シティ・オブ・ザ・ビッグショルダーズ/ City of the Big Shoulders

(4人でインスト込み5時間ほど)
【概要&ルール】
City of the Big shoulders、肩幅の広い男たちの街=労働者の街=シカゴだそうです。これはカール・サンドバーグというアメリの詩人の “Chicago”という詩で初めて使われた表現とのことです。詩“Chicago”は、ルールブックの最初のページやゲームの箱の上蓋の裏にも印刷されています。

(箱裏の詩。カール・サンドバーグさんは500ドルのカードに描かれています)
そんなこんなでプレイヤーはシカゴの資産家のひとりになり、企業を作って、大火事にあったシカゴの街を復興していくぜーというゲームです。
ゲームの流れは、1ラウンド目の開始前にスタート会社を手番順の逆に各プレイヤー1社ずつ立ち上げます。
立ち上げ方は、以下。
・全部で10社(拡張入れると+5社)ある会社から1社を選ぶ(業種、生産数、売値などが社ごとに異なります)
・初期株価を決めて3株分株(社長株)を買って、その分のお金を会社に入れる
そのあとは、以下の5フェイズを規程ラウンド繰り返します。
・株式フェイズ:株を複数売るand/or1枚買う、ソフトパスするを全員パスするまで繰り返す。新しい会社を設立することもできます(株価決めて3株分のお金を払えばよい)。
・建物フェイズ:毎ラウンド配られたもの+前ラウンドからの持ち越しの建物タイルから1枚をメインボードに配置する。
・アクションフェイズ:自分のパートナーコマをメインボード上の建物に配置して、建物に書かれたアクションを実行する(ワーカープレイスメントします)
・運営フェイズ:アピール度の高い会社から順に資源購入→商品生産→売却を行う。売却後、儲けたお金を株主に配当すれば株主に現金が入り&株価があがり、内部留保すれば株価は下がります。会社の運営はその会社の株を一番持っているプレイヤーが行います(同数の場合は社長株を持っている方)
・リセットフェイズ:次ラウンドの準備をする
〇会社の成長&運営について

(会社シート)
会社には↓な要素があります。アクションフェイズで会社の各要素を成長させ、儲けを大きくしたり、儲けやすくしたりします。
業種:会社シート右上のアイコン。ブタ、ミシン(服職業)、靴、穀物の4種類があります。
アピール値:右上の星アイコンが初期値。アピールトラックで管理され、アクションやマネージャーの能力で上げることができます。アピール値の高いプレイヤーから運営するのに加え、アピール値があがっていくとボーナスがもらえます(株価があがったり、パートナーもらえたり)
商品の売値:左側の袋に書かれた数字=商品1つ当たりの売値。アクションでセールスマンを雇うと基本的に+10ドルされます。
生産ライン:稼働に必要な労働者&資源、稼働時に作られる商品数、マネージャー雇用時の能力が示されています。労働者やマネージャーの雇用はアクションで行います。生産に必要な資源はアクションで手に入れたり、アセット能力で手に入れることができます。また、運営フェイズの頭で購入することもできます。
アセット=特殊能力タイル:所持可能かどうかはスパナとトンカチの枠の有無でわかります(上の画像だとアセットタイルを置いているのでそのアイコンは見えませんが)。アクションでアセット獲得アクションをすることで購入できます。アセットには即時効果と使用効果があり、即時効果は所持できない会社でも購入時に受けることができます。使用効果はアクションフェイズ、または運営フェイズ中にタップすることで受けることができます。
【プレイ内容】
ありきりさん、しゅだっちさん、さたもとさん、僕の4人で。
僕は以前ベータ版をPnPで自作して遊んだことがありますが、製品版では初プレイです。
といっても、会社の能力の調整と、プレイヤーの手番順の決め方に調整が入ったくらいで大枠は変更ないように思います。
まずは最初の会社決めです。1ラウンド目のアクションフェイズの手番順の逆に行うので、まずしゅだっちさん、ありきりさん、僕、さたもとさんの順で決めます。
業種は4つあるので、プレイヤー同士で被らないようにするのか、それとも被せていくのか。ちなみに会社は10社から選ぶのですが、ミシンだけ4社あり、他は2社ずつです。
しゅだっちさんはミシンの会社を選択。ミシンの会社はそれぞれ方向性があって面白いのですが、しゅだっちさんが選んだのは、1ラウンド目に生産ラインを2つとも動かすことのできる可能性の高い会社(生産で使う資源がランダムで供給されるので確定にはならないのですが、基本ゲームの10社の中ではほぼ確定で2ラインとも動かせるのは、この1社のみかと思います)。
会社には生産ラインが1~3あり、全ての生産ライン度を動かすことができるとアクションフェイズで使えるパートナーコマが1つ追加されるのです(1ラインの会社は拡張にしかありません)。
ワカプレの王道戦術、ワーカー数増を狙われている模様です。
続くありきりさんは穀物の会社を選択。
僕は売値も高く、そこそこ生産数も多い、マネージャー能力もよくてアセットも所持可能と、なんか強そうなブタの会社(Swift)を選択。この後、ありきりさんから、「なんかそっちの方が完全に上位互換じゃない?」と何度か言われましたw。
(感想戦やその後に何回か遊んだ感じSwiftは確かに強い会社のようです)
さたもとさんは穀物の会社を選択。ありきりさんと被った形に。靴の会社が出て来ませんでしたが、これは別卓でもそうだったようで、靴会社弱くないか?という声が上がってました。

