ライズ・オブ・トライブス/Rise of Tribes

(インスト込み4人で80分ほど)
【概要&ルール】
うちの部族が一番だー、いやー、うちだー。ボコスカボコスカ。いや、全く関係ないうちが一番でしたね。
自分の部族を繁栄させて最初に規定点に達することが目的のゲームです。
プレイヤーは誰かが既定点に達するまで、時計回りに手番を繰り返します。
手番は以下の流れで行います。
1.ダイスを2つ振る:ダイスの目は太陽2つ、月2つ、無地2つで、ゾロ目がでたらイベントが発生する。
2.アクションから1つを選んでダイスを配置して、アクションを行う×2
3.1エリアに既定数以上のコマがいる場合、紛争発生&解決。
4.持っている資源を消費するなどして、目標カードを達成したり、集落を作ったりする
<アクションの種類>
・成長:自コマのある任意のエリアに既定数の自コマを追加する
・移動:既定数の自コマを隣のエリアに移動させる
・収穫:自コマのあるエリアから既定数を選択し、エリアの地形に応じた資源を得る
・カードを引く:各プレイヤーが持っているデッキからカードを既定数引く
<アクションとダイスの関係>
各アクションには対応したダイスが3つずつあり、その目が月が2つ以上ならアクション効果が下がり、太陽が2つ以上ならアクション効果があがるようになってます。
成長なら、通常は3コマ増えますが、月が2つ以上なら2コマ、太陽が2つ以上なら4コマ増えると効果が変わります。

(こんな感じでボードがあり、各アクションに対応した場所にダイスをおくようになっています)
<カードの種類と達成>
カードは引いただけでは効果はなく、道具系のカードならかかれた資源を払うことでちょっと得点+アクション強化効果(例えば獲得する資源数+1とか)、目標系のカードなら書かれた条件(山エリア4つで過半数をとっている等)を満たしていればそれなりに得点できます。

(個人ボードの左側に引いたカードはおいておき、手番終了時に条件を満たして/資源を払えれれば個人ボードの右に移して効果を適用できます。条件を満たすのはその時点だけでよいです。カードは持ち主のウキンさんが日本語化されてます)
【プレイ内容】
ウキンさん、Domiさん、ちとさん、僕の4人で。
ウキンさん以外は初プレイでしたが、手番順で初期配置にかなり傾斜がつくようになってることにまずウキンさん以外の3人が驚きます。スタートプレイヤーは初期配置できるのは1エリアですが、4番手プレイヤーは2エリアもらえます。
ちょっとちょっと倍違うんですけど。つまりこれってかなり後手番がきついってことですかねと話しながらスタート。
今回は部族ごとにちょっとした能力を持った拡張?入りで。各部族2種類の能力があり、ゲーム開始時にどちらを使うか選びます。僕は条件が比較的楽そうな『収穫時に自コマが4つ以上あるエリアから得る資源+1』の能力を選びました。
かなりさっくりとコマが減る戦闘解決のルールだったので、まずは、自コマ数増やさないとなと思ってたんですが、僕の手番でイベントが発生。先着3名まで収穫時に木材が+2もらえるようになりました。
うーん、それなら収穫しないと損だよなあ、いまは月が2つあるから効果が弱まってるけど2エリアから既定数の資源がもらえるから、初期配置から少し移動して2エリアに広がってから収穫だよなあと、自コマを増やすのを後回しにして移動&収穫を実施。
初期配置は3コマだったので、2エリア分に広がったことで2コマと1コマに。
みなさんも収穫はしたそうですが、僕は3番手だったので、次は4番手のDomiさんは初期配置で2エリア(&6コマ)持ってるので、収穫しても特にコマが薄くなることはなし。次々手番のちとさんは2順目なので自コマ数は増やし済。
戦闘解決ルールは簡単で、手番終了時に6コマ以上になってるエリアがあれば、5コマ以下、かつ、1プレイヤーのコマのみになるまで対消滅していくシステム(なので、他プレイヤーが4コマあるエリアに4コマ移動させると全部相殺されて空き地になります)。
通常は収穫などのアクションにエリア内のコマ数は関係ないので、1コマでもアクション効果に変わりはありませんし、大量に移動してこない限り戦闘は発生しませんが、倒そうと思えばすぐに倒せる状態なのでドキドキはします。
早くコマ増やさないとなと思いながら2手番目。ダイスを振るとまたもやゾロ目でイベント発生。
今度は蛮族コマが盤上に置かれました。NPC扱いで移動はせず、戦闘開始などの条件は同じですが、蛮族のいるエリアでは収穫はできません(プレイヤー間では、上限をこえなければ1エリアに複数プレイヤーのコマがあっても問題ない)。
自分の周りから離れた空きマスに蛮族コマを一気に3つおいた結果、Domiさんがなんか安全地帯にいるみたいな感じに。
なんか僕はイベントを出す係みたいになり、何故か5手番連続でゾロ目をだしてました。XXがもらえる系のイベントは発生すると嬉しいんですが、下家の方々に取られるのでいま取れるなら取ろうか…とやってた結果、おそろしく鈍いスタートになってしまいました。

