ルクソール/ Luxor

(4人でインスト込み1時間半ほど)
【概要&ルール】
1人で奥にはいるよりできるだけみんな揃って奥の方に行こうぜ!一番奥にある宝よりみんなの名声だよねー。
プレイヤーは探検家?になって遺跡の中に潜っていきます。途中に獲得した宝や、最終的な到達場所が点数になります。
プレイヤーは5枚の手札と複数の探検家コマを持っています。手札は並べ替えることができません。手番には手札を1枚プレイして書かれた数字分、または書かれた特殊な方法で自分の探検家コマのいずれかを進めます。
プレイできるのは手札の右端か左端のどちらか1枚だけです。
移動した先のマスの処理をして、手札を補充したら、次のプレイヤーに手番が移ります。
補充する手札は必ず真ん中(左右に2枚ずつの場所)にいれます。
これを繰り返し、遺跡の一番奥の部屋に規定の探検家コマが入ったらそのラウンドの最後までやってゲーム終了です。
・宝の獲得処理
移動先のマスに書かれた処理を行いますが、宝の書かれたマスには、その宝を獲得するために必要なコマ数も書かれており、1人のプレイヤーがそれと同じ数のコマを置く(何手番かかけて移動させる)とそのタイルを獲得でき、あわせてタイルに書かれた点数を得ます。
これにより空きマスができるため、今後、宝タイルがあったマスはとばして探検家は移動します。
【プレイ内容】
たる田さん、しのぽさん、ぐんまさん、僕の4人で。
ツイッター上で評判がよいツイートをよく見かけたので、遊ばせてほしいとたる田さんに持ってきていただきました。
手札からカードをプレイしてその数字分進んだり、その手札の使い方に制限があったりするもののマスの並びは(中心に向かってらせん状にはなってますが)一直線だったりで、基本的にはすごろくです。
(ルクソール=テーベのどの遺跡がモデルになっているかよくわからないのですが、とりあえずルクソール神殿は(らせん状ではなく)一直線みたいです)
じゃんけんに勝って僕がスタートプレイヤーです。
ひとりだけ先に進ませて使える探検家コマ数を増やすのがいいのか、手前からお宝を取っていくのが良いのか、よくわかりませんが、とりあえず適当にカードをプレイして始めます。
あまり意図せずに3のカードをプレイしたのですが、ここは、獲得に2コマ必要なお宝タイルのマスです。
つまり、僕はもう1コマ同じマスに移動させれば獲得できます。
当然ながら、他のみなさんはこれから2コマを移動させて来なければ取れないわけで、手札に移動できるカードがあればという条件付きですがこのタイルに限れば僕が一番有利になりました。
そんなわけなのかたまたま手札になかったのか、下家のぐんまさん、たる田さんと僕と被らないタイルに移動させていきます。
なるほどね!と思いながらも僕の使える手札に3のカードはなかったので、別のコマを動かします(1と2のカードはあったのでそれで3マス目を目指そうとしました)。
本当にカードがなかっただけで、特に意図があったわけではないんですが、移動先には既にぐんまさんのコマがあったため、お!お?と取り合いか?みたいな感じに。いやいや、カードがないからですよとヘイトをあげないようアピールしました(そもそもスタート直後はコマは2つしかないのでこのマスを争えません)。その直後、たる田さんも僕が既にコマを置いているマスに進めてきたので、あ、これは確かにドキドキするわと納得。
ドキドキ回避と当初の予定通り、スタートから3マス目の宝を獲得しました。
この前後にぐんまさん、たる田さんも宝を獲得された関係で一気に空きマスが増えました(宝タイルがあった場所は壁に何も書かれてなければ宝をとられると空きマスになります)。
しのぽさん:「あ、空きマスはとばすから一気に進めるようになるのか。計算狂うわー」
そう、これまで4や5のカードでないと進めなかった場所まで2や3のカードで進めるようになりました。

(こんな感じで空きマスができます)
