エンデバー:エイジ・オブ・セイル / Endeavor: Age of Sail

(5人でインスト込み3時間ほど)
【概要&ルール】
時は大航海時代!ヨーロッパから漕ぎ出て、新大陸、インド、極東に航路を設け、植民地化してしまえ!
社長!もう航路出来たしこの船邪魔なんですけど。船より大砲を用意してください。
えー、今言われてももう船だらけにしちゃったんだよね。
プレイヤーたちはヨーロッパ以外の土地への航路を開拓し、都市を占領することで様々なパラメータを伸ばしていきます。
ゲーム終了時、どれだけすごいパラメータになっているか、都市をどの程度占領しているかなどから得た点数が最も多いプレイヤーが勝利します。
○ラウンドの流れ
以下の流れでラウンドを行います。
1. 建設:場にある建物を1つ個人ボード上に建築します。プレイヤーの産業のパラメータに応じて、建築可能な建物が増えます。
2. 成長:文化のパラメータに応じた数のディスクを得て、自分の港に置きます。(サプライにあるディスクは使うことはないので、自分のAP的なものを手に入れるフェイズです)
3. 賃金:以前のラウンドで建物上に配置したディスクを富のパラメータに応じた数、自分の港に戻します。
4. アクション:主にディスクを建物上のアクションスペースに配置することでアクションを行います。
この後、所持するカード枚数が上限を超えていたなら破棄し、次ラウンドにうつります。
○アクションについて
アクションの方法は大きく2種類で、手番中に、建物のアクションスペース(建物1つに0or1ある)にディスクを置くか、アクションの書かれた交易トークンを捨てることで行うことができます。アクションの種類は以下の5つ。
・航海:海の上のディスクスペースに自分のディスクを置き、その場所の交易トークンを得る。北米やアフリカなど、ヨーロッパ以外の場所へはこのアクションで航路を開拓する。航路全てにディスクがおかれることで航路は完成し、その地域が“開かれる”。完成した航路の中で最も多くのディスクを置いていたプレイヤーがその地域の支配者カードを得る。
また、開かれた地域の公海にディスクを置くこともできる。
・支配:陸の上のディスクスペースに自分のディスクを置き、その場所の交易トークンを得る。ヨーロッパ以外の地域のスペースに置くには、その地域の航路、または公海に自分のディスクがある必要がある。
・攻撃:航路以外の他人のディスクを1つ捨て、自分のディスクと入れ替える。その際、自分のディスクも1つ捨てる(攻撃の犠牲らしい)。
・支払い:建物1つのアクションスペースからディスクを港に戻す(再利用可能にする)
・ドロー:ボード上のカード置き場からカードを1枚獲得する。カードには地域と数字が書かれており、その地域に数字以上のディスクを配置している必要がある。カードの所持数上限は影響力のパラメータに依存する。
○パラメータについて
各プレイヤーは個人ボードを持ち、その上でパラメータの管理を行う。手に入れた交易トークンやカードに書かれた該当パラメータのアイコン1つにつき、パラメータが1つ上がる。何かの理由でカードや交易トークンを捨てた場合、それに書かれたアイコンのパラメータが下がる。

(個人ボードはこんな感じ。かなりでかいです)
○最終得点について
個人ボード上のパラメータに応じた点数とボード上で支配している場所(隣接する2か所を支配している場合、ボーナスがつく)に応じた点数を合計し、最も点数が多いプレイヤーが勝利します。
○拡張:偉業について
10種類くらいあるものからランダムに3種類選び、ゲームに追加します。
偉業はどれも以下の利用するための条件や効果を持っています。
・偉業にごとに決まっている2地域にディスクがあると利用可能
・基本の5アクションが偉業に書かれた効果も持つようになる(効果と対応するアクションは偉業ごとに異なる)
・ゲーム終了時、偉業ごとに特定条件で点数が入る
例えば、“イエズス教会”の偉業の場合、以下の効果です。
・南アメリカとインドにディスクを置いているプレイヤーが利用可能。
・航海アクション実施時に、通常のアクションの代わりに、影響力の交易トークンを捨てることで、開かれている/いないを問わず、誰にも占有されていない都市に自分のディスクと教会コマを置くことができる
・支配アクション実施時に、通常のアクションの代わりに、ボード上の任意の教会コマを任意の自分の都市へ移動させることができる。この際、追加で文化トークンを捨てることでディスクを2つサプライから港に得る。
・ゲーム終了時:教会コマがおかれている都市ごとに1点を得る。
※教会コマがおかれている都市を攻撃することはできない
【プレイ内容】
シミーズさん、タロ吉さん、酒元さん、ヒガさん、僕の5人で。
実は同じ面子で先月このゲームを遊んでおり、面白かったのでもう1回ということで集まりました。
(ちなみに前回はみんなが序盤~中盤に航海に重点を置く中、序盤から都市の支配に力を注いだヒガさんが勝利されました)
今回の偉業は、ハイチ革命、地下鉄道、イエズス教会です。

