エイジ・オブ・エンパイア III

(2人でインスト込み2時間半~3時間)
【概要】
大航海時代、新大陸という未開の地を発見したヨーロッパ列強たちは、大陸内部へのわけいり、土地の植民地化を進めようとしていた。他の列強に先んじて原住民たちの抵抗を退け、自国の植民地を広げ、土地からの産出品を搾取してヨーロッパに売り払って資金を得、新大陸での覇権を唱えるのだ。
【ルール概要】
8ラウンド終了時に勝利点が最も多かった人が勝利。
勝利点が入る機会は、以下の3回です。
・3ラウンド(第一の時代)終了時…支配している植民地から得点
・6ラウンド(第二の時代)終了時…支配している植民地から得点
・8ラウンド(第三の時代)終了時…支配している植民地、貿易航路、発見タイル/カード、建物から得点
植民地からの得点は、得点機会ごとに計算なので同じ土地から最大3回得点できます。
アクションの実施は、ワーカプレイスメント形式で、1ラウンドは以下の流れで構成されます。
① 人の配置
② 配置した人によるアクション
③ 貿易による収入
④ 建物効果発動
⑤ 人の補充
⑥ 産出品や建物のリフレッシュ
① 人の配置
プレイヤーは毎ラウンド5人の入植者を基本としつつ、建物の効果などで増えた人を、各アクションボックスにおいて行きます。
これは、他のワーカプレイスメント系と同様に人数に限りがあるものは早いもの勝ちです。
アクションの内容は②で説明します。
② 配置した人によるアクション
実施可能なアクションは以下の通りです。(アクションの細かいところは省きます)
A.イニシアチブ:次ターンの①における手番順と、アクションの優先実施順を決めます。
B.産出品獲得:ラウンドごとに4つずつ補充される産出品から1ワーカーごとに1つ獲得します。
C.商船獲得:ラウンドごとに1隻ずつ補充される商船を獲得します。(早い者勝ちでなく、配置された人が多い、または同数だがイニシアチブ順が高いプレイヤー優先です)
D.入植:新大陸の既に探検済みの土地に人を入植させます。
E.建物購入:5つの候補から1つを選択して建てます。時代が後半になるほど価格が上がります。
F.発見:新大陸および更に奥地の未開の地を探検し、植民地候補を発見します。
G.専門家獲得:兵士、商人、宣教師、船長といった専門家を1人次ラウンドで使えるようになります。
H.戦争:兵士が植民地におかれていた場合、他プレイヤーの人を排除できます。
③貿易による収入
産出品は、3つ、または4つの組を作ることで貿易を行うことができます。
3つ全てが同種であれば1組3ドル、違うものが混ざれば1組1ドルです。
4つは全て同種の時だけの組みで、1組6ドルになります。
また、商船はワイルドカードとして使用できます。
④ 建物効果発動
建物は1度しか使えないもの、得点計算時のみに効果があるもの等がありますが、基本的に毎ラウンド効果をもたらします。ひとを追加補充したり、お金をもらえたりできます。
⑤ 人の補充
入植者を5人補充します。
⑥ 産出品や建物のリフレッシュ
アクションでなくなった建物を補充したり、産出品をあらたにボード上に並べたりします。
専門家によってアクションに追加効果が発生しますが、割愛します。
【プレイ内容】
長時間ゲームということで、相方もあまり好かないだろうし…と放置していましたが、ワーカーコマが可愛いとのことで、プレイする機会を作れました。
どうもやることが多くてどうやれば勝てるのか?がイマイチつかみにくかったようなので(僕も同じですが)、説明書にも記載があった新大陸の植民地化(入植)が大事そうなことは、とりあえず、ゲーム開始時に話しました。
こういうゲームだと大概、相方が建物とか特殊効果のあるものに手を出して、僕が確実な手を進めていくというパターンが多かったのですが、我ながらどういう風の吹き回しか、今回は、建物重視プレイ!ということにしてみました。
ゲーム開始時に持っているお金は10ドルで、建物の値段も10ドルです。
つまり、1つ買ったらスカンピンで、あとはどうにかして金を儲けないと次の建物は買えません。
ちなみにゲーム中にお金を稼ぐ方法は4つです。
1.貿易
2.建物効果
3.商人の入植
4.発見成功時
とはいえ、いきなり購入すれば20ドルもらえる建物と、毎ターン5ドルもらえる建物が出ていたので相方に先んじてその2つを購入しました。
