トップシークレット/Top Secret

(インスト5~10分。プレイ時間4,50分ほど)
【概要】
君たちはスパイとして自国のためにあらゆる国の機密情報を収集し、それを自国に持ち帰ることを目的としている。もちろん自国の機密情報も大事だが、敵国の情報も入手しなければ他国を出し抜くことなどできはしない。そうして、一番情報を集めるのだ。
【ルール】
各プレイヤーが中身は自分以外には秘密のトランクを4つ持っており、それを互いに奪い合うゲームです。
プレイヤーは自分の色を決め、7人のエージェントコマと4つのトランクコマ、4枚のトランクカード、7枚の決闘カードを受け取ります。
トランクにはA~Dのアルファベットがふられており、各トランクに1枚ずつトランクカードを内容は他人には見せずにセットします。
その後、手番にダイス(0~3の変形6面ダイス)を振り、出た目分、自分のエージェントを動かします。ダイスの目は複数のエージェントに自由に割り振れます(合計3の目で3人のエージェントを1マスずつ動かすのも、2人のエージェントを1マス、2マス動かすのも自由)。
ゲーム中、全てのトランクはボード上のいずれかのマスに置かれます。そのマスを通過することでエージェントは自国、他国の区別なくトランクを手に入れることができます。トランクを持って、自国へ帰ることができれば、トランクを開けることができ、中身を入手します。
トランクカードは、各プレイヤー、機密書類が5,3,1枚のカード1枚ずつと、爆弾カード1枚の計4枚です。機密書類を10枚入手したプレイヤーが勝利します。爆弾は開けた国のその時点で生きているエージェントが半分になります(半分(端数切り上げ)爆死します)。
エージェントの移動時に他国のエージェントのいるマスを通過すると、決闘が発生します。プレイヤーはお互いに決闘カードを1枚ずつ持ち、いっせいに表を向けて数字を比べます。大きい数字を出した方が勝利し、数字が小さい方は死亡します。ただし、0のカードは逃げたことなるため、エージェントは死にはしません。
勝利したエージェントは相手が持っていたトランクを奪うこともできます。決闘カードは7枚を使いきるまで補充されません。
【プレイ内容】
以前、ボードゲームリサイクルCUBEにうかがった際に見つけて、コンポーネントが可愛かったので買ってみました(この記事を書こうとして、ふと、ボードゲームをはじめてしばらく経ったころに、リプレイを読んで面白そう!欲しい!と思ったものの、絶版だったので諦めていたことを思い出しました)。
四隅にそれぞれの色のアジトと自国があるのですが、僕とFとSの3人なので、エージェントをアジトから自国に戻そうとするSとFの通り道を僕が突っ切る形になりました。とはいえ、エージェントは各プレイヤー3コマまでしかボード上に出せないので、思っていたよりはマスに余裕があり、決闘を回避することは容易そうです。
FとSは決闘を避けようとしていたようですが、そもそも自分のトランクカードの機密書類を全て合計しても9枚(5+3+1)と勝利条件である10枚には足りません。それに、戦うルールが用意されているゲームで戦わない理由もなかろう!と、開始早々からFのエージェントに決闘をふっかけます。
決闘を起こすマスにちょうど止まるように移動すれば、決闘カードの数値が引き分けの時、攻め込んだ側が勝てます。なので、基本的に攻め込んだ側が有利です。
引き分けで勝てるのであれば、最大の数値である5のカードを出せば良いので、さくっとFのエージェントを殺してトランクを奪い取ります。

(スパイの世界は非常なのです。エージェントコマには穴が開いていて、トランクにつけられた凸をはめ込めるようになっています。)
そして、せっかく奪ったトランクをまた奪われるのも…と、奪ったエージェントだけを動かして一気に自国へ持ちかえりました。
爆弾だったら一気に大量にエージェントが死ぬわけですが、えいやっと開けたトランクの中には5枚の機密書類が入ってました!

