汽車は進むよ/Jedzie pociąg z daleka

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(4人でインスト込み30分ほど)

【概要&ルール】

線路の書かれたタイルを配置して汽車を駅まで進ませるゲームです。

ニューヨークスライスピザ(もっとホイップを!)やシトラスのデザイナーであるジェフリー・アラーズの2017年の新作で、Nasza Ksiegarniaという花見小路やカルタヘナといった他パブリッシャーの軽中量級ゲームをポーランド語版にローカライズしていたパブリッシャーが、近年、オリジナルゲームを出し始めている中の1つになります。

各プレイヤーに駅と線路がかかれたフレームと、タイル、4色の汽車が配られます。
プレイヤーは配られた自分用のタイルをシャッフルして各自の山を作り、汽車を既定のスタート位置に置きます。

ゲームは以下を終了条件を満たすまで繰り返します。
1.全プレイヤーが一斉にタイル1枚を自分の山から取り、フレームの縁、または配置済のタイルに隣接するように配置する。
2.配置したタイルによって接続された線路にあわせて汽車を移動させる。
  ※どの汽車も移動できない位置へのタイル配置は禁止(スタートから埋めていく必要がある)

汽車が移動してタイルに入るたびに移動点として、1点を得る。汽車が移動して別の汽車にぶつかった場合は、2両ともゲームから除外する。

汽車を移動させたことによって、駅に到達したら得点ボードの該当の駅の該当の順位のとこにトークンを配置する。もし同ターンに複数プレイヤーの汽車が同じ駅に到達したら、全て順位は同じものとして扱う(1位が3人とか)。この場合、次に到達したプレイヤーの順位は同着者数分とばした順位になる(1位が3人なら、次に入ったプレイヤーは4位)

1つの駅に到達できる汽車は各プレイヤー1両のみ。もし既に汽車1両が到達している駅に自分の別汽車が到達したら2両目の汽車は順位点はもらえず、汽車をゲームから除外する(1両目には何も起こらない)。

「移動可能な汽車がいない(全ての汽車が駅に到達または衝突によってゲームから除外されている)」、または「全てのタイルが配置された」のどちらかでゲームは終了し、ゲーム中に獲得した移動点に、駅への到達点を加えてもっとも点数の高いプレイヤーが勝利します。

※ルールブック上では、駅への到達点だけで勝負するのが基本ルールで、移動点のみで勝負するのがバリアントルール1、到達点+移動点で勝負するのはバリアントルール2という扱いになっています。プレイ内容と合わせてバリアントルール2で↑は書いてます。

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(4人用の得点ボード。最高点が高い駅は順位が落ちた時の点数の落差が激しく、最高点がぼちぼちの駅は順位が落ちても点数はさほど下がらない配分になっていて、最高点の駅への到着争いは熱くなります)

【プレイ内容】

キノさん、Kさん、Blueroseさん、僕の4人で。

会場が閉まるまで30分ほどしかなかったのですが、会の前半でキノさんたちが遊ばれていたのが楽しそうだったのと、せっかく訳してきたのだから自分でも遊びたい!ということで、のんびりしなければ終わるはずと立てることにしました。

非常に可愛い見た目ではあるのですが、うっかり他の汽車のいる線路とつなげてしまうと、汽車同士で対消滅衝突してゲームから除外されてしまうので、ちょっとドキドキします。
タイルには、各辺2本ずつ線路があり、1タイルで8本の線路が出たり入ったりしています。それが素直にまっすぐ突き抜けていたり、単純に右に曲がっていたりすればいいんですが、ちょっと曲がっていたり、トンネルに入っていて見にくくなっていたりと判断ミスをしそうな絵柄で、序盤にそうそうぶつかるようなことが起こるはずがないのに、ビクビクしながらプレイ開始です。

