選ぶと思いますが、自分の国という概念はないので多少はマシなんでないかと思いもします。
欠点というか、残念なところとして、おそらく4人が一番面白く、他の人数ではポテンシャルが発揮できなさそうということ(異教徒→ヘブライ人→異教徒とボード上の版図が変わっていくので、奇数人数ではどちらかの勢力に偏りがでるでしょうし、最大の6人にまでなるとゲーム終了までの手番が少なすぎるのではないかと)があります。
残念つながりでもうひとつ。僕が勝手に期待していただけですが、「チーム戦」という意識は非常に低いです。チーム戦なりの何かに期待していると裏切られるかと思います。特にヘブライ人側は味方を殴らないといけない場面もあるのではないかと。異教徒側だけでは止められないことが往々にしてありそうなので。
13/13

(3人で1ディール5~10分ほど))
【概要&ルール】
13は不吉な数字だ。だから14を超えた数字は受け取らなければならないし、それは減点になるのだ。
あと、赤もだめ。
クニツィアのポイズンのノンテーマ版です。
最初に手札を配りきるか、それとも規定枚数だけ持って手番ごとに1枚プレイ、山札から1枚ドローかという違いはあるようなのですが、どうもバリアントとしてルールに書かれている版もあるようなので、やはりテーマの違いだけが大きな違いのようです。詳しくはplay:gameのけがわさんの記事を。
時計回りに1枚ずつカードを場に出していきます。
この時、青、緑、黄色のカードは決まった場所に出さなければなりません。青なら青の場所、緑なら緑の場所、です。赤のカードはどこに出しても構いません。
カードを出した時、そこにあるカードの数字の合計が14を超えれば(13はセーフ)、自分がいま出したカードを除いたそこにある全てのカードを引き取ります。
こうして、全員の手札がなくなったら引き取ったカード1枚につきマイナス1点になります。赤のカードは1枚でマイナス2点です。ただし、その他の3色は同じ色のカードを全プレイヤーの中で一番多く持っていればその色のカードはマイナスになりません。
何ディールか行い、合計点で競います。
【プレイ内容&感想】
K君、M君と3人で遊びました。どうもポイズン4人がベストということなのですが、カード配りきりではなく、規定枚数の手札でやる13はポイズンよりも運要素が大きいように見え、であれば人数が少ない方が良いのではと考えて出してみました。
K君:「これって大きい数字と小さい数字どっちをとっておくのがいんだろうね」
さあ…と言いながら1ディール目はやみくもにプレイしたわけですが、基本的にカードを取ったらマイナスだけど、取り過ぎればマイナスはなくなるということなので、僕は「1枚も引き取らずに終わるのは多分無理だから、最初からがんがん引き取って突き抜ける」という作戦でいくことにしました。
全員が1回ずつ引き取るくらいまでは平和だったのですが、お前、青を集めるんだろ? じゃあ赤を混ぜるから取れよという赤カードの混ぜ込みが始まります。その色を集めているからと言って、赤を一緒に取ってしまえば、結局マイナスなので、できるだけ引き取らず、引き取らずという展開に当然なりました。
そうなると13ぎりぎりになるようにたまることも多く、置かれたカードの枚数もそれなりになってます。
積極的にカードを取っていこうとしていた僕にとっての最悪は、赤をとらないように取らないようにした結果、引き取った誰かに青などの色の枚数で抜かれることです。
そうならないようある程度の枚数が置かれた色は赤が入っても強引に引き取るようにしていた結果、1ディール目は青と緑で最多になったにもかかわらず、赤をとりすぎて失点が番多いことに。
これは出来るだけ引き取らないようにしつつ、とっちゃったら突き抜けるように攻めるくらいの方が良さそうと判断して2ディール目からは出来るだけとらない様にしたのですが、この2ディール目ではM君が取りまくって失点を減らす作戦を採用したようでどんどん取りにきます。
そうなるとさっきの僕と同じ思考になるのでは?と考えて、場に多くの枚数がたまっている色に赤を仕込んだり、逆に赤が仕込まれている色に小さい数字を出して枚数を多くするようにした結果、全部で8枚あるうち、6枚もの赤を引き取ってましたw。

(カカカカカカ!(※数字の4です))
