マーダーゲーム/Murder game
(インスト込み10分程度)
【概要&ルール】
学生時代に新本格(wiki)にはまった人間で有栖川有栖の学生アリスシリーズを知らない、嫌いという人はまずいないと思います。主人公たちが大学生と同年代であること、そもそも有栖川が今も昔も新本格を代表する書き手であることなどからです。
そんな有栖川有栖のデビュー作であり学生アリスシリーズ第1作でもある『月光ゲーム』にマーダーゲームで遊ぶシーンが出てきます。
ルールは単純で、トランプなどで犯人と探偵役を決めます。その後、犯人役は他の参加者を何らかの方法で殺し、探偵役が参加者に聞き込むことで犯人を当てるというゲームです。
色々とバリアントと言うか臨機応変にルールは変えて遊ぶゲームですが、2パターンほど主な流れを書いておきます。
A.旅館の部屋、セミナー室などの部屋が使え、時間が夜または遮光カーテン等で部屋を暗くできる場合
1.トランプなどで探偵役、犯人役を決める。探偵役は部屋を出る。
2.参加者は全員部屋に残り、明かりを消し、部屋の中をうろうろする。
3.犯人役は叩く、首を絞めるまねをする等で誰かひとりを殺す
4.殺された人は規定の秒数をカウントした後、「殺されたー」と周りに宣言する。
5.明かりのスイッチ近くのひとは明かりをつけ、探偵役を呼ぶ。
6.探偵役は参加者に聞き込みした後、推理を述べ、犯人を指摘する(嘘は犯人役、かく乱役以外ついてはいけません)。
7.犯人役は正体を明かす。
B.動き回ることが困難、もしくは、部屋が明るい場合
1.トランプなどで探偵役、犯人役、かく乱役を決める。探偵役は部屋を出る。
2.参加者は顔を伏せ、目を閉じ、机や床を叩いて音を出す。
3.犯人役、かく乱役は顔をあげ、無言でコンタクトした後、かく乱役は音を出すなどし、犯人役は誰かひとりを叩いて殺す
4.殺された人は規定の秒数をカウントした後、顔をあげるよう周りを促す。
5.誰かが探偵役を呼んでくる
6.探偵役は参加者に聞き込みした後、推理を述べ、犯人とかく乱者を指摘する(嘘は犯人役以外ついてはいけません)。
7.犯人役とかく乱者は正体を明かす。
細かいところは自由に調整して構いませんが、人数はA、Bともに6人は必要かと思います。できれば7,8人は欲しいです。
パターンAでは、部屋がうす暗いだけで周りが見えるのであれば、みんな顔を伏せ気味にして周りを見ないようにする、探偵役の聞き込みには制限時間をつける、被害者を聞き込み対象にしても良い(経験上した方が面白いです)、パターンBではハリセンやペットボトルなど、叩いても痛くなく、それなりにリーチのある道具を用意する、かく乱役を作らない等々の調整です。
最初に書いた通り、探偵役と犯人役がいて、誰かが殺されて、探偵役が犯人を指摘するという流れが成立すれば問題ないです。
探偵役は部屋の外に出るだけでなく、聞き耳を立てない、部屋の外に出れない時は目を閉じ、耳もふさぐのがフェア等々、細かい話は好き好きです。
探偵役と犯人役が楽しいゲームなので、人数が多い場合は探偵役は持ちまわりにして機会を平等にする、助手役を設けて機会を増やす等々を行うこともあります。
【プレイ内容等】
人狼がいけるんならマーダーゲームもボードゲーム好きの人には受けるんじゃない?最近、人狼盛り上がってるしということでマーダーゲームの紹介記事です。人が死ぬ、犯人がいる、犯人を当てる、死ぬ人も犯人もプレイヤー等々、似ている要素はありますが、まあ、正直なところ全く違うゲームです。
人狼が裁判ごっこで人をまるめこむ、あらを見つけるのがポイントのゲームであるのに対し、マーダーゲームは探偵ごっこであり、殺人者ごっこであり、勘となりきりのゲームです。
あと、人狼は自陣営を勝たせるためにというのが行動原理になりますが、マーダーゲームは過程を楽しむゲームで勝った負けたというのはあまりなく、素晴らしい推理、素晴らしい犯行は常に賞賛されます。
やって面白いのはパターンAのようにうろうろ歩きまわるパターンですが、パターンBはBで、かく乱者とのコンビプレイになるので犯人側は別の面白さが加わりますし、ちゃっちゃっと終わるので回転率がよいです。
月光ゲームではEMCの面々が色々な場所に行く度にマーダーゲームを広めるために人を巻き込んでやっているというような台詞があります。僕も(必ずしも推理小説好きではない)部活の面々と遊んだことがありますが、やるまでは気恥ずかしいような感じではあってもやり始めると楽しんでくれた覚えがあります。
以下、パターンAの過去の実例です。読んで面白いかはともかく雰囲気が伝わればと思います。
ーーーーーーーーーーーー
探偵役:じゃあ、電気消すよ?
