2018年に記事にしたかったけど書く時間なかったゲーム
タイトルの通り、2018年に遊んだゲームで記事にしたかったんですけど、書く時間がなかったりなんやりで諦めてたゲームの感想だけまとめておきます。
・ペーパーテイルズ/ Paper Tales

ヴォーパルス2版も持ってるんですが、リメイク版のこちらでようやく遊びました。
もちろんやればやるだけ、カード間のシナジーとかこの組み合わせが強いとかははっきりわかってくるんでしょうけど、2ラウンドでカードは失われる&ドラフトでカードはぐるぐるまわるということもあって、気軽にプレイできつつ、あー、このカードってこう使うのか、こう使えるのかプレイヤーが理解できていくスピードと、それがプレイングにフィードバックされるスピードが早く、小気味よく遊べる。良ゲーム。
ゲームの仕組みを発見/理解する面白さ、上手にプレイングする面白さをテーマに合わせつつうまいことプレイヤーに体験させてると思います(何年経って言ってるんだって話ですけど)。
ちゃんと記事にしたかったんですけど、うまいこと面白さの説明ができなくて諦めたゲームです。
・俺は豪族

ゲームマーケット2018春の新作。ベータ版だったのかもしれませんが遊ばせてもらった&半年前の話なので忘れてしまいました。すいません。
プレイヤーは、豪族になって毎ラウンド自分の家を発展させるためのカードをどんどんプレイしていくんですが、カードプレイに必要なリソースは、自分の家で全部賄えなければ他人の家から借りるか、国から借りることができます。
この必要リソースの設定と自分の家の成長スピードの設定が絶妙で、まず、自分の家だけでまかなえることがほぼない。大抵の場合、借りることになります。
んで、この何を借りるかと、何のカードをプレイするかはフェイズ&手番順が異なっていて、借りる手番が早いとカードプレイが遅い。借りる手番が遅ければカードプレイは早い。プレイする候補のカードは手札ではなく、場に並んでる中から選ぶので、あのカード強そうだからそれがプレイできるのを借りるか。でも、強いからカードプレイが先手番の人に取られちゃうよな…。じゃあ、弱いけど残ってそうなこっちのカードをプレイするためのものを借りるか。でも、もしかしたら先手番の人が残すかもしれないし…と思考がぐるぐるまわるゲームです。
ただ、めっちゃ悩むのは確かで、そこの読み合いと妥協が面白いゲームではあるんですが、ここのインタラクションが強すぎて、めっちゃ疲れます。カードプレイ最後手番は借りるものを悩んでも仕方ないところもあるので、悩ましさとその効果の釣り合いが悪いかも。
序盤は国が弱く、借りれるものもあまりないんですが、システム的に国に徐々に力がついていくようになっており、終盤は国の力を借りないと自分&他人の家ではなにもできなくなり、国の力を借りるとまた国が強くなるという、徐々に中央集権化していった過程がシステム化されてるのも素敵でした。
・わんぱく戦争(ボタン戦争)/ War of the Buttons

原題そのままだとボタン戦争なんですけど、元ネタである映画の邦題はわんぱく戦争なので、わんぱく戦争で。
ポイントを絞って切れ味鋭くした中量級ゲーム中心のADC Blackfireの2,018年夏だったか冬の新作。カリマラやキングス・ウィル、ウエスト・オブ・アフリカと同じラインです。
ダイスプレイスメントとダイスの数と目の大きさでの競りの複合というのが大きな特徴で、得点要素を競り合うわけなんですが、2の目ふたつより3の目ふたつや、1の目みっつの方が上なので、基本的にはダイス数で殴り合うゲームです。
序盤は得点要素も気にしながら、ダイス数を増やしていき、後半は増えたダイスで熱い競り合い繰り広げます。
ダイスはワーカーでもあり、競りをしている主戦場以外の部分、カードを手に入れたりダイスを増やしたりする場所は、ワーカー(ダイス)を置いてアクションを行います。
アクションすれば手元のダイスが減るので競りで勝てなくなりますが、かといって先に競りにダイスを置くと上書きする方が有利なアイテム(後述)があるので、上書きされます。
なので、早く諦めて置けよ〜とお互いに様子を見ないながらじりじりとプレイするのが楽しいゲームです。
しかし、そのじりじりが、本当にめっちゃ胃が痛くなるほどのじりじりになることがあるので人は選ぶかもしれません。じりじり自体が好きならいいんですけど、必要以上にはさすがにちょっと。
競りの対象に得点要素がどの程度出てくるかがランダムなので、場合によってはサクッと終わったり、超しぶい場になったり、ゲーム展開で好みも別れるかも。
ちなみに、ルール上、明文化されてませんが、フリーアクションのダイス購入やダイス目変更は効果を適用したダイスをその手番に必ず使用することというようにした方が良いです。それをしなかったために、プレイヤー1人がリーチ状態になるまで1時間、そこから驚異的な絞りあいが始まってゲーム終了まで1時間以上かかった場を知ってます。
ゲームシステム自体も好きなんですが、このゲームで1番好きなのは少年たちの争いというテーマから、システムへの理由づけ!
あるダイスの出目を1番使ってたプレイヤーはダイスをひとつ失うという強いアクションがあるんですが、そのアクション名が"チクリ"、チクったプレイヤーはそのラウンドの残りで競りに参加できなくなります。だって、チクった卑怯者は遊び場に入れさせないから!(でも翌日(次ラウンド)からは何事も無いように入れる)
ワイルドのダイスひとつになるアイテム"アニキ"。これがあるので、同じダイス数でも後から上書きが有利になります。が、使用後、アニキはその場に残らずストックに帰ります。だってアニキは子供の喧嘩になんかずっと付き合ってられないから!
1時間でサクッと終わるゲームと考えれば妥当なのかもしれませんが、バランス調整がわんぱくすぎるところがなあと若干残念に思います。
・ライジング・サン/ Rising Sun


2018年に日本語版も出た、ボード上に置ききれないほどクソでかいフィギュアを使うゲーム。
なんちゃって日本マップにフィギュアなので、マルチっぽく見えるんですが、その実全くマルチではない(※)。見た目よりずっとユーロしてるゲーム。
※ユーロしてるので、ゲーム途中のトップが誰かわかりにくく、また、特定のプレイヤーを殴って止めるということがしづらいので、基本的には、自分の点数を伸ばすのがプレイングの基本になります。
プレイヤー人数によってはラウンド内の親番回数が不均等だったり、アクション選択によってはラウンド内に登場しないアクションがあったり、その非対称さによる歪さがシステム上の肝かなーと思います。
(プエルトリコ風のアクション選択ですが、選択候補が全アクションからではなく、アクションタイルの山の上から数枚の中から選ぶので、運要素もでかいながら阿鼻叫喚も楽しいのも確かです)
とはいえ、ゲームの中心は『戦闘』。毎ラウンドの終わりに全エリアで起こるので結構な数発生しますが、お互いになんとなく察せられる所持金を考えて予定調和的なじゃんけんを繰り返すだけとも言え、フィギュアどーんどーんではありますが、案外平和だったりします。
(衝立の裏にお金を隠しての握り競りなのでめっちゃドキドキはしますが)
大抵のカードの効果はまったりしてますが、さすがにフィギュアの効果は、そんなのありなんか!みたいなのも多く、初回プレイは知らない効果の打ち合いが楽しいゲームでもあります。
・モンスターランド/ Monster Lands


