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マンハッタンプロジェクト/The Manhattan Project

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(インスト込み、2人で1時間15分)

【概要】

核という革新的な技術が発見され、多くの国で研究が開始されました。あなたの国はその技術を使った兵器開発競争に勝ち抜き、他の国々より有利な立場に立つことができるでしょうか。

【ルール】

いずれかのプレイヤーが目標の点数を達成するまで以下のどちらかを各プレイヤーが手番ごとに行います。

1.ワーカーの配置
2.ワーカーの回収

1.ワーカーの配置

ワーカーを配置することで様々なアクションを行います。ワーカーの配置は以下の2段階で行います。

Step1:ボード上にワーカーを配置する。
Step2:自分の建物カード上にワーカーを配置する。

1手番に、ボード上のアクションは1つのみ、建物カードを使うアクションは未使用のワーカーと建物がある限り繰り返し行うことができます。

ボード上にあるアクションは以下です。

建物の建築:スペースに並んだ建物カードを購入し、自分のボードに配置します。建物カードは常に7枚公開され、並びが左から右に行くほど価格があがります(2,3,5,7,10…のように)。購入されることで空いたスペースは右のカードをスライドさせ、一番右のスペースに新しいカードをめくっておきます。
攻撃:自国の戦闘機と爆撃機で任意のプレイヤーひとりの国を攻撃します。戦闘機は戦闘機or爆撃機を破壊、爆撃機は建物を破損させて使用不可にすることができます。
修復:爆撃機によって破損した自国の建物を修復します。お金を払うことで手番以外のプレイヤーも修復可能です。
工場:戦闘機や爆撃機、お金を入手します。
鉱山:イエローケーキ(ウラン鉱石)を入手します。
大学:科学者や技術者などの追加ワーカーを入手します。
原子炉:プレイヤーは、プルトニウムや濃縮ウランを入手します。
爆弾の設計:爆弾の設計図を入手します。
スパイ:スパイを雇います。その手番中のみスパイの人数分他国の建物にワーカーを配置し建物を使用できます。

建物カードでは、「鉱山」「工場」「大学」「原子炉」があり、それぞれのアクションを行うことができます。

ボードの配置場所、建物カードではアクションに必要なワーカーの数/種類、お金、イエローケーキ等が異なり、基本的にアクションに必要なものが増えるほど、入手できる数は増えます。

2.ワーカーの回収

・配置された場所に関わらず自国の全てのワーカーを回収します。
・自国の建物カード上にある他国のワーカーを持ち主のプレイヤーに戻します。
・ボード上、自国の建物カード上、手番プレイヤーの手元にある契約人材をストックに戻します。
※契約人材:上記のとおり自国には戻ってきませんが、大学にて入手し、一度のみ自国のワーカーと同様に使用可能なワーカー
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(右下に投げやりに置かれているのが契約人材です)

・爆弾アクション

ワーカーの配置を選択した場合、手番中の任意のタイミングで爆弾アクションを行うことができます。
爆弾アクションは、以下の3種類です。

製造…手元にある設計図に示されたワーカー、濃縮ウラン等を配置・消費することで爆弾を製造します。製造した爆弾はそのまま得点になります。プルトニウム爆弾は爆縮試験カウンターの有無で得点がことなります。

試験…手元のプルトニウム爆弾を1つ失うことで爆縮試験を行い、爆縮試験カウンターを得ます。

搭載…爆弾カードに書かれたお金と爆撃機を1機消費して、爆弾を爆撃機に搭載します。搭載カウンターを爆弾カードに乗せます。

※爆弾カード、爆縮試験カウンター、搭載カウンターには得点が書かれており、プレイヤーはそのままの得点を入手し、目標点を達成したら直ちにゲームは終了します。
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※初期建物:建物カードには、初期建物と呼ばれる6つのカードがあります。BGGの作者の書き込みによると、本来は裏面が通常の建物と異なるのですが、初版はミスプリントのため、初期建物と書かれているのは4枚しかありません。通常の建物から2枚、大学を初期建物として扱うとのことです。
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(これら6枚のカードが初期建物です)