全員:はーい
部屋を暗くして、探偵役は部屋の外に出ていきます。
暗い中で走ると危ないので、部屋の中はずーりずーりと畳の上をスリ足で動く音だけに。
A:あ
B:すいません。ぶつかりました。
ずーりずーり…
C:早くだれか殺してー
ずーりずーり…
B:殺されました!
ドアの近くにいたCがドア横の明かりのスイッチを入れ、探偵役を呼びに行きます。

(明かりがついたときの参加者の場所)
探偵役:さて、殺されたのはBか。凶器はどんなものだった?
(被害者に聞き込み可のルールで、この時はやりました)
E:時間計りますね
(探偵の聞き込み時間には5分の制限を設けていました)
B:何か固いもので、こう、脇腹と背中の間くらいを後ろから刺されました。
探偵役:その時、Bはどちらに歩いていたの?
B:真っ暗だったので正確にはわかりませんが、殺された後に向きは変えてないので、こちら向きに歩いてましたね。犯人は僕を殺した後、僕の前方向には逃げていないと思います。こう、僕を刺して、そのまま後ろ方向に逃げて行ったような気配がしました。
探偵役:じゃあ、入口のドアと反対方向に逃げたってことか。Aさんは、犯人の気配を感じましたか?
A:B君が殺されたっていう直前(殺された直後)に誰かが、私の方に誰が逃げてくるような気配はなかったよ。
探偵役:Aさんはどう部屋を歩いてました?
A:明かりが消えた時、あっちの角にいたからぐるっと部屋をまわろうとしてた。そうしたらB君にぶつかったんだよ。少し避けたあと、やっぱり引き返すかと思ってたところでB君が殺されたって。
探偵役:ふむ。BはAさんとぶつかったの?
B:結構、ごつんとぶつかりました(笑)

(AとBの歩行ルート)
探偵役:じゃあ、あと、Bの後方にいるD君、Eさんもどう歩いてたか教えて。
D:僕は殺されたくなかったから、明かりが消える前からずっとここにいて、しゃがんでた。下を向いてたし動いてもないよ。誰かの足が軽く当たったけど、殺されたりはしなかった(笑)
E:その足があたったのは私ですね。びっくりしましたよ(笑)。壁沿いに歩いてきてDさんに当たったので引き返したところで明かりがつきました。聞き込み時間はあと2分です。

(Eの歩行ルート)
探偵役:AさんとEさんは歩いたルートが被ってたみたいだけど、お互いの姿は見えなかったの?
AとEがしばらく見合った後
E:明かりが消えた時、近くにいたような気はするけど、始まったら下を見てましたし、わかりません。
A:私も同じようなものです。
探偵役:うん、わかった。もういいよ。
D:おお、余裕っぽい!じゃあ、犯人は?
探偵役:怪しいのはAさんだけど、あえてEさんで!
D:なんで?
探偵役:正直怪しいのはAさん。Eさんが犯人ならAさんの方に逃げた人影がいないってのはおかしいし、自分も同じっていうEさんにのっかったみたいな証言も怪しい。でもさ、Aさんが犯人ならもう少しEさんを犯人ぽく誘導する気がするんだよねー。D君は動いてないのは性格からいって本当だと思うし。あとは後ろからやられたっていうBの証言を信じてC、Fは容疑者から外れる。だからEさん。どう?