(今回の偉業の方々。写真撮ったのが終盤なので、既にいろいろ置かれてますが、スタート時にはこれらはありません)
ハイチ革命(アフリカ、カリブにディスクで使用可)は、支配アクションで「任意のカードの山札の一番上のカードをハイチ革命タイル上に置き、その後、通常のカードドローアクションを行う」&攻撃アクションで「ハイチ革命タイル上の任意のカードを得る」というもので、いずれのアクションも通常のカードドロー時にある地域にあるディスク数の制限を受けません。
また、ゲーム終了時、ハイチ革命上にあるカードと同じ地域のカードが1枚1点になります
地下鉄道(アフリカ、北アメリカにディスクで使用可)は、ドローアクションで「奴隷カードの山札の一番上のカード1枚を破棄して、ディスク2枚を得る」&支配アクションで「地下鉄道タイル上のマップにディスクを配置し、その後、自由トークン1つを得て、そこに書かれたボーナスを得る」効果です。ゲーム終了時、地下鉄道タイル上にディスクを置いていれば、個人ボード上にあるディスク2つにつき1点が入ります。
※地下鉄道とは、19世紀アメリカにあった奴隷解放の組織、またはその逃亡路のことで、東京メトロとかのことではありません(wikipediaへのリンク)。
イエズス教会は↑のルールのとこに例で書いてます。
んで、レベル5の建物はランダムで3種類が選ばれるのですが、今回、慰霊碑が登場しました。建物の効果は大抵はアクションand/or何らかのパラメータアップなんですが、慰霊碑だけは特殊で、「攻撃アクション時に、通常ならサプライに戻すディスクを任意の種類の交易トークンとして自分の個人ボードに配置できる」という効果がついてます。
以前、別の卓で遊んだ際に強いなーと思った覚えがあったので、これ強かったですよとお伝えした上で、今回のプレイでは自分で取ってやろうと決めます。
そんなわけで建築重視のプレイングにしようかなと薄っすら方針を決めてスタートです。

(開始直後)
ゲーム開始時、初期建物は航海アクションか、支配アクション、どちらの面にするか選ぶことができます。
ヒガさんだけが支配アクションを選び、残りの4人は航海アクションを選びました。
最初は支配でディスクを置けるのがヨーロッパしかなく、広くはないので、スタート直後からそんなに争ってもなあという意図かと思います。
支配アクションはレベル1,2の建物にはついていないので、ヒガさんは誰かがレベル3になるまでヨーロッパに自由におけることになりました(そうはいっても、アクション付の交易トークンもありますし、ヒガさんも1アクション分しかないので、そこまでヨーロッパを蹂躙されるという訳でもないんですが)。
残りの4人はヨーロッパの海に行くか、いずれかの地域の航路に行くかです。僕はインド、シミーズさんは北アメリカ、タロ吉さんはアフリカの航路に手を出します。ここらは取りたい交易トークンと偉業タイルとの絡みです。
僕がアフリカにいったのは攻撃されないイエズス教会を取りつつ、建築レベルを上げる産業の交易トークンを取りたかったわけですが、ここら辺、航路の中でマジョリティ争いと偉業タイルのためのいっちょ噛みの思惑が入り組みます。
初手にインドに置いているので、インドへの航路で当然マジョリティを取りたいわけです。
しかし、1ラウンド目に建てた建物がアクションのついていない工房(産業アイコン2つ)を建てたこともあり、有意が取れないまま、2ラウンド目に突入。インド航路はヒガさんと取り合うような形になりました。
どんどん航海アクションで航路にディスクを置いていけばいいっちゃいいんですが、僕が2つ、ヒガさんが1つディスクを置いた時点でストップ。
早く地域を開けたい&支配者カードをとりたいんですが、まだディスクがおかれていないインドへの航路の2つめ、次の次にディスクを置く場所にあるのがアクションアイコン付きの交易トークンなので、お互いに、「下手にもう1つおいてアクション付きトークンとられるの嫌だな」とけん制しあった結果です。
僕は偉業タイルも重要視したかったので、この隙によその地域の航路にもいっちょ噛みしにいきます。そんなわけで、アフリカ、南アメリカ、北アメリカへと航海アクションでディスクを配置しました。
もちろんいっちょ噛みだけでは支配者カードは自分は取れませんし、むしろ、他プレイヤーが支配者カードをとるのを助けているとも言えるんですが、航路が完全に埋まって地域が開かれてしまうと、その地域が関連している偉業タイルを使うには航海アクションで公海にディスクを置くしかありません。ディスクを航路に置けば交易トークンが手に入りますが、公海だともらえないので、他人も得するけど、自分も完全に損というわけではないからまあいいか…と妥協します。
この結果、北アメリカ&南アメリカはシミーズさん、アフリカはタロ吉さんが支配者カードを獲得。