ダイスプレイスメントで街で傭兵団作って鍛えた後、辺境でモンスターぶっ殺したり土地を奪い取ったりして得点稼ぎだ!なゲーム。
一応ダイスプレイスメントで絞りあいだったり、良い場所の取り合いはあるものの基本的にはダイスじゃらじゃら振って、でかい目が出たらオーケー、出ないと後手番におこぼれがっていうゲーム。
もうこれくらいのダイスプレイスメントでは、システム的な面白さ云々は言えない段階にきてると思う。そういう意味で普通!なゲームなんですが、グルームヘイブンやらのTRPGのボードゲーム化の流れの中で、超簡易にダイス判定だけ残してるって考えもありかなと。
ピュアピュアしたユーロみたいに、最強の傭兵団できた!ってラウンドか、その直前に終わるということはなく、最強の傭兵団できたからめっちゃダイスあるわって状態で1,2ラウンドやるので心ゆくまでダイスが振れます。
ダイスゲームの軽さを残したまま、ある程度の緊張感もあって長時間ダレずに遊べるゲームって案外ないんでそういう面でも面白いゲームかなと。
「こいつの強さ(ダイス数)なら勝てるだろうからおこぼれもらいに行くか」って、辺境に行ったら、ダイス目が事故って先頭のやつが死に、そのあとおこぼれ狙いで防御など考えていない傭兵たちが蹂躙される大事故が起きたり、最強装備!みたいに思ってた傭兵が1ばっかだして敗れたりとダイスゲームらしいまさか!も当然あって楽しいゲームです。
傭兵死ぬと気持ちはめっちゃへこむんですが、ゲーム的にはむしろ死んだ方が得な面もあったりして、すぐに他人に追いつけるので最後まで盛り上がれます。
・エステイト/ The Estates

建築現場にビルを建てて行くゲーム。
親(手番プレイヤー)が競り対象を決め、他プレイヤーは1巡の競りを行い、その後、最高値で親が買うか、それとも最高値をつけた子に売るかを決めるという、インダストリィと同じルールの競りをします。
大きく違うのは、自分の得点(利益)を確定させるまでの道のりの長さです。
まず、得点方法から。
ビル(になるキューブ)は6色あり、最初にその色を競り落としたプレイヤーがその色のオーナーになります。一度決まったらその後のオーナー変更はありません。
キューブには数字が書いてあり、基本的に数字イコール点数です。
ビルの建設場所は3列あって、そのうち2列が埋まったらゲーム終了で、埋まった2列にある建物は得点に、埋まってない列にある建物はマイナス点になります。
ここでポイントになるのが、3つ。
ビル(キューブ)は数字が小さいものは上に重ねられ、そのビル全部の点数は1番上のキューブのオーナーにはいります。
もうひとつは、競りの対象はキューブだけでなく、列の長さを伸ばしたり縮めたりするブロックも対象にすることができるという点。
最後。定期収入的なものはなく、スタート時に配られたお金がプレイヤー間でぐるぐるまわるだけです。
つまり、これは高得点なキューブ!と競りに勝ったとして、高得点イコール高い数字なので、今後別のプレイヤーがオーナーの色のキューブを上に乗せられたら競り落とした意味はなくなりますし、さらに言えば、オーナーを変えられなかったとしてもその列が埋められなければマイナス点です。
どうせ上に乗せられるし、別にまだ自分が競り落とさなくていいなと、自分がオーナーの色の高い数字のキューブを競り落とさなければ、一番伸びてない列=マイナス点の第1候補の列に置かれ、かといって競り落としてマイナスになりにくそうな列に置けば、自分の支払ったお金で数字の小さいキューブを別プレイヤーに競り落とされて上に乗せられるという、どうすりゃいいんだよ!の塊みたいなゲームです。
得点として確定させるには、競りに勝ち続け、自分の都合良くキューブを置き続けるしかないわけですが、そんなことはできるわけもなく、互いに互いが邪魔し合うような絞り合うようなプレイングが続いてると、あ、これ終わらせられるわという瞬間が訪れて、あっけなく終わります。伸ばそうとすることもできますが、終わる時はあれ?って感じですっと終わります。なので、狙って勝つとか無理というか神業という、変なゲームです。
でも、その変さに味があるほんと変で妙なゲームです。
・ペーパーテイルズ/ Paper Tales

ヴォーパルス2版も持ってるんですが、リメイク版のこちらでようやく遊びました。
もちろんやればやるだけ、カード間のシナジーとかこの組み合わせが強いとかははっきりわかってくるんでしょうけど、2ラウンドでカードは失われる&ドラフトでカードはぐるぐるまわるということもあって、気軽にプレイできつつ、あー、このカードってこう使うのか、こう使えるのかプレイヤーが理解できていくスピードと、それがプレイングにフィードバックされるスピードが早く、小気味よく遊べる。良ゲーム。
ゲームの仕組みを発見/理解する面白さ、上手にプレイングする面白さをテーマに合わせつつうまいことプレイヤーに体験させてると思います(何年経って言ってるんだって話ですけど)。
ちゃんと記事にしたかったんですけど、うまいこと面白さの説明ができなくて諦めたゲームです。
・俺は豪族

ゲームマーケット2018春の新作。ベータ版だったのかもしれませんが遊ばせてもらった&半年前の話なので忘れてしまいました。すいません。
プレイヤーは、豪族になって毎ラウンド自分の家を発展させるためのカードをどんどんプレイしていくんですが、カードプレイに必要なリソースは、自分の家で全部賄えなければ他人の家から借りるか、国から借りることができます。
この必要リソースの設定と自分の家の成長スピードの設定が絶妙で、まず、自分の家だけでまかなえることがほぼない。大抵の場合、借りることになります。
んで、この何を借りるかと、何のカードをプレイするかはフェイズ&手番順が異なっていて、借りる手番が早いとカードプレイが遅い。借りる手番が遅ければカードプレイは早い。プレイする候補のカードは手札ではなく、場に並んでる中から選ぶので、あのカード強そうだからそれがプレイできるのを借りるか。でも、強いからカードプレイが先手番の人に取られちゃうよな…。じゃあ、弱いけど残ってそうなこっちのカードをプレイするためのものを借りるか。でも、もしかしたら先手番の人が残すかもしれないし…と思考がぐるぐるまわるゲームです。
ただ、めっちゃ悩むのは確かで、そこの読み合いと妥協が面白いゲームではあるんですが、ここのインタラクションが強すぎて、めっちゃ疲れます。カードプレイ最後手番は借りるものを悩んでも仕方ないところもあるので、悩ましさとその効果の釣り合いが悪いかも。
序盤は国が弱く、借りれるものもあまりないんですが、システム的に国に徐々に力がついていくようになっており、終盤は国の力を借りないと自分&他人の家ではなにもできなくなり、国の力を借りるとまた国が強くなるという、徐々に中央集権化していった過程がシステム化されてるのも素敵でした。
・わんぱく戦争(ボタン戦争)/ War of the Buttons