そこからは、全員できる限りとらないようにとらないようにという洗面器ゲームになったわけですが、カードのまわりが良いのか、僕とM君が気づかない良い手があるのか、3ディール目が終わったところで失点の合計を計算したところ、K君は僕らの半分くらい。うーん、とりあえずもう1ディールやりますかとやってみたところ、更に点差が広がってしまったので、参りましたとK君の勝利で終了しました。
基本的にクニツィアの運とガチの適度な感じとなんかテキトーに作ってそうなところ(個人の感想です)が好きなところはありますが、この13も大変面白かったです。
やる前から思っていた通り、運の絡みがいい具合で手軽に遊べました。たぶんこの面子だと配りきりでやるとK君は考えすぎ、M君は何をやればいいか見当がつかなくなっていたように思います。
まあ、でも本当にガチで遊ぶなら、配りきりルール、4人がよさそうに思います。ルールと面白さを知るために13ルールでやって、さらに深みにはまりたいなら配りきりかなーと思いますが、まあ、やってみないとどうともいえませんし、どこかで機会があればやってみたいです。
(まあ、軽すぎる、長期戦略立てられないのが嫌というひともきっちりいそうです)
クニツィアがどう考えて、版やテーマでルールを変えているのかはわかりませんが、ちょっとしたことでゲームの軽い重いが、さっくり変わるのは面白いもんだと思います。僕はルールの適用に関してはかなりゆるい方ですが、ちょっとした「こうした方が良いのでは?」も嫌がったり、やりにくかったりされることが多いところに、公式のバリアント的なものがあるというのはなかなか良いですね。まあ、またリサイクル的なリメイクかよ!と言われる方がクニツィアは多いんでしょうがw。
この記事書いていて思い出しのですが、テーマと見た目でパン屋の1ダースを買おうと思って、ずっとポイズンを買っていなかったのを忘れてましたw。まあ、買っちゃったもんは仕方ないのでパン屋の1ダースは諦めますw。
何故複数回遊んでから感想を書けと言われるの?
※こう思いました。と言うだけなので落ちはありません。
たまにというか定期的にというか、1回プレイしただけの“感想”(もっぱらレビューと呼ばれる)で、そのゲームの面白い/つまらないに言及することが良くないというような話がでてきます。まあ、きっちりした評論であれば1回だけというのは問題かもしれませんが、書き手がいっぱしの批評家であるとか、選ばれたひとしか公表できないならともかく、そこらのおっさん、おばちゃん、おにいちゃん、おねえちゃんの感想に文句をつけてもはじまらないですし、そもそも、情報の取捨選択や解釈は読み手に任されるのだから、読み手が書き手の文章自体や嗜好の傾向をふまえて判断すれば済む話くらいに僕は思ってます。まあ、逆に同じゲーマーが言ってることだから口コミ効果で参考にされやすいてのもあるんでしょうけど。
(余談:なので、僕は書き手は好きなこと書けばいいじゃんと思いますし、書いてるつもりです。ただ、誤解を与えないよう書き手は根拠も明確にする必要はあるかと思いますが。
例えば、「チケットトゥライドはつまらない → チケットトゥライドはカードの運で決まるのでつまらない → チケットトゥライドは列車カードは山札からしか引けない。よって、カードの運で決まるのでつまらない。」ここまで書いてくれれば、ルール間違ってるだけじゃん!てわかりますよね)
・では何故悪く言われるのか。
これはボードゲームは多人数で遊ぶものだからじゃないかと思ってます。仮に4人そろって、その4人とも書き手の感想を鵜呑みにしないひと達だったとしても、ひとりが「これは○○という理由でつまらないという感想をみたよ。僕もルールを読んだ限り、その通りだと思うから別のにしよう」と言われたらまず立卓しません。立てる方も面白くないと言われているものを立卓するのは気分がよくないのだと思います。
しかし、これは書き手の遊んだ回数には関係なく、単に「悪い評価を書かれたことによる悪い点」と何ら変わりありません。
・そもそも感想を書くことと遊んだ回数は関係しているのか
ボードゲーム以外の例えば本や映画、絵画等の美術品、料理まで広げてもいいかと思いますが、それらの感想やレビューを考えてみます。
果たして数回読まれた、見た、食べた上で書かれているものは全体の何割程度あるでしょうか。僕の感覚ですが、ほとんどないのではないかと思います。あまり1回で判断するなという意見が出ているのはあまり聞いたことがありません。
では、何故ボードゲームでは言われるのか?