(湖エリアを移動力無しで通り抜けられるカヌーが登場したので、急いで条件を満たしてカヌーゲット。しかし、盤上では僕の黄色はめっちゃ出遅れてます…)
僕がとろとろやっていた間に、トップに躍り出たのはDomiさん。僕の作った蛮族の壁や、運良く太陽がそろったり、収穫量+1の道具カードを真っ先に達成して大量に資源を獲得するなど、いろいろと有利なことが相次ぎ、最初に集落を作られました。
集落は色々効果がありますが、手番開始時に1点もらえるのが大きいです。さらに数手番後にもう1つ集落を作られ、手番開始時に2点もらうようになってしまいました。
既定点は15点なので毎手番2点もらってたらやばいでしょうとみんなで殴ろう殴ろうということに。
ちとさんは引いたカードの効果が移動系だったためか前面にはでず、ボード隅で人を増やして資源をためて…と堅実なプレイ。
とりあえず隣接エリアにDomiさんのコマがあるエリアがあったので、移動して攻め込みます。
更にウキンさんもDomiさんのエリアに攻め込みますが、ウキンさんは序盤に達成した道具が、成長時に増やすコマ+2や戦闘開始前に相手のコマをまず1つ減らすというもの。これで部族の能力も、増やしたコマをエリアではなく手元に置いておき戦闘発生時に任意に追加できるという能力で、人増やして他人を殴るために生まれましたみたいな部族。
一気にDomiさんのコマがあった2エリア落とすという鬼のようなプレイ。
Domiさんは一時、ほぼ全てのコマを盤上に配置してしましたが、このちとさんウキンさんの波状攻撃で集落は全部破壊されるわ、コマは1つまで減らされるわでボロボロな状態に。

(Domiさん(青コマ)全盛期。緑のウキンさん、赤のちとさんに殴られて、この1巡後に1コマまで削られます…)
完全にこの対Domiさん攻勢で得をしたのは僕。
盤面に人コマがなかったり手番順がDomiさんの上家だったりで、戦闘には参加せずに国力は全く減らず。
しかも、カードの引きが悪くて使えなかっただけでめっちゃ大量の資源を持っていました。
戦闘のせいでみなさんの国力が低下したタイミングで、カード引きまくって大量に持ってた資源で一気に道具系のカードを達成。
道具パワーで移動力も収穫量も成長量もプラスされてるを活かして、人コマ増やしてばらまいて目標も達成。
移動アクションのダイスが月に偏っており、戦闘民族のウキンさんは移動系の道具を持っておらず、戦闘したくてもできない状態になってたこともあり、他の皆さんの疲弊した国力では止められることなく1,2点の状態から2,3手番で一気に15点までかけ上がって勝利しました。

(成長するコマ数+2の道具効果で一気に人コマを増やしてその後、カヌーの効果で人を複数エリアにばらまいて条件達成)
【感想】
手軽に遊べるシヴィ系のゲームです。カードを引いてアクション強化、強化したアクションで国力上げて…とサクサクっとプレイできます。
サクサクさの要因は2つで、1つはアクション効果が国力依存ではないこと、もう1つはちょっと大きめに設定された既定数以下であれば複数プレイヤーのコマが同一エリアに入れることかと思います。
この2点のおかげで国力を上げるための下地を作るという段階がすっ飛ばされて楽しいところから遊べる&こういうゲームでよくある殴る意図はないがなんとなく牽制しあってる状態や特に目的なく放置されているコマが邪魔で移動が制限されている状態になるということがなくなり、一定以上の加速度でゴールに向かって直接的なやり取りだけをすればよいゲームになってます。
シヴィ系でよくある技術ツリーなども作らず、そういうカードは全部ひとまとめにデッキにしてしまいプレイヤーの意図があって、成長の方向が決まるのではなく、引いたカードに合わせた戦術をとるしかないという、あーだこーだと考える時間も省略させてます。
面白いのがアクション選択用に用いるダイス目が偏るとアクション効果が増減するところで、太陽2つ以上ある場合と月が2つ以上ある場合とでは、アクション効果が2倍近く違います。なので、出目次第では、やりたいアクションを諦めたり、逆に予定していなかったアクションを優先させたりすることになります。
ダイスの出目次第という完全に運なので、狙ってどうこうできるわけではないんですが、ダイスの偏りのせいでアクション効果が弱くなってて必要な効果に足りなかったり、出てしまった太陽の目をいずれかのアクションに置かねばならず、下家が有利になりそうで非常に嫌な思いをしたりと案外ドラマがあります(必ずそうなるというわけではないと思いますが、序盤と終盤でアクションの重要度が異なるため、ダイスの偏りの流れが終盤に望まれない形になっているなど仕込まれてるのかもと思うようなことは起こります)。
イベントも同様でダイスで発生&何が出るかもランダムという仕様な上、効果がかなりデタラメなものがあるので、これまたドラマの一要因になってます。
とはいえ、ダイスの偏りもイベントも運任せな割に効果がでかいので好き嫌いはありそうです。
全体的にどっかんばったんの大味/大胆な作りで1順もすれば大きく盤面が変わります。なので、悩んでもしょうがない、いや、必要以上に悩む必要がなくなり純粋に楽しめます!
諸々含めてゴールに向けてのこのスピード感はありだと僕は思います。手番回数が7~8回程度、インスト無しでプレイ時間1時間前後のゲームですし。
気になるのはゲームの展開に幅があるのかどうか。
アクション効果が序盤からそれなりに強いうえに道具系のカードの効果もまた強いので、序盤に持っている資源とマッチした道具系のカードを複数引いたプレイヤーがまずとびでます。しかし、当然、これは残りのプレイヤーからトップたたきということで攻撃されます。んで、この時に一番損害が少なかったプレイヤーが勝つという流れに固定されるような気が若干します。
少なくとも、最初にとびでて、殴られてへこんだプレイヤーが再度トップまで浮上するような時間(手番)はたぶんないんじゃないかと。
そんなわけで最初にとびでるとかなり不利なんじゃないかなと思ってしまいます(別に検証したわけではありませんが)。
あと、資源もカードも使わないで上限なしに持っておけるので、盤面上はそうでもなくても実はめっちゃ国力のあるプレイヤーが隠れやすいってのもちょっとなあと思います。
しかし、そんな「目立つ行動止しとこう」「チャンスまでひたすらしゃがみ」みたいなのはこのゲームの良いところである「下積み不要」「いきなり全力でやりたいことができる」を完全に殺してるので、ガンガンやろうぜと全員全力で走るみたいなプレイスタイルがこのゲームを一番楽しめるように思います。


