シティタイクーン/CityTycoon

(インスト込み2人で1時間半ほど)
【概要】
魅力的な未来都市を計画する人材候補に選ばれました。
手元にある20ドル(本来は2000万ドル!)を初期資金として未来都市を作りましょう。
【ルール】
タイルを配置して街を作り、タイルに書かれた施設の効果でお金や勝利点などを得て、そのお金でタイルを…というゲームです。
ゲームは以下の流れを1ラウンドとして、4ラウンド行います。
1.手番順の決定
2.タイルの獲得
3.タイルの配置
4.資源の供給
5.キューブの除去&再配置
1.手番順の決定
1ラウンド目は任意の方法で、2ラウンド目以降は所持金の少なさでプレイ順を決めます。
2.タイルの獲得
各ラウンドの数字が書かれたタイルを6枚、各プレイヤーに配ります。
プレイヤーはその中から1枚をとり、残りを隣のプレイヤーに渡し、受け取ったプレイヤーはその中から1枚をとって、残りを隣のプレイヤーに渡し…と、各プレイヤーが6枚のタイルを獲得するまでドラフトを繰り返します。
3.タイルの配置
全てのプレイヤーが獲得した全てのタイルを使い切りまで時計回りに手番を行います。各プレイヤーは自手番に以下の1つを選択します。
・タイルに書かれた金額を支払って、既に場に出ているタイルに面するように1枚配置する。
・タイルを1枚捨て、発電プラント、または、浄水プラントを購入し、既に場に出ているタイルに面するように1枚配置する。
・タイル1枚を売り、5ドルを得る。
発電プラント、浄水プラントを含む、自分が配置した全てのタイルには自分のマーカーを置き、自分の施設だとわかるようにします。
4.資源の供給
各施設の効果を発動させます。
施設の効果を発動させるためには、基本的に電気、水、商品のいずれかの資源が必要で、資源を供給することで、お金、勝利点、商品を得ることができます。
効果を発動させたい施設を1つ選び、そこに発動のために必要な資源を運びいれます。この際、他プレイヤー、または、共用の発電プラント、浄水プラントにある電気、水を使用するためには、資源1つにつき2ドルが必要で、かつ、資源を運ぶ際に他プレイヤーのマーカーが置かれた施設(タイル)上を通過する際には2ドル/タイル必要になります。
連携について:施設には連携のアイコンを持つものがあり、条件の合う隣接する施設が効果を発動した際に自動的に効果を受けることができます。
5.資源の除去&再配置
施設に供給した資源(電気、水、商品)を除去し、リサイクルマークを持つ発電プラント、浄水プラントに資源を配置します。
その後、次ラウンドに進み、ラウンド4が終了するまで1~5の手順を繰り返します。
4ラウンド終了時に、勝利点が最も多いプレイヤーが勝利します。
【プレイ内容】
テンデイズゲームズで最初にゲームマーケット向けの入荷ゲームとして紹介された時から、その近未来的なボックスアート、タイルの華やかさ、街が広がっていく感じにがつーんとやられてしまい、いつ取り扱われるか心待ちにしていたタイトルです。
2011年末にテンデイズゲームズに入荷されたのを即買いにうかがい、よし、即遊ぶぞ!と思ってはいたものの、相方の体調不良等があり、なかなか準備ができず(型からタイルやコインを抜くのを僕がやると怒られるので)、結局、年を越してしまい、2012年の初ゲームとなりました。
相方もタイルを抜く時から、デザインを気に入ってくれていたようで、やる気が高めです。
1ラウンド目、僕に配られたタイルには紫の連携アイコンのある施設がありました。効果は1勝利点ではありますが、こういうゲームだとコツコツ積み重ねていくのが強そうだと判断して、紫のタイルを2つと変換効率のよさそうな緑のタイル(2ドルで建てれて電気1つで7ドルもらえる等)を取ります。
じゃあ、建てようかと交互に建てていくと、かなりかつかつで、6つ獲得したタイルのうち2つは売ってしまいました(1つは発電プラントに変えて建設)。
結構、お金厳しいねえと相方と話していて、ようやく気付きます。1ラウンド開始時点では20ドル超の資金を2人とも持っていたにも関わらず、いまはふたりともほぼスカンピンの状態です。
これから施設に電力等を供給することでお金がもらえるとはいえ、とても1ラウンド開始当初と同じくらいの金が稼げるとは思えません(というか建てた施設的に無理です)。
ふたりの計画性のなさが原因とは言え、いまさらながらに2人とも実感します。
「これ、結構どころじゃなく、お金が全然足りんわ…」と。