原題そのままだとボタン戦争なんですけど、元ネタである映画の邦題はわんぱく戦争なので、わんぱく戦争で。
ポイントを絞って切れ味鋭くした中量級ゲーム中心のADC Blackfireの2,018年夏だったか冬の新作。カリマラやキングス・ウィル、ウエスト・オブ・アフリカと同じラインです。
ダイスプレイスメントとダイスの数と目の大きさでの競りの複合というのが大きな特徴で、得点要素を競り合うわけなんですが、2の目ふたつより3の目ふたつや、1の目みっつの方が上なので、基本的にはダイス数で殴り合うゲームです。
序盤は得点要素も気にしながら、ダイス数を増やしていき、後半は増えたダイスで熱い競り合い繰り広げます。
ダイスはワーカーでもあり、競りをしている主戦場以外の部分、カードを手に入れたりダイスを増やしたりする場所は、ワーカー(ダイス)を置いてアクションを行います。
アクションすれば手元のダイスが減るので競りで勝てなくなりますが、かといって先に競りにダイスを置くと上書きする方が有利なアイテム(後述)があるので、上書きされます。
なので、早く諦めて置けよ〜とお互いに様子を見ないながらじりじりとプレイするのが楽しいゲームです。
しかし、そのじりじりが、本当にめっちゃ胃が痛くなるほどのじりじりになることがあるので人は選ぶかもしれません。じりじり自体が好きならいいんですけど、必要以上にはさすがにちょっと。
競りの対象に得点要素がどの程度出てくるかがランダムなので、場合によってはサクッと終わったり、超しぶい場になったり、ゲーム展開で好みも別れるかも。
ちなみに、ルール上、明文化されてませんが、フリーアクションのダイス購入やダイス目変更は効果を適用したダイスをその手番に必ず使用することというようにした方が良いです。それをしなかったために、プレイヤー1人がリーチ状態になるまで1時間、そこから驚異的な絞りあいが始まってゲーム終了まで1時間以上かかった場を知ってます。
ゲームシステム自体も好きなんですが、このゲームで1番好きなのは少年たちの争いというテーマから、システムへの理由づけ!
あるダイスの出目を1番使ってたプレイヤーはダイスをひとつ失うという強いアクションがあるんですが、そのアクション名が"チクリ"、チクったプレイヤーはそのラウンドの残りで競りに参加できなくなります。だって、チクった卑怯者は遊び場に入れさせないから!(でも翌日(次ラウンド)からは何事も無いように入れる)
ワイルドのダイスひとつになるアイテム"アニキ"。これがあるので、同じダイス数でも後から上書きが有利になります。が、使用後、アニキはその場に残らずストックに帰ります。だってアニキは子供の喧嘩になんかずっと付き合ってられないから!
1時間でサクッと終わるゲームと考えれば妥当なのかもしれませんが、バランス調整がわんぱくすぎるところがなあと若干残念に思います。
・ライジング・サン/ Rising Sun


2018年に日本語版も出た、ボード上に置ききれないほどクソでかいフィギュアを使うゲーム。
なんちゃって日本マップにフィギュアなので、マルチっぽく見えるんですが、その実全くマルチではない(※)。見た目よりずっとユーロしてるゲーム。
※ユーロしてるので、ゲーム途中のトップが誰かわかりにくく、また、特定のプレイヤーを殴って止めるということがしづらいので、基本的には、自分の点数を伸ばすのがプレイングの基本になります。
プレイヤー人数によってはラウンド内の親番回数が不均等だったり、アクション選択によってはラウンド内に登場しないアクションがあったり、その非対称さによる歪さがシステム上の肝かなーと思います。
(プエルトリコ風のアクション選択ですが、選択候補が全アクションからではなく、アクションタイルの山の上から数枚の中から選ぶので、運要素もでかいながら阿鼻叫喚も楽しいのも確かです)
とはいえ、ゲームの中心は『戦闘』。毎ラウンドの終わりに全エリアで起こるので結構な数発生しますが、お互いになんとなく察せられる所持金を考えて予定調和的なじゃんけんを繰り返すだけとも言え、フィギュアどーんどーんではありますが、案外平和だったりします。
(衝立の裏にお金を隠しての握り競りなのでめっちゃドキドキはしますが)
大抵のカードの効果はまったりしてますが、さすがにフィギュアの効果は、そんなのありなんか!みたいなのも多く、初回プレイは知らない効果の打ち合いが楽しいゲームでもあります。
・モンスターランド/ Monster Lands


ダイスプレイスメントで街で傭兵団作って鍛えた後、辺境でモンスターぶっ殺したり土地を奪い取ったりして得点稼ぎだ!なゲーム。
一応ダイスプレイスメントで絞りあいだったり、良い場所の取り合いはあるものの基本的にはダイスじゃらじゃら振って、でかい目が出たらオーケー、出ないと後手番におこぼれがっていうゲーム。
もうこれくらいのダイスプレイスメントでは、システム的な面白さ云々は言えない段階にきてると思う。そういう意味で普通!なゲームなんですが、グルームヘイブンやらのTRPGのボードゲーム化の流れの中で、超簡易にダイス判定だけ残してるって考えもありかなと。
ピュアピュアしたユーロみたいに、最強の傭兵団できた!ってラウンドか、その直前に終わるということはなく、最強の傭兵団できたからめっちゃダイスあるわって状態で1,2ラウンドやるので心ゆくまでダイスが振れます。
ダイスゲームの軽さを残したまま、ある程度の緊張感もあって長時間ダレずに遊べるゲームって案外ないんでそういう面でも面白いゲームかなと。
「こいつの強さ(ダイス数)なら勝てるだろうからおこぼれもらいに行くか」って、辺境に行ったら、ダイス目が事故って先頭のやつが死に、そのあとおこぼれ狙いで防御など考えていない傭兵たちが蹂躙される大事故が起きたり、最強装備!みたいに思ってた傭兵が1ばっかだして敗れたりとダイスゲームらしいまさか!も当然あって楽しいゲームです。
傭兵死ぬと気持ちはめっちゃへこむんですが、ゲーム的にはむしろ死んだ方が得な面もあったりして、すぐに他人に追いつけるので最後まで盛り上がれます。
・エステイト/ The Estates

建築現場にビルを建てて行くゲーム。
親(手番プレイヤー)が競り対象を決め、他プレイヤーは1巡の競りを行い、その後、最高値で親が買うか、それとも最高値をつけた子に売るかを決めるという、インダストリィと同じルールの競りをします。
大きく違うのは、自分の得点(利益)を確定させるまでの道のりの長さです。
まず、得点方法から。
ビル(になるキューブ)は6色あり、最初にその色を競り落としたプレイヤーがその色のオーナーになります。一度決まったらその後のオーナー変更はありません。
キューブには数字が書いてあり、基本的に数字イコール点数です。
ビルの建設場所は3列あって、そのうち2列が埋まったらゲーム終了で、埋まった2列にある建物は得点に、埋まってない列にある建物はマイナス点になります。
ここでポイントになるのが、3つ。
ビル(キューブ)は数字が小さいものは上に重ねられ、そのビル全部の点数は1番上のキューブのオーナーにはいります。
もうひとつは、競りの対象はキューブだけでなく、列の長さを伸ばしたり縮めたりするブロックも対象にすることができるという点。
最後。定期収入的なものはなく、スタート時に配られたお金がプレイヤー間でぐるぐるまわるだけです。
つまり、これは高得点なキューブ!と競りに勝ったとして、高得点イコール高い数字なので、今後別のプレイヤーがオーナーの色のキューブを上に乗せられたら競り落とした意味はなくなりますし、さらに言えば、オーナーを変えられなかったとしてもその列が埋められなければマイナス点です。
どうせ上に乗せられるし、別にまだ自分が競り落とさなくていいなと、自分がオーナーの色の高い数字のキューブを競り落とさなければ、一番伸びてない列=マイナス点の第1候補の列に置かれ、かといって競り落としてマイナスになりにくそうな列に置けば、自分の支払ったお金で数字の小さいキューブを別プレイヤーに競り落とされて上に乗せられるという、どうすりゃいいんだよ!の塊みたいなゲームです。
得点として確定させるには、競りに勝ち続け、自分の都合良くキューブを置き続けるしかないわけですが、そんなことはできるわけもなく、互いに互いが邪魔し合うような絞り合うようなプレイングが続いてると、あ、これ終わらせられるわという瞬間が訪れて、あっけなく終わります。伸ばそうとすることもできますが、終わる時はあれ?って感じですっと終わります。なので、狙って勝つとか無理というか神業という、変なゲームです。
でも、その変さに味があるほんと変で妙なゲームです。
2018年振り返り
もう年が明けるまで間もないですが、2018年の振り返り記事です。
とりあえず、2018年初プレイで面白かったゲーム10選から。タイトル並べて、あとから各ゲームの感想で。
(以前、ブログ記事を書いているゲームはリンクをつけてます)
マグナストーム
シティオブビッグショルダーズ
シンギュラリティ
マルシェドフランス
リバーボート
ウェスタンレジェンド
ブラックオーケストラ
ディセプション(協力者たち)
支離滅裂
うんちしたのだあれ?
・マグナストーム