(ウキンさんがお持ちなのがキック版だったせいか、色々と特殊コマが入ってたのでゲーム後みんなで遊んでましたw)
サンド・オブ・タイム/ The Sands of Time

(3人でインスト込み4時間ほど)
【概要&ルール】
この世の中は諸行無常。ラウンドの頭に手に入ったリソースが全て自分の手番が始まる前に上家に略奪されることもある。南無ー。
ある文明を率いて、建築、文化、戦争のいずれかの分野でうちの国はすごいんだぞと知らしめる(点数を取る)ゲームです。
ゲームは3つの王朝で構成され、王朝は複数の世代で構成されます。
各ラウンドの終わりに世代が終わったかの判定があり、一定ラウンドが経過した後、世代が変わるタイミングで王朝も変わります。
各ラウンド開始時に、プレイヤーは2枚のアクションカードを選択し、自分の手番がきたら公開、カードの内容でアクションを行います。
全員が1度ずつ手番を行ったら王朝トラックと世代トラックが1ずつ進みます。この時、ダイスを振り、世代トラックに記載されている閾値以下の目が出たらその世代は終了し、世代トラックはリセットされます。さらにこの時王朝トラックが一定数進んでいれば目標カードの達成確認があり、その後、次の王朝に移ります。
・アクションカードの扱い
各ラウンドでプレイする2枚のカードは、11種のアクションカードと3種のアンロックカードから選びます。
アクションカードは実行後、捨て札になるが、アンロックカードは場に残ります。
アクションカードには常に実行できる内容とアンロック時のみ実行できる内容が併記されており、該当のアンロックカードをプレイ済の時のみ、アンロック時のアクションが実行できる。
アクションカードはアンロックカードも含め世代終了時に手札に戻ります。基本的に同世代中、同じアクションカードはプレイできませんが、不満トラックを進めることでプレイ済のカードを1枚再利用できます。
・偉業カードと達成
主な得点源は偉業カードに記載された目標を達成することです。アクションカードの中に偉業カードをプレイするというアクションがあり、それを使ってプレイします。偉業カードは達成の難しさに応じて7種類あり、最初から各プレイヤーが持っています(かつ、使ってもなくなりません)。
王朝の終了時に各プレイヤーがプレイ済の偉業カードの内容を確認し、自分がプレイした偉業カードの目標を達成していれば、偉業カードに書かれた点数を獲得できます。
ただし、達成するにはプレイした偉業カード以上に自文明の偉業レベルを上げておく必要があります。
3王朝分(つまり3回)偉業カードの達成で得点したらゲーム終了で、最も点数の高いプレイヤーが勝利します。

