オールモスト・イノセント / Almost Innocent

(5人でインスト込み45分ほど)
【概要&ルール】
皇帝の冠がなくなった! あなたたちのグループはそれを見つけるために集まったが、何故か補完事件にも巻き込まれる。それぞれが目撃した事件について正しい情報を伝えられるよう情報を整理していこう。
プレイヤーそれぞれが解くべき事件を持ち、全員が正解したら勝利!な推理ゲームです。
ゲーム開始時に、犯人、被害者、場所、動機、証拠について、ランダムに1枚ずつ各プレイヤーに配られます。これが、左隣のプレイヤーが解くべき事件の解答になります。
プレイヤーは手番に、ボードの縦横のいずれか1列/1行を選択した上で、以下の2つの質問のいずれかを右隣のプレイヤー(答え知ってる人)に行います。
1.解答がいくつ存在しているか。(数を教えてもらえる)
2.解答(犯人、被害者、場所、犯罪、証拠)のいずれか指定の1つが存在しているか
手番プレイヤーが行った質問は、全プレイヤーが右隣のプレイヤーに行います。
(質問→答えるが1周します)
難易度とシナリオによって決まった質問回数を消費するか、全員が答えがわかったら回答フェイズに進みます。
〇回答フェイズ
時計回りに犯人、被害者、犯罪、証拠、場所の順に1種ずつを全員が回答していきます。不正解の場合、ライフが減り、ライフがない状態で間違ったら敗北、敗北せずに全員が正解を全種答えることができれば勝利です。
〇シナリオについて
シナリオブックがあり、そのゲームで使うカードの種類やボード、特殊能力、お邪魔キャラ、難易度に応じた質問回数や間違えられるライフ数などが指定されています(もちろんストーリーもあります)。
【プレイ内容】
あすまーさん、一味さん、キノさん、ちがさん、僕の5人で。
全員初プレイです。
とりあえず初回ということでシナリオ1をプレイ。
『町やってきた俺たち!皇帝の冠について聞き込みをしてたら眠り薬を飲まされたのか、眠ってしまいひどい頭痛とともに目を覚ましたところに、ところで昨夜起きた事件について目撃してないかい?と聞かれて、事件解決を手伝うことに…』って事件本筋と関係ないというか、ゲームにつなげるのぎこちなさ過ぎませんか。
と思いつつも、あまり気にせずにゲーム開始です。
このシナリオでは、犯人は当てる必要はなく、被害者、犯罪、場所、証拠の4種を全員が当てれば勝利です。
ボードは12種類(両面異なる6枚)が用意されており、大きさは変わりませんが、6×6のマスの中にどのように対象が書かれているかで難易度が調整されているようです。
このシナリオ1用のものは犯人(6候補)がでてこないこともあり、6×6の36マスの内、12マスはゲーム開始時から会頭候補の対象外です。
更に隣の人の解答も自分の解答にはなりえないので、20マスの中から自分にとっての正解の4つ(被害者、犯罪、場所、証拠)を当てれば良いです。
シナリオ1だし、約半分が候補外なのでこれは楽勝かなーと思いもしますが、なにぶん全員初プレイでようわかりません。
一味さん:「わかった!」
いやいや早すぎでしょうと思いましたが、どう質問すれば良いかわかったとのこと。
自分の答えを知るための質問は最初は手掛かりがほぼないので聞きづらいですが、全員同じ質問がくるっとまわるので、自分が持っている解答を効率よく伝える質問は思いつきやすいということ。
なるほどなー。
そこからは淡々と質問タイムです。
「Cの列にいくつ正解がありますか?」
「2つ」「0」「0」「2つ」「0」
みたいな感じで進んでいきます。
ゼロと言われた際に、全部候補から除外できるのはすぐにわかるんですが、「2つ」とか「1つ」と言われた際に、どれが正解か絞るのがなかなかできません。
答えの種類を指定して聞く質問にすれば特定はできそうですが、数を聞く質問と比べて役に立たない答えが返ってくる人が多い気がして、使うのをためらってしまいます。
そんな中、数の質問に「2つ」「2つ」(他はゼロ)と返ってきたのに対して、あすまーさんが「わかった!」と。
どうも、隣の人の解答を持っている列に自分の解答も被っていたようです。

この画像で、例えば、1の列は犯罪2つ、場所2つが書かれていて、他はカラです。ここで、「2つ」と教えてもらえても通常は犯罪と場所の組み合わせまではわかりません。しかし、自分が持っている隣の人の解答が、1の列の犯罪と場所のどちらかであれば、「2つ」と言われたら、残った組になることはわかります。
そんなラッキーなこともあるんだなあと。
(今回は難易度を普通で遊んでますんで、どの答えがわかっているのかは他人に知らせることはできません。なので厳密にはこのわかった!はアウトなんですが、まあ、意図的でないし直接の言ってるわけでもないのでセーフ!で)
そしてその後もゲームは進み、質問回数を使い切って、いよいよ回答タイムに。
僕、ちがさん、キノさん:「まだわかってない」

