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ディスクワールド:アンク・モルポーク/Discworld: Ankh-Morpork

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(3人でインスト込み1時間半程度)

【概要】

ディスクワールドは、ウミガメの甲羅の上に四頭の象が支える円盤状の世界のことです。その中の最大の都市、アンク・モルポークを舞台に誰が都市を支配するかを競います。
様々な人物のうち、誰が民衆に支持され、都市を支配するのでしょうか。

【ルール】

・ゲームの進行
プレイヤーは手札を持ち、1ターンに1枚プレイすることでアクションを行います。カードには、アイコンが0~4とカードに描かれたキャラクターの名前、特殊効果があればテキストが書かれています。

描かれたアイコンは、必ず左から順に解決します(イベント以外は“実行しない”という選択もありです)。アイコンは以下の9種類があります。

「手下を置く」
既に手下が置かれているエリアか、そこに隣接するエリアに手下を配置します。
そのエリアに自分の手下以外のコマが既に置かれている場合、トラブルマーカーも1つ置きます。既に手下コマを全てボード上に配置している場合、手下の移動となり、移動元にトラブルマーカーがある場合、手下の移動に伴い排除されます。エリア内最も多くの手下を配置しているプレイヤーがそのエリアを支配していると見なします)

「建物を建てる」
自分の手下が1つ以上置かれていて、誰の建物もまだ建てられていないエリアに建物を建てることができます。
各エリアに建築に必要な金額が書かれており、それを支払う必要があります。

「暗殺」
トラブルマーカーが置かれているエリアにある手下、トロール、悪魔のいずれか1つをトラブルマーカーとともにボード上から排除します。(自分の手下コマが当該エリアにおかれている必要はありません)

「お金の入手」
カードに書かれた額だけ、銀行からお金を受け取ります。

「イベント」
イベントカードを1枚めくり、イベントカードの内容を解決します。

「自警団」
いずれかのエリアから1つトラブルマーカーを排除します。

「巻物」
カードに書かれたテキストの内容を解決します。

「もう1枚カードをプレイする」
手札からもう1枚カードをプレイします。プレイしたカードのアイコンを左から順に解決します。

「割り込み」
このアイコンのあるカードのみ、自手番に限らず使用できます。多くは他プレイヤーのアクションからの防御に使用します。

建物を建てていた場合、カードによるアクションとは別に手番中に1回建物の効果を使用することができます。

カードの解決や建物の効果の使用が終わったならば手札が5枚未満なら5枚になるように補充します。5枚以上持っていても捨てる必要はありませんが、補充もありません。

・勝利条件
プレイヤーはゲーム開始時にキャラクターカードを1枚引きます。キャラクターごとに勝利条件が異なります。
エリアに多く手下を配置する、山札が尽きる、お金が規定額以上に達する等などです。
山札が尽きても勝利条件を満たすプレイヤーが現れなかった場合、所持金、自分の建物、ボード上の手下を勝利点に変換し、最も点の多いプレイヤーが勝利します。

【プレイ内容】

BGGの評判を見るに「期待はずれ」「ワレスの本気の仕事ではない」みたいな感想が多く、評価も低かったですし、ルール読んだ感じも「単なる陣取り」だったこともあり、迷ったのですが、“新しいゲームで遊ぶ”という誘惑に勝てずに遊びました(まあ、プレイ時間は1時間と短めでしたし、いいかなーと。いまBGGを見ると前に見たときより評価あがってきてますね)。

僕、相方、Sの3人で遊びました(Mさんは体調がすぐれず休まれてました)。

僕が引いたキャラクターカードはクリソプレーズ(資産を50ドル以上にすれば勝利)だったので、方針決めは楽でした。お金を入手する方法は、カードのアイコン効果か、テキスト(巻物アイコン)による特殊効果か、建物の効果の3つです。
カードから得る方法はカード運にもよるので、安定収入を確保するために、毎ターン3ドルもらえる建物を建てることのできるエリアに向け、手下を配置していきます。