これを2018年のベストゲームという記事のトップに挙げていいのかまだ迷ってます。ストレスレスな最近のユーロ風の調整をした結果、それが活かされないままなんか序盤から走った人が勝って終わるという印象のゲーム。
実態を隠して、システムに沿ってプレイすることで間接的にインタラクションやら殴り合いやらを実装している最近のユーロの作りが行き過ぎて、逆に味気なくなったようにも感じるんですが、一番目立つ得点源である目標カードの達成を全て高得点でなし得たとしても目標点には届かず、各プレイヤーが2枚は取るであろう司令官の得点を足してもまだ届かず、普通に遊ぶ分には、これなんのためにあるんだよ?w的なエリアマジョリティなどの細かい点の取り合い、司令官カードの取り合い(研究レベルやキューブ状況の探り合い)などが地味に効いてるとしか思えないのが、気に入ってます。
レースゲームで目標達成を急いでやったらいいんだよっていう雑なゲームではなく、細かいやりくり、やり取りが重要そうというところが。でも、それがプレイヤーに感じられず、雑なゲームの方の印象しか残らないなら(実態隠すのも)やりすぎでしょうと思っていまします。
が、本当はすごいんじゃないの!?の期待込めて1番頭に挙げさせていただきました。
・シティオブビッグショルダーズ

今年初めて遊んだ重ゲー枠では一番好き! でもベータ版でルールが曖昧だったり、需要と供給のバランスが大事なゲームなのに未調整ぽかったりで本格的な評価は製品版出てからにさせてもらいました。
18XX式の会社立ち上げ&運営ゲームで株主であるプレイヤーに、会社をパワーアップさせるためのワーカーを持たせたのが新しいところで、単純に儲けを増やすなら会社を増やせばいいじゃないに対して、会社増えるとワーカーの手が足りなくなりますよという観点を追加。
普通にワカプレの会社運営ゲームとしても面白く、その上で、会社の株価による手番順、それとは別のパラメータによるワカプレの手番順の2つの手番順操作の軸がある(もちろん手番順による有利不利がある)。
フェイズの分け方がいいのか、適度にシンプルされてるのがいいのか、そこまで複雑ではなくプレイ時間も18XXフォロワー的なのに3,4時間と短め。来年でるはずの製品版が楽しみです。
・シンギュラリティ

テーマとプレイングの融合が最高なゲーム。
ちょっとゲームと言うよりシミュレータよりなので味気ないのが残念。
普通にやると借金増やして増やしてそれに追いつかれないように自転車操業~という辛いゲームなんですが、うまーくプレイすると全く借金に追われることなく、淡々と会社の経営状況を改善して終わらせることもできる(というプレイングを目の当たりにしてボロ負けしたw)。
終わったあとの盤面の状況がどういう世の中を示しているのかちょっと考えるのも楽しいです。
・マルシェドフランス

シンギュラリティと同じく、慶應HQさんの作品。シンギュラリティもそうなんですが、最高のバランス調整でどういうプレイングも受け止めてくれるのがまず魅力の1つ。
そこまで広く捉えなくても、キューブを如何に無駄なく点数に変えていくのかを考えさせるゲーマー寄りの面白さから、欲しいアイコン付きのカードがでてこない/出さないとシンプルにエリアマジョリティの絞り合いの面白さまで、カードをプレイしてキューブを送り込むというシンプルなメインアクションで幅広い層に面白さを提供してくれる良いゲームだと思います。
(聞いた話ではあるんですが、手札枚数を増やしても初期のままでもゲーム終了時のトップの点は同じくらいになるとか。バランス調整半端ないですね)
・リバーボート

適度な運要素に自分なりの農場作り。どこで手番を先にするか、何を諦めるか。ユーロの基本に忠実な作りで安心して楽しめるゲームでした。
しかししかし、その中で白眉なのはコインを支払うことで全ての山札からサーチできるとこ! ボードゲームでありがちな、コストを払うと山札の上からX枚とって、そこから1枚選んで良いという、コストが若干の運を軽減するだけ(報われないリスクがある)というありがちなシステムってなんだったのか? 別に面白さに寄与してなかったじゃん!と気づかせる(ドキドキを味わうだけ。まあユーロは基本的には勝ち負けに運要素が大きく絡みますが)。
もうこれからは、コスト払ったら山札からX枚とか言わずに好きなカードをサーチできるのがデフォルトでいいんじゃないかな。
なんでゲーム本体のジレンマ、悩ましさと別の運試し部分に挑戦するかどうかコスト払ってまで悩まなあかんのや。
・ウェスタンレジェンズ

プレイヤーがなりきれるという点でテーマの再現度が最高なゲーム。
ぶっちゃけマルチなのでプレイヤー間でバランス調整しなさいというか、ガンガンやり合いなさいという作りではあるんですが、誰かが最効率のプレイングをしていたとして、西部劇のノリのままでそれを邪魔でき、さらにそれをまた邪魔できるという西部劇って実は食物連鎖的なトライアイングルがあったんだなあとアホなことを考えてしまうくらい、ゲーム内で生態系が勝手に生まれます。
ゲーム的に良く出来てると言っても、西部劇にノレないと辛そうではありますが。
・ブラックオーケストラ

ヒトラーを暗殺しようというイフの歴史を作ろうとする協力ゲーム。
ヒトラーは暗殺されず、第二次大戦を起こし、ユダヤ人も虐殺し…と歴史にどんなに疎くても”ヒトラーは生かしてたらダメなやつ”という程度の認識はあるので、(ゲームなんですが)目的への意識付けがしやすく、また、協力ゲームとしては当然のごとく目標達成の難易度はそれなりに高いんですが、それでも、歴史を変えるんだからとなんとなく納得できてしまうなどなど、実際の歴史がベースにあるからこそのプラス要素が色々あります。
が、このゲームを最高にしてるのは、ゲーム終盤、歴史通りにドイツが劣勢になっていき、ゲーム的にヒトラー暗殺をしやすくなります。なので、普通に遊ぶとゲーム終盤にようやくお膳立てが整い、ようやく暗殺を試みれるようになります。準備ができていて、運がよければ暗殺成功!となるわけですが、ヒトラーが生きていたからこその歴史はすでに繰り返されてしまっていて、『この時代で成功してもなあ』と思ってしまう作りなんですよね。しかしかといって、ゲーム序盤に最高のプレイングにより暗殺成功したとしたら、その時点ではまだヒトラーはまだドイツを導く有能な政治家なわけで、プレイヤーは完全なテロリストになります。
ゲーム外の歴史的な背景があるからこそゲーム上での成功失敗を超えたところにプレイヤーが感じる成功失敗がある。それが素敵なゲームでした。
・ディセプション(協力者たち拡張入り)

