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パシフィックレイルズインク / Pacific Rails Inc

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(4人でインスト込み2時間程度)

【概要&ルール】

平野を切り開き、トンネルを掘り、鉄橋を渡し、金持ちに金を渡してアメリカ大陸の東海岸から西海岸まで鉄道を通せ!

どんどんどんとアクションが連鎖していくワーカープレイスメントゲームです。
終了条件を満たすまで、手番に1つのワーカーをボード上に配置するか、ボード上から除去してアクションを行います。

メインボード上に3×3のアクションが配置されており、プレイヤーはそのアクション間にワーカーが1つおけるスペースが描かれています。そのスペースにワーカーを配置する、または配置済のワーカーを手元に戻すことで、スペースに隣接するアクションのどちかを実行できます。
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(こんな感じでワーカーを配置します)

アクションは、大きく以下の4種類があります。
・資源を獲得する:鉄、木材、火薬、コインのいずれかの資源を獲得します(資源ごとにアクションスペースが異なります)。資源獲得時、個人ボードの状況に応じて追加で資源がもらえます。資源獲得後、資源の種類に応じてボーナスアクションが実行できます(獲得資源が鉄なら木材を消費して資源獲得のアクションスペースに小屋を建てる等)。

・スペシャリストの能力を使う:エンジニア等、4種類のスペシャリストのいずれかの能力を使います(スペシャリストごとにアクションスペースが異なります)。アクション内容は、鉄、火薬、木材を消費して、平野の線路、トンネル線路、鉄橋線路を獲得するか、コインを消費して資本家アクションを実行するかです。
この後、自分の手元にあるスペシャリストも発動します。

・スペシャリストを雇う:ボードに示された資源を払ってスペシャリストを雇用し、手元の車両の空きスペースに配置します。

・線路を配置する:メインボード上の自分の機関車コマを新しい町に移動させるよう手元からタイルを盤面に配置します。新しい町に到達したら、手元から小屋(駅舎)か電信を配置します。配置したタイル数に応じて得点します。

こうして、いずれかのプレイヤーによってボードの左右(アメリカ大陸の東海岸、西海岸)が線路でつながったらゲーム終了です(線路は全プレイヤー共有なので、誰かが途中までつなげた線路を別の誰かがくっつけたとかで終わります)。
この時、終了トリガーをきったプレイヤーにはボーナス点が入ります。

●終了時の得点
メインボード上に配置した小屋(駅舎)+電信の数に応じたボーナス点と、ゲーム開始時にランダムに選ばれる目標(一番木材を持っている等)からの点、余った線路タイルに応じた点を得て、最も点数の高いプレイヤーが勝利します。

●アクション実行時の特殊な状況について
アクションを行う際、選択したアクションに自コマが隣接していた場合、“重複”として、ボーナスアクション(基本的にアクション+1回)が行えます。
また、行いたいアクションに隣接するアクションスペースが全く空いていない場合、アクションそのものにワーカーを配置して、アクションを行うことができます。この時、周りに置かれていた全てのワーカーは持ち主のプレイヤーの手元に戻され、また、カウボーイハット(アクション実行時に支払うと“重複”と同じ効果)を得ます。

【プレイ内容】

あすまーさん、あらいさん、しゅだっちさん、僕の4人で。

僕は2人プレイを1度遊んだことがあり、2回目です。初回プレイ時は「お、長い線路作れるぞ」と適当に線路を延ばしたら、その次の相手手番で「いいのかなーと思ってみてました」と、3タイルくらいで東西結ぶ線路を引かれてボーナス点(かなり大きい)は取られて、大差で負けたので、うっかりに気を付けて!とインストしました。

まあ、当然、そうなるゲームだと思ってましたみたいな反応で、「あ、そそそそうですか」な感じでしたが。

基本的なゲームの流れは以下の3段階です。

資源を獲得する
→資源を線路タイルに変換する
→線路を敷いて機関車を進める(得点行動)