さっき僕は3マス先の宝タイルを取るのに、3,1,2とカードが手札にあったので、よしよし獲得に必要な2コマをちゃんと送り込めるぞと思っていたわけですが、手前のタイルを他の方が取った場合、3,1,2とカードをプレイしても同じマスにたどり着けなくなる場合がでてくるようです。
おー、なんだこれwと楽しいのは楽しいですが、狙ったところに移動できなくなるのは困ります。
さらに言えば、先頭を移動するとこの空きマスの恩恵を受けられず、あとから来る人たちと比べて移動効率が悪くなってしまいます。んじゃ、ゆっくりあとから進むのか?というと、やはり誰にも触れられていない宝タイルは魅力的ですし、ゆっくりいくのは、他プレイヤーに楽に得点を与えているということにもなります。
まあ、そもそもどんなカードが補充されるかは運任せだしと気楽にいきます。
宝タイルが取られたところは空きマスになると書きましたが、タイルのわきの壁に壁画あるマスは宝がとられたあと、特殊マスになります。特殊マスではゲーム終了時に点数になるスカラベがもらえたり、強い移動カードがもらえたりします。
強めの移動カードは宝タイルが取られた跡地だけでなく、最初から見えている特殊マスでももらえます。そこでは、最奥の至聖所(ルール読んでないので表現は違うかもしれません)に入るのに必要なアンクか、強めの移動のためのカードがもらえます。
この強めの移動カード、獲得時にはそのマスに止まったプレイヤーの手札に入りますが、プレイすると普通に全員共通の捨て札になり、移動カードの山札がきれた際には捨て札が全部シャッフルされて補充用の山札になって、あとは普通の移動カードと同じ扱いということで、最初の一回だけ引いた人が得、あとは運任せです。
一方でアンクは至聖所に入らなければ入らないで1つ1点になります。じゃあ、自分以外も得する移動カードよりもアンクの方がいいんかな?でも、特殊移動カード強いの多いみたいだしな…と悩ましいです。
とにかく最初の1回は確実に自分の得になるからその後のことなど知らん!とばかりにカードばかり集めていくしのぽさん、他人が得するのはいやじゃあとアンクしかとらないたる田さんとこのおふたりは両極端。ぐんまさんは中庸というか、その時々でちゃんと損得考えて選択されている模様。
そして、僕はというと、悩むくらいなら最初からそのマスに止まらない!という方針を取りました。
(どうしても止まる以外の選択肢がない時は、カードを選択してました。どうせ最後の至聖所には他の方が入って自分は入れないだろうと思っていたので)
中盤にはいったあたりでちょっと困ったことが。
ルクソールでは宝は3種類あり、3種類そろえることでセットボーナス点がもらえます。なので、色んな種類の宝を取っていった方がいいんですが…。ここまで取ったの壺しかねえ! いくらなんでももう少し種類を増やした方がいいのはわかるんですが、効率よくカードを使おうとしたり、他の人と被っている部分を避けようとしてたらこんなことに…。
まあ、こちらは心を入れ替えて壺以外も取っていけばいいんですが、それよりちょっとまずいなーと思っていたのが、壁画付の場所の宝タイルを取る機会がなかなかなく、みなさんは宝タイル+αを手に入れていたのが、僕は宝タイルだけということです。

(壺しかない)
セットボーナスも特殊マスからもらえる恩恵も受けずにプレイするのは流石にやばいだろうと心を改め、カードの内容重視にするのは変わりませんが、できるだけそういう宝やマスを狙うことにしました。
そんな矢先、僕が1つコマを置いていた壺の宝タイルの上にしのぽさん、たる田さんがコマを移動させてきました。他のコマを動かしている間にしのぽさんたちの2つ目も置かれました。流石にもう壺いらないだろうと思われてるんでしょうが、いや、2人も2つ置いてくれたなんて、ちょっとおいしすぎませんかということで、「本来の獲得に必要な人数から1コマ少なく獲得できる」特殊カードを使用して壺を獲得! うーん、楽しそうだからやっちまいましたが、さすがに壺を集めすぎてるな…と、ここからは本当に心を入れ替えました!