色々な戦術をとるなど、複数回遊ばないと面白さがわからないからでしょうか。ルールを間違っている可能性があるからでしょうか。面子によって面白さが変わるからでしょうか。プレイ人数によって面白さが変わるからでしょうか。
とりあえず思いつくところはこれくらいですが、これらってボードゲームだからというわけではないんですよね。
本でいえば読み返せば、初回は気付かなかった伏線に気付くこともあるでしょうし、最後を知ってるからが故の登場人物の感情を追えるということもあるでしょう。解釈を間違っていることもあるでしょう。読んだ時の自分や周りの環境で感じ方は変わるでしょう。
基本的に初回と二回目以降で感じ方が変わらないものなんてないんです。
では、何が理由?と考えたのですが、「ボードゲームは楽しめるものしか望まれていない」のが原因なのかなと。
本や映画は極端に言えば、楽しくなくても良く、悲しくなろうが、萌えしかなかろうが、多種多様な作りや受け止め方が許容されています。笑える作品もあって良いし、知的好奇心を満足させるだけの作品であってもよいし、延々とキャラクター・俳優さんを鑑賞するだけの作品があっても良いです。受け手もあいつが楽しいと言ったからといって、自分も同じとは限らない(むしろ評論家がつまらない作品というものには、単純でアホウなエンターテイメントとして大変受けるものもありますし、逆に評論家だけが面白いと言ってるものもザラにあります)ということが受け入れられているのかなと。
一方で我らがボードゲームですが、このゲーム、すごい泣けていいんだよ!とか言われてるのは聞いたことがありませんし、想像もちと難しいです。つまるところ、面白いか、面白くないかの2つしか評価軸が基本的にありません(一部にはつまらければつまらないほど…!という悪食の方もいますが)。
そんな中で、「面白くない、つまらない」という話がでれば気にします。
結局のところ、二択の評価しかないものなので、簡単に(1回しか遊ばずに)結論を出すなということなのかなと。前述の通り、その結論を鵜呑みにする人がいれば遊びづらくなることもあるわけなので。
では、どうすれば良いのかは全く見当もつきませんが、ボードゲームの評価が面白い/つまらないだけでなく、もっとバリエーションがでてくれば、誰がどんなことを言っても受け手もさほど気にしなくなるのではないでしょうか。
たまにというか定期的にというか、1回プレイしただけの“感想”(もっぱらレビューと呼ばれる)で、そのゲームの面白い/つまらないに言及することが良くないというような話がでてきます。まあ、きっちりした評論であれば1回だけというのは問題かもしれませんが、書き手がいっぱしの批評家であるとか、選ばれたひとしか公表できないならともかく、そこらのおっさん、おばちゃん、おにいちゃん、おねえちゃんの感想に文句をつけてもはじまらないですし、そもそも、情報の取捨選択や解釈は読み手に任されるのだから、読み手が書き手の文章自体や嗜好の傾向をふまえて判断すれば済む話くらいに僕は思ってます。まあ、逆に同じゲーマーが言ってることだから口コミ効果で参考にされやすいてのもあるんでしょうけど。
(余談:なので、僕は書き手は好きなこと書けばいいじゃんと思いますし、書いてるつもりです。ただ、誤解を与えないよう書き手は根拠も明確にする必要はあるかと思いますが。
例えば、「チケットトゥライドはつまらない → チケットトゥライドはカードの運で決まるのでつまらない → チケットトゥライドは列車カードは山札からしか引けない。よって、カードの運で決まるのでつまらない。」ここまで書いてくれれば、ルール間違ってるだけじゃん!てわかりますよね)
・では何故悪く言われるのか。
これはボードゲームは多人数で遊ぶものだからじゃないかと思ってます。仮に4人そろって、その4人とも書き手の感想を鵜呑みにしないひと達だったとしても、ひとりが「これは○○という理由でつまらないという感想をみたよ。僕もルールを読んだ限り、その通りだと思うから別のにしよう」と言われたらまず立卓しません。立てる方も面白くないと言われているものを立卓するのは気分がよくないのだと思います。
しかし、これは書き手の遊んだ回数には関係なく、単に「悪い評価を書かれたことによる悪い点」と何ら変わりありません。
・そもそも感想を書くことと遊んだ回数は関係しているのか
ボードゲーム以外の例えば本や映画、絵画等の美術品、料理まで広げてもいいかと思いますが、それらの感想やレビューを考えてみます。
果たして数回読まれた、見た、食べた上で書かれているものは全体の何割程度あるでしょうか。僕の感覚ですが、ほとんどないのではないかと思います。あまり1回で判断するなという意見が出ているのはあまり聞いたことがありません。
では、何故ボードゲームでは言われるのか?
