ストップ・シーフ/stop thief

(2人でインスト込み30分(途中終了))
【概要】
泥棒たちが跋扈する街がある。今夜も街のどこかで金庫が破られた。
防犯カメラの映像は送られてこないが、街中に仕掛けられたマイクから泥棒たちの立てた音とおおよその場所は知ることができる。
君たちは捜査官となって、音を頼りに泥棒を捕まえる。
【ルール】
プレイヤーたちは捜査官となって、泥棒たちを捕まえるために東奔西走します。
泥棒にはそれぞれ賞金がかけられていて、逮捕したプレイヤーに賞金が入ります。
一定額以上を貯めたプレイヤーが勝利します。
プレイヤーは、手番の始めに探査機を操作して、泥棒の情報を得ます。ここで得られる情報は、音とだいたいの場所(どのビルorどの通りにいるか)です。音は、通りを歩いている、ビルのフロアを歩いている、ドアを開けた、窓を開けた、盗みを働いたなどの種類があり、それぞれ音が異なります。(音が聞こえなくても、探査機には、「1-dr」(1のビル、ドアを開けた)のように表示されるので、正確には音は聞こえなくても問題なかったりしますが。

(探査機です)
次にダイスをふって、捜査官を泥棒のいる(と思われる)場所に向かわせます。泥棒のいる場所に到着できたと考えたら、探査機に泥棒が今いる場所(捜査官も同じ場所にいる)を入力し、正解であればパトカーのサイレンの音が聞こえ、その後、銃撃戦が始まります。
銃撃戦後、運が悪いと逃げられることもありますが、うまくいけば逮捕成功となります。
不正解の場合は、捜査官のライセンスが取り上げられ、次ターンにお金を払って取り返す必要が生じます。
また、スルースカードというものが3枚ずつ配られます。これはタレコミがもらえたり、移動距離が延びたりする特殊効果を持っており、手番中であればいつでも使えます。使うごとにカードは補充されるので、実質的に使い放題です。
ちなみに、泥棒は同じ場所にすぐに戻ることができない、常に2マスずつ移動するという縛りがあり、それも泥棒の場所を特定するためのヒントになります。
【プレイ内容】
ちょうど色々な推理ゲームを遊びたかった時期に、あるHPで紹介されているのを見つけて興味を持ったものの、1979年発売ということで絶版だったので、eBayで探してみました。
それなりの数が出品されており、値段が安いものもあったので送料込みで3,4000円くらいになる(つまりゲーム自体は1000円台)くらいのを購入しました。(探査機や小物、ボードは綺麗でしたが、ダイスは入ってませんでした。まあ、ダイスくらいならいくらでも代わりはあるので良品だったのだと思います)
電池を買い忘れて長らく放置していたのですが、年末に相方になんかやる?と聞いたところ、これやりたいと出してきたので電池を買いに行き、プレイしてみました。
ルールは単純なので(細かいところは書いてなかったりもしますが)インストは楽でした。しかし、なにぶん主役の探査機は対話型のインタフェースなどは持っておらず、一方的に伝えてくるだけなので、ようわからんことが多々あります。
ではとりあえず今回は協力プレイということでと、相方とは早々に手打ちにして、機械泥棒VS人間捜査官という図式で遊びました。
手番の最初にclue(手掛かり)ボタンを押すと音が聞こえます。
僕:「じゃあ、押してみるわ」
(clueボタンを押す)「ブロロロ」
僕&相方:「車で逃げた音かな?」
(探査機の画面)「1-dr」(drはドアを開けたという意味です)
僕&相方:「ドア開ける音かよ!」
とまあ、万事がそんな調子で1手、1手、相方と相談しながら進めます。
うちらがアホなのか、泥棒側の移動の縛りを見逃しているのか泥棒の位置を三択くらいから絞り込むことができません。
僕:「ようわからんけど、ここで推理いってみる」
(推理場所を探査機に入力する)「テロー、ピガー」
僕&相方「……。外れとか当たりとかは表示されんのね。というか、当たったかすらわからん…」
とりあえずサイレンの音もしなかったので外れたのだろうと、相方が別の場所を入力すると…。
探査機:「ファンファンファンファン。ズギャーンズギャーン。テロロ……」
僕&相方:「だから正解なのかどうか教えてくれと…」
さすがゲームにならないのでいったん中断して、音の意味を洗い出す作業に入りました。
泥棒の場所はTIPSボタンで教えてもらえる(本来はスルースカードの効果時のみ)ので、その場所を入力してみることを何回かやってみると、どうやらパトカーのサイレン後に泥棒の笑い声が聞こえると失敗というのがわかりました。
(逃げられるときの様子)
ということで仕切り直して、また泥棒の位置を三択くらいまで絞ったので推理挑戦し、無事にサイレンは鳴るものの銃撃戦後に逃走されました。また、数ターン後に今度は相方が推理挑戦⇒サイレン⇒逃走。おいおいと思いつつ、また数ターン後、何度か推理失敗を挟みながらも相方の推理でサイレンが鳴り響きます。そして逮捕成功!
これでようやく$1000獲得できましたが、相方が年末の特番みたいということで、途中終了となりました。
【感想】
目標額までは達せず、途中終了ではありましたが、お腹はいっぱいになりました。厳密に1ヶ所に絞り込めるかでだいぶ印象は変わるでしょうが、わいわいやった方が楽しいように思います。
まあ、探査機も別に人工知能仕込まれてるわけでも、賢いアルゴリズムに従っているわけでもないでしょうから厳密には引き運と戦っているのと大した違いはないのかもしれませんが、ランダムな答えを提示するのを人間が運任せに引くということから、機械にする(相手役を作る)だけで、人間達に妙な結束感が生まれるのが不思議です。泥棒というところが、共通の悪として受け入れやすいのでしょうか。
スコットランドヤードの対CPU戦みたいな感じではありますが、スコットランドヤードが逃走or追跡手段をどう使って逃げるor捕まえるのかという点のパズル的な要素もあるのに対して、こちらは純粋に逮捕することだけが目的で、しかも敵がいない(プレイヤー内で一番初めに賞金を一定以上獲得することが目的ではありますが、情報は公開ですし、逮捕も運が絡むので自然と全員で協力というか、ぎすぎすした雰囲気にはならないのではないかと思います)ので、スコットランドヤードよりも盛り上がり易いように思います。
少なくとも僕はこちらの方が好きです。絶版で入手がオークションしかないのが非常に残念です。
(やったことはないですが、音を聞いてどこにいるのかを当てるというのが「どこにいるの?」に近いですよね。あちらの方が視認性とかは上でしょうが、どうやら能動的な逮捕ができないなど、微妙に違ってるみたいですが)
入手難度に触れたついでに残念なところを書くと、泥棒の位置を当てたとしても、逃げられる場合が結構あるのは勘弁してもらいたいかなと。まだ数回しか逮捕に挑戦したことないとはいえ、結構な頻度で発生していました。1ゲームに1、2回出るくらいで良いのではないかと思いました。なんか無駄にゲームを長引かせる以上の意味があるように思えないので。
とはいえ、メイン部分はそのギミックもあわせて、プレイしていて楽しいです。少し楽なようにルールをいじる必要はあるかもしれませんが、協力推理ゲームとして良い作品でした。