いろこいす(同人)
(2009/10/15にルールの適用漏れ等について追記しました。本記事の内容は誤ったルールや未適用のルールがあった上でのプレイであることを認識された上でお読みください)
今年のゲームマーケットでTYが購入していた同人ゲームで、買ってすぐにダミープレイヤーを置きつつ、2人でプレイしていたTYからは「ギャルゲーみたい」「手順が煩雑」「すげー時間かかった」等々、
あまりよくない評判を聞いていたのですが、「せっかく買ったのだから、まともにプレイしてみたい」とのことで、持参してくれたようでした。
12人(だったと思う)いるお姫様にアプローチして、好感度をあげ、参加者全員の中で最も好感度を高くすることで得点していくゲームです。
ゲーム中には、「蹴鞠」「囲碁」等の教養?ジャンルがあり、お姫様はいずれかのジャンルに所属しています。お姫様にはそれぞれ魅力度が設定されているのですが、1ジャンルに複数のお姫様が所属している場合には、この魅力度で序列が決まり、得点に差がうまれます。
(魅力が高いほど、序列が高く、序列が高いほど高得点)
所属ジャンルは、カードをプレイすることで変えることもできます。
自分には官位や、様々なステータスが設定されており、官位はあがれば上がるほど特典がありますし、ステータスもあげれば、ステータスごとに有利になる場面があります。
ゲームの流れは、こんな感じです。
①カードを2枚ずつ取得する。
②カードに書かれた扇数に応じて、自分の強化アクションを実施。
③お姫様へのアプローチ。
④文カード(アイテムみたいなもの)を1枚ずつ取得する。
⑤ラウンドエンド(①へ戻る)
最初は、全体的な進行手順や強化アクションとそれの持つ意味がわかっておらず、進行が停滞気味でしたが、3ラウンドくらいからはサクサクと進み、開始前にTYから聞いたいた程の時間はかからず、1時間程度で規定ラウンドが終わり、(たぶん)Tが勝利しました。
官位上げが出遅れたのが痛かったです。
メカニクスは、(当たり前ですが)ゲームゲームしているのですが、それが意味があったのかというと甚だ疑問でした。プレイしていて気になった点をいくつかあげます。
1.戦略を考えるべきところが、運に左右されすぎるため、結果として戦略を考える余地がなくなっている。
・③でお姫様へアプローチを行いますが、これは①で取得したカードの1枚で所属ジャンルを、もう1枚で移動させたいジャンルを指定します。
アプローチして、恋愛度をあげつつ、より高得点がとれるようジャンル移動を促すわけです。最終的には高得点取得者が勝利するわけなので、ジャンル移動は結構重要なファクターです。他プレイヤーへの恋愛度が高いお姫様の得点を減らし、自分の恋愛度が高いお姫様を上手に散らすことができれば有利でしょう。しかし、ここで使うカードはその直後に取得したカードを使うことになり、少なくとも1枚は、恋愛度をあげたいお姫様を選ぶために使用します。その残ったカードがお姫様を移動させたいジャンルであることなど、ほぼないです。そのため、このジャンル移動というルールは実質的に死んでしまっています。手札から出す形にすれば、多少なりとも縛りが緩和され、使えるルールになったのではないかと思います。
(2009/10/15追記:追加ルールである本カードを活用することで、上記のような縛りは緩和され、戦略的な要素は増加するようになっている)
2.ジャンル内の得点の高低の幅が小さいため、魅力度の高低がそれほど意味がない。
・最高8点、最低4点、その他6点です。4点の差であれば、それなりに大きいですが、そのジャンルで最高位をとることに、そこまで執着する差ではないです。少数精鋭よりも質より量でとにかく恋愛度トップを目指したほうがよさそうです。これが1と相まって、カードをジャンル移動に費やすよりも、恋愛度上げ(お姫様の指定)に使用した方がよい=ジャンル移動がますます影が薄く。という連鎖がうまれてしまっています。
3.官位のどんずまり
・官位のポストは参加者よりも少なく、かつ、段階をおってしか上がれないので、最初に官位上げから脱落したプレイヤーは基本的にずっと下っ端です。こういうゲーム性もありなんでしょうが、逆転要素がないと序盤で官位に関しては決定してしまうってのは、少し気になりました。