アンロック、ディテクティブ、クロニクルオブクライムなど、いくつも推理系だったり謎解き系のゲームを今年も遊びました。
ディセプションは人狼亜種なので、システムに補助されながらプレイヤーが謎を作るというか、結果的に謎になっているというだけではあるんですが、殺人事件の犯人が証拠品と凶器を指定し、それをGMが曖昧なヒントで捜査官たちに当てさせるという形で、GMが当てさせようとしたヒントを犯人たちは曲解させようとし、捜査官はGMの真に意図するところを当てようとするという、なんというか、実際の(というのは大仰かもしれませんが、少なくともテレビドラマとかでの)犯罪の形、対決の形に近くなってるので、そういうのが好きな人(僕です)にはたまりません。
基本だけだと犯人側が不利だったんですが、協力者たち拡張や今年頭に発売された拡張カードは犯人側に有利なものだったので、ますます上記のような対決が面白くなってるように思います。
証拠カード、凶器カードは無限に追加できるので、まだまだ楽しみなゲームです。
・支離滅裂

軽ゲー枠。大富豪系やトリテなどのカードゲームは人の手札や役を読み合うのが楽しさのベースになっているものが多いんですが、そのせいで重くなってるというか、とっつきにくくなってる部分が正直あったように思います。
それを支離滅裂は自分の手札の強化という自分に閉じた面白さを作り出し、さらにその面白さを楽しむことが結果的に他人に勝つことにつながるという作りのゲームです。
手札の役がどうすれば強くなるのか、何が強いのかはわかりやすいですし、2回までなら負けてもやはり手札を強化させることにつながっているという、プレイヤーを消沈させない、徹底的なエンターテイナー的な作りになってました。
1人だけの負けを決めるというのもゲームの方向性にあってて良いと思います。
・うんちしたのだあれ?

おっさんになってくると記憶力とスピードが…というのは仕方ないことですし、そもそも人によって得手不得手がありますが、短期記憶ならおっさんも若人も関係ないぜ!という人の脳みその作りをうまいことゲームにしてます。
手札を出し切れば上がりですが、最後の1枚を楽勝でだせるということはまずなく、頑張れおれの短期記憶! あのとき、あれが出てー、あれとあれはまだあるはず…と自分との戦いがはじまるのが大好きです。
あとは、某四方山話のベストに挙げさせてもらったら、うんちは宗教上の理由で…と断られたもいい思い出ですw。
選外だけど印象に残ったゲーム
・パンデミックレガシー2
完走したーというのが正直な感想。XXX要素が強く追加されて入るもののぶっちゃけ結局はパンデミックなのとゲーム中に出てくるお題がいやーこれ無理でしょというのが終盤増えてくる(運が良かった部分もありますが、結局成功させてるのでバランスはいいと思われる)ので、面白いゲームをやったというよりも、面白いストーリーを極めて実体験に近い形で体験したという感じ。
シナリオ上の驚きもありはしたものの、うーん、3はもういいかなあと今は思ってます。
他のキャンペーン系のゲームで遊びたいのもいくつくありますし、これからもキャンペーン系で面白そうなのはたくさん出てきそうですし。パンデミックばかり何十ゲームもやってる場合なのかは考えさせてほしいところです。
どうでもいいんですが、どうでも良くない話なんですが、キャンペーン系ゲームをレガシーレガシーと呼ばれるのが大変気になります!(いわゆる警察案件ですが、まあ、直接言うわけでもないので、お許しください)
・ハリウッドライヴス(記事)

まあ、ゲームと言うよりアクティビティに近いですが、一度は経験して欲しい!
演劇をするゲームですが、ガチに良い脚本を考えてガチに演じないとゲーム的に勝てないのが最高です。演技というとハードル高そうですが、いつもゲーム会で一緒しているメンバーとならまだ遊べるのではないでしょうか。
実際に遊ぶなら小物が重要です。いやー、そんなに気合い入れたくないんだよなーとか言わずに、拳銃、カツラ、スカート、帽子など、むしろゲームは恥ずかしがってもいいので小物、小物だけは気合を入れて準備するのをオススメします。
【雑感&来年の抱負】
頭に書きましたが、今年はこれだああっていう重ゲーは正直であわなかったです。(そんなに数やってるわけでもないですけど)
中量級だとクルセイダーズ、スマートフォン株式会社、ビトゥイーントゥーキャッスルズなど、よく出来てるものが多かったように思いますが、僕の好きなラインはもう少し重いやつなんだよおおって思ってました。
来年に期待したいと思います。
今年はロール&ライトゲームが躍進したというか、数も出たし、傑作もたくさん出た(ウェルカムトゥ、メトロックス、がん旬クレバーなど)年なんですが、そのせいというかなんというか、数年前までは本当に紙とペン以外のコンポーネントを使わないゲームのことを指していた”紙ペンゲーム”が、ペンを使って紙(またはボード)に書き込むゲーム全般を指す言葉として一般化しちゃいましたね…。
クロスレビュー記事も書いたりしましたけど、その後にでたロールトゥザ・トップもなかなか良かったです。
あまり行ってなかったゲームマーケットにもスタッフやブースの売り子として今年は春秋とも参加しました。
秋のゲームマーケットはフリマブースのスタッフとして参加しましたが、並んでるゲームを相場からみて損か得かという目でしか見てないマニアの方々はさておき、あまりゲームを買わない/ゲームにお金をかけない層が少しでも安くメジャーゲーム(七不思議とか宝石のきらめきとか)を買える場ではないのかと、フリマに来てるのをみると、なんとかしたいなーと思いはしました。
予約品はXX%オフとかで売ってる場がありますが、売れ線の旧作は(売れるので当たり前ですが)そんなに割引販売されないので。別に裾野を広げたいとかいう思いではなく単純に求められているならなんとかしたい程度で、何も考えがあるわけではないですけど。
ゲーム外のことでは、今年も色んな国から輸入しました。新しいところはイランとタイでしょうか。国が変わるとアートワークの感じも変わるのが面白いですし、色んな国のいろんなショップとやり取りしたり、そこで扱っているゲームを見るだけでも楽しいです。
来年の豊富は週1更新! 仕事次第、子供の具合次第ではあるんですが、夢の定期更新。なんとかしたいと思います。
とりあえず、2018年初プレイで面白かったゲーム10選から。タイトル並べて、あとから各ゲームの感想で。
(以前、ブログ記事を書いているゲームはリンクをつけてます)
マグナストーム
シティオブビッグショルダーズ
シンギュラリティ
マルシェドフランス
リバーボート
ウェスタンレジェンド
ブラックオーケストラ
ディセプション(協力者たち)
支離滅裂
うんちしたのだあれ?
・マグナストーム

これを2018年のベストゲームという記事のトップに挙げていいのかまだ迷ってます。ストレスレスな最近のユーロ風の調整をした結果、それが活かされないままなんか序盤から走った人が勝って終わるという印象のゲーム。
実態を隠して、システムに沿ってプレイすることで間接的にインタラクションやら殴り合いやらを実装している最近のユーロの作りが行き過ぎて、逆に味気なくなったようにも感じるんですが、一番目立つ得点源である目標カードの達成を全て高得点でなし得たとしても目標点には届かず、各プレイヤーが2枚は取るであろう司令官の得点を足してもまだ届かず、普通に遊ぶ分には、これなんのためにあるんだよ?w的なエリアマジョリティなどの細かい点の取り合い、司令官カードの取り合い(研究レベルやキューブ状況の探り合い)などが地味に効いてるとしか思えないのが、気に入ってます。
レースゲームで目標達成を急いでやったらいいんだよっていう雑なゲームではなく、細かいやりくり、やり取りが重要そうというところが。でも、それがプレイヤーに感じられず、雑なゲームの方の印象しか残らないなら(実態隠すのも)やりすぎでしょうと思っていまします。
が、本当はすごいんじゃないの!?の期待込めて1番頭に挙げさせていただきました。
・シティオブビッグショルダーズ