【プレイ内容】

3人以上でやるゲームだろうと思いつつも、ルールの確認等も兼ねて相方と2人で遊んでみました。

ワーカーを増やすのは定石だろうと、相方は初手、ボード上の大学で技術者を得ます。建物カードによるアクションはボード上のアクションに追加で行うため、ボード上のアクションよりは、建物カードの効果で同じことをやった方が良いだろうと、僕は建物の建築で大学を購入&建築し、すぐに科学者を手に入れます(技術者を手に入れる大学は価格が高かったので買えず)。

とりあえずワーカー増やせばいいだろーくらいしか考えてなかったのですが、科学者は主に原子炉での濃縮ウラン作成や爆弾作成で活躍するワーカーで、建物の建築や工場では技術者の方が圧倒的に便利なことに、すぐ気付きます。建物の建築では、安い建物(2金&3金)の建物は技術者ならばタダで建築できますし、お金や戦闘機などを多く得る工場は技術者でないと動きません。

これは失敗したと思いつつ、仕方ないので工場を購入して、とりあえずお金を…などとやっていると、僕が建物を購入したせいで、技術者を入手できる大学が安くなり、相方がさくっと購入します。
このまま相方と技術者数で差がつくのはうまくないというところで、相方がワーカーを回収してくれたので、スパイアクション発動です。相方の大学を使って自分の技術者を増やしつつ、相方の技術者増加を止めます。

一方で相方は、爆弾を作らないと点数が入らないのであればと、鉱山を2つ購入し、イエローケーキをどんどん貯め込んでいました。
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(中盤くらいの相方の国。イエローケーキの生産力はすごいですが工場はそれほどありません)

僕は相方より科学者数で上回っているので、ウランの濃縮や爆弾製造を有利に進めるといきたいところでしたが、あまり効率的でない鉱山しかもっていなかったこともあり、イエローケーキが貯まらず、しかも、ボード上の原子炉は相方のワーカーに使われ、建物でも原子炉が中々出てこず、ひたすら工場を稼働させて戦闘機と爆撃機を作りつつ、お金を手に入れることしかできませでした(場に出ている爆弾も濃縮ウランを使うものばかりで、ただでさえ少ないイエローケーキをプルトニウム作成に使うのに思いきれませんでした)。

このまま離されるのも嫌だったので、豊富な戦闘機と爆撃機で相方国に攻め込んだりもしました。既に十分なイエローケーキもワーカーも持っており、かつ、お金を手に入れるための工場がほとんどない相方国には、正直あまり有効な手ではなかったですが…。

そんな時、ついに原子炉の建物が出てきました! これは是非とも手に入れなければ…とお金を貯めつつ、機会を待ちます。相方はお金になる工場をあまり持っておらず、かつ、濃縮ウランの作成にお金を使っていたので、お金だけは僕の方が確実に持っています。
相方もお金が欲しくなったのか工場を買ってくれたおかげで価格の下がった原子炉を10金で購入し、ついに濃縮ウランの作成に乗り出します。

ここからは、お互いに相手の残りのワーカーを良く見つつ、タイミングを見ては回収、すぐに濃縮ウランを作成という作業に入りました。

爆弾を先に作ったのは僕でしたが、相方もすぐに1つ爆弾を完成させます。そんなこんなで、お互いにあと1つ爆弾を作れば目標点に達するという状況に。僕はあと1つ濃縮ウランがあれば爆弾が作れます。
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(僕の爆弾完成&搭載完了)

自分の原子炉でもボード上の原子炉でもいいやーと気が緩んだ隙に相方にスパイで僕の原子炉は使われます。相方はそのまま爆弾を作成、さらに搭載で5点手に入るので負けた?と思いきや、相方は搭載に必要なお金が足りず、あと2点ほど目標点に足りていません。

ラッキーではありますが、相方が1金でも手に入れれば終わる状況です。何か手はないか…と見るに相方国は戦闘機も爆撃機も数が少ないです。搭載に必要な爆撃機を破壊すれば!と爆撃機を全て破壊しました。これで相方はお金と爆撃機の2つが必要で、どう考えても2ターンはかかります。
よし!勝った!と濃縮ウランを作成し、爆弾を製造…としたものの、技術者ワーカーが1つ足りません…。
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(終了直前の僕の国。原子炉におかれた相方のスパイが勝敗をわけることに)

