2017年振り返り(10選やらなんやら)
2017年も今日で最後ということで振り返り記事です。
2017年初プレイのゲームから10個あげてみました。
・汽車は進むよ(ポチョンク)紹介記事

線路つなげて駅にたどり着こうゲーム。
アートワークの可愛さ、インスト込み30分で終わる手軽さ、早く駅へ到達するか寄り道して移動点を稼ぐかの悩ましさ、どこにつながるのかコントロールできるようでできない線路の接続の複雑さに起因するドキドキさと半端ないゲーム。
キャッキャウフフと楽しめるゲームであるのも間違いないんですが、勝ち負け意識すると人の動きを気にする必要もあるし何気に本気で勝ちにいく楽しさがあります。
僕がこいつにやられたのは、ぐるぐる線路がつながって進む楽しさだけでなく、あまりにぐるぐるしてると線路がうっかり他列車のとつながると列車同士が衝突して消滅してしまうというドキドキのせいで適度に緊張感もあり、実際にぶつかると、ああああーと盛り上がるところがいい具合に好みだったのではないかと思います。

(全部の線路タイルがユニークで可愛いです)
・サイドリアル・コンフルエンス紹介記事

公称2時間から3時間の交渉ゲーム(4人なら1時間くらいで終わりますが)、テーマはSFと、避ける人多そうなゲームなんですが、交渉といっても、お互いに状況が違いすぎて基本的に1対1交換することになりますし、得点行為がプレイヤー全員の生産性向上につながってる仕組みなので、”交渉”でイメージする内容よりピットよりで、ワチャワチャ楽しみながら集めた資源で拡大再生産するゲームです。
アクションで資源を集めて、自分とことの施設で変換するというよくあるゲームの資源を集める所を会話にしましたという形ではありますが、資源を交換することが場全体の資源量を増やして得点しやすくすることになる&誰かが得点すれば自分にも新しい施設がきたり既存施設をパワーアップできるなどの恩恵がかなり大きい形であるという、いわゆる”交渉ゲーム”にある「公平な交換って言ってるけど、どうせあいつが得するんでしょう?」のような騙されている/騙している感がほぼなく、施設だけでなく、人との資源の交換自体が自分も得する拡大再生産のひとつであるという新しい、気持ちよくプレイできる交渉ゲームです。
ただ、既存の交渉ゲームと同じ感じで遊ぶと既存の交渉ゲームになってしまうので、資源を余らせるくらいなら交換しようぜーくらいの軽い気持ちで遊んだり、生産力の高い低Difficultyの種族を入れたりした方が楽しいかと思います。
・アズール

まだ今年のエッセン新作、そこまで遊べてないのですが今のところこれが一番面白いです。
やることがシンプルなので人の狙いもわかりやすく、ああ、こうくるでしょ?というのがすっきり見渡せるのが好印象です。もちろん、自分がこうしたいのに人に邪魔されてできなーいという場面もありますが、ラウンド開始時には結構好き勝手できるというか、その結果苦しんでるというのが分かる程度に明確なので自業自得だったりします。とはいえ、この好き勝手できる適度な自由さとその結果の自業自得さ、みんなで苦しもう(楽しもう)が良いところかなと。
見た目のシンプルな綺麗さも、プレイのシンプルさ(そっけなさ)をうまくフォローしているというか、うまくプレイヤーをのせてると思います。
・アンロック!紹介記事

(去年からそういうゲームは出てましたが)今年は色んな脱出ゲーム系のゲームというか、謎解き系のゲームがでました(クロスレビューもやりました)。
ストーリーによっているもの、謎解きに重きをおいているものなど色々ゲーム化のスタンスは異なっていましたが、アンロック!はカードの組み合わせや観察で謎を解くという、ゲームのコアシステムが、プレイヤーにヒントを与えつつ実際のモノを使って問題を頭だけでなく実際に解かせるというのがダントツに楽しかったです。
モノが(カードという形とはいえ)実際にそこにあるので、唐突な設定や解法がなく、納得感が強かったのも良いところかなと。
・リスボア紹介記事

今年はあまりこいつは最高だ!という重ゲーに当たらなかったんですが、遊んだ中ではこれが良かったです。
インストを聞いてもどこから手を付けて良いのかよくわからない円環状に連なるアクションの絡みがメインに据えられていて、どうすりゃいいんじゃと思わせる反面、終盤になるに従ってアクションコストが下がるようになっているため、ゲームに対する習熟を実際以上に感じさせる仕組みもあるので、「ワケワカランゲームだったけど、わかったぞ!」と思わせる度合いが高く、遊んでてて気持ちいい(実際以上に感じさせられているだけなので再プレイ時はまた、わからん!となるのも最高)。
コアの部分の謎解きのようなどうすれば得点効率があがるのかという部分に対して、冗談のような強力な特殊効果付きのカードやタイルがあり、コアシステム部分で悩んでいたのかアホらしくなるような超能力バトルが急に始まるカオスさもまた良し。
ただ、全体で10手前後しかないゲームなので、能力を取ること自体や有効活用できるようになる土台作りに手番を使っては意味もなく、単純に「XX能力が強い」だけでは片付けられないゲーム。
BGGにあがる「XX能力強すぎないか?」という質問に、「良い戦術だね!XXはもっと強いぜ/XXをやってみたかい?」などと全く動ぜずに返すデザイナーもまた最高。
・看板娘(3卓戦)紹介記事

3~5人用のゲームを3つ組み合わせて最大15人で遊ぶという、馬鹿じゃないのかフリーゼはというゲーム。
セッティングがランダムということもあり、当たりのセッティングの卓に最初についたプレイヤー達が勝ち負け的には有利になってしまいどうしようもないですが、それ以上に、同じゲームを3卓でやってるので他卓よりも早く手番をまわした方が得というリアルタイム制の要素が最高に面白く、これだけでも体験してもらいたいです。
単純に早く早く手番をまわせまわせと手番プレイヤーだけでなく銀行役まで協力ゲーム的に素早く行動したり、卓間の移動があるため、この卓は7人いるが、あの卓は3人しかいないので、手番が早く回って得だ!という通常であればメタ的な要素が自然にゲームに組み込まれているのは流石フリーゼと感心させられます。
・18cz

