クラウドファンディングであった色々(Qさんとこ編)

とあるクラウドファンディングサイトにおいてQさんとの間にあったことをおぼろげな記憶で書いてみました。
良いこともあれば悪いこともありました。書かれている内容がフィクションかノンフィクションかは…。
●牛の箱絵のゲームス○キュレーション
当時、Qさんとこのゲームは日本国内で流通していませんでした。
(2020年現在は、メビウスが基本的に扱っていますが、数年間扱われていない時期があったのです)
そういうこともあり、当時、相乗ってくださった方の分も含め、6個セットをバックしました。
そして、数か月後、バッカーに届き始めているようでしたが届きません(これはよくある)
しばらくして、一般販売が開始されても届かないわけです(これも、Qさんとこではよくある)。
一般販売が先だったか記憶が定かではありませんが、届きませんよとクラウドファンディング上のメッセージ機能で連絡しました。1,2通は返事がなかった気もしますが、すぐにOK送るよということになり、その数週間後に我が家に届きました。
実はこのプロジェクト、普通のゲームではなく、“デザイナーのサイン付き”というのがウリだったのですが、届いたゲームにはサインは無し。
遊ぶ分には問題ないので迷いましたが、相乗ってもらった人たちのこともあるので、プロジェクトの内容通りのものを送ってもらおうと思い、再び(というか何度目か)Qさんにメッセージを送りました。
が、返事がありません。1,2週間おきに2,3通送りましたが、なしのつぶて。
これが小パブリッシャーであれば諦めたところですが、相手はそれなりの大手。クラウドファンディング担当とは別だろうと思いはしましたが、クラウドファンデングではなく、パブリッシャーサイトに記載されているメールアドレスに届かない旨と返事がない旨を連絡しました(担当は違うだろうと思ってはいましたが、別部署にチクってみたわけです)。
こちらからはすぐに返事がありました。
Q:「すまない。すぐに手配するよ」
僕:「ありがとう」
Q:「クラウドファンディング用の問い合わせ窓口を作ったから、そっちにメールしてもらえるかい?」
僕:「OK!」
そして、教えて頂いたアドレスにメールしたのですが、ひと月ほど返事がありません。
仕方ないので、またパブリッシャーサイト側のメールアドレス(返事があったところ)に連絡します。
僕:「返事がないんだ。クラウドファンディング担当部署の人たちは忙しいんだね!」
(みたいなちょっと皮肉げなことを書いた)
Q:「すまん!クラウドファンディング窓口の中の人、おれ! 風邪ひいてた!」
僕:「(きまずい)」
この後、すぐに送ってくれました。
そんなわけで、最終的にはサイン付きとサインなしとで合計12個も届いちゃいました(もちろんうちに残ったのは1つだけです)
風邪のせいで冗談みたいになりましたが、この時、対応してくださった方は返信も早いし、仕事も早いしで、仕事できる人でした。いまはクラウドファンディングの窓口とかやってないと思いますが。
●小クラマーの押し出し競りゲームのでかい箱の話
上記の出来事もあり、Qさんところのプロジェクトは避けるようになっていました。そんな時の話です。
Qさんとこは、過去にたくさんの名作ゲームを出しており、拡張もたくさん出ているためか、いくつかのゲームで拡張全部入りのビッグボックスが作成されています。そして、僕の好きな小クラマーの名作ゲーム(コンポーネント一覧にも記載されておらず、実際に遊んでみても何に使うのか謎な、アバンギャルドな柄の巾着がはいっているあのゲームです)も拡張2つ入り+ボードは新アートワークというビッグボックスがクラウドファンディングに登場しました。
しかも、僕が当時遊んでみたかった江戸がおまけでついてくるという素敵仕様です。これは支援せねばなるまいと思い、これまた相乗るかたを募って、6つ分を支援しました。まあ、さすがに何度もトラブることもあるまいと(普通に送ってくれてる分にはかなり初期に対応してくれてるわけですし)思っていたわけです。
そして、その数か月後。ゲームが届く時期が近付いてきたとき、それは起こりました。
Qさん:「すまん!江戸を売りすぎて、倉庫にある分だけだと足りなくなった」
うおおおいと思いましたが、まあ、江戸はおまけですし、さらに続きがありました。
Qさん:「江戸の分、30ドルを返金するか、代わりに別のビッグボックス送るから好きな方が教えて」
マジか!おまけだと思ってた江戸で30ドルも返してもらえるのか! というよりも、別のビッグボックスと江戸って等価なのか等々、色々考えましたが、ようは得した!ということで。
そんなわけで、うちには12個のビッグボックスが届きました。
(返金を選んだ方もいらしたのですが、送料込み30ドルでビッグボックスは買えないので、知り合いに声をかけて30ドルでビッグボックスが欲しいという別の方に譲るよう調整しました)