(中盤はいったくらい)
支配者カードは獲得するのにアクションを消費しませんし、カードスロットも通常のカードとは別扱いです(1枚だけですが)。
当然、僕も欲しいんですが…。南北アメリカ、アフリカへの航路が開けたことであまり手が出されてなかった他地域にもディスクがおかれるようになりました(航海アクションは海の上のディスクスペースにしかディスクを置けないので、必然的にまだ余っている海上のディスクスペース=未開地域の航路へ進出してきます。
そんなわけでインドへの航路にも酒元さん、タロ吉さんがディスクを置いてくれました。残り2スペースで、僕だけが2つディスクを置いている状態なので、たぶんマジョリティトップになって支配者カード取れるだろうと思っていると、ヒガさんがディスク2つを残りのスペースに1手番でサクッとおいて支配者に。
レベル3建物にある航海+航海の建物(1手番で航海アクションが2回できる)をとられてたの見逃してたー!
序盤に建物重視していたのが僕だけだったので、てっきり僕がトップだとばかり思っていたんですが、ヒガさん、酒元さんは奴隷のカード(ヨーロッパにある産業(建築パワー)アイコンが多く描かれている&通常のカードよりも若干アイコン数が多い)を何枚か獲得しており、それにより高い建築レベルの建物を建てられるようになっていたのでした。
奴隷カードをとっていたのは見てたんですが、うっかりしすぎです。
特にヒガさんは奴隷カードを複数枚持っており、建築レベルがもう4になってます。一方の僕はまだ3です。これは先に5になるのは厳しいかもしれないなあと諦めムードです。
奴隷カードはヨーロッパでのレベル5のカードを誰かがとると“奴隷解放”されたことになり、全て破棄&マイナス点に変化するというデメリットがあります。なので、複数枚持つのはかなりの冒険なんですが、ヒガさんは序盤からヨーロッパの支配に努め、かなりの部分がすでに埋めてしまうことで、レベル5のカード獲得に必要なヨーロッパに5つのディスクという条件を満たせるプレイヤーが自分以外にでないようにされていました。
賢い!
奴隷カードは能力が若干強く設定されてますし、ヒガさんが中盤でほぼあげ切った建築レベルをもとに後半もぶいぶい言わせるのか!?と思ったその刹那。
タロ吉さん:「ハイチ革命の効果でヨーロッパレベル5のカードを偉業タイル上に移動させまーす」
シミーズさん:「お、じゃあ拾うわ」
偉業タイル“ハイチ革命”経由でカードを獲得する際、獲得条件(各地域でのディスク数)は無視されるため、なんとヨーロッパにディスクを1,2個しか置いてないシミーズさんがレベル5のカードを獲得してしまいました(タロ吉さんは完全にシミーズさんにトス寄りの行動なので、シミーズさんに拾われるのは想定されてなかったようにも思えました。次手番とかで自分で拾うつもりだったんじゃないかと)。
なにはともれあれ、これで奴隷は解放! ヒガさんは一気に国力がダウンします。
酒元さんも奴隷は持っていたものの、1枚程度だったので被害は少なく、しかも航海アクションを最小限にして、支配重視のプレイングをされていたので、ヨーロッパ南部、アフリカ、南アメリカなど、陸地の1/3くらいおさえていらっしゃるように見えます。
このゲーム、航海によって地域を広げたり、広げた地域を支配するためのとっかかりを作り、徐々に支配を進め~というのが、序盤から中盤の流れですが、既に終盤にもなると航海する場所、支配する場所がもうなくなってますし、さらにトップ目のプレイヤーがはっきりしてきます(好みによるでしょうけど、全て公開なので数えれば点数わかりますし)。そんなわけで、終盤の肝は攻撃です。
どうも今のトップは酒元さんみたいだぞ?と、酒元さんがガンガン殴られます。
そんな中、
「いやー、別にひだりさんを攻撃したいわけじゃないんですが、このスペースにディスク置けるともらえる、間の交易トークンが欲しいんですよね。すいません」
とか言いながら、2回、3回と僕を攻撃してくるタロ吉さん。
あんた、どの場所も僕がディスク置いた後から隣にディスク置いてきましたよね。最初から殴る気満々でしょう!?
まあ、攻撃する/されるゲームなんで別にいいんですけど。
ぶっちゃけ、この時点で酒元さんに次いで、2番手だったと思いますし。
しかし! 実は最終ラウンドに慰霊碑を建築済みだったので、他に人と比べると攻撃されることによるマイナス点は少なかったんですけど。
酒元さんや僕が攻撃を受けまくって終了。結局、最後は数点差で酒元さんをまくって僕が勝利することができました。
今回、僕はアクションのできない建物を2つ建てていたこともあって、中盤から終盤にかけてディスクが余り気味だったんですが、“建物のアクションスペース+余ったディスク2つにつき1点“という地下鉄道の偉業タイルの効果で5,6点くらいもらったのも大きかったと思います。