2ラウンド目は僕も相方もまずはタイルを売りまくってお金を作った後、お金の変換効率の良い緑のタイルを多めに建てました。
別に仲が良いからというわけではなく、メリットが見えないので相手の陣地に飛び込むようなことはせず、淡々と自分の区画を伸ばします。
相方も自分の発電プラントを購入し、自区画の奥の方に建てました。
自分のプラントを相手に使わせた方が、金銭的にダメージがでかいので、このラウンドから、電気/水不足を起こさせようとして、共有のプラントからの電気、水をとっとと使い、相手に使わせないようになっていきます。
すると、自然とタイルの配置で金を少なくとも数ドルは残しておかないと…となり、無計画な我々に計画性がうまれました。

3ラウンド目では2ラウンド目よりも計画的にお金を作っていたので、それなりに楽にタイルを配置することもでき、かつ、かなり変換効率の良い施設がでてきているので、ここら辺に来てようやく楽に金を貯めることができるようになります。
しかし、そんな僕と相方をあざ笑うかのように配置のためのコストもあがり、結局、最終ラウンドもお金がないお金がないといいながら、3つ程度のタイルを配置するにとどまりました。
最後の資源供給も特に波乱が起こることなく終わり、序盤から連携アイコン付きの施設でコツコツ稼いでいた僕が、逃げ切って勝利となりました。

浄水プラントは次第に性能が良く、価格も高いものが出てきますが、発電プラントは1,3,5個で性能があがり、2,4,6個目は性能は変わらず価格が高いという特徴があります。今回は僕が先に発電プラントを作ったこともあり、常に同性能・安価の方の発電プラントを作れていたので、相方よりも資金の余裕が少しあり、それが勝ちにつながったのではないかと思います。


(発電/浄水プラントはタイル左下の数字順に登場します。リバーシブルになっていて、表面はリサイクル(毎ラウンド資源を生産)し、裏面は使い切ったら補充なし、その代わり裏面の方が安く、かつ、初期の資源数が多くなってます)
後日、Sと2人で遊ぶ機会がありました。
Sは僕と相方のように勢いだけで遊ぶようなひとではないので、2回目の僕に負けないくらい計画的に施設を作っていたのですが、連携アイコン付きのタイルを押さえた僕が勝利しました。
あとは、発電プラントが1個目をとるか2個目をとるかってのがやはり大きいように思います。この時も僕が1,3個目の発電プラントをとり、若干お金で有利に立つことができました。
4ラウンド目で突如Sが発電プラント、浄水プラントを次々に作り始めたので、プラント数×3点とかの施設を作ってくるのか!?と戦々恐々でしたが、Sは単に電気と水を押さえることで僕の施設の効果発動をとめようという狙いだったようです。まあ、その時点では僕は十分に電気、水は足りていたので、Sは大量に資源を余らせて終わるということになってしまったのですが…。