思わぬ事故を防ぐため僕がとったのはできるだけ単純な線路にしようという作戦。安全第一です。
まず、1枚目のタイルを配置して、そこに汽車が2台入り、真っ直ぐ行ったり曲がったりでとにかくタイルを抜けて2点とやってると、みなさん3点、3点と。あれー?とよく見てみるとフレームは駅かUの字の線路のどちらかのみで脱線するような線路にはなっていません(脱線というルールはないので当たり前と言えば当たり前なんですが)。

なので、フレームに向けて汽車を走らせてタイル→フレーム→タイルで走行点を稼がれていたようです。

なるほどと思いはするものの、上に進ませたい汽車が右や左に向かいそうになるのはやはり心配になので、とりあえず、寄り道させるのはやめて、スタート位置から最も遠い場所にある紫色の駅を目指します。
紫色の駅はトップで到達した時の点数は20点とゲーム中最高点です。

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(最高点である右上の紫駅目指して優先してタイルをおいていきます)

当たり前といえば当たり前なんですが、突出するような形でタイルを置くと進ませられる汽車の数は少なくなります。そんなわけで1両だけしか前に進んでないのをちょっと不安になり、他も進めるか…?とスタートから1タイルしか動いていなかった汽車たちを動かすべくスタート近くにタイルを配置していると…、

キノさん「紫色の駅に到達しました」
Kさん「同じく」
Blueroseさん「みんな到達なら私も到達させます」(同ターン到達なら同着扱いで同じ点がもらえるので)

みんな、真っ直ぐ紫色の駅目指してたのか…、自分のとこばっか見て全くまわり見てなかった…。と後悔もしますが、これで紫色の駅に到達しても僕は4位ということになり、1点しかもらえません。1位扱いのみなさんは20点なので19点差です。いやいやそれはないだろうと紫色の駅の近くにあるオレンジ駅にルートを引きました。ここの1位は17点と紫駅に次ぐ点数です。

危ないところでしたが、今度はちゃんと周りを見つつ他の未到達の汽車たち用に線路を敷いていきます。
またトップがとれそうだったのでピンク駅目指して進めていたところ、あと1マスというところでピンク駅に真っ直ぐ向かうタイルを無事山から引いてよっしゃよっしゃと思ったのですが、ん?これもしかしてとくるくるとタイルを回して見たところ、寄り道しながらピンク駅に到達できることが判明!

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(結果からすれば、すぐ上のピンク駅に到着するんですが、ぐるぐるぐるぐるまわって7点も獲得できました)

移動点がここまで僕は1,2点しか稼げておらず移動点を2〜4点ずつくらい毎手番稼いでいたキノさんとはかなり離されていましたが、この7点でかなり追い上げました。

よしよしと残りの汽車も進めます。さすがにもう終盤でほとんどの駅で1位は決まっており、2位になんとか滑り込みたいところです。とりあえず残りのうちの1両は『1位でも9点と高くはないが、4位まで全部同じ点』の黒駅に手堅く到達させ、最後の1両をまだ2位があいている緑駅を目指させます。

近くまでは来たものの良いタイルが引けません。とにかくすぐ右にある駅に到達したかったのですが、狙ってたような線路があるタイルは引けず!
もう会場の閉まる時間も近づいていたので、ええーーーい!とタイルを適当に配置しました。

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これがなんと、列車がシュッポシュッポと色んなタイルをあっちこっちして…。

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当初の狙っていたすぐ右の駅になんと到達してしまいましたw。

そして、これが11点のビッグムーブ。この11点のおかげで数点差で高得点駅に先着していたみなさんを追い抜いて勝利することが出来ました。

【感想】

タイル1枚を配置した時の変化のダイナミックさとどうなるのかのワクワクがたまらないゲームで、短時間で終わるタイル配置ゲームでは一番好みで面白いゲームでした。
ダイナミックさがあって、何が起こるかわからないと言うと、運要素が大きいように聞こえてしまうでしょうし、タイル自体は選択の余地はなく手番頭に山の1番上のものを引くだけなので、運に翻弄されるのを楽しむゲームのように思われるかもしれません(僕もルールを読んだときにはそういうゲームだと思ってました)。