(全部ってのは流石に写真ないですが、思わず撮ったビッグボックスビッグマック)
●完成まで3,4年!世界のモニュメントの話
この頃は既にQさんとこのゲームは国内流通するように戻っており、さらにこのゲームは僕の好みからすると軽すぎるなあと思い、支援する気はありませんでした。
しかし、参加したゲーム会で知り合いの方から、欲しいのだという話をされ、その場にいた別の方々からも、俺も欲しい自分も欲しいという声が上がりました。
最初に欲しいとおっしゃっていた方はクラウドファンディングの経験がないということで、なら、僕がまとめて支援しておきますよと言ったわけですが、まさかここからあんなことになるとは…。
まず、クラウドファンディングの分が流通するよりも早く、一般流通が始まりました。(これはよくある)
更にこの頃はQさんとこのゲームも国内流通するようになっており、国内でも海外の一般流通からほぼ時間を置かずにさくっと流通しました(Qさんとののゲームが国内流通するようになったのは良いことですし、まあ、これもよくあるといえばよくあります)
酷い話ですが、元々それほど自分は買う気がなかったゲームなので、届かない件も落ち着いてクラウドファンディングのサイトからメッセージを送りました。
最初に連絡したのが国内流通し始めた頃。で、返事なし。
2,3か月後に再度連絡しましたが、返事なし。
返事がなければ対応の取りようがないんで、困ったなあと思いつつ、以前、解決の糸口となったQさんのパブリッシャーサイトのアドレスに届かない旨をメールしました。
が! こちらも1週間経っても返事がありません。おいおいどうしようもないぞ…と思いながらも、ここらへんで仕事も忙しくなったので放置モードに。
流石に相乗ってもらってる人たちもいるので、仕事も落ち着いてきた約1年後に再度、クラウドファンディングサイトの窓口とパブリッシャーサイトの窓口、両方に問い合わせました。そして、安定の返事なし。
数か月が経過し、そろそろまた問い合わせてみるかな…と思っていたところ、なんと前回問い合わせから4か月後に返事がありました!
ASAPで対応するよと言ってくれてます。やったーと思いはしますが、実はここから難問があります。正直な話、もう安売りしまくっているゲームを「すまん。(ほぼ定価で」送るわー」ってきても困るわけです。
一番最初に「欲しい」といっていた友人は既に購入してしまっていたこともあり、(6つ全部と言うわけではありませんが、)「連絡しても返事がないので、既に購入してしまった。なので今更送ってもらっても困る。返金して欲しい」旨を連絡しました。PaypalのIDも伝えて。
が、また返事がこなくなります。ASAPって言ったのに!
2か月後に、「すまんすまん。返金の手続きで上司の決裁がなかなかおりなくてね」と連絡があり、よっしゃ!こちらのPaypalIDはこれです。よろしくお願いしますと返事をします。
そして、また2か月間の放置があり、「返金まだですか。何かできることはありますか」のメッセージにも返事はなく。
まあ、また数か月後に連絡するかーと思っていたのですが…、1,2か月後くらいに唐突にPaypalにお金が振り込まれました!
通常ならいつ届いていたはずなのかは定かではありませんが、最初の問い合わせから約2年間経っての決着でした。
もっと頻繁に問い合わせていたら、向こうの対応も早かったのかもしれませんし、変わらなかったかもしれませんし、ようわかりません。
――
最後の件以降、僕はQさんとこのクラウドファンディングは支援していません。
それでも、SDJとったゲームの有名デザイナー拡張とか魅力的な案件も多いですし、(内容は大したことはないですが)クラウドファンディング限定の小品もつけてくれたりもします。まあ、なんやかんやと問題はありましたが、なんだかんだで対応はしてくれてますし、正直なところ、クラウドファンディングの中では、“まだマシ“なパブリッシャーではないかと思います(これより酷いのは、お金を持ち逃げしたり、いつまでも送ってくれなかったり、ずっと完成しなかったりというプロジェクトになっちゃいますが)。エッセンで投げ売り価格で売ってたり、支援者への配送が遅れがちだったりするのは、まあ、支援者からすれば、ちょっとさあと思うところではあるでしょうが。
まあ、最終的に損はしていないという点で、こんかい紹介したのは大したトラブルではないですが、クラウドファンディングは、あくまで投資であり、支援である(お店で購入しているわけではない)ということを忘れずに、おおらかな気持ちで対応するのが良いかなと思います。
コスモポリート / [kosmopoliːt]