(2009/10/15追記:ルールのインスト漏れが原因で発生した不具合で、実際には、「ファッションレベル」というパラメータを上げることにより官位の逆転は可能)
4.コンポーネントがわかりづらい
・コンポーネントは宝石みたいな感じでとても綺麗です。しかし、同じコンポーネントに複数の意味をもたせ、ステータスシート上の起き場所で意味を区別するため、わかりづらいです。
他にも扇マーク数のこと等ありますが、割愛します。
最初に書いたことの一部繰り返しになりますが、この「いろこいす」、ゲームの要素はそれなりに含まれているため、ゲームをしている気にはなります。しかし、それぞれの要素がちぐはぐで、勝つために自らの意思で使うのではなく、ルールに縛られたまま、淡々とルール通りにギミックを動かして、「はい、おしまい」となってしまうように感じました。考える要素はあっても、カード運の関係からそえ反映させることはできないので、上記のような結論になります。コンポーネント数やカード枚数が価格に跳ねると思うので、仕方ないんでしょうかね。
今年のゲームマーケットでTYが購入していた同人ゲームで、買ってすぐにダミープレイヤーを置きつつ、2人でプレイしていたTYからは「ギャルゲーみたい」「手順が煩雑」「すげー時間かかった」等々、
あまりよくない評判を聞いていたのですが、「せっかく買ったのだから、まともにプレイしてみたい」とのことで、持参してくれたようでした。
12人(だったと思う)いるお姫様にアプローチして、好感度をあげ、参加者全員の中で最も好感度を高くすることで得点していくゲームです。
ゲーム中には、「蹴鞠」「囲碁」等の教養?ジャンルがあり、お姫様はいずれかのジャンルに所属しています。お姫様にはそれぞれ魅力度が設定されているのですが、1ジャンルに複数のお姫様が所属している場合には、この魅力度で序列が決まり、得点に差がうまれます。
(魅力が高いほど、序列が高く、序列が高いほど高得点)
所属ジャンルは、カードをプレイすることで変えることもできます。
自分には官位や、様々なステータスが設定されており、官位はあがれば上がるほど特典がありますし、ステータスもあげれば、ステータスごとに有利になる場面があります。
ゲームの流れは、こんな感じです。
①カードを2枚ずつ取得する。
②カードに書かれた扇数に応じて、自分の強化アクションを実施。
③お姫様へのアプローチ。
④文カード(アイテムみたいなもの)を1枚ずつ取得する。
⑤ラウンドエンド(①へ戻る)
最初は、全体的な進行手順や強化アクションとそれの持つ意味がわかっておらず、進行が停滞気味でしたが、3ラウンドくらいからはサクサクと進み、開始前にTYから聞いたいた程の時間はかからず、1時間程度で規定ラウンドが終わり、(たぶん)Tが勝利しました。
官位上げが出遅れたのが痛かったです。
メカニクスは、(当たり前ですが)ゲームゲームしているのですが、それが意味があったのかというと甚だ疑問でした。プレイしていて気になった点をいくつかあげます。
1.戦略を考えるべきところが、運に左右されすぎるため、結果として戦略を考える余地がなくなっている。
・③でお姫様へアプローチを行いますが、これは①で取得したカードの1枚で所属ジャンルを、もう1枚で移動させたいジャンルを指定します。
アプローチして、恋愛度をあげつつ、より高得点がとれるようジャンル移動を促すわけです。最終的には高得点取得者が勝利するわけなので、ジャンル移動は結構重要なファクターです。他プレイヤーへの恋愛度が高いお姫様の得点を減らし、自分の恋愛度が高いお姫様を上手に散らすことができれば有利でしょう。しかし、ここで使うカードはその直後に取得したカードを使うことになり、少なくとも1枚は、恋愛度をあげたいお姫様を選ぶために使用します。その残ったカードがお姫様を移動させたいジャンルであることなど、ほぼないです。そのため、このジャンル移動というルールは実質的に死んでしまっています。手札から出す形にすれば、多少なりとも縛りが緩和され、使えるルールになったのではないかと思います。
