スラヴィカ/Slavika

(3人でインスト込み1時間ほど)
【概要】
あなたはスラヴィカの地の有力氏族の長として、魔物たちを退け、人々を守らなければなりません。最も活躍した氏族の長は自分の息子を王女と結婚させる名誉を得ることができます。
【ルール】
場の中央に人数に応じた地域カードがおかれ、各プレイヤーには全プレイヤー同じ構成の英雄カードが6枚と、ランダムにモンスターカード5枚が配られます。
モンスターカードの配られた残りは山札になります。
地域カードの右側には英雄カードが、左側にはモンスターカードが並びます。各地域カードには英雄、モンスターの上限が決まっており、それ以上は置けません。
プレイヤーは手番に以下の行動を行います。
1.任意の地域カード横に英雄カードを置く。置けなかった場合、この行動は行わない。
2.1で置いた以外の地域カード横に英雄カードを置く。英雄カードが置けなければモンスターカードを置く。
3.1、2以外で置いた以外の地域カード横にモンスターカードを置く。
4.モンスターカードを1枚捨てた上で、モンスターカードを補充する。
2または3でモンスターカードを置いた際、地域の上限に達したら直ちに決算です。
その地域に置かれた英雄カードとモンスターカードの数値の合計を比べ、英雄カード側の合計が大きければ英雄側の勝利、小さければ敗北です。地域での勝ち負けを見る際は、誰の英雄カードかは関係ありません。
英雄側が勝利した際には、以下の3ヶ所から得点が入ります。
・地域カードに書かれた得点:その地域の勝利に貢献した順(英雄カードの数値の合計が大きい順)にプレイヤーに加点です。例えば、6,3と2つの数字が書かれている地域にプレイヤーAが6、プレイヤーBが2、プレイヤーCが4のカードを出していれば、プレイヤーAに6点、プレイヤーCに3点が入ります。プレイヤーBには得点がありません。
・地域カードの下に置かれた財宝:決算時に財宝カードは表向きにされます。カードには数字、または月が書かれており、数字はその地域カードに最も貢献したプレイヤーの得点となり、月は得点にはならず規定枚数が出たらゲーム終了です。
・モンスターカードの得点:モンスターのうち、数字が高いものには得点がついており、その地域に英雄をおいたプレイヤーのうち、最も貢献しなかった(数字が低い)プレイヤー以外、全てのプレイヤーの得点になります(分割はせず、そのまま得点になります)
敗北時には得点はいずれのプレイヤーにも入りません。英雄カード、モンスターカードはリセット、財宝カードは規定枚数を追加し、その地域での戦いは仕切り直しとなります。
終了条件を満たすまで、各プレイヤーが手番を行います。終了時に最も得点を稼いでいたプレイヤーが勝利します。
【プレイ内容】
9月の3連休前日にテンデイズゲームズに入荷して店頭売りは始まったとのことで、30分ゲームだし2人からできるしで連休中に相方と遊ぶ機会があるかもと、お店に伺って購入しました。
その時、ちょうどお店で購入されていたシミーズさんが、いたるさんと遊ばれるのに僕も誘って頂いて、プレイすることができました。
ルールは事前に読まれていたシミーズさんの安心インストを受けてサクサクとゲーム開始です。
3人プレイだと地域カードは4つ並びます。地域カードの得点は一番高いもので23点、低いもので6点XX(ともに一番貢献したプレイヤーに入る得点)とかなり差があります。
当然、一番高いものから英雄カードが置かれますが、僕は3番手で、一番高い得点が入る地域カードに置ける英雄カードは5枚までです。つまり、3枚目に僕が置いたとしても4枚目、5枚目にシミーズさん、いたるさんがカードを置けば逆転できるのは明らかなので、むしろ失敗させた方がいいのか?と考えつつ、最初から、どうすればいいんだ?と悩みまくります。
英雄カードは1~6の数字が1枚ずつですが、4以下の英雄は特殊能力があります。3の英雄なら既に場に置かれた英雄と交換、または既に置かれた3を手札の他の英雄と交換することができます。
そういうわけでとりあえず3を置いて、あとから入れ替えるかという戦術があるのですが、どうせここに6置いても3を入れ替えられたら逆転されるし、かといって数字の低いのを置くと勝てないし(つまり先に3を置かれると、他の地域に高い数字の英雄を使ってもらわないとどうしようもない)。
それでも、英雄カード2枚は置ける限りは“パス”という選択肢はないので、置かざるを得ません。
これは悩ましいです。
悩んでばかりでも仕方ないので、一番高得点の地域に2枚置く機会がないのなら、とりあえず一気に6をおいて、少しでもまわりにプレッシャーを与えようとしたものの、「決算時に一番数字の大きい英雄の数字を0にする」効果のモンスターを置かれてしまい、なんと無駄に。
最初に高得点の地域の決算が行われたのですが、この時点でトップのシミーズさんと20点以上の差がw。
他の地域はトップでも10点以下しかもらえない(当然、2位にも得点は入るので実質的に詰まる得点差は9点以下です)のに、これは絶望的ではないのか?と思いつつもやれることをやっていきます。

