ペロポネソス(ヘッラス拡張入り)/Peloponnes(Hellas Expantion)

(ソロプレイ、1プレイ15~20分ほど)
【概要&ルール】
基本ゲームのルールは過去の記事を。
Hellas拡張には、追加の文明、海タイルも含まれますが、主な点はゲームを1ラウンド追加する、9ラウンド目のためのタイル(土地&都市)追加です。
※海タイルは別の拡張セット(単にPeloponnes ExpantionとかSea Expantionとか呼ばれている拡張)で追加された要素で、基本的にはその拡張がないと使うことはできません(Hellas拡張についてるのはあくまで6人目分)。ただし、使い方さえわかっていれば、プレイ人数分をゲーム開始時に表向けて置くだけなので、2人プレイまでならHellas拡張のみでも海タイルを使えると言えば使えます。本来はもっと母数がある中からランダムで選ぶので、デザイナーの意図するところとは異なると思いますが。
拡張内容を少し細かく書くと、
・9ラウンド用のタイルが追加。また、それに伴い供給が追加(9ラウンド目で必ず発生)
・何も書かれていない災害トークンが2つ追加(通常、8ラウンド終了までに災害は全て発生しますが、9ラウンド終了までに延びる(場合もある))
・得点計算方法を変化させる特殊な建物の追加(通常、人口点と名声点の低い方を最終得点としますが、高い方を最終得点にする建物や、お金からの得点を3金=1点から2金=1点に変える建物等)
・文明が追加
また、9ラウンド目が追加になることから、ソロプレイ時に挑戦する得点も変更(増加)されています。
【プレイ内容】
Hellas拡張を入れつつ、ソロプレイで行けるところまで遊んでみました。
ソロプレイにおいてレベルがあがることによる変更は、以下の3点です。
1.目標点の上昇
2.競り時に征服タイルの列に並べるタイル数の増加
3.初期文明の収入追加(レベルが上がるごとに石、木、食料、金のいずれか1つを初期収入に追加。最大3)
また、いずれかのレベルをクリアするために使った文明は使うことができません。
(レベル1~5までキャンペーンのように続けて遊ぶことを想定されているようです)
1はともかく、征服タイルの列に並べる=競り時の購入価格が+3金なので2の影響が大きいです。
要は最低落札価格で買えるタイルが徐々に減り、減った分+3金で買えるタイルが増えることで、お金のやりくりが苦しくなりつつ目標点があがっていくということになります。
レベル1:全てのタイルが最低落札価格で買えることもあり、文明は適当に選んで楽にクリア。

レベル2:征服タイルの列に並べるタイルはまだ1つなので、レベル1とさほど変わらず。とはいえ、目標点が32点のところを34点と結構ぎりぎりのクリア。
レベル2までやってみて気づきましたが、Hellas拡張を入れることで1回増える供給がきっついです。きついというか、正確には、とにかくきちんと食糧(または代替となる贅沢品)計画は練らないと得点が伸びません。1ラウンド増えたからといって、安易に最終得点があがるとはいえず、供給増えるから、とりあえず食料増やせばいいだろうくらいでやってると得点的にはダメそうです。
征服タイルの列に並ぶタイルが今後増えていき、計画が難しくなっていくのに大丈夫なのか、これってレベル5クリアするのは引き運次第なんじゃないのかと心配になりつつ次のレベルに進みました。
レベル3:征服タイルの列に並ぶタイルは2つになりました。レベル2でもかなりお金はぎりぎりでやりくりしていたので、運次第ではかなり厳しくなりそうです。

(開始直後)
レベル2で得点がぎりぎりになったのは、石が思うように揃わず、贅沢品は供給時に食糧の代替として使っていたため、建物が建設できなかったことが原因です。であればと、初期文明の追加収入に石を追加して、あとは食糧という体制で挑みました。
しかし、タイルのめぐりが悪く、征服列以外に出てくるのは土地ばかり、かつ、その土地から採れるのは木か食糧ばかりです。中盤すぎたあたりでようやく石を産出する土地を購入できたものの、激しく今更感です。木の産出数は結構な数になっていたので、木を贅沢品にして代替することに変更しました。
まあ、わかっとけと言う話なんですが、土地ばかりが増えた状況で大嵐(土地数分のお金と食糧を失う)が起これば大変なことになるのは目に見えているわけで、案の定、りあえず最初の供給を終えて、次の供給が次に来るというところで、大嵐が発生。大嵐のせいで、食糧は底をついたので、供給のために贅沢品も吐き出すことに。
そして、このタイミングで2回目の供給が発生し、食糧が足りずに人が何人か死んでいきました。
拡張なしであれば、2回の供給で終わりますが、拡張入りなのでもう1回の供給分の食糧が必要です。足りるのか?と思いつつも、土地タイルばかりなので得点が延びておらず、こちらもなんとかしないとなりません。
今回の目的は人を生き残らせるよりも点数です。
最終ラウンド開始前の段階でタイルの合計点は25点。目標点は36点なので全く足りていません。祈るような気持ちでタイルをオープンすると、1枚で10点になる建物タイルが!
タイルオープンと同時に発生した供給もなんとか最小限の被害で終わり、購入&建築するだけの資源も確保できていたので、その建物を建て、最終結果は36点。レベル3の目標達成となりました。

(最後の建物が人口点の計算を人×3点から、人×4点に変更できるものだったので人口点は余裕のクリアだったのですが、名声点が伸びず…)
この後、何回かレベル4にも挑戦したのですが、36点前後しか取れず、一度もクリアはできませんでした。
【感想】
ペロポネソスは短時間(人数×15分ほど)で結構かつかつなリソースマネジメント、(規模の小さな)拡大再生産が楽しめるゲームですが、Hellas拡張が入ることでよりかつかつさが増し、より計画的な建築が求められるようになっています。
供給が1回増えたというのが、最後は人口も増えていることもあってきついです。2回目から3回目までラウンドがほとんどないので減った食料が増える時間がないですし。
お金から得点への換算率を変えたり、人口点か名声点のどちらかを高くするだけでよいようなタイルを視野に入れて最初からとんがったプレイをするという戦術もきちんと計画を立てればとれそうです。
ただし、あまりにもマネジメントが厳しいと気軽に楽しめなくなるわけですが、不確定要素の少ない少人数プレイであれば、熟練していなくても計画的なプレイができるのではないかと思います。
まあ、大人数だと3回の供給に対応できず、へこむひとは増える気がしますが…。
しかし、逆に言えばやり応えのある拡張ともいえるので、やりこみ派、またはソロプレイヤーには良い拡張なのではないかと思います。
得点計算方法に絡むタイルが入ったとはいえ、基本的には拡張がない時とプレイ感覚は変わらないことからも、やはり、やりこみ派のための拡張なんですかね。