(2009/10/15追記:追加ルールである本カードを活用することで、上記のような縛りは緩和され、戦略的な要素は増加するようになっている)
2.ジャンル内の得点の高低の幅が小さいため、魅力度の高低がそれほど意味がない。
・最高8点、最低4点、その他6点です。4点の差であれば、それなりに大きいですが、そのジャンルで最高位をとることに、そこまで執着する差ではないです。少数精鋭よりも質より量でとにかく恋愛度トップを目指したほうがよさそうです。これが1と相まって、カードをジャンル移動に費やすよりも、恋愛度上げ(お姫様の指定)に使用した方がよい=ジャンル移動がますます影が薄く。という連鎖がうまれてしまっています。
3.官位のどんずまり
・官位のポストは参加者よりも少なく、かつ、段階をおってしか上がれないので、最初に官位上げから脱落したプレイヤーは基本的にずっと下っ端です。こういうゲーム性もありなんでしょうが、逆転要素がないと序盤で官位に関しては決定してしまうってのは、少し気になりました。
(2009/10/15追記:ルールのインスト漏れが原因で発生した不具合で、実際には、「ファッションレベル」というパラメータを上げることにより官位の逆転は可能)
4.コンポーネントがわかりづらい
・コンポーネントは宝石みたいな感じでとても綺麗です。しかし、同じコンポーネントに複数の意味をもたせ、ステータスシート上の起き場所で意味を区別するため、わかりづらいです。
他にも扇マーク数のこと等ありますが、割愛します。
最初に書いたことの一部繰り返しになりますが、この「いろこいす」、ゲームの要素はそれなりに含まれているため、ゲームをしている気にはなります。しかし、それぞれの要素がちぐはぐで、勝つために自らの意思で使うのではなく、ルールに縛られたまま、淡々とルール通りにギミックを動かして、「はい、おしまい」となってしまうように感じました。考える要素はあっても、カード運の関係からそえ反映させることはできないので、上記のような結論になります。コンポーネント数やカード枚数が価格に跳ねると思うので、仕方ないんでしょうかね。
コメントの投稿
No title
どうも。いろこいすの製作責任者の日本ア太郎と申します。
貴重なご意見ありがとうございました。
特に、
>手札から出す形にすれば、多少なりとも縛りが緩和され、使えるルールになったのではないかと思います。
の部分は、開発中もいったん考慮にあがったのですが、長考を招く結果となったため断念したものでした。ですが、ご指摘内容を再考するに、やはりその方向での検討はさらに進めてみるべきだったと思います。
一応、本カード(http://tablexx.hp.infoseek.co.jp/creation/iroquois/strategy/index.html)を活用したプレイを行えば、ご指摘の点に関しある程度融通が利くようになっておりますが、おっしゃる感触も真摯に受け止め、今後の開発に生かさせて頂きます。
>ジャンル内の得点の高低の幅が小さいため、魅力度の高低がそれほど意味がない。
に関しましては、テストプレイを重ねていた段階で、姫の獲得にぎりぎりで失敗したプレイヤーがそれまでの投資が無駄になる度合いが高いと萎える(魅力度の高い姫を鼻差で獲得したプレイヤーが得すぎる)という感触を鑑みて、それほどは差が出ないように調整した結果の値となっております。
現実の恋愛の投影という意味では前者のままの方がリアルだったのかも知れませんが(笑)、差がある、差がない、いずれにした場合でも一長一短あると思いますので、そこは今回としては派手な変動を抑えるストイックな方向にしてみたということで一抹のご理解を頂ければと思います。
ただこの点に関しても、頂いたご意見は今後の開発に生かさせて頂きます。ありがとうございます。
>官位のどんずまり
に関しましては、「ファッションレベル」を相手より高くすることで官位を逆転できますので、一応どんづまりは起こらないようになっているはずです。
>コンポーメントがわかりづらい
に関しましては、価格の関係上現状が限界でしたが、今後の予算を決める上でも参考にさせて頂きます。
ありがとうございました!