座った位置の関係だと思うのですが、Sと相方は街の南側に、僕は北側に主に配置を進めていきました。

狙っていたエリアに到達したのはいいけど金がない、ということもありましたが、「指定したプレイヤーは5ドル支払わなければならない。支払えない場合、○○を行う(○○は、手札上限が1枚減ったり、手下を1人排除したり様々です)」効果のカードを3枚引くことができたので、金の補充は成功し、建物も無事に建てることができました。

これで定期的な収入源は確保したものの、予想していた通りカードの引きがあまり良くなく、金を稼げるようなカードを引けません。建物を建てるカードは大量に引きますが、もうお金系で残っているのは「ターンごとに1ドルもらえる」効果しかなく、12ドル払って建てても、ペイできそうにないのでスルーします。

※これは僕の勘違いで、勝利条件は「資産が50ドル以上」のため、建物の建築費用はそのまま建物の資産価値として勝利条件の50ドルに計上可能でした。

この辺りになるとだいたい他プレイヤーの勝利条件も見えてきていました。
明らかにSはエリアの支配を狙ってきており、勝利条件もエリア支配なのだろういうあたりはついていました。相方はなんか建物をたくさん建てていたのですが、建物を一定以上建築という勝利条件はないので、手下の広げ具合から支配か複数エリアに手下を配置か?と思っていました。
そういうわけで、僕はSや相方のいるエリアに手下を配置して、支配の邪魔をしつつ、お金が貯まっていくのを待っている状況でした。
(建物が資産に入らないと思っていたので、かなり稼がないとならないと思っていました)

そこで相方が暗殺を実行します。僕はどうみても支配系じゃないし、Sの手下を殺すのだろうと思っていると、僕の手下を殺したので、「えっ」と思わず言ってしまいました。相方は「?」という感じ、Sは「ラッキー」という感じでしたが。

山札は前半にでるもの、後半にでるものでわかれています。後半の山にはイベントが起こるものが多く、がんがん手札に入ってきます。正直、イベントはマイナス効果のものしかなく、対象はダイスで決めるのであまり使いたくないです。
が、手札に入ったら使うしかないでしょう!と全員どんどん使ってました。

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(これは最初に僕が2枚一気にイベントカードを使った時です。イベントは暴動が不発、トロールは効果が地味すぎてほとんど意味なかったですが・・・)

Sが引いたのは「エクスプロージョン(爆発)」で、ダイスの目に応じたエリアの建物がなくなります。誰の建物にヒットするのかと思っていると、Sの建物に自爆!
相方が引いた「火事」は、建物を燃やす効果です。これが僕の「ターンごとに3ドルもらえる」建物にヒットし、収入源がなくなります。
なんか一々あほらしくて笑えます。

建物が燃やされた時点でまだ50ドルには20ドルほど足らず、もう数ターンほどで山札がつきそうだったので、とりあえず勝利条件を達成するのは諦めて、勝利点を増やす作業に移ります。手下が5点と結構大きいので、手下を置いていきますが、結果的に支配を邪魔するのでSへのけん制にもなりました。

そして、山札がつき、勝利点ではSが勝ったかな?と思っていると、相方が「勝利条件達成!」と言います。相方の勝利条件は「山札がつきること」だったわけで、相方いわく「途中のプレイはどうでもよかった(ので、僕の手下が暗殺されたし、建物も適当にたくさん建てていた)。手札を捨ててお金をもらうカードで、山札の消費をしてたけど、建物もたくさん建ててたから、金欠のせいだったごまかせた」とのことで、お見事でした!