色々な戦術をとるなど、複数回遊ばないと面白さがわからないからでしょうか。ルールを間違っている可能性があるからでしょうか。面子によって面白さが変わるからでしょうか。プレイ人数によって面白さが変わるからでしょうか。
とりあえず思いつくところはこれくらいですが、これらってボードゲームだからというわけではないんですよね。
本でいえば読み返せば、初回は気付かなかった伏線に気付くこともあるでしょうし、最後を知ってるからが故の登場人物の感情を追えるということもあるでしょう。解釈を間違っていることもあるでしょう。読んだ時の自分や周りの環境で感じ方は変わるでしょう。
基本的に初回と二回目以降で感じ方が変わらないものなんてないんです。
では、何が理由?と考えたのですが、「ボードゲームは楽しめるものしか望まれていない」のが原因なのかなと。
本や映画は極端に言えば、楽しくなくても良く、悲しくなろうが、萌えしかなかろうが、多種多様な作りや受け止め方が許容されています。笑える作品もあって良いし、知的好奇心を満足させるだけの作品であってもよいし、延々とキャラクター・俳優さんを鑑賞するだけの作品があっても良いです。受け手もあいつが楽しいと言ったからといって、自分も同じとは限らない(むしろ評論家がつまらない作品というものには、単純でアホウなエンターテイメントとして大変受けるものもありますし、逆に評論家だけが面白いと言ってるものもザラにあります)ということが受け入れられているのかなと。
一方で我らがボードゲームですが、このゲーム、すごい泣けていいんだよ!とか言われてるのは聞いたことがありませんし、想像もちと難しいです。つまるところ、面白いか、面白くないかの2つしか評価軸が基本的にありません(一部にはつまらければつまらないほど…!という悪食の方もいますが)。
そんな中で、「面白くない、つまらない」という話がでれば気にします。
結局のところ、二択の評価しかないものなので、簡単に(1回しか遊ばずに)結論を出すなということなのかなと。前述の通り、その結論を鵜呑みにする人がいれば遊びづらくなることもあるわけなので。
では、どうすれば良いのかは全く見当もつきませんが、ボードゲームの評価が面白い/つまらないだけでなく、もっとバリエーションがでてくれば、誰がどんなことを言っても受け手もさほど気にしなくなるのではないでしょうか。
ルンガルノ /Lungarno

(インスト込み2人で40分)
【概要&ルール】
開発されている街に貴族の建物を斡旋しつつ、彼らのお得意様になり金を稼いでこの街一番の商人になりましょう。
プレイヤーは手番に以下の2つのうち、いずれかを行います。
1.タイルを買う:場に公開されている建物の描かれたタイルを購入します。公開されているタイルはタダ、1金、2金…と購入費用がかかり、タイル1枚買うと間を詰めて新たなタイル1枚が補充されます。
2.タイルを置く:街にタイルを置きます。この時、置いたタイル上の紋章に商人コマを配置することで貴族と取引契約を結ぶことができます。街はいくつかのエリアに分かれており、同一エリア内では1種類の貴族とはひとりのプレイヤーしか契約できません。
タイル配置後にそのエリアの全区画が埋まったら決算となり、そのエリア内で契約していた貴族の紋章数分のお金を得、て、商人コマを手元に戻します。ただし、広場や塔といった建物の紋章上に置いていたコマはゲーム終了時に決算します。
※1金支払うことで1手番に2アクション行うこともできます。
ゲーム終了時、広場や塔の決算を行い、最もお金を持っていたプレイヤーが勝利します。
【プレイ内容】
K君と2人で。
建物タイルには大抵、2種類の紋章が書かれています。手元にはできるだけ同じ紋章の描かれたタイルを集めた方がよさそうですが、お金を払うのももったいないし選択肢も3枚しかないのでこれが欲しい!というのを選べないことも多く、とりあえず、タダのタイル中心で交互に取り合う展開に。
エリアの大きさは決まっており、どこも6枚置けば決算ですし、置いた商人はお互いに早く回収したいのでいったんどちらかがタイルを配置すれば、相手もすぐ同じエリアにおいてきます。置き始めて気付いたのですが、狙ってか選べなくてかはその時々で違いましたが、どちらにせよ、手元のタイルに書かれた紋章の種類は多くて3つ、大抵は2種類、下手するとタイルが3、4枚あっても1種類しかないという状況もありました。同一エリア内では他プレイヤーと同じ紋章に商人を置くことはできないので、悠長に構えていて自分の手元のタイルに書かれたのと同じ紋章に商人を置かれては困るので、タイルも商人も置く時はサクサクと。