線路タイルはメインボード上の地形(平地、山、川)に応じて3種類(普通の線路、トンネル、鉄橋)あり、それぞれ変換元の資源が異なります。
機関車を進めるには、次の町までの間にある地形とあわせて線路タイルを手に入れておかないとならない(町までの間に、平地、平地、山と地形があるなら、普通の線路×2、トンネル1ともっていないとダメ。町と町の間で止まることはできません)

スタート地点の町は全プレイヤー異なっており、次の町までの地形も異なっているはずなんですが、迷わず普通の線路に必要になる鉄を取りに行く皆さん。

皆さんが鉄を取りに行ったのは必要な線路以外に理由があります。

このゲーム、ほぼ全てのアクションに“おまけ”がつきます。
鉄を取りに行くアクションなら、木材を支払うことで小屋をいずれかの資源獲得アクションスペースに建てることができます。小屋の効果は建てたアクションに対応したもらえる資源+1、さらに小屋を個人ボードからメインボードに移すのですがこの時にどかした場所に対応した資源の獲得アクションで資源+1になります。つまり、資源+2です(別々の資源にしても良いので、+1&+1でもあります)。さらにさらにゲーム終了時の建築済の建物数のカウント対象なので、序盤にはかなり良い“おまけ”です。

他の資源(木材、火薬、コイン)がもらえるアクションにも“おまけ”はついてるんですが、線路が到達済の町に駅舎や電信を配置したり、車両にアップグレードタイルを置いたりと、スタート時点では発動自体しないものしかありません。

資源獲得のスペースはメインボードの4隅にあるので、鉄獲得のアクションができるスペースは2カ所しかなく、1番手、2番手で埋まったので、3番手のあらいさん、4番手の僕は異なる手を打つ必要があります(一応、アクションスペース自体にワーカーを配置するという手はあります。ありますが、アクション数+1効果のカウボーイハットを序盤にあげてしまうのもなあということで別の手を模索します。

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(始まってひと通りワーカーおいたあたり)

僕の選択は、スタート時点の資源を使って、さっさと次の町に線路をつなぐこと。
線路タイルの獲得(資源からの変換)や資産家などスペシャリストを使うアクションを選ぶと、おまけで、車両に乗っている自分のスペシャリストも起動します。この『車両』の獲得条件が、「新しい町に線路をつなぐこと」なのです(3つ目の町まで車両は獲得でき、全部で3両手に入ります)。
通常ならスペシャリストは雇用するためのアクションが必要ですが、1両目の時だけおまけでついてきます。

僕の選んだスペシャリストは資産家です。資源を線路に変換するスペシャリストでもよかったのですが、資産家はコインを消費して、その他の資源を2つ獲得する能力を持っているので、この資産家の後で線路変換のスペシャリストを雇った方がよいと判断しました。
さらに、この車両にコインを1つ獲得するアップグレードをつけます。

“アップグレード”という名ですが、実質的には各車両の1人目のスペシャリストを起動する前に指定された資源をもらえる効果です(1両目は1つ、2両目は資源2種を1つずつ、3両目は全資源を1つずつもらえる効果になってます)。

これで、ボード上のスペシャリスト効果のアクションを行えば、コインを獲得して、そのコインを使うことで資産家アクションを起動するというつながりができました。

が、この時に軽くポカもしていました。前述の通り、新しい町に線路をつなげば車両が獲得できます。2両目、3両目を獲得するには2つめ、3つめの町に線路をつなげて機関車を進めないとならなかったので、そこに進むための線路タイルが必要で、僕は平野用とトンネルの2種が必要でした。そのために初期資源の火薬はトンネル線路に変換しないとなと思っていたにもかかわらず、うっかりアップグレード獲得に使ってしまってたのです。