実際には、タイルは色々なバリエーションがあるものの、大抵の場合、そのタイルに入っていく汽車を希望の方向に進ませることができます。全てのタイルで行き止まりなどなく、1辺あたり2本の線路がある(4本の線路が色んな方向からきて交差したりして出ていってる)ので、当たり前なんですけど。

タイル単体で見るとプレイヤーの好きな方向に進めせられることはできますが、これが複数タイルが組み合わさったり、以前のターンにこうなることを考えずに配置したタイルがあると、あっという間にジェットコースターに変わりますw。

プレイ内容に書いたとおり、序盤は汽車を進ませたい方向に進ませることができますが、徐々に配置済のタイルが増えてきて、タイル同士の連結が増えるとゲーム終了間際の11点ムーブのように、ぐるぐるぐるぐーると、うおおいどこに行くんだ!?となっていきます。
この緩急というか、制御できる部分とできない部分が両方あり、駅への到達では制御が重要になり、移動点では制御できない(しづらい)部分が重要になるという、どちらも楽しめる作りになっていたのが大変良かったです。

僕は目先のことというか、いま目の前の状況に対処したり、だいたいの目標でプレイするのはまだできるんですが、長いスパンでちゃんと完成図を頭に描いてプレイするのはあまり得意ではありません。
タイル配置でルートや地図を作るゲームでも、数枚で作れるくらいのものはこういうタイルが欲しい、取りたいと作戦を立てて取り組めますが、もっと大きな絵を描くようなゲームはあまり得意ではありませんし、あまり楽しめません。例えば、カルカソンヌをやってもでかい町とか草原を作るのは苦手で、つい小さめの得点要素に飛びついてしまいます。キングドミノや2つの街の物語くらいの、理想形をぼんやり頭に置きながらも、基本的には出てきたタイルに右往左往しながらとりあえず、1,2手の最適解で進めていくようなタイプのゲームの方が好みです。

そういうこともあって、このゲームでもとりあえず到達点重視のプレイをしましたが、最後の方は偶然に助けられて思いもよらぬ大きな完成図を描けて気持ちよく遊べました。一方でキノさんはゲームを通して移動点が大きくなるような線路をちゃんと考えて作っていた(けど、終盤に間違えて閉じてしまったそうでw)と仰っていて、目先だけでなくちゃんとでかい完成図を描ける人は、それを実現することもできる作りになっていて、駅への到達点と移動点の組み合わせでタイル配置ゲームの両極端な遊び方のどちらでも楽しめるようになっています。

※ルールのとこにかいてますが、駅到達点だけで遊ぶのが基本ルール、移動点だけで遊ぶのがバリアントルール1、両方組み合わせるのがバリアントルール2です。

タイル配置ゲームは、目先にせよ遠大なものにせよ、とにかく理想像があって、それに大してままならないタイルの出方によって、計画を妥協・変更させられるところに悩ましさが、計画通りのタイルが出てきた時に喜びが、全く妥協も変更も効かないどうしようもないタイルが出てきた時にがっかりがあり、それらが楽しさにつながっていると思ってます。

汽車は進むよは、計画(理想像)に幅をもたせ、妥協・変更はタイルの引きでなく、他プレイヤーとの絡みに重点をおくなど、タイル引きによるがっかりをほぼなくし、悩ましさよりもかなり楽しさ方向にチューニングされているゲームです(見た目も可愛らしくそういう層向けと思われます)。
ゲーマー向けの悩ましいゲームでは決して無いですが、(大抵好きな方向に進ませられるとは言え)どの向きにすればいいのかとちょっとしてパズル的な楽しさはもちろんありますし、ワクワクとドキドキは是非体験して見て欲しいゲームです。

タイルが置けるのは汽車が動ける場所のみという制限はあるものの、どこに置くのが最適解かと、すべての経路を確認して遊ぶような人がいると長考しちゃうかもというのは若干気になります。ワクワクとドキドキをパッションで楽しめる方向けかと思います。