(この時は3卓同時にインストして遊んでました)
その後、1ラウンド目の株式フェイズで買い足しできるだけ株を買い足していよいよゲームスタートです。
(会社の初期株価はある程度プレイヤーの自由になります。3株分でできる限り自分の金がなくなるように高めに設定してもいいですし、逆に安く設定して株の枚数(保有割合)を増やしても構いません。株価があがる機会は限られている&株価は上がれば上がるほど上がり幅が大きくなるので初期株価を高めにしておいた方が最終的な株価(初期株価からの上がり幅)が高くなりますし、株価を下げて株の枚数を増やせば会社が利益を配当する際にプレイヤーに入るお金が増えます。
僕は初回プレイということもあって、よくわからん!と選択できる真ん中あたりに設定しました。ありきりさん、しゅだっちさんも僕と同額。
さたもとさんは一番安い値段にして株の枚数を増やしました。

(はじまった辺)
そして、建物フェイズを挟んで、アクションフェイズに移ります。1ラウンド目はパートナー(ワカプレのワーカー)が2体しかいませんし、会社に大した金もないので、この後の運営フェイズに向け、労働者を雇ったりアセットを購入されたりと、最低限のことをみなさんされていましたが、さたもとさんが大胆な手を打たれます。
パートナー2体を両方とも「100ドルを臨時配当する」アクションに配置されたのです。会社の資産を100ドルずつ株主に配当するというアクションで会社とさたもとさんの持ち株は50%ずつだったので、さたもとさんはこれで50+50=100ドルを獲得。労働者を雇ってないので運営フェイズで生産はできず株価は下がりますが、臨時配当でも株価は上がるので、プラスマイナスでいえば株価はプラスです。
正直、これはやられたなーと思いましたが、株価>配当総額の場合は株価があがらないため、この手が使えるのは1ラウンド目だけでしょうし、1ラウンド目に(株価以外)会社が全く成長してないわけなので、まっとうな経営をしたうちらにもまだアドバンテージはあります。
この後、各社の運営フェイズに入ります。アピール値トップの僕は無難に1ラインだけ起動して終了。続く、ありきりさんの会社でちょっとした事件が起こります。ありきりさんは会社が生産するために必要な資源を買ったのち、次ラウンド目にも必要な資源があるとは限らないというリスクヘッジの考えから、このラウンドでは使わない分の資源も購入されました(このゲーム、資源や生産した商品等は制限なく次ラウンドに持ち越せます)。
これで困ったのがしゅだっちさん。1ラウンド目に2ラインを動かすために選んだ会社にも関わらず、資源が足らずに1ラインしか動かないという事態に。
(しゅだっちさんの取った会社は商品単価、生産数等の面では他会社にちょっと劣っている代わりに、パートナーが増やしやすい会社なので、結構な損害です)
一応、資源の補充は各会社の手番が終わった際に、資源のボックスが空になっていれば補充というルールなので、中途半端に買われると補充が入らず、こんな感じで事故ります(ボックスにはセットアップ時には3-3-3と3個ずつ資源があります。これが0-2-0とかになれば、ずれた上で補充が入って2-3-3になるのですが、1-1-1とかになると各会社の手番終了時には補充は起こりません)

(補充させない鬼畜残しの例。この場合はまだピンクは人気のある色ですし、3つ目のボックスに資材が複数あるのでまだましではありますが)
しゅだっちさんには残念でしたが、2ラウンド目に突入。さたもとさんはスタート時に設立した会社の自社株を1枚売った上で、2社目を設立。ガンガン攻めてきます。
しかし、パートナー数(=ワーカー数)が会社の成長に直結するのがこのゲーム。2社設立してもパートナーの数は変わってないので、1社持ちのプレイヤーと比べて2社持ちでは成長率は半分になります。これがどうなるのか。
2ラウンド目ではアセットの即時ボーナスや自動化アクションを組み合わせることで僕のSwiftは2ライン目も起動させるだけの労働者を雇用できました。
アピール値トップは変わらないので、運営ラウンド開始時の資源の状況=自分の使える資源が見えているのでリスクヘッジするかどうかの判断がしやすく、作戦が立てやすいのもあって、全力で会社の成長に力を入れます。
そんなわけで、運営ラウンドでは2ラインとも稼働させることに成功。追加パートナーを獲得します。
マネージャー効果でアピール値は順調に上がっており、このままいけば次ラウンドでアピール値が規定値に達した際にもらえる追加パートナーも獲得できそうです。
そして、3ラウンド目開始。パートナーがこのラウンドのアクションフェイズで5つになるのはわかっていたので、満を持して2社目を設立します。
この2社目の設立は考えがありました。ゲーム終了時に200ドルもらうことのできるゴールタイルの条件の1つが、自分が社長の会社すべての合計アセット数トップというものだった&アセットを持てる会社はもう1つしかなかったので、その会社を設立してしまえばアセット数トップの200ドルをもらえることが確定します。そんなわけでアセットを持てる会社を設立。よっしゃよっしゃと思っていたのですが、ここで1つミスをやっちまいます。
会社の株価の初期値を高めにしたんですが、僕の所持金では30%程度しか買うことができませんでした。が、実は、ありきりさんの方が僕よりお金を持っていることが発覚。40%分を購入されると会社を乗っ取られてしまいます(自分の所持金で50%以上買える程度の金額にしておけば、より金持ちがいても乗っ取られることはありません)。
やっちまったーと思ったんですが、ありきりさんはまだパートナー数も増えていなかったからか、「大変そうだから」という理由で乗っ取らないことを選択されます。助かりました!