(敵国の5枚の機密文書を奪ったのは大きい!)
これであとは自分の5枚の機密文書入りトランクを持ちかえれば勝利です。
ボード上の様々なところで決闘が行われ、僕、F、Sのエージェントも3,4人は死んでしまいましたが、僕の5枚入りのトランクはFにもSにも目をつけられることなく、僕がさくっと自国へ持ちかえって勝利となりました。

(トランク2つで最短勝利)
FもSもこれはおもしろい!と言ってくれたので、即続けて2戦目を。
2戦目も僕がまず、Fが自国に持ちかえろうと先に進めていたトランクをエージェントを殺して奪い、あれだけ優先して運んでいたのだから、きっと5枚入りに違いない、ちょろいぜ!と自国に持ちかえり、意気揚々とトランクを開けると、なんと爆弾w。
開始早々に僕のエージェントは4人死亡してしまい、残りは3人にまで減ってしまいました。

(大惨事)
僕だったらとっとと3人の国をがつがつ攻めて全滅させるのですが、FとSは互いを警戒したのか、それほど僕に決闘をしてきません。
1戦目、最も積極的に決闘を申し込んでいたのは僕だったこと、2戦目は大きなダイスの目が比較的よく出たこともあってか、2戦目は1戦目ほどは決闘が発生せず、どんどんトランクを自分の国に3人とも運び込んでいました。
そんな時、Sが自分のトランクをもたせたエージェントを自国の1マス前まで進めたにも関わらず、そこで進めるのをやめてしまいます。数ターン経過しても動かさず、そのままです。
僕、F:「このトランクの中身、爆弾だよね」
まあ、Sは否定しますが、既にばればれということでゲーム終了まで放置で・・・。
非常にうまいことゲームは進み、僕:7点、F:8点、S:9点、場に残っているのは僕のトランクが2つ(爆弾と3点)、Sのトランクが1つ(爆弾)という状況に。僕のトランクの2択を間違えずにトランクを持ちかえった人が勝利します。
そして、Fが僕のトランクのうちの1つを手に取り、自国へと向かいます。Fの決闘カードを削るために、SがFに決闘を申し込みます。この決闘でFは虎の子の4の決闘カードを使ってしまいます。これで、僕、F、Sの3人とも3が最大の数値となりました。

(FとSの決闘は、Fが4でトランクを死守。虎視眈々と決闘で弱ったFを狙う僕の青エージェント)
というわけで、次の手番の僕はごっつぁんです!と3のカードを使って、Fのエージェントを殺し、トランクを奪います。
次の、F、Sの手番ではダイスの目が振るわず、僕のエージェントを殺すことができません。そして、僕の手番、Sから奪ったトランクではなく、残った1つのトランクの方に持ちかえて、自国へ飛び込みました。これで合計10点となり、2戦目も勝利することができました。

【感想】
1985年発売と古い作品ということもあって、時間がかかるのではないか、ゲームが発散してしまうのではないかと気になっていましたが、まったくの杞憂でした。
ゲーム自体は単純ですが、コンポーネントが凝っていて、エージェントが機密文書を手にもち、様々な国を渡り歩いているところを容易に想像できます。
トランクの中身と、決闘カードとで基本的に読み合い、ブラフの掛け合いのゲームですがあまりにもエージェントががんがん死ぬせいか、逆にコメディのような印象を持たせて、ゲームを非常に軽くしています。
シチュエーションに浸りながら、あほらしさを笑いながら、真面目に思惑を推理しあう、楽しいゲームです。
プレイ時間も1時間とかからないので、そういった点でも気軽に遊べます。
とはいえ、ゲームシステムがブラフの掛け合いにひと役かっているかと言うと、それほどでもないのが正直なところです。
ある程度、動きで爆弾か? それとも5枚か?というブラフを仕掛けることもできますが、爆弾入りをあまり積極的に動かしてしまうと、今回のSのようににっちもさっちも行かなくなってばれます。ばれても大きな不利益があるわけではないですが、勝つためには(10点になるためには)、結局他国のトランクを奪わなければならないので、積極的にブラフを仕掛けるメリットがいまひとつのような気がします。
それよりは、他国が奪ったトランクが爆弾になる確率をあげるために自分のトランクをがんがん運んだ方が有効かもしれません。
しかし、そんなに真面目にやってしまうとゲームの魅力が死んでしまうもの確かで、ブラフを仕掛けるのは効率的ではないと知りつつ、ブラフをかけるからこそ、ひっかかるし、笑えるしだと思います。
僕がCUBEで購入できたのはラッキーでしたが、調べてみると、絶版とはいえ、そこまで流通していないわけではなさそうなので、気になった方は探せば案外購入できるのではないかと思います。