そして、後半戦にはいっていくとゲーム展開が速い! 特殊マスとしてワープ(ワープマスAからワープマスBに一気に移動できる)が使えるようになったり、空きマスがどんどん増えたり、そこで移動終了すると1~3マス先まで移動できるマスが増えたりで、序盤から中盤にかけて徐々に徐々に進んできたのがウソのように、バッ!バッ!と先に進めます。
特殊移動カードももうかなりの数が山札に混ざっており、えーと、手札にある数字が〇とXだから…とか考えていたのが、全コマ2マス移動カードで一気に移動して、1~5マス移動できる(範囲内ならどこでも止まれる)カードで微調整しつつ宝獲得だななどと、やれることも派手になってます。
誰が最奥を目指すのか?と様子見をしたのかわかりませんが、結果的には僕が最初にとびでて最奥に向かう流れに。実は僕はまだ1コマスタート地点にいたので、他のみなさんが全部のコマを先に進めるのを優先されたのに対して、僕はそうしなかったというだけかもしれません。
最後まで駆け抜けてしまおうかと思ったのですが、1~2コマで取れる宝は至聖所手前にいくつかあり、みなさんゆっくり目の進行スピードだったので、もう1つのコマを待って、宝を取りながら進むことにしました。
先に頭1つ抜けてるメリットは大きく、よしよし邪魔されずに宝タイルとれそうだと油断していると、ぐんまさんに「本来の獲得に必要な人数から1コマ少なく獲得できる」特殊カードを使われて、1手無駄にしたりしましたが、そのあとは、だいたい思い通りに取りたい宝は取れて、まず1コマを至聖所に。ぐんまさんやたる田さんが至聖所を目指されるかと思いましたが、移動カードの関係か、もう少し手前の宝獲得や、スカラベ獲得中心に行動されてます。
ゲーム終了時にコマがある場所に応じて点が入りますが、それは当然奥の方が点数が高いです。しかも、最奥に近付くにつれ得点の上がり具合が急になるのでスタート地点付近にコマが残っている僕は不利といえば不利です(同じだけ進めた場合、点数の上り幅が僕以外の方の方が大きい)。
では、さくっと終了トリガーを切ってしまいたいわけですが、自分で最奥行くと思ってなかったのでアンクを持っていませんw。
急いでアンクをとってもう1コマ至聖所に突っ込ませます。これでなんとか勝てたかな?と思っていると、たる田さんから「(移動カードの数字が)ちょうどじゃないと至聖所には入れないよ」との指摘が! そうでした!
幸運なことに次のカードは1~5の範囲移動カードだったので、1ターン足踏みして後ろの方のコマを動かし、その次の手番で今度こそ至聖所にもう1コマ突入成功。
僕がスタートプレイヤーだったので、みなさん最後の1手番を実行して、ゲーム終了となりました。

(至聖所?玄室に突入してゲーム終了!)
この時点では僕が勝ってますが最後のボーナス点などの追加です。
コマの位置の得点は至聖所に2コマ突っ込ませているものの、遅れていたコマの分が効いてそこまでみなさんと点差はつかず、スカラベ点はたる田さんが後半毎手番スカラベを取るという戦術をとられていたので、ダントツ。
そして、宝のセットボーナス点です。僕はセットボーナスは2組のみ。しのぽさん、たる田さんは3組、ぐんまさんはなんと4組です。
このセットボーナスの点でぐんまさんが1点差で僕をまくり、勝利されました!