(2社目たってしばらくした辺り)
しかし、会社経営は僕も結構うまくやってたと思うんですが、何故、ありきりさんの方がお金を持っていたのか?
よくよく考えてみると、理由がわかりました。
建物フェイズで建ててる建物(アクションスペース)の性能がありきりさんはどれも良く、みんなに使われており、その使用料で潤っていたのでした。なるほど!一方で僕の建てた建物は自分も含めほぼ使う人はいなかったので、収入差が生まれていたようです。
ここは完全に引き運(一応、3枚のタイルから1枚を選ぶ形ですが、強いタイルの引ける引けないはある)なので、考えても仕方なしと割り切ります。
僕の2社目(BBC)の業種はミシンでしゅだっちさんと被りましたが、BBCは生産量が少なく単価が高い(初期値も最大値も高い)という特徴の会社なので需要の取り合いになってもあまり問題なし。みなさんより2つ多い(みなさん3つ、僕5つ)パートナーを使ってガンガン強化して、すぐに売値を最大にして、生産量も増やすアクションを踏み…と、1社目も2社目も順調な売り上げを記録しました。
と、簡単に書いてますが、3ラウンド目以降はパートナーの数も3~5に増えてますし、建物(アクション)の能力も上がっているのでワーカープレイスメントでどのアクションを先に選ぶかが熱いというか、強いアクションはあっという間に埋まるので、手番順の取り合いが熱かったです。パートナー数で一歩リードしていたのでそこを有利に運べたのが大きかったように思います。
(手番がみなさんにより多いので、手番順を取るアクションにパートナーを回せたのと、ラウンド終了直前に手番を取りに行けば次のラウンド開始時にまた1番手で始められたので)。
復興からの大恐慌を再現しているので、最終ラウンド付近では需要が枯れるのですが、Swiftはブタ会社中で手番がトップなのであまり影響なし。BBCはアピール値が低く、手番が遅かったので影響を受けましたが、株価が上がる程度には稼げたのでまあ、想定通りということで問題なし。
ありきりさんが3社経営したり、10%株を買いまくるなどゴールタイルのボーナスを意識したプレイングをされ、経営もうまくいっているように見えており、脅威でしたが、僕もアセット数やセールスマン数などでゴールタイルをいくつか取り、Swiftが1社目の中で株価トップ、BBCが2社目の中で株価トップを取れたのが大きく、勝つことができました。