(終了時)
【感想】
旧版のエンデバーの面白さはそのまま残しつつ今風の改変が行われ、遊びやすさがあがっているように思いました。
旧版から同じ、エンデバーの基本的な面白さって、下の3点が大きいところだと思います。
1.4つのパラメータのあっちを立てればこちらが立たずな関係
2.完全公開情報による見通しの良さに起因する遊び易さと他人への筒抜け具合
3.自分でラウンドに使えるアクションを選択していく&序盤~中盤~終盤と有効なアクションが変わっていく
できることが、できないことと表裏一体になってる軸が3つあって、しかも、どの軸も、まずは『できる』があり、できたこと自体が足かせになっていくという自業自得的な作りなのが、プレイしやすさと、いい感じの、うがああ具合につながっているんだと思います。
さらに言えばできないことを減るとかのマイナスで表現するのではなく、足りなくなるというのも"楽しい"につながってるポイントかと思います。
旧版を遊んだ際に特に印象に残ったのは上記の3で、アクションスペースは変更できないのに使いたいアクションは変わっていくとこでした。航海で固めれば序盤はいいかもしれないけど、後半は失速する。後半を意識すれば序盤の成長スピードが遅くなる…という具合です。さらに言えば、どの程度その選択が有効かは周りのプレイヤーが何を選んだかにもよるというのも、また好みでした。
そんなわけで旧版だとアクションマネジメントがかなり重要でした。上記の何のアクションを選ぶかだけでなく、パラメータによる制限がきついため全ての建物を動かすようにするのではなく、このラウンドに有効なアクションを予想して、そのアクション(建物)を実行できるようにするかというのも含めてです。
しかし、どのパラメータを優先させるかと他プレイヤーとのインタラクションとに集中させようとしたのか、今風の流行を取り入れたのかはわかりませんが、新版はこの辺の縛りがかなり緩められていて、楽しさ優先、伸び伸びプレイって感じになってます。
ボードや建物のバランスも変わってはいるみたいですが、影響として一番大きいのは『開かれていない地域のカードも獲得可能』になったことだと僕は思います。
旧版だと開かれた地域のカードしか取れないので、要は序盤~中盤の成長スピードで新版の方がかなり早くなっています。
成長スピードが上がっている一方で建物(アクションスペース)の増えるスピードは旧版と変わらないので、かなりディスクマネジメントが楽になっています。
さらに言えば、偉業拡張もプレイ感をよりカジュアルにする方向での追加要素になってます。
有効なアクションが変わっていく主な理由はボード上のスペースが徐々に開放→埋まっていくためで、開放後に開放用の航海アクションが、埋まったあとに支配アクションが弱く/使えなくなるわけですが、拡張の偉業タイルによって、航海やら支配アクションに別の効果が生まれるんで、完全にアクションが使えなくなるまでに余裕ができます。なので、序盤に選んだ建物に、あー、どうしてこれを選んだだんだろ?と後悔するよりも、ボード上は埋まったけど、まだ偉業を使えるようになればなんとかなる!?と前向きな思考になります。
偉業タイルを導入することによる効果はもう1つあって、偉業タイルの利用条件である指定されている2つの地域にディスクが置かれていることを満たすために、序盤、ほぼ指針のない&後乗りする意味が薄い各地域への航路へ積極的に特定の地域を選んだり、絡んだりする意味が生まれてます。支配者カードを取るためのマジョリティ争いが大変になる(というか、2,3人で競っていたところに、マジョリティ争いには絡めないけど、とりあえずいっちょ噛みしとこうと入ってきた第三者のせいで、計算が狂って支配者カードを取られることがままあるので、別の意味で”大変”かもしれませんが)のは好み分かれそうですが。
偉業タイルの効果自体、ぶっ飛んだものが多く、プレイ内容の方に書いたカード獲得条件を満たしてなくても取れるようになるとか、通常は攻撃対象外である航路のディスクを殴れるようになったりと、エンデバーの枠組みを壊すような要素が追加されます。遊ぶごとに色が変わって僕は好きなんですが、一緒に遊んだ方の中には「”普通”のエンデバーを遊ばせてくれ」とおっしゃる方もいらっしゃいました。
まあ、偉業を入れると覚えるルールは増えますし、開放されるのが中盤から終盤にかけてなので、使えるようになった頃には大抵効果をもう忘れてるんですよね。
その結果、これは良し悪しだとは思いますが、完全情報のゲームの中で、”飛び道具”になってます。飛び道具で倒された方はたまったもんじゃないでしょうが。僕は嫌いじゃありません。
エンデバー、旧版も好きでしたが、新版のライトな感じの方が僕の好みには近く、ますます好きになりました。
※特に触れてませんが、トップを殴って順位調整するタイプのゲームなので、殴り要素嫌いな方はお気をつけください。
ツインイット! カンヌ国際ボードゲーム祭版(ボードゲームテーマ版)/ Twin It! ‐ French Cannes festival edition

(5人でインスト込み10分ほど)
【概要&ルール】
カードの絵柄がボードゲームテーマになっているツインイットです。

(カードへの落とし込みはこんな感じよ!という説明でピクテルが使われていて、カクテルゲームズを代表するゲームなんだなー、すげえなーと)
フランス語なのでルール読めたわけではないですが、(通常のツインイットと同じく)3種類のゲームで遊べるよ!と書かれてるっぽいので、変更点はないと思われます(変更されてたらすいません)。