【感想】
ルクソールは毎手番、数字を1つ決めてその分、コマを進め、進んだ先のマスのイベントを解決するというすごろくフォーマットのゲームです。
(ボードゲーマーの中で)一般的にすごろく(人生ゲームも含んでいいと思います)がつまらないと言われるのは、3つの要素が不足しているからだと僕は考えています。
1つ目は刺激、2つ目は計画性、3つ目は選択肢です。
(この3つが抑え目になっていることで誰にでも受け入れられるゲームになる/なっているとも思うんですが)
逆にルクソールはこの3つの要素が充足されているからこそSDJの候補にも選ばれるような(ボードゲーマー受けする)ゲームになっているのだと思います。
例えば計画性です。このコマをXマス進めて、今度はこちらに〇マス…と考えることができるのは、手札を複数枚持っており、その中から選ぶ形になっているからで、通常のすごろくでもサイコロを手番ごとに振るのではなく3つくらいストックしてそこから使うようにすれば計画性がうまれます。
選択肢は手番に使えるカードは右端か左端の2択&どのコマを動かすかで多くはないですが、計画性と相まって意味のあるものになっています。『右に行けば10%で百万ドル、左なら50%で二十万ドル』みたいなものではなく、意図を持って選べる選択肢だと思います。
計画性と選択肢が加わって面白くなっているのは確かなんですが、僕がルクソールのシステムで一番うまいなと思っているのは、計画性でも選択肢でもなく、前述の"刺激"の部分、ゲーム中に徐々にゲームに加わっていく空きマスや特殊カード、追加コマです。
計画性も選択肢も最小限のもので、正直な話、徐々に飽きてしまいます。そこに随時新しい刺激(空きマスや特殊カード、追加コマ)が投入されるため、徐々に考え方を変えていったり、それまで気にしなくて良かった点を気にする、新しいムーヴができると、飽きを解消する/飽きさせない作りになっているように思います。
他プレイヤーの動きと新要素の随時追加が、ルクソールでの良い感じの“刺激”になっています。
単調にならないような計画性や選択肢をあらかじめ用意し、さらにそれに慣れてきたところに追加追加と単純でありながら単調にならないように工夫している、基本は簡単なシステムながら言い方は悪いですが、終了までの時間、逃げ切っているゲームだと思います。
と、良い作りのゲームであることは間違いないんですが、優しすぎるゲームであるとも思います。
例えば、ルクソールは点数(宝)を取るには複数コマが必要になります。一部の特殊カードを除けば、1度に1コマしか動かせないので、先に手を付けられた宝を他プレイヤーが後からきて獲得することは非常に困難です。なので、大抵の場合、先に手を付けた宝は計画通り獲得することができます(手札にカードがないかもしれませんし、計画実行中に途中に空きマスができるなどして、まごまごしてる間に取られることがないとはいいませんが。何しろみんなの通り道なので取れるものがあれば取るでしょう)。
この建てた計画がちゃんと実現するというのは、ちゃんと達成感を味あわせる、計画することの意義を持たせるという意味で大事だと思います。しかも、もしかしたら失敗するかもというドキドキも感じた上での達成というのは嬉しいものです。
しかし、前述の通り、ほぼほぼ先に手をつけた人が取れてしまうので、厳しい目で見れば、自分の計画通りに淡々とコマを進めているところに見せかけのハラハラドキドキが加わっているだけとも言えます。
移動カードの選択肢があると言っても制限された上での2択なので他人に干渉することも難しく、また、それほど意味がありません。
遊びやすく、楽しさもきっちり提供され、しかも、基本的にカードの引き運以外ではプレイヤーは嫌な思いをすることはほぼないみたいな優しい世界のゲーム。良いゲームだとは思いますが、僕はもう少し汚くて優しくないゲームが好みではありました。
うんちしたのだあれ?/Who Did It?

