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ミステリーホームズ

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(3人でインスト込み1時間ほど)

【概要&ルール】

夜が明けると館に死体が! 警察の助けは借りられない。館の中にいる我々だけで各部屋を調べ、証拠を探し、事件を解決するのだ!

犯人1人、他一般人で遊ぶ1対多のゲーム(他の方は協力ゲーム)です。
まず、役割カードとアリバイカードをプレイヤー全員に配り、各プレイヤーは配られたカードの中身を確認します。

役割カードは犯人か一般人かが、アリバイカードには犯行時どこにいたのかが書かれています。

その後、フェイズは夜になります。犯人はルールブックに書かれた指示の通り、セットアップを行います。この間、犯人以外は顔を伏せて目を閉じています(人狼的なあれです)。
(凶器や証拠を館内におくので、犯人以外は手を出せません)

凶器カードに書かれた凶器(と付随する証拠品)を指定の場所に置きます。その後、2枚トリックカードを引き、その通り操作をします(死体を隣の部屋に動かしたり、実際には使われていない証拠をおいたり、自分のアリバイカードを入れ替えたり等)。

セットアップが完了したらみなで顔をあげてゲームスタートです。

ゲーム中は、残り時間を消費してアクションを行います。残り時間が一番多いプレイヤーが手番を行います。
できることは、移動&探索と、推理の2つ。移動&探索は館内を移動して移動先にあるタイルから1つを獲得するか、それとも犯人などを指摘する“推理”か。

移動&探索で見つけたタイルは基本的に他人に内容を見せることはできません。口頭で伝えることはできます。

推理では、犯人(プレイヤー)、凶器、事件に使われたトリックカード2枚を宣言し、犯人として指摘されたプレイヤーが正解か不正解かを答えます(内容を問わず、正解/不正解のみ答えるので、犯人でなくても判定できます)。

犯人以外のプレイヤーは誰かひとりが正解を当てれば勝利、犯人役は一般人プレイヤー全員の残り時間がなくなったら勝利です。

【プレイ内容】

一味さん、彼葉さん、僕の3人で。

最初に犯人をランダムに決めます。
配られたカードをこっそり見ると、「犯人」の文字が。

そうかー。犯人かー。大変そうだ。

みんなで顔を伏せたあと、僕だけ顔を上げて犯人の仕事をします。

犯人がやるのは、凶器カード1枚、トリックカード2枚をランダムに引いて、その内容に合わせてルール通りに凶器トークンと証拠品トークンをセットアップすることです。
犯行時間に犯人がどこにいたかは、役職のカードと一緒に全員に配られたアリバイカードに記載されています。

このアリバイカードに記載されている部屋と、凶器の特性に応じて、死体が置かれる場所が変わります。
拳銃なら隣接する部屋におかれ、ナイフやロープならアリバイカードと同じ部屋に置かれます。
ただし、毒ナイフなら(たぶん時間差で死ぬということで)凶器はナイフになりますが、死体は隣接する部屋に置かれます(ただし、証拠品として毒が登場するようになります)。

今回僕が引いた凶器は『ロープ』。特別な証拠品も登場せず、かつ、アリバイカードと同じ場所に死体と凶器が置かれます。

(めっちゃどうでもいい話なんですけど、アリバイは本来“現場不在証明”=犯行現場以外の場所にいたということを示す言葉なので、犯行時間にいた場所という意味で使われているのは、文章書いてて違和感というか不思議な感じがめっちゃしてしまいます。犯行時にいた場所という意味で使われがちなのもわかりますが)

ロープ! ロープかあ…。僕のアリバイカードに書かれてる部屋に死体と“犯行現場と同じ部屋に置かれる”ロープが置いてあったら、すぐに犯人だと特定されるでしょう!?
と彼葉さん、一味さんに気づかれないよう慌てます。

しかし、この後、トリックカードを引いて、犯行現場やら周りの部屋に色々と細工をします。これで大丈夫になるはずです。

僕が引いたのは「死体を犯行現場と隣接する部屋に移動させる」ものと、「任意の証拠品を任意の部屋における」もの。

これでなんとかなるかなーと死体を隣接する風呂場に運び、適当に選んだ証拠品をマップ上に配置します。
(セットアップを早く終わらせた方がよいと思って、あまり考えなかったんですが、この時もう少し考えておけば…)。

セットアップが完了し、夜が終わったことを彼葉さん、一味さんに伝えます。この時はセットアップが完了したら携帯のタイマーを10秒くらいでセットして鳴らす(誰でもセットできるよう、鳴らす用の携帯を机上においておきました)という方法を取りました。

死体のある部屋に全員のコマを集めてスタートです。ここから、この部屋を調べたり、別の部屋に移動してその部屋を調べたりしていきます。「調べる=その部屋に置かれてるタイルを自分だけが見て、内容を他のプレイヤーに教える」です。
この時に目撃証言タイルを引くと他人のアリバイカードを見ることができますが、他のタイルは何が引かれたかは引いた本人しか本当のところはわかりません。

セットアップ時に凶器タイルや証拠品タイルなども置いていますが、タイルの大半は何も書かれていないハズレのタイルです。

セットアップを僕=犯人がやっているということは、どれが凶器のタイルかわかっているということです。
ぐはは、まっさきに凶器のタイルを引いて嘘情報を流してやるわ!と思いながら自分の手番を待っていると、先に一味さんが凶器を見つけてしまいました。いきなりつまづきます。

同じことが起こらないようにとっとと本当の犯行現場である隣の部屋に移動して、自分で凶器を見つけた方が良いかとも思ったのですが、直前に、「いきなり移動するより、とりあえず今いる部屋を調べた方が時間効率はいいですよねー」という話をしたばかりだったので、移動すると怪しまれるかな?と思い、ハズレなのはわかっていますが、スタート位置の部屋を調査。

そして、2手番目。今いる浴室からは玄関と寝室(本当の犯行現場)につながっています。僕より前手番になった彼葉さんが玄関に移動して調べられたので、じゃあ、僕は寝室に行きますねと、スムーズに犯行現場に移動することに成功!