(インスト込み15分ほど ※ゲーム自体は制限時間付きなので1ゲーム6分)
【概要&ルール】
ここはパリのレストラン。様々な国の料理を作れる腕自慢のシェフたちが集まっていて、客も世界中から集まってきます。しかし、当然、世界中から集まった客は世界中の言葉で注文するわけで…。
アプリを使った伝言ゲームです。ゲームを始める前に、ウエイター、給仕長、シェフと役割を決めます。
ウエイターがアプリを操作し、給仕長がその場を仕切り、シェフが目的のカードを探す役です。
流れは↓。
1. アプリがしゃべった注文をイヤホンで聞いたウエイター役が、注文を繰り返します。

(吹き出しをタップすると注文が音声で聞こえます)
2. 給仕長役が注文伝票にメモした上で、各大陸の料理のプロであるシェフ役へ口頭で伝えます。
3. シェフたちは給仕長からの指示を聞いて、注文料理を探し、材料まで特定した上で給仕長経由でウエイターへ提供します。
4. ウエイターは、提供された料理カードと材料カードをもとに客へ料理をサーブ(アプリで答え合わせ)します
というのを繰り返します。時間切れになるか、全ての客に料理をサーブしたならばゲーム終了で、
・サーブできなかった料理はあるか
・注文を何回聞き直したか
・サーブする料理を何回間違えたか
・ヒント(どの大陸の料理かをサプリで確認できます)を何回聞いたか
などの減点要素を引いて、クリアできたかどうかを判定します。
アプリ上でレベル1からレベル18まで設定されており、クリアした際の点数に応じて、徐々にプレイできるレベルが開放されていきます。
上級レベルになって初めて使うカードもあり、それは、レガシーゲームのように鍵の絵が描かれたカードで封印されています。

(封印されたカードの束)
【プレイ内容】
ニコさん、ピーヨツさん、ゆれひさん、僕の4人で。

(ゲーム開始時にこんな感じで目標点、テーブル数、大陸の数がアプリに表示されます)
ゆれひさんが客からの注文を聞くウエイター。
ニコさんが給仕長。
僕とピーヨツさんがシェフで。
僕がフランス料理のシェフで、ピーヨツさんがアフリカ料理のシェフです。アジア、ヨーロッパ、アメリカ、アフリカ等のように大陸ごと(フランス料理はちょっと違いますが)に6枚ずつ料理カードが用意されており、料理カード1枚に6つの料理が書かれています。
基本的には1料理カード=1国の料理です。

(アジアなら、日本、中国、韓国、タイ、トルコ・・・の料理カードが、ヨーロッパなら、ロシア、イギリス…といった感じです)
料理カードには、各国の言葉をフランス語の読み方で書くならこんな感じという綴りと、その料理で使う食材がセットで書かれています。例えば、日本料理にはDigaku imoがあり、材料はサツマイモと書かれている等です。
なので、ウエイターはアプリからその国の言葉で料理名を聞き、給仕長はそれをメモしつつ耳コピし、シェフは給仕長がメモを基に復唱する料理名を聞いて、その音ならこの綴りかな?というのを探します。
(もちろん、ウエイターの声はシェフにも聞こえてますが、シェフは直接ウエイターに料理名を聞くことはできませんし、料理名を繰り返してくれるのは給仕長だけです)
ゆれひさん:「オーダー。2番テーブル、ウミィアス」
ニコさん:「2番テーブル、ウミィアス」
ゆれひさんの耳が良いのか、聞いた音を言語化するのがうまいのか、非常にそれらしい料理名が出て来ます。
音の感じで、これはフランス料理っぽいとか、アフリカ料理かな?と見当をつけはするものの、この時点ではどちらか特定できていないので、僕もピーヨツさんも全力で自分の手元にある料理カードから料理を探します。
ゆれひさん:「(いま3つ聞いたけど)どこまで注文聞けばいい?」
ニコさん:「とりあえず、ストップで」(レベル1では全部でテーブルは6つあり、6つの料理を当てる必要があります))
とりあえずこれかな?というのをシェフ二人が1つずつ見つけます。
今度は材料探しです。シェフは材料の管理も行っており(材料カードの山札も持っており)、そこから材料を探します。