お、ちょうど都合よく火薬があるぞ!とか思って、深く考えずにプレイしてしまいました。

そんなわけで、火薬獲得→火薬をトンネル線路に変換するスペシャリストのアクションを実施する必要がある…んですが、火薬獲得のアクションのためのスペースが空きません。わざわざ人をどかしてまでやらんでもなあ…と、スペースの空いている鉄をとって、平野用の線路に変えてかやってました。これは、鉄獲得のアクションの“おまけ”の小屋建設がしたかったからでもあるんですが、今やらなくてもよかったですね…。

その間にみなさん線路敷設ラッシュ。1つ目だけでなく2つ目、3つ目とどんどん線路を延ばし、機関車を進めます。

このゲーム、線路は共有なので自分の機関車が遅れていても他人の線路を使って、最後にちょこっと線路を敷いて東西接続達成!とやることはできます。できるんですが、その間に通った他人の建物分、そのプレイヤーに点数が入ります。
なので、できるだけ他人より前に前に線路を敷いて、町に建物を置いておくのは重要です。

とはいえ、トンネルがなければ僕は進めないので、みなさんが先に進むのを指をくわえて見守ります。
ようやく火薬を手に入れて、トンネルに変換するスペシャリストのアクションを実施! この時も資産家は起動するので、資源を手に入れて、次にまたスペシャリストのアクションを選択できるようにします。なんか回り始めました!

2つめ、3つ目の町に線路をつなぎ、駅ではなく電信を建てます。駅を建てるのも個人ボードから小屋タイルをどかすことになるので、選択した資源の生産量が増えるのですが、この頃には、自分が優先しようとした資源の生産量は初期の1から、3とか4になっていたので、清泉寮増やすのはもういいかなと。電信は即点です。1つめなら1点、2つめ2点、…で、7つ目まで建てられます。

先ほど資産家でもらった資源もありますし、生産量も増えているので、資源獲得アクションを行えば一気に資源を獲得できます(上限はありますが)。
が、資源を線路に変換するためのアクション数が足りません。これは、車両にスペシャリストを配置することで解決します。2両目にいるスペシャリストは資源があるなら最高2回起動、3両目なら3回起動です。各車両には2人ずつ配置できるので、最大で12資源を一気に線路タイルに変換できるわけです。

まあ、それは夢物語としても何にせよ線路への変換力が足りません。そんなわけで、しゃがんで資源→線路ではなく、資源→スペシャリストの雇用にあてます。

もちろんこのしゃがんでいる間に、他のプレイヤーが線路を進めてしまうという危惧もあったんですが、線路敷設のアクションに隣接する4つのアクションスペースは僕としゅだっちさんのワーカーががっちりブロック。他のことをされてはいかがかしらとなってます。
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(僕としゅだっちさんの緑と黄色のワーカーで中央にある線路敷設のアクションをがっつりブロック!)

しかし、手が止まるわけではないので、みなさん、小屋を建てて資源獲得量を増やしたり、次に備えて資源を貯めたり、僕と同じようにスペシャリストを雇用されたりしてました。

もちろんアクションそのものにワーカーを置いてアクションを行うことはできますが、
・他人にカウボーイハット(アクション+1効果)を与えてしまう
・アクションスペースに置かれているわけではないので、“重複”の対象にならない
など、まあ、あまりやりたくありません。

それでも、

あすまーさん:「火薬欲しいんだけどスペース埋まってるじゃん!」
埋めてる僕としゅだっちさん:「(アクションそのものに置いて)ワーカーふっとばせばいいのでは?」
あらいさん:「(火薬が欲しい&あすまーさんの下家なので、あすまーさんがワーカーをふっとばせば自分がおける)いいですね」
あすまーさん:「やだよ!」

(1周手番が回っても、スペースが空く気配がなかったので、結局、ふっとばされてました)

などと、ワカプレらしい絞り合いと、それに起因するすったもんだもありつつ。

そんなうちに僕はスペシャリストの雇用も終わり、資源を獲得→スペシャリスト起動で線路に変換です。
といっても僕は実は2両目にも資産家を配置していて、変換系のスペシャリストはそこまででもなかったんですが。
それでも、資産家アクションは色んな事ができるので便利で、資源を獲得したり、小屋を建てたり、ボード上に電信を配置したりと、状況に応じて有利にゲームを進めることができました。
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(うちの列車。スペシャリストはまだ乗せられますが、たぶんこれでアクション数は十分と判断しました)