今年の18XX枠。18XXは基本的な共通フォーマットが優秀すぎて遊ぶと必ず楽しいわけですが(評判良い作品ばかり遊んでいるのもあるでしょうが)、昨今のゲームの面白さ要素の抽出、スピード化をうまく18XXフォーマットに乗せていました。
18XXの魅力の1つであるプライベート会社の個性をつぶして、能力を全部統一化するという大胆さに驚きましたが、これが単に煩雑さをなくすだけでなく、その能力によってプレイヤーや会社の資金ブーストを任意のタイミングでかけられるようになっており、プレイヤーの意思を任意に反映させることと、やりたいと思った戦術を取りやすくしています。
あと、列車もこれまでは4列車が買われたら2列車がとぶなど、1元的な仕組みだったのを、1枚の列車カードに複数の列車を表現させたことによって、4列車のカードは買われたがそれは4列車としてではなくXX列車としてだったからセーフ!という多元的な仕組みにしたため、列車の廃棄の突発性が薄れてちょっとしたセイフティが効くようになったのも今風だなと思いました。
・トリックと怪人

ゲームマーケット2017秋の新作。各プレイヤーが1枚ずつカードを伏せてプレイして、誰が一番大きい数字を出しているか(犯人か)を当てる(一応事件の犯人を当てる設定)というだけのゲーム。示す色でだいたいの数字がわかることと、5がでてると10は犯人になれないとか、全部5以上なら3が犯人とかの軽い効果を考えつつ、犯人を指差して当てます。
全員がカードを伏せてプレイした時点でだいたい2択か3択かになり、そこから1人ずつ指差しで誰が犯人と思っているかを公表していく過程で、あれ?あの人がこう推理したということは…と絞り込まれていくので大抵全員が指差し終わる頃には確定してる。
推理ゲームは、個々人が推理を公表したいゲームであり、かつ、推理は論理パズル的なもので十分楽しまれる思っていたのだけど、まさにこのゲームで、難しくないパズルメーカーとしてプレイヤーを使いつつ、思惑の入り込む余地のないシンプルさにすることで、個々人の頭の中で『解決編』を繰り広げさせて楽しませるのはお見事。難しい設定やシステムはいらんかったんや!
・□□◯◯◯紹介記事
漢字2文字+カタカナ3文字のヒントでお題を回答者に当てさせるゲーム。
ヒントを出す方もそれで答える方も適度に頭を使う必要があるのでセンスの戦いになるところと、ヒントのフォーマット(漢字2文字+カタカナ3文字)のせいでパワーワードが自然にうまれるところが良かったです。
ヒントでお題を当てさせる系のゲームは、ヒントを出した人をネタにして笑うところがありがちですが、笑うにしてもヒントそのもので人にまでそれが及びにくいのもクールでかっこよい。
・BONK
理屈はいらない。
R120大賞について
R120というセミクローズ会を定期開催してるのですが、その参加者の中で毎年、その年のベストゲームを決める戦いをしています。
・参加者1人あたり、自分の今年のベストゲーム2つを選ぶ
・それを候補にトーナメントを作り、ランダムに選んだ2,3ゲームをプレゼン→投票で戦う
・決勝戦で勝ったゲームがR120大賞
というレギュレーションです。
今年の参加ゲームは以下の17ゲームでした。
デルブ、主計総監1914、アズール、大東亜共栄圏、ロレンツォ、ワトソン&ホームズ、汽車は進むよ、チングース、ヒットZロード、ガイアプロジェクト、サイドリアル・コンフルエンス、BONK、タイムストーリーズ、エスノス、18TK、テラフォーミングマーズ、ラッタニア
対戦カードがランダムに3つくらい選ばれるので、人気ゲーム同士がぶつかると票が割れて、ひょっこり負けてしまうこともあり、ガイアプロジェクトやテラフォーミングマーズ、アズールといった人気ゲームが負ける波乱があったりなかったりした結果、大賞は主計総監1914になりました!(紹介記事)
見た目がウォーゲームみたいにみえるかもしれませんが、各プレイヤーがそれぞれの国のデッキを持ち、そのカード効果をカードプレイで使ったり、伏せて罠みたいにしたりと対戦カードゲームぽいゲームです。チーム戦なのでプレイヤー間で助け合うのも楽しいですし、うまく「史実よりうまいことやったか」が点数になるようにバランスが取れられいるので、同じ条件ではじめて点数を取り合うのがベースになっているユーロゲーマーが遊ぶと新鮮で楽しいかと思います(僕はそこが楽しかったです)
その他振り返り
2017年はちょっと生活環境がガラッと代わり、ボードゲーム遊ぶのどうなるかなーと思っていたのですが、新しい知り合いができたり、自宅会の回数が増えたりと、これまでと変化しつつも、ボードゲームへのパスは増えた一年でした。
全体的に見れば遊ぶ時間自体は減っているように思うのですが、色んな機会が増えたので多彩な面から楽しめるようになったとも感じています。
面白かったゲームは上に書いたのでそれ以外のボードゲームの話だと、ワトソン&ホームズを全シナリオ終えたのは感慨深いです。最初は元版であるスペイン語版を買うかどうか迷い、英語版がでてからそれを買い、1シナリオずつ訳して遊んでいたものを日本語版がでたので自分も遊べるようになって、ようやく全シナリオ完了と(日本語版出た時点で2,3シナリオしか残ってませんでしたがw)。一番好きなのは、4つ目くらいの目を閉じた死体みたいな名前の事件です。あまり書くとネタバレになるので書けませんが。
ブログは書きたい気持ちはあるもののめっきり記事数が減ってしまい、情けない限りです。書きたいゲームもゲーム以外の内容もあるんですが。今年は月3本なので、来年は月4本にはしたいもんです。とはいえ、ボードゲームブログ自体が増えてるので僕のストレス発散以外の役割は薄くなってるように思いもしますけど。
読んでいただけている方がいるのは嬉しいですし、暇つぶしに使っていただけているのはありがたいです。
今年は夏に浅草ボードゲームフリーマーケットのお手伝いをさせてもらった関係で、ゲームマーケット春にも宣伝を兼ねて出展したりと久々にイベントに複数回参加した年でもありました(ゲームマーケット秋は家に居ましたが)。
フリーマーケットは主催のタロ吉さんが色々考えられていて、開催形態やその運営など興味深い点もあり、良い経験をさせてもらいました。
ボードゲームはひとりでは遊べない趣味ですし、単純に「面白い」といっても、個々人の遊び方や趣味嗜好で受け止め方が劇的に変わるものでもあります。そういう意味で、いま色んな方々に遊んでいただいていることや、その方々が僕と同じゲームを似たペースで遊んで面白いと言っていただけるというのは、めちゃくちゃありがたい話でもあります。
是非是非、来年も引き続きよろしくお願いいたします。
2017年初プレイのゲームから10個あげてみました。
・汽車は進むよ(ポチョンク)紹介記事