ぐはははは、凶器のタイルをさくっと取って、証拠隠滅してやるわーと思いながら取ったタイルは無地のモノ。
あれ?間違った!というわけですが、表情には出さずに、ハズレでしたーとだけ伝えます。

まあ、浴室からの移動経路は玄関に出る方が短く、その後別の部屋に行くのも玄関からの方が短い(廊下の1マス移動するのに1分消費します)ので、時間効率を考えるなら、次手番の一味さんはこっちにこずに玄関に行くだろうとタカをくくっていると…。

一味さん:「寝室行くわ」
僕:「え! 玄関の方が近いし、その後、さらに先の部屋に行くのも廊下が短いですよ!?」
一味さん:「お! なんか怪しい! 絶対に寝室行く」
僕:「なんで真っ当なこと言ってるのに怪しまれるんだよ!」
※数日前のゲーム会で一味さん相手に三味線を駆使して勝ってるからです

そして、凶器であるロープのタイルを引き当てる一味さん。

やっばーいです。

一味さんの手番で寝室のタイルは全部見たので、僕は隣のダイニングに移動して調査です。
この部屋には偽の凶器と、トリックカードで仕込まれた事件に無関係な証拠品があります(各部屋にタイルは3枚ずつあるのでハズレ(もしくは目撃証言)も一枚あります)。

そして、1枚しかないハズレタイルを引く僕。

一味さん:「こいつ、ハズレしか引かねえ。怪しいぞ!」
僕:「犯人だったらもっと凶器とか引いてるわ!(実際引くつもりだったのに引けなくて悲しいわ!)」

まあ、次手番では凶器を引いたので、ハズレばかりではなくなったわけなんですが、一味さんがこの前に証拠品(毒でした)を引いて、残り一枚が凶器だっただけなので、疑いは晴れず。

それより、その前に、彼葉さんの手番だったわけなんですが、彼葉さんは玄関にまだタイルが2枚あるにも関わらずさらに隣のリビングに移動。いやいやいや、玄関のタイル2枚のどちらかは凶器(偽ですが)なんだからちゃんと調査してよと言いましたが、残り時間的に玄関を全部調べるかリビングを調べるかなので、リビング調べたいとスルー。

うおーいと思いましたが、まあ、怪しげな行動してくる分にはいいかとあまり追及はせず。

そして、その後、残っている部屋を調べたりしましたが、全部調べるには時間が足らず、若干の不明点を残したまま推理タイムに。
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(ほぼ終盤。結構裏向きタイルは残ります)

目撃証言タイルを彼葉さん、一味さんともに1,2枚見つけており、お互いにアリバイを確認しあい死体の近くの部屋にはいなかったことを確認済。そして、見つかっている証拠品がずれた時計ではない(ずれた時計はアリバイカードを山札もしくは他プレイヤーと交換するトリックの時にでてきます)ということで、一味さんも彼葉さんもお互いは犯人はないと思っています。
(一味さんが犯人で時計の証拠を握りつぶした、もしくは、時計が見つかっていないだけでアリバイカードは交換されているという可能性もありえるはずなので、インスピレーションで決められたのかもしれないんですが)

とりあえず、もう一度状況を書き出すと、死体は浴室で見つかっています。
そして、一味さんが証拠品の毒を見つけています。それ以外の証拠品の話は出てきていません。
(浴室などで見つかった凶器も書ければよかったのですが、失念してしまいました。すいません)

そして、一味さんは僕のアリバイカードを見ており、そこには寝室と書かれています。

つまり、僕が犯人なら、犯行当時にいた場所と異なる場所に死体があるトリック、または凶器が使われているはずです。

このゲームでは毒は凶器を遅行性にする効果があり、ナイフなどとあわせると毒ナイフとなり、刺した場所(犯行現場)の隣に死体が置かれます。毒が見つかっているということで、この効果によって死体が移動したのだろうとあたりをつけ、色々と検証が始まります。
しかし、毒とナイフが見つかったのはダイニングです。2部屋隣まで死体が移動することはありませんし、血痕も見つかっていません。

うーん、わからんけど、言ってみるかと、彼葉さんが僕が犯人だと指摘しつつ、凶器とトリックカード2枚を宣言します。
まあ、推理が中途半端なのでこれは当然外れ。
最後、一味さんが推理を当てれば彼葉さん&一味さんの勝ち、外せば時間切れとなり犯人である僕の勝ちです。

ぶっちゃけた話、「任意の証拠品を任意の場所に置く」というトリックに気づいてないだけで、それに気づけば今の状況なら僕を犯人すれば辻褄が合うんだけどなー、気づかなきゃいいなーと思ってみてました。

しかし…、

彼葉さん:「あ、こんなトリックあるじゃん」

というわけで当てられてしまいましたw。

セットアップでトリックめいたことは仕掛けてないですし、ゲーム開始後もだますようなムーブはできてないのですが、タイルを全部見るだけの時間がないからか案外、気づかれないもんです。

続けて2戦目を遊びました。
また、僕が犯人カードを引いたのですが、次あたったら大人しく犯人やるので、一回だけ引き直させて欲しいとお願いして、引き直し、今度は無事、一般人になりました。一味さんか彼葉さんが犯人なわけです。

今度の死体発見現場は館の中央にあるダイニング。四方に廊下が伸びてます。流石に今度は移動効率を考えると同じ方向に移動するわけにはいかないので、3人とも違う方向に行きます。
彼葉さんは下方向にいって、玄関を調査しますが、証拠品は見つからず。僕は上方向、客間に移動して血痕を発見!

僕:「血痕見つけました!」
一味さん:「さっき何も見つけられなかったのに、いきなり見つけるとか怪しいぞ!」
僕:「なんでも怪しまれるじゃねえか!」
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(よっしゃああ、血痕見つけた! といっても、タイルの内容は他人に見せられないので、本当かどうかの判断は他人に任されます。もしくは日頃の行いによります)

などとコントもしつつ、一味さんがダイニングの右方向、寝室に移動して調査したところ、目撃証言タイルを引いたので、彼葉さんのアリバイカードを見ようとします。

彼葉さん:「客間だよ」
一味さん:「玄関って書いてある」

何故かみられる前にカードの内容を宣言した彼葉さん。これで一味さんが見た内容と同じなら潔癖の証明になるとのことだったんですが、実際には異なってます。

んー?わざわざ自発的にすぐ嘘だとばれる宣言するメリットが彼葉さんにあるんか? となると一味さんが嘘ついてるの?