しかし、どうも「さっさと置かないと相手に有利になる」という思いでタイルと商人コマを置きはするものの、タイルには2種類の紋章が書かれているものも多く、既に相手が商人コマを置いている紋章が書かれていることももちろんあります。というか、全部で4種類しかなく、大抵のエリアでは2個ずつ商人コマを置いていたので、ほとんどの場合で相手も得するタイルを置いていたような気がします。2種類書かれたタイルを置いて、一方に商人を置く、次手番で残りの紋章が書かれたタイルを置いて、両方取ってやる!と思わないでもないですが、僕もK君も便乗できるところは便乗したいわけで、そう上手くも行かず。
「自分の得になっているとは思うのだけど、相手も得しているのが嫌だなあ。でも、自分だけが得するタイルが手元に集まるまで置くのをやめれば、相手だけ得点してしまうし」という気持ちに後押しされる形で、手を進めているばかりで、明確な方針は最後まで打ちたてられませんでした。
最後に決算という広場と塔はエリアを跨ってタイルを得点対象にできます。こういうタイルがあるのなら、こういうタイルが強いんじゃない?という思考で僕は塔、広場をいくつか配置し、K君は隣接する建物からの収入を+1するお店や、エリア全体の紋章ごとの収入を-1する墓場、置かれたタイルを破棄する建物など、特殊効果付きのものを良く使っていました。
僕は最終決算系の建物を建てすぎた結果、中盤以降、手元の商人コマが足りなくなり、僕が置けないままK君に複数エリアに商人コマをばらまかれる展開に。手元のタイルを置けばK君が得する状況ではありましたが、とにかく商人コマを回収しないと話にならないので、強引に決算を起こします。これでなんとかK君がばらまいたエリアに商人コマを配置することができ、ほっとしました。
とはいえ、この時の差が大きく、最終決算前では明らかにK君が勝っていました。あとは塔と広場がどの程度稼いでくれるかです。
結果は…、1点(1金)差でK君の勝利でした!
K君:「特殊効果付きの建物を取りたくなくて、お金払ってタイルを購入してたのが効いたんじゃないかな? 僕は特殊効果付きのを狙ってたというよりも余ってたのを取ったんだよねー」
言われてみれば僕はお金を使ってタイルを買ったことが3,4回ありました(K君は0回)。お金出して買ったタイルはその分の働きをしてくれたと信じたいですが、確かにそれが敗因かもしれません。
【感想】
プレイ内容のとこでも書きましたが、どうもプレイ感がふわーっとしていて不思議なゲームです。「この手を打つと自分も得するけど、相手も得してしまう」というと、なんかジレンマが発生しそうなのですが、そんなこともなく、「この手を打たなければ相手がより得をしてしまう可能性があるから置いておくか」という感じで終始プレイしていました。
ちゃんと相手の取ったタイルを全部覚えていればまた違うのでしょうが、そんな頭を使ったプレイは僕もK君もしないので、損するかもなあという感じ手を選んでおり、そのためか、「実質的に選択肢がない」ゲームとは思わなかったのは良かったですが。
6枚置いたら決算と言うのが枚数が少なすぎて、狙いやエリアの取り合いが発生するまでいかずに「とりあえず置いとけ」を助長しているようにも思いましたが、決算までの枚数が増えて、相手との差が開けばわざわざ決算を手助けすることもなくなるので、ソロプレイになってしまうようにも思います。そういうわけで、「相手が得するけど、まあ、その差は小さいし商人コマ戻した方が得か」と、決算枚数が少ないことでゲームを先に進めようとする方向に思考が向くのは良いことかなと。
タイルを置きつつ得点要素にもコマを置き、得点できる形になったら計算というのはカルカソンヌと同じではあるのですが、補充タイルを選択できる、手札がある、タイル配置に制限がほぼない、手番に得点を消費すれば複数回行動できるなどなどカルカソンヌよりも選択肢を作る方向での違いが多いにも関わらず、実際に遊んでみると僕にはカルカソンヌの方が悩ましかったというのは不思議なもんです。色々な選択肢があれど結局、得点は他プレイヤーと誰が得するかようわからん玉虫色の状態で突っ込むしかないというのがあわなかったようです。カウンティングや相手の手札を覚えるなどをちゃんとすれば得点への道筋が見えてきてまた違う感じなのかもしれません。
まあ、僕はカルカソンヌは別にパズルやりたいわけでないのにやらされるのが好きではない(そこが楽しさのひとつでもあるんでしょうけど)こともあって、こちらのほうが好みではあります。決してつまらないわけではないのですが、もちっと勝負どころというか、それぞれのプレイヤーの色が得点にはっきり反映されれば良かったのですが。なんかお互いになあなあで進む感じのゲームでした。
レガシー:公爵の遺言/Legacy: The Testament of Duke de Crecy

(4人でインスト込み90分ほど)
【概要&ルール】
我が家は今では没落してしまったが、お前の力で再興して欲しい。社交界デビューして良い縁談を引っ張ってきて、子作りに励むのだ…!
