ビュッフェのたたかい/Schlacht am Buffet

(3人でインスト込み1時間ほど)
【概要】
ビュッフェの料理は、グルメなねずみたちで取り合いです。
ねずみたちは我先にと一番おいしそうな料理を目指します。置いて行かれたねずみたちもおこぼれの料理にありつきます。
しかし、最後に競り負けたねずみにはもう料理は残ってないのです。
【ルール】
ウントチュースのリメイクで、基本的なルールは同じとのとこ。
ラウンド開始時に、料理タイルをプレイ人数に応じた数だけボードに並べます(基本的にプレイヤー数-1。3人プレイ時だけ例外)。この際、タイルに書かれた数字(得点)が昇順になるように並べます。
プレイヤーは手札からカードを1枚プレイし、一斉にオープンにします。カードに書かれた数字が一番小さいプレイヤーは、一番数字の小さい料理タイルを獲得し、このラウンドのゲームから抜けます。
これを2人だけが残るまで続けます。数字はラウンド開始から累積されます。抜けるプレイヤーの候補が複数いる場合、誰も抜けずに
最初に抜けたプレイヤーだけが、任意の枚数のカードを捨て、同じ枚数だけ山札から補充できます。
最後に残った2人のうち、数字の累積が最も大きかったプレイヤーが残った料理(ラウンド開始時に置かれた料理の中で最も得点の高いもの)を獲得します。
次のラウンドにいく前に、全てのプレイヤーがカードを規定枚数まで補充します。
ラウンドを料理タイルの数が足りなくなるまで繰り返した後、点数計算を行います。
点数は取得した料理タイルに書かれた数字の合計ですが、この際、同じ種類の料理は一番最後に獲得したものの得点しか計上しません。

(つまり、上の写真の例ではこのラウンド、チーズをとってしまうと、5点が上書きされて-1点ということになります)
合計点が最も高いプレイヤーが勝利です。
・3人プレイ時のバリアント
3人プレイ時には、1ラウンドで2戦行います。ラウンド開始時に並べる料理は5つ並べ、1戦目にはそのうち、点数の低い3つの料理を、2戦目には残った2つの料理(得点の上位2つ)を取り合います。つまり、1戦目は全員が料理を獲得でき、2戦目は通常ルールと同様に2位のプレイヤーが料理を獲得できません(残っている2つの料理の点数の低い方を3位のプレイヤーが高い方を1位のプレイヤーが獲得します)。
【プレイ内容】
ウントチュースも興味があったものの、4人以上というプレイ人数だとなかなか買う気にならなかったのが、リメイクであるビュッフェのたたかいは3人でのプレイが可能、かつ、3人用バリアントルールも面白いと聞いて、コンポーネントの可愛さもあり、購入しました。
(3人プレイも面白いというのは、テンデイズゲームズに行った際に、僕がビュッフェのたたかいを手に取ったのを見た店長さんが熱く語ってくれました)
せっかくだから新しいゲームをと、僕、相方、Yの3人でプレイしました。
序盤は3人とも、カードの引きが良かったこと、どの程度の数字を出せば良いのか探っていたことなどもあり、3人が誰が優勢ということもなくスタートしました。
僕はとりあえずマイナスはとらないこと、2戦目はカードが余程良いものが残っていない限りは最初から負けを狙うことという方針でプレイしたところ、相方とYが競っている横でタイルをかっさらうことができたため、少なくとも料理タイル数では優勢になっていました。
3人なので1ラウンドごとに2回勝負を行いますが、勝負自体は2回カードをプレイすれば決着がつくのでサクサクと進みました。
相方:「マスは40まであるけど、15くらいまでしかいかないねえ」
僕:「まあ、40のマスは5、6人プレイじゃないと使わないんじゃないかな」
序盤は手元の料理タイルと被ることもあまりないので、上記の方針でとにかく料理タイルを集めれば良かったですが、中盤から、このタイルを取ると現時点よりも点が下がってしまうという状況が出てきました。
特に各ラウンドの1戦目は、基本的に全て低得点なので、どれを取っても点数がさがる状況になりやすかったです。
そんななか、相方がちゃんとカードをシャッフルしたのか?と言ってきます。どうやら、えらい手札の数字が偏ったようで、しかもその数字が小さかったため、文句を言ってきたようです。