どちらにせよ。どちらかが犯人のようです(知ってた)。

その後、時間内にできる限りの調査(タイルめくり)をし、あーだこーだと出ている証拠とあり得る可能性をぶつける検討タイムに突入です。
結局今回の事件も死体発見の部屋と各人のアリバイの内容が合わず、毒かアリバイカード交換のトリックが使われている模様となり、僕は彼葉さんが嘘をつく意味ないので嘘をついたのは一味さんと判断して、一味さんが犯人ならこうなってるはずという内容の推理を宣言します。
が、ハズレ。たぶん、一味さんが犯人だと他の組み合わせはないはずなので、彼葉さんが犯人なのか?

彼葉さんが玄関でずれた時計を見つけて、ハズレのタイルだったと報告しているとすればこの内容で辻褄が合うはずという推理を一味さんが披露し、見事正解されました。

彼葉さん:「初手で玄関いって時計拾おうとしたら、ハズレタイルで焦った」
僕:「わかる。自分で配置したはずなのに間違えますよね」
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(正解暴露したところ。手前にあるのが凶器やトラックカードの一覧。ここに書かれている条件と突き合わせて正解を探っていきます)

【感想】

テーマ、推理している感、証拠隠滅の手段やその豊富さなど、システム的に型にはまっている中でかなり自由に操作側として殺人事件捜査/犯人側として証拠の隠蔽を楽しむことができるゲームです。
2回しかやってませんが、基本的に時間(手番数)が足りないので、100%当てられるという状況にはなかなかならず、こいつが怪しい&このはずだ!と思い切りも必要なはずで、そこもまた自分で決断した感じになっていいところだと思います。

予め決められた枠組みの中に決められた真実の候補があり、それを消去法で特定していくという仕組みは既存のいわゆる推理ゲームと同じなのですが、その候補を1単語や数字などではなく、非定型の推理に使われるような文章(条件)にしたところが非常にうまいと思います。

検証すべきパターンを文章というか、凶器やトリックが使われていることによって発生する要素、条件を検証する型にしていることで、推理小説やドラマなどでよく見かけるようなシーンをそのままに再現しているかのようなゲームになっています。

クルードなどの推理ゲームでよくある、凶器、場所、犯人を当てるとした時に、ナイフではなく、拳銃ではなく、ロープではなく…、毒薬のヒントがないから正解は毒薬!と単純な単語の消去法ではなく、
・ロープならば死体は犯人のアリバイカードと同じ場所にある
・毒ナイフならば証拠品の毒がゲームに登場する
という条件の精査を行うという体になっているため、やってることは単純な消去法と変わらないとしても、頭の中では、「毒が見つかっていないので、毒ナイフではない」というような、理屈を元にした推理、検証の形になっています。

これは非常に雰囲気でます(僕は推理ゲームというのは、究極的には雰囲気が推理小説やドラマっぽいかそうでないかだと思ってます。雰囲気は超大事です。多かれ少なかれ状況から何かしらを類推するという場面はほぼ全てのゲームに登場する要素なので)。うまいこと適度な時間で収束するような組み合わせにバランス取るのは大変かと思いますが。

あと、少し上の方でも書きましたが、100%当てられる状況にはならないというのも非常に良いと思います。
もしかしたら違うかもしれないという状況で“自分の考え、推理に従って”これだ!と指摘する、非常に推理ゲームしてるなあと僕は思います。
100%当てられる状況になる過程にもよりますが、パズルに近いものになっている推理ゲームと呼ばれる論理パズルゲームが多いのに対し、自分の推理(というか勘)で回答しなければならないのは、僕はとても好みです。

ただ、この100%当てられる状況にならないというのは諸刃の剣でもあって、絶対に絶対に間違いたくないという人も世の中にはいるので、そういう人とこのゲームを遊ぶとちょっと不幸かもなーとも妄想します。
なんでかというと、ゲーム上の残り時間はテーベの東式のトラックで示されているんですが、盤外の実際の時間は別に制限がルール上にないので、あと1手番で犯人側の勝ちが確定するという場面で、延々とあーでもないこーでもないと検討が始まってしまうんですよね。多かれ少なかれ間違いたくないですし、その検討の時間=真面目にゲームに取り組んでいる証拠ともいえるので悪いとはいいませんし、この検討する時間がまた“推理”ゲームしてて楽しいのも確かなんですが、プレイヤー全員の熱量が冷めない程度の時間で区切りはつけた方がよいと思います。

別ゲームですが、いざ回答するぞとなってからめっちゃくそ時間をかけて検討を始めた人と同卓したことがあるので気になってしまいました。とはいえ、そのゲームは競争式だったので、外す=他プレイヤーに負けるだったというのもあるかもしれません。こちらは協力ゲームなので(犯人も形式的には付き合うので)プレイヤー全員で検討するはずで、だとしたら杞憂かもしれません。

ニュー・フロンティアーズ/ New Frontiers

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(4人でインスト込み1時間弱ほど)

【概要&ルール】

毎度おなじみ銀河帝国の発展競争だ! すごい加速度で発展するから置いて行かれるなよ。あれ?今度の銀河はなんか優しいぞ…?。

レース・フォー・ザ・ギャラクシー、ロール・フォー・ザ・ギャラクシー、ジャンプ・ドライブなどと同じ世界観というか、同じ絵柄、同じ名前のカード/タイルが出てくるゲームの第四弾(レース~はかなりの数の拡張も出てますが)です。
やることはレース・フォー~と同じですがアクションの選択&実行タイミングなど、細かい部分が変わっています。

手番順に1つアクションを選択し、プレイヤー全員が同じアクションを実行する。ただし、選択者(手番プレイヤー)のみがボーナスがある。この選択を手番順に行い、全員が選んだら1ラウンド終了(ラウンド中、既に選ばれているアクションは選択できない)。
終了条件を満たすまでラウンドを繰り返す。
※要はプエルトリコと同じアクション選択&終了処理になります。レース~がサンファンに似てる!と散々言われたので、今回は作者のトム・レーマンがプエルトリコの作者に了承を取ったそうですw。

