ミステリーラミー ジャック・ザ・リッパー/Mystery Rummy - Jack the Ripper

(2人で1ディール10分ほど)
【概要】
ロンドン、ホワイトチャペル地区では女性ばかりを狙う殺人鬼“ジャック・ザ・リッパー”が犯罪を繰り返していた。あなたはひとりの捜査官となり、殺人事件の証拠を集め、容疑者のアリバイを調査し、ジャックを捕まえるのだ!
【ルール】
切り裂きジャックの調査をラミーのルールにのせたゲームです。
プレイヤーは手番に以下のアクションを行います。
・山札から1枚カードを引く。
・手札からカードを出す(任意)
・手札から1枚捨て札に出す。
いずれかのプレイヤーの手札がなくなるか、「ジャックの逃亡カード」が出されたら、そのゲームは終了で、得点計算を行います。規定点にいずれかのプレイヤーが達するまで繰り返しゲームを行い、最初に規定点に達したプレイヤーが勝利します。
・カードの出し方
カードを手札から出す=捜査結果の周知です。
カードには木槌のマークがついているものと、虫眼鏡のマークがついているものがあり、木槌のマークがついているものは各手番に1枚だけ、虫眼鏡のマークがついているものは何枚でも、(条件を満たしている限り)場に出すことができます。
カードには色々な種類があり、それぞれ出すための条件があります。
被害者カード(木槌):ゲーム中、いつでも場に出せます。既に場に同色の現場カードがあった場合、自分の前にとってこれます。
現場カード(木槌):ゲーム中、いつでも場に出せます。既に場に同色の被害者カードがあった場合、自分の前にとってこれます。
証拠カード(虫眼鏡):被害者カードが1枚でも場に出ていれば、同色の証拠カード3枚を組にして、場に出すことができます。既に同色の3枚の組が場に出ていれば、1枚でも場に出すことができます。
容疑者カード(木槌):同色の証拠カードが場に出ていれば、場に出すことができます。
アリバイカード(木槌):同色の容疑者カードが場に出ていれば、場に出すことができます。既に場に出ていた他のアリバイカードは捨て札置き場に捨てます。
殺人発生(木槌):犠牲者がでる、または、5枚めくるまで、山札から捨て札にカードを移します。犠牲者カードがでたら通常のプレイと同様に扱います。
長官辞任(木槌):手札から
ジャック逃亡(木槌):場に容疑者カードが5枚出ていれば、場に出すことができます。
・得点計算
ゲームの終了トリガーによってジャックが逮捕されるか、逃亡するか決まり、それによって得点計算が異なります。
ジャック逮捕(以下の逃亡条件を満たさず、いずれかのプレイヤーの手札がなくなった場合)
アリバイカードが出されていない色の中で、場にされた全てのカードに書かれた数字の合計が最も高い色の容疑者がジャックだったことになります。
各プレイヤーが目の前にプレイしたカードの右上に書かれた数字を合計します。この時、ジャックの色のカードの数字は2倍します。
ジャック逃亡(ジャック逃亡カードがプレイされた場合)
ジャック逃亡カードをプレイしたプレイヤーが35点を得ます。
【プレイ内容】
相方とやるラミー系のカードゲームもカーニバル、ボニー&クライドに続いて3つめです(相方とはプラトン3000は未プレイ)。
被害者がいないと証拠を集められない、証拠がないと容疑者を特定できない、容疑者にアリバイがあれば犯人ではない等々、捜査してるっぽい感じを出すための仕掛けではあるのですが、インストから相方はやや混乱気味になっていました。
相方はテーマを気にするタイプですが、このミステリ・ラミーの設定には「無理にあわせなくてもいいんだよ」と強引さを感じていたようです。
実際にゲームが始まれば、なにはともあれ被害者をおかねば始まらないので、被害者を。そして、その被害者を起点に現場に容疑者とカードの巡りがよかったので最初の数ターンはスムーズに進みます。
相方は被害者も現場もこないよ!と序盤に出せるカードはなかったようですが、徐々に入ってきたようで、手札からカードが出始めます。(別に僕が出した被害者の色の証拠やらでもプレイはできるのですが、それもこなかったようで)
お互いに相手のメルドへのレイオフもやったりで途中までは順調だったのですが、あと数枚がだせなくなり膠着。
自分に不要なカードを捨てればいいと言っても、もう枚数が少ないので次にどちらがくるか、そして捨てたカードが相方の欲しいカードではないかのギャンブル状態。
数ターン、そんな状況が続いた後に相方の捨てカードを僕が拾ってメルド!
ジャックも僕が多くの証拠やらをプレイした色の容疑者になったため、僕はそれなりの点数を獲得し、一方で相方は残った手札のマイナスもあって寂しい点数に。
結局、この初戦の勢いのまま僕が最終的に規定点を超え、勝利することができました。
【感想】
最初に被害者(犯行)があり、それに付随して現場や容疑者、証拠をプレイしていくというのは非常に雰囲気があり、なんとなく捜査しているような気になります。
ただ、ふたりでやるゲームではなかったように思います。多人数であればみなの手元にいい感じにカードが分散し、最初は被害&捜査が広がっていってから徐々に収束していくようになると思うのですが、毎ターンのドローと捨てるのは必須なため手札が増えず、その結果、ふたりではなかなか捜査が広がらないし、出せるカードも増えないしで、ひたすら今の手札に合うカードを待ち続けることになりがちでした。
一応、捨て札からサーチしてドローできたり、ワイルドカードになるカードもありますが、結局、それらを含めて使えるカードが手札に入らければどうにもならず…。
あと、各種カードのプレイ条件が捜査を模しているのが僕は雰囲気が出たように思いましたが、相方は単に面倒な制限がたくさんあると思ったようです。確かにテーマ性を増すことには貢献していますが、面白さにつながっているのかと言われれば、少々疑問です。
ここらへんも人数が増えてたくさんの被害者、証拠、容疑者が乱れ飛ぶような展開になればまた違うのかもしれません。容疑者が増えればジャック逃亡のカードも意味が出てきますし(2人では取っておくリスクでかすぎで一度も使われませんでした)。
人数多ければ…と言いつつも、人数増えた時にこのゲームを選ぶのは余程の切り裂きジャック好きか、ラミー好きかでないと他のゲームでよいかなとも思ってしまいました。
最後に、箱が本を模していて、ページをめくるような感じに開けたり、箱の中にしおりがあったり(しかも、しおりを引っ張ることでカードが楽に取り出せます)と凝ってました。
本ぽいかはともかく、カードを取り出すための紐はとても使いやすいので他のゲームでも適用してもらいたいところです。

(こんな感じで紐が付いてます)