次に定期的にお金を手に入れるための方法ですが、発見は発見タイルに書かれた原住民数以上の人数をかけないと失敗となるため、それなりにマンパワーが必要で、商人もひとりの入植あたりで5ドルだったので、そこまで効率的じゃないなと判断しました。(建物効果などで商人を手をかけずに入手できれば良いのですが、「G.専門家獲得」で商人を手に入れた場合、ワーカひとりを5ドルと交換、ただし、ターンを跨ぐってことになるので)
ということで、貿易重視ということにしました。
運も良く、最初から同種の産出品が「B.産出品獲得」に並んだので、すかさず獲得します。
最初は入植できる土地も少なく、手がある程度縛られるので相方も産出品獲得したり建物買ったりと僕と似たような行動をしていましたが、どちらかというと入植や発見に人をいれてきたりと植民地重視のようでした。
僕は建物重視がうまくいって、建物の効果でワーカも増えるので、それを使っての発見もうまく回り始めます。
相方は、ワーカを増やす建物に絞って購入して、手数は僕と変わらないようにしていましたが、発見で原住民が大人数のタイルを引き当ててしまって敗戦ということが何回かあり、その分遅れてました。
そして第二の時代がはじまり、建物の効果が第一の時代よりも強力なものに一新されます。
安いうちに~と僕はお金を使ってしまっていたのですが、正直失敗でした。かなり魅力的な建物がたくさんあり、こっち買えばよかったーという気になります。んで、新しい建物のなかに「ラム酒蒸留製造所」がありました。これは、手持ちの砂糖コマ1つごとに3ドルを毎ターンもらえるというもので、まあ、単品ならそうでもないのですが、相方の手元には既に砂糖コマが4つあり、このラウンドの産出品には砂糖が2つ入ってます。相方が、「ラム酒蒸留製造所」と砂糖コマを全部手に入れると非常にやばい!と考え、とりあえず「ラム酒蒸留製造所」は買ってしまうことにしました。
相方の方が手番は先だったので、買われるかなと思ってましたが、砂糖コマを取りに来ました。
おそらく、建物を先に買うと、僕に砂糖を取られる、すると収入が減る。先に砂糖をとってしまえ!という考えに至ったようです。
当然、僕は「ラム酒蒸留製造所」を買おうとしますが、相方が間違ったと言って何事もなかったのように僕のワーカをどけて、相方が砂糖においていたワーカを移動させてきました。
確かに相方が「ラム酒蒸留製造所」を建てるのは非常にやばいのですが、ここまでの勝利点は勝っており、まだ計算はしていませんが発見タイルも僕の方が多かったので、まあいいやと譲りました。
と、さすがに毎ターン15ドル+貿易のお金が相方に入っていくのは脅威で、相方も建物を買い始めます。
これで毎ターンごとの収入は逆転されてしまい、どうにもうまくないですが、発見に兵士を多めにつぎこみ、兵士の特殊能力でボーナスのお金をもらうことでなんとかお金で離されないようにして、3ラウンドで出てくる建物の効果を確認して、お金を使い切らないように建物を購入しました。
相方:「なんで発見に兵士つれていったらもらえるお金増えるの? よく意味がわかんない」
僕:「いや、略奪してんだと思うよ」
相方:「(;゜д゜)」
まあ、肝心の入植ですが、我々はそこに意識が薄かったのか、自分が発見で切り開いた土地に、得点を得るための最低人数であるふたり(発見時の1人+2人で植民地化)を送りこむ程度で、相手の土地を奪ってやる!という気概もなく、植民地かは淡々と進んでいました。
あえていうなら、入植向けにワーカを置くスペースは2人プレイ時だと3人分しかないので、僕は宣教師(入植時にひとりの入植者を追加で配置できる)を使って省スペースは心がけていました。
第三の時代になると開始時と逆転していて、相方が建物を多く買い、僕は発見にひとをつぎ込むという形になります。
しかも、相方は入植者を追加スペース(通常はおくことができない)に毎ラウンド入植者を配置できる建物を購入し、入植をガンガン進めてきます。植民地の優勢を奪われると、2人プレイなので10点差がつまります。このままいくとやばいかなーとは思いましたが、幸い第三の時代は2ラウンドと短いので、幸い、そこまでに築いた差が埋まる前にゲームが終わりました。
結果は、入植も僕のほうが多くの土地を抑えていましたが、更に発見をほぼ失敗せずに行えたこと、保有する建物×2の得点を得る建物を購入できたことが効き、僕の勝利となりました。

終了時の様子です。相方は発見を結構失敗していたので、僕よりも入植者や産出品が少なめです。
(建物が相方に少ないのは片付けにはいってしまったからです)
【感想】
最高!でした!
