ミスタージャック ポケット

(2人でインスト込み20分ほど)
【概要】
ロンドンの街にミスタージャックが現れた!探偵は容疑者たちを見張ってジャックを追い詰め、ジャックは探偵たちの目をかいくぐって逃げ延びろ!
【ルール】
もとになったミスタージャックと同じく、各ラウンド終了時にジャックが目撃者あり・無しを探偵側に伝え、それによって9人の候補から絞り込んでいくゲーム。
探偵側は8ラウンド終了時までにジャック候補を1人に絞り込めば勝利。ジャック側は8ラウンド終了時まで複数候補を残すか、砂時計(後述)を6つ以上集めれば勝利です。
ゲームボードは9枚のタイル(というよりもカード?厚紙くらいの厚さです)を組み合わせて作成します。
1枚のタイルには、容疑者がひとりと道が書かれています。道は十字路であったり丁字路だったりします。
そのタイルの周りに3人の探偵(ホームズ+ワトソン+犬)が置かれます。
探偵は外周からタイルに書かれた各路地を見張る形になるわけです。

(テンキーでいう7の左にワトソン、9の上にホームズ、6の右に犬がいます。(9の右のはタイル回転のアクション) この状態ならワトソンが7にいる容疑者、ホームズが9,6,3の容疑者を目撃していることになります(犬は壁で誰も見れず))
ジャックのプレイヤーはアリバイカードを1枚引き、そのカードに描かれたキャラクターがそのゲームのジャックになります。
ゲームは、各ラウンドでアクション、目撃有無の確認を繰り返して進行します。
アクションは奇数ラウンド開始時に探偵側が両面にアクションの描かれたディスクを投げて、そのラウンドにどのアクションが実施できるかを決めます。表に出たアクションのみ実施可能になります。
偶数ラウンドは、その裏面に描かれたアクションが実施可能です。
アクション順は、奇数ラウンドでは「探偵-ジャック-ジャック-探偵」、偶数ラウンドでは「ジャック-探偵-探偵-ジャック」です。
アクションは、探偵の移動(ホームズ、ワトソン、犬、ワイルドカードの4種類)、タイルの回転、タイルの移動(交換)、アリバイカードを引くの4種類があります。
目撃の有無の確認は、探偵3人の視線上にジャックがいるかどうかを、ジャック側が探偵側に伝えます。視線は各探偵から直線で、かつ、壁を通り抜けたりなどはしません。
ジャックの候補から外れた容疑者が描かれたタイルはわかりやすいように裏返します。(たまに裏返す前後で壁がなくなるタイルがあったりもします)
目撃者有りならば探偵側が、無しならばジャック側がそのラウンドで優勢だったとして、砂時計コマを1つ獲得します。
砂時計はアリバイカードにも0~2つずつ描かれており、アリバイカードの入手=探偵側ならジャック側から砂時計を奪う、ジャック側なら砂時計の追加入手ということになります。
【プレイ内容】
探偵とジャックのどちらが有利かはわからなかったので、適当に相方が探偵、僕がジャックで始めました。
目撃者無しであれば、砂時計コマがもらえるので、とりあえずジャックに対して視線が通らないようにアクションを行いましたが、相方の最後のアクションでジャックを視界に入れられたのが裏目に出て、いきなりジャック候補は5人に。
これって視線を通らないようにしつつ、候補を減らさないのって難しいんじゃ?と思いはしましたが、であれば、速攻で終わらせた方が良いと判断し、方針は変えずにジャックは目撃無しに偏らせる方向で進めることにしました。
2ラウンド目はアリバイカードが引けたので、どんどん砂時計をとっていくためにもアリバイカードを引きました。が、描かれた砂時計は0。がっかりしつつも、タイルの回転をうまくつかって、このラウンドでは目撃者無しにしつつ、候補を4人残せました。
3ラウンド目で砂時計コマを、4ラウンド目でアリバイカードから砂時計を1つ手に入れたものの、4ラウンド終了時点でジャック候補は2人にまで絞られました。これは負けたなあと思いつつの5ラウンド目で引いた、アリバイカードには砂時計が2つ! これで砂時計は5つとなりリーチです(候補2人なので、相方もリーチではあるのですが)。
相方がどうアクションを行ってもジャックは目撃されないという状態にして、相方の手番。まあ、妥当にミスもなくふたりの候補を目撃者有り無しに分けるようにアクションを実施したので、ジャックの正体が判明してしまいました。
しかし、僕も目撃者無しなので砂時計コマを獲得し、砂時計6つの勝利条件を満たしました。手順的には相方の方が先に勝利条件を満たしているので、相方の勝ちかとルールを見てみると、『ラウンド終了時、勝利条件をふたりとも満たしている際には、ジャックが目撃者有りの状態にできれば探偵側の勝利、8ラウンド終了まで目撃者無しの状態であればジャックの勝利』とのこと。
逃げ切るの無理じゃないかなと思いつつも6ラウンド目に突入しましたが、僕のアクションの選択ミスで早くも目撃者有りとなり、相方が勝利しました。視線を遮るのならタイル回転を取った方がいいと判断してタイル回転をまず取り、もう1アクションでどうにかしないとと色々考えてみましたが、視線を遮っていた壁をぐるっと探偵がまわってきて目撃されてしまいました。タイル回転ではなくて、探偵移動のアクションを選択していたら、とりあえずこのラウンドは逃げれてたので、残念です。移動先に他の探偵がいた場合、1つ先に移動できるというルールを失念してました。
【感想】
ボード版と比べるとプレイ時間も箱の大きさも非常に手軽ですが、やってることは紛れもなくミスタージャックでした。形は変わっていますが、単純なアクションで相手の行動を縛って2つの分類(目撃有り無し)のどちらかに寄せる、寄せさせないということをお互いにやり合うというところは変わっていません。