(写真の向きが悪いですが、上の方にあるボードが偉業レベルを示すトラックと偉業カードをプレイするところ。手前の6列くらい並んでるのは各カテゴリに対応した技術カード)
【プレイ内容】
タロ吉さん、ウキンさん、僕の3人で。
タロ吉さん、ウキンさんは2回目。僕は3回目です。
まずセットアップで最初に自国になる3つのエリアを決めます。
各エリアは初期セットアップ時にランダムに産出するリソースとその上限が決まっています。リソースはお金と麦の2種類ですが、今回、建築に特化したプレイをしたかったので、建築に使うお金がたくさんでるエリアを取りました。
しかし、今回は上限の高いエリアがマップの一部に偏っていたため、ウキンさん、タロ吉さんも近くのエリアにというか、みんな隣接した状態でのスタートになりました。
このゲームでは1度建築した建物は何があっても壊れることなく、そのエリアに残り続けます。つまり、建物をたくさん建てて、ひゃっほーと浮かれていても、ワンパン殴られたらその全ての建物は他プレイヤーにエリアごと奪われてしまうわけです。
そんなわけで、他プレイヤーが近くにいるのはプレッシャーでしたが、スタート前にもらえる技術も建築カテゴリ(※)のものを選択しました。農民コマを2つ捨てることで建築コストを下げる技術です。
※得点の元になる偉業や技術は文化、建築、戦争という3つのカテゴリにわかれています。
お、ひだりさんは建築ですか…。これは殴らないとダメですねえという顔を(僕の気のせいかもしれませんが)されるおふたり。
初期の技術、タロ吉さんは文化、ウキンさんは戦争カテゴリのを獲得されました。
技術はツリー状になっており、技術アクションを行うことでどんどん高いレベルの技術を習得できるのですが、そのカテゴリの偉業レベルが一定値以上である必要があるので、基本的にその技術と同じ偉業レベルを上げることになります。
さらにいえば、偉業レベル=達成可能な偉業カード(点数になる目的カード)の上限なので、最初に獲得した技術と同じカテゴリの得点に結びつく行動をしていくことになります。
つまり、建築の技術を取った僕は、建築カテゴリの得点条件である
・首都に建てた建物レベルの合計
・建築した建物&獲得した技術についてる噴水アイコン数の合計
を伸ばすようなアクションをとるということで、
戦争カテゴリのウキンさんは
・自国のエリア数
・盤面上の自コマ数合計
文化カテゴリのタロ吉さんは
・交易アイコン上のキャラバンコマ数
・獲得した技術や建物についてる竪琴アイコン数の合計
を伸ばすような行動をすることが得点につながります。
噛み砕いていうと、建物カテゴリの僕は建築しまくる、戦争カテゴリのウキンさんは攻撃&併合で自エリアを増やしまくる、タロ吉さんはキャラバン引きまくりつつ、技術を上げる(たまに建築もする)ということになります。
建物はエリアについてる&奪い取られるリスクがあるということは書きましたが、ゲームを通して3回しか得点機会がないので、ある程度得点要素に集中してリソースを注ぎ込む必要があります。
徴兵もして戦争国家まっしぐらのウキンさんが僕の国を攻撃して、建物が建ったエリアを奪われる恐れはありましたが、エリアを奪えば得点リソースがなくなる建築カテゴリと異なり、文化カテゴリの得点リソースであるキャラバンと技術はいったん作ったり獲得したりしてしまえばなくなることはありません。そういうわけで、文化カテゴリで点数を取ろうとしているタロ吉さんに対しては、キャラバンを作るのに必要なリソースを削るなどのねちねちとした嫌がらせを序盤から仕掛けていくのが重要と思われます。
それを考慮されたのか、とりあえず目立っている僕だけでなくタロ吉さんのエリアに対しても略奪(自分の全ての兵士コマを隣接エリアに移動させて移動先のエリアの持ち主の資源を1コマにつき1つ奪う)を行われてました。
僕は得点要素としてわかりやすい『首都に建てた建物レベルの合計』を優先して伸ばすことにして、首都の隣のエリアに隣接およびそのエリアでの建築コストをマイナス1する効果の建物を建設しました。この後、首都エリアに高レベルの建物を建てまくる狙いです(各エリアに建てられる建物数は決まっている&コストを下げる建物は建物レベルが低かったので、首都に直接建てるのはやめました)。
しかし、ルール上、世代(ラウンドみたいな単位)が終わらないと同じアクションを実施できない(実施できないことはないが民衆の不満というパラメータがたまる)ので、コスト下げ建物を建てた分、この王朝(複数ラウンドで構成され、1ゲーム3王朝で構成される。各王朝の最後にだけ得点機会がある)中に狙っていたところまで建物を建てられるか微妙なことに。
1世代の間に何手番あるかは、ダイスで決まります。
1世代は1~4手番で構成され、2,3手番目の終了時にスタートプレイヤーがダイスを振って、目標値を下回れば世代終了、次の世代にという流れで、世代終了時に王朝トラック上でマーカーが次の王朝まで進んでいれば今の王朝が終了し、得点計算に入ります。
あと1手番で王朝トラックが次の王朝にまで進んでしまうので、この手番で世代が終わって、ぎりぎり今の王朝の間にもう1世代分アクション出来ないかなーと思っていたところ、ウキンさんが見事?世代終了の判定に成功して、もう1世代行われることに。
これでなんとか狙っていたレベルの偉業カードが達成できるところまで首都の建物レベルの合計数をあげられそうです。
ここで悲喜こもごもが発生します。タロ吉さんは世代がここで終わらず、王朝がすぐに終わると考えられていたようで、ちょっと控えめなレベルの偉業カードをプレイされていた模様。
もう1世代あるんだったら、その分のアクションでもう少し上のレベルの偉業カードが達成できたのになあと若干悔しそうです。
そんなわけで、最初の王朝で最大限頑張れた僕が第一王朝終了時の得点計算ではトップに。ウキンさんはここで偉業カードをプレイしてもわずかな点しか取れないしと偉業カードをプレイする分のアクションを自文明の発展に充てたようでした。
といっても、僕が7点、タロ吉さんが3点、ウキンさんが0点という低いレベルの争いではありましたが。
(得点トラックは1周100点ある&偉業カード1枚達成で最大28点稼げるゲームです)
まあ、たかだか7点とはいえ、トップであることには間違いないので、「じゃあ、ひだりさんの首都を攻撃して得点要素なくしましょうか」という流れに。
ウキンさんもタロ吉さんも初期配置が近かったので、攻撃しようと思えばすぐに攻撃できそうな位置にいらっしゃるんですよね…。
口八丁でごまかすにも流石に限界で、近いうちに殴られるのは間違いありません。
僕の文明の兵士は初期配置の3コマしかおらず、これで防衛するのは流石にちょっと厳しいです。徴兵して兵士を増やす必要があります。
ここで重要になるのがカテゴリのアンロックです。
アクションカードは偉業のカテゴリと対応づけられており、対応するカテゴリをアンロックしている場合、強化されたアクションを実行できます。徴兵アクションであれば、通常は1金払って兵士を1コマ配置するのみですが、戦争カテゴリをアンロックしていれば、通常の兵士1コマに加え、全ての自エリアで1金払って兵士コマと農民コマのコンバートが行えます。
つまり、僕はいま3エリア持っているので、戦争カテゴリをアンロックして徴兵アクションをすれば兵士コマを最大で4つ増やすことができます。
アンロックしなければ1回のアクションで1コマしか増やせないので、4回分のアクションを1回に圧縮したことになります。
じゃあ、アンロックすればいいじゃんという話ではあるんですが、アンロックは該当カテゴリの技術を上げてアンロックの技術を獲得するか、アクションカードの代わりにアンロックカードをプレイするかしかありません。僕は戦争カテゴリの技術を上げてないので技術でのアンロックは無理なため、戦争カテゴリのアンロックカードをプレイするしかないわけなんですが、プレイできるアンロックカードは1世代に1枚のみなので、僕が伸ばそうとしている建築カテゴリのアンロックカードはプレイできないということになります。
建築カテゴリのアクションカードはアンロックで追加される効果は限定的で、いまは不要なので、まあ、効果的にはいいんですが、アンロックカードにはもう1つ重要な『アンロックカードプレイ後に、該当カテゴリのアクションを何度か実行して経験値を貯めることで偉業レベルが上がる』という効果があります。
要は建築カテゴリのアンロックカードをプレイしたうえで、建築関連のアクションをしまくれば、建築カテゴリの偉業レベルがあがり、高得点の偉業カードが達成可能になるという仕組みになってます。
なので、できれば自分が得点要素(僕だと首都の建物レベルとか噴水数とか)をのばしているカテゴリの偉業レベルはどんどんあげておきたいんですが、流石に軍備を固めないと脱落まっしぐらです。
ウキンさん、タロ吉さんの兵士コマがどんどん迫ってくる中、慌てて戦争カテゴリをアンロック、徴兵アクションを実施してさらに移動アクションで首都に兵士を集めます。