ゲームは三世代で構成され、各世代は2,3,4ラウンドからなっています。三世代目が終わればゲーム終了です。
システムは非常にオーソドックスなワーカープレイスメントです。手番になったらワーカーをひとつ、いずれかのアクションに置き、そのアクションを実行します。他のワーカープレイスメントゲームと同様にワーカーが既にあるアクションにはワーカーは置けません。全てのプレイヤーがワーカーを置ききったらラウンド終了でワーカーを回収します。
改めて丁寧に書いて見ましたがもうなんの変哲もないワーカープレイスメントです。
特徴(と言えるかも怪しいレベルですが)をあえていえば、ワーカーは基本2個しかないことと、使えるアクションが限定された使い捨てワーカーを手に入れれば使えることくらいです。
アクションには個人ボードのものと共通ボードのものがあります。要は個人ボードのものは他人に先をこされることがなく、共通ボードのものは全プレイヤーで1ラウンドに1回しか行えません。
■個人ボード
結婚/婚約:手札の友人カードをその世代の未婚の成人に対してプレイすることで結婚できます。次世代の人(この世代では子供)に対してプレイすれば婚約となります。
結婚する際に友人カードにかかれたお金や名誉、収入の増減、特殊効果の解決をした上で、子供が産まれます。
子作り:子供を作ります。コストを払うと性別が選べます。
お金を無心する:友人にお金を無心します。友人カードを捨てれば獲得するお金が増えます。
友人を作る:友人カードをドローします。名誉を減らせば獲得する友人カードが増えます。
■共通ボード
称号を得る:コストを払って称号カードを得、名誉などを増やします。
寄付する:コストを払って寄付カード得、名誉などを増やします。
マンションを買う:お金を払ってマンションを得、名誉を増やします。
ベンチャーを始める:名誉を払って収入を増やします
医者を雇う:コストを払ってふたり子供を産みます。
ミッションカードを得る:ミッションカードを獲得します。ミッションカードには家族に芸術家がふたりいればお金を得るなど書かれており、手番中、いつでも使用できます。
ラウンド間に収入を得ます。世代間には名声(家の名誉が名声という勝利点になります)を得たり、子供が成長して大人になり、もし婚約していれば即結婚成立します。
こうして3世代プレイ後に最も名声を稼いだプレイヤーが勝利します。
【プレイ内容】
偽エッセン会にてぐんまさん、たる田さん、しのぽさん、僕の四人で。
まず、家の当主を男か女か決めます。各家で微妙に能力は異なりますが、男はお金は少ないが収入があり、女はお金は多いが収入が少ないというようになってます。お金が少ないといってもせいぜい1,2ラウンド過ぎれば収入の差でまかなえそうだったので男を選択。みなさん同じ考えだったようで男ばかりでした。
この時、当主によって初期の友人カードの枚数も決まるのですが、友達の多い少ない、どんなのとつきあってるんだというようで、なかなか面白いです。
僕は手札にあまりよい友人がいなかったこともあり、なんらかの指標になればと初手からミッションカードを取りにいったところ、引いたのは達成条件が家にスペイン人がふたり以上というカード。手札にちょうどスペイン人のミランダさんがいたので、お、ちょうどいいやと当主の結婚相手は決定。
しのぽさん:「男か女かわからない友人がいるんだけど」
いやいやデフォルメされてるので多少わかりにくいとは言え、見ればわかるでしょうと答えたものの、僕の手札にもよくわからんのがひとりいます。
結局、友人カードの名前が書かれているとこの地が青と赤で色分けされていることがわかり、ああ、じゃあ、やっぱり女なのかと当主の結婚相手に選んだのは、確かに男だといわれても仕方ないアンジェリークたん。「通常3人が限界のところ、4人まで子供が産める」という見た目を裏切らない能力を持ってます。
1世代目は2ラウンドしかないので4人とまではいきませんでしたが、見事に3人の子供を作ってました。

(画像右下のごっついのがアンジェリークたん。当主は確実に生気吸い取られますね)