【概要&ルール】
うんちしたのは○○です!と言いながら記憶の限界に挑戦するゲーム。
各プレイヤーには規定の種類の動物の描かれたカードが同じ枚数(同じ種類)配られます。
スタートプレイヤーから、カードを出しながら「うんちをしたのは、うちのXXではなくて、○○です!」と、出したカードに書かれてる動物XX→次に指定する動物○○という形で宣言します。
これを聞いた他プレイヤーは手札から指定された動物○○の描かれたカードを場に出します。
最初に出せたプレイヤーが続けて「うんちをしたのは私の○○ではなく、△△です!」と宣言し〜と誰かがミスするまで繰り返します。
手札を全部出し切ればあがり、最後まで残るか、誰も持っていない動物を指定してしまったらうんちトークンを受け取ります。
トークンが規定数たまったプレイヤーが敗北です。
【プレイ内容】
ヒガさん、タロ吉さん、僕の3人で。
まず、ヒガさんからうちの亀ではなく〜とスタート。最初のうちは手札がそれなりの枚数あるので、あ、ハムスターねと思っても咄嗟に出せずあたふたあたふた。
早く出すゲームだと思っていたので、ある程度言われる動物を予想して対応します。みんなそうしてたようで、「お、魚はってましたね?」とか言い合います。
そうこうして全員の手札が2,3枚減った辺りでタロ吉さんがうっかり既に僕もヒガさんも持ってない動物を宣言してしまってアウト。
「えー、見逃してましたー」などと言いながら2回戦。
今度はヒガさんがうっかりで失敗。
しかし、うっかりミスがなくなってきてからが本番でした。
次第にうっかりはなくなりましたが、そうなると全員手札が1,2枚になるまで失敗しないので、本当によく覚えてないと誰かの手札にまだいる動物が何かわからなくなります。
なので、みんな1,2枚になると正直、自分が宣言したくなくなります。
しかし、他の人が指定した動物が手札にあると出さなければならないので、必ず宣言の番はまわってきます。

このハムスターを出しさえすれば上がれる! けどそのためには、今回の宣言を成功させなければ…。
「うんちをしたのは、うちのウサギではなく…」
ウサギとハムスターはもう2人とも出してるはず。あと、オウムももう枯れてるのは覚えてる。となると候補は3種。
タロ吉さんは1枚だけどヒガさんは2枚持ってる。当てられる確率は高い。大丈夫だ。
「ウサギではなく、猫です!」
2人ともカードを出さない。ためてるのか、焦らしてるのか。あー、あー、出してくれー…。
「出ない!持ってないのかー!」
持ってませーんと手札を公開するおふたり。
慣れてくると宣言のスピードがあがるのでまたうっかりミスをしたり。
最後もサクサクサクサクと宣言を通してたはずが早い時期にタロ吉さんがうっかりミスで失敗して規定のウンチトークンを受け取ってしまい終了となりました。
【感想】
いやー、また、うんちとかさあ、子供向けでしょ?子供騙しでしょ? うんちうんち言うのはコロコロだけにして欲しいもんですよ。などと軽く見ていましたが、面白かったです。
カード種類数がちょうどいいのか、それとも種類をほ乳類で固めずに魚とかオウムとか毛色が違うのが混ざっているのがいいのかわかりませんが、ぎりぎり、あと1,2枚で上がりというところで記憶が厳しくなります。
(真面目な話を書くと、人間の短期記憶の容量が4前後なので、理屈から言ってもそうなります。短期記憶の容量、以前は7前後と言われてましたが最近は4前後という考えが主流?なようです)
連続で1人のプレイヤーがカードをプレイすることはできない(うちの子じゃないって言ってるので)のが効いていて、カードがだいたいみんな同じくらいのスピードで減っていくので、自分が上がりそうな時にはまわりもそれに近い枚数になってるので、『余裕であがる』ことは大変難しいです。
誰かが失敗すれば終わりですし、あまりにも最後の1,2枚くらいになった時に記憶を振り絞るのが辛いのでゆっくり出して誰かのミスを待つというのもやってみましたが、僕の手札が多い分、周りが楽になっているように感じましたし、むしろ、他プレイヤーの手札が減ってから宣言することになる(他人の宣言した動物を持ってたら必ず出さないとならないので必ず手番はきてしまう)という苦しみ!
かと言って早出しすると誰もミスせずに自分の手札だけ早く減る辛さ!
最高でした!