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(相方勝利の場面)

まあ、相方に燃やされた建物の資産価値は17ドルで、ターンごとに3ドルもらえたので、相方に燃やされなかったらそのターンで勝利条件を満たしてたんですよ。Sも話を聞くと、何回か自手番終了時には勝利条件を満たしていたとかで、意外といい勝負になっていて驚きました(※自手番開始時に勝利条件を満たしている必要があります)。

その後、僕、S、Mさんの3人で2戦目をやりました。

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今度の僕の勝利条件は「10エリアに手下を配置する」だったので、「3ドル払って周辺エリアに手下を配置する」効果の建物を建てるなどして、手下をがんがん置いていきます。SもMさんも特にお金を貯めたりするようでもなく、手下を配置していたので支配系の勝利条件なのかな?と思いつつ、進めました(基本的に勝利条件は被りませんが、規定数エリア支配だけ3人分あります)。
偶然、金を手に入れるカードがよく入ってきていたので、「資産を50ドル以上にする」が微妙にカモフラージュになっていたのですが、Sが「これは強力ですよ」と言いながらプレイしたカードの効果は、「プレイヤーに配られていないキャラクターカード(勝利条件が書かれたカード)を、1枚残して全て見ることができる」で、多分Sには勝利条件がばれました。ばれたというか、もしかして程度だったお金の勝利条件が完全に考慮の対象外になった程度ですが。

しかし、この時点で手札には手下を一気に2人配置できるカードがあり、それを使えば11エリアに配置完了です。手下を配置すると大概トラブルマーカーが置かれるので、暗殺の可能性はあります。しかし、それでも余程運が悪くない限り2人暗殺されることはないだろうと思っていました。

S:「イベントいきます。よしっ”謎の殺人”(全プレイヤーがダイスを振って出た目のエリアにいる手下ひとりを排除する)です!」

まあ、11エリアというとほぼ全エリアなのでSとMさんが僕の手下がいるエリアの目を当然のように出して、勝利条件が未達成の状態になります。僕はまだまだと、建物の効果で手下を1人配置して、再度10エリア配置の状態にします。
Sは手下を排除できるようなカードはなかったようで、スルー。Mさんの手番で何もなければ勝利です。が、

Mさん:「私もイベントです。“ドラゴン”ですね。効果はダイスの出た目のエリアにおかれた全てのコマを排除する」

で、まあ、僕の手下のいるエリアには確率的にくるだろうと思っていたのですが、手下配置の効果を持つ、僕が建物を建てている唯一のエリアにまさかの直撃で、勝利条件が未達成になった上に安定して手下を送り込む手段もなくなりました。

もうイベントに振り回されるのはたくさんと、「3ドル払えば自分のコマに影響のあるイベントの発生をなかったことにできる」建物を慌てて建設し、あとは多分支配系の勝利条件のSとMさんを邪魔してればいいかなと、気持ちを改めます。

そんな思いでプレイしたカードの効果は「場のトラブルマーカー数分お金を得る」で、8ドルもらったところ、脇で見ていた相方が「アイコンは左から解決するんだから、先に手下を配置するんじゃない? そしたら1ドルもらえる額増えるかもしれないよ」と言います。ついテキストを読んだ勢いで効果を使ってしまいましたが、自分のプレイミスなので、手下はトラブルマーカーが増えないエリアに配置し、お金を増やすのはやめました。そして、次のSの手番に。

S:「トラブルマーカーがボード上に8つなので、僕の勝利です!」

どうも7つでも9つでもダメな勝利条件らしく、僕のカードの解決次第では勝利条件が満たせなかったのでやきもきしていたようです。

※9でもダメは誤りで8個以上が正しい勝利条件です。Shin-yaさん、ご指摘ありがとうございました。(2011.10.11追記)

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(S勝利の場面)

【感想】

面白いです!

軽めにプレイできて、実力差もでにくいように思いました。
基本的にアクションの内容が単純で処理もややこしくない、かつ、カード運によってぎちぎち感薄れているというところからきているのだと思います。
また、勝利条件が基本的に全プレイヤーで異なるため、基本は陣取りのゲームに陣を取られても構わない人が生まれ、展開のバリエーションと適度な緩さ、他人の考えを読む楽しさを加えています。

あと、カードが全て異なるディスクワールドの登場人物になっているところも、物語を感じられていい感じですし、イベントカードの無茶苦茶さも、きっとこういう世界観なのだろうと考えれば納得できます(ゲーム全体のバランスを考えたような効果が設定されているか、と問われれば僕はNOは答えますが)。