うちのミランダさんはもとの職業が占い師というたぶん当時は下賤だったと思われるものだったので、結婚すると名誉が下がりましたw。名誉は世代終了時に勝利点に変換され、かつ、ゲーム終了時まで蓄積されるため、下がって良いことはありません。そういうわけでこの世代の残りのアクションは称号をもらったり、マンション買ったりして名誉を増やして終了。
そして2世代目開始です。
ぐんまさんが1世代目にベンチャービジネスを始めていたり収入増に努められた結果、お金はぐんまさんが一歩リード。勝利点は似たりよったりというところでした(僕は名誉をあげるのに1世代目頑張りましたが、作った子供の数も点数になるため、子作りに励まなかった代わりに名誉をあげた僕と、子供をそれなりに作ったみなさんで大して変わらなかったのです)。
たる田さん:「これ、同じ国のひと集めるの大変じゃない?」
たる田さんはミッションカードは取られていなかったのですが、結婚時の特殊効果で、家族に○○の人がいれば~というのが結構あり、たぶんその発動が大変だと思われての発言だと思います。
友人カードには、男女の他に、職業と国籍が決められており、職業は5種類、国籍は10種類あります。結婚するためには、家の子供に対応した性別である必要があるので枚数が均等にだとしても、狙った国籍、狙った性別の友人を引いてくるのは5%程度とそれなりに至難の業です。
一方でぐんまさんの家はいつの間にか芸術家一家になっており、当主の奥さまからその子供結婚相手まで全員芸術家。
なんか芸術家ってお金に困っているイメージがあるのですが、もう既に芸術家として名を成している人たちなのか、結婚することで収入、名声もあがりますし、「家族に芸術家がいれば~」という条件の特殊効果も適用され、明らかに調子良く家柄が立派になっていってました。
しのぽさんは、アンジェリークが女の子しか産まない!と1世代目から仰っていましたが、その女系家族の流れは2世代目でも健在のようで、女の子ラッシュ状態でした。そして、僕は僕で家に男の子しか産まれないという、男系家族の流れ。
男の友人には結納金として多額のお金が必要ではあるものの一気に収入を増やすカードが多く、それを使いたくて手札にずっと持っていたのですが、それもかなわず。一応、コストを払えば子供の性別を選べるアクションもあるのですが、お金も友人カードもカツカツで、しかも、男か女であれば1/2ということで、さすがに今度こそは!と思って子供のカードを引くのですが、何故か偏ります。手元のカツカツ感をなんとかせねばとリソースのマイナスのない女性の友人と婚約し続けたら、美人を選んで結婚してるとしのぽさんに言われるし。

(嫁をとってばかりの我が家)
あと、僕のパトロンカードは「3世代目の友人カードの国籍の種類分得点」というものだったのですが、1世代目で子供をひとりしかもうけなかった関係で、3世代目の子供は最大で3人、つまり、友人カードも3人分しか置けないことにようやく気づきました。産めよ増やせよのゲームで子供を産まずに代替手段で~という戦術はさすがにダメだったようです。
しかし、ゲームの勝ちを諦めるわけにもいかんので、もうひと踏ん張りできることを考えました。とりあえず、この世代に子供数が足らずに結婚できない分、婚約して次世代の結婚アクションをこの世代に代わりにやってしまうことにします。それで次世代の結婚アクションが空く分、次世代に子供を産みまくって子供の数による勝利点でみんなを上回ることにしました。
だいたい目論見通りまわり、3世代目で産んだ子供は8人!ひと組から産まれる子供は最大3人なので3組から8人はかなり頑張ってはいます。
そして、パトロンカードのサブのお題「4世代目の外交官の人数」が得点になるのに対して、外交官の友人カードを運良く引くことができ、3世代にある4回の結婚アクションのうち、3回で外交官と結婚(婚約)できました。
一方で、最終世代と言うことでかなりの高得点を得ることができた称号カードや寄付カードは(コスト的にもぎりぎりではありましたが)みなさんに取られてしまいました。
まあ、それでも結果は最下位で、1世代目から友人カードによるプラス効果を得て、それを元に家を興し、さらに、さらにとうまくサイクルをまわしていたぐんまさんがダントツで勝利されました。たる田さんも3世代目の称号カードや最後のパトロンカードによる得点でかなり点は伸ばされたのですが、追いつかずでした。