線路つなげて駅にたどり着こうゲーム。
アートワークの可愛さ、インスト込み30分で終わる手軽さ、早く駅へ到達するか寄り道して移動点を稼ぐかの悩ましさ、どこにつながるのかコントロールできるようでできない線路の接続の複雑さに起因するドキドキさと半端ないゲーム。
キャッキャウフフと楽しめるゲームであるのも間違いないんですが、勝ち負け意識すると人の動きを気にする必要もあるし何気に本気で勝ちにいく楽しさがあります。
僕がこいつにやられたのは、ぐるぐる線路がつながって進む楽しさだけでなく、あまりにぐるぐるしてると線路がうっかり他列車のとつながると列車同士が衝突して消滅してしまうというドキドキのせいで適度に緊張感もあり、実際にぶつかると、ああああーと盛り上がるところがいい具合に好みだったのではないかと思います。

(全部の線路タイルがユニークで可愛いです)
・サイドリアル・コンフルエンス紹介記事

公称2時間から3時間の交渉ゲーム(4人なら1時間くらいで終わりますが)、テーマはSFと、避ける人多そうなゲームなんですが、交渉といっても、お互いに状況が違いすぎて基本的に1対1交換することになりますし、得点行為がプレイヤー全員の生産性向上につながってる仕組みなので、”交渉”でイメージする内容よりピットよりで、ワチャワチャ楽しみながら集めた資源で拡大再生産するゲームです。
アクションで資源を集めて、自分とことの施設で変換するというよくあるゲームの資源を集める所を会話にしましたという形ではありますが、資源を交換することが場全体の資源量を増やして得点しやすくすることになる&誰かが得点すれば自分にも新しい施設がきたり既存施設をパワーアップできるなどの恩恵がかなり大きい形であるという、いわゆる”交渉ゲーム”にある「公平な交換って言ってるけど、どうせあいつが得するんでしょう?」のような騙されている/騙している感がほぼなく、施設だけでなく、人との資源の交換自体が自分も得する拡大再生産のひとつであるという新しい、気持ちよくプレイできる交渉ゲームです。
ただ、既存の交渉ゲームと同じ感じで遊ぶと既存の交渉ゲームになってしまうので、資源を余らせるくらいなら交換しようぜーくらいの軽い気持ちで遊んだり、生産力の高い低Difficultyの種族を入れたりした方が楽しいかと思います。
・アズール

まだ今年のエッセン新作、そこまで遊べてないのですが今のところこれが一番面白いです。
やることがシンプルなので人の狙いもわかりやすく、ああ、こうくるでしょ?というのがすっきり見渡せるのが好印象です。もちろん、自分がこうしたいのに人に邪魔されてできなーいという場面もありますが、ラウンド開始時には結構好き勝手できるというか、その結果苦しんでるというのが分かる程度に明確なので自業自得だったりします。とはいえ、この好き勝手できる適度な自由さとその結果の自業自得さ、みんなで苦しもう(楽しもう)が良いところかなと。
見た目のシンプルな綺麗さも、プレイのシンプルさ(そっけなさ)をうまくフォローしているというか、うまくプレイヤーをのせてると思います。
・アンロック!紹介記事

(去年からそういうゲームは出てましたが)今年は色んな脱出ゲーム系のゲームというか、謎解き系のゲームがでました(クロスレビューもやりました)。
ストーリーによっているもの、謎解きに重きをおいているものなど色々ゲーム化のスタンスは異なっていましたが、アンロック!はカードの組み合わせや観察で謎を解くという、ゲームのコアシステムが、プレイヤーにヒントを与えつつ実際のモノを使って問題を頭だけでなく実際に解かせるというのがダントツに楽しかったです。
モノが(カードという形とはいえ)実際にそこにあるので、唐突な設定や解法がなく、納得感が強かったのも良いところかなと。
・リスボア紹介記事