(柱のコマが兵士。青コマがおかれている僕の国に赤い柱コマ=ウキンさんとこの兵士が大量に寄ってきてます。タロ吉さんの黄色兵士もこのあと寄ってきました)
その分、薄くなった首都の隣のエリアはウキンさんに取られましたが首都はエリアのコマ数上限を超える数の兵士を送り込んだので、ここ殴ったらダメージでかすぎるなと見逃されたのか、他にリソースを回して自分らの得点あげた方が良いと判断されたのか、兵士コマを下げてもらえました。

(第一次ひだりウキン戦争。首都にウキンさんとこの兵士もいるんですがうちの兵士コマのほうが多く、かつ、大量の農民コマも良くはありますが戦力になるので攻めてはいらっしゃいませんでした。コマ数がエリア上限を2倍以上超えた場合、餓死という体でコマが撤去されるので、ウキンさんはさくっと退却)
ウキンさんはそのあとも空白エリアを占領されたりしてこの王朝で7つまで保有エリアを伸ばされました。これでそれなりの得点リソースは確保されました(戦争カテゴリの偉業カードは達成が結構の目標が高く設定されている気がします)。
タロ吉さんはキャラバンを上限まで配置して竪琴数を増やす方に移行されてました(偉業カードは7段階ありますが、キャラバンや首都の建物レベルの合計については4段階くらいまでの偉業カードにしか目標が記載されていません。ルール上とり得る最大まで上げるのが容易だからかと思います)。
得点よりもタロ吉さんはうち回しが素晴らしく、長引いた世代の隙を見逃さず、得意な文化カテゴリからちょっと浮気して戦争カテゴリの技術を上げて常時戦争カテゴリアンロックの技術を獲得し、文化カテゴリに特化しながらも徴兵、略奪などの戦争系アクションを強化されてました。
ウキンさんはまだ自分のエリアを増やそうとされるはずですが、空きエリアもなくなり他国を攻めるしかありません。高得点の偉業カード達成のために噴水や竪琴のアイコン付き建物を今後建てていくことになる僕やタロ吉さんにとってはいつ攻められるかわからずちょっと不安です。
まあ、僕は攻めてこいやと兵士コマを自エリアに固めてますが。
第二王朝ではみんな順調に点数を伸ばして順位は変わらず。第一王朝からの加速がきいてるのか僕とタロ吉さんはウキンさんと比べて大きく伸ばしました。
そして、いよいよ最後の第三王朝がスタート。

(第三王朝開始直後の盤面。僕は左上にちいさくまとまってますが、ウキンさん、タロ吉さんは盤上に大きく広がってます。このゲーム、”戦争”を起こさない限り、同じエリアに異なるプレイヤーのコマが入っても問題ありません(上限超えると民の不満があがるんですが))
ウキンさんは僕やタロ吉さんの得点リソースを削ってくるか、ご自分の得点リソースを増やすことに専念されるのか。
僕とタロ吉さんは第二王朝の時からどう点を伸ばすかです。
得意カテゴリを伸ばすか、それとも、他のカテゴリにも手を出すか?
得意カテゴリを伸ばした方が点数の伸びは良い(偉業カードの点数はレベルが上がるごとに1,3,6,10…とあがるので)んですが、噴水アイコンをこれからいくつ増やせるのか不透明というか、同じ建物は同一エリア内に複数建築できないんで、効率良く噴水アイコンを増やすには自エリアが複数あった方が良いです、しかし、今あるのは2エリアだけですし、増やしたら増やしたでまた攻撃されそうですということで、壊されないリソースで得点できる文化カテゴリに手を出すことにしました。
タロ吉さんは戦争カテゴリアンロックの技術をうまく使って戦争カテゴリの偉業を達成すべく動かれている模様。
ほぼ全ての自コマを盤上に展開して自コマ数合計での点数を狙っているようです。
ウキンさんはトップは諦めたというか、僕やタロ吉さんを殴るのはやめて戦争カテゴリでの最高点を取るべく、10エリア占領を目指して空きエリアやタロ吉さんのたいしてコマを置いてないエリアを攻撃されてました。
自エリアが多く、兵士コマもマックスなので収入でも略奪でもめっちゃ資源が手に入ります。僕やタロ吉さんが麦と金を合計してもせいぜい10くらいなのに、20とか30とかお持ちでした。とは言え、占領にかかるコストもエリア数に比例して多くなるのでなんぼ使うのか使っていいのか計算するのが大変そうでしたけど。
タロ吉さんも僕も偉業カードは3枚プレイしてます。あとはそのレベルがどうかとお互いに達成が邪魔できるかどうか。
僕の兵士は首都に貼り付けていたのでとてもタロ吉領まで移動するような時間はありません。一方でタロ吉さんの兵士はうちの領土周辺に駐留してたのがいくつかいたので、首都の隣のエリアを攻撃してきました。
といっても、当然これは読んでいて、コマは配置していたのでタロ吉さんは不満を限界まで上げて兵力をブーストしないと勝てませんし、勝ったとしても手番順的に僕が下家なのでゲーム終了間際に取り返せば済む話です(一度建てた建物はどうやっても壊すことができません)。
手番順の綾で僕よりタロ吉さんが下家になってからゲーム終了だったならたぶん最後の手番で殴られてたろうなと思います。
最後の王朝も終わり、いよいよ得点のために偉業カードを公開します。ウキンさんは10エリア占領で一枚の偉業カードとしては最多の28点を獲得。
僕とタロ吉さんは3枚プレイしているわけですが、僕は3+10+15の28点、タロ吉さんは3+6+21の30点でタロ吉さんがわずかに上回りました!
しかし、建物点などでコツコツ稼いだ第2王朝までの点差でギリギリ逃げ切って勝つことができました。
タロ吉さんは偉業レベルはもう少し余裕があったんですが、偉業カードに同じレベルのものがないため泣く泣くひとつ低いレベルのものをプレイせざるを得ず、その分の点差で勝てたようで、手番の綾といいラッキーでした。