アクション種類は以下。
・探索:袋から既定数の惑星を引き、手番順に1つずつ裏向きに手元に取っていく。アクション選択者は1つ目を取った上で、最後に残ったものから1つ取る。
・植民:コスト(金+開拓者コマ)を払って手元にある惑星を1つ表にする(軍事惑星ならノーコストで軍事力の条件を満たす)。または開拓者コマ2つを得る。選択ボーナスは開拓者コマ+1。
・開発:コスト(金)を払って中央に並べられている開発の中から1つ獲得する。選択ボーナスはコストマイナス1。
・生産:手元にある生産可能な惑星全てが商品を生産する。選択ボーナスは通常、生産しない惑星に商品を生産させる。(※生産アクションのみ、ラウンド中に誰も選択しなかった場合にお金が載っていき、次に選択したプレイヤーはお金も手に入れられる)
・交易&消費:商品1つを売る。その後、惑星や開発に消費能力があるなら残っているキューブを消費して点や金を得る。
・外交:スタートプレイヤーになり、おまけで1点もらう。(※他プレイヤーは何も行わない)
・目的カードの選定:目的カードの山から既定数を取り、1枚を選んで伏せておく。次にこのアクションが選ばれる、ゲームが終了するなどした場合に公開され、全プレイヤーに適用される。目的カードには、XXを○個持っているなどの条件と満たした時の点数が記載されている。


【プレイ内容】

ウキンさん、あらいさん、一味さん、僕の4人で。

ウキンさんは複数回プレイ済。残りの3人は初プレイです。

初プレイではあるもののレース~やロール~など、シリーズをプレイ済のため、アクション内容などは一応わかります。そんなわけでインストは差分のみの説明という簡略バージョン。
ルールの説明は簡略でしたが、開発や惑星の効果の差分というシリーズ経験者にとっては罠になりそうな部分についての説明もしてくださるという丁寧なインストでした。
(レース~もロール~も数回しか遊んだことがない自分にとって大半は「ほうそんなことだったんですか。それが変わったと。なるほどなるほど」と、そもそもの部分がわかってなかった話ではあったんですが、どうも全体的に強い効果のモノは弱くなるよう調整されているようでした)

まずは初期ワールド(惑星)決めです。20個近くあるものからスタート時点の惑星=能力を選びます。ルール上は各プレイヤー、好きなものを選べばいいようなんですが、まあ、初めてだしようわからんしということでランダムで選びました。

その結果、僕は「開発時に支払ったお金が1金戻ってくる」もの。
とにかく開発中心で進めればよさそうと、方向性が明確で遊びやすそうです(ウキンさんからも「お、いいの引きましたね」と言われましたw)。

そんなわけで初手から開発を繰り返します。

植民時に開拓者コマが必要なのですが、それを手に入れる機会の省略を狙って、探索時に開拓者コマが1つもらえるものをまず購入。というか経験者であるウキンさんが上家だったので真似をしましたw。
ちなみに、開発で購入するタイルはゲーム開始時に並べられます。完全にランダムという訳ではなく、半分は必ずゲームに登場するもの、残りの半分が両面印刷になっており、どちらの面の能力をそのゲームで使うかを開始時にランダムで決めます。
さらにいえば、同種のタイルは2枚ずつしかないので強い/強そうな能力のタイルは早い者勝ちになりますし、みんな同じものを買うというような展開になりません。

開発コストマイナス1といっても、2金以上のものを買えば金は減りますし、1金の弱い能力のタイルばかりあってもしかないので、生産力のある惑星をさっさと手に入れて生産と交易のサイクルをまわしたいところです。
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(最序盤)

そんな思惑もあり、植民のコストが2下がる開発タイルをほぼ全財産を払って購入しました。

コストが安い惑星にタダで植民してやるぜーと思っていたんですが、安いコストの惑星が出てこない!
一味さん、ウキンさんが結構探索アクションを選んでくれ、たくさん袋からは引かれるんですが、コスト4以上の惑星だったり軍事惑星だったりでうまくいきません。

うーん、つらいという展開でしたが、生産力のない惑星(windfallsの惑星のことです。植民時のみ商品がわく、なので厳密には違うんですが、端的に説明できないのでお許しください)でも商品を生産できるようにする開発を手に入れ、一番最初に手に入れていた惑星で青商品を生産して交易+1と合わせて2金という細々とした儲けで食いつなぎながら、エイリアンの惑星なら植民コストマイナス3という開発を購入し、高コストでみんなが取らなかったエイリアン系のコスト6や7の惑星へ植民していきます。
エイリアンの惑星は売値の高い商品を生産できるので、ようやく安定した財源を手にいれました。これを元に消費能力のある惑星やゲーム終了時に点数になる価格9金の開発タイルを購入していく構えです。

ウキンさんは茶色の惑星に特化して植民し、さらに開発タイルなどの能力も茶色惑星に特化して、茶色商品をお金や点数に変換されていきます。
一味さんは軍事力のある初期惑星だったので、軍事方面に走ります。軍事系の惑星は軍事力が条件を満たしていれば植民できるので、探索時に惑星を追加で手に入れられる能力や、植民アクション時に複数惑星に植民できる能力などを手に入れて能力を有効活用する形でガンガン探索→植民をまわされます。軍事系惑星ながら生産ができるという惑星も中盤くらいに手に入れ、お金も困っていない様子。
あらいさんは初期の惑星こそ軍事力はなかったですが、開発タイルなどで軍事力を強化して、軍事系の惑星を一味さんと取り合いされてました。生産可能な惑星の有無なのか、開発タイルの能力自体は一味さんの方が種類も持っていて強そうでしたが、素点の高い軍事系の惑星をうまいことカットするなど惑星の点数自体は高そうな感じ。

みんな自分の形ができてきたかな?というところで、一味さんが終了トリガーを引いてゲーム終了。
数点差にみんなが収まる接戦でしたが、ウキンさんが勝利されました。
ウキンさんは序盤から中盤にかけてかなりうまいことまわっている感じだったので、納得ではあります。一味さんもかなりうまく回っているように見えてたんですが、あらいさんと軍事で被って高得点惑星が取れなかったので、点数が伸びなかったみたいです。