今年はあまりこいつは最高だ!という重ゲーに当たらなかったんですが、遊んだ中ではこれが良かったです。
インストを聞いてもどこから手を付けて良いのかよくわからない円環状に連なるアクションの絡みがメインに据えられていて、どうすりゃいいんじゃと思わせる反面、終盤になるに従ってアクションコストが下がるようになっているため、ゲームに対する習熟を実際以上に感じさせる仕組みもあるので、「ワケワカランゲームだったけど、わかったぞ!」と思わせる度合いが高く、遊んでてて気持ちいい(実際以上に感じさせられているだけなので再プレイ時はまた、わからん!となるのも最高)。
コアの部分の謎解きのようなどうすれば得点効率があがるのかという部分に対して、冗談のような強力な特殊効果付きのカードやタイルがあり、コアシステム部分で悩んでいたのかアホらしくなるような超能力バトルが急に始まるカオスさもまた良し。
ただ、全体で10手前後しかないゲームなので、能力を取ること自体や有効活用できるようになる土台作りに手番を使っては意味もなく、単純に「XX能力が強い」だけでは片付けられないゲーム。
BGGにあがる「XX能力強すぎないか?」という質問に、「良い戦術だね!XXはもっと強いぜ/XXをやってみたかい?」などと全く動ぜずに返すデザイナーもまた最高。
・看板娘(3卓戦)紹介記事

3~5人用のゲームを3つ組み合わせて最大15人で遊ぶという、馬鹿じゃないのかフリーゼはというゲーム。
セッティングがランダムということもあり、当たりのセッティングの卓に最初についたプレイヤー達が勝ち負け的には有利になってしまいどうしようもないですが、それ以上に、同じゲームを3卓でやってるので他卓よりも早く手番をまわした方が得というリアルタイム制の要素が最高に面白く、これだけでも体験してもらいたいです。
単純に早く早く手番をまわせまわせと手番プレイヤーだけでなく銀行役まで協力ゲーム的に素早く行動したり、卓間の移動があるため、この卓は7人いるが、あの卓は3人しかいないので、手番が早く回って得だ!という通常であればメタ的な要素が自然にゲームに組み込まれているのは流石フリーゼと感心させられます。
・18cz

今年の18XX枠。18XXは基本的な共通フォーマットが優秀すぎて遊ぶと必ず楽しいわけですが(評判良い作品ばかり遊んでいるのもあるでしょうが)、昨今のゲームの面白さ要素の抽出、スピード化をうまく18XXフォーマットに乗せていました。
18XXの魅力の1つであるプライベート会社の個性をつぶして、能力を全部統一化するという大胆さに驚きましたが、これが単に煩雑さをなくすだけでなく、その能力によってプレイヤーや会社の資金ブーストを任意のタイミングでかけられるようになっており、プレイヤーの意思を任意に反映させることと、やりたいと思った戦術を取りやすくしています。
あと、列車もこれまでは4列車が買われたら2列車がとぶなど、1元的な仕組みだったのを、1枚の列車カードに複数の列車を表現させたことによって、4列車のカードは買われたがそれは4列車としてではなくXX列車としてだったからセーフ!という多元的な仕組みにしたため、列車の廃棄の突発性が薄れてちょっとしたセイフティが効くようになったのも今風だなと思いました。
・トリックと怪人

ゲームマーケット2017秋の新作。各プレイヤーが1枚ずつカードを伏せてプレイして、誰が一番大きい数字を出しているか(犯人か)を当てる(一応事件の犯人を当てる設定)というだけのゲーム。示す色でだいたいの数字がわかることと、5がでてると10は犯人になれないとか、全部5以上なら3が犯人とかの軽い効果を考えつつ、犯人を指差して当てます。
全員がカードを伏せてプレイした時点でだいたい2択か3択かになり、そこから1人ずつ指差しで誰が犯人と思っているかを公表していく過程で、あれ?あの人がこう推理したということは…と絞り込まれていくので大抵全員が指差し終わる頃には確定してる。
推理ゲームは、個々人が推理を公表したいゲームであり、かつ、推理は論理パズル的なもので十分楽しまれる思っていたのだけど、まさにこのゲームで、難しくないパズルメーカーとしてプレイヤーを使いつつ、思惑の入り込む余地のないシンプルさにすることで、個々人の頭の中で『解決編』を繰り広げさせて楽しませるのはお見事。難しい設定やシステムはいらんかったんや!
・□□◯◯◯紹介記事
漢字2文字+カタカナ3文字のヒントでお題を回答者に当てさせるゲーム。
ヒントを出す方もそれで答える方も適度に頭を使う必要があるのでセンスの戦いになるところと、ヒントのフォーマット(漢字2文字+カタカナ3文字)のせいでパワーワードが自然にうまれるところが良かったです。
ヒントでお題を当てさせる系のゲームは、ヒントを出した人をネタにして笑うところがありがちですが、笑うにしてもヒントそのもので人にまでそれが及びにくいのもクールでかっこよい。
・BONK
理屈はいらない。
BONK。左上がうますぎる人で右下がへちょい人です pic.twitter.com/MbMuURFZR6
— ひだり@ 12/3,16,1/6,20 (@h_idari) 2017年12月17日
R120大賞について
R120というセミクローズ会を定期開催してるのですが、その参加者の中で毎年、その年のベストゲームを決める戦いをしています。
・参加者1人あたり、自分の今年のベストゲーム2つを選ぶ
・それを候補にトーナメントを作り、ランダムに選んだ2,3ゲームをプレゼン→投票で戦う
・決勝戦で勝ったゲームがR120大賞
というレギュレーションです。
今年の参加ゲームは以下の17ゲームでした。
デルブ、主計総監1914、アズール、大東亜共栄圏、ロレンツォ、ワトソン&ホームズ、汽車は進むよ、チングース、ヒットZロード、ガイアプロジェクト、サイドリアル・コンフルエンス、BONK、タイムストーリーズ、エスノス、18TK、テラフォーミングマーズ、ラッタニア
対戦カードがランダムに3つくらい選ばれるので、人気ゲーム同士がぶつかると票が割れて、ひょっこり負けてしまうこともあり、ガイアプロジェクトやテラフォーミングマーズ、アズールといった人気ゲームが負ける波乱があったりなかったりした結果、大賞は主計総監1914になりました!(紹介記事)
見た目がウォーゲームみたいにみえるかもしれませんが、各プレイヤーがそれぞれの国のデッキを持ち、そのカード効果をカードプレイで使ったり、伏せて罠みたいにしたりと対戦カードゲームぽいゲームです。チーム戦なのでプレイヤー間で助け合うのも楽しいですし、うまく「史実よりうまいことやったか」が点数になるようにバランスが取れられいるので、同じ条件ではじめて点数を取り合うのがベースになっているユーロゲーマーが遊ぶと新鮮で楽しいかと思います(僕はそこが楽しかったです)
その他振り返り
2017年はちょっと生活環境がガラッと代わり、ボードゲーム遊ぶのどうなるかなーと思っていたのですが、新しい知り合いができたり、自宅会の回数が増えたりと、これまでと変化しつつも、ボードゲームへのパスは増えた一年でした。
全体的に見れば遊ぶ時間自体は減っているように思うのですが、色んな機会が増えたので多彩な面から楽しめるようになったとも感じています。
面白かったゲームは上に書いたのでそれ以外のボードゲームの話だと、ワトソン&ホームズを全シナリオ終えたのは感慨深いです。最初は元版であるスペイン語版を買うかどうか迷い、英語版がでてからそれを買い、1シナリオずつ訳して遊んでいたものを日本語版がでたので自分も遊べるようになって、ようやく全シナリオ完了と(日本語版出た時点で2,3シナリオしか残ってませんでしたがw)。一番好きなのは、4つ目くらいの目を閉じた死体みたいな名前の事件です。あまり書くとネタバレになるので書けませんが。
ブログは書きたい気持ちはあるもののめっきり記事数が減ってしまい、情けない限りです。書きたいゲームもゲーム以外の内容もあるんですが。今年は月3本なので、来年は月4本にはしたいもんです。とはいえ、ボードゲームブログ自体が増えてるので僕のストレス発散以外の役割は薄くなってるように思いもしますけど。
読んでいただけている方がいるのは嬉しいですし、暇つぶしに使っていただけているのはありがたいです。
今年は夏に浅草ボードゲームフリーマーケットのお手伝いをさせてもらった関係で、ゲームマーケット春にも宣伝を兼ねて出展したりと久々にイベントに複数回参加した年でもありました(ゲームマーケット秋は家に居ましたが)。
フリーマーケットは主催のタロ吉さんが色々考えられていて、開催形態やその運営など興味深い点もあり、良い経験をさせてもらいました。
ボードゲームはひとりでは遊べない趣味ですし、単純に「面白い」といっても、個々人の遊び方や趣味嗜好で受け止め方が劇的に変わるものでもあります。そういう意味で、いま色んな方々に遊んでいただいていることや、その方々が僕と同じゲームを似たペースで遊んで面白いと言っていただけるというのは、めちゃくちゃありがたい話でもあります。
是非是非、来年も引き続きよろしくお願いいたします。
キーパー/Keyper

