数エーカーの雪/A Few Acres of Snow

※ルールを間違ったわけではありませんが、以下の記事はかなり遊び方を間違った人たちの話です。
【概要】
17世紀から18世紀にわたりイギリスとフランスは北米のの覇権を巡り争っていました。プレイヤーはイギリスとフランスに分かれてカナダの利権を得るために戦います。
【ルール】
プレイヤーはイギリスとフランスに分かれます。先に勝利条件を満たしたプレイヤーが勝利します。
勝利条件は、相手の重要拠点(ケベック等)を占領するか、一定以上の得点(村などを占拠したり、相手との戦闘に勝利することで得ます)を獲得するかの2つです。
ゲームの基本はデッキ構築で、ゲーム中にカードを購入し、自分のデッキを作成し、そこから毎手番、手札が5枚になるように引きます。
プレイヤーは手番に以下のアクションを2回行います。
アクションは、大きく手札をプレイしてその効果を適用するものと、手札をプレイしないものがあります。
手札をプレイするものには、地域への入植、相手が既にいる地域へ攻め込む、お金の獲得などが、手札をプレイしないものにはカードの購入、カードを捨てる、カードをストックにおく等があります。
カードを使うアクションは一部を除いて、複数枚のカードをプレイします。
地域への入植であれば、目的地となる地域のカード、その場所への移動手段(小船など)カード、(入植者が必要なら)入植者のカードを一度にプレイします。これで1アクションです。
戦闘の処理について
戦闘は一度始まると、どちらかが退却するか、戦力で一定以上優位にたった後、優位なまま相手の手番が終了するまで続きます。戦闘に優位にたつため、アクションを消費して増援を送ることができますが、増援として送り込んだカードは戦闘が終了するまでデッキには戻ってきません。
【プレイ内容&感想】
ワレスでしかも2人プレイ専用と言うことで重そうだし、テーマは引かれないし、相方はプレイしてくれなさそうなゲームだなと思っていましたが、WEB上のプレイ記事等を見ると評判は良いし、プレイ時間もそこまで長くない(1時間~1時間半ほど)ので、相方を誘ってプレイしました。
金だ金だと毛皮をどんどん売りまくる相方のフランスと、豊富な開拓民を活かして奥へ奥へと進出を行う僕のイギリスと、まあ、他の方のプレイは見たことはありませんが、各陣営のカード的によくある展開だったのではないかと思います。
各手番で何をすれば良いかはわかりやすいというか、手札にまわってきたカードを使ったアクションがメインになるので、僕も相方もこの手札だったらこう、この手札だったらこうと、迷うことなくプレイは進みました。カードを数枚組み合わせて行うアクション方法も、場所と手段を組み合わせているだけなので、わかりにくいということはありませんでした。
お互いにどんどん前に進んでいるので戦いが起こるのは当然で、とりあえず、最前線になった地域で戦闘開始です。
威勢よく開戦したものの、相手側に1攻めこめば、2返される、このままだと負けるので、とりあえず2攻め返すと、また、1攻め返されるという、多大な戦力もないけど相手に負けたくもないから、とりあえず負けない程度にはカードを消費するという感じの、ひどい消耗戦に。
中盤以降、序盤のプレイのテンポのよさが嘘のように、思いっきり場が停滞します。手に欲しいカードはなかなか入ってこないし、そもそも戦闘にカードが取られているし…とうだうだやってました。うだうだがしばらく続いた後、ようやく相方が諦めて僕がその地域での戦闘には勝ちはしたものの、地域にコマをおくために必要な入植者なんざ手にあるわけはなく、地域は空白に。
この時点で開始から2、3時間ほど経過したこともあって、この「あれだけだらだら続けた戦闘が盤面上ではほとんど意味がなかった」という結果に、僕も相方も耐えられず、別の用事もこの後あったことからタイムアップ、中断としました。
一応、続きはできるよう盤面の様子はとっておいたのですが、相方的には「あのいつ終わるかわからないゲームやるのは…」という感じで、再開されることはありませんでした。
数エーカーの雪をプレイされたことがある方や、デッキ構築をある程度やったことがある方なら、お分かりになるかと思いますが、「いま、デッキの中にどんなカードがあるのか。ゲームで勝つためにはどんなことをしなければならなくて、そのためにはどんなカードが必要なのか」ということを少なくともぼんやりとでも考えた上でプレイしないと、このプレイのようにだらだらと続くだけになってしまいます。
何を今更と言われるでしょうが)“手札”ではなく、“デッキ全体”を自分のリソースとして、手番単位よりもデッキの1巡単位で考える必要があるわけです。
コストを消費して捨て札枚数を増やしたり、手札から捨て札でなくストックしておいたりと、システム的にもちゃんとフォローする仕組みがありますし、僕と相方にはできませんでしたが、うまいことまわるように出来ているのだと思います。
中断したゲームの途中から気づいてはいたのですが、なんかのんべんだらりと遊んでしまいました。
相方にも感想戦というか、中断後の会話でこのことを話したところ「わかってたけど、覚えるのとそんな先のことを考えるのはめんどくさい」と一蹴されてしまいました。
そんなこんなで、我が家のプレイスタイルにあわなかったため、WEB上での評判とは裏腹にお蔵入りしました。
その後、フランスとイギリスが好きな後輩のKと、Kと仲の良いHさんに、こんなゲームがあるよと話したところ、遊んでみたいということになり、プレイするのを横で観戦することに。

(旅先で遊んだのでボードは持ち運びできず、盤面をコピーした紙を使っています)
Kは勘が良いというか、僕や相方みたいに目の前のことをとりあえずやるのではなく、ちゃんと大局的に何をしなければならないかを考える人なので、ゲーム慣れしていないHさんを尻目に、すぱすぱと領土を広げます。
デッキ構築はもちろんTCGもやったことはないはずなので、圧縮とか知らないはずなのですが、「だって、いらないやん」と積極的に不要になったカードの廃棄もすすめ、ぐるぐるデッキをまわし、傍から見ているとHさんがかわいそうなほどKが圧勝してしまいました。

(実際にHさんは毎手番何をやっていいか、迷いまくりで多分、僕や相方のように単純に手札のことだけ考えてプレイしてしまったのだと思います。あらためて見ると、Hさんの方って序盤からほとんど支配地域増えてないですね・・・)
不思議なもので、上手くやってる人を見ると面白そうですし、そこまで覚えるのが大変とか先まで考えるのが大変という印象は持ちませんでした。(そこまでレベルを求めないのであれば)実際にそう大変なことなわけでもないのでしょうし、再プレイをすればそれなりに楽しめるとは思います。実際にもう一度やってみたく思っています。
ただ、相方は元々ドミニオンも好きではなく、しかも、第一印象が悪かったこのゲームの再プレイはなかなか難しそうです。