これまでの経験から言って、逆転を狙って下手に高得点の地域に力を入れると逆に痛い目にあう気がしまくります。
そんなわけで、低得点のところを低得点なりに数をこなす作戦を取りました。
僕はけっこうな差の最下位でマークが緩かったり、2位のいたるさんがトップを走らせるよりはと僕がトップの地域で英雄側を勝たせてくれたりとしたこともあり、中盤、40~50点に3人がそろい、なんとか勝負できる!と思った途端にまた高得点地域の決算が行われて一気に離されたりw。
まず、各地域の英雄側から埋まっていくようなルールなので、各地域で誰が得点できるかは一目瞭然です。モンスターに英雄を手札に戻させたり、英雄の能力を封じたりするものもありますが、あくまで特殊なモンスターで、そう都合良くいくものではありません。
このため、「自分が得点できないならモンスター側を勝たせよう」となるのは当然で、得点の高い地域は置けるモンスターの枚数が多いため、得点したいひと(要はその地域の1位2位)が頑張って弱いカードを置こうとしても、強いカードを置かれて負けます。
得点の低い地域はモンスターの置ける枚数が少ないので得点したい人が弱いカードを置けば、勝ちが確定しやすいです。では、その地域で得点できない(地域カードに6や5の強い英雄が既に置かれている)場合はどうするかというと、強さが1の英雄は、財宝かモンスターからの得点を盗む能力を持っているので、これを置くことで、直接得点は入らないけども、その地域の1位2位の邪魔ができます(むしろ地域の得点によってはひとり得する)。
この強さが1というのが、「地域の勝利に貢献してないけど、おいしいところは頂きます」感を出してます。
こういった、邪魔やいやらしい手の応酬が続きつつも、終了条件である月カードは徐々に出ていき、あと1枚でたら終了と言う場面に。この時点でのトップはいたるさん、20点差ほど開いてシミーズさん、少し遅れて僕という順位。
僕の手番、1位が23点入る地域はあと1枚で決算で、なんとか勝てそうです。ここはいたるさんは3位なので点差を詰めることができます。しかし、1位の点が入るのはシミーズさんなので、ここで勝っても僕はトップになれません。
シミーズさんとの点差を詰めることのできる地域もあり、ここもあと1枚で決算です。モンスターカードは2枚置けるので、とりあえず、シミーズさんとの点を詰めるか…と置いた地域はいたるさんが一番貢献してる地域で、しかも月カードが出て、ゲーム終了。当然、いたるさんが勝利!と、本当に「なにやってるんだー!」という感じでした。
【感想】
悩ましく、いやらしいやり取りの応酬が繰り返されるのは嫌いではありません。むしろ好きです。
しかし、とりあえず評価は保留かなあと言うのが正直な感想です。
その理由は2つあって、数字が2の強さの英雄の能力を1つを全員が忘れたままのプレイだったこと(2の英雄は5,6の強さの英雄に数字を+2する能力と、地域におく際にその地域の英雄の並び順を自由に変更できる能力の2つを持っているのですが、後者を失念していました)と、このゲームってどう楽しむのが良いのかがよくわからないことです。
各地域カードにおける英雄カードの枚数が少なめ(5人プレイになっても多分1地域に大抵1枚、多くて2枚しか置けない)なので、ちょっとした能力でゲームの印象ががらりと変わりそうですし、順番入れ替えはかなり強い能力なので2の能力忘れていたのは結構大きくゲームに影響しそうだなあと。
あとは、このゲームって枚数制限の関係などから、カード1枚の影響がかなり大きいです。だからこその悩ましさ、いやらしさにつながっているんですが、これって細かいバランスを取ってあって、なお、このバランスなのか、それとも単に大味なゲームなのか。これでだいぶ評価が変わります。
大味なら大味で、うわー、こっちはダメだったかー、ならこちらも敗北にしてやれ―と、まあ、子供の喧嘩のような楽しみ方で十分楽しいと思いますが、悩んでゲームやって、その結果がこれだと、それはそれで寂しいです。
カードの絵が全部バカボンとか、もう見た目から、「そういうゲーム」だといんですけど。
個人的には悩みすぎずに、サクサク遊ぶのが良いゲームかなと今は思っています。公称30分ゲームですし(ゲームうんぬんより、個人の好みです)。
と、評価は保留ですが、今回のプレイは非常に楽しかったです。
序盤、点が離されたにも関わらず、中盤で追いついて、最後もポカがなければ点数的にはいい勝負になっていたと思います(僕が勝つ目は中々なかったでしょうが)し、メリハリがあって、かつバランスの良い展開になったので、最後まで楽しくプレイできました。
4つの地域カード中、段違いに高い得点の地域は必要枚数も多く、また、プレイヤーも牽制しあうので、なかなか決算にならないようになっていますし、点数が低いところは低いところで楽に決算にはなるのですが、泥棒がいいスパイスになっていて、勝たせるか、負けさせるか、どちらが得なのかを勘定する面白さがあり、しかも、それを盤面に反映させることのできるゲームです。
しかし、モンスターカードの引きは運なので、邪魔したくても強さ1のモンスターしか手札に来なかったり、逆に自分有利な地域を勝たせたいのに強いモンスターしかなかったりという状況はありえます。もちろん、そういう時は、諦めて自分に不利な地域も決算させるしかありません。

(こんな手札にも結構なります)
どうも、この仕方なく損する手をうつパターンが勝ち負けに直結しているような気がして、運ゲー?という思いが捨てきれません。でも、このパターンがなければ中々勝負もつかないわけで。難しいです。
少なくとももう1戦、どこかで遊ぶ機会を作りたいです。