人数が多いとじりじりした時間が増えるのかもしれませんが、3人でもいきなりクライマックスになりますし十分楽しかったです。
というか、人数少ないほうが記憶力勝負になってガチゲー度あがりますね、たぶん。
人数はともかく、短期記憶の容量はおそらく人による差はそれほどないはずなので、誰と遊んでも同じように楽しめるんじゃないかと思います。
神経衰弱系などと同じでメモリー系ではありますが、ワンミス死亡なのでミスして覚えるなど悠長なことはできませんし、また、生き残る/最初に失敗しないが目的になるのでちょっと他のメモリーゲームとポイントが違うようでそれもまた面白かったです。
センチュリー:大航海時代(スパイスロード+イースタンワンダー)/ Century: From Sand to Sea

(4人でインスト込み1時間ほど)
【概要&ルール】
三部作の一作目と二作目を合わせて一緒に遊べるぞ! 三作目がでたら、三作混ぜられるだけでなく全組み合わせできたりするのか!?
センチュリーシリーズ三部作の一作目のスパイスロードと二作目であるイースタンワンダーとを使って遊ぶのがセンチュリー:大航海時代です。
ざっくりいうと、イースタンワンダーのルールのキューブ補充部分をスパイスロードルールに置き換えと移動時にカードを使うようにしたものです。
プレイヤーは手番で、以下のいずれかを行います。
・船を移動させる
・場からカードを取る(スパイスロード)
・手札からカードをプレイする(スパイスロード)
・プレイ済みのカードを手札に回収する(スパイスロード)
船の移動は、
・基本的に1つ隣のタイルに移動する(足踏み可)
・1タイル移動するたびにカード(※)を自分の捨て札山に移す(※手札もしくはプレイ済みのカード)
・船のあるタイルに交易所を建てるか決める。建てる際、他人の交易所があるならその数分のキューブをストックに払う。
・船のあるタイルに自分の交易所があるなら書かれたキューブの変換ルールに則って自由に自分のキューブを変換する
・船のあるタイルが港なら、点数タイルに書かれたキューブを支払って点数タイルを手に入れる。
規定数の点数タイルを手に入れたプレイヤーが出たら、そのラウンドの最後までプレイしてもっとも点数(点数タイルや建てた交易所に応じて獲得)の高いプレイヤーが勝利します。
【プレイ内容】
しゅだっちさん、タロ吉さん、キノさん、僕の4人で。
僕以外のみなさんはすでにイースタンワンダーも大航海時代もその日にプレイされていたのですが、会場の閉館までにちょうど良い時間のもの&なかなかスパイスロードとふたつ持ち込まれなかろうということでお願いして遊ばせてもらいました。
そもそもスパイスロードは一度遊んだきりではあるものの難しいルールではないですし、イースタンワンダーも基本ルール自体はシンプル(手番で船動かして移動先で変換)なので5分ほどでサクッとインストしていただきスタートしました。
イースタンワンダーだと船を移動させずにキューブを得るというアクションがあるようなのですが、大航海時代だとアクション自体がなくなり、代わりにスパイスロードのように手札からカードをプレイすることで補充することになってます(スパイスロードと同じく黄色2個補充&キューブ2つレベルアップのカードが初期手札として配られてます)。
スタート時、場に並べられたカードは先頭の2つが、補充系のカードだったので、2番目までのタロ吉さん、しゅだっちさんは迷わずそれを獲得。補充系のカードいいなあと思いながらキノさんと僕はスタートです。
この日の1戦目の感想で交易所配置の点が案外バカにならないというのを聞いていたのと、交易所を特定種類のタイルに配置するとカードや特殊なタイル(移動力プラス1や即点など)がもらえるということから、交易所ばらまいていくかーと思いながら盤面をよくよく見てみると僕のとった初期資源はスタート位置で変換したあとちょっと離れたところに持っていかないと次の変換ができません。

(ゲーム終了時の写真ですが、交易所は最初個人ボード上に埋まっており、建てるたびに空いたスペースに書かれている数字がゲーム終了時の点数になります)