僕は消費アクションはほぼできてないし、惑星と開発タイル買っただけで終わったな…と思ってたんですが、素点の高い惑星やタイルを手に入れられていたようで、思っていたよりは良い勝負になりました(どうもロースコアの勝負だったようですが)。
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(最終盤面。アクションとうまくシナジーがうまれるようなワールドにはできなかったんですが、それでも素点が高かったからか、良い勝負にはなりました)

その後、同じ日に別メンバー(キノさん、一味さん、ウキンさん、僕)で再戦しました。
今度は生産時に生産力のない惑星1つに商品を作れる能力を持った惑星でスタート。

僕の感覚的に生産力のない惑星の方が植民コストが安いと感じているので、お金獲得の主軸にする惑星は安く手に入れ、その分、点数化する方に力を入れるということにします。

緑か黄色の惑星が良かったんですが、最初の探索で手に入れられたのは茶色の惑星。売値は2金と安いので、主塾にはならないですが、探索アクション時に開拓者コマが1つもらえる効果が良いと思ってこれにしました。

この後、青の生産惑星と青商品を消費して得点化する開発タイルを手に入れて、青商品を消費するエンジンを作ります。さらに、黄色の生産惑星と消費時に加点となる開発タイルを2つ購入してエンジンを強化。惑星の能力もあり、生産→交易&消費を1回行うと8金と6点が手に入ります。
キノさんも生産系だったので、お互いに生産と交易&消費を選択し合ってエンジンをまわすこともできました。

一味さんが開発タイルのコスト軽減系のタイルや惑星を複数持っていたので、開発アクションもどんどん行われ、序盤は金が手に入る前に一味さんが選ぶので、一味さん以外買えない、というかもう開発アクションいらないというような場面もありましたが、終盤は僕も手に入れたお金を得点化する良い機会だと喜んでのっかってました。
ウキンさんは今度はただひとりの軍事力強化でしたが、惑星の引きが悪かったようで思うように点数が伸びないように見えました。

今度もまた一味さんが終了トリガー(開発タイル数)を引いて、ゲーム終了。中盤くらいからそれなりに高得点のエンジンが出来上がっていた僕が勝利しました。

面白かったのはキノさんの得点。うまくまわってないなーとゲーム中、何度か仰っていて、実際、ゲーム中の点数はそれほど伸びなかったのですが、序盤に一味さん、終盤に僕が引いた目的カードの目的がキノさんにあっていて4人の中で一番の恩恵をうけ、点数をぐーんと伸ばしていらっしゃいました(最終的な点数が50点ちょっとで、そのうち10点は目的カードからの点でした)。
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(終了時。1戦目よりはうまく回ってた感じはしましたが、他の皆さんとの点差は1戦目と似たようなもん)

【感想】
劇的にめっちゃ面白い!とか、斬新なシステム!とかははっきり言ってありませんが、安心感、安定感があり、落ち着いた、無難な面白さのゲームです。

テーマに若干のとんがりはあるものの、そこさえ引っかからなければ、優等生!普通に面白い!ゲーム内にとんがってるとこもなし!強すぎない運要素、手元のエンジンがちょっと回ったくらいで終わる収束性とやった感ともっとやりたい感のバランス良し!
で感想終わりです。
レース〜もロール〜もジャンプ〜もどれも同じベースながら微妙に異なる面白さですし、トムレーマンすごいなと思います。

感想自体は終わりですが、レース〜とかロール〜といった比較先があるのでこういう印象になるのがディベロップに起因しているのもはっきりわかって面白かったので、以下、その話です。

僕がこのニューフロンティアーズの印象に関係してそうと思う、レース〜などから大きく変更があった点は以下の3つ。
・アクション選択を全員同時ではなく、手番順に行う
・探索時に各自が数枚山から引くのではなく、結構な量を規定数(4人プレイでは7枚でした)引いて、手番順に取っていく。
・開発カードとして山引きだったものが、開発タイルになりゲームで使うものは全て開始時から場に並べられている

要は偶発的な要素が削られている/減らしているディベロップになってます。
人がこのアクションをやってくれるのか?を考えて悩んだり、いざアクション公開したら被ってたーと盛り上がったりも過去作ではあったわけですが、そこら辺はカットしてより高い計画性をとってます(この辺のランダム性抑えて荒くないところは、カードゲームではない、ダイスゲームではないってのを意識されたのかなという気がします)。

んで、計画的に遊べるようになったので惑星や開発の効果は抑えてると。レース〜やロール〜などは拡大の1ステップが大きく、スピード感を感じるほどだったんですが、ニューフロンティアーズは確実に計画して拡大できる代わりに拡大する曲線はゆるやかです。
(それが落ち着いてる印象に繋がってると思います)

終わる時もそのゆるやかな曲線のまま静かに終了トリガーに達するので、手元にしっかり得点要素は作れてるのに、もう少しなんとかできた感が残ります。僕はやり切ってむやみやたらに拡大(というより拡散)するよりはこれくらいが好みですが。

驚きや偶発的な面白さはあまりないけども、毎回確実に高いクオリティのセッションを提供してくれるつくりだと思います。

じゃあ、落ち着いた、やんちゃする余地のないゲームなのか?というとそうとも限らないと思ってます。遊んでいた時には気づかなかったんですが、1点とって、スタートプレイヤーになるアクション。
これの使いどころとして、どういう場面が想定されているか次第かなーと。
レース〜などであった、「あの人があのアクションをするはずだから」の再現として取り入れられている気がしています。
自分がやりたいアクションが残っていたとしても、後手番の人が選びそうなら(ボーナスはもらえませんが)1点取るというのが十分ありえるんですよね(たぶん)。僕が遊んだセッションはどれも全プレイヤーが数点差でしたし。

やりたいアクションを淡々と選ぶだけでも良いゲームですが、他人の考えを読んで、少しでも先に進む、そんなところはしっかり生きてると思いました。
(リスク取る必要ないっちゃないんですけど)

(余談)
プエルトリコと並べて語られるんですけど、同じアクション選択システムをとってはいるものの、印象は全然違います。アクションやタイル類の絞りあいなどはないので。
「ニュー・フロンティアーズは(アクション選択のとこは)プエルトリコだよ」と聞いていたので、プエルトリコの本体はアクションやタイル類の絞りあいだと思ってる身としては、正直、「あ、そういうことか!キッツイ絞りあいなくてほっとした」と思ってしまいました。
ニュー・フロンティアーズは優しいゲームです。

トレジャー・アイランド / Treasure Island

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(5人でインスト込み30〜90分)

【概要&ルール】
海賊のジョンシルバーが隠した財宝を見つけ出せ! 海賊たちはジョンシルバーを牢獄に閉じ込め、その間に財宝を見つけようとしている。ジョンシルバーは財宝が見つけ出される前に脱獄し、自分の手で財宝を持ち去るのだ!

