カナルグランデ

(2人でインスト込み30分ほど)
【概要】
水の都、ヴェネチア。総督たちはこの都市の様々な地区の利権を争っていました。あなたは総督のひとりとなって、圧倒的な優位を築くか、すべての地区の利権にいっちょかみするのです。
【ルール】
2人専用ゲームです。
いまも人気の高い絶版ゲームのひとつ、サン・マルコのカードの分配部分のみを切り出したゲームとのことで、いわゆるケーキの切り分け問題に焦点を絞ったゲームです。
2人のプレイヤーが親と子にわかれます。
親はアクションカードの山札と数字カードの山札から規定数を引き、それらを任意の2群にわけます。
子はどちらか一方のカード群を獲得し、アクションカードの効果を解決します。
全てのアクションカードの解決が終わったら、残ったカードを親が獲得し、同様に効果を解決します。
その後、親と子を交代してゲームを続けます。
どちらか一方のプレイヤーの数字カードの合計が10を超えたら、ラウンド終了です。10を超えていないプレイヤーが山札から3枚追加で獲得した後、使われたアクションカード、全ての数字カードを山札にいれて、シャッフルした後、ゲームを続けます。
アクションカードの効果の解決
アクションカードには以下の種類があります。
・裏切り者:相手の手札から1枚奪います。
・スパイ:山札から2枚引きます。
・ドージェ:「投票」を行います。
・地区:ドージェのカードによる「投票」にて使用します。
・ゴンドラ:「投票」で使用します
手札に入るのは地区とゴンドラだけで、その他は獲得後、すぐに効果を使わなければなりません。
投票について
ドージェのカードによる「投票」を開始したプレイヤーは、手札から任意の種類の地区カードをプレイします。1種であれば何枚でも構いません。相手プレイヤーは合計がそれを上まわる同地区のカードを出す必要があります。
交互に出し合っていき、最終的に多くの地区カードをプレイしたプレイヤーは、そのうち1枚を得点として得ます。
この時、ゴンドラカードがあれば他の地区のカードも枚数に加えることができます。
勝利条件
全地区のカードを1枚以上手に入れるか、同じ地区のカードを規定枚数手に入れたプレイヤーが勝利します。
【プレイ内容&感想】
某所で、今年のエッセン新作のカードシティは、ケーキの切り分けらしい→ケーキの切り分けといえば、サンマルコが人気で中古相場が高い→切り分け部分だけを切り出したカナルグランデというのがあるよ。
という話を聞いたので、さっそく購入してK君と遊んでみました。
ちなみに、ふたりともサンマルコは未プレイなのでどういう差があるのかはようわかりません。
初プレイということで、戦術もようわからんけどもと言いつつ、いきなりK君が6-2で分けてきます。
もちろん6枚の方は数字カードもテンコ盛りながら、アクションカード枚数も多いという分け方です。
次のカードの分配は僕がやるので、次ターンで10を超えるということはないだろうと判断して、6枚の方を。ドージェカードもあったので、今回ひきとった緑色の地区のカードで投票してゲットしました。
手札が少なく、投票したくなくてもドージェがくれば、投票せざるを得ません。パスしても相手に投票開始の権利が移るだけなので、相手に有利な地区の投票をされても良いか、それとも負けるリスクを背負って投票が良いのかと悩ましいです。
ちなみに、カードの分配は基本的に数字もアクションカードも多めと共に少なめというパターンがメインで、アクションカードが本当にもうどうしようもないという時だけ、平等に分配して相手に任せるという感じでした。
2人プレイ専用で考えるべきなのは対戦相手が欲しいカードのみだったので、分配でそこまで悩むことはなかったです。
続けて緑色のアクションカードが出てきたので、それとなく数字カードに重みを付けて自分の手札に。その後、ドージェも取ってきて、2枚目の緑色地域カードをゲット。
このあと、さらに緑色の地域カードを手に入れて3枚目となり、リーチです。

この時点でまだK君は1,2枚しか地域カードを手に入れていませんでしたが、手札はたくさん持っていました。僕は「欲しいカードは含まれているが、全体的な枚数は少ない」組ばかりを取っていたので、もともとK君よりは枚数が少ない状態。
しかも、K君が「裏切り」カードを好んで取るため、ますます手札差は広がっていました。
うーん。ここをなんとか切り抜けないと…と思っていると、K君が切り分けたのは、緑2枚+大量の数字カードの組と、その他の組。
K君の大量手札に対抗するにはこっちしかない!とその他の方を取ったのですが、これが敗着でした。
その後、ドージェがかたまっていたこともあって、K君は豊富な手札を使って一気に5種類の地域カードをそろえます。

しかし、手札もかなり使っていたので僕も着々と地域カードを手に入れ、もう少しでダブルリーチと言う状態までたどり着きます。とはいっても、K君の手札も回復している一方で、僕は手札のうち3枚はゴンドラという、手札枚数の割に戦力になっておらず、ドージェが出たら負ける…という状態でまさかのドージェ4枚が一気に出るという大胆な展開で、とどめを刺されました。
ゲーム後に数えたところ、各色5枚しかないので、特定の色を抱え込むのが可能というのに思い至るのが遅かったです。リーチのかかった緑はどうあっても取りにいかないとダメでした。最後までK君の手札から出てくることはなかったです。
そこらへんを解消するために、裏切り(あいて手札から1枚引く)があるのだと思うのですが、裏切りが出てくるか、そして、引けるかという運勝負になるので。まあ、欲しい色取りに行っても手札がすくなければ裏切りで抜かれて終わりですがw。
プレイ前は切り分けられたカードを相手よりもちょっとずつ有利になるように取っていくゲームかと思っていましたが、それはあくまで基本的なところで、各色の残り枚数、自分が勝つための最適解というところを考えて、切り分けの重みづけも無視しなければいけない場面もでてくる、正しく、かつ、思い切った状況判断を要求されるゲームでした。
互いに獲得した地域カードはもう山札には入らないので、ラウンドごとに枚数が減って、勝負の綾になるカードが山札に圧縮されていくのは、プレイしていてしびれました。あまりににも感心したので、K君に、すごいよね!と興奮気味に言ったら、別に…という顔で苦笑されてしまいましたが。
このようにシステムは非常に美しいと思いますが、ゲームとしてはちょっと地味でした。もっと面白いゲームはあるだろうけど、システム的なよさはトップクラスという感じです。K君はこのゲームをもう遊んでくれなさそうなので、別の場所で機会があれば出してみたいです。
(これを書いた次の日にやる機会がありました)
各色5枚というのをお互いにわかってやると更に場が締まって良いゲームになりました。カウンティングかあと思われる方もいるでしょうが、得点になった地区カードは公開ですし、2,3手番でリシャッフルが入りますし、ポイントになる色はお互いに2色くらいなので、そんなに覚えなきゃ!という感じでもありません。相手の手札を完全に覚えていれば有利にもなるでしょうが、僕はそこまではできませんし、そこまでしなくても勝負にもなるし実際面白いです。
ただ、このカナルグランデもサンマルコと同様に絶版というのが辛いところではあるんですが…。