(ここでの僕のメモは↑の通り)
僕:「あ、わかってた!わかった!」
↑のメモとその上のボードをよく照らし合わせて見て貰えばわかるんですが、この時点の情報量でわかってたことが発覚。
あすまーさん、一味さん、僕の3人は全部わかり、ちがさん、キノさんは一部2択や3択が残っている模様です。
このゲームの回答フェイズは特定種類(犯罪とか)の回答を時計回りに発表し、解答を持ってる隣の人が判定していくという方式なので、
キノさん:「他の人の答えでたぶん絞れるでしょ」
ということになります。仮に間違えるとライフが減り、ライフがない状態で間違えると敗北です。
スタートプレイヤーの一味さんから時計回りに答えていくと、
キノさん:「案外絞れないまま回ってきたな(笑)」
ここでライフはひとつ失いましたが、間違えたことで答えを特定でき、その後は順調に正解を続けて勝利。
最初のシナリオだし楽勝だろうと思ってたらそれなりに大変でした。
このまま次のシナリオにと思いましたが、一気にキャラの特殊効果が使えるシナリオ2-1までスキップ!
このシナリオでは、2人のキャラが能力を使えます。キャラが、と言っても全員共用で話し合ってタイミングや誰に使うか選べます。今回はわかりやすく、衝立にそのキャラが書いてある人が使おうということで、一味さんは『ゲームに登場していない答えの3枚を引き、うち1枚は自分だけ、2枚は全員に公開可能』な能力、キノさんは『質問者の答えが範囲内にあるかないか聞ける』能力持ちです。
しかし、質問回数は前のシナリオより少ないですし、回答対象も犯人が加わり、各自が5つ答えないとなりません。
初手で僕の答えを持っている一味さんが、C列を指定し、僕への答えは「3つ」。C列に描かれているのは、被害者1マス、犯罪1マス、場所3マス。これで3つということは、被害者と犯罪は確定! いい質問しますね〜と最高の滑り出し。

(2-1のボード+僕の個人ボード。ちょっとみづらいですがCの列で3つと言われると青枠の被害者と黄枠の犯罪は確定します)
まあ、結局、ここで確定した2つ以外は最終盤まで他の3つは特定できなかったんですが……。
今回も質問回数が尽きるところで、まだ解けてない人を確認、特殊能力をその人たちに使ってもらいます。この特殊能力+ライフがある分間違えられるやつで全員正解に辿り着き、無事クリアできました。

(あんま見た目変わりませんが終了時)
【感想】
ベースになってる推理ゲーム部分は正直古臭いです。数を聞いたり、該当する答えがあるかを聞くシステムは丸っと同じものはなかったかもしれませんが、一問一答で徐々に絞り込んでいくというやつ自体がもっさりしていて、『今風』ではないです。
が、協力ゲームで全員正解を目指すというのが、新しい。
解答間のつながりがなく、答えが独立している推理ゲームはひたすらひとつひとつ確認していくしかなく(他人の質問を利用して演繹的に答えを推理することもできはしますが)、どう質問すればいいかわからない、何を質問するのが1番効率的かわからないなど、プレイングの作業感や楽しい!瞬間があんまないのが欠点でした。
しかし、協力ゲームになったことでゲームの目的が、
・自分の答えを推理する
・自分の持っている答えを隣のプレイヤーに伝える
の2つに増えているので、格段に遊びやすくなってますし、後者の方はこれまであまりなかったかと思いますので、どう工夫して伝えるか自体の面白さもなかなか興味深い感じになってます。
ライフ制なので間違えも勘定に入れて勝利=全員正解を目指すとか、妙にゲーム的なところも含め、純粋な推理ゲームというより、情報をやり取りする協力ゲームとして魅力的なものになってます。
(推理ゲームとしては、今僕が遊んでいる部分では、並くらいの出来かなと)
プレイ内容に書いてませんでしたが、シナリオごとに使うシートも変わり、シート上にどう解答候補が並ぶかで難易度がかなり細かく分けられています。2マスぶち抜きのマスが出てきたり、質問阻害してきたりと、どうゲームに勝つか?という正しい協力ゲームの難易度調整もされているようで、先に進むのが楽しみです。
あと、こういう消去法だったり論理的に答えを導く系のボードゲームって、初期に配られる情報や答えが決まった時点でプレイヤー間で、答えまでの距離、正解するために必要なステップ数って差がついてるんだろうなーと思ってたのが、協力ゲームになったことではっきりと見えたのはなかなか興味深かったです。
推理ゲーム好きだけど、楽しむべきは回答までの過程なんやなーと。
え!もうわかったの!? なんでそんな早くわかる?となってた方々! 実力差じゃなくて、セットアップ運かもしれませんよ!