スペクタクラム/Spectaculum

(2人でインスト込み45分)
【概要】
あなたは裕福なサーカス好きです。この国には4つのサーカス団がおり、それぞれタニマチを求めています。サーカス団は興業の結果、評判があがったりさがったりし、評判に応じてタニマチとして出資する金額が異なります。評判の高い、高くなりそうなサーカス団にはどんどん出資し、落ち目のサーカス団からは資金を引きあげ、そうしてお金持ちになるのが目的です。
【ルール】
サーカス団という設定はありますが、ぶっちゃけ株ゲームです。
赤、青、黄、紫の株があり、それぞれを売り買いして一番儲けたひとが勝利します。
プレイヤーが手番に行えるのは以下です。
A.株の売買
1手番に好きな株券を0~2枚まで売り買いできます。
B.サーカス団の移動
持っている手コマを使い、サーカス団を移動させます。コマは同色のサーカス団の本拠地、または同色のコマに接するマスに配置できます。こうして、サーカス団が村に移動した場合、村におかれたトークンに描かれた内容により、その色のサーカス団の株価が上下したり、配当があったりします。
移動は一気に行う必要があるので、仮に2枚株券を売買するとしたら、AAB、ABA、BAAのいずれかの順に行います(つまり、移動して買って、移動して売るといった行動は1手番ではできません)。
コマは1手番内に使いきり、手番の最後に補充します。
これを時計回りに終了条件を満たすまで繰り返し、最後に全ての株を売った後、所持金を比べます。
【プレイ内容】
K君が株ゲームが好きといっていたのですが、なかなか2人でできて、かつ、比較的短時間の株ゲームがなかったためできなかったのを、ちょうど良いゲームが昨年発売されたのでプレイしました。
全体をばっと眺めるに青か紫の側に株価があがるトークンが多く置かれているように見えたので、青の株を2枚購入し、その後も青を買い足します。K君は紫につぎ込むことにしたのか紫を数株購入します。

これで青と紫はどちらがどれだけ上げられるかでほぼ勝負は決まります。
とはいっても毎ターン株を買う機会があるのに買わないのはもったいなかろうと、さらにふたりとも黄色の株を買います。
K君は赤の株も買っていましたが、赤の株は株価がさがったり株を持ってるだけマイナス(配当の逆)のトークンが本拠地のまわりにあるため、僕は買わずに売却。
お互いにちょこちょこ売ってはいたものの、虎の子の青と紫は売れず、どんどん買い増しもしたいので、お金は必要です。というわけで、手番開始時に株を買い、その手番内にちょっと値をあげて売るというFXを開始。
適度に値が下がっていて買いやすい割に下がりやすくリスクも高い赤株が使われていました。
このやり取りはそこそこうまくいき、それなりに小金は貯まってはいたのですが、小金では勝てないので株価を伸ばしたい青コマか、K君の邪魔をするための紫コマを引きたいところです。
いくら株価を上げたくともそのためにはコマを引かなければならず、僕が必要な青のコマは序盤から中盤は結構引けていたのですが、まだまだコマは出てくるだろうと当座の金欲しさに配当方面にばかり伸ばした結果、終盤ほとんど引けずに+3や+2のトークンを大量に残したまま終了。
青は引けなかったものの紫はそれなりに引けたので、中央の城(株価+5)を目指すK君の邪魔になるように無駄にコマを使ったり、株価のマイナスやマイナス配当をくらわせたりしていたのですが、K君は紫のサーカス団をボード中央にある城までたどり着かせ、一気に株価をあげることに成功。
結局その差で負けてしまいました。

(終局図)
【感想】
これくらいの運、これくらいのガチさが好みです。
サーカス団の移動はコマの引き運次第ではあるのですが、今回の2人プレイと言うことで一部一部では偏りがあったものの全体を通してみれば、偏っていた、運に左右されてどうしようもなかったという印象はないです。さらにいえば、マスが四角ではなく、六角なので1,2手遅れたとしても到達したい場所に到達できなくなるということはそうないので、誤差はあってもだいたいトークンの初期配置に依存する、あらかじめおおよそのトレンドがわかっている株価変動に落ち着きました。
コマの引き運は途中のハラハラドキドキを演出する程度で、意外と株価の伸び率に関しては初見の印象を裏切らないのかなと。どの株を売買するか、日銭をどう稼ぐか、他プレイヤーにどう相乗るかというコツコツが重要そうです。
では、コマ引きの意味ってそれほどないのかというとそんなこともないです。
まず、マイナス配当(持ち株に比例して金を払わなければならない)のトークンの効果で金を払う時に現金が足りなければ株をその時の価値の半額で売らなければなりません。そのため、一定以上の現金を持っておく必要があり、その現金を確保するために配当トークンを取りに行ったり、相手に現金がなさそうなのを見越してマイナス配当を取りにいったりと最終形はともかくまず、どちらに伸ばすかは重要ですし、どのサーカス団からも等距離にあり、強い株価プラス効果を持つ城に最初に到達することも大事です。
今回の僕もその場での運用資金やマイナス配当をくらった時の用心(お金が足らないと額面の半額で株を売らなければなりません)のために株価あげるのは後でもいいやと配当トークン狙いにコマを使ってしまい、株価をあげるトークンを余らせてしまったのが敗因だと思いますし。
このコマ引きの運が2人プレイだといい感じにならされる気がします。4人プレイだと自分が一番欲しい色を自分だけ引けないとかざらにありそうです。自分ひとりだとままならないため、人数が増えると、自分の買った株を伸ばすだけでなく、他人の株にどう相乗るかという側面がたぶん強くなる気がしており、それはそれで楽しそうなんですが。
大きな株価のあがりさがりというのが事前に見えているという点で、以前遊んだメルクリウスに似ている印象を受けました。スペクタクルムの方が大きなトレンドの中でちょこちょこしたプラスマイナスがあるので、せわしなかったりと、無論違いはありますが。いつ暴落するか、高騰するかを大体の勘で判断する株ゲームよりは、こういった大きなトレンドははっきりしているゲームの方が僕は好きです。
4人プレイも面白いとのことなので、今度どこかでやってみたいです。