(ゲーム終了時)
【感想】
ドラフト&タイル配置では「このタイルがなんとなく性能がよさそう」という程度の行き当たりばったりで案外なんとかなる寛容さを持ちつつ、資源の供給部分ではしっかりとした戦略性を持っているというのが素晴らしいゲームです。
もちろん、ドラフト&タイル配置からきっちりやった方がゲーム全体の戦略性は高まりますし、ドラフト&タイル配置では基本的にお金はでていくだけで、計算もそこまでややこしくはないので計画は立てやすいと思います。
2回目からはもっと面白くなるが、初回も十分面白い、くらいでしょうか。
タイルのイラストやピック&デリバリーと言うことでキューブを大量に使うことによる、見栄えの良さもあるので、ゲーム開始前のつかみの良さもかなりのものと思います。現に相方は、「こないだタイルを抜いた、あのゲームいつやるの?」と気にしてくれてましたし(なんか、ドラムロールと言い、シティタイクーンと言い、見た目で判断しすぎな気もしますが、プレイしてくれれば万事問題なしです)。
ラウンド間で施設の効果の差があるので、資材の運搬先の優先度付けについて、自分のプラントだけを考えて計画する分には結構楽です(新しく建てた施設を優先すれば基本的には得)。資源が足りるか足りないかは、よく計算間違えて、あれ?ってなりますが。
「共有プラントの電気/水を先に使って相手を邪魔しよう」、ここまでもそう難しくはありません。使われた方が不利になるだけなので。
しかし、「相手プラントの電気/水を使って邪魔をしよう」は、僕は頭がパンクしそうになりましたねw。基本的にやったらやり返されるので、運搬コストと施設から得られる恩恵が相手と自分とでどちらが高いのかを考えるだけといえばだけなんですが、自分が使う資源と相手が使う資源が必ずしもイコールではなく、損得勘定と資源の過不足を考えるのがややこしいです。
タイルのドラフトは2人程度ではあってもなくてもほとんど変わらないというか、大抵の場合、自分の欲しいタイルを取ることができます。2人の間をいったりきたりするだけなので、これがなくなるだろうな、やっぱりなくなったというのが数回繰り返されるだけです。
しかし、プレイ人数が多い方が良いかと言うとそれも微妙です。何故なら、世界の7不思議とは異なり、お金の関係上、1ラウンドに配置できるタイルは3,4枚といったところです。つまり、1ラウンドで手に入る6枚のタイルのうち半分は売るかプラント用に捨てることになります。
そのため、ドラフトも後半は「どれを取ってもどうせ売るので関係ない」という状態になります。
これを踏まえると、どれを残すのか?というドラフトの面白さを見出せるのは3人が限界だと思いますし、下家に有利なタイルを渡さないようにカットすると単に自分にまずいタイルしか残らなくなる可能性もあって、そもそもドラフト自体には正直、それほど面白味は見いだせないかもしれません。
あとは、プレイ中でも感想戦でも話にでたこととして、「相手が建てた発電/浄水プラントに隣接するように自分の建物を建てるのは得策なのか?」があります。
相方とのゲームもSとのゲームも、互いに相手側がタイルを広げている側には飛び込まず、プレイヤー同士で別々の方向に開発を進めていました。僕は、どうにも相手側に飛び込んで邪魔することにメリットが見えなかったからですが、後で聞くと相方もSも同じ考えだったようです。
これは2人で遊んでいたからで、やったらやり返されて終わるだけというのが不毛と、僕、相方、Sは考えたわけですが、3人以上のゲームであれば、複数人で攻められた側は報復しきれず、邪魔する側はきっちり邪魔できますね。
そんなわけで、平和にまったりゲームするだけなら2人でも楽しく、他プレイヤーへの攻撃も含めて、きっちりできることはやるというスタイルなら3人以上いないと面白さは出てこないと思います(個人的にはタイルのドラフトを楽しむなら3人くらいが良いのではと思ってます)。
ただ、最初に書いたようにそれは頭を使いますし、タイルで街を広げて(広がって)いくのをみるのも楽しいゲームなので、邪魔しあうことで、お金の消費が増えて施設の建設数が減るのは、個人的には遠慮したいかなと思います。余裕ある時にはガチゲームもいいんですが。