宝を隠すジョンシルバー役ひとりと、それ以外の宝を探すプレイヤー(海賊たち)に分かれて遊びます。

セットアップ時、ジョンシルバー役のプレイヤーは手元の衝立に隠したミニマップ上に、宝を隠した場所をメモします(ラミネート加工されたボードにマーカーで、ここだ!という位置にバツ印などを書きます)
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(こんな感じ)

赤枠に囲まれたプレイヤーが入れない場所や、島内のエリア(点線で区切られてる)の境目には隠してはならないことになってますが、基本的にはどこでも自由に隠せます。

海賊プレイヤーはプレイヤーごとに異なるエリアヒントをもらったらゲーム開始です。

●ゲームの流れ
ゲームはカレンダーボードに示された手番&イベントで進みます。

カレンダーボードに並んだプレイヤーコマの一番後ろのものを前に持ってきて、そのマスのイベント解決→コマの持ち主がマスに書かれた☆の数だけアクションする。また一番後ろのコマを~を繰り返します。

カレンダーのマスのイベントには以下などがあります。
・ヒントカードをプレイする:ジャック役のプレイヤーが手札からヒントカードをプレイします。ヒントと合わせて真偽トークンを伏せておきます。
・すごいヒントカードをプレイする:ジャック役のプレイヤーが手札からすごいヒントカードをプレイし、真偽トークンを置きます(ヒントカードよりも宝の位置が特定しやすいヒントで、ゲーム後半に出てきます)。
・ジャックを牢獄に入れる:島には9つの監獄塔があります。このイベントを起動したプレイヤーはジャックのフィギュアを任意の塔の場所に置きます。
・ジャックが脱獄する:今後、ジャック役プレイヤーにも手番がまわるようになります。

●アクション

・馬で移動する:直線で最大6マイル分移動します。
・徒歩で移動&小探索:直線で最大3マイル移動と、今自分がいる地点の近辺、直径1マイル程度の範囲の宝を探す
・大探索:今自分がいる地点の近辺、直径2マイル程度の範囲の宝を探す

直線でXマイル移動って?って、
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こうだ!

直径Xマイル程度の範囲の宝を探すって?
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こうだ!

(このゲームで使う、ボードやカードは全てラミネート加工されており、ホワイトボードマーカーで書き込むことができます)

その他に回数は限られていますが、スペシャルアクションとして以下などもあります。
・方角ヒント:自キャラのいる位置を起点に、宝がない方角を教えてもらえる
・全力移動:メインボード上の任意の場所に移動する
・真偽の確認:ジャックから出されるヒントの真偽を確認します(詳細後述)

●ジャックからのヒント
ジャックは決められたラウンドの開始時に手札から1枚をプレイし、そのカードに示された方法でヒントを出さないとなりません。
ヒントには、「任意のプレイヤーキャラ1体から半径Xマイル以内に宝がない」とか、「任意のプレイヤーを基準に宝がある方角を3つ選択する」、「プレイヤーキャラの移動経路を見て、これまでもっとも宝に近付いていたプレイヤーの名前を挙げる」などがあります。

カードをプレイするのと合わせて、真偽トークンを伏せておきます。通常は真トークンをおきますが、カレンダーイベントでもらえる偽トークンをおくこともできます。真トークンと合わせてプレイしたカードのヒントでは本当のことを言わなければなりませんが、偽トークンとあわせてプレイしたカードのヒントは、嘘をついても構いません(嘘でも本当でもどちらでもよいです)。
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(ヒントカードと真偽トークンはこんな感じでセットでおかれ、どのカードが嘘か本当かわからないようになります)

ちなみに、「任意のプレイヤーキャラ1体から半径Xマイル以内に宝がない」は、
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こうやって、範囲を示し、
「任意のプレイヤーを基準に宝がある方角をXつ選択する」は、
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こうやって方角を示します。

●ヒントカードについて
ジャックのヒントは全プレイヤーに公開で示されますが、それ以外に、プレイヤー個別に渡されるヒントがあります。
・エリアヒント:トレジャーアイランドはいくつかのエリアに区切られています。その中の、ある1エリアにはないことを示すヒントです。通常はゲーム開始時に異なる内容のモノを全プレイヤーに1枚ずつ配ります。
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(この範囲にはないというヒントを貰って、手元のミニマップにメモしてるとこ)

・方角ヒント:方角ヒントアクションを実行したプレイヤーに対して、8方位(北、北西、西、…とか)のうち、宝がない2方位を示すカードを渡します。

●勝利について
ジャック以外の海賊プレイヤーは、小or大探索実行時、ジャックから宝箱が渡される場合があります。
探索した範囲内に宝を隠した場所が含まれていれば、宝箱の中に財宝トークンがいれられています。その場合はその海賊プレイヤーの勝利となります。
(探索失敗の時は、ジャック役のプレイヤーから外れである旨が伝えられます)

ジャック役のプレイヤーは、既定ターン経過後にある脱獄イベント発生後、手番がまわってくるようになり、投獄されていた塔をスタート地点として、馬での移動(直線6マイル移動)ができます。
他プレイヤーが見つける前に自分が宝を隠していた地点まで移動することができれば、自分で宝を掘り返したということになり、勝利となります。

●ミニコンポーネントについて
ヒントカードのヒントは全プレイヤーに公開ですが、エリアヒントなどはプレイヤー自分自身しか見れませんし、ここに宝があるかもというメモも取る必要があります。
そんなわけで、各プレイヤーには衝立とミニマップが配られています。
さらに、ミニマップ用に縮小されたマイル数がはかれる定規や方位を見れるコンパスなどが用意されています。
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【プレイ内容】