(終了時)
【感想】
ベータ版で遊んだ時からかなり面白いと思っていましたが、製品版もやはり面白かったです!
以前、ベータ版の感想を書いた際には、ワーカープレイスメント用のワーカーが要は会社を成長させる資源なので、どう会社に使うかが面白いとか、書いたような覚えがあります。改めて製品版で遊んでみて、そこももちろん魅力的なんですが、そういうシステム的な話はさておいて、単純にこのゲーム、会社を成長させるのがめっちゃおもしれえ!と思いました。
会社の成長要素が多く、また、成長させる度合いも深いので、かなり力を入れて(ワーカーを注いで)成長させようとしてもなかなか『これで完成』という状態にまで達しません。その割に、ちょっと手をかけると確実に成長が実感できます(1アクションで収入が3割増し、5割増しとかになる)。
手をかけたら手をかけただけ強くなる!というのがまず楽しい。
んで、その運営がぬるいか?というと決してそうではありません。会社が商品を生産する際に必要な資源はランダムに提供される上に、大抵の会社で必要になる重要の高い資源、あまり使われない需要の低い資源が故意に作られているせいで、ナチュラルに下家を絞る/絞られる作りになっていて、どんなに会社を成長させても能力をフルに発揮できないリスクが常にあります。
なので、会社を成長させる方向性も商品の単価を高くしたり、生産数をあげたりする正統派もあれば、アクションフェイズ中に先に資源を確保しておく等のリスクヘッジをする防御的なものもありますし、はたまた、アピール値を上げて会社の手番を早くし、他プレイヤーに邪魔される前に手番を行う(あわよくば下家を絞る)という攻撃的なものもあります。
自分の好みや他人の動向を見つつ、こういった、様々な会社を成長させる方法の中から最適と思われるものを選ぶというのが、また楽しいです。
そして、(投資家としての本分かもしれませんが)株価を上昇させるために必要な収入額という具体的な目標もあるので、やり甲斐もあるんですよね。『現時点の株価以上の収入がないと株価は上がらない』、『収入が現時点の株価の2倍以上/3倍以上なら株価は2段階/3段階上がる』仕組みなので、必然的に毎ラウンド目標値は上がっていきますし。
これらの会社の成長、収入を上げようとする動きの元手になるお金がプレイヤーの金ではなく、会社の金というプレイヤーの勝ち負けに関係ない(厳密には関係ありますが少なくとも大抵の場合、表面的には関係ない)というのがまた良く、100金かけて儲けが40金上がるみたいなことは他のゲームならやりませんが、このゲームのような会社とプレイヤーのお金が別というシステムならどんどんやっちゃって構わないんですよね。
どんなにアホなプレイングでも許されます!
(すいません。言いすぎました。自分の金よりは自由が効きますが、前述の通り、資源が絞られる等して、生産できないリスクがあるので、生産に向けて若干お金に余裕は持たせておいた方が良いです)
ベースに会社運営の面白さがある上で、僕の好みにめっちゃあってるのが、プレイヤー間の強インタラクションです。
このゲーム、インタラクションとして3つの軸があります。
ワーカープレイスメントでのアクション選択、同業種の他社との需要の取り合い、他社との資源の絞り合いです。
アクションの一部にめっちゃ超強いやつせいともいえますが、アクション効果にメリハリが効いてるので手番順争い含め、ワカプレは普通に熱いです。ワーカー数が会社の成長に従って増えるシステムもあるので、どう増やすか?も頭を使えるところでなかなか面白いです。
需要の取り合いと資源の絞り合いは結局、会社の手番順(アピール値)に集約されはするのですが、会社の能力や需要量などによって、プレイヤー同士が争うように仕組まれてるのが超最高です。需要を先に取られれば売れなくなったり、販売額が半額になっちゃいますし、資源を絞られれば生産が減る、酷いときには生産できない状態にもなります。
まあ、この辺はシステムに仕込まれており、生産に必要な資源、ピンク(家畜)と青(鉄)を必要とする会社が圧倒的に多くなってます。そのため、市場にあるピンクや青は(会社の懐事情にもよりますが)ほぼ残りません。そして、下家にはピンクも青も枯れた、黒と茶色だけが残った市場が引き継がれるという辛さ。
一応、資源の2:1変換は自由にできますが、上家の鬼畜具合によって、3個しか市場にない状態を作られると、2:1変換しようにも変換元の資源がないということになります。酷いです。
しかも、複数社経営できるので、2社目の需要を確保するために2社目より先に行動する他社の生産量を絞ることを目的に1社目で資源の買い占めを行うみたなこともできます。
ここら辺の削り合い、絞り合いが嫌ならアピール値を上げて手番順を操作するか、資源を事前に確保できるアセットかアクションを事前に選んでおけという作り、僕は嫌いじゃないです(嫌いな人もいるかと思います。前述の通り、狙わなくても必要資源の色を偏らせる作りになってるので故意でなくても、絞るような形にはなりがちです)。
一応ですが、あまり他の会社で使われない資源を主に使う会社もいます。そういう会社は資源確保が気楽ではあります。
まあ、手番順が大事すぎるため、アピール値ゲームになってしまっているところは正直あります(しかも、アピール値を上げた時のボーナスもでかいので上げない理由がない)。会社の生産順と売却順はアピール値とは別要素で決まればよかったのかもしれませんが、煩雑さやプレイ時間などの関係で諦めたのかなとも思います。まあ、超重要事項がこれ!と決まってるのはシンプルではあります。
それでも、この厳しさ、辛さがあってこその会社経営の楽しさ、大金を稼いだ時の達成感!かと思います。
正直言ってめっちゃ粗いゲームです。ゲーム終了時に6000ドル前後稼ぐゲームですが、ある1アクションで300ドル以上稼ぐこともできますし、1アクションの効果が2倍くらい違うものが平気で出て来ますが、アクションスペースである建物は完全にランダムに配られるだけです(引き運のある人、ない人で建物の使用料が100ドル以上差がでることもよくあります)。そもそもこのルール意味ないだろというルールもあります。
さらに言えば、(初回プレイはともかく)勝ち負けを公平に争うのなら4人プレイ必須みたいなところもあります。
前述の通り、故意か偶然かはあれど、プレイヤーの起こした行動でガンガン下家が殴られるゲームでもあります。
何度か遊びましたが、会社の強さの差とその能力を見れば見るほど、強い会社を取ったプレイヤーを上家は業種被せて積極的に殴っていけっていう作りなんですよね。その辺の攻撃性の強さも気になる人はいるかと思います。
(もちろんアガペーに満ちたプレイングも可能ですし、それはそれで楽しいと思います)。
そういう人を選ぶ点、欠点はあっても、抜群に単純に会社運営が楽しい、他人との強インタラクションが楽しいゲームです。
複数会社を運営する際のワーカーの割り振り、どのアクションから先に実行していくか等、手をかける対象が複数になったワーカープレイスメントというあまり経験したことのないことをするのも楽しいですし、長時間ゲームに耐性があるメンツが集まるのであれば、おススメです。
雲の上のユニコーン:クラウドスタッキング / Unicorn Glitterluck: Cloud Stacking