E:(トランプを出しつつ)当たりです! Aさんにいってくれるかと思ったのになー。
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もう夏休みは半分終わってしまいましたが、旅行先などでやると楽しいゲームです。
【概要&ルール】
学生時代に新本格(wiki)にはまった人間で有栖川有栖の学生アリスシリーズを知らない、嫌いという人はまずいないと思います。主人公たちが大学生と同年代であること、そもそも有栖川が今も昔も新本格を代表する書き手であることなどからです。
そんな有栖川有栖のデビュー作であり学生アリスシリーズ第1作でもある『月光ゲーム』にマーダーゲームで遊ぶシーンが出てきます。
ルールは単純で、トランプなどで犯人と探偵役を決めます。その後、犯人役は他の参加者を何らかの方法で殺し、探偵役が参加者に聞き込むことで犯人を当てるというゲームです。
色々とバリアントと言うか臨機応変にルールは変えて遊ぶゲームですが、2パターンほど主な流れを書いておきます。
A.旅館の部屋、セミナー室などの部屋が使え、時間が夜または遮光カーテン等で部屋を暗くできる場合
1.トランプなどで探偵役、犯人役を決める。探偵役は部屋を出る。
2.参加者は全員部屋に残り、明かりを消し、部屋の中をうろうろする。
3.犯人役は叩く、首を絞めるまねをする等で誰かひとりを殺す
4.殺された人は規定の秒数をカウントした後、「殺されたー」と周りに宣言する。
5.明かりのスイッチ近くのひとは明かりをつけ、探偵役を呼ぶ。
6.探偵役は参加者に聞き込みした後、推理を述べ、犯人を指摘する(嘘は犯人役、かく乱役以外ついてはいけません)。
7.犯人役は正体を明かす。
B.動き回ることが困難、もしくは、部屋が明るい場合
1.トランプなどで探偵役、犯人役、かく乱役を決める。探偵役は部屋を出る。
2.参加者は顔を伏せ、目を閉じ、机や床を叩いて音を出す。
3.犯人役、かく乱役は顔をあげ、無言でコンタクトした後、かく乱役は音を出すなどし、犯人役は誰かひとりを叩いて殺す
4.殺された人は規定の秒数をカウントした後、顔をあげるよう周りを促す。
5.誰かが探偵役を呼んでくる
6.探偵役は参加者に聞き込みした後、推理を述べ、犯人とかく乱者を指摘する(嘘は犯人役以外ついてはいけません)。
7.犯人役とかく乱者は正体を明かす。
細かいところは自由に調整して構いませんが、人数はA、Bともに6人は必要かと思います。できれば7,8人は欲しいです。
パターンAでは、部屋がうす暗いだけで周りが見えるのであれば、みんな顔を伏せ気味にして周りを見ないようにする、探偵役の聞き込みには制限時間をつける、被害者を聞き込み対象にしても良い(経験上した方が面白いです)、パターンBではハリセンやペットボトルなど、叩いても痛くなく、それなりにリーチのある道具を用意する、かく乱役を作らない等々の調整です。
最初に書いた通り、探偵役と犯人役がいて、誰かが殺されて、探偵役が犯人を指摘するという流れが成立すれば問題ないです。
探偵役は部屋の外に出るだけでなく、聞き耳を立てない、部屋の外に出れない時は目を閉じ、耳もふさぐのがフェア等々、細かい話は好き好きです。
探偵役と犯人役が楽しいゲームなので、人数が多い場合は探偵役は持ちまわりにして機会を平等にする、助手役を設けて機会を増やす等々を行うこともあります。
【プレイ内容等】
人狼がいけるんならマーダーゲームもボードゲーム好きの人には受けるんじゃない?最近、人狼盛り上がってるしということでマーダーゲームの紹介記事です。人が死ぬ、犯人がいる、犯人を当てる、死ぬ人も犯人もプレイヤー等々、似ている要素はありますが、まあ、正直なところ全く違うゲームです。
人狼が裁判ごっこで人をまるめこむ、あらを見つけるのがポイントのゲームであるのに対し、マーダーゲームは探偵ごっこであり、殺人者ごっこであり、勘となりきりのゲームです。
あと、人狼は自陣営を勝たせるためにというのが行動原理になりますが、マーダーゲームは過程を楽しむゲームで勝った負けたというのはあまりなく、素晴らしい推理、素晴らしい犯行は常に賞賛されます。
やって面白いのはパターンAのようにうろうろ歩きまわるパターンですが、パターンBはBで、かく乱者とのコンビプレイになるので犯人側は別の面白さが加わりますし、ちゃっちゃっと終わるので回転率がよいです。
月光ゲームではEMCの面々が色々な場所に行く度にマーダーゲームを広めるために人を巻き込んでやっているというような台詞があります。僕も(必ずしも推理小説好きではない)部活の面々と遊んだことがありますが、やるまでは気恥ずかしいような感じではあってもやり始めると楽しんでくれた覚えがあります。
以下、パターンAの過去の実例です。読んで面白いかはともかく雰囲気が伝わればと思います。
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探偵役:じゃあ、電気消すよ?
