天九紙牌

(インスト込みプレイ時間3.40分(1/4荘))
【概要&ルール】
天九は、そのルーツを12世紀に遡ることができる中国の伝統ゲームで、簡単にいうとパスの時にも手札を場に出さなければならない大富豪。
要はマストフォローのトリックテイキングです。
スタートプレイヤーは、好きなカードを場に出し、“打ちだし”ます。この時、カードの肩に書かれた数字が同じカードであれば、複数枚同時に“打ちだし”することもできます。そのトリックの間は、親が“打ちだし”たカードと同じ種類のカードしか出すことができません。複数枚の場合は組み合わせも同じ(赤白1枚ずつならフォローも赤白1枚ずつ)でないとなりません。
(本来は牌に種類があってそれを覚える必要がありますが、紙牌版ではカードの肩に書かれた文字の色(白or赤)で種類がわかりますし、牌があらわす数字もわかります(カードに書かれた円の数は牌が表す数字はイコールではないです))
同じ種類のカードがない場合、打ち出されたカードを同枚数を捨てます。
全プレイヤーが手番を終え(スタートプレイヤーから1周し)たならば、一番小さい数字のカードを出していたプレイヤーがそのトリックを獲得します。
手札が尽きたならばその直前のトリック(カードを出し切ることになったトリック)をとったプレイヤーがそのラウンドの勝者になります(勝利数は関係く、最後に勝ったか勝ってないかだけです)。
最終トリックを勝てばそのラウンド(局)の勝者になれてしまいますが、最終トリックだけ勝つことはできず、それまでに1トリックも勝っていなければ最終トリックは無条件で敗北となります。
勝者以外は基準点4点からこの局に取ったトリックで使ったカード枚数をひき、残った点数を自分の点数からマイナス、勝者にプラスします。
また、勝者は親となり、連荘することで局終了時の得点計算時にかかる倍率が2倍、3倍、…と増えていきます。
こうして規定ラウンド分ゲームを繰り返し、最も点数の高かったプレイヤーが最終的な勝者となります。
ラウンド数は麻雀と同じで親の交代回数(あちらは順番での交代ですが)で数え、1/4荘(親交代4回で終了)、半荘(親交代8回で終了)、全荘(親交代16回で終了)などがあります。
【プレイ内容&感想】
先日、Tの家に遊びに行った際にもごいたと共に遊んだのが余程面白かったのか、TYからの要望があったので、僕、相方、T、Yの4人、僕、T、Yの3人、僕、T、Y、Aの4人とで3回程遊びました。
「一」か「ニ」が何枚かあるなど、手札がそこそこよければ、だいたい2トリックはとれます。その2トリックをいつ取りに行くのか、相手にその2トリックもとらせないよう、どうやってカードを刈るのか(※)。
※マストフォローでスタートプレイヤーが打ち出した種類のカード以外は問答無用で負けるので、自分以外がどういった種類のカードを残しているのかは非常に大事です(白の「一」持ってても、赤のカードを出されるとどうにもならないので)。ただし、負け確定の時は、どんなカードでも捨てて良いので、正確な意味では“刈る”というよりも、残っているカードを“読む”ですが。
多くても1ラウンドは8回のトリックで終わるので、すぱすぱと進みます。そう難しくないはずの点数計算で少し時間がとられる印象がありますが、ゲームがすぱすぱ進み過ぎるからで、実際には全く手間はかかりません。
親は点数が2倍、3倍と連荘をするたびに得点の倍率があがりますが、負けた時もその倍率でマイナスをくらうので、負けるにしてもリードを保ったままにしたいのであれば、うまいこと少しだけ負ける必要があります。
しかし、逆にこの「勝った人は次に負ければ勝った以上のマイナスをくらう可能性がある」という仕組みのおかげで、ひとり調子の良い人がいても、親交代時に大量失点することがあるので思ったよりは点数の差はつきません。
まあ、それも勝ってる人達にだけ言えることで、負けてばかりだとプラスの機会もないので点数がへこみます。そういう人から搾取したプレイヤーが勝つのは当然といえば当然で、各1/4荘ごとに頭一つぬけて負けている人、僅差の上位陣という図になってました。
前にTの家でやった時も思ったのですが、面白さは表現しづらいもののなんというか不思議な魅力のあるゲームです。
ここの読み合いが熱い!とか、カードを選ぶジレンマがたまらないとか、そういう一点突破の魅力があるわけではないんですが、すごい面白いゲームなんです。僕のつたない筆力では表現できませんが、小さい魅力を積み上げた、よくまとまった佳作とでも言えば良いのでしょうか。
短時間で勝負が終わること、手札を見て今回の勝ち方がイメージできること、自分の思惑がはまれば弱いカードで勝つ爽快感があること、(僕らが遊んだ1/4荘では)最後まで逆転の可能性があること、打ちだしたときだけどんなカードにも負けないという弱いカードで勝つというロマンがあること、(マストフォローなので)他プレイヤーとの絡みが十分にあること、トリックを取れないときやフォローできないときは、カードを裏向きで捨てるのでカウンティングができない部分があること(カウンティングが必須というわけではない)等々。
2、3時間かかるような重いゲームを繰り返し遊ぶほどじゃないけど、軽すぎるゲームを何度も遊ぶよりは頭を使う楽しさも欲しい。そういう、僕やTYのような層にはちょうど良いゲームなのかもしれません。