(4人でインスト込み2時間半ほど)
【概要&ルール】
農場を手に入れたけど、建物ねえし動物もいねえ!1年間かけてすげえ農場にしてみせるっぺ!
プレイヤーは手番に以下を行います。
※キーパーでは、自プレイヤーコマを“キーパー”、ミープルの形をしたコマを“キープル”と呼びます
・キープルをプレイする:アクションボード上のいずれかのマス(各マスにアクションが書かれてます)か、自分の個人ボード上にキープルをプレイしてその場所のアクションを実行します(プレイ時の制限などについては後述)
・キーパーをプレイする:まだ他プレイヤーのキーパーがプレイされていないアクションボードへキーパーを置きます。
・キープルを倒す:プレイ可能なキープルがない時のみ行えます。自分のキーパーが置かれているアクションボードか、自分の個人ボード上にプレイされているキープルを倒して、その場所のアクションを実施します。
全てのプレイヤーの手元からキープルとキーパーがなくなったらラウンドは終了し、フェアの処理を行った後、自分のキーパーが置かれているアクションボードを受け取り、その上に置かれていたキープルを次ラウンドに使えるものとして受け取ります。
各プレイヤーがアクションボードを任意の形に変形(※)させて場に戻し、次のラウンドを始めます。
※実物見ないと何言ってるかわからないかと思いますが、アクションボードは複数の紙を貼り合わせた作りになっていて、パタパタと偏見させることで、12種類のボードが作れます(春4種類、夏4種類、秋冬4種類の12種類)
こうして4ラウンド終了時に最も点数の高いプレイヤーが勝利します。
・キープルの配置周りのルールについて
枠色のフォロー:アクションボードの各アクションには枠が付いているものと、ついていないものがあり、手番プレイヤーがキープルを置く際、枠と同じ色のキープルを置けば、通常1回だけのアクション数が+1されます。枠がついていないものは何色のキープルを置いても増えることはありません。
他プレイヤーのフォロー:手番プレイヤーがキープルを置いた後、時計回りにそのアクションをフォローするかどうか他プレイヤーに確認します。この時、フォローを選択し、手番プレイヤーが置いたキープルと同じ色のキープルをフォローしたプレイヤーが置けばアクション数は+1されます。手番プレイヤー、フォローしたプレイヤーともに同じ回数アクションを行います。
(例えば、手番プレイヤーAが茶色枠のアクションに茶色キープルを置き、それをプレイヤーBがフォローして、同じアクションに茶色キープルを置けば、プレイヤーA,Bともにそのアクションを3回行います)
プレイヤーのフォローは枠のあるなしに関わらずできるので、枠なしアクションをフォローすれば手番、フォロープレイヤーともに2回アクションを行うことになります。
※これらのアクション回数の考え方はキープルを倒した時も基本的には同じです
フォローされていないアクションを後で行う:誰もフォローせず、アクションマスにキープルが1つだけ置かれている時、そこに同じ色のキープルを置くことができます。この時のアクション回数は枠色と同じなら3回、枠なしなら2回です。
・フェアー
その季節のフェアーのタイルを事前に持っていれば、ラウンド終了時、フェアータイルに書かれたのと同じ資源&動物を公開してフェアーを成功させることが出来ます。この時に公開した資源類は失われません。成功したフェアーはゲーム終了時に点数になります。
・最終得点計算
キーパーではゲーム中に入る点は船アクション時に指定の資源か動物を売ることによる点数しかありません。ゲーム終了時に、フェアーの点数と、得点条件を満たした農場に建てた建物からの点数を追加します。
【プレイ内容】
hal_99さん、domiさん、タロ吉さん、僕の4人で。
インスト前に可変式のボードに全員がひと盛り上がり。
おー、おー、と言いながら、ぱたぱたひっくり返して遊んでから、インストを受けスタート。
さてどこから手をつけるかですが、とりあえず、建物タイルが欲しいかなと。
建物タイルは全てユニークで早い者勝ちですし、春(第1ラウンド)だけは春専用の建物タイルになってるので、おそらくこの後の戦術に影響が大きいものが多いのだろうと思いながら、みんなで場に出てるタイルを眺めます。
隣接する建物タイルの建築コストがタダになるものや、宝石に変換する効果のもの、出荷の点数効率をあげるものなどあり、どれがいいんだ?お、これ強そう!などとみんなで言い合いながら、タイル獲得アクションにキープルをおき、それを下家がフォローしという形でみんなどんどん建築タイルを獲得していきます。
建築できない時の減点などのデメリットはないため、「これ、いいんじゃない?」くらいの感覚で気軽にとっていきます(建築できない時は手番損にはなりますが)。
僕が獲得したのは、「農場側に建設した建物×1点(アップグレードすると、農場側のアップグレードした建物×2点)」の建物。つまり、今回は農場側を活発にしていくプレイをします。
そうなりゃ、話は簡単だとヤギ小屋とニワトリ小屋も獲得。
動物は、小屋がなくても獲得はできますし、各プレイヤーに最初から配れている小屋の建築タイルはありますが、小屋のない動物はラウンド跨ぎで死亡(ストックに戻す)しますし、ヤギ、ニワトリ、イノシシ、シカの4種は雑多に収納する小屋しか初期タイルにはなく、専用の小屋は新たに獲得しないとなりません(ただし、初期タイルに比べて得点効率は高いです)。
※ヤギ小屋だのニワトリ小屋だの言ってますが、ゲーム中は農場側にありさえすれば建物の種類に関係なく動物を収納できます。ゲーム終了時の得点計算の時だけ建物に対応した動物でないと点数になりません。