2人プレイなのでもちろん他人との駆け引きなどという点では本当の面白さを味わえていないことはわかっていますが、テーマとそのゲームとしてのデフォルメ化が非常にうまいです。前にエンデバーの感想でも書いたような気がしますが、大航海時代が大好きなんです。未知の世界への冒険、新しい土地や産物の発見(そして搾取&略奪金儲け)、最高ですよね! ロマンあふれるエステートですよね!
(実際には数週間~数ヶ月間も船の中や、砂漠や荒野をひたすら進まないといけないはずで、そういう状況になった途端にロマンとかそんなことは関係なく死ぬとは思いますが)
まあ、そんなこんなで元々好きなテーマなのですが、うまいことボードゲームの手順に落とされてます。
例えば、実際の新大陸への進出も、探検・発見をしつつ、発見した土地においしい産物やそれなりの労働力があれば植民地化し、祖国へ送り、商売になるとなれば原住民を労働力にする。そして、原住民が逆らえば武力で制圧して略奪もする。原住民そっちのけで、列強同士で自分の土地として戦争もする。
これだけの要素が詰め込まれていると、わかりにくいかなと思いきや、それぞれのアクションのもたらす効果が全く違うので、やりたいこと、欲しいものが明確になればそれに対するアクションもはっきりします。
プレイ内容にも書きましたが、ゲーム開始直後は植民地候補も全部未発見状態なので、入植させることもできず、ワーカもデフォルトのままでは少なすぎるのでそれを補うように行動するしかないです。僕はひとを増やすために建物を買いましたが、専門家で補う方法もあります。
(どちらかというと相方は序盤は専門家で補う感じのプレイでした)
そうこうしてる間にやれることも増えていくという段階的にできることが増えていくゲームなので、ゲームを始めてしまうとすんなりと各アクションは飲み込めます。
相方もやれることが多いと混乱することが多いですが、このゲームではそんなことはなかったです。
発見が完全に運任せ(石橋を叩くような大人数しか発見に費やさないという手もありますが)なのも、盤面に見えている情報だけで進まない不確定要素になっているので僕は好みです。
まあ、残念なところは戦争がうまく機能しなかったところです。これは2人だからなのか、僕と相方が平和主義だったのかはわかりませんが、戦争で使う兵士は戦争以外だと、発見の時にボーナスでお金もらえる特殊効果しかないので、発見候補が尽きるかお金が余り始めて、兵士を入植にまわせるようになってくるところまで行かないと、少なくとも僕は戦争を起こす気にはならないですね。発見候補はプレイヤー数で増減しないので、プレイヤー数が増えれば、兵士が入植していく展開になるのかもしれません。
布教の意味もこめて4,5人くらいでの再プレイを激しくしたいですね。もちろん相方が時間をとってくれるならふたりでも何回でもやりたいです。今は。

コマはつくりが細かいのはいいのですが、細かすぎてぱっと見で判断できないときがあるのが玉に瑕です。
しかし、種類も5つとそれなりに多いので、寸劇も簡単にできます。
最後に。play:gamesで公開されているプレイエイドがかなり役に立ちます。これのおかげでプレイ時間が2,3割は削減できたように思います。こういうのって作れば作っただけ楽になるのはわかっていても、なかなか手がつけられないので、作成してくださった方にはひたすら感謝の嵐です。