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マラケシュ/Marracash

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(4人でインスト込み1時間弱)

【概要】

モロッコのマラケシュには多くの観光客が訪れ、様々な土産物屋から好みの土産を購入し、持ちかえっています。
あなたは土産物屋を購入し、観光客に対して土産を売り、お金を儲けましょう。

【ルール】

店を買い、お客を連れ込むことでお金を儲けることが目的のゲームです。

ゲーム中、行えるアクションは2種類です。
1.誰のものでもない店を競りにかける。
2.お客のグループを選んで移動させる

手番には、競り&競りか、移動&移動か、移動&競り(競り後の移動はできない)のいずれかを行います。

・競りについて
競りは手番プレイヤーが誰のものでもない任意の店を1つ選び、値段をつけます。時計回りにパス、もしくはより高値をつけるようにし、最後の一人になるまで続けます。
購入者はつけた代金を銀行に払い、その一部を手数料として手番プレイヤーが受け取ります(自分で競り落とした場合はもらえません)。自分のものであることを示す看板を店に置きます。

・移動について
いずれかの客の一群を選び、隣接する噴水へ移動させます。移動した先に客がいた場合、合流して1つのグループになります。移動中、誰かの店の前を通りがかった際、店の色と同じ色の客がいるなら、その客は店に入ります。店の持ち主は、お金を銀行から受け取り、その一部を手数料として手番プレイヤーに渡します。

手番の終了時、店の入り口にある3つの噴水のいずれかに客がいない場合、そこに街の外周から客を補充します。補充は、外周に並んだ客の列のどちらの端から、何人補充するかを選ぶことができます。

外周から客がいなくなり、手番が1周したらゲーム終了です。お金の総額を比較して、最もお金を持っていたプレイヤーが勝利します。

【プレイ内容】

先日伺った秋葉原水曜日の会で4人でプレイしました。

4人中、3人が初プレイではあったんですが、みなさんゲーム慣れされてるのか、最初の競りからそれなりに高値をつけていきます。
僕はびびりなので最初は300金くらいで競りから降りていたのですが、この値付けでは店を買えん!と400金後半くらいの値付けがされていたところに500金前後の値付けで参入しました。
そのおかげで最初のターン(全員最初の手番は少し特殊で競りを1回行うだけ)で2軒の店を構えることに。

実はこの時、2つ失敗をしていて、「525金以上で落札した場合、手番者に払われる手数料が2倍になることと、自分で落札した場合、手番者に手数料は払われないことを失念していました。これで少なくとも自分は100金損して、ひとりのプレイヤーには100金得をさせてしまったわけです。

まあ、済んだことは仕方ないので忘れることに。

これで1巡まわり、競りが4回行われたわけですが、2人が2軒ずつ持ち、残りの2人は店を持っていないという状況です。
つまり、とにもかくにも店を持ってないと収入がないだろ!と買った組と、みんな競りで金を使えば自分は安く買えるといったん購入を見送った組にわかれたわけです。

特に僕は素寒貧で、なおかつ最後手番だったのでおよそほぼ1巡の間、なにもできませんでした(店を持っていないおふた方は競りを選択、店を買ったおひと方も僕と関係のないところで客の移動、さらに手に入れた金で競りを選択)。

ようやく自手番で多少のお金を手に入れ、息を吹き返すとともに全員が自分の店を持った状態になり、いよいよ本番です。

街には3つ門があり、そこからお客が入ってきます。ある門から入った客が別の門の前の店にたどり着くのはかなりアクションを消費しますし、大抵は通り道にある店に入ってしまいそもそもたどり着くことができません。
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(序盤。奥の門が栄え始める気配です)

そんなわけで門前の店が繁盛するわけですが、ある門(門Aとします)前の店はひとりのプレイヤーが独占。その隣の門(門B)前はそもそも競りにあまりかけられておらず、空いてる店がある。残りの門(門C)前は3人のプレイヤーが様々な色の店を持っている状態でした。

この状態でどの門前が栄えるかと言えば、当然、門Cです。僕は黄色の店が被っていましたが、他の赤、青、紫、緑はプレイヤー間で重複しておらず、誰かが自分の店に客を連れてくれば、ついでに他の色の客も移動して他プレイヤーの店に入るor近くまできてくれます。
そして、門前から客がはければまた新しい客が街の外から門を通ってやってきます。この時、街の中にいれる客を選ぶのは手番プレイヤーですが門の外に並んでいる客は適度に色がばらけているので、自分が持っていない店の色の客(他人が持っている店の色の客)も街に入れざるを得ません。
そうなると、他プレイヤーも同様に自分の店に入れようとする→近くまでつれてきてもらえるということになって、どんどん連鎖的に門C前が栄えました。

門C前には僕だけが3色店をそろえていて、他のおふた方は1,2色だったのでどうしても僕が有利です。

無論、手をこまねいていたわけではなく、門A、門B近くの店も競りにかけられ、繁華街化しようとする手もうたれましたが、僕は他の門が栄えて欲しくないので、その競りにかけられた店を買って、他プレイヤーがそちらに客を持っていくメリットをなくしたりしてました。

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(空き家前に客がいる時に誰かの店になると、店になった瞬間にいきなり客が入ります。そんなおまけ付き物件の競りは熱いです!)