(動物は8種類。ニワトリ、ブタ、羊、イノシシ、ヤギ、シカ、馬、牛です)
そんなわけで動物プレイだーと農場系のタイルを取って、動物を集めてきて…と思うわけですが、タイル獲得はともかくとして、動物は別にみなさん欲しいものが被っているわけでもない(豚とか牛とか、基本的な動物ならフェアに向けて必要なこともありますが、ヤギやニワトリはなかなか必要な人がいない)ので、アクションをフォローしてもらえるわけでもなく、さびしく一人でアクションすることに。
キープルが手元からなくなれば今度はアクションボードに配置済のキープルを倒してアクションを実施できるようになります。キープル数は最初のラウンドでは全プレイヤー同じなため、倒してアクションした人と、キープル配置だけのアクションしかしてない人では、要はアクション回数に差がついたということになるわけで、では、どこで差がつくかというと自分の手番外に他プレイヤーのアクションをフォローできたかどうかです(例えば、4人プレイで自分以外の全プレイヤーのアクションをフォローできたとしたら、手番1周で4キープルが手元からなくなりますが、フォローできなければ手番1周で1キープルしかなくなりません。手元の8キープルをなくすのにフォローしなければ8周、完全フォローできれば2周必要になるわけで、その周の差で生まれる手番は倒すアクションに費やされることになります)。
しかも、フォローされる/すると1キープルあたりのアクション回数+1されるのでフォローはしたい/されたいわけです。
と思ってよくよく場を見ると、ヤギは船でも手に入りそうです。
船は6種類の中から4種類が毎ラウンドランダムに選ばれて場に出てきます。アクションボード上に海があり、そこにキープルを置く(アクションをする)際には4種類のなかからまだ選ばれていない1つを選んでアクションボード上にキープルともにプレイします。
船には、動物と資源が1つずつ書かれており、1アクションごとにどちらかをもらうか/個人ボードから売るを選びます。当然、このアクションもフォローの概念があるので、海と同じ、水色のキープルでアクションをすれば+1、さらに他人からフォローしてもらえれば+1になります。
ヤギは4匹(4アクション分)欲しかったので、1回はひとりでヤギをもらうアクションを選び、もう1回は船アクションをフォローしてヤギ(と船に書かれた資源)を獲得しました。
各アクションボード上に徐々にキープルがたまっていきますが、下手に偏らせると下家にキーパーをおかれてしまうのが怖く、複数ボードにあるアクションはキープルのまだ少ないボードでみなさん実行されてましたが、それでも4体、6体となってくると…、1人がキーパーを配置!む、ではここは抑えたい!とその下家も配置…とせきを切ったようにみなさんキーパーを配置。4人目はいつおいても変わらないので、アクションを優先されてましたが。

