ギシンアンキノトウ

(2人専用でインスト込み1戦10分)
【概要&ルール】
2人専用ゲームです。
ボード上に配置した塔を取り合い、取った塔に書かれた得点の合計が高い方が勝利します。
塔の得点は塔の黄色い面の数です。プレイヤーは向かい合って座るため、塔の面のうち、2面しか見ることができません。
ゲームは以下の流れで行います。
1.塔を並べる
塔の相手側の面を見ないよう気をつけながら塔をボード上に並べます
2.1つだけ塔の点数を見る
6つの塔のうち1つを選び、得点を確認します。後手番の場合、相手が先に選んだ塔は選ぶことができません。
3.キューブをおきあう
塔を1つ選び、その上に自分のキューブを置きます。相手のキューブに重ねておくことも可能ですが、塔の上にはキューブは2つまでしか置けません。自分のキューブが一番上に置かれた塔が2つできたなら、それ以上キューブは置けません。
4.得点を確認する
お互いに自分のキューブが一番上にある塔が2つになり、それ以上置けなくなったならば得点を確認します。自分のキューブが一番上にある塔の点数を合計が高いプレイヤーが勝利です。ただし、例外として2点の塔を2つの場合は相手の得点に関わらず勝利します。
これを規定点数を取るまで繰り返します。
【プレイ内容】
K君との2012年最後のゲームにゲームマーケット2012秋の新作でも評判の良いギシンアンキノトウを遊びました。
最初の盤面は↓でした。

黄色の面が2つ見えているのは4点確定なので、あとは3点の塔の場所がわかれば7点取れるのでほぼ確実に勝てます。黄色が1つずつ見えている3つの塔のうち1つが3点なので、最初の塔の確認で適当に1つ選んでみたところ、その塔が見事3点。
K君側から見ると、黄色2つの塔が3つあり、どれが4点、3点、2点なのかは区別ついていないはずです。
では、どうやって4点をこちらで取るか。
うむ。ようわからんととりあえず3点の塔にこちらのキューブを置いたところ、その上にK君がキューブを重ねてきます。これで3点が取られました。
4点の塔を取られてはやばいので2点が確定している塔にキューブをおいて様子を見ます。これでK君がどこに置いても4点は取れます(既にK君は塔を1つ取っているので必ず次の手番で2つ目の塔をとることになりアクション終了。もし4点の塔に置いてくればその上に僕がキューブを重ねて置いて横取りもできる)。
その後、目論見通り4点の塔を獲得し、2点の塔も取って合計6点で勝利しました。
相手にこちらの思惑を気付かせないように、低得点の塔を取らせつつ、自分で高得点の塔をとる、詰将棋(とまではいかないまでも)的な面白さがあるなあと、続けて2本目です(3本先取で勝ちです)
続いて2戦目も最初から4点が確定した塔があり、その塔と最初に確認していた2点の塔を取って勝利。
ここまでは調子がよかったのですが、3本目。ぱっと見で確定できた塔はなく、最初に点数を見れたのも2点と微妙な結果。
うーん、ここまでわからないと方針もくそもないな…と、黄色い面が2つ見えている塔から4点であることを祈りつつそのうちの1つにキューブを置きます。もう1つのキューブは3点であることを祈りつつ、黄色い面が1つ見えている塔の1つに。
3点を狙った方は実際は1点でしたが、4点は取れており合計5点。K君は4点だったので勝ったと思いきや「2点の塔を2つ取ったプレイヤーは勝利」という特殊条件負け。
4本目も初期配置からは確定情報はなく、勝負も負け。5本目はせっかくだからと、バリアントの1つの塔を場に出さないルールでやりましたが、なにもできずに、あえて取りに行った袋の中の塔が0点で、2連勝からの3連敗で負けてしまいました。

(5本目の様子)
【感想】
初期配置で4点の塔の位置が確定していると面白いです。というか、初期配置と最初に1つだけ見ることのできる塔の点数から、残りの塔の内容を推理するのだけが面白いです。
面白いですが、塔の内容を推理するのは別に対戦ゲームでやる必要はありません。相手がいる必要は全くないので。
そして、その推理で4点の塔が確定したとして、狙った塔を取れるかは手番順と相手次第です。
プレイ時には自分が狙った塔をどうやって取るのか詰将棋みたいで~と書きましたが、後攻でないと狙った塔を自分の意志だけで取るのは無理で、先攻時は相手の1手目次第でとれるかどうかは運次第です。
では、ゲーム名からもわかる通り、ブラフをかけあって有利な塔を取ればよいだろうという話なのですが、相手の手がブラフかどうか判断する材料が少なすぎて、ブラフを読み合い、楽しみ合うというところまでは少なくとも僕とK君にはできませんでした。そういうわけで、初期配置で確定する情報が無ければ、非常にもやっとしたプレイ感になります。
相手はなにかしらの考えを持ってキューブをおいているのだろうけども、その考えはなんなんだろ?と考えても、相手が必ず確定情報を持っているというわけではない=相手が強い意思を持って仕掛けてきているわけではないので、考えるだけ無駄です。少なくとも僕には考える楽しさが見出せませんでした。
必ず4点の塔の場所がわかっているとか、逆に0点の場所がわかっているとか、逆に、何もわかっていないとか、とにかくなにがしらが相手の中で確定しているのであれば、「相手の考え方や手から考えるにこうか?いや裏をかかれてるのか?」と、1手1手がまさに疑心暗鬼の種になったかと思います。
しかし、自分も確定情報がなければ「この塔が4点だったらいいな~」「この塔か、あっちの塔のどちらかが3点のはず」とか、もやっとした思考で打っているゲームで、相手がブラフを仕掛けてきてると僕には思えませんでしたし、ブラフと見破りようがありませんでした。
(自分の側の見た目から、相手が確定情報を持っていると判断することはできないはずと思うのですが、判断可能でしたらすいません)
ブラフ(ライアーズダイス)やファブフィブなどが、ブラフゲームとして成り立っているのは、ブラフを仕掛ける側にとって「この手はブラフである」もしくは「この手はブラフではない」がはっきりしているからだと思うのです。
そういうわけで、「運がよければ(初期配置で4点の場所が確定すれば)楽しいソリティアができるが、通常は相手と自分のどちらの運が強いかを競うゲーム」としか思えませんでした。
また、バリアントの塔の1つを場に出さないゲームになるとますます情報が減って確定しづらくなり、更にブラフかけられる機会が減るので、僕のように塔の特定部分にのみ楽しさが見出せるひとにはお勧めできません。
僕とK君もそれなりに話しながらやったつもりですが、アブストラクトな見た目に反して、もうちょっと会話で盛り上げながらやるタイプのゲームかもしれません。ゲーム中に打てる2、3手+口からの情報でブラフめいたことはしやすくなるはずなので。