一味さん、如月さん、しゅだっちさん、あらいさん、僕の5人で。

スコットランドヤード的な隠れる親VS探すプレイヤー達という図式なので、親がミスしない方がよかろうということで、僕がジャックシルバー役になりました。

セットアップ時にひとしきりコンポーネントで盛り上がった後、ゲーム開始です。

まず、僕が手元にあるミニマップを使って宝の隠し場所を決めます。絵柄的には海賊船ぽいのだったり、森だったり、謎の遺跡、町はずれにある一本の木などなど、特徴的なランドマークがマップ上にちりばめられています。
これらのいずれかに隠すか、それとも全く関係のない、ランドマーク的なもののない場所に隠すか。
絵柄の違いは全くアクションには影響がないので、どこに隠すかに理屈はありません。趣味の世界です。

しかし、これはやはりロマンのある場所に隠すべきだろうと判断し、島の西のはずれにある滝つぼに隠すことにしました。
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(ここです)

そして、次に1枚目のヒントカードを使います。これは手札の3枚から1枚を選んでプレイすればいいんですが、結構ヒントの内容が大胆で、これ出したら島の1/3くらい捜索範囲外になるよ!?みたいなのもあります。

迷った結果、「任意のプレイヤーを基準に宝がある方角を3つ選択する」を選択。
スタート直後なのでプレイヤーは全員だいたい四隅にいます。その1人を選んで、扇状(135度くらい)の範囲にありますよーと宣言しました。
そりゃあそうだろとか、このプレイヤーの後ろにはないってことねなど、みなさんの反応は様々ながら、とにかく探す範囲が広すぎるというのは確かなので、途方にくれながら次のヒントを待ちます。

そして次のヒント、プレイヤー1人を決めて、そのプレイヤーから半径6マイル以内には宝はないというヒントを出しました。
これで島の右下1/4には宝はないということがわかりました。

最初のヒントと合わせると大体島の1/3くらいは対象外になってます。
それでもまだかなり広い範囲なので、みなさんXXが怪しいのでは?とランドマークに見当をつけて探している模様。
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(まだ序盤なんですが、でっかく書かれた黒い円で結構範囲は絞られてます)

スタート地点から一番近かったのは如月さんだったんですが、宝のある方にはいかず、島の中央に移動してきて、ちょっとほっとします。(たぶんこれは島の中央よりで方角ヒントをもらおうとしてたのではないかと思われます)

しゅだっちさんはスタート位置に近い、島の北東にある小さい町や小島を探されていました。
あらいさんは「6マイル以内にない」ヒントの起点になったため、大きく移動してとにかく”ここにはない”の範囲から出るのを優先されてました。

そして、僕として一番気になったのは一味さん。

一味さん:「川とか滝が怪しい」

と仰って、スタート地点のすぐ近くにあった怪しい遺跡などは無視して島の南にある細い川が何本もある地形に向かわれます。

僕:(これ、ここを探し終わったら宝を隠してる方の川にくるんじゃない?)

と気が気ではありません。

が、探す人を直接的に妨害する手段はないので静観します。
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(めっちゃ川周りを探す一味さん)

ヒントカードには、宝箱マークつきのものとそうでないものとがあります。宝箱マークつきの方は海賊プレイヤーにボーナストークン(ボーナスアクションやヒントが書かれている)を渡さないとなりませんが、範囲が絞られないヒントになってます。

3枚目のヒントは宝箱つきで、「1番近いプレイヤーと一番遠いプレイヤーを宣言する(どちらが一番近い、遠いはいう必要がない)」をプレイします。
さすが宝箱付のヒントだけあって、ふわっとしてるというか、宝の位置が絞り込めません。

よしよしと思いながら、続いて4枚目のヒント。ここからはカードの山札が変わり、すごいヒントカードになります。
これがまたかなり直接的な内容で、こんなんすぐばれるのでは!?みたいな内容になってます。

宝箱マークつき、さっき出すんじゃなかった―と思いながらの4枚目は。

「任意のプレイヤーの6マイル以内に宝がある」

手元のミニマップを使い、この人なら隠し場所が範囲に入るだの、ちょっとでもずれてた方がよいかなど色々考えた後、でかいコンパスで円を描きます。

これで、宝の捜索範囲はこの円の中に絞られたわけです。地区ヒントの内容によっては、もっと絞り込めているプレイヤーもいるかもしれません。

が、それはこのヒントが本当であればの話。ヒントカードとともに出された真偽トークンの内容を見るまでは海賊プレイヤーには本当かウソかの判断はつきません。
まあ、本当なんですけどね! しかし、真偽トークンは偽証トークンを置いてます。

あまりにも直接的なヒントなので怪しんで真偽トークンの内容を見るのにアクション使ってくれー、そして、偽証だったのを見て、あ!嘘だ!と判断してくれーと心の中で叫びます。

そんな心情を知ってか知らずか、島の真ん中に集まってくる海賊たち。この真ん中の交差点怪しいですねえとかいいながら通りすがりに探索していきます。

終盤にかけてはどんどんどんとヒントを出します。
・これまでの移動経路が一番宝に近かった海賊は誰か。
・1マイル以内を探索されたことはあるか
・全プレイヤーから出されたはい/いいえで答えられる質問1つを答える
 →「塔に隠されてる? → いいえ」

これでヒントは出し終わりです。

最後のプレイヤーの質問に答えるやつは、「あらかじめ相談して、一番いいってなったのと同じのを全員質問したらいいんじゃない?」という非常に危険な提案も(たしか如月さんかあらいさんから)あったんですが、勘弁してくれと泣きを認めてもらい、”相談せずにメモ用紙に書いて一斉公開”でやってもらいました。
選ばなかった質問は、「水の中ですか」「陸地ですか」「進入禁止エリアの近くですか」と結構きわどいものだったので、ピンポイントに塔を指定してもらえて助かりました(塔に隠してたら危なかったですが)。

しかし、逆に、陸地や海、進入禁止云々というキーワードは答えたくないということが伝わったのも確か。
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(ヒント出し終わり!終盤戦です。僕(ジャック)が動けるようになるのは17日目なのでまだしばらくかかります)

ヒントを出し終わった後、プレイヤーが1順したらジャックの脱獄イベントが発生。僕のコマも移動を開始します。

そうなるとみなさん探しまくるしかありません(これまでも基本的には探してたんですけど)。
どーんどーんと爆撃のような勢いでどんどん島の中に探索の円が書かれていきます。
その間に僕は閉じ込められていた塔から宝への移動経路を考えます。