資産家アクションをしすぎると、“資産家アクションのリセット”のアクションで、使用された資産家アクション数×1点を取られてしまうので、まあ、良し悪しではあったんですが(資産家しまくった後で、自分でリセットアクションもやっちまおうと思っていた)。

しゅだっちさん、あすまーさんも資産家を車両に配置して、コインの生産量を増やして…と、資産家アクションライバルになりそうだったんですが、コインの生産量増加がやや遅れていらっしゃる様子。

僕は線路を4つ目、5つ目の町につないで、さらに電信を配置。
この時点で、一番町への接続がおおく、かつ、電信の配置数も一番です。
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(かなり線路が互いに近づいてきてます)

こりゃあ、ひだりさん勝ってるでしょ。でも止められるわけでもないから終わらせるねと、僕が西から進めた町まで東から機関車をあすまーさんが持ってきて、さくっと終了。電信の配置数が効いて勝つことができました。
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(真ん中がつながってゲーム終了!)

実は電信を配置し始めた時から意識していたのですが、このゲーム、資源の獲得量もぐんぐん増えますし、スペシャリストの起動回数が2回、3回と増えるため、中盤から一気に終わります。
2回目なのでゲームの終了までのスピードがわかっていた分、めっちゃ有利だったんで、勝てたのはそのせいかなと。

【感想】

拡大度合いがどんどんどーんとでかく、スペシャリストや“重複”、“おまけ”のおかげで手番のアクション数がどんどん増えていく、加速度のでかいゲームです。
そこももちろん気持ちよいのですが、僕が思う面白さのベースは、諸々のゆるさからくる遊びやすさと、そのゆるさをどこまで締めるか、制御できるかという部分のコントロールです。

メインのワカプレ部分もワーカーをアクションに配置するのではなく、隣接するスペースに配置するため、1アクションに対して2~4のワーカーが配置できますし、さらに配置済のワーカーを手元に戻す際にもアクションが実施できるので、普通のワカプレよりも他人と被ったとしてもアクションは実施しやすいです。最終手段として、アクション自体に配置するという手もあります。
このゆるさが、単に1アクションへ複数配置できるということではなく、隣接するスペースに配置するというやり方で実現されているので、意図せずに(もちろん意図しても)隣のアクションも占有するというゆるやかな締め付けが発生します。

ラウンド制のゲームによくある“ワーカーのリセット”がないので、おきっぱなしにもできてしまい、これが
・いつでも戻すことによるアクション発動ができるので、配置済の人にとって見れば計画が立てやすい
・配置してない人からすれば、ずっとそのアクションが埋まっている(ブロックできている)
・ブロック解除したくないけど、ワーカーが足りないので戻さないとならない
というゆるさと厳しさ、さらに(自分勝手な)ジレンマなどの効果を生んでいます。

この1つのことで何個も意味が発生する仕組みはすごくゲーマー受けする気がします。

このゲームのゆるさをいえば、獲得資源の増加量が過剰!各アクションにおまけがついてくる!などあるんですが、どちらも、結局、持てあますことなく使いこなせるのか?につながります。
このゲーム、全てのアクションにおまけがついてくるものの、おまけでも資源が必要、かつ、資源獲得アクションのおまけ及びそこに隣接するアクションは、そこで手に入る資源ではない、他の資源が必要だったりします。
要は、このアクションのおまけを使うために、こちらの資源を用意しないとダメ、ただ、その資源を手に入れるアクションのおまけに必要な資源は、あちら…ときりがありません。

んじゃ、これはどうすればうまくこなせるの?というと、以前、獲得した資源の余剰分を残しておけば良い、ということです。が、まあ、そんなうまくできるわけないので、どこで諦めるかというゲームでもあります。