(2人でインスト込み15分ほど)
【概要&ルール】
雲の上にいるユニコーンたちと宝石を全部集めたら全員勝利になる協力ゲームです。
ボードを置き、その真ん中にお城コマをセットし、その周りを囲むように雲のタイルをぐるっと配置します。そのうちの1つに子供ユニコーンのコマを置きます。
手番がきたらサイコロを振り、子供ユニコーンを時計回りに進めます。星の目がでたら任意の雲にワープすることができます。
移動先の雲タイルに書かれたものをボード上に配置します。
宝石なら宝石置き場におきますが、それ以外のユニコーン、大きい雲、小さい雲は城の上、もしくは脇に積み重ねていきます(写真見ればわかるかと思いますが、『ワニに乗る』します)。
積んだ際に崩れたら、大きい雲、または小さい雲のタイルを裏返して脇にどけます。タイルの裏には太陽、または雷雲が書かれています(トップの写真だと脇にどけてませんが、正しくは脇にどけます)。
全部のユニコーンを積み、全部の宝石をボード上に配置出来たら勝利、その前に雷雲が3つでてしまったら負けです。
【プレイ内容】
台風の影響で子供が休みになったので家でいくつかボードゲームを遊びました。
雲の上のユニコーンも好きなので同じアートワークのこちらもどうかしらと先日購入したこのゲームも出してみました。
ちょっと!馬さんじゃないのと見た目からの反応は上々。協力ゲームという概念も以前ヒトトイロなど遊んでいたからか無事伝わりました(というか、全部のゲームで全員がゴールするまで続けるみたいな人なので、逆にこちらの方がしっくりくるのかも)。
ワニに乗るのサイコロ部分を雲タイルを使ったすごろくにしているようなものなので、プレイ感は非常に軽いです。
序盤から中盤にかけてユニコーンのマスに良くとまり、さっさとユニコーンは全部積めてしまいました。ユニコーンのコマは4色全部形が違っていて、子供もこの馬はシュッとしてるねとか、片足で立ってるからおっとっとだねとか言ってました。
残りは10個の宝石を全部メインボード上に置けば勝利です。メインボード上に置くのは単に宝石のマスにとまればいいだけなので、単に宝石マスに止まり続けるだけでよいです。
すごろくのマスであるタイルの並びはランダムなので、宝石のある場所は薄いところ、固まっているところがあります。理想的なムーブは星の目で任意のマスに移動する際、固まっている並びの一番初めに置くことですが、そこまではうちの子供には難しかったようで、馬が好きだから馬のとこにおくわ!(置ききっている場合は何も起こりません)とかやってたので、まあ、僕の手番で星が出た時だけこっそりと有利そうな場所に移動してました。
大きい雲のコマはかなりの大きさで土台になれば心強いですが、上に乗せる際には結構慎重になる必要があります。子供が置く際には何度か崩したりもしました。
崩したら雲のタイルを裏返して雷雲がでたら負けのトリガーに近づくんですが、裏返した時の当たりの絵である太陽がめっちゃにっこりしてるので、まあ、これはこれでいいかなと。子供もにっこりだね!って言ってましたし。雷雲からはちゃんと不穏な空気を感じてたみたいです。
崩さなければ負けトリガーが引かれることはないということもあって、その後、星を10個集めて勝利。
続けて遊んだ2戦目は雷雲が2つ出ましたが、こちらも勝利で終えることができました。
【感想】
難易度は低いゲームで、雲の上のユニコーンが遊べるくらい(サイコロの目が読めて、その通りコマを進められる、順番が待てる)くらいなら遊べると思います。
ワニに乗る部分というか、バランスゲーム部分ですが真ん中に置かれたお城、ユニコーン、大きい雲コマはどれもがっしりとしている上にいい具合にひっかかるようデコボコした形をしてるので、バランスゲームとしても難易度は低めかと思います。多少強引においても土台から積み上げていってれば大抵ひっかかって大丈夫です。
やってみると案外難しいワニに乗ると比べると明らかに簡単です。
とはいえ、「そっと置く」ことができる、またはそっと置くという概念は知っているくらいの子供でないとさすがに厳しいです。
(プレイ内容のとこにも書きましたが、崩すことで負けに近づいていく仕組みなので、ゲーム的には頑張ってもちょっと崩しちゃうくらいの子供の方がメインターゲットかもしれません。
でたらめに置けばOKというわけでもなく、向きをそろえて、若干滑るくらいのコマを置くという技術含めての楽しむゲームかなと。
コンポーネントはかわいいですし、宝石集めるというテーマが好かれるのは雲の上のユニコーンでも実証済、ただ、力任せではなくコマを積むことのできる(そっと置くというハイレベルな動作に耐えられる)ちょっと大きくなった子供向けかなと思います。
一応、星の目が出た時にどこに置くのが有利かは幼すぎるとちょっと難しい判断かとは思いますので、そこはフォローしてあげるか、どこでもいいじゃない、お気に入りがわかっていいじゃないくらいのおおらかさで見るのがよいかなと。
(感覚的にでも確率計算できるくらいの子にはゲームの難易度的に優しすぎると思うので)
バラージ / Barrage