捕まえられる塔は島の中に9つあり、どこに投獄されるかはプレイヤーたちが選びます。
もちろん宝の近くの塔に投獄されることもあるはずですが、今回は序盤に「この6マイルの円の中に宝はない」のヒントを出したため、その円の中の塔に投獄されてました。

そんなわけで、3回の移動が必要です。

その間にも海賊プレイヤーたちは宝を探します。しかし、さすがにそろそろジャックが宝にたどり着いてしまうだろうというタイミングで一味さんのキャラクター固有のスペシャルアクション『望遠鏡』を使われます。
効果は島の中の任意の場所を大探索できるというもの。

滝を怪しんでたし、これはやばいんじゃないのか…?とドキドキしながら一味さんがどこを調べるか見守ります。結果は滝のすぐ近くにある水上コテージ近辺の探索をされてました!
あぶねー。

※本来なら全プレイヤーの手番→ジャック→全プレイヤー→ジャック…とやるのですが、この時は誤ってプレイヤーA→ジャック→プレイヤーB→ジャック→プレイヤーC…とやってしまいました。

そんなわけでジャック有利なルール誤りをしたこともあり、見事宝に先に到着!
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(宝はワシのもんじゃー!※インチキ)

この後、同じ日に2回ほど遊びました。
ヒントカード2つ目くらいであてずっぽうで探したら当ててしまって30分くらいで終わったり、プレイヤーのスタート地点近くに隠されたのをずっと色々探し回って、最後のヒントまで出て、90分くらいかかってようやく当てたりと色んな展開になり楽しめました。
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(宝発見! このときはスタート地点近くに裏をかいて隠されたため、めっちゃ周りに探されたあとがありますw)

30分で見つけられ、早い早いと周りから言われたジョンシルバー役プレイヤーの「なら、お前らやってみろ!」が忘れられません。まあ、運ゲーですから。

【感想】

宝探し楽しい!が、まあ、ほぼ全てっちゃ全てのゲームです。

なんですが、その宝探しの楽しさが半端ないです。

この楽しさは、ゲーム全体にある圧倒的な自由度(&大味さ)に起因しているように思います。

宝というか正解を当てるようなゲームだと、ボードゲームはどうしても理屈づめな作品になります。なんでかというと、自由すぎると当てることができず、当てられるようある程度の規則という枠を作ると今度はその枠の中で論理パズルのようになるからです。

しかし、トレジャーアイランドでは隠す時の規則は(プレイヤーが入れない場所に隠すな的な)最低限のものしかなく、原則、地図上のどこに隠してもOKとなっています。これが地図の書き込み具合と相まってかなり楽しい&隠してる感があります。

では、当てられるのか?についても、徐々に絞り込むというよりも、ドンドンドーンと範囲を狭めていくような大胆なヒント、かつ、ヒント間の整合性や矛盾などを気にしなくてもよい、脳みそが不要なこの円のなかね!みたいなヒントになっているので、一定の範囲までならかなりわかりやすく絞り込めます。

んで、そこからは探索によって描かれた円が隠し場所にひっかかるかどうかの運ゲーです。

この大味感とでっかいコンポーネントの相乗効果で理屈なんて気にしてもしょうがない、良いパーティーゲームになっていると思います。

さらに素晴らしいのが、ヒントカードと一緒に置く真偽トークン。パーティーゲームにブラフ要素が加わって楽しくないわけがなく、実際に、えー?この情報嘘なの? 嘘と見せかけて本当?と疑心暗鬼になって右往左往するのがジャック役として見ている分にも海賊プレイヤーとして実際にする分にも楽しいです。

(繰り返しになりますが、嘘か本当かで右往左往してもなんとかなるくらいヒントは大胆です。大雑把さがうまく面白さ、楽しさを引き出してると思います)

地区ヒントや方角ヒントはプレイヤー間で持っている情報に差があるので、ジャック役のヒントを踏まえて他人の行動を見ると、え?なんでそっちを調べてるの?と自分の宝探しの助けになったり、あの人、ずっと無駄なところ探してるとぐふふとこっそり楽しむことがあったりします。
こういうゲーム中は秘匿していないとならない情報のプレイヤー間の差は、感想戦の盛り上がりポイントにもなるので僕は大好きです。

残念とまではいいませんが、隠す側が本気で隠して、本気で見つからないようにしたかったら、いくらヒントが大胆だと言っても、探す側の行動を徒労に終わらせる方法はあります。ランドマークに隠さないというのもその1つですし、さらにいえば、海賊プレイヤーの探索は円形定規で行うので、地図の端の微妙にへこんでいる部分など、探せる範囲を広くとろうとすると効率が悪くなるような地形に隠すと特段に見つけるのが難しくなります。
また、BGGにあったコメントで「1ミリずれてるのを外れと判定された」みたいなのもありました。

そもそもヒントが大胆なので最終的な細かい絞り込みには役に立たない(最終的には怪しいところを掘りまくるしかない)ので、ジャックシルバー役は、ある程度エンターテイメント性を持ってた方がゲームとしては楽しく、面白いものになるのではないかと思います。

最後に、このゲームって、隠す場所もヒントも地図の地形に依存しない(一部のヒントはしますが)ので、地図がメインボードの地図である必要がないんですよね。Xマイルなどの尺度も添付の定規があるので、地図の縮尺をあわせなくても問題ありませんし、つまり、どんな地図を使っても同じことができるということです。

どの程度盛り上がるかは地図の選定と面子次第ではありますが、地元の地図を使って、「おれ、裏のXX神社調べるわ」とか、「金持ちの○○君の家が怪しい」「小学校に隠したんじゃない?」とか遊べるのは楽しそうでは楽しいんじゃないかと思います。
プロフィール

ひだり

Author:ひだり
川崎市で相方や友人たちとボドゲやってます。

オールタイムベストは、
・グローリー・トゥ・ローマ
・バサリ
・インペリアル
・アフター・ザ・フラッド
・ゴッズプレイグラウンド
・HABA社製品 全般

推理ゲーム好きだけど↑には入ってないという
-------------------------
連絡先:hidarigray@gmail.com
※当blogはリンクフリーです

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