(春も終盤。キーパーが徐々に置かれていきます。)
そして夏ラウンド開始。アクションボードは使いたい面を決めたら全員一斉に公開します。なので、被ることもあるわけですが、今回はタロ吉さんとHalさんが被り。被っても別に悪いことはないというか、そもそも右半分2通り、左半分2通りの組み合わせなので、全て被らなくても半分はだいたい被ります。
といっても、1つのアクションマスにおけるキープル数は最大2つ。誰かがアクションを選択して、フォローしてしまえばそれで終わりです(一応、倒してアクションすることもできますが、そのアクションボードにキーパーを配置&他人より早くキープルを置ききらないとならないので、不確実ではあります)。春にたくさんのタイルを取っていたので建築したいなと思っていたのですが、それはみなさんも同じ。あっという間に建築するアクションは埋まってしまいました。んじゃ、秋に建築できるよう資材集めとくかと、資材とるアクションと加工アクションを重めに実行して夏は終了。
ここでキープル数に差がでます。キーパーを置いたボード上に乗っている(その季節にアクションが行われた)キープルをそのまま受け取るため、平等にはなりません。そんなわけで次ラウンド、僕だけみなさんより1個少ない7個でラウンドすることになりました(何個ボード上にあろうとアクションに使えるのは8個までです。9個目以降は資源/動物1つと交換になります)。
そして秋。せーので公開したアクションボードは2種類(2人ずつ同じ面)! こんなこともあるんですねえと和やかに言いあいながらも目は笑わずに、やりたいアクションはちゃんとあるのかと素早くチェックするみなさん。

(上2つ、下2つが同じ!)
結果、「フェア達成できない!」と悲鳴があがりましたw。フェアは春は2点しかもらえませんが、秋になると6点とそれなりの点になります。しかも、フェアに使った資材は消費されないので、点数効率的にうまいこと使いたい要素です。
ここで宝石を使うので宝石の組み合わせが得点になる建物も獲得しつつ、僕はひたすら建築!そして、アップグレード!からの得点に必要な動物&宝石獲得!キープルの数は少ないのですが、建築はみんな多かれ少なかれやりたいアクションだったので、フォローしたりされたりでうまいことアクション数を稼ぐことができました。
動物は船から手に入れることも多かったですが、Domiさんが船で出荷するプレイをされていたので、若干不安だった船でも効率よく動物を獲得できました。そして秋が終わって、いよいよ最終ラウンドである冬の始まりですが、また僕はキープルが7つ。
どうも個人ボード上に各自が建てた建物を使ったアクションも増えることもあり、なかなかいったん減ったキープル数を回復するのはなかなか難しいのかもしれません。
秋冬にだけアクションボード上に出てくる宝石獲得のアクションが黒枠で、急に黒キープルの需要が高まったりもしつつ、かといって今さら手元に集まってきてるキープルはどうしようもないので、各自がキープルでできることを行って冬も終わり、得点計算です。
なんかゲーム中はいって70点くらいかな?と思っていたのですが、結局、1つの建物が6点とか9点とかこまごまとした積み上げられた結果、想像よりはるかに多い100点を越えるところまでいって終了となりました。

(終了図)
【感想】
すごくオーソドックスなアクション選択して箱庭を作っていくというのをベースに、やりたいアクションと手元にあるキープルの色の間でどう折り合いをつけるかに焦点が当たったゲームです。
自分が選んだアクションにせよ、他人の選んだアクションにせよ、色をあわせたりフォローすればアクション回数は増えてお得な感じはしますが、それが自分のやりたいことなのか、ちゃんと得点につながる行動なのか?自分の今やりたいことではないけども、アクション数増えるし…、どうしようか?という部分を悩んだり、フォローでアクション数アップだぜーやっほーいと楽しくなったり…というゲームです。
1ラウンド目は各プレイヤーにバランスよく全色配られているキープルが、色フォロー&アクションボード選択で次ラウンドの使用キープルが決まるというルールのために、徐々にプレイヤー間で偏りができていくので、自分が効率よくできるアクション(得点手段)は何か、協力し合うのは誰となのかという方向性が定まっていきます。毎ラウンドキープルはバランスよく配るというシステムもあり得たかと思うのですが、その変遷とそれに伴うアクション効率の変化、新たな評価付けをプレイヤーにやらせたいんだなと思います(3人プレイだと急激に偏りが進むので4人プレイの方が僕は好みですが)。
それ自体は別にいいというか、(ある程度欲しい色のキープルを取れるとはいえ)今手元にある色のキープルだと俺は何すればいいんだ?何ができる?と、毎ラウンドの開始時に考えるのは楽しいのですが、アクションやタイルの選択肢がプレイヤーに親切に作られているわけではないということ、拡大再生産は全くしないので結構目先のことに対処しているだけで終わってしまうことはあらかじめ認識しておいた方がよいかと思います。
前者は、最近のゲームではある程度システムで得点までの道筋がフォローされている、どんな手を打っても次にちゃんとつながるといったいわゆるセイフティに関する話で、例えば、春にヤギを得点化するタイルが手に入ったら、ヤギを手に入れる手段がちゃんと用意されるだとか、タイル建設に加工後の資源が必要なのであれば、資源を加工するアクションがちゃんと用意されているだとか、そういう点がキーパーではシステムで用意されていない場合があります。
夏のアクションボードの組み合わせは4種類ありますが、資源加工のアクションが登場する組み合わせは1つしかありません。僕は4回遊びましたが、3回は夏に加工アクションが登場しませんでした(個人ボード上に加工建物を建れば問題ありません)。
春に資源ためて、夏に建物を建てるための資源加工をやるつもりがまさか加工するアクションがないなんて!となるわけです(自分で加工のある面を出してないのが悪いですし、その手に拘る必要もないんですが)。
後者もある程度アクション強化や得点ルートの構築などで、XX戦術的なものがゲームを進める指標としてシステムでフォローされながら形作られていくゲームが多い中で、キーパーはこの選択をしたからこの後もこの方向性でというようなものはあまりありません。得点化するタイルも1タイル4回しか得点できず、同じ得点要素を複数タイルで使いまわすこともできないので、俺はこれ!と決めたとしてもせいぜい1,2アクション程度で用無しになり、なんというか、1つ1つの資源の扱いがえらいドライな感じがします。
ほとんどのゲームであれば、スタートからゴールまでの成長曲線がシステムで作られ、そこをある程度先を見据えたり、勝手にある程度の道筋まで定められながらプレイしていくところを、キーパーは、自分で自分のやりたいことをフォローした上で、素の状態でアクション→得点の効率を短期的に追求していくのがメインになるストイックなゲームです。
(キーフラワーと同じように、春夏秋冬と季節がラウンドになってますが、春に準備、夏秋にかけて発展して、冬に得点!みたいな流れはないです。そもそも夏秋冬のタイルはランダム、秋冬はアクションボードは同じ組み合わせです)。
今風か?といわれればNOですが、人のアクションをフォローするかしないかを悩み、自分のアクションをフォローしてもらえるかどうか?にドキドキしたり、他人のアクションをノリノリでフォローするのは楽しいです。ただ、何回か遊んでますが、急に梯子を外されたような場面にぶち当たることがあったり、これ単に色合わせしてフォローしてるだけなんじゃ?と手なり感のある展開になる場合もあったりで、常に面白い展開が保障されているようなゲームではないというのもまた正直なところです。
□□◯◯◯