ありゃ、よく見て取ればよかったと今更ながらに思いますが、まあ、今更なので仕方ねえと手札使ったり当初考えていたのより他のタイルも使うなどしてゲームを進めます。
しかし、みなさん展開が早い! タイルに交易所を建てる最初の1人であれば、交易所のコストはタダなので当たり前ではありますが。
そして、僕の『こう進もう』と考えたルート採りがしゅだっちさん、タロ吉さんの後を追う形になってしまい、交易所をおくためにちょこちょこと余分にキューブを支払う羽目に。
空いてる方に向かえばよかったんですが、最初に思い付いたルートと、交易所を特定種類においた際のボーナスを重要視しすぎました。
そうして若干無理して早めにとった特定種類おいた時のボーナス「場にある好きなカードを取れる」は、見事にたいしたカードがない時に発動することになり、ほぼ無駄に。ボーナス効果が発生しないように別のタイルを選択するのも、キューブの変換規則的にちょっと考え直すのがめんどくさかったとは言え、ぼけぼけです。
キノさんは誰もこないボードの半分を自由に移動しながら交易所を建ててたんですが、とりあえず変換は大して効率的にできなくてもとにかく先に交易所を建ててしまえという思い切った戦術を取られたしゅだっちさんがキノさんのいる側にまっしぐらに移動してくれたおかげでキノさんの有利は消滅。
僕はそのしゅだっちさんが駆け抜けた脇のまだ誰も交易所を建ててないブルーオーシャンに向かいましたが、タロ吉さんとまた被る結果に。
この辺から徐々に交易所を建てるために払うキューブが2つになったタイルも増えてきます(要は2軒目まで既に建っている)。
序盤はこのタイルあのタイルと変換していけばいいなというだけだったのが、他プレイヤーの交易所が既に複数建っているタイルの使用頻度が上がってくると、交易所を建てるためのキューブの確保が大変になります。
タイルで変換してタイルを増やしたいけど、そのために必要な交易所を建てるキューブが足りない。いったん数を増やすためにちょっと離れた交易所建築済のタイルに行くか? いや、それよりはまだ手番数的に得なはずと補充系のカードをプレイします。
手番の綾で補充系のカードが取れなかった僕は、ひたすら初期手札の黄色2つを獲得できるカードをプレイしてましたが。
あれ? なんかみんな変換ばっかしてるけど、点数ってどうやって取るんだっけ? と阿呆なことを思い始めた頃、みなさん、手元のキューブの具合が良くなったのか得点タイルを取り始めます。お、そうですよねーとのんきにかまえていましたが、取ろうと思っていた得点タイルを先に取られてしまいました。
あ、のんびりしてたまずいまずいと、直後に、最高点と思われる20点の得点タイルがでてきたのを獲得。
獲得したんですが、今度は焦り過ぎで、誰もまだ取れる状況になかったのに慌ててとってしまったため手元のキューブがなくなってしまいました。なんてこった!
ということで、ほそぼそとカードプレイして補充→カード回収→再度カードプレイして補充と、変換の元になるキューブを作るために無駄な足踏みする羽目に。
みなさん見てみると、序盤に建てまくった交易所を活用して自由自在に変換していくしゅだっちさん、強めの変換系カードを活用していくキノさん、その逆にカードはほぼ使わない&交易所建築もぼちぼちで移動だけ終了になっても今ある交易所中心に変換していくタロ吉さんとみなさん色がありました。
僕は足踏みやらなんやらが響いて点数タイルの獲得数がみなさんより1枚少ないまま終盤に。交易所数でも負けてるしなんとかしたいけどなんともならんなあと思っていると、しゅだっちさんが規定数の点数タイルを獲得して終了トリガーを切られ、そのまま頭ひとつ抜け出た点数で勝利されました。

(終了時の盤面)
【感想】
今回はスパイスロードルール重視(カードでの変換重視)の方がいらっしゃらず、混ぜた時のバランスはよくわからないんですが、移動でカードを使うため、効果としては必要ないがカードを取るという手もあって、場のカードもちゃんとまわるので、単に混ぜただけでなく、お互いが活きるような作りになっていると思います。
(他要素が違いすぎるので)ピンポイントで似てるゲーム同士で比較する意味を感じないのですが、どうしても意識しますよねと、スパイスロードと比較しながら書いて見ます。