(我が家最終形。2世代目に血が絶えるかとも思われましたが、4世代目は子沢山。ようやく4世代目に女の子も何人か産まれました。そして、全員外交官に嫁がせてます。ブルジョア嗜好です)

(みなさんの最終形。並べ方に性格でます。場所を結構とる関係もあるかと思いますが、ぐんまさん、しのぽさんは誰が見てもすぐわかる家系図なのに一方で・・・)

(勝たれたぐんまさんの家。なんかこうちゃんとした家系図してます)
【感想】
友人カードにしても子供にしてもカード引き運がめっちゃあるので、戦術性もくそもありはしません。でも、家系図ができあがっていく様も、ゲーム終了後に家系図を見合うのもとても楽しいゲームです。
狙ったわけではないのに、男の子ばかり産まれて、手札から出せるカードだしていったら、なんかべっぴんな嫁さんばかりもらってたみたいな。
もちろん、引いたパトロンカードやミッションカードの内容によって、狙って結婚相手を決めたり、産んだ子供の数=得点なのでガンガン子供を作るアクションを選んだりするわけですが、それすらも、お前のところ外交官ばっかりだな!とか、芸術家の家系なんだとか、アンジェリークたん当主に頑張らせたんだなーとか、色々と楽しい想像につながります。
真面目なことを書けば、定期的に入るのはお金と勝利点ですが、色々なアクションで必要なリソースとしては友人とお金で、そのふたつを結婚時の友人の効果だけでどうまわしていけるかがポイントだと思います。
一応、友人カード、お金を得るためのアクションもありますが、他のゲームと同じようにあまり効率は良くないように感じます。
手札=支払コストというゲームだとサンファンやレース・フォー・ザ・ギャラクシーがありますが、あちらは使ったカードによる拡大もありますし、手軽に複数のカードを引いたり、複数のカードから1枚を選んだりする手段があるので、「この手札をコストとして使ってよいのか?」というのはあっても、欲しいカードが全く引けない、カードが枯渇して増える見込みもないという局面はあまりないと思います(まあ、だからこそ『拡大再生産』なんでしょうが)。
レガシーは友人カードの引きや使い方によっては、勝ち目が薄くなる、にっちもさっちもいかなくなるという局面があり得ます。
しかし、それを「うちの家、ロクな友達がいないんだよー」と笑うゲーム、そこで苦労して良い縁組ができたことを自分の子供の結婚のように喜ぶゲームです。
勝ち負けは…、戦術でどうこうなるとは僕はあまり思えませんでしたが、子供は産みまくって婚約よりもできるだけ結婚した方が良い(結婚時にもらえる報酬が婚約だと次世代にまでのびてしまうので、他プレイヤーに比べて不利になります)とか、こうした方が良いのではという話は感想戦で出てはいました。
まあ、パトロンカードのお題は3世代目の国籍の種類を求められたりする一方で、とにかく手札が大量にありさえすればよかったり、4世代目の家族にいる外交官の人数次第で、外交官をひかなければどうにもならないもの、家族にいるカップル数×○点と、え、それってゲーム中に普通にやってたらいいんじゃない?というものなどなど、お題の差も結構あったりするので…。
非常にオーソドックスなワーカープレイスメントですし、手札もお金も基本足りないのでゲームとしても楽しく(新鮮味はないですが)、どんどん卓上の自分の家系図に彩りがでてくるのも楽しく、僕は好きなタイプのゲームでした。
(2014.1.17追記)
書き忘れと書いておいた方が良いと思ったことを以下に追記です。
まず、友人カードに書かれた人物には(たぶん)全てモデルがいるようです。ヨーロッパの歴史好きのひとはそういう面からも楽しめるかもしれません。何人かについては、BGGに以前のったデザイナーノートにモデルが書かれています。
あと、記事中には書きませんでしたが、子供カードの山札の中に「合併症」カードとでも言うカードが入ってます。これを引くと、子供が死んだことになり子供を作らないか、または、母親が死んだことにしてカードを除去して子供カードは引きなおすという二択が迫られます。そういうのが苦手なひとはこのゲームに手を出す際はお気をつけ下さい。BGGにも、「突然母親か子供が死ぬとかマジ超ショックなんだけど」というスレッドがあります。