サン・マロ

(2人でインスト込み40分)
【概要&ルール】
ダイスを振って出た目をもとにサンマロの街に建物を建てたり、ある職業の人を呼んだりして街を作るゲームです。
プレイヤーは手番に5つのダイスを振ります。ダイスは2回まで振り直すことができます。振り直し時には任意のダイスをわきにどけてもよいですし、全部振っても構いません。
2回振り直すか、プレイヤーがこの出目で良いと判断したら、出目のうち、1種類を選んでその効果を適用します。
適用後、個人ボードに何を手に入れたのかを”記入”します。(個人ボードはホワイトボードのようになっていて、ホワイトボードマーカーで手に入れた資材、開発した街を記入していくのです)
ダイス目には以下の種類があります。
・人物
人物の目が出ているダイス数によって、効果が異なります。1つだと即座に1点入る市民、2つだと隣接する教会数だけ得点できる僧侶か、街の防御力をあげる戦士のどちらかというように効果を得ます。
街には任意の1マスを選んで人物の頭文字(戦士であれば、SolXXxのSなど)
・商品
出目の数分だけボード上に工場を建てられます。工場は、人物の目で商人を選択し、街に配置した際に隣接する工場数分のお金を得ることができます。
・城壁
出目の数分だけボード上に城壁を建てられます。街には四隅に柱が立っており、その柱と柱の間を城壁でつなぐことで、防御力があがり、かつ、つないだ柱に応じてお金や勝利点などのボーナスが得られます。
・木材
出目の数分だけ木材を手に入れます。ただし、手に入れる木材数に依らず2金が必要です。木材は人物の目が3つ以上揃った時に選べる建築家で家を建てる際に使用します。
・教会
教会を建てます。出目をいくつ使ったかで1教会、2教会のように種類が変わります。ゲーム終了時に、1~5まで全て建築されていればXX点、1~3までならXX点のようにセットに応じて点が入ります。
・海賊
海賊の目だけは例外で、自分で選ぶことができません。いずれかの目を選択した際に、残りの目の中に海賊があれば、その出目数を記録します。一定数以上たまったなら、街を海賊が攻めてきて防御力が一定以上ないと街が破壊されたことになり、最終得点から減点されます。
ゲーム終了
個人ボードの全てのマスが埋まったプレイヤーが出たら、そのラウンドでゲーム終了です。
得点計算
得点はゲーム中、即座に手に入るものとゲーム終了時に入るものがあります。基本的にゲーム中に手に入るのは人物配置によるもので、ゲーム終了時に教会からの加点、海賊襲撃を防御できなかったことによる減点、残ったお金や木材の点数への変換が行われます。
【プレイ内容】
2人で遊んでも面白いとのことだったので、環境上、軽いゲームが多くなりがちなK君との会で遊んでみました。
実は僕は2回目で、初回プレイ時に海賊からの減点が大きくきいていたので、前回、僕がやられた、自分は早めに防御力をあげた後、わざと海賊の目を残して相手を減点させるという手をやってみようと思っていました。
最初の手番で具合のいいことに城壁が多く出たので、その手を決行することに。
海賊は襲撃のたびに人数が増えるのか、減点にならないために必要な防御力が、1,3,6,8,10と徐々にあがっていきます。6くらいまで上げて、相手が防御を整える前に海賊の目を出せれればかなりの点差をつけれます。相手が防御無視して他のものにダイスを使われると、他で点数を稼がれますが、海賊に攻められると余程ゲーム慣れしていない限り「攻められても平気なように防御をあげよう」と思うはずです。
まんまと城壁を1つ完成させて防御力が僕だけ上がった状態で1回目の海賊の襲撃が発生。K君も「防御力あげないとなー」と言ってくれ、城壁を建て始めて、ここまでは思惑通りです。
防御力を3にするには、いまある城壁に加えて戦士をひとり雇えば良いので、人物の目狙いで振りますが、なかなか出ません。それどころか、お互いに海賊の目が出まくって、僕が防御力をあげる前に2回目の海賊が襲来です。
あれ?これはよろしくないかもと思う間にも次々に海賊の目が。
僕&K君:「もう海賊を防げるだけの防御力に上げるの無理だな…」
ということで、これ以降、城壁の目は無視することに。
そうなると方針転換が必要なわけで、教会をとりあえず1~5の1セットを作り、基本的に人物メインで得点することとしました。「周りの人物の種類」に得点が依存するため、事前の準備が必要ですが、得点効率の良いジャグラーを最終的には配置したいです。
しかし…、人物の目が全くと言っていいほど出ません。3回振ってようやく1つ2つ出るか出ないかといったところで、ほとんど出ません。それはK君も同じで、2人して人物でない人物でないと言いながらダイスを振ってました。
これでその代わりに出る目が城壁や商品だったら目も当てられないのですが、幸い(?)そんなこともなく、教会の目が良く出ました。教会も5つそろえれば得点効率は良いので、そちらを狙うことに。ただし、1,3,4,5のようなセットになってしまうと2の教会がないため、得点にカウントされるのは1の教会だけになり1点になってしまうため、リスクもそれなりにありますが。
僕は1~5の教会のセットが2つ出来た段階でボードを全部埋めて、ゲームを終わらせにかかりました(全部埋めたプレイヤーは5点もらえます)。一方でK君は1~5の教会のセットの3セット目を作ろうとしています。
僕が全部埋めたターンでK君は人物の目を4つ出してジャグラーを配置、一気に点を伸ばし、これはどうなるかというところでしたが、2点差で勝つことができました。
教会数はK君の方が多かったですが、1~3の教会数に比べて4の教会、5の教会が少なかったため、点数効率の良さで勝つことができたようです。

(終了時点)
【感想】
ダイスを振って、その中から1種類の目を選んで得点に変えると言うゲームはたくさんありますが、「ボード上への配置」であったり、商品を並べた後に商人を配置してお金を手に入れ、お金を使って木材を入手、更に建築家で家に変えて得点という手番を跨ってのコンボというのが独自性があり、楽しいゲームです。
得点やお金が手に入る人物の目が便利すぎる気もしますが、単にたくさん同じ目が出れば良いというわけでもなく、教会、人物についてはいま欲しい数だけ出れば良かったり、特に教会は少ない目で建てた教会も一定数は必要なため、いつ、少ない目を取るかという選択肢もあり得ます。
そういう部分で、ダイスゲーム+αでありつつ、ダイスをランダマイザやアクションの制限として使うだけで、実際にはそれなりに重いという最近よくあるゲームに比べて、”ダイスゲーム”の軽さが残っているゲームです。
個人的には飛び抜けた面白さがあったわけではないので、プレイ前に期待しすぎると「所詮ダイスゲーム」と思ってしまっていたかもしれません。過度な期待を抱いていなければ「面白いダイスゲーム」として捉えられるんでないかと思います。
そういうわけで、特に欠点はないのですが、あくまでダイスゲームの枠にとどまっているのが欠点なのかもしれません。
今回、僕がやろうとして失敗していますが、他人との絡みは海賊の襲撃部分しかありませんが、狙って海賊の目を残すと(他に手がないだけに)かなり攻撃的に見えるのも、ひとつの欠点かもしれませんが、そうでもしないと優先的に防御力をあげるメリットはないので、直接攻撃を許しあえる面子か、そうでないかもプレイ方針や最終的なゲームの印象に関わってきそうです。