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(箱絵もかわいいんですが、箱の中敷きもかわいいです)

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(各プレイヤー、国(地方)が違うという設定のようで、タイルはプレイヤーごとに絵柄が違います。表面はもちろん、裏面も全部ユニークで、同じ絵はひとつもありません)

スパイア/Spires

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(3人or4人でインスト込み30分ほど)

【概要&ルール】

塔を集めろ!尖塔を集めるんだ!でも自分のできる範囲でな。

なんかようわからんですが、(たぶん)名誉をかけて塔を建てる権利を取り合うゲーム。でも、各自のキャパシティ以上の分を取ると作りきれなくてマイナスです。

場にⅠ、Ⅱ、Ⅲの市場カードとその下に塔のカードが並べられます。
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(市場はこんな感じ)

プレイヤーは、どの市場のカードが欲しいかを秘密裏に選び、せーので欲しいカードの市場と同じ数字の書かれたカードを公開します。
誰ともバッティングしなければ、そこにあるカードを獲得します。
バッティングした場合は、バッティングした同士で手札からカードを1枚ずつ出し合い、勝ったプレイヤー(※)が市場にあるカード、プレイヤーが出し合ったカードの全てを獲得します。

※カードには数字が書かれており、数字の大きいプレイヤーが勝利します。ただし、数字が小さくても取り合っているカードと同じ色のカードのほうが強いです(場にある、「青の32」のカードを取り合う場合、各プレイヤーが赤46、緑71、黒53とプレイしたなら、数字の大きい緑71をプレイしたプレイヤーが勝ちますが、各プレイヤーが赤46、緑71、青26とプレイしたなら、同色である青26をプレイしたプレイヤーが勝ちます。同色が複数枚プレイされたなら同色内で数字の大きいプレイヤーが勝ちます)

獲得したカードは手元に並べておきます。
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(塔は全部で6色あり、終盤には手元の獲得したカードはこんな感じになります)

取り合いを行ったプレイヤーと市場にカードを補充した後、次ラウンドに移ります。これをカードが補充できなくなるまで行います。

ゲーム終了時は、手札を手元の獲得カードに加えた後で、以下の得点計算を行い、最も点数の高いプレイヤーが勝利します。
・各色のカード×5点。ただし、各色4枚以上獲得していた場合、その色のカードは1枚マイナス1点
・カード右上に書かれたマークの数をプレイヤー間で比べ、各マーク最も持っていたプレイヤーにボーナス点

【プレイ内容】

Halさん、やざわさん、僕の3人で。

市場には3つの獲得候補が並んでいるので、4人なら必ずバッティングしますが、3人だとバッティングせずにすんなり取れることもありますし、そもそも3人で遊ぶゲームではないのでは…?とも思いましたが、もうおひとりいらっしゃるまでの時間合わせで、まあ、やってみましょうということでスタート。

とりあえず、3枚まではカード1枚5点になるので、なんでもいいから集めればいいやと適当に始めた結果、全くバッティングしない我々。
数ラウンド経過しても淡々と自分の取りたいカードを1枚ずつ集めてるだけの展開になり、おい、これ大丈夫なのかという空気に。

そこで黒のカードを取りにいった僕とHalさんがようやくバッティング。僕の手札には黒のカードがあるのでHalさんの手札にも黒がない限り数字に関係なく必勝です。そして、お互いにカードを公開すると、僕は黒でHalさんは緑。僕の勝ちです。
よしよしと場の黒カードと僕が出した黒のカードとHalさんが出した緑のカードを回収しました。

が、よくよく見てみると回収したカードを加えたことで、僕の手元には緑のカードが4枚に! 3枚で15点だったところが、1枚ぶっこまれたために一気に4枚でマイナス4点になってしまいました。点数が20点くらい下がってしまったことになります。