どう足掻いてもこのターンで技術者を手に入れることはできず、結局、相方が爆弾を搭載させてしまい目標点突破、勝利となりました。

【感想】

テーマがテーマだけにアホなゲームかと思っていましたが、そんなことは全くなく、しごく真っ当なゲームでした。あと、相方もテーマが不謹慎ではないのかと気にしていましたが、爆弾はあくまで抑止力として作るだけですし、イエローケーキ、濃縮ウラン、プルトニウムの扱われ方は妙なデフォルメはされておらず、真面目で、ふざけてはいないので、実際にプレイした時には、テーマを聞いた時に危惧するような、嫌悪感、不謹慎さは感じませんでした。

ゲームは、ワーカーが結構なスピードで増えていく(ひとりのワーカーを3人に増やす大学とかあります)のと、1手番に使える建物の数に制限がないことから、かなりのスピードでサクサクと進みます。

ワーカーを回収した直後の手番では、今回の僕の例だと中盤以降、建物の効果で、戦闘機を3、爆撃機を5機、お金を7金、イエローケーキを1つ、濃縮ウランを2つ、技術者ワーカーを3つ等々を一気に手に入れることができる状態になっていました。
だいたい濃縮ウラン4つ、技術者・科学者3人で作る爆弾で15点前後、さらに搭載で5点追加を獲得できるので、おおよそ目標点(プレイ人数で変化)の半分から1/3相当を1手番で生産出来ていたことになります。
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(ほぼ終盤の僕の国。緑のワーカーは相方のスパイです)

序盤から中盤にかけてあっという間にワーカーが増えて、生産力がどんどん増えていくのは、とても気持ちが良いです。
ただ、爆弾の製造は、濃縮ウランやプルトニウムをコツコツと(といってもアクションとしては爆弾1つにつき2,3回)作る必要があるので、サクサクの反動で同じことの繰り返しが、面倒とはいかないですがちょっと気になりました。
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(原子炉カード。多くても3つくらいしかプルトニウム、濃縮ウランは作れません)

さらにワーカーをボード上のアクションや建物カード上に配置してアクションを実施しはしますが、ボード上のアクションスペースは効率は違えど同様のアクションが複数スペース用意されていますし、建物カードも同種類のカードは10枚もある(微妙に効果は異なる)ので、自分のやりたいことが全くできないという状況にはそうそう陥りません。

とはいっても、プレイ人数次第ではスペースは別の誰かに占有されがちになりますし、原子炉や修復アクション等はボード上に1ヵ所ずつしかスペースはありません。さらに、スパイアクションであったり、建物カードを先に購入されたりであったりで、プレイ内容部分にも書きましたが、ワーカーの回収のタイミングを読み合ったり、他プレイヤーのアクションを邪魔したりは十分に熱いです。
スパイで他国の建物を使う時にも契約人材を使うと嫌らしさが増すケースもあったりします。

爆弾や建物カードの出方次第で展開も変わるので、一本調子になることはないとも思うのですが、逆に、爆弾やカードの巡りあわせで、非常に苦しい展開になるプレイヤーも出てくるような気もします。プレイ人数が少ないと建物カードや爆弾の回転が悪いので。
例えば、濃縮ウランを作る施設を持っているのに、プルトニウム爆弾ばかり出てきたりなどです。スパイアクション等で余程の状況でない限りなんとかなるような気もしますが。

また、コンポーネントはよくあるサイズからふたまわりほど小さいです。個人ボードがあるタイプのゲームですが、かなり省スペースのゲームです。
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(比較対象はマンマミーヤのカードで。)

テーマで敬遠されることもあるかもしれませんが、それだけでプレイしないのはもったいない非常に手軽・快適なワーカープレイスメントゲームだと思います。直接攻撃のアクションもあるので多人数で遊んだ方が盛り上がりそうであり、その時が楽しみです。

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プロフィール

ひだり

Author:ひだり
川崎市で相方や友人たちとボドゲやってます。

オールタイムベストは、
・グローリー・トゥ・ローマ
・バサリ
・インペリアル
・アフター・ザ・フラッド
・ゴッズプレイグラウンド
・HABA社製品 全般

推理ゲーム好きだけど↑には入ってないという
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連絡先:hidarigray@gmail.com
※当blogはリンクフリーです

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