スパイスロードは個人個人で変換ルーチンを作るゲームでした。点数カードが取れるようになる程度にキューブを生産&変換できるようになるのが目標で、獲得したカードやキューブについては誰からも妨害されることなく変換ルーチンを繰り返しぐるぐるまわせました。面白さはゲーム前半は手番開始時の状況からみた自分にとってのカードの価値と支払いコストの評価&どう変換装置を作りあげていくか、ゲーム後半は提示された点数カードにあわせてどう変換ループを組み合わせるかといった、プレイヤー個々に閉じた静的なものでした。(カード補充時の「あー、良いカード(がとれる/とられる」といった悲喜こもごもも楽しかったですが)
一方で、イースタンワンダーは交易所を配置することによる点数が強めに設定されていることや、交易所配置のコストがゲーム進行に伴い徐々に上がる(配置したいタイルに既にある他プレイヤーの交易所数が増えていく)作りであることから、同じ変換を使い続けるのではなく、新しく建てた交易所を変換ルーチンに新たに組み込んだり、その建てるためのコスト増に対応するために常に変換ルーチンをアップデートし続けていくゲームです。変換ルートを作り続けるゲームと言ってもいいです(試してませんが、同じ変換ルーチンを使い続けるのは交易所建築分の点で不利だと思っているため、こういう書き方をしてます)。
タイル間をどう移動すれば変換がうまくつながるか、どこで点数化を挟むか、ながーく続いている変換ルートをどう効率的に進んで行くのかを考え、他プレイヤーの行動に伴うコスト増による計画変更を臨機応変に取り入れられるか。計画構築からの変更への臨機応変な対応という動的な面白さがメインのように感じました。
交易所配置を途中でペースダウンしたとしても、他プレイヤーのいるタイルに入るためにコストが必要なため、イースタンワンダーはどちらにせよ、変換ルーチンを一旦構築したとしても妨害が入る余地=他プレイヤー起因による計画/変換ルーチンの随時更新が求められるゲームなんじゃないかと。
スパイスロードは個人個人に閉じていたと書きましたが、故に、妙にパズル的な場になることが(特にゲーマー度高めの人たちだと)ありました。要は誰がどんなカードを取っていて、どんな変換装置を持っているかある程度把握しあっているため、本来プレイヤー個々に異なるはずのカードの価値観が他プレイヤー目線でも共有できていて、あ、これでたら、こっち取るよね。そしたら、こうだ、こうなったらそうなって、ここで点数とるよね。そしたら、俺はこっちでこうだ等々と最善手が明確なパズルをやっているだけのような、展開が淡々としているゲームになってしまう場がありました。点数カードが出てきた瞬間に、これAさんが取るよねと言い合うような。
とはいえ、これは逆に言えば、予定調和というか妙な紛れが入り込まないということでもあります。それを好む人もいますし、一応随時更新されていく補充カードと点数カードによって、あ、こっちの方が得だ!となる瞬間もあって、淡々とした中にも刺激はちゃんと用意されてはいました。
まあ、その刺激は面子によっては大した刺激にならなかったりもしましたが(僕は大した刺激に感じなかった人です)。
イースタンワンダーは更新し続けていくゲームなので展開は単調になることはありませんし、刺激は十分にあると思います。計画通りにやりたいんだ!という人には酷なゲームだとは思いますし、盤上の全てのタイルが相手だというには、タイルは無秩序に並んでいるため一定数以上の把握は難しく、悪い言い方をすれば行き当たりばったりのゲームとも言えます。
今回は全員がイースタンワンダー要素での変換強めでプレイしたため、実際のところはようわかりませんが、全員が交易所を建てることによるコスト増を前提にしたイースタンワンダーに、交易所を建てなくてもプレイできるスパイルロード要素が入ってバランスがどうなっているのかは激しく興味があります(スパイスロード側がおまけになってる気はしますが)。
変換繰り返して得点化という構造は同じ、変換能力も(たぶん)似たようなもんというどのゲーム要素が変わったらどうなるのかを比較しやすいゲームがシリーズ作として出て、それでいて結構はっきりと好みが分かれるようになってるのは面白い作りだと思いました。