あーー、こういうゲームかーー。そりゃあそうだわあと今更ながら気づきました。

補充用の山札を見ると、まだまだカードはあり、どうも各色をどうにかして3枚以内におさめるのが大事なゲームのようです。

一応、市場に並ぶカードの中には手元に並んだカードを1枚、もしくは2枚ゲームから除外できる特殊カードも数枚あることはあるのですが、基本的に獲得したカードをなくすことはできません。
3枚と4枚とでかなり点数が変わりますが、4枚目以降はずっと1枚マイナス1点なので、これから後、逆に取りまくっても大した痛手ではないというか、マークのマジョリティボーナス点が最大20点とかなりでかいので、マイナス点になった色でマークを積極的に取っていくようにします。

もちろんマイナス点になっていない色でもマーク付きのカードが市場に並べば取りに行くわけですが、バッティングしてカード勝負になるとやざわさんが強い!取り合いに負けるなら負けるで、やざわさんがマイナス点になるようなカードを出していけばいいんですが、マーク付きのカードだったり、ちょうど良い色が手札になかったりでうまくありません。

結局、マジョリティは2つのマークで取れたものの、3,4色がマイナス点になり、普通に素点が高かったやざわさんが勝利されました。

そして、ゲーム中にいらしていたちとさんも参加いただいての2戦目を即座に開始。

4人だと必ずバッティングするわ、一気にカード集まるケースが増えるわで非常にスリリングなゲームになりました。今回もマジョリティ重視のプレイングでしたが、バッティング後の取り合いで負けるばかりで全くカードが獲得できません。今回もバッティングするとやざわさんが強く、中盤過ぎても数枚しか獲得できておらず、正直マジョリティとか言ってる場合じゃない状況です。

しかし、一気にカードを獲得して枚数で追いつくには、バッティング後の勝負で勝つしか無いので、バッティングしやすい人気カードを狙って取りに行きます。そして、そろそろ終盤かという場面で、4人バッティングの取り合いを制し、一気に5枚獲得!
なんとか勝負できる枚数にまで増やすことができました。
マジョリティも2つのマークでトップを取り、よし、これでいけるか!?と思ったものの、序盤の差が響いて、2戦目もやざわさんが勝利されました。

その後、面子を変えて、彼葉さん、タロ吉さん、僕の3人でも遊びました。
この時は彼葉さん、タロ吉さんのプレイスタイルがもうあからさまで、とにかく僕にバッティングしてくる彼葉さんとバッティングしないようにしないようにと人気カードを避けるタロ吉さんと、両極端でした。

彼葉さんとガンガンバッティングするわけですが、僕の手元がマイナスになるようにカードをぶち込んできたり、(カードがなかったのか手札を山札と交換したかったのか)単に弱いカードを出してきたりと、今市場にあるカードが欲しい、欲しくないだけでないバッティングの一歩先を見ているプレイングに翻弄されました。
それを尻目に淡々とバッティングを避けて1枚ずつとっていくタロ吉さんと、色が出るプレイングで楽しかったです。結果は、バッティングしまくって増えたカードの中で、マイナス分をプラス分で補えた僕が勝利しました。

【感想】

バッティングゲームに苦手意識と言うか、そこまで好きではないなあと思っていたのですが、このゲームは楽しめました。

バッティングをシステムの中心に据えたゲームだと、単純にアクション効率だけを考慮して行動を選択すると結局バッティングが発生し、何ももらえないか、もらえるものが減るというものの多く、素直に自分のやりたいこと、ベストだと思うことをやるのではなく、他人が何を選択するのかを読もうとすることに主眼、楽しさのポイントが置かれていることが多いです。
もちろんそれはそれで面白いシステムだとは思うのですが、「え?この農場を発展させようってテーマが置き去りになってない?」などとテーマ的にやるべきことと、システム的にやるべきことの差に違和感を覚えるというか、そこにある捻れのようなものが正直言って気に入らないわけです。