今年初めて遊んだ重ゲー枠では一番好き! でもベータ版でルールが曖昧だったり、需要と供給のバランスが大事なゲームなのに未調整ぽかったりで本格的な評価は製品版出てからにさせてもらいました。
18XX式の会社立ち上げ&運営ゲームで株主であるプレイヤーに、会社をパワーアップさせるためのワーカーを持たせたのが新しいところで、単純に儲けを増やすなら会社を増やせばいいじゃないに対して、会社増えるとワーカーの手が足りなくなりますよという観点を追加。
普通にワカプレの会社運営ゲームとしても面白く、その上で、会社の株価による手番順、それとは別のパラメータによるワカプレの手番順の2つの手番順操作の軸がある(もちろん手番順による有利不利がある)。
フェイズの分け方がいいのか、適度にシンプルされてるのがいいのか、そこまで複雑ではなくプレイ時間も18XXフォロワー的なのに3,4時間と短め。来年でるはずの製品版が楽しみです。
・シンギュラリティ

テーマとプレイングの融合が最高なゲーム。
ちょっとゲームと言うよりシミュレータよりなので味気ないのが残念。
普通にやると借金増やして増やしてそれに追いつかれないように自転車操業~という辛いゲームなんですが、うまーくプレイすると全く借金に追われることなく、淡々と会社の経営状況を改善して終わらせることもできる(というプレイングを目の当たりにしてボロ負けしたw)。
終わったあとの盤面の状況がどういう世の中を示しているのかちょっと考えるのも楽しいです。
・マルシェドフランス

シンギュラリティと同じく、慶應HQさんの作品。シンギュラリティもそうなんですが、最高のバランス調整でどういうプレイングも受け止めてくれるのがまず魅力の1つ。
そこまで広く捉えなくても、キューブを如何に無駄なく点数に変えていくのかを考えさせるゲーマー寄りの面白さから、欲しいアイコン付きのカードがでてこない/出さないとシンプルにエリアマジョリティの絞り合いの面白さまで、カードをプレイしてキューブを送り込むというシンプルなメインアクションで幅広い層に面白さを提供してくれる良いゲームだと思います。
(聞いた話ではあるんですが、手札枚数を増やしても初期のままでもゲーム終了時のトップの点は同じくらいになるとか。バランス調整半端ないですね)
・リバーボート

適度な運要素に自分なりの農場作り。どこで手番を先にするか、何を諦めるか。ユーロの基本に忠実な作りで安心して楽しめるゲームでした。
しかししかし、その中で白眉なのはコインを支払うことで全ての山札からサーチできるとこ! ボードゲームでありがちな、コストを払うと山札の上からX枚とって、そこから1枚選んで良いという、コストが若干の運を軽減するだけ(報われないリスクがある)というありがちなシステムってなんだったのか? 別に面白さに寄与してなかったじゃん!と気づかせる(ドキドキを味わうだけ。まあユーロは基本的には勝ち負けに運要素が大きく絡みますが)。
もうこれからは、コスト払ったら山札からX枚とか言わずに好きなカードをサーチできるのがデフォルトでいいんじゃないかな。
なんでゲーム本体のジレンマ、悩ましさと別の運試し部分に挑戦するかどうかコスト払ってまで悩まなあかんのや。
・ウェスタンレジェンズ

プレイヤーがなりきれるという点でテーマの再現度が最高なゲーム。
ぶっちゃけマルチなのでプレイヤー間でバランス調整しなさいというか、ガンガンやり合いなさいという作りではあるんですが、誰かが最効率のプレイングをしていたとして、西部劇のノリのままでそれを邪魔でき、さらにそれをまた邪魔できるという西部劇って実は食物連鎖的なトライアイングルがあったんだなあとアホなことを考えてしまうくらい、ゲーム内で生態系が勝手に生まれます。
ゲーム的に良く出来てると言っても、西部劇にノレないと辛そうではありますが。
・ブラックオーケストラ

ヒトラーを暗殺しようというイフの歴史を作ろうとする協力ゲーム。
ヒトラーは暗殺されず、第二次大戦を起こし、ユダヤ人も虐殺し…と歴史にどんなに疎くても”ヒトラーは生かしてたらダメなやつ”という程度の認識はあるので、(ゲームなんですが)目的への意識付けがしやすく、また、協力ゲームとしては当然のごとく目標達成の難易度はそれなりに高いんですが、それでも、歴史を変えるんだからとなんとなく納得できてしまうなどなど、実際の歴史がベースにあるからこそのプラス要素が色々あります。
が、このゲームを最高にしてるのは、ゲーム終盤、歴史通りにドイツが劣勢になっていき、ゲーム的にヒトラー暗殺をしやすくなります。なので、普通に遊ぶとゲーム終盤にようやくお膳立てが整い、ようやく暗殺を試みれるようになります。準備ができていて、運がよければ暗殺成功!となるわけですが、ヒトラーが生きていたからこその歴史はすでに繰り返されてしまっていて、『この時代で成功してもなあ』と思ってしまう作りなんですよね。しかしかといって、ゲーム序盤に最高のプレイングにより暗殺成功したとしたら、その時点ではまだヒトラーはまだドイツを導く有能な政治家なわけで、プレイヤーは完全なテロリストになります。
ゲーム外の歴史的な背景があるからこそゲーム上での成功失敗を超えたところにプレイヤーが感じる成功失敗がある。それが素敵なゲームでした。
・ディセプション(協力者たち拡張入り)

アンロック、ディテクティブ、クロニクルオブクライムなど、いくつも推理系だったり謎解き系のゲームを今年も遊びました。
ディセプションは人狼亜種なので、システムに補助されながらプレイヤーが謎を作るというか、結果的に謎になっているというだけではあるんですが、殺人事件の犯人が証拠品と凶器を指定し、それをGMが曖昧なヒントで捜査官たちに当てさせるという形で、GMが当てさせようとしたヒントを犯人たちは曲解させようとし、捜査官はGMの真に意図するところを当てようとするという、なんというか、実際の(というのは大仰かもしれませんが、少なくともテレビドラマとかでの)犯罪の形、対決の形に近くなってるので、そういうのが好きな人(僕です)にはたまりません。
基本だけだと犯人側が不利だったんですが、協力者たち拡張や今年頭に発売された拡張カードは犯人側に有利なものだったので、ますます上記のような対決が面白くなってるように思います。
証拠カード、凶器カードは無限に追加できるので、まだまだ楽しみなゲームです。
・支離滅裂

軽ゲー枠。大富豪系やトリテなどのカードゲームは人の手札や役を読み合うのが楽しさのベースになっているものが多いんですが、そのせいで重くなってるというか、とっつきにくくなってる部分が正直あったように思います。
それを支離滅裂は自分の手札の強化という自分に閉じた面白さを作り出し、さらにその面白さを楽しむことが結果的に他人に勝つことにつながるという作りのゲームです。
手札の役がどうすれば強くなるのか、何が強いのかはわかりやすいですし、2回までなら負けてもやはり手札を強化させることにつながっているという、プレイヤーを消沈させない、徹底的なエンターテイナー的な作りになってました。
1人だけの負けを決めるというのもゲームの方向性にあってて良いと思います。
・うんちしたのだあれ?