(上箱と箱裏。箱裏に3種のゲームで遊べるよ!的なことが書いてある感じ)
前述の通り、3種類の遊び方があるのですが、一番メジャーっぽいのは、各プレイヤーが各自の山札を持ち、時計回りに1枚ずつ場に出していって、同じ絵柄がでてきたら両手を使って、その両方をはい!と取る。
規程数の組を先に取ったプレイヤーが勝利です。
ただ、同じ絵柄のカードが3枚あるので、取った組も3枚目が出てきたらまた取られる可能性があります。また、各自の山札も一番上の札は取れる対象になってます(カードは両面に絵柄があり、いわゆる裏面というのはありません。あと山札からカードを出す時は下になっている面を表に返すようにしながらめくります)。
【プレイ内容】
しゅだっちさん、ウキンさん、ねんそさん、一味さん、僕の5人で。
一味さんがツインイットを遊ばれたことがあるとのことなので、ルールをフォローしてもらいながら遊びました。
最初は場に出ているカードが少ないので被ることはないんですが、徐々にたまっていきます。
もちろん、たまっていく途中でもぽつぽつと同じ絵柄のカードが出て来はしますが…。
悲しいかなおっさん揃いなので、まだ慣れていないので反応が鈍い!
場ばかり見ていると、はっ!と山札や以前に取った組の方にも手が伸びてきたり。
もちろんそういうルールであることはみんな知ってますが、あー、そういうルールあったあったーみたいな感じになります。
それでも一回、実際のゲーム中にそういう取り方がでてくれば、ゲームへの慣れも手伝って、いろんな場所を見れるようになります。
場札が10枚くらいたまり、みなさんが1~3組ずつ取った状態になると、新しくめくられたカードが大抵組になるので、激しくなります。
特に山札も取れる対象というのが効いていて新しくめくられたカードがXさんの山札と組になったので取ったら、その下から出てきたカードがまたどこかのカードと組になって~と手番関係なく、ばたばたとカードがとって取られてとなって盛り上がりました。
まあ、めくられた後、2,3手番経ってから、あ、これそろってますねみたいな気の抜ける取り方もありましたが。
勝負は一味さんが規定数を取りきって勝利されました。
そして、もちろんゲーム終了後はこの絵はこのゲームだ、これはなんだ、あのゲームはないのか等々、そりゃあやるよねーということをしばらくやってましたw。
【感想】
ツインイット自体の感想としては、よくできてるなーと。
パーティーよりのゲームって、ルールを聞いた時に、きっとこうなるんだろうなと思ってるところからちょっと外れたような予期しない/しづらいことが不意に起こることがよくできたゲームの条件の1つになっていると思うんです(パーティーゲームよりのゲームはルールがシンプルなことが多いので、シンプルなルールの割に色んなことが起こる、面があるってだけかもしれませんが)。
このゲームだと、1枚めくって、はいっ!1枚めくってはいっ!と、カルタ的な展開を想像してたんですが、場札が少ない間はなかなか揃わないので、徐々に場札がたまっていって緊張感が高まっていくとことか、山札から取られると新しいカードが出てくるので、めくられたのは1枚でも、はいっ!はいっ!と連続で手が入り乱れながらカードを取り合うことが発生するとことかのことです。
単にめくっていって揃ったら取るだけでも楽しいと思うんですよ。例えばトランプ(プレイングカード)使って同じ数字(スートの色でわけてもいいかもしれません)がでたら、ツインイットと同じように取るとかでも(実際、場札なし、片面のみのジャングルスピードは面白いわけですし)。
それを両面仕様にすることでプラスアルファしている。必須というわけではないでしょうが、あった方が確実に盛り上がりますし、うまいこと作ってるなあと思います。
同じ絵柄のカードが3枚存在しているってのは、逆に4枚、5枚あってもいいじゃんとは思うんですけど。遊んでみるとわかるんですが、案外3枚目が出てくる状況って起こらないので、もっとすでに取られてた組の取り合いあった方が楽しくない?と思いはしました。
(書いてて気づきましたが、あまり同じ絵柄を増やすと全体のカード枚数を増やさないと多人数で遊んだ際にリーチ状態になれる人が減りますし、取り合いばっかやってても先に進まないのでぐだるのを嫌ったのかもしれません)
んで、この版の特徴であるテーマの話ですが、うまく抽象化されていて絵柄を見ているだけでも面白いです。カードの絵柄は100種類を超えてるみたいです。
抽象化する対象もシンプルに箱絵というパターンもありますが、特徴的なコンポーネントだったりテーマだったり、ちょっとひねったパターンもあります。

(箱絵パターンはひとめでわかるんですが、ちょっと閃かないとわからないもの、コンポーネントを覚えてないとわからないものもあります)
ちなみに使われているゲームはパブリッシャーのサイトには一覧も公開されています(サイトへのリンク。下の方です)。といってもフランス語ですし、日本でメジャーではないゲームも含まれてますし、絵柄も併記されてないので、一覧を見ても何のゲームだ?とはなるんですが。
キングダムボードゲーム/ Kingdom Board game

(4人でインスト込み2時間ほど)
【概要&ルール】
キングダム(ヤングジャンプで連載してるあれ)テーマですごろく&競りゲーだ!
キングダムの登場人物(+名もなき弓兵とか)の強さをお金にして、戦闘(競り)を行いまくるゲームです。一番お金を出したプレイヤー=戦功を立てたプレイヤーということで、より良いものを選ぶことができます。
※お金と書いてますが、武将チップとかそんな名前だった気がします。
プレイヤー共有のコマを使って遊ぶすごろくがベースです。ボード上にはメインルートとメインルートから枝分かれしているサブルートがあり、手番プレイヤーはメインルートの次のマスに進むか、サイコロを振って、出目の分サブルートを進むかを選択します。
メインルートは基本的に全員参加の競りを行うマスです。「VSレンパ」などの戦闘の場面と競りの方法(一巡、入札、同時)と競りの報酬が書かれています。たまに論功行賞や宴のマスがあり、体力を回復させたり、兵士を補充することができます。
サブルートはチップ+2とか体力ー1など、手番プレイヤーにのみ何らかのプラスかマイナスが起こるマスです。
(自分でルール読んでないのですが、前手番のプレイヤーがサブルートを選んだら、次のメインルート上のマスに到達するまで、メインorサブの選択肢はなくなり、強制的にサブルートを進むことになるようです)
メインルートの最後のマスでの競りが終わった時点で、最も勝利点(武功)が多かったプレイヤーが勝利します。
また、戦闘で負傷を負うことがあり、規定値以上の負傷を受けると死亡ということでその時点でゲームから脱落します。(最終的な武功から負傷分を引かれるので死ななくても負傷しないに越したことはありません)
・競りについて
競りは手番プレイヤーから1回ずつ値付けを行う『一巡』、手番プレイヤーから始め、徐々に値を上げていく『入札』、一斉に値付けを公開する『同時』の三種類があります。
競りに使うお金は武将チップを使います、チップは3色にわかれており、競りでは同色のチップしか使うことができません(徐々に値上げる場合、最初に出したチップと同じ色のチップでしか上げられない)。この縛りはあくまで自分自身に閉じており、他プレイヤーが出した色とは関係ありません。
また、別に色に強弱はなく、単純に合計の数字を比べます。タイの場合、手番プレイヤーから近い順が勝ちます。