(インスト込み、1お題5〜10分ほど)
【ルール&概要】
制限付きのヒントを出して回答者にお題を当ててもらうゲーム群のひとつ。
回答者に見せないよう提示されたお題を、回答者以外の全プレイヤーが、漢字2文字+カタカナ3文字(例えば「空中ライト」とか)でヒントを表現します。
規定の優先度でひとりずつヒントを公開して、回答者がお題を当てることができたら、回答者と直近のヒントを出したプレイヤーが1点を得ます。
回答者を交代しながら何回か行い、合計点が高いプレイヤーが勝利します。
【プレイ内容】
彼葉さん、しゅだっちさん、キノさん、一味さん、僕の5人で。
最初は僕が回答者になり、出てきたヒントは
「夜空ウサギ」
答えを知ってるみなさんからは、なるほどねや上手いという声があがります。
夜空のウサギってことは月だよねえ。十五夜…。
「月見!」
違います!と2人目のヒントが公開されます。
「団子ススキ」
えー。月見じゃないんですよね!?それじゃあ、
「十五夜!」
違います!ということで3人目、4人目のヒントも見ましたが、不正解で終了。
んで、正解は『月』でした。回答をひねりすぎました。なぜ素直に答えないのか…。
続いて2問目。回答者がしゅだっちさんに移ります。
んで、この時にみなさんが書いたヒントが↓。

(記事の頭の写真と同じです。正解は記事の最後に。「玉玉ジャラ」「賭博キュウ」「玉入カセグ」「銀玉ビヨン」と書いてあります)
なんかお題と相性が良かったのか、全員が回答者を一回ずつやる、この2問目から5問目までの間で3問くらい僕のヒントで当ててもらえて終了しました。
ちなみに、この後、僕が書いたヒントは「好物ドック」、「爆発ヘアー」、「社畜ノヒモ」でした。

(好物ドッグの時のみなさんのヒント)
【感想】
ヒントに制限をつけてゲームを盛り上げて回答を難しくするというゲームのひとつなのですが、これはヒントの出し方や良いヒントに至る考え方が面白く、また、漢字2文字+カタカナ3文字で言葉を作ると自然と妙な味がでるので、毎回作られる言葉自体が面白いということで楽しく遊べました。
ルールブックにリスペクトとして絶滅ダウトが挙げられていますが、漢字2文字+カタカナ3文字でできる言葉のパワーワードっぷりはなかなかのものがあり、なんじゃそりゃと思いながらも答えを知っていると、あー、なるほどなるほどとなる不思議さです。
漢字2文字、カタカナ3文字で言葉を作るわけですが、回答者に公開される順は
・ヒントを書き終える速さ
・ヒントに使われている単語がちゃんとした言葉か
の2点から決まります。2点目については、要は辞書に載っているような言葉を使うとより強い制限下でのヒントということで、先に公開する(得点する)権利を得ることが出来る理屈です。
今回書いたものだと、「好物ドッグ」は、好物もドッグもちゃんと存在する言葉なので2ポイント分の優先権がありますが、「銀玉ビヨン」だと、銀玉鉄砲とかあるので銀玉はともかくビヨンは擬音なので優先権は1ポイントのみになります。
先取りで点数を得るゲームなので先に公開するためには、とにかく書いてしまえばなんでも良いというわけではなく、お題を表現できるちゃんとした単語を探しながら、なおかつ、回答者に誤解されないような言葉でないとならないという、弱めの制限が適度に頭を使う感じで良かったです。
絵を描いたり、厳し目の縛りがあるわけでもないのに、いざ漢字2文字とカタカナ3文字を思い浮かべようとするとなかなか浮かびません。
これはたぶん文字数制限がきついというよりも、異種のものの組み合わせのため、漢字、カタカナ、絵などの単独のもの以上に情報量が込められるので制限のゆるさに対して頭が使われるのではないかと思います(形容詞+名詞の形が多くはなるでしょうが)。
単独のもののヒントのみ、または、単独のものに徐々に別種のヒントが追加というのはあったものの、最初から異種の組み合わせというのは案外新しいのかもしれません。まあ、新しかろうが古かろうが面白ければどっちでもいいんですが。
絵や文字を使ってヒントを出し、お題を当ててもらう系のゲームでは、変なヒント(と答え)で笑いが起こることがよくあります。テレストレーションなどはそれがメインのゲームですらあります。□□○○○ではヒントが最初から変、しかも、回答権を先に得ようとちゃんとした言葉を使うほど変な言葉になるという恐ろしい作りなので、色々な問題というかデメリットをなくしています。
理屈で考えても良くできていて、遊んで楽しく、紙ペンゲームで気軽に遊べる(ここはデザイナーへの還元を考えるとマイナスでもありますが)と非常に良いゲームです。
とはいえ、まだ、神様が降りてきたような傑作ヒントには出会えてないので、神のヒントを探す旅に出たいと思っています。
最後に。一番頭にある画像のヒントの答えは「パチンコ」、3枚目(出汁ドクロのやつ)の答えは「骨」でした!