(終了図。第一王朝目にちょっと無理して点数を稼いだのと、最後の世代の手番順のおかげで勝てました)
【感想】
パッと見た感じが地政学マルチゲームで実際、攻撃要素はあって、その効果も派手ではあるんですが、効果の割に勝利に貢献する度合いがそれほどでもないという不思議なゲームです。
(ウキンさんいわく「こんなに戦闘(の勝利)が報われないゲームは他にない」だそうです)
戦争特化すると兵士コマ1つあたりの戦力が3倍とかになりますし、徴兵時の兵力の増え方も全然違うので、戦争に力を入れていない国では勝ち目がなくなって、簡単にエリアは失いますし、毎ラウンド(世代)開始時にもらえる収入も略奪アクションで全部奪われてしまうということも結構ざらです。
なので、攻撃した側はすごい得したように感じ、攻撃された側はめっちゃ殴られたように感じますし、実際に、他のゲームなら「こんなにぼろぼろになったらもう勝ち目ない」と思う程度のダメージではあります。
しかし、サンド・オブ・タイムでは不思議なんですが、得点要素的に見れば「全然大したことない」「ちょっと1手番やること増えたな」程度です。資源ゼロになったけどアクションに影響なかったり、むしろ自エリア減ってラッキーと思うことすらあります。遊べばわかりますが、建物を奪う目的以外で他人のエリアを減らすメリットはほぼないです。
攻撃の得点へのダメージが少ないってことで、「勝ちそうなやつを叩いて止める」のがゲームの主な特徴であり、ゲームの進み方である(地政学)マルチとはやっぱサンド・オブ・タイムは違うゲームなんですよね。
(でも、パッと見の被害がでかすぎるので殴られ耐性がある人しか遊ばないとは思いますが)
ゲームのメインどころは、
・得点方法である偉業カードの目標達成に向けた得点リソースの獲得(自エリア増やしたり、建築したり)
・最大点を伸ばすための偉業レベル上げ
・アクションコスト増につながる民衆の不満の解消
という3本柱を、
・プロット式のアクション選択
・アクションのアンロック対象選択
・いつ終わるのか手番数不定のラウンド
・(もちろん)他プレイヤーの動向
の中でどううまく回していくかという部分で、運、不運へのリカバリーも含め、遊ぶ側としてはかなり工夫のし甲斐があります。
でも、プロット式って難しくないの?と思うわけですが、うまく作られているなと思うのが、そのプロット式のアクション部分で、普通、プロット式のゲームというとプロット失敗=死というゲームもあったりしてかなり厳しい印象があります。しかも、サンド・オブ・タイムでは同時解決ではなく手番があるので、上家のアクションによってはアクション自体の意味がなくなってしまうことがもちろんあります。
例えば、建築しようとしてたのにお金を上家に奪われた時などです。
もちろんアクションが無駄にならないように他人のアクションを読む、手番順を考える、資源を消費するアクション+資源を獲得するアクションをセットにしてプロットするなどなど、対策はするわけですが、仮に手番開始時に資源がゼロで資源獲得系のアクションをプロットしてなかったとしてもなんとかなる作りになってます。フリーアクションで不満を上げる代わりに資源をいきなり獲得したり、偉業レベルを仮に一時的に上げることなどができるからです。
(不満は様々アクションのコストになっていますし、戦争時に不満をあげて戦力を追加することもできるので、低いにこしたことはないんですが)
事前に手をうったり、アクションカードのプロットで対処した方がフリーアクションでなんとかするよりもコストは小さいんですけど、とにかく資源がゼロになってもなんとかなりますよという作りです。
逆に言えば、こういったちょこっとした邪魔、できないわけじゃないけどちょっとだけ邪魔という手でじわじわと攻めていかないとトップ目のプレイヤーを引きずり落とすのは難しいと思います。
ちょっとコスト払ったり手が遅くなったりするけども、やりたいことはできますよというのがすごい僕はユーロ的に感じます。
そういう意味で非常に手軽なゲームです。だって、コストはあってもリソースマネジメントの意識は低くていいんですから。
余談みたいなもんですが、このゲームってシヴィ系ですかといわれれたことがあります。技術ツリーがあって軍事勝利や文化勝利的なものがあるので、シヴィ系といえばそうなんでしょうが、シヴィ系というにはテーマが希薄で、なんか原始人がなぐり合ってる感じなので、シヴィ系!?大好物!という人には期待に応えられるかちょっと自信がありません。
んで、最後に。
どういった手が強い弱いという話はあまり好きでない人もいるでしょうが、このゲーム、あまり仕組みをしらないプレイヤー同士だとまず間違いなく文化カテゴリ特化のプレイヤーが有利です(たぶん勝ちます)。戦争、建築はリスク無視したり他人無視したりして自分の得点源を最初にがっつり確保しにいかないと、得点リソースが破壊されたり奪われたりする分、不利な作りなので。普通の地政学マルチのつもりで遊んで最後に文化カテゴリ殴っても意味なーい、とめられなーいという場面を何度も見ました。
別にそうなっても楽しいゲームではあるんですけど、みんな文化カテゴリにいってプラスアルファの部分で競うとか、今回のプレイ内容みたいに最初期に無理してその点差で逃げ切るとか、一見無害に見える文化カテゴリこそ、一番たちの悪い敵であることは認識しててもいいんじゃないと思います。
見た目がめっちゃマルチ感あって、かつ、攻撃関連でめっちゃ殴られてる感あるのとプレイ時間がはっきりいって長い(たぶんインスト0.5~1時間+プレイ人数×1時間はかかる)ので、人は選ぶかもしれませんが、単純に殴った殴られたではない、アンロックによるアクションの変化や不満によるコスト増減のコントロールしつつのアクションカードのうち回しというプレイヤーが試されるシステムは是非遊んでみて欲しいです。
殴られまくっても案外なんとでもなる作りになってるので、プレイ時間はさておき、気軽に遊べる/殴れるゲームかと思います。
スパイクラブ/ Spy Club