貴重なご意見ありがとうございました。
特に、
>手札から出す形にすれば、多少なりとも縛りが緩和され、使えるルールになったのではないかと思います。
の部分は、開発中もいったん考慮にあがったのですが、長考を招く結果となったため断念したものでした。ですが、ご指摘内容を再考するに、やはりその方向での検討はさらに進めてみるべきだったと思います。
一応、本カード(http://tablexx.hp.infoseek.co.jp/creation/iroquois/strategy/index.html)を活用したプレイを行えば、ご指摘の点に関しある程度融通が利くようになっておりますが、おっしゃる感触も真摯に受け止め、今後の開発に生かさせて頂きます。
>ジャンル内の得点の高低の幅が小さいため、魅力度の高低がそれほど意味がない。
に関しましては、テストプレイを重ねていた段階で、姫の獲得にぎりぎりで失敗したプレイヤーがそれまでの投資が無駄になる度合いが高いと萎える(魅力度の高い姫を鼻差で獲得したプレイヤーが得すぎる)という感触を鑑みて、それほどは差が出ないように調整した結果の値となっております。
現実の恋愛の投影という意味では前者のままの方がリアルだったのかも知れませんが(笑)、差がある、差がない、いずれにした場合でも一長一短あると思いますので、そこは今回としては派手な変動を抑えるストイックな方向にしてみたということで一抹のご理解を頂ければと思います。
ただこの点に関しても、頂いたご意見は今後の開発に生かさせて頂きます。ありがとうございます。
>官位のどんずまり
に関しましては、「ファッションレベル」を相手より高くすることで官位を逆転できますので、一応どんづまりは起こらないようになっているはずです。
>コンポーメントがわかりづらい
に関しましては、価格の関係上現状が限界でしたが、今後の予算を決める上でも参考にさせて頂きます。
ありがとうございました!
No title
>日本ア太郎様
コメントありがとうございます。我ながら勝手なことを書き連ねているところに、直々に非常に丁寧なコメントをいただき恐縮しきりです。正直な話、いただいたコメントを読んで冷や汗がでました。
本カードやファッションと官位の関係等については、自分ではルールを確認しておらず、Tからインストを受けただけの状態でのゲームでしたため、こちらの言いがかりのようなものですね。失礼いたしました。(記事も補足・修正させていただきました)
また、私が不満点としてあげた点について、調整段階で検討・修正されていたという話は興味深く読ませていただきました。その結果思ったのは、(開き直ったようなコメントではありますが)「趣味嗜好というのは、人によって千差万別&万人受けするゲームは難しいなあ」です。私や相方、TYは、どちらかというと、ひと目で状況がわかって、ワイワイと楽しめるようなゲームが好みなので、いろこいすの調整の方向性とは、残念ながら合わなかったようです。(その結果、文句だらけの記事をアップしてしまいました。すいません)
とは言うものの、何かを作り出す人間と、作ったものを批評する人間のどちらが貴重で、また、尊敬できる人間かと言えば、何かを作り出す人間であるは当然と思っています。私などのつまらない趣味嗜好とは関係なく、これからもゲーム作成をされていかれることを陰ながら応援させていただければと思います。
コメントありがとうございます。我ながら勝手なことを書き連ねているところに、直々に非常に丁寧なコメントをいただき恐縮しきりです。正直な話、いただいたコメントを読んで冷や汗がでました。
本カードやファッションと官位の関係等については、自分ではルールを確認しておらず、Tからインストを受けただけの状態でのゲームでしたため、こちらの言いがかりのようなものですね。失礼いたしました。(記事も補足・修正させていただきました)
また、私が不満点としてあげた点について、調整段階で検討・修正されていたという話は興味深く読ませていただきました。その結果思ったのは、(開き直ったようなコメントではありますが)「趣味嗜好というのは、人によって千差万別&万人受けするゲームは難しいなあ」です。私や相方、TYは、どちらかというと、ひと目で状況がわかって、ワイワイと楽しめるようなゲームが好みなので、いろこいすの調整の方向性とは、残念ながら合わなかったようです。(その結果、文句だらけの記事をアップしてしまいました。すいません)
とは言うものの、何かを作り出す人間と、作ったものを批評する人間のどちらが貴重で、また、尊敬できる人間かと言えば、何かを作り出す人間であるは当然と思っています。私などのつまらない趣味嗜好とは関係なく、これからもゲーム作成をされていかれることを陰ながら応援させていただければと思います。