(材料は穀物、乳製品、果物、野菜、肉類、魚介類という6カテゴリに分かれ、さらにその中で、6種類程度のカードがあります。絵柄は非常にかわいらしい感じです)
僕:「なんか豆腐みたいなの探してください」
ピーヨツさん:「豆腐?」
(豆腐に見えてたのはチーズでした)
豆腐と該当の料理カードをセットでニコさんへ渡し、それをニコさんがゆれひさんに渡します。
ゆれひさん:「(アプリが出してきた候補に)豆腐ないんだけど」
僕:「違ってたー」
などとやってる間にもピーヨツさんも料理を特定されてますし、僕も渡した後は別の料理を探していました。
まださっきの豆腐の料理が解決してませんが、とりあえず、残りの3つのテーブルの注文も聞いてもらいます。
ニコさん:「4番テーブル、バハミィン」
僕&ピーヨツさん:「いや、バハミィンなんてないよー」
などと言ってる間に時間切れで終了。正解数が少ないこともあり、点数的にも未達成でクリアならず。
(そんな料理ないよといっていた料理は間違った後、わきにどけられていた料理カードにありました。ちゃんと片付けしましょう)
ちょっとこれで終わるのは残念だということで、役割を変えてもう1戦やってもらいました。
今度はピーヨツさんがウエイター、僕が給仕長、ニコさん、ゆれひさんがシェフです。
ちょっと大陸が2つは寂しかったので、プレイ人数を強引に1人増やして、大陸3つでゲームスタートです。
(「クリアできてないのに」という突っ込みはありましたが。)
今度も、そんなのないよ!という料理はありましたが、ゲーム終了後に答えが見れるので確認してみて、
「あー、フランス語だからhは発音しないのか」だとか、「XXXって、rioか。うーん、それは聞き取るのも音から特定するのも難しい」などと話しました。
全問正解にはなりませんでしたが、減点が少なかったのか、今度は無事クリアにはなりました。
そして、1戦目と2戦目のメモ。

「ひだりさんメモ、カタカナですか!?」「ニコさんみたいになんとなく音をアルファベットで書いてた方がメモも発音もよさそうじゃないですか」などと言われましたが、クリアできたからよいってことで。
字が汚くても自分しか読まないから大丈夫ですしね!
【感想】
アプリ+イヤホンを用意しないとならないので、この単純な伝言ゲームをそこまでしてやるゲームか?というのは正直あります。
まあ、楽しいは楽しいので問題ありません!
他にもウエイターの発言をシェフが直接聞けば良いのでは?みたいな話もあるんですが、まあ、“それはさておき”です。
実現されている形はともかく、リアルタイムで複数タスクを並走させる形式のゲームなので外れではないです。楽しいです。
単純に空耳伝言ゲームに留めず、料理名を個々のシェフが特定した後、全シェフによる食材探しが始まったり、役柄ごとで忙しさに差を設けることでの意識のずれを作ったりしているとこはうまいなと思います。やることの少ないウエイターはどんどん先に行きたいが、やること多いシェフはそうもいかず、そして、その忙しさに大きく差がある2つの役職は直接やり取りできず、給仕長経由でしかコミュニケーションできないと、どうやってもてんやわんやになるという仕掛けです。
知っている国の料理にあたると、あ!これか!となりますし、全く知らない国の知らない料理でも、よくわからないが、XXXというピーナッツを使った料理があるのかとはなりますしで、そういう、知っていることが突然出てくる楽しさ、知らないことを知る楽しさもありはします。

(50ページもある付録冊子もついてますがフランス語で全くわからないので、少なくとも英語版が出てくれたらなあとは思いますが)
僕は封印されている高難易度ミッションにも早く挑戦したいのですが、つきあってくれる人がいるか(わちゃわちゃで楽しいで2,30戦つきあってもらうのは難しいのではないかと)が目下の問題です。