おっさんになってくると記憶力とスピードが…というのは仕方ないことですし、そもそも人によって得手不得手がありますが、短期記憶ならおっさんも若人も関係ないぜ!という人の脳みその作りをうまいことゲームにしてます。
手札を出し切れば上がりですが、最後の1枚を楽勝でだせるということはまずなく、頑張れおれの短期記憶! あのとき、あれが出てー、あれとあれはまだあるはず…と自分との戦いがはじまるのが大好きです。
あとは、某四方山話のベストに挙げさせてもらったら、うんちは宗教上の理由で…と断られたもいい思い出ですw。
選外だけど印象に残ったゲーム
・パンデミックレガシー2
完走したーというのが正直な感想。XXX要素が強く追加されて入るもののぶっちゃけ結局はパンデミックなのとゲーム中に出てくるお題がいやーこれ無理でしょというのが終盤増えてくる(運が良かった部分もありますが、結局成功させてるのでバランスはいいと思われる)ので、面白いゲームをやったというよりも、面白いストーリーを極めて実体験に近い形で体験したという感じ。
シナリオ上の驚きもありはしたものの、うーん、3はもういいかなあと今は思ってます。
他のキャンペーン系のゲームで遊びたいのもいくつくありますし、これからもキャンペーン系で面白そうなのはたくさん出てきそうですし。パンデミックばかり何十ゲームもやってる場合なのかは考えさせてほしいところです。
どうでもいいんですが、どうでも良くない話なんですが、キャンペーン系ゲームをレガシーレガシーと呼ばれるのが大変気になります!(いわゆる警察案件ですが、まあ、直接言うわけでもないので、お許しください)
・ハリウッドライヴス(記事)

まあ、ゲームと言うよりアクティビティに近いですが、一度は経験して欲しい!
演劇をするゲームですが、ガチに良い脚本を考えてガチに演じないとゲーム的に勝てないのが最高です。演技というとハードル高そうですが、いつもゲーム会で一緒しているメンバーとならまだ遊べるのではないでしょうか。
実際に遊ぶなら小物が重要です。いやー、そんなに気合い入れたくないんだよなーとか言わずに、拳銃、カツラ、スカート、帽子など、むしろゲームは恥ずかしがってもいいので小物、小物だけは気合を入れて準備するのをオススメします。
【雑感&来年の抱負】
頭に書きましたが、今年はこれだああっていう重ゲーは正直であわなかったです。(そんなに数やってるわけでもないですけど)
中量級だとクルセイダーズ、スマートフォン株式会社、ビトゥイーントゥーキャッスルズなど、よく出来てるものが多かったように思いますが、僕の好きなラインはもう少し重いやつなんだよおおって思ってました。
来年に期待したいと思います。
今年はロール&ライトゲームが躍進したというか、数も出たし、傑作もたくさん出た(ウェルカムトゥ、メトロックス、がん旬クレバーなど)年なんですが、そのせいというかなんというか、数年前までは本当に紙とペン以外のコンポーネントを使わないゲームのことを指していた”紙ペンゲーム”が、ペンを使って紙(またはボード)に書き込むゲーム全般を指す言葉として一般化しちゃいましたね…。
クロスレビュー記事も書いたりしましたけど、その後にでたロールトゥザ・トップもなかなか良かったです。
あまり行ってなかったゲームマーケットにもスタッフやブースの売り子として今年は春秋とも参加しました。
秋のゲームマーケットはフリマブースのスタッフとして参加しましたが、並んでるゲームを相場からみて損か得かという目でしか見てないマニアの方々はさておき、あまりゲームを買わない/ゲームにお金をかけない層が少しでも安くメジャーゲーム(七不思議とか宝石のきらめきとか)を買える場ではないのかと、フリマに来てるのをみると、なんとかしたいなーと思いはしました。
予約品はXX%オフとかで売ってる場がありますが、売れ線の旧作は(売れるので当たり前ですが)そんなに割引販売されないので。別に裾野を広げたいとかいう思いではなく単純に求められているならなんとかしたい程度で、何も考えがあるわけではないですけど。
ゲーム外のことでは、今年も色んな国から輸入しました。新しいところはイランとタイでしょうか。国が変わるとアートワークの感じも変わるのが面白いですし、色んな国のいろんなショップとやり取りしたり、そこで扱っているゲームを見るだけでも楽しいです。
来年の豊富は週1更新! 仕事次第、子供の具合次第ではあるんですが、夢の定期更新。なんとかしたいと思います。
シンフォニー / Symphony

(3人でインスト込み1時間半ほど)
【概要&ルール】
今度開かれるオーケストラの公演でうちのグループの存在感をアピールしたい!
そう、結果的にどんなことになろうとも他の派閥のやつらに負けるわけにはいかんのだ。
自分のとこの楽団員をオーケストラに送り込んで演奏で一番目立つことが目的のゲームです。
※本当は素晴らしい演奏をすることが目的とかなんですけど、やってることを素直に解釈すると↑になる。
このゲームは2つのフェイズにわかれています。
A.オーケストラフェイズ
B.シンフォニーフェイズ
Aで楽団を作って、Bで演奏するという流れになります。
A.オーケストラフェイズは、シンフォニーフェイズの準備のフェイズで以下の流れで行います。
・プレイヤーに楽器カードを既定枚数配る。
・手番順にメインボード上に楽器カード&演奏者を配置する
メインボード上に演奏者が置かれていない楽器がなくなったらフェイズ終了です。

