(紹介)ローマに栄光あれ ブラックボックス版/Glory to Rome : Black box Edition

またかの段階は過ぎて、いい加減にしろの段階に達してる気もしますが、またグローリー・トゥ・ローマ(ローマに栄光あれ)の紹介記事です。
以前、Kickstarterの記事で紹介しましたが、印刷開始を指示忘れてただの、(印刷会社のある)中国が旧正月に入ったんで印刷が更に数ヶ月遅れるだの(旧正月はせいぜい数週間だろうとか言ってはいけません)、よし発売するぞ!となってからなんと10ヶ月以上経ってから、ようやく我が家に到着しました。
各バージョンとの比較もしたいのですが、とりあえずブラックボックスエディション(以下、黒箱)の紹介だけを。(イタリア語版の記事、ドイツ語版の記事)
※黒箱はKickstarterで目標額以上に資金を集めたため、プロモカードがついたりと本体以外にも色々とおまけがついています。この記事では基本的におまけ以外の内容を紹介しているつもりです。
黒箱自体はショップでも取り扱われるようですが、プロモカードとかは付かないようです。とはいっても、買って確かめているわけではないので、ショップで購入された際にコンポーネントとこの記事の紹介内容に齟齬があったら申し訳ありません。
【ルール】
まず、ルールに関しては基本的には、元々の英語版(オリジナル版)を踏襲しています。
ゲームルールのページに関しては、コンペアを取ったわけではないですが、地の文はおそらく丸写しです。

(上がオリジナル、下が黒箱)
しかし、インスト時にも伝えにくいArchtectとCraftmanのまずは土台を建ててから、手札/Stockpileから資材を追加するというところは図がわかりやすく変わっているなどの変更点はあります。

ルールブックの後半は、オリジナルと同様でずらーっとカードの効果が具体例と共に書かれています。こちらはいくつか説明の追加があるようです。例えば、Bathの効果自体や、BathとGardenのコンボについての説明が追加されています。
大きな変更として、ルールが共和政ローマ(Republica Rome)、帝政ローマ(Imperium Rome)という2つのバージョンができました。
帝政ローマがオリジナル版と同様のルール&カードで、共和政ローマが他国語版(ドイツ語版等)に比較的近いルール&カードです。
具体的には以下のようになっています。
・帝政ローマ
初期手札:4枚+ジャック1枚
同色カード3枚でジャックとして扱う
独自カード:オリジナルと同様 Circus(円形曲馬場)、Tower(塔)、Coliseum(大円形競技場)、Forum(フォーラム)を使用
・共和政ローマ
初期手札:5枚(ジャックなし)
同色カード2枚でジャックとして扱う
独自カード:Crane(クレーン)、Tribunal(裁判所)、Domus Aurea(ドムス・アウレア(黄金宮殿))、Forum Romanum(フォーラム ロマナム)が帝政ローマの独自カードの代わりに入る

(独自カード)
※共和政ローマルールの方が洗練されたお勧めルール的にルールブックには書かれています。どちらを使うかはゲーム開始時に選びます。
ジャックをメインにゲームを進められると、場にカードが出ていかないので硬直しがちですが、同色2枚でジャックとして使えると、通常カードばかりを補充していても行いたいアクションに対応しやすくなるということかもしれません。手札の回転も良くなりそうではあります。
帝政ローマと共和制ローマのルールの違いはボードにまとめられており、入れ替わるカードには右上にそれぞれ月桂樹の葉のマーク、稲妻のマークが描かれています。


(たぶん月桂樹と稲妻)
新カードの効果は以下です。
・Crane(クレーン):ARCHITECTアクションをリードまたはフォローするために手札から任意のカードを灰色のカードとして使っても良い。
・Tribunal(裁判所):THINKERアクションを実行する際、通常のTHINKERアクションに追加してジャックを1枚引いてよい。
・Domus Aurea(ドムス・アウレア(黄金宮殿)):LEGIONARYアクションを実施する時、通常のアクションに追加であなたの餌食の未完成の建物も選ぶことが出来る。選ぶ建物は要求された色とあっており、かつ、資源を1つも持っていてはいけない。基礎をとり、あなたのStockpileに置きます。土台カードはあなたの影響力に加えます。
・Forum Romanum(フォーラム ロマナム):全ての種類のクリエンテスをCLIENTELEに持ち、かつ、全ての種類の資材をSTOCKPILEに持っているとき直ちに勝利する。
ちなみに、オリジナル版の共和制ローマルール用カードは、BGG Storeで購入できます。
また、プロモカードを使用する非公式ギークルールもついています。僕のところに届いた箱には入ってましたが、一般流通するものについているかは謎です。一応、BGGでは黒箱のプロモカードはKickstarterのバッカーだけよと書かれてはいるのでルールだけ入ってるのか、一般流通分にはルール自体を箱にいれないのか。そこらへんは不明です。
このギークルールの主な内容はカードの変更だけで、ルールの変更点はないようです。
【コンポーネント】
箱はしっとりとしているような触感で高級感があります。
箱には紐がついていて説明書やプレイヤーボードを取り出す際にも引っかかるようなことはありません。


カードは仕切りに分けられています。ちょっと余分なスペースがある気もしますが、ブリスター風のパッケージだったことを考えると大した進歩です。


(オリジナル版)
プレイヤーボードは両面とも内容が異なるプレイエイド的なものになっています。
一方の面は、各アクション実行時のカードの流れが詳細なフロー風に示されており、わかりやすいです。

もう一方の面は各アクションの効果と帝政ローマ、共和政ローマの概要がテキストで記されています。

LEGIONARYアクション時にカードを乗せる“ROMA DEMANDS”ボード、リーダーカード、ジャック、売った資材に応じてもらえるボーナスカードです。

カードはエンボス加工されてます。見た目も綺麗です。

(大量に重ねて持つとずるずるとすべります)
以下、全カードです。絵はかなりスマートなものになっています。絵以外では、ARCHTECTが茶色から、緑色に変更になっています。






イタリア語版では(役に立つ立たないはさておき)アイコンがカードに描かれていましたが、黒箱版にはアイコンは描かれておらず、本当に元の英語版の絵柄を変えましたよというだけのもののようです。(正確にはラテン語?で書かれていた格言的な文もなくなってます)
箱の仕様、カードのデザイン、ルール等々、オリジナルで問題なかったところは残しつつ、ユーザーから声があがったところには手を入れた完全版的なものになっています。
一点、非常に残念なのは急いで作ったからか、メイドインチャイナだからか、カードやボードにそれなりに目立つ汚れや傷がついてます。気にしない人は気にしない、気にする人は気にする程度ではありますが。
カードの出来が面白さに影響するかはさておき、共和制ローマルールでは早く遊んでみたいです。