(4人でインスト込み3時間~4時間ほど)
【概要&ルール】
コートの襟が凍り付くほど寒い山の上で行われるエネルギー争奪戦!自国のダムを他国のダムの上流に置け!ダムと水を制する者が世界を制する!
※化石燃料が枯渇しただかで、水力発電万歳という世界設定です
山にダムを作って水をため、発電所やら導管やら作って発電して点を稼ぐゲームです。AP制とワーカープレイスメントが混ざっており、各ラウンド規定数のワーカーをもらい、手番にアクション場所に置いてアクションを実施します。アクションスペースによって、効果が違うのはもちろん、同じ効果でも必要なワーカー数が違ったりしてます。
手番に選べる主なアクションは以下。
・建設:資源を払って、個人ボード上のダム基礎、ダム上部、導管、発電所をボード上に置きます。ちょっと特殊なので詳細を後述。
・発電:ダムにたまっている水を使って発電します。発電に使えるのは1つの導管を自分もしくは中立のダムと自分の発電所が挟んでいる&ダムに水がたまっている状態の時に実行でき、導管の数字(水の落差)×水コマの数分の発電ができます。
・契約獲得:場に並んでいる契約をとります。契約には達成に必要な発電量と達成時にもらえるボーナスが書かれています
・資源購入:建設時に必要となる資源を購入します。
・建設ホイールをまわす:建設ホイール(後述)をまわします
・水:ボード上に水をためたり、流したりします。
このうち、建設のみ各プレイヤーの個人ボード上にワーカーを置くスペースがあり、他アクションはメインボード上にあります。同じアクションでもお金が余計にかかったりワーカー数が異なるなど、基本的に先に実行する方が得するようになってます。
全プレイヤーがワーカーを使い切ったらアクションフェイズが終了します。その後、次ラウンドで使える水が流れてくるフェイズ、そのラウンドの発電量をもとに得点するフェイズ、次ラウンドの準備フェイズがあり、次ラウンドに移ります。
こうして規程ラウンド終了後に最も点数の高いプレイヤーが勝利します。
・建設について
建設は以下の流れで行います。
1. 個人ボード上の建設アクションスペースにワーカーを配置する。
2. 建設場所と建設するコマを決める。
3. 建設ホイールに場所とコマに対応した必要資源とタイルをぶちこんで1回まわす。
建設ホイールは中が6等分されており、ホイールを回すアクションをするか、新たに建設を開始するたびに1つずつ回っていき、1周すると資源もタイルも再利用可能になります。