(こんな感じのボードに置いていきます)
楽器カードには、楽器の種類、ディスクを置くスペースと特殊能力、配置場所に関する半円が描かれています。
楽器の種類はフレーバー、ディスク数=この後のシンフォニーフェイズで行う演奏への影響度です。特殊能力もシンフォニーフェイズでディスクを配置する際のものなので、後述します。
ディスクスペースや特殊能力は灰色で書かれてるものがあり、これは、楽器カードが適した場所におかれる(カード上の半円がボード上の半円と一致する)ことで有効になります。
プレイヤーは楽器カード上に自分の色のディスクを置きますが、手番で自分が配置した楽器に配置しなければならないことはありません。楽器カード配置後にフェイズ開始時からボード上に置かれているものや、コンサートマスターや指揮者など、ボードにあらかじめ印刷されているものにディスクを置くこともできます。
B.シンフォニーフェイズは以下の流れで行います。
このフェイズは楽器カード上のディスクを、楽譜ボードの音符上に送り込む(配置する)フェイズです。
楽譜はA~Eのエリアにわかれており、それぞれ、オーケストラのA列にある楽器カードからディスクを送り込む場所、B列にある楽器カードからディスクを送り込む場所…と、楽器カードの列と対応しています。
該当エリアに該当列のディスクを全て送り込んだら、次のエリア、次の列に移り、どんどんディスクを送り込んでいきます。
各列では基本的にオーケストラの前列にある楽器から1つずつディスクを送り込んでいきます。ディスクを送る順は楽器の並びだけで決まり、楽器カードの並び次第ではプレイヤーが連続手番になることもあります。
・中間決算/最終決算について
楽譜は3枚のボードを組み合わせて作成されており、B、D、E終了時(各ボードにもうディスクが送り込まれなくなった時)に中間決算が行われます。
中間決算では、シャープやフラットのついている音符や、背景色の異なる部分でのマジョリティ、ボード全体のマジョリティによる点数が入ります。
最終決算では、これらに加えて楽譜の格段のマジョリティによる点数も加えられ、最終的に最も点数の高かったプレイヤーが勝利します。
【プレイ内容】
あらいさん、しゅだっちさん、僕の3人で。
ルール的には初回はオーケストラフェイズを省略したイージールール(ルールブックに載ってるおススメセットアップで遊ぶ)を使うことが推奨されているんですが、音符の配置だけだと味気ないでしょうと判断し、皆さんの了解を取った上で、フルゲームを遊ぶことにしました(といっても拡張ルールが4,5個入ってるのでまだまだボリュームは膨らみますが)。
そんなわけで、楽器カードを配ってオーケストラ編成のオーケストラフェイズ開始です。
楽器カードの能力が上がるので、カードに描かれた半円とボード上の半円は是非合わせていきたいところ。色も合わせる必要があるので、色を頼りにだいたいどんな配置なるのか見てみると、向かって左右に弦楽器、中央らへんに管楽器(奥が金管、手前が木管)、奥に打楽器となるようです。
まあ、そこらへんは現実のオーケストラと同じですね。適した場所に置かれるなら…!
当然みなさん半円のマッチを狙うはずなのでそこを優先しておいていきます。とはいえ、この楽器&ディスクの配置はこの後のシンフォニーフェイズの手番順や手番数になるわけなので、弦楽器ばかりに置くのが良いというわけでもありません。
なので、弦楽器を置いたら打楽器をおき〜とカードの強さと位置を考慮しながら配置していきます。すると配られたカードを半分くらい置いた時点でもう半円がマッチするカードは無くなりました。
ここからは、自分の置いたカードよりも場のカードが強ければそちらを優先してディスクを置いていきます。
どうせ自分でディスクを置かないなら半円潰しのためにカードを置くという手ももちろんあるんですが…、これしかねえええ!と勢い込んで置いたのは銅羅のカード。
オーケストラの最前列の真ん中に置いてやりましたよ、HEHEHE。
そんなオーケストラもあっていいじゃない。
(中央以外の最前列は事前にランダムにカードを置いていたので、銅羅の隣はティンパニという、なんなんだこのオーケストラという配置になりました)
みなさん、マッチする場所は優先されてたかと思うのですが、次の優先事項はなんなのか? 僕はとにかくディスク数が正義!
楽器の種類ごとに特徴があるようで、打楽器や木管楽器はディスク数が多く、金管楽器は置けるディスク数は少なめ、弦楽器や木管楽器はディスク数は中庸能力もとんがってないなどなど。

(オーケストラフェイズ終了!銅羅&ティンパニのセンターもいいんですが、右列の下から二段目にいるトライアングルもいい味出してます。さらに言えば、トライアングルとティンパニに挟まれたバイオリンもなんでそこに座ろうと思ったんやみたいな感あって素敵です。右端にうつってのがルールブックに記載されているおすすめ配置です。それを使ってシンフォニーフェイズだけ遊ぶこともできます)
僕としゅだっちさんは満遍なく、というより漫然と置いたらこうなったみたいな配置に。あらいさんはめっちゃ右寄りのシフト! 終盤に追い込みをかける狙いのようです。
そんなわけで、シンフォニーフェイズ開始です。僕らのはちゃめちゃ楽団が楽譜上でマジョリティを狙ったり、他人がおいた音符上にディスクを上書きしたりしあいます。
どう考えても、おれの演奏を一番目立たせるんだ!ブー!ブー!プップクプー!って感じに思えるんですが、まあ、さておき、マジョリティ争いをやります。
まずは楽譜上のAの場所にオーケストラのA列からディスクを移していきます。
といっても、あらいさんはA列にディスクを置いてないので僕としゅだっちさんがディスクを置き切ってB列に入るまで手番はきません。
そんなわけでしゅだっちさんと置き合うわけですが、点数要素は、配置した時の素点(楽譜の上の方が高得点)、A,B終わった後のマジョリティ、シャープやフラットに置いた時のボーナス、楽譜の色が青やオレンジになってる箇所のボーナス、A〜Eまで置き終わってゲーム終了直前の各段のマジョリティです。
単純に素点の高い場所に置くか、マジョリティを取りに行くか、ボーナス点を狙うかなわけです。僕はシャープやフラットでのボーナス点重視。
楽器に能力がなくても連符だと「既に置かれている色のディスクは同じ連符上の他ディスクを上書きできる」という条件がつくので、どこからディスクを置いていくかは案外重要です。
既に上書き能力を持った楽器カード上にディスクがなければ上書きされることは基本的にはないのですが、しゅだっちさんに上書きされないよう、そこらへんも気をつけつつ。

(Bの配置中。あらいさん(紫ディスク)はまだ登場していません。タクトでBの範囲を区切って、プレイミスをなくそうとしてくれてるんですが、コンポーネントのタクトが箸にみえるんですよね…)
前半、A〜Cの部分ではほとんど出番のなかったあらいさんでしたが、その分、後半はほぼあらいさんの楽器で独壇場です。ディスク数も多めの楽器カードが多く、いやー、これはやばいですねなどと言いはするものの、どうすることもできません。
各段のマジョリティ争いもあるのでどんどん置かれるあらいさんのディスクに気が気ではありません。これはあらいさんが勝ったかな?
と思っていたら、最後のEの列のディスクを7割ほど置いたところで楽譜上のスペースが全部埋まってしまいゲーム終了となってしまいました。
あとから楽譜を見てみるとCで置ける範囲でディスクが後ろに偏って置かれてました(シャープやらボーナスが期待できる特殊音符がたくさんあった模様)。そのせいでDやEのディスクの置ける場所が減ってしまい、今回のことのようになってしまったようです。
(楽譜上でアルファベットごとに置ける範囲は微妙にかぶってます)
そんなわけであらいさんも伸び切れず、シャープやフラットのボーナス点を多く稼げた僕が勝利しました。


(終了時。後半はめっちゃ紫ディスクが置かれてますがこれでもまだ置ききってないディスクがあるという)
【感想】
ぶっちゃけるとマジョリティ争い部分は普通です(よく出来てるとは思いますが、目新しさはありません)。
ボーナス点エリアと普通にマジョリティを争うところ、素点高いところなど、どこに力を入れるかという選択肢も多く、上書き効果もあるので他人とのインタラクションもしっかりしてます。
と、シンフォニーフェイズ部分だけでも無難は無難な良いゲームなんですが、やはり魅力はオーケストラフェイズと組み合わさることででてきます。
今回のゲームでは笑える配置になりました。銅羅をあそこに置いたのは狙ってやったところもあるんですが、シンフォニーフェイズを経験してから考えると、ああいうオーケストラではあり得ない配置は案外起こりそうです。
なんでかってえと、各列で配置可能な場所が分割されているため、シャープやフラットなどのボーナス点がもらえるエリアでは先にそこにおける楽器を置きたいとか、どの列に力を入れた方が良いかが、自分のやろうとしている得点の取り方に応じて、時には適した場所(半円が重なる場所)に配置するより優先される場合があるからです。
(楽譜は裏表ありのモジュラーボードになってるので毎回、楽譜の作りは変わります)
適した場所に置かれない=トンチキなオーケストラになるなので、ゲーマー的な絞りあいや取り合いを意識すればするほど、楽器の配置を見てドタバタした感じになるわけです。
そうなってくると、やはりこんなテーマありなのか!?と感じた、俺の演奏の方を目立たせてやる的なものも、デザイナー狙ってやってる?という気にもなります。
真面目な箱絵からはなかなか想像しにくいですが。

(真面目にオーケストラやりっぽく見える箱絵)
システム的な目新しさやすごい面白さはないですが、まっとうなエリアマジョリティがやりたく、どったんばったんのオーケストラというテーマや背景を想像しながら、笑い合いながら遊べる環境なら良いゲームかと思います。