で、スパイアはどこが良かったのか、何故大丈夫かというと、バッティングすることが高得点や他プレイヤーとのさらなる絡みなどの起点になっているため、『バッティングを避ける必要がない』からです。
バッティングするメリットがあること、バッティング後に選択肢があることが楽しく遊べた理由です。

スパイアはバッティングしなければ各ラウンドで手に入るカードは市場にあるカード1枚のみです(例外パターンもあるにはありますが稀です)。しかし、バッティングすれば市場にあるカードに加え、取り合い時に各プレイヤーがプレイした全てのカードが手に入ります。もちろん取り合いで負ければ1枚も手に入りませんがバッティング時に獲得できるカード枚数の期待値は、1.25枚~1.5枚とバッティングする人数によらずバッティング無し時よりも多くなってます。

期待値は単純に人数で割ったものですが、取り合いしている市場のカードと同じ色、大きい数字が手札にあれば勝てる確信を持ってバッティングや、その後の取り合いに挑めもします。
※ルール説明で端折りましたがカード補充時に通常の塔のカードではなく、特殊カードである巻物を引いた場合、任意の市場に追加することができ、狙って価値の高い、バッティングを起こりやすくさせる対象を作り出せます。

これだけだと、バッティングすると少し得という程度なのですが、同色のカードを4枚以上持っているとマイナス点というルールがあるため、バッティングでは勝てなくても相手の点数を減らす、勝負に負けて試合に勝つ!という一手がうてるというのが、非常に大きいです。
しかも、この相手にカードをぶち込むことと手札をリフレッシュする(使ったぶん補充があるので)ことがつながっているため、仮に取り合いで勝てるカードも相手にとってマイナス点になるカードもないとしても、この手札では勝負にならないから手札入れ替えていこう、いまはマイナス点ではないが、渡したカードは楔になっていつかマイナス点につながるだろう!と負けてる割に気分良くプレイもできます。

バッティングゲームの大半がバッティング後に大半はがっかりしてしまう(その分成功時の喜びも大きいのはもちろんですが)一方で、スパイアのバッティングはほとんどの場合でポジティブな気持ちでプレイできました。

うまいことバッティング後の処理をプラスにもマイナスにもつながているので、他人にマイナス点を押し付ける場面をつくることで、バッティングゲームによくあるちょっとした他人の失敗に対する笑いというか、アクシデント性を残したまま、常にプラスの気持ちでプレイできるものに仕上がってます。

バッティング後にマイナス効果ではなく、プラス効果をつけるというのって安易にそういう作りにしてしまうと、プレイヤーが談合すれば良いだけになってしまうので、そう単純なものでもありません。スパイアでは、バッティング後のプラス(マイナス)は一方にだけ発生し、双方が同じように得することがない作りになっているのでうまく機能しているのではないかと思われます。
カードを受け取る、押し付けられるが、結局最後の最後まで加点になるのか、減点になるのか、はっきりしない、軽めのカードゲームであるというのももちろん大きいのでしょうが。

あと、スパイアはカード枚数(ラウンド数)が絶妙に調整されていることも感心しました。バッティング優先してカードを沢山集めたプレイヤーがマイナスばかりになるわけでもなく、バッティングを抑えて少なめの枚数を集めたプレイヤーが結局有利というわけでもなく、『この枚数ならカードを集めた/集めなかった方が有利だね』などと、語られない枚数に山札が調整されているように感じました。
僕は単純なので、ゲームのデベロップというと、ルール調整やカードの強弱などに目がいきがちですが、こういう繊細な調整もあるのだなと。
プロフィール

ひだり

Author:ひだり
川崎市で相方や友人たちとボドゲやってます。

オールタイムベストは、
・グローリー・トゥ・ローマ
・バサリ
・インペリアル
・アフター・ザ・フラッド
・ゴッズプレイグラウンド
・HABA社製品 全般

推理ゲーム好きだけど↑には入ってないという
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連絡先:hidarigray@gmail.com
※当blogはリンクフリーです

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