ゲーム中、相手を邪魔する要素が少ないかなとも思いましたが、おそらく4人で遊ぶのであればちょうど良いくらいになります。3人だと勝利条件に気付いても止めるのが難しい、2人だと単に先にカード運のおかげで勝利条件を一度でも満たせば勝ちがほぼ確定という感じになってしまう気がしています。

勝利条件のバランスのよさも、今回2ゲーム遊んだ感じでは絶妙で、誰が勝ってもおかしくない、良い勝負になるのではないかと思います(イベントのせいで僕が負けたという書き方をこの記事ではしていますが、裏では他の人たちももう少しで勝てるような状況になっていたようなので)。

しかし、正直、奥深さはないですし、何回か遊んでも上達するような要素はないゲームでもあるとも思っています。
要は表面的な面白さは高いけれど、それ以上はないんじゃないかと。まだ遊んだのは2回なので、違うかもしれませんし、表面的な面白さがあれば十分とも思います。

ゲームとは関係ありませんが、大き目の袋にどばっとコマやお金が入っているので、小分け用の袋が入っているのですが、それが最初の入れられている大き目の袋と全て同じ大きさというのもミステリアスで味があって好きなところです。

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(中央のしわくちゃの袋が全部のコマが入っていた袋。脇の2つが小分け用としていくつか入っていた袋です)

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No title

はじめまして。
アンク・モルポークについてググッてたどり着きました。
私もアンク・モルポークを持っていて、何度かプレイし楽しんでいます。

ブログの記事、楽しく読ませて頂きました。ありがとうございます。

ただ記事内容一点だけ気になるのがドラゴンキングの勝利条件であるトラブルマーカーの数なのですが、
正確には「8個以上」で勝利のようです。
今、手元に無いので現物を確認できないのですが、ボードゲームギークのimg fileにて確認すると
英文では8個以上になっているようです。

実は私も「8個」でプレイしたことがあるのですが、ぴったりはキツイなー、と思っていた次第です。


関係無いですが、金額が勝利条件なのが一番キツイと今は思っていたりします。

Re: No title

> Shin-yaさん

はじめまして。コメントありがとうございます。

こちらでもカードを確認しましたが、確かに"equals or exceeds"となってました。
8個以上が正しいようです。記事を修正させていただきました。
"between seven and nine"と、8のことをわざわざ
「7でも9でもない」的な表現がされていたのでSも読み間違えたようです。

あと、ギークのsample Personality cardsというイメージも確認してみました。
こちらだと"eight or more"となっていて製品版もこの表現にして欲しかったですw。
(もしかしたら、原作中で"between seven and nine"という表現が使われているのかもしれませんが)

お金がキツイとのことですが、僕は初プレイがお金だったので、「8個ぴったり」も
同じくらいのキツさと受け入れてしまったのかもしれません。

No title

ゲームの基となった小説でアンク・モノポールでは「8」と言う数字がタブーになっているらしいです。Treefrogがウエッブで販売しているバージョンはそれに忠実に「8」という表現が含まれない様になっている様です(盤上の「8」に当たる場所も「7a」と表示されていたり)。他のゲームメーカーのバージョンはそこまで拘っておらず、数字の「8」が使われているらしいです。

Re: No title

CU部さんの記事で作中「8」がタブーになっているというのは読んでいたのですが、ゲームのメーカーでカードテキストが異なっているというのは知りませんでした。BGGの画像をいくつか確認してみましたが、ボードもTreefrog版では、7a、7bと書かれているところが7,8になっているようですね。
こんなことがあるんですねえ。驚きましたし、大変面白いお話、教えていただきありがとうございます。

プロフィール

ひだり

Author:ひだり
川崎市で相方や友人たちとボドゲやってます。

オールタイムベストは、
・グローリー・トゥ・ローマ
・バサリ
・インペリアル
・アフター・ザ・フラッド
・ゴッズプレイグラウンド
・HABA社製品 全般

推理ゲーム好きだけど↑には入ってないという
-------------------------
連絡先:hidarigray@gmail.com
※当blogはリンクフリーです

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