(4人でインスト込み1時間ほど)
【概要&ルール】
僕らの街に事件発生! 僕らスパイクラブの出番だ!容疑者が逃げる前に解決してやるぞ!
スパイクラブという少年たちの探偵チームの1員になって起こった事件を解決します。
すごいざっくりいうとよりパズルチックになったパンデミックです。
山札切れ、アイディアトークン切れ、容疑者逃亡、時間切れになる前に、動機、犯人、犯行現場、犯罪、証拠品の5つの事件の側面を特定するのが目的です。
各プレイヤーの前に3枚ずつ手がかりカードが並べられた状態でスタートします。
プレイヤーは手番に3APを使ってアクションを行います。APを使い切ったら手札と場札を補充、イベント解決があった後、次の人の手番に移ります。
<アクション>
捜査:自分の前に並んだ3枚の手がかりカード(手札)のうち、任意のものを裏返す(カードは裏表異なる内容が描かれています)
フォーカス:フォーカスマーカーを任意の手札の下に移動する。移動後、アイディアトークンを既定数受け取る。
調査:場札から必要なコストを払って手がかりカードを手札に入れる
確認:手札からメインボードのスロットに手がかりカードを移動させる

(各プレイヤーの手札はこんな感じで並べておきます。手がかりカードは裏表で色が違うので、必要な色の組み合わせを作るのにパタパタと裏表を確認することになります)
<フリーアクション>
フォーカスマーカーの置かれたカードの側面(種類)が同じなら、他プレイヤーと手がかりカードの交換したり、アイディアトークンをもらえたりします。
<イベント>
手札&場札の補充が終わったら、容疑コマの移動カードを1枚めくり、出た内容に応じて逃亡マーカーと容疑者コマを進めます。
容疑者コマは各プレイヤーの手札をマスのように扱って、ぐるぐると移動します。移動先の手札の種類に応じて、アイディアトークンを捨てたり、手がかりカードを捨てたり、裏返したりとイベントが発生します。
<事件の1側面の確定>
メインボード上のスロットが同種(同側面)の手がかりカードで埋まったら、今回の事件での正解を確定させます(容疑者の移動カードの内容で特定されます)。
全ての種類の側面を確定させれば事件解決=ゲームクリアとなります。
クリア前に、手がかりカードの山札切れ、アイディアトークン切れ、移動カードの山札切れ、逃亡マーカーが最後のマスまで到達するのいずれかで敗北です。
<キャンペーンデッキ>
キャンペーンデッキという指示があるまで中身をみてはならないカードが170枚くらいあります。
通常のセットアップでも2枚は登場し、「XXをした時に裏面を読む」と指示されてます。指示内容はゲーム中のプレイングで展開が変わるようになっており、毎ゲームちょっとずつ違う内容のゲームになります。
そして、その内容を引き継いで2ゲーム目、3ゲーム目と次のゲームを遊ぶのが“キャンペーンモード”とされています。キャンペーンは5ゲームで構成されます。
※大抵はちょっとしたストーリーと新しいルール(アクション追加など)が書かれてます。