終盤、僕は1手で1000を超えるような収入を得ることもあり、街の顔として、まさに我が物顔でした。このまま続けても僕が有利になるだけとさくっと終了トリガーが引かれ、得点(お金)計算に。

これは勝っただろうと思っていたら、なんと50金差で2位。競りに金を使いすぎていたようです…。
盛者必衰、驕る平家は久しからずですね。

【感想】

初版が1996年、再版が2004年とかなり古いゲームですが、手番アクションの単純さ、手軽さの割に、他人のことを常に考えていなければならない絡みの多さ、どんどん華やかになっていく盤面、そして何より店を建てて、そこに客を連れてくるというアクションの楽しさ(学園祭とかの客引きって楽しくないですか?w)と、素晴らしいゲームでした。

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(最終的な街の様子を真上から)

(※この後、別の方々と4人で遊ぶ機会がありましたが、最終ラウンドだけで20分くらいかかりましたw。場合によっては「軽い」とはいえなさそうです。そうなった理由として、このゲーム、完全情報なのである程度先は読めるんですが、最後の1巡は追加で入ってくる客もいないので、ほぼ完全に読みきることができます。その割りにトップがわからないので、ある程度の儲けがある手が複数あると下手に読めるが、決め手がなく、みんなであーでもないこーでもないとやってしまいました。)

自分の手が他人も利する、でもその他人への利が手数料となって自分に戻ってくるので、それほど嫌ではない。むしろ自分の利だけ考えていては勝てないという、Win-Win推奨ゲームです。
これはやっていて、えらい気持ちいい良かったです。「あー、この手しか打てないけど、この手は○○さんに有利な手だから打ちたくないー」というのはボードゲーム的によくある状況ですが、そういう、打ちたくないけど打たなければならないという気持ちにならず、「よっしゃー、500金儲け!あ、そのうち100金をどうぞどうぞ」とか「相手の店近くまで移動させちゃうけど、自分も300金もらえるからいいか」とかのように、(比較的)抵抗なくアクションを行うことができました。

これは、自分も得することや、お金がぱっと見で数えにくくトップがわからないというのが主な理由でしょうが、それだけではなく、収入が徐々に大きくなっていく仕組みが要因になっているのではないかと思います。

序盤は他人の店に連れて行っても相手側の収入は対して大きくないんです(ある1つの店に入った客、1人目100金、2人目200金、3人目300金…と徐々に大きくなっていきます)。
なので、序盤は他プレイヤーの店に客を連れて行くことに抵抗がそれほどないんです。他人の店に連れて行っても、場合によっては収入の半分かそれ以上は連れて行った人の手に入るくらいなんで。中盤以降はひとりの客による収入が大きくなって、連れていっても確実に店の持ち主の得の方が大きいんですが、近くに連れていくくらいなら、ひとりくらいなら、と相手が有利になる手でも序盤に抵抗感を下げられているせいか、つい打ってしまいます(少なくとも僕は)。

結果的にこうなったのか、狙って作ったのか、バランス調整中にこうなったのかはわかりませんが。うまい作りだと思います。

あとは、今回の僕のように調子に乗ってプレイしていると多分負けます。これもいいなと。
一見、調子の良いプレイはそこにいたるまでにそれなりにお金を使わされている結果です。もちろん、そのまま勝つことはあるでしょうが、使っている金がでかければ、僕のように負けてしまいます。
拡大再生産系だとぐるぐる回り始めたプレイヤーをとめるのは難しく、諦めるしかないので、そうでないことが魅力的に見えてるのかもしれませんが。

最後に。僕が買った版が古い版なのか再版かはデザインが同じようなのでわからないのですが、コスモスの古い広告が入っていて、これは興味深かったです。
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(なんか学習キット的な)

なお、古いゲームなので中古をオークションか海外から買うしかありませんが、どちらでも送料込みで4000円程度くらいと、最近の新しいゲーム買うのとそれほど変わらんです。

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プロフィール

ひだり

Author:ひだり
川崎市で相方や友人たちとボドゲやってます。

オールタイムベストは、
・グローリー・トゥ・ローマ
・バサリ
・インペリアル
・アフター・ザ・フラッド
・ゴッズプレイグラウンド
・HABA社製品 全般

推理ゲーム好きだけど↑には入ってないという
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連絡先:hidarigray@gmail.com
※当blogはリンクフリーです

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