拡大度合いが大きいと書きましたが、そう!大きくないと過剰な資源の受け皿としても成り立たないんで、むしろ、こんなに資源もらってるんだから、早く拡大しないと!ってなることの方が多いです(資源獲得量の方が伸ばしやすいので)。そして、当然、アクション増やしすぎて資源が…ってなるわけですが。

この辺は資源とアクション量のバランスをコントロールできた方がよさそうというだけで、むしろ過剰な量が供給されることによる遊びやすさのメリットの方がでかいと思ってます(余程線路置きが遅れない限り資源の所持数上限には余裕があるはずです)。

そして、資源とアクションのコントロールもすべては結局、必要な線路を効率よく用意して配置できるのかにつながっています。必要な線路は意地が悪く、何かしらの種類に特化していては、全然先まで進めません。
目先に必要になる線路を細かく用意してもいいんですが、多少の余剰がうまれようと大雑把にトンネルが2ついる?資源とアクション増やしながら獲得したら5つ手に入ったわ!みたいな豪快さで拡大と複数種類を用意する(=複数の種類のアクションを行う)ことを並列させるところにこのゲームの苦しさと楽しさがあります。

ゲームの終了トリガーである大陸横断鉄道の完成は、本当に唐突に訪れます。町を細かくつないでいたつもりが、あ、5,6マスで東西つながるわみたいなことがぽっと訪れます。

拡大させつつ、複数種類のアクションを行いつつ、突然終わるゲームにちょうどいいところまでしか行わない。
過剰さの中でちゃんと終わりどころを見極めて進むのが大事、かつ、面白いゲームでした。

下手に資源がたくさん手に入るので、アクション数を強化する前に少しずつ資源を使うようなプレイングをしちゃう、逆にアクション数が過剰になる等、アクションと獲得資源間のバランスを意識しないと取れないかもしれません。
たぶん、そのバランス取りの手助けのために、1種のアクションで複数の効果が得られる資産家アクションがあるんだとは思うものの、ちょっと便利すぎる気はします。前述の通り、ワーカーでしぼれる作りなので、どこか1つのアクションが強い、弱いというのは微妙かなあと。とはいえ、全部同じようなアクションばかり並んでいても淡白すぎたかもしれないので、資産家便利ですよというプレイヤー間で認識をあわせて遊ぶようにすればいいんでしょうが。

キャット・イン・ザ・ボックス / Cat in the box

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(インスト込み4人で1時間ほど)

【概要&ルール】

この世の中は4色でできている。同じ色で同じ数字のものはないよ。でも、同じ数のカードが5枚もあるよ。不思議だね。

ベースはマストフォローのトリックテイキングゲームです。

カードを配り切った後で、このゲームで何勝できるか1~3の間で各プレイヤーが宣言します。その後、各プレイヤーが1枚ずつカードを捨てて、ゲーム開始となります(捨てると勝利数宣言は順番逆だったかも)。

リードプレイヤーのプレイしたのと同じスートの中で最も大きい数字をプレイしたプレイヤーがトリックを取り、これを手札が1枚になるまで規定回数繰り返した後、得点計算を行います。
(僕が遊んだ時はこれを人数分繰り返したんですが、正しいルールは確認していません)

●カードをプレイする時にいくつか特徴があります。
・カードのスート(色)を宣言する。
→手札には数字しか書かれておらず、スートは決まっていません。プレイ時に、スートを宣言し、自分のトークンを場の中央にあるボードの該当の場所(数字とスートの一覧なので、宣言した場所(黄色の4とか))に置きます。
 この時、既にトークンが置かれている場所の宣言はできません(黄色の4が埋まっていれば、黄色の他の数字にするか、4であれば、他のスートを宣言しないとなりません)

※ベースがマストフォローなので、基本的には同じスートを宣言しないとなりません。「そのスートのカードを持っていません」と宣言することで、リードスートと異なるスートのカードが出せるようになります。