(その時の相方の手札。2ばっかです)
これまではそんな偏りはなかったので、運が悪かったのだろうと言いくるめて、どうしても気に食わないなら交換すれば?と提案しましたが、まあ、これで頑張るとのことだったので、そのまま続行しました。
そして、次にカードを補充した僕の手札は、1だらけになり相方よりもひどいことにlol。どういう理由かわかりませんが、2と1だけがかたまっていたようです。
とはいえ、ラウンドで最初に勝負から抜ければ(負ければ)任意の枚数のカードを捨てて、山札から補充できるのでそれほど痛手にはなりませんでしたが。
終盤のとあるラウンドの2戦目。僕が9を出した一方で相方とYが-1で被ります。これでは抜けるプレイヤーを決められないので、またカードをプレイしますが、再びふたりとも-1…。僕の手札はそこそこ良かったので、とっとと勝負を決めて次のラウンドに行きたかったですが、結局、相方とYは-1のカードを2人で分け合っていたのか、どんどん後ろに下がっていき、下がり切ってからも1とかしか出さず、4,5回くらい引き分けた後に決着がついてました。
Y:「(-1だと0のマスから1マスずつ下がっていくので)3人でも40のマス使いましたね」
その時には、僕の手札もボロボロになってしまいましたが。
最終的には、最後のラウンドで低得点の料理をつかまされた相方やYが脱落する、棚ボタ的な形で僕が勝利となりました。
【感想】
もっとカウンティングをして相手の数字を読みつつ、ガチ勝負をするようなゲームかと思っていましたが、手札の最大数が多いこと、ラウンドごとと案外サクサク補充が入るので、あくまでその時点で、全力で勝負に行くか、それとも負けるのかというところに焦点があるようなゲーム展開になりました。
好みの問題だと思いますが、僕はこういうあっさりさっぱりの方が好きです。
とはいうものの、あっさりしていたのは、今回は3人なので、1戦ごとに大概2枚のカードをプレイするだけで終わってしまっていたせいかもしれません。手札が大きい方から9-8-7とある人と9-9-5とある人で、3人プレイなら2枚目までのカードで勝負がつきますが、4人プレイだと3枚を場に出すことになり、3枚目で逆転ということもありうるからです。
そうなると、勝負をかけられるのか、それとも勝負を回避して3位以下を狙った方が良いのかという、以前、ウントチュースについて聞いたことのある、ジレンマそのものなので、3人時のバリアントは、4人以上でプレイする時とやはり悩みどころ、ゲームの面白さを感じるところは異なってしまっているかもしれません。
では、面白くないのかというと、そんなことはないですね。4人以上だと1ラウンドにつき、1つしか料理タイルを獲得することがないため、カード運によっては点数の低い料理タイルをとらなくても済みますが、3人だと点数の低い料理タイルも各ラウンドの1戦目でとることになります。この必ず低得点のタイルをとらなければならないということと、得点は料理の種類ごとに最後に獲得したものだけを計算するというルールのおかげで、どう負けるか、1戦目と2戦目、どちらに力を入れるかという戦略が加わっており、4人以上時と悩みどころは違っても、楽しさは劣らないゲームになっていると思います。
今回のプレイではそういう場面はありませんでしたが、各プレイヤーが獲得済の料理タイルを見ればどのタイルを狙ってくるか(どの順位を狙ってくるか)もわかるはずなので、だいたいの数字の読みもつくかもしれません。
さらに言えば、料理タイルのカウンティングをして、この後、高得点が残っている料理であれば低得点で我慢するということも考えようと思えば、考えられると思います。僕はそこまでやろうと思いませんが、メンバによってはかなり疲れるゲームになるのではないでしょうか。
しかし、料理のカウンティングをやらないと、1戦ごとの勝敗はともかく、最終的な得点計算に向けての作戦を練らない(または考えが浅くなる)ということなので、全体を通して勝負しているという感覚は薄れるかもしれません。というか、今思い返すと今回のプレイでは、最終ラウンドまで最終的な得点を気にしたプレイはそんなにした覚えがないですね…。情けない話ですが。そういう点で、意識しないと最後の勝負が決まるところを唐突に感じられるかもしれません。
ただ、料理タイルを持ち込んだことでプレイに幅が生まれたのは確かで、そういう点でウントチュースの上位版と十分言えると思います。(やろうと思えば、ウントチュースと同じルールで遊べますし)
イラストはドイツでは有名な方のようでちょっと古い感じではありますが、味のある良い絵だと思いますし、それを立体化しているのも最高です。

相方にどうだったかプレイ後に聞いたところ、「面白いし、絵も可愛い。でも、一列に並んで料理をとりにいってるっていう設定には納得できないから、そこだけだけが惜しい」と言ってました(説明書に『列の最後尾へと追いやられる』という表現があるのです)。まあ・・・、細かいですよね。
ちなみに箱はすっかすかです。

(たぶん料理ごとに入れる穴を分けて欲しいのだと思うのですが、すかすかすぎます)