(左下に移っている丸いのがホイールです。仕切られた中に空っぽのとこと、タイルと何かコマが入っているところがあるのがわかるかと思います)
【プレイ内容】
カヤさん、一味さん、ウキンさん、僕の4人で。回数差はあれど全員プレイ経験ありです。
このゲーム、個人ボード(国)ごとに特殊能力があり、さらに重役という体で追加能力がゲーム開始時にランダムで組み合わせれます。
んで、手番順と逆に好きな組み合わせをとっていってからスタートという流れです。
手番順は忘れましたが、みなさんが選んだ能力は↓な感じです。
カヤさん 国:契約の達成値をマイナス3、重役:地形によらず資源3つでダムの基礎を作れる
一味さん 国:発電後、もう1回発電できる、重役:契約達成時、発電量を分割して複数契約達成可能
ウキンさん 国:発電量+3(契約達成にはプラス前の値しか使えない)、重役:他人の能力をコピーして利用可
僕 国:自然に水が流れた(非発電)時に自分の発電所を通れば発電量+1、重役:3段のダムに水コマを4つためられる(通常は3つまで)
※国の能力は初めからは使えず、3つ以上発電所を建設してから使えるようになる能力です。
基本的に発電するためには、水コマが置かれているダム、導管、発電所がないとなりません。必ず発電所は自分のものでないとなりませんが、導管はコストを支払って他人のものを使うこともできますし、ダムは自分のもの、または中立ダムでも使えます。
そして、1ラウンド目に発電をするのであれば、基本的に中立ダムを使わないと発電できません(一応、頑張る&横やりが入らなければ全部自前でそろえて発電できるっちゃできます)。
僕はこれまでのプレイでは1ラウンド目はいつも発電しない選択をしていたので、今回は中立ダムを使うことにしてみました。
そんなわけで中立ダムの横に導管を作り、そこからつながる場所に発電所を建設、そのまま発電アクションを行いました。
発電アクションはアクションスペースによって補正が入るのですが、補正値はプラス2~マイナス2と結構幅が広いので、プラス2が取られる前に発電しちゃおうとさっさと発電したんですが、僕と同じく中立ダムを使う選択をした一味さん、カヤさんにラウンド中の総発電量で上回られてしまい、慌ててやった意味は薄い結果に。
このゲーム、発電するゲームではあるんですが、発電しただけでは点数になりません。発電で点数を取るには、
・発電時に点数がもらえる契約を達成する
・ラウンド中の総発電量で1位、もしくは2位を取る
・ラウンドごとの目標タイル(各ラウンドで1種建物が指定され、建築数に応じて点数が入る。ただし一定以上の総発電量に達していないとダメ)
・ゲームを通しての目標タイル
と、あくまで発電した上で+アルファ(事前に契約を取っておいてその契約値以上の発電をする、総発電量で他人を上回る、事前に建築を頑張った上である程度発電を頑張る)が必要です。
1ラウンド目に大した得点できないまま2ラウンド目に突入。ここからは1ラウンド目に作った自分で発電できる場所を活かしながら、他にもダムや発電所を作って、発電できる場所を盤上で増やしていきます。ダムなどの建築物は配置制限がありますし、発電するために必要となる“水”は上流から下流に流れるので、他人のダムの上流を押さえたり、自分のダム同士で発電した水を再利用できるようにしたりと、ポジション取りが熱いです。
が、やっかいなのが建設に使うホイール。資源は消費はされませんが、ホイールが一周しないと再利用できませんし、資源があっても建設する建物の種類のタイルがないと作れないので、同じ種類のものが連続して作れなくなってます。
僕は1ラウンド目に導管と発電所をつくっているので、ホイールを回してそれらのタイルと資源を回収しないとなりません(今回は上級技術タイルを入れてないので『?』というどの建物でも作れるタイルも持ってはいますが)。
とにかくホイール回さないとなーと思っていたのですが、僕と条件が同じはずのカヤさん、一味さんはもう回収が終わっていて、次の建設を始めています。え?なんで?とこのセッション中、何度も思うことになるのですが、お二人ともいつの間にか必要なアクションを終えてます。アクション選択の段取りがよかったり、発電時、契約達成のボーナスでホイールを回したりしてるのか、(そういう作りのゲームではないはずなんですが)ガンガン建設してガンガン発電してるように見えてました。
とはいえ、やれることをやるしかないなとホイールを地道に回し、今度は、ダム、発電所、導管のセットを全て自分の分で作りました。
僕の国の能力はどうも弱そうにみえたので、発電所は後回しにしてダム基礎やダムの上部をどんどん作っていくことにしました。一定以上建設するとラウンド頭に収入が入るようになるので。
この時、特に深い考えもなくなんとなく場所を選んだんですが、たまたまみなさんの狙いから外れた場所に作れていたようで、しかも、次ラウンドに水が2コマ流れてくるのは確定してるというちょっとおいしいことになってました。

(ボード中段あたりにあるピンクのダムが僕のです)
2ラウンド目も一味さん、カヤさんがガンガン発電&契約達成され、点数的には2トップとそれ以外という状況。ウキンさんはどうも4,5ラウンド目に賭けるプレイングを試されているようで、序盤から最高の発電力を持つ5導管の横にダムを作り、導管を作るために大量に必要になる資源をちょっとずつ貯め…と、かなりしゃがまれてました。
3ラウンド目。流れてきた水の具合もあり、ちょっと発電量が落ちたカヤさん、一味さんを上回るだけの発電量を確保することができ、ちょっと差を詰めます。
そして、4ラウンド目。3ラウンド目にダムをの3段目を作り、上流に作られたダムを超えてくるよう水もセットし…と段取りを整えていたのが爆発します。
僕の重役能力は3段のダムに水を4コマ貯めることができるので、導管レベルが高くなくてもそれなりの発電量を出すことができます(レベル3の導管だと通常は3コマしか貯められないので、3×3=9なのが、4コマ貯められるため3×4=12になります)。
補正の高い発電アクションをラウンド開始早々に抑えて、個人ボード上の補正も足して、15発電量が必要となる政府契約を達成。さらにその契約達成ボーナスで水が3コマ流れてきたので、さらに水1コマを追加して、もう一度4コマで14発電量の政府契約を達成します。