・赤スートプレイ時の制限
→赤スートは必ず切り札ですが、1枚目は別スートで同じ数字が出ていないとプレイできません

・パラドックスの発生
→既に宣言済のカードしかプレイできない(手札が2と1しかないのに、ボード上で全スートの2と1が既に埋まっている 等)場合、「パラドックスが発生した」ことになり、そのトリックは中断し、手札が残っていてもゲームも終了して得点計算に移ります。

●得点計算
獲得したトリック数=得点になります。
また、勝利数宣言とピッタリ同じだけトリックを獲得していた場合、ボード上で隣接している自分のトークンの最大数が得点として追加されます。
パラドックスを起こしたプレイヤーは、獲得していたトリック数分マイナス点になります。

【プレイ内容】

あすまーさん、酒元さん、タロ吉さん、僕の4人で。

宣言ボードは両面仕様ですが、初回推奨の面で。

プレイしないとスートが決まらないというところが言葉で伝わりにくく、こういうこと?こういうこと?と確認しながらのインストも終わってゲーム開始です。

じゃんけんに勝ったので1ゲーム目の1トリックのリードプレイヤーになったものの、どうプレイすればいいのかイマイチわかりません。

ちなみに僕の手札は、「876443221」(何を捨てたかは忘れました)。3勝を宣言してます。
勝利数の宣言は、タロ吉さんも3勝、あすまーさんと酒元さんは2勝なので、8トリックしか行わないのに合計10勝も宣言されています(今思うと僕の3勝はかなり強気で、もう少し弱気でも良かったです)。

8,7で1勝ずつ取っておきたいところですが、8を出しても、赤の8と宣言されたら負けてしまうので、ちょっと出しにくいです。7も8出されれば負けるので、以下略です。

みんな様子見でなんとかならんかな?と、「黄色の6」でスタート。
黄色の8を出せば勝てるので、出してくるかな?と思っていたのですが、酒元さん、タロ吉さんとも小さい数字で黄色を宣言します。あれ?と思っていたところ、あすまーさんが「黄色の7」宣言でこのトリックを獲得。
酒元さん、タロ吉さんもいきなり赤を出されるリスクを考えていたのかもしれません。

そして、次トリック。あすまーさんが「青の3」をリード。

ここで青のスートを宣言しても良かったのですが、適当に宣言したものの3勝は結構大変だぞと気づき、思いきって、

「青は持っていません!赤の3です!」

と切り札スートを宣言します。酒元さん、タロ吉さんはまたまた小さめの数字を宣言(スートは青でしたが)。
どうもトークンを隣接させることを優先している模様です。
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これで8を出せるようになったので、切り札である赤の8をリードして2勝目。運よく赤の7の宣言もでなかったので、赤の7をリードして、これで3勝。宣言達成です。
あとは、点数をよりのばせるようトークンを隣接できるようにプレイしていけばいいんですが、残り手札は「44221」。
この時点でタロ吉さんが2を既に3枚プレイしており、あと1枚しかプレイできません。しかし、どうやっても2が1枚は残りますし、もう全ての2は僕の手札にあるので、逆に考えれば2枚の2のうち1枚は確実にプレイできます。なので、急いでプレイすべきは4です。

もうここからは1枚1枚のプレイがくっそ重く、めっちゃどきどきして、綱渡りしているような気分でした。

この時点であすまーさん1勝、僕が3勝で残り4トリックなので、みなさん勝ちに来る=上の方の数字を出してくる可能性は高いものの、赤スートは全ての数字が出ており、青スートを僕は「もう持ってない」ので、黄色と緑のどちらかの4が埋まったら、4も出せなくなってパラドックス確定です。

頼むから4出すなー4出すなーと祈りながらプレイです。

とりあえず僕のリードで1枚を黄色の4をプレイした後、あと1枚の4をかかえてドキドキしていた時に、酒元さんが青の4をプレイされたりして、あぶねーあぶねーとなったり。
次のトリックで指定されたのは黄色。1は空いているので黄色の1を宣言するか、それとも、4を処分するか…。

悩んだ挙句、「黄色持っていません!」と宣言して、緑の4として4をプレイしました。
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(黄色も青も持ってません!)