(チップはこんな感じ。1~3は混ぜられてランダムにでてきます。4や5のチップは戦闘での報酬や論功行賞で手に入れることができるのみです)
武将チップには、数字の書かれていない特殊効果を持っているものもあります。
【プレイ内容】
彼葉さん、G2さん、タロ吉さん、僕の4人で。
原作を読んでからという理由で彼葉さんがずいぶん前に入手されていたのをようやく遊ぶことになりました。
リポビタンDの懸賞品で聞いた話では100個しか作られてないとからしいです。
(まずはチップを抜くところから。15枚も打ち抜きシートがあり、けっこう大変でした。そして抜けがめっちゃ悪いので「破れちゃいそうだから、持ち主やってくれー」と叫ぶ羽目にw。チップは手で持つことを想定しているのか薄めでしたが、ボードは極厚でした)
僕も数年前までは読んでいたのですが著雍戦辺りで読むのをやめてました。ボードゲームは山陽戦までなので話はだいたいわかりますが、武将チップに書かれた人たちのことをほぼほぼ忘れてます(顔はなんとなく、あーいたいたと覚えがあるんですが)。
僕以外の3人は(たぶん)最新刊まで読まれているようですが、山陽戦ってかなり前(遊んだ時点で52,3巻まで出版されてましたが、山陽戦は17~23巻あたりの話)なので、彼葉さん、G2さんも「うーん? ああ、いたね。いたいた」みたいな感じです。
タロ吉さんは脳みそが若いのか、読んだのが最近なのか「これ、XXやってた人ですよね!?」とほぼ覚えてるようでしたが(ですよね?!と聞かれても残りのメンツは、あー、そうかもくらいしか答えられないという)。
1~3の武将チップやサブルートにはちょっとわからない人やイベントが登場しますが、4以上の強者の武将チップやメインルートのイベントは流石にわかるので、問題ありません(まあ、もちろん原作知らなくても遊べはするんですけどね)。
ちなみに、強さが4は楊端和や桓騎など、5は旧六大将軍があてられています。
武将チップは色がそろってないと競りで厳しいので、初期チップは規定値が決まっており、それに達するか越すかするまで山から引いてきます(アルハンブラのあれ)。それを受け取ってスタートです。

(最初のマスからすごろくスタート。すごろくのコマはプラスチック製で河了貂の絵が書いてあります)
最初のメインルートのマスは「決戦前」というイベントで、競りに勝った人から順に楊端和、河了貂、嬴政、昌文君のいずれかを手に入れます。楊端和以外は武力はありませんが特殊能力を持っています。嬴政だと各チップに+2、河了貂は競りの合計値に+2(ただの武力2のチップと違い色の縛りがない)です。
正直、河了貂弱くない?と思いながら、同時競りだったので、まったくチップを支払わずに河了貂を獲得しました。
この後、仲間集めという名の武将チップ補充のマスがあり、いよいよ本格的にゲームスタートです。
ゲームが始まると延々と競りが続くだけではあるんですが、サブルート選択&ダイスロールがいい味出してます。
サブルートはメインルートに合流するまで2マスだったり、3マスだったりしますが、だいたいは、1マス目がいいこと(体力回復やチップもらえるなど)、2マス目が悪いこと(負傷するなど)、3マス目がちょっといいこと(チップが1マス目より少ない枚数もらえるなど)という作りです。サブルートに行く際に振るサイコロは、1の目が3つ、2の目が2つ、3の目が1つという変則サイコロなので、よいマスにとまる確率は大体の場合で2/3です。
(ここら辺ルールがあいまいなのですが)ひとり目は1/2で1マス目にとまって美味しい目を見れるのでいいんですが、その次の手番のプレイヤーは1/2で酷い目に会うという素敵仕様です。なので、上家にはサブルートに入って欲しくないんですよね。でも、ひとり目なら酷い目に会う確率は1/3なので、まあ、よほどのことがない限りサブルート行きを選択します。
そして、見事に1/3を振って、酷い目に会うという。
通常はメインルートのマスに何がもらえるか、報酬が書かれており、それを競りに勝った順に1つずつとっていく(前手番の人がとった報酬は取れない)んですが、合戦イベントのマスだけ若干違ってます。勝った順に報酬を選ぶのは同じなのですが、その合戦用のカードをランダムに2枚組にして並べ、その組を選ぶようになります。カードは単純に負傷×2とか武将チップ2枚とかいうのもありますが、一番多いのは、カードに条件(弓2が必要など)が書かれており、その条件を満たせば得点(武功獲得)、満たせなければ負傷するというもの。
どの組も点数(武功)は同じくらいだから、どれでもいいや…というようにできればいいんですが、条件を満たせる組が1つしかないから、他人にとられるより前に自分で取るために競り勝たないとやばい(負傷する)という場面もあります。同じ合戦イベントでも入札形式はマスによっては違うこともあるので、同時ならまだしも入札式で他の人も同じ気持ちで競り合っちゃうと地獄なんですが…(狙ってる組は違ったりするのでさらに地獄)。

(最初の合戦【王都奪還】。左下の信の顔が見えるカードは負傷だけで得点も何もついてないので取りたくない組です)