(オリジナルとポケット版の大きさ比較。適当な比較対象がなかったのですごろくやのパンフレットをなんとなく横に)
とりあえず、今回のプレイだけではジャック側、探偵側のどちらが有利か不利かは判断付きませんでした。
(ジャックが不利かなとも思っていますが、負けたせいかもしれませんので保留です)
ボード版のミスタージャックと大きく違うのは、ボード版ではひたすら候補を目撃有り無しのふるいにかけていく必要があり、どちらか一方に大きく偏っていた時には探偵は何ら得るものがなかったのに対して、ポケット版では、目撃者有りなのであれば、砂時計コマというジャック側の勝利条件の1つになっているものを手に入れることができるという点と、ジャックを捕まえる必要はないという点でしょうか。
もちろん、候補の絞り込みをせずに8ラウンド経過すればジャックの勝ちになるので、ずっと偏らせているわけにもいきませんが、極端な話、1ラウンドにひとりずつでも候補外にしていけば、探偵側は勝てるので、今回の僕をふまえていうと、ジャック側は砂時計6つ集めての勝利を狙いたくなります。
そうであれば、探偵側はひたすら出来るだけ多くの候補を視界にいれるようにアクションを実行していくだけで、勝手にジャックが目撃者がいなくなるように動かしてくれるので、そこから漏れた容疑者が候補から外れ、絞り込みが勝手に進んでいくということになります。
ボード版では探偵側の動きを読んで、目撃者有り無しの一方の側に偏らせることが戦術の1つでしたが、ポケット版では目撃無し側に偏らせないとメリットが少ないため、上記のようなことが起こるような気がします。
あと、容易に目撃者無しの状態を作るためには、探偵の視線の目の前が壁になるように、タイルの交換や回転のアクションを行うのが効率がいいように最初は思ってしまいましたが、意外と探偵コマを移動させた方が容易に目撃者無しの状態になることもあります。
もう少しやってみないとどういうケースが当てはまるのかはどうとも言えませんが。
面白い面白くないというところに余り触れていませんが、正直、どうともまだ判断できていません。どうもあっさりしすぎていて、感想を言いかねているというところです。なんかこう、スゴロクやったみたいな感覚で、わざわざ書くようなことがないというか。
あとは、容疑者達の絵が変わったのが残念です。
同じ絵描きさんだと良かったのですが。

(左がオリジナルのボード版、右がポケット版です。ボード版のほうが好みです)