これで残りは221。

2は出せることが確定しているので、1がだせるかどうか…。

ここでリードプレイヤーのタロ吉さんがプレイしたのは、1のカード!
何色か!?!!

タロ吉さん:「黄色の1です」

あぶねえ! でも黄色は持っていないので、別スートも出せる。タロ吉さんの下家のあすまーさん、1をださないでーと願いながらあすまーさんのプレイを待ちます。結果、無事に緑の1は空いたまま僕の手番がまわってきて、見事出し切ることができました。

この時のゲームは誰もパラドックスを起こすことなく終わり。僕は獲得トリックの3点と、隣接するトークン数が2つなので、+2点で5点とったんですが、

タロ吉さん:「8点です」

えええっとどよめく場。タロ吉さんはなんとトークンを5つ隣接させてたのでした。

僕:「あー、だから黄色の1だったのか。僕が黄色と青持ってない宣言してたんだから、緑の1を出せば僕がパラドックスだったかもしれないのに」
タロ吉さん「1点を優先してみました」

これは面白いですねと2ゲーム目、3ゲーム目と続けましたが、1ゲーム目、よく全員出し切りで終わったなと思うくらいに残り2,3トリックのあたりでパラドックスが起こります。8トリックあるといっても、最後までやらずに終わることを考えると早めに仕掛けた方がよいのかもしれません(宣言トリック数獲得済でないと、隣接トークンが点にならないため、結構点数が変わります)
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(何戦目かのカードプレイ状況。hのトークンは僕のもので、 ほとんど隣接してないですが、みなさん隣接させるのお上手です。特にpのタロ吉さんはほぼほぼ隣接してるというすごさ!(このゲームはタロ吉さんのパラドックスで終わったんですが))

いきなりそのスートは持っていない宣言は、パラドックスを起こしやすくなって、かなりリスキーなので初手8はかなり有用というのもわかってきたところで、ラスト4ゲーム目開始です。

パラドックスの怖さはわかっているつもりですが、手札的にあまりトークンを隣接させることが出来な想だったので、3勝を宣言して、強気に行くことにします。

僕の手札には8が2枚あるので、そこまで3勝は難しくなさそうではあるんですが…。

リードプレイヤーのあすまーさんが青の8を最初にプレイしてトリックを獲得。続けて黄色のカードをプレイします。

これで黄色の8…と言いかけたのですが、みなさんの手札の中にはまだ8が2枚あります(全体に5枚あり、これまでに所在が分かっているのはプレイ済1枚、僕の手札2枚)。黄色の8を赤の8でカットされるリスクがあり、3勝を目指している僕にとって、8で1勝とれなくなるのは大変痛いです。

どうする…?と大変迷ったのですが。

僕:「黄色持ってません! 赤の8です!」

これで黄色の8カ所分にトークンを置く権利をなくしました。3勝は狙い通りできたのですが…、
僕:「やべー、早く終わって~。まだ出せる可能性あるけど、終わって~」
タロ吉さん:「あー、次くらいにパラドックスかも…」

とみんな(主に僕とタロ吉さん)がやべーやべーといってる中、ラスト2トリックの場面。

あすまーさん:「青の4」
僕:(しばらく無言の後、カードを伏せてテーブルに置き)「パラドックスです…」
タロ吉さん:「手番きてたらアウトでしたー。やったー!」

僕はマイナスをくらい13点でしたが、みなさんマイナス点くらったり、宣言トリックをとれてなかったりで点が伸びておらず、逃げ切ることができました。
(タロ吉さんとの点差は3点だったので、1戦目で1点ではなく、僕のパラドックスを狙っていればタロ吉さんが勝ってたんですが、これは結果論で、初回プレイでいきなりそこまで狙うのは難しいと思います)