(その時の手札。4枚しかないですが、みんな似たようなものなのでまだいい勝負ができてます)
ゲームは序盤からG2さんとタロ吉さんが頭2つくらい飛び出ます。点数(武功)があがると歩兵→伍長→什長→100人将→…と位があがっていき、論功行賞で特殊なチップがもらえるので、それを狙ってのことです(ちなみに最高位はもちろん大将軍です)。
彼葉さんはめっちゃチップを温存しており、タロ吉さんたちの1/3くらいしか点がありません。
その代わり、G2さんはかなり負傷もしています(が、武将チップは何故かたくさん持っている模様)。タロ吉さんは負傷は少ないですがチップが少ないかも?という状況。

(2回めの合戦【蛇甘平原】が終了したあたり。戦利品カードは裏に得点が書かれています。論功行賞マスで公開すれば得点化できます)

(3回目の合戦【馬陽戦】。このへんがゲームの中盤辺りです)
序盤は4番手だけ負傷、他は何かしらもらえるという感じでしたが、終盤に入ってくると4番手だけでなく3番手も負傷するようなマスが増えてきます。なので、メリハリをつけたプレイングが大事かと思うのですが、僕は、よし、ここで頑張るぞと決めたマスが他人と被ってしまいチップの消耗が激しく大変苦しいです。

(初めて3番手になっても負傷を受けることになる VS龐煖マス。このあと山陽戦のみ!)
特に、終盤に差し掛かったあたりで4番手以外はそこまで差がない(ので、みんなそこまで突っぱねないだろう)と読んだ入札形式の競りで、彼葉さん、タロ吉さんが早々に降りたあと、延々とG2さんと競り合ってしまったのが大失敗というか、お互いに、まだその色持ってるの!?と思ってたのではないかというくらい大量にチップを使ってしまいました。
勝ち負けどうこうよりも、これで最後まで生き残る方が大変だな!という状況で終盤に突入です。
ちょっと戻りますが、中盤で王騎のチップが報酬でもらえたり、論功行賞で武力5のチップがでてきたりと、徐々に手元に強いチップが(たまる人のところには)たまってきたタイミングで、報酬に呂不韋がでてきます(知らない人向けにざっくりいうと一番陰謀とかやってくる文官で原作最強の人)。
呂不韋の能力は「呂不韋を出した競りでは必ず負ける(0扱い)が、その後、プレイヤー1人を指定してそのプレイヤーが持っている最も数字の大きいチップと呂不韋を交換する」というもの。
武力4とか5のチップは報酬か論功行賞でしかもらえない上に、入手頻度は高くないため、誰が持っているかはわかります。なので、そこからは強いチップを使わずに持っているようなものなら、即座に呂不韋が使われ、そのチップは奪われるということに。奪われるよりはましだと手に入れた直後の競りで使うことになり、戦闘(競り)が一気に派手に。
その分、終盤の連戦では次第に呂不韋で奪えるチップの武力がしょぼいことになっていきましたが…。
終盤は山陽戦の合戦イベントからです。このあと、輪虎戦、廉頗戦、最後の乱戦と続きます。
山陽戦、並んだカードのうち、負傷を受けずにすむのは1組のみ。めっちゃ苦しいですが彼葉さんが呂不韋を使ってくれたので、4番手は避けれました。とはいえ、ここで頑張るとこの後の3連戦に耐えられそうにないので、負傷覚悟で3番手に。しかし、1組しかなかったそのカードがうまいこと残ってくれてなんとかノーダメージで武功ゲット。
この時点でトップに躍り出ます。

(合戦【山陽戦】。援軍チップ(手札補充)が欲しかったんですが、組になってる武功+の条件を満たせない&みなさん欲しがっているので、今の手札で勝ちに行けないので諦めました。ちなみに右下に写ってる向は負傷を2回復する効果です)
とはいえ、弓3が要求されたところに武力5のチップ、槍2が要求されたところに槍3を使うとか、彼葉さんから、それでいいの?と聞かれてしまうくらい手元のチップ状況は最悪でしたが。
そして、輪虎戦。ここはしゃがむところというか、手元に呂不韋があるので使います。
全然勝負とは関係ないですが、ここで、彼葉さんが、えー、呂不韋使うのー?と言いながらぽいっとチップを2枚出して「飛信隊」っておっしゃったのがなんかめっちゃ面白かったです

(飛信隊。もちろんほかのメンツもチップにはなってます)
もう手元のチップは4,5枚くらいしかなく、負傷も徐々にたまってきており、ゲーム終わるまで生きていられるかも微妙と、正直どうしようもないんですが、1点、まだ出来ることがある!と心を奮い立たせます。
それはゲーム開始時にもらっていた本能型チップ。競りに使った武将チップの値を2倍にします。彼葉さん、タロ吉さんは知略型(サイコロの出目を指定できる)を選択し既に使用済。G2さんは本能型ですが、最後の戦いで使うことに賭けて、その手前、レンパ戦で全チップを突っ込んでみることにします。
そして、やったきたレンパ戦。入札形式なので、徐々に出していき、最後に本能型を出すぞと思っていたところ…、3巡目くらいに彼葉さんがサイタクのチップを使います。効果は全てのチップの値を1にする(要は枚数勝負にする)です。
最後の競りで本能型をつぶすために使う&それなりに数字の大きいチップを入札に使っていたので、ここでは使われないと思っていたので、やられたーと思いましたが、枚数勝負とか、もう僕には本当に使ってほしくなかった効果。しかも、3巡目までにそれなりに枚数だしちゃってるので、せめて1巡目に使って欲しかった!そうしたらまだ最終戦に望みを残せたのに!
勝ちに行く予定だった戦闘で負傷をおうことになり、もう2,3ダメージで死にますし、チップは2,3枚しかありません。
ここで、手番は偶然僕にまわってきました。1,3を出せば武功をまだいくつか伸ばせます。どうせ最終戦で死ぬんですけど、まあ、やるだけやるかーとサブルートに進むことを選択して、ダイスロール! 出目は2! 負傷×3をくらって最終戦を前に死亡&脱落となってしまいましたw。
最終戦はG2さんが本能型の効果もあり(というか、めっちゃチップ持ってました)競りでは勝ったものの、ほとんど負傷していなかった彼葉さんが勝利されました。