(せっかくなので記念撮影させていただきました)
全く狙ってダムを建てたわけではないので、完全に棚ぼたですが、これで点数的にカヤさん、一味さんに肉薄します。
そんなわけでラッキーラッキーとうはうはしてましたが、これで割を食ったのがウキンさん。最高レベルであるレベル5の導管も完成し、このラウンドからガンガンいくぞ!と思われていたところを美味しい政府契約を横からかっさらわれてしまったわけなので。
それでも、このラウンドの発電量は1位僕、2位がウキンさんでした。
そして、最終ラウンド。カヤさん、一味さん、僕がいい勝負してる形です。
(大抵のセッションでこうですが)とっとと埋まっていく発電アクション。それでも、上述の通り、発電だけでは点数にならないので、おいしい契約を事前に取っておく必要があるわけですが、場に出てる契約では3点もらえるものが一番ましという状況。
みんな誰か取ってくれよとなっていたのですが、2回発電&分割での契約達成可能と一番契約の数を使う一味さんが、最初に動きます。
そして、点数が入らないよりはマシだからと、3点の契約を獲得されます。めくられて出てきた契約の点数は6点!
一味さん:「取るんじゃなかったわ!」
僕:「ありがとうございます!」
で、僕が6点の契約を取ると、今度は9点の契約が! そして、次手番のカヤさんにとられましたw。
結局、このめくり運の差がほぼ最終得点差になり、カヤさんが勝利されました!(僕が2位、一味さんが3位でしたが、9点契約を取った人が勝ってたといういい勝負でした)

(最終盤面)

(僕の個人ボードの最終状況。国の能力は使いにくいですが、それ以外の部分、開けたらもらえるボーナスは使いやすいので、能力にこだわらずどんどん開けていけば良い初心者向けのキャラかもしれません)
【感想】
まだ4,5回しか遊んでませんが、遊ぶたびに新しい発見や、あー、それいい手ですねみたいなのがあるゲームです。
システム的にも、建設ホイールをどううまく回すかの工夫のし甲斐や、水コマの移動経路の絡みに起因するメインボード上のポジション取りの熱さ、アクションスペースをメインボードと個人ボード上に分けたことによる遊び易さ、その上できちんとあるベーシックなワーカープレイスメントの面白さ、契約タイルの引き運でかすぎやろ等々。
もちろん、これらも面白さの重要な要素だとは思うのですが、それよりもこれよりも、とにかくこのゲームで偉大なのが水!水コマの挙動!
「ダムにたまった水はダムの持ち主以外にはどうにもできない」、「水源からの水量はかなり制限されている」、「発電したり、ダムからあふれた水は下流のダムに流れ込む」など、いくつか特徴があるんですが、一番特筆すべきなのが、「ダムにたまった水はダムの持ち主以外にはどうにもできない」ことによって発生する諸々です。
正直言って、バラージはかなり難しいゲームです。自分の思い通りに建物を建てて、発電するというだけの行為でも、慣れるまでは全くうまくいきません(だからこそ楽しいともいえるのですが)。
ホイールの挙動、マップのつながり、水の挙動、発電と得点の関係等、「あー、そういうことか」、「あ!失敗した!」、「これ、無駄だったわー」などなど、後悔したり、次こそはと思うことばかりです。
それでも、初回、複数回目関係なく、とにかくダムに一度たまった水は発電しない限りなくならないので、どんなに失敗してようが、なんだろうが、ダムを建設している限り、そこに水は溜まっていて、その水を使う瞬間は主役になれるんです!
このゲーム、初回プレイ時に驚くくらい水の供給は絞られていますし、ダムを超えて水を奪う手段はないので、自分が発電できない/しない限り、その水コマは下流の奴らの発電機会を奪っており、逆に自分だけのアドバンテージになってるわけです。
なので、初プレイだったり、重ゲーにあまり慣れていない人がプレイしても、うまいことやれるタイミングが必ず訪れます。
この成功体験というか、気持ちよい瞬間をほぼ全てのプレイヤーに提供できる仕組みがあるため、ハードなソロゲー(ホイールの制御)とプレイヤーインタラクション(マップの状の絡み&先取り有利のワカプレ)のゲームでありながら、遊んだ人の大半に『楽しい』『面白い』を感じさせてくれるゲームになっています。
(前ラウンドの発電量が少ない人が先手番になるせいで、ダムに水をためたまま使えてない人ほどプラス補正のついている有利なアクションをとりやすいというシステムのトスにも助けられてはいますが)
ちょっと慣れてくるとどうすれば有利に水を取れるか、水の流れや供給を考えたやり取りが始まるわけですが、それも水がアクション選択中はほぼ流れてこず、次ラウンドの準備として流れてくるというちょっと独特のずれた挙動をするので、ここもこれまでにない感覚での思考が要求されます。
ワカプレなので基本的には先取り有利ではありますが、発電に関しては下流に水を流す行為でもあるので、発電待った方が良い?みたいな考え方をする瞬間もあって、やはり、ここも水の挙動で面白いことになってます。
んで、このゲームの一番の面白さのポイントである水の挙動が、ダムに溜まった水で発電するというテーマやプレイヤーの直感的な理解とずれがなく、理解しやすいってのもまた良かったです。
得点のベースになっているリソースがちょっと変わった挙動をするというと、とっつきにくかったり、納得しづらかったりすることもありますが、ほぼ現実ベースですし、こうなるってことかがわかりやすいのは僕には助かりました(水量が安定しないところにダム作るなやというのはリアルではあるでしょうがw)。