【感想】

ボードゲームの楽しいところの大きな1つとして、「どうすれば勝てるか考える」ところがあります。
そして、つまらないところの大きな1つとして、「どうやっても勝てないのに最後までゲームに付き合わないとならない」というのもあるかと思います。

キャットインザボックスでは、スートがプレイするまで決まっていないため、常に“その場の状況で最高の手札の状態”でゲームに臨むことができるので、上記の楽しいところが長いこと続き、つまらないところは短くなるという仕組みがあります。
(完全にランダムに手札を配るゲームでは、どうしようもない手札になることはどうしてもあり、回数を繰り返すことで解決してたりもしますが、このゲームではそんなことはありません)

今はこの8は青にすれば…、あ、Aさんがそうするなら、こっちのカードを黄色にすれば…と場の状況に応じて考えられる余裕があるというか、ゲームの進行度合いに対して長く、その状況が続きます。

得点システムも効いていて、トークンを隣接させると点が伸びる要素があるため、“勝つ”というのが、必ずしもトリックを取るということでもないというのも、上記の勝ちを考える楽しさの幅だし、継続する要因になっています。

そういう意味で「ずっと勝ちを考えられるゲーム」で、そこが面白さのポイントの1点目だと思います。

面白さのポイントの2点目はギャンブル性です。

パラドックスによる脱落(ゲーム終了)の条件がゆるいようで案外厳しいバランスにされているせいなのですが、ゲーム開始時に全員が1枚を捨てる際の選択が被っていたらパラドックス確定しますし、ゲーム中の「この色のスートは持っていない」宣言のタイミングと手札状況によっては必ず発生します。

このため、XXだから大丈夫という確信を持てることはないので、(余裕のあるゲーム前半はともかく)中盤位からは、いつ他人のプレイによって自分のパラドックスが確定するか、出し切れなくなるか、常にドキドキしながらのプレイになります。
このドキドキ感こそが、出し切った時、他人が先にパラドックスを起こした時の快感につながっていて、やばいです。

トリックテイキングをしてるはずが、黒ひげ危機一髪(※)的な手に汗握るギャンブル性の高いゲームを遊んでるわけです。
※こちらは当たってとび出たら勝ちなんですが、さておき。

しかも、この絶対に安全ということはない、というのが、逆に決断のしやすさにもつながっています。絶対的な安全地帯を捨てて勝負に出るか、出ないかという選択ではなく、リスク高めるか高めないかの選択なので、どっちにしろリスクがあるなら…と思い切りやすいです。
そして、このリスクを高める選択=「このスートは持っていません!」宣言なわけで、このリスクをとって勝ちに行く!感もまたたまりません。

楽しさ、面白さの幅の広さ、継続度合いと、常についてくるどきどき具合とかなり楽しいゲームであることは間違いないのですが、やはり「スートはプレイするまで確定しない」というこのゲームの肝を口頭の説明だけで伝えるのが若干難しいということだけが欠点かなと思います。
それでも、マストフォローのトリックテイキングという、シンプルなルールをベースにしているのでまだ伝わりやすい方なのではないかと思います。
マストフォローのトリテは、パズル性が高いので、そのプレイのポイント、勝つ方法と勝ちにいく方法など、考えやすく、また、考え甲斐があるゲームなので、ベースに選んだのは素晴らしいと思います。
(プレイするまで不確定にすることで、常に勝ちを狙いに行けるというのは本当に優れた仕組みなので、来年以降、似たようなベースを別ゲームにして、プレイするまで不確定の仕組みをいれた別ゲームがいくつか出てくるように思っているんですが、マストフォローのトリテを超えるのはそうそうないのではないかと)
プロフィール

ひだり

Author:ひだり
川崎市で相方や友人たちとボドゲやってます。

オールタイムベストは、
・グローリー・トゥ・ローマ
・バサリ
・インペリアル
・アフター・ザ・フラッド
・ゴッズプレイグラウンド
・HABA社製品 全般

推理ゲーム好きだけど↑には入ってないという
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連絡先:hidarigray@gmail.com
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