クー/Coup

(5人でインスト込み15分ほど)
【概要&ルール】
プレイヤーたちはそれぞれある一族の長となります。一族は都市国家に影響力を持っています。影響力=人脈です。他一族の動向を探り、自分の人脈と話術をうまくつかって他一族の国家への影響力をなくさせましょう。
ゲームには5種類の役職が書かれたカードを使います。ゲーム開始時にこのカードを2枚ずつ各プレイヤーに伏せて配ります。配られたカードの内容は自分だけが見ます。この2枚のカードが影響力で、表に返されると影響を失います。
能動的に他人の影響力を失わせる方法はふたつです。
1つ目はクーというアクションを行うことで、お金を支払うことで問答無用で指定したひとりの影響力1枚を失わせます。
2つ目は暗殺者の役職の能力を使うことです。これもお金を払って指定した相手の影響力を1枚失わせます。払うお金はクーの半分以下です。
お金を手に入れる方法はいくつかあります。公爵のアクションでストックから取る、船長のアクションで指定した相手から奪う、役職に関係ないアクションでストックから1金だけ取る、もしくはちょっと多めに取ることもできます。
役職にはあとふたつ、大使と伯爵夫人があります。大使の能力は手札の交換で、山札のカードと交換することができます。伯爵夫人の能力は暗殺者のアクションのブロックのみです。
船長のアクションは船長or大使でブロックできますし、ちょっと多めにストックから取るアクションは公爵でブロックできます。
基本的にこういった能力を使って、最後まで自分が生き残るようにするゲームですが、役職の能力は「自分が持っていなくても」使うことができます。他プレイヤーは他人の取ったアクションにいつでも「嘘だ」とチャレンジすることができます。チャレンジされた側が対応する役職のカードを持っていなかった場合は、影響力を失います。チャレンジされた際に、本当に対応する役職のカードを持っていればチャレンジしたプレイヤーが影響力を失います。
こうして、ひとりを除いて影響力を失うまでアクションを行います。
【プレイ内容&感想】
ジェリージェリーカフェで、一味さん、キノさん、たる田さん、PHYさん、僕の5人で。
初戦は基本的にみんな(たぶん)自分の持っている役職の能力を使うだけの展開に。何故なら、自ら進んで嘘をつく(持っていない役職の能力を使う)メリットが見えなかったからだと思います。少なくとも僕はそうでした。
埒があかないので、カード交換を繰り返すPHYさんにチャンレジ!
見事に持っていらしてたので、影響力を失いました。残った人たちも暗殺者やクーが乱れ飛んでゲームセットと、なんかあっさりいってしまいました。
うむ。もう1回ということで2戦目です。
1戦目でわかったのはとにかくお金をとっとと貯めてクーをするか、暗殺者や船長のアクションでクーをやりそうなひとを妨害するのが大事だということです(クーはどんな役職でもブロックできないので)。
2戦目はそれを踏まえてのプレイになったわけですが、今回も無難に終了。2戦目で終盤になって趨勢を覆そうとしても無理くさいこと、大使で山札に何があるのかを探るのも5人戦では有効そう(消去法でプレイヤーの手札も類推できるため)なことが判明しました。
そして3戦目。ここでようやくこのゲームの真価が発揮されます。
一味さん:「(ストックからお金をとりつつ)デューク(公爵アクション)」
ひだり:「同じくデューク」
PHYさん:「デューク」
キノさん:「デューク」
全員:「いやいやいやいや、おかしいからw」(各役職は3枚ずつしかないので4人が同じアクションをすることは本来ありえません)
だったり、その続きで、
ひだり:(2ターン目)「船長でキノさんからお金を奪います」
ひだり:(3ターン目)「大使でカードを交換します」
PHYさん:「あなた、それ、役職3つ目でしょ!?」
ひだり:「チャレンジされますか?w」(1ターン目の公爵、2ターン目の船長が嘘で、大使は本当だったので強気)
などなど、呼吸するように嘘をつけるようになってからが本番です。
基本的にあっというまに終わるゲームなので、手札にある役職の能力しか使わないようだと、すぐに置いていかれます。影響力が2枚あればチャレンジされない状態でも、1枚に減れば(単純に持っている確率は半分になるので)チャレンジされやすくなりますし。
効果的にブラフを使うゲームではなく、常に嘘をついて一直線にゲームを進め、効果的に本当のことを入れる。そういうゲームだと思いました。
そして、嘘が飛び交うことでありえない状況が生まれて、笑いの意味で面白くなるという相乗効果です。
そこまでタクティカルなゲームではありませんが、終盤、残ったのが2人になってくると、大使で山札を見ていたのが役に立ってくる等、意外と序盤の布石が生きる場面もあり、それもまたしてやった感があって楽しいです。
最近はブラフや顔色をうかがうような、相手との瞬間的な絡みに面白さを求める、短時間で終わるゲームが増えていますが、それらよりも大胆に嘘をつき、ちょっとだけ戦術を付け加えた分プレイ時間も増えたようなゲームです。
似たようなゲームが1戦目から楽しさがわかり、しかも、プレイ時間も短いので、クーも1戦遊んだだけで「んー、他のやる?」と評価してしまうかもしれませんが、2戦、3戦とだんだん仕組みがわかってきて、徐々に面白さがわかるタイプのゲームだと思うので、是非繰り返し遊んで欲しいです。
完全に個人の好みですが、出会い頭で勝負が決まるような、クーよりも短時間、かつ、単純なゲームよりも、僕はクーの方が好みです。
テンデイズTVなどを見るに、いま(2012/12/1現在)テンデイズゲームズで扱われている分がなくなったら再入荷があるか怪しいので気になる方は早めに購入された方が良いかと思います。同人ゲームのようなものなので、海外のショップでもおそらく扱われないでしょうし。

(あまり見かけないパブリッシャー名)