(終了時。奥にあるポーンのところが得点トラックです。倒れてるのは途中で死んだ僕のポーン。終盤になるに従って報酬も負傷も大きくなるので序盤にしゃがむのがよいように思います)
【感想】
原作知ってるというのももちろんあるんですが、システムの細かいところまで詰められているというより、遊んで楽しいゲームです。
システムについては正直荒いところはあります。ルールの抜けっぽいところや意味のないルールなど、いくつか気になるところはありました。
でも、まあ、細かいことはいいんだよ!です。
大事なのはこのゲームがすごろくベースのサイコロ振るところなど盛り上がるところを持っているという点と、わかりやすく若干緩いながらもちゃんとプレイヤーを縛る、ボードゲーマーも満足できる悩ましさの競りになっているという点の2つです。
(2点目はこのゲームが狙っているであろう層的には正直、微妙かもしれませんが)
このゲームの競りの基本である、「チップ色を3色に分けて、競りをする際に色の縛りを持たせる」というルール。似たようなルールのものがありそうにも思うんですが、ちょっと思いつきませんでした(競りじゃないですけどお金に種類があるという点で、アルハンブラとかが近いは近いですが)。
競りの途中から頑張ろうとしても最大値は色で勝手に決まってしまうので、最初にどこまで値上がりするか/どこまで競りについていくかをある程度考えないとならない。という若干の悩ましさ。
悩ましさと裏腹に、この制限のおかげで、うっかりある色のチップを全部1回の競りにつぎ込んでしまったとしても、手元に2色分のチップは残る優しさも包含されてます。
自分で競りに使う色が決められる、同じ競りでは同じ色しか使えないとなるとどの程度、同じ色が集められるのかでゲーム性が全然変わってきます。
同じ色で染められるならそれが強い&そればっかりという話になりますし、集められなければ運ゲーじゃねえの?という話にもなります。
ここについては、チップを山から引くランダム補充と、場にあるものを選べる公開補充が両方あるので、全部を染められもしないが、ある程度思惑を反映できる作りになってます。そもそも使う方も、染めてれば競りでは強いのは確かですが、合戦イベントで得点するために、チップの色と数値を指定されるので、ある程度はバリエーションを持ってた方がいい作りなんですよね。色も強さも。
ランダム補充よりは選べた方が便利は便利ですが、ランダム補充のおかげで助かることもあるという、ほどよい作りです。
サブルートに進む時のダイスロールの確率といい、全般的にランダム性のおかげで運ゲーにならない程度にガチゲームが緩和されてる、遊びやすくなっているという印象です。
競りばかりというとルールはシンプルになる一方で、メリハリや飽きが心配になるわけですが、しっかり飽きない、メリハリの効いている作りになってます。
その理由として競りが3種類あるってのものもちろんあるんですが、それ以上に、3種類と補充(論功行賞&宴)含めたすごろくの構成がうまく作られているように思います。具体的な例として、一番盛り上がる代わりに一番重い、チップの消費も激しい入札競りはゴールが近づくと頻度があがってます。逆にわかりやすく軽い一巡競りは序盤に頻度が高いとか。プレイ内容のところにも書きましたけど、競りと補充のバランスも終盤は補充が減って、激しい連戦になる(どこで力を出すか、ちょっと戦術がいる)とか。
正直、狙いがあからさまな作りすぎて、ゲームによっては冷めるというか、ちょっとどうなのという印象になる程度の、小手先といえば小手先の作りなんですが、このゲームではちゃんと遊びやすさ、楽しさにつながっていると思います。
驚くほどの面白さや斬新さがあるわけではないですが、運とボードゲーム的な楽しさが優しく混在している良いゲームだと思います。
(昔のSDJゲームっぽい感じ)
あと、このゲームのいいところとして、チップの数字のつけ方や扱いが“原作わかっている”感じがしてすごくいいんですよね。信や羌カイ達は主人公ですし、原作ではかなり強い描写もあるんですが、ゲームでの強さは3で、その他大勢と同じ、まだちょっと強いだけ程度の扱いだったり、数字が1~5と小さいレンジに収まっているので、1違うだけでかなりの強さを表現できていたり(遊んでると武力4や5のチップはおお!強いな!って感じがします)。
1枚のチップの強さも大事だけど、要は全量で上回ればいいってのも部隊VS部隊って感があります。まあ、さすがによい方向に捉えすぎかもなーとは思いますが。
最後に、このゲーム、予算に余裕があったのか、ゲームの作りもコンポーネントも余裕があるのがいいんだと思います。正直、ゲーム的には隙だったり悪いとこだったりもありますが、なんつうか、そんなこと気にする必要ない、金持ち喧嘩せず感というか、遊ぶ側も余裕持てる作りなんですよ。システム的にやコスト的にどうしても切り詰めた/無駄を排除したゲームが作られがちですし、そっちの方がビシッとしてていいものが多いのはたしかですが、たまにはこういう緩さ、おおらかさも良いかと思います。