ピザ・セオリー/Pizza Theory

(2人でインスト込み30分)
【概要】
よう! 俺はトマト! ピザの具を全部トマトにしてやるのが夢なんだ。
マッシュルームやブロッコリーのやつらになんか、ピザの具の主役は渡さないぜ!
【ルール】
赤(トマト、ベーコン、サラミ、パプリカ)、緑(ピーマン?、ブロッコリー、ローリエ?、ねぎ?)、白(チーズ、マッシュルーム、ニンニク、玉ねぎ)のうちの1つの色を担当し、ピザの上で陣取りをします。
手元の具材を最もピザに乗せたプレイヤーが勝利します。
1ラウンドは以下の手順で行います。
1.具を置く
各プレイヤーが1つピザの上に具を置きます。この時、自分の色の具に接しないように置く必要があります。
2.カットするラインを決める
各プレイヤーとも、ピザのどこを切るのかを決めて、その場所の番号を手元のダイスで表示します。目の前からまっすぐにしか切ることはできません。ダイスの目は手で隠しておき、一斉にオープンします。

(こんな感じで隠します)
3.具の入れ替え
ラインによってピザはいくつかのカットに切り分けられています。各カットで最多数でない具は全て、最多数の具と入れ替えられます。

(左側ののカットの緑の具は赤の具に替えられます。上部のカットは、赤、白、緑ともに3つで同数なので入れ替えはありません)
最多数の具が2種類ある場合、残り1つの具が取り除かれます。3種類が同数であればなにも起こりません。
4.ピザをまわす
ピザを120度まわします(ピザに1st、2ndと書かれているので要は手番順が変わります)。
いずれかのプレイヤーの手元から具がなくなったらゲーム終了です。最もピザの上に具が乗っているプレイヤーが勝利します。
2人プレイ用ルール
2人プレイ時には、カットするラインを決める前に、交代で一方のプレイヤーが使われていない色のダイスを振り、出た目のラインに接するようにその使われていない色の具を1つ置きます。そのラインは残したまま、プレイヤーはカットするラインを決めます。具の入れ替えの処理は3人時と同様です。
【プレイ内容&感想】
3人の方が良いのだろうなと思いつつ、相方と2人で2戦ほど遊んでみました。
1戦目。ラインでカットしてエリアが区切られるとはいえ、ある程度固まっていた方が有利だろうと、近くに近くに置くようにしました。一方で、バンバンこちらの色が多いところにも相方の緑の具軍は飛び込んでくるので、これは良い餌食だと各個撃破していたら、最後は相方が戦意喪失してしまうほど陣地に差ができてしまい、僕の勝ち。
2戦目。かたまらせた方が良い旨を伝えて、プレイしたところ、こちらのカットで僕が2つ取れば、あちらのカットで相方が2つ取るような一進一退の攻防が続く、良い勝負に。
僕も相方も出来る限り、自分の具がまわりにあるところに新しく置く具も配置したいのですが、数ターン経過するとさすがに場所がなくなってきて、徐々にそうも言っていられない感じに盤上(ピザ上)がなってきます。
一気に大量に入れ替わる時も近いのか…?と緊張が高まってきたところで、僕と相方に使われていない白の具用のダイスを僕が振ると、相方の大半の具を占め出すような位置にラインが引かれてしまいました。
そこから漏れた緑をおいしくいただいて、一気に勝利となりました。

(赤勝利の図。白のラインで緑の具のほとんどが勝負に絡めていません)
2人プレイだったこともあって最後はダイス運で決まってしまいましたが、適度に自分の考えと相手の考えが絡まりつつ、短時間で収束していく良いゲームだと思います。
2人プレイ時の使われていない色の扱いはともかく、基本的に運は全く絡まないので、ルールを読むだけだと結構重めのプレイ感になるかもと思っていました。実際に、カットを決めるのが相手の思惑を読み合う形になりましたが、なんというか、「ここをカットするのはあり得ないだろう」という手もあるので、実は選択肢はそんなに多くなく、そのおかげかプレイ感は軽いです。
逆に言えば、思いもよらない手というのはそんなにない(はず)なので、ミスをした方が負けるという地味なゲームなのかもしれません。3人だと白は赤を狙っているから、その隙をついて…というのもできるかもしれませんが、やってみんとどうともいえません。少なくとも2人ではミスをした方orダイス運に見放された方が負けるという気がしました。
しかし、ダイス運による突然死のようなことがあり得る状況でやって面白いゲームかは正直微妙なので、3人そろった時にやってみたいところです。
また、陣取り、多数派が勝つという性質上、具の彩りが結構偏ります。見た目での陣のわかりやすさのために仕方なかったのでしょうが、ピザ上で色が偏るというのは見た目的に美しくないのが残念です。(概要の文は僕が適当に書いただけで実際には特にストーリーめいたものはありません)
(2012.4.13追記)説明書には記載はありませんが箱の裏に、ピザの具ってみんな持論があるよね的な話が書いてありました。
このゲーム、コンポーネントが結構凝っています。箱は配達ピザの容器を模していますし、ピザや具もただの紙ではなく、コーティングされていてテッカテカです。ダイスもよく使われているサイズよりふたまわりくらい大きいです。

具がずれないようにピザには穴が少し開いていて、はめ込まれたピザの具は少々のことでは動きません。70度くらいなら傾けても平気です。

箱もちょっと上げ底になってはいますが、全てのコンポーネントがぴたっと収まるなかなかの収納性です。

ピザを折りたくないとか、箱をピザを模したいとか事情はあったのでしょうが、正直なところ、こんなに大きくなくても良かったんじゃとも思うので難しいところです(中箱と呼ばれている、ドミニオンサイズの箱です)。
僕はKickstarterで購入しましたが、出版はグリフォンゲームズなので、たぶん国内のショップにも入ってくるのではないかなーと思います。とはいえ、本当か?と言われればわかりませんというのが正直なところですが…。