(左がゲームで普段使う手がかりカード、右がキャンペーン用のデッキです。1ゲームに使うのは数枚ぽいですが、かなりの分量があります)
【プレイ内容】
でじさん、Domiさん、如月さん、僕の4人で。
僕も初プレイですが、ルールを読むと、「え? 手札をパタパタ裏表みて、同じ種類(色)のカードを出していくだけでしょ? 何が難しいの?」と若干訝しさを感じてたんですが、やってみましょうとゲーム開始。
手がかりカードを場札からドローするのもメインボードに移動させるのも、アイディアトークンが必要なので、とりあえず、自分の手札の表裏を確認しつつアイディアトークンを取りますかね、みたいな流れに。
黄色(証拠品)のカードがみなの手元に多かったので、とりあえず、黄色を出しましょう、お、黄色がそろいましたね、これで1/5ですね。あ、今度は緑(犯行場所)がそろいそうですね。じゃあ、緑だしていきますかと、牧歌的というかなんかふんわりしたプレイ感で進んでたんですが、アイディアトークンが捨てられるイベントが発生。既定数をサプライから破棄します。
あ、これアイディアトークンなくなっても負けですと(インストはしてたものの)一応お伝えしたところ、え、これ案外数が少ないですよ、いま黄色と緑が終わって2/5くらいですけど逃亡マーカーも何気に半分くらいまできてますね…という話になり、
「のんびりやってたら、これ間に合わんぞ」
とみなさんの心がひとつになりました。
そんなわけで、残りは、赤(動機。復讐とか)、緑(犯行場所)、紫(犯人・容疑者)の3種類。カード内訳をみると、赤や紫の枚数は少な目で、しかも、これまで黄色(証拠品)や青(犯罪内容。強盗とか)を特定するために使ったカードの裏面が赤や紫だった可能性もあり、先ほどの時間があまりなさそうに続き、手がかりカード足りるんかいな問題も勃発しました。
そんなわけで如何に効率的に手番数を使わずに手がかりカードを出すかに頭をひねり始めます。
どうも4人プレイだと手番が1周するよりも短いくらいの速さで既定数のカードを出して特定していく必要があるようです。
「いま見えてる緑色のカードって何枚なんでしたっけ?」
「こっちのカードの裏面が緑のはず」
「フォーカスを先にこのカードに移動させて、カードを交換すれば」
「アイディアトークンの数が足りないから、自分と交換するんじゃなくて…」
と、基本的に情報は全て公開なので、プレイヤー全員であーだこーだが始まりました。
これまでに出し済の黄色と青は全員の手札にバランスよくあったので手番で自分のカードの裏表を確認したり、アイディアトークンを獲得したりする片手間にメインボードに出してたんですが、ぱっと見た感じ全員の手札かき集めても赤青紫は5枚ないので、どうやって色を集めるか、色が裏面にあったりしないかを確認するか、知恵を出し合います。
手番のアクション回数も3回なので、そのことも考えながら、フリーアクションであるチーム間でのカード交換、アイディアトークンのやり取りを使って、誰かにやるべきことが固まらないよう、適度に分散させながら手を進めます。
参ったのが手番終了時のイベント。容疑コマが移動カードの内容に応じて移動し、移動した先の手がかりカードの色で何かしらが起こります。
いま僕らが必要なのが赤、青、紫なので、その3種を表にした手がかりカードが手札であることが多いのですが、それぞれのイベントは赤(全員の手札を裏返す=アクション損&仕込みが台無しに)、緑(逃亡トークンが1進む)、紫(アイディアトークンを3つ捨てる。アイディアトークンはゲームに18個しか登場しない)で、どれも厳しめ。残りは青が補充用カードを2枚捨てる、黄色がアイディアトークンを確定済の色の種類に応じてアイディアトークンを捨てるで、今の状況だと比較的青がましか?という程度。
事件の解決に使う手がかりカードの種類(色)は5つですが、種類自体は6つあります。白色がそれでピザ食ってたり、昼寝してたり、役立たずですが、イベントも白色では発生しません。
移動カードで何マス進むかはランダムではあるのですが、候補は1手番前にわかるので余裕があれば、起こるイベントも調整したりしつつ進めます。
全員で知恵を出し合った甲斐や、補充カードの運もあり、緑と紫については確定成功。
今回の事件は、お金が動機で、場所はミュージアム、起こった事件はいじめ、証拠は帽子だというところまで特定できたことになります。
あとは、容疑者(紫)が誰かだけ…!
補充カード列に紫が何枚かあるのでこれを集めて出していけばなんとかなりそうです。でじさんが3枚出し、如月さんが1枚出したのち、イベントを調整します。
すでに逃亡コマはあと1マス進んだら敗北、アイディアトークンはかき集めても4つしかないという状況で、めくられる移動カードの内容次第では緑イベントなどで逃亡コマによる負けになりますが、如月さんが手札を交換してくれたため、何も起こらないか、アイディアトークンを3つ捨てる(一つ残る)の目もまだあります。
さあ、どうなる!移動カードをめくるぞ…!の前にカードを補充しようとしたら、補充用のカードが切れて敗北になってしまいましたw。
ゲーム中にカードを捨てすぎた模様です。


(山札切れ負け。ちなみにキャラクターカードの下にある白い部分はキャラクターの名前を書き込むスペースです。何度でも遊べるようにその部分に貼る白いシールもゲームに付属しています)
【感想】
自分しか知らない情報などはなく、プレイヤー間で持っている情報の偏りが全くないタイプの協力ゲームです。
なので、(手番プレイヤーの意思が尊重はされるものの)基本的に全プレイヤーでいまやるべき行動はああだこうだと相談しながら進めるゲームです。手番プレイヤーの状況はXXだから…とある程度プレイヤーに閉じた内容で最善手の検討をさせるのならともかく、このゲーム、プレイヤー間の手札交換が(ちょっと制限ありますが)フリーアクションなので、全員の手札がある意味共有物みたいな感じでもあり、場全体の最善手はなんなのか?をプレイヤー全員で考えることになります。
カードの裏表を全部覚えてられるわけでもないので、そこはある程度プレイヤーで分担することにはなりますが、そうはいっても、はっきりいって非常にパズル要素が強いです。
のんびり遊べれるならのんびりパズル解けばいいんですけど、ルールを読む以上に終了条件に対する必要なアクション数が厳しい作りで、あっという間に手番や手札、トークンが足りなくなるため、できるだけ効率的な、最善の手を探すことになるんですよね。
各プレイヤーの手札、トークンの状況、次に来るイベントの候補などなど、非常に考え甲斐のあるパズルです。
自分のやることは自分で決めたい!やらせて欲しいという人ははっきりいって向いてないゲームだと思います。ひとりでは気が回らないくらい要素があるので、誰かひとりの思ったこと、発言したことが正しいとも限りません。ちゃんと思ったこと口に出して、全員でクリアに向けてゲームを作っていくゲームです(奉行されたとかふててる場合じゃなく、誰かが考えた手が正しければそれをやるべきで、結果を誰が言ったかではなく過程を全員で作っていけばいいんです!)。
今回、クリアできなかったのでできませんでしたが、クリア後には、そのゲームでの正解となった5つのカードを使って、どんな事件だったかを話すフェイズというのもあり、少年探偵団的なテーマと相まって非常にワクワクするゲームです。
最後に。ネタバレを避けるために書きませんでしたが、キャンペーンカードに「初めてXXした時に裏面を見る」などと書かれており、それに応じた展開が実はありました。こんな感じでどんどんルールやストーリーがゲームを重ねるたびに追加されていくので、パズル性の高さ、高い難易度をみんなで話し合って突破する楽しさ、どんどん追加される要素ということで、パンデミックレガシーに非常に近いと僕は思ってます。
(まだ1回しか遊んでないので、もう1度遊ぶと、全然違ってたwとなるかもしれませんが)
一応、初回ゲーム(キャンペーンの1話目)をなんども遊ぶこともできますが、カードが200枚弱も用意されているキャンペーンモードが本番だと思います。パンデミックレガシーなどと異なり、1キャンペーンが全5ゲームと短め、ゲーム中の選択でどのカード(ルール)が適用されるかどんどん分岐するのでキャンペーンごとに毎回違うゲームになるなど、気軽に挑戦できて、しかも、面白そうな仕組みがあるようなので、是非機会を作ってキャンペーンモードで遊んでみたいです!