全員:はーい
部屋を暗くして、探偵役は部屋の外に出ていきます。
暗い中で走ると危ないので、部屋の中はずーりずーりと畳の上をスリ足で動く音だけに。
A:あ
B:すいません。ぶつかりました。
ずーりずーり…
C:早くだれか殺してー
ずーりずーり…
B:殺されました!
ドアの近くにいたCがドア横の明かりのスイッチを入れ、探偵役を呼びに行きます。

(明かりがついたときの参加者の場所)
探偵役:さて、殺されたのはBか。凶器はどんなものだった?
(被害者に聞き込み可のルールで、この時はやりました)
E:時間計りますね
(探偵の聞き込み時間には5分の制限を設けていました)
B:何か固いもので、こう、脇腹と背中の間くらいを後ろから刺されました。
探偵役:その時、Bはどちらに歩いていたの?
B:真っ暗だったので正確にはわかりませんが、殺された後に向きは変えてないので、こちら向きに歩いてましたね。犯人は僕を殺した後、僕の前方向には逃げていないと思います。こう、僕を刺して、そのまま後ろ方向に逃げて行ったような気配がしました。
探偵役:じゃあ、入口のドアと反対方向に逃げたってことか。Aさんは、犯人の気配を感じましたか?
A:B君が殺されたっていう直前(殺された直後)に誰かが、私の方に誰が逃げてくるような気配はなかったよ。
探偵役:Aさんはどう部屋を歩いてました?
A:明かりが消えた時、あっちの角にいたからぐるっと部屋をまわろうとしてた。そうしたらB君にぶつかったんだよ。少し避けたあと、やっぱり引き返すかと思ってたところでB君が殺されたって。
探偵役:ふむ。BはAさんとぶつかったの?
B:結構、ごつんとぶつかりました(笑)

(AとBの歩行ルート)
探偵役:じゃあ、あと、Bの後方にいるD君、Eさんもどう歩いてたか教えて。
D:僕は殺されたくなかったから、明かりが消える前からずっとここにいて、しゃがんでた。下を向いてたし動いてもないよ。誰かの足が軽く当たったけど、殺されたりはしなかった(笑)
E:その足があたったのは私ですね。びっくりしましたよ(笑)。壁沿いに歩いてきてDさんに当たったので引き返したところで明かりがつきました。聞き込み時間はあと2分です。

(Eの歩行ルート)
探偵役:AさんとEさんは歩いたルートが被ってたみたいだけど、お互いの姿は見えなかったの?
AとEがしばらく見合った後
E:明かりが消えた時、近くにいたような気はするけど、始まったら下を見てましたし、わかりません。
A:私も同じようなものです。
探偵役:うん、わかった。もういいよ。
D:おお、余裕っぽい!じゃあ、犯人は?
探偵役:怪しいのはAさんだけど、あえてEさんで!
D:なんで?
探偵役:正直怪しいのはAさん。Eさんが犯人ならAさんの方に逃げた人影がいないってのはおかしいし、自分も同じっていうEさんにのっかったみたいな証言も怪しい。でもさ、Aさんが犯人ならもう少しEさんを犯人ぽく誘導する気がするんだよねー。D君は動いてないのは性格からいって本当だと思うし。あとは後ろからやられたっていうBの証言を信じてC、Fは容疑者から外れる。だからEさん。どう?
E:(トランプを出しつつ)当たりです! Aさんにいってくれるかと思ったのになー。
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もう夏休みは半分終わってしまいましたが、旅行先などでやると楽しいゲームです。