レイルウェイズ・エキスプレス/ Railways Express

(2人でインスト込み1時間弱)
【概要&ルール】
くそでかい限りなく広がる大地(ボード)!
あなたは鉄道会社の社長です。自社ビルがある4つの都市を自社の線路でつなぎましょう。ただし、線路が敷けるかはお抱えの占い師のもつサイコロ次第…。
ボード上に赤、青、黄、紫の4色の都市が各4つ、灰色の都市が複数点在しています。プレイヤーはいずれかの色を選び、手番に線路を敷くことで自色の4つの都市をつなげることを目指します。
手番には、ダイスを4つふります。ダイスは線路ダイスと地形ダイスが2個ずつあり、出目を組み合わせて線路を敷きます。地形ダイスには、平地、山、川、オールマイティの目が、線路ダイスには、直線×2、曲線×2、直線+曲線の目があるので、例えば、平地、川、直線×2、曲線×2の目が出たなら、平地に直線の線路を2マス敷き、川に曲線の線路を2マス敷けます。地形と線路の組み合わせを変えても構いません。
灰色の都市や自分の都市に線路がつながるとキューブがもらえます。このキューブを手番に使うことでダイスを振り直すことができます。
【プレイ内容&感想】
このゲームを購入した際に興味を持ってくださっていたちきさんとふたりで。
鉄道ゲームで、マップ上に様々な色のキューブがあるということで、ピック&デリバリーのゲームだとてっきり思っていたのですが、ダイス目に従って線路タイルを敷き、目的地である4つの都市を一番先につなげたプレイヤーが勝ちというゲームで、まったくピックもデリバリーもでてこないということがルールを読んでわかり、驚きました(買う前に読めよ!という話なんですが)。
驚いたというか、ボード上にタイルを置くだけのゲーム。しかもそのタイルの選択肢は自分にはなく、ダイス運次第。こ、これは面白くなさそうだ…と遊ぶ前からかなりやる気がそがれていました。
まあ、それでもやってみようぜ!とちきさんからのお言葉もあり、さっそくプレイ。
つまらないゲームだと予想していたので、もう二度とやらない可能性がでかいと判断して、同梱されていた拡張を2つとも入れて開始しました。拡張は、数枚カードを公開し、そのカードに書かれた灰色都市にたどり着いた時にボーナスでキューブがもらえるものと、灰色都市についた時特殊効果のカードがもらえるもののです。
線路はスタートに決めた都市からつながるようにしか敷けない&無駄な線路を敷くのも非効率と言うことで、せいぜい2本程度の線路を伸ばしていくことになります。そうなると、案外地形の制約があって、「この手番には山の目(orオールマイティ)が出ないと線路が敷けない!」ということが起こります。そういうことが起こらないように、2本線路があるなら、先頭が接する地形は別のものになるようにしたいのですが、所詮ダイス次第なので、いつもそういうわけにはいきません。
このゲームでは最初の方針の違いで明暗がくっきりわかれました。
自色の都市を最短距離でつなごうとして、北部中央から西海岸、東海岸にむけて線路を敷いた後に南部へ向かおうとした僕、キューブの獲得を重視して南部中央から大陸中央をつっきる線路を際に敷いたちきさん。
ボード上の街の配置を良く見ればすぐにわかるのですが、北部中央から東西に向かおうとした時、ほとんど灰色都市はありません。一方で、大陸中央(要はミシシッピ川沿い)には都市が大量にあります。振り直しで使うキューブも特殊効果付きのカードも灰色都市に到着した時にもらえるので、どんどんキューブやカードを手に入れるちきさんに対して、少ないキューブ&カードで戦うことに。
それでもダイス運は幸い僕の方が若干良く、ちきさんの方が振り直さないと1マスも進めないということは多かったのですが、「このターン、相手は山に線路を敷けない」、「追加で川に1マス敷く」などの特殊効果でじわじわと差を広げたちきさんが勝利されました。

(1戦目最終形)
1戦目途中から気付いていたのですが、ぶっちゃけた話、ゲームのシステム的な面白さは皆無です。「曲線しか出なかったり、山しか出なかったりしても、やりようによってはちょっと効率が悪くなるけども線路は敷けて、目標達成できる」ということもなく、多少の妥協はできても必要な線路、必要な地形は選択の余地はありません。目の前の都市に線路を引きたかったら直線の目が出ないとどうにもなりません。
しかし、出てしまったダイスの目の制限下でどうタイルを敷けば、手番を無駄にせずに済むか、また、直線と曲線をどう組み合わせれば都市にたどり着くのか、毎手番毎手番、お互いに、こう敷けばいんじゃないのか、いやいや山の目がやはりどう考えても必要だだの、あーだこーだ話しながら、タイルを組み合わせる作業は意外なことに結構面白かったですw。
そうなってくると、拡張でいれたカードは邪魔だねえという話になり、拡張は抜いて、純粋にタイルの置き方を考える、どちらかというとパズルゲームとして2戦目を楽しみました。
2戦目はスタート都市を変えてみましたが、やはり振り直しキューブを持っていた方が強く、大量に手に入るよう大陸中央部や南部、海岸沿いといったところから先に線路を敷いた僕が勝つことができました。

(2戦目勝負所、南(写真上)から伸びてきたちきさんの線路の行方を東(写真左)から伸びてきた僕の線路が阻みます。勧めなくなるわけではなく、立体交差の線路タイルを置けば進めはしますが、2タイルほど余分に使うことになります)

(2戦目最終形)
18XXや蒸気の時代といった線路敷き要素のあるゲームの熟練者の方は、ここで使うタイルはこれ、立体交差にするならこれ、などと的確かつ迅速にタイルを配置しますが、そこまでの域に達していない、僕のようなひととっては、タイルをどう敷くのかをいちいち毎手番悩むのが楽しいゲームでした。
まあ、果たしてそれがこのゲームの狙いどころなのかは少々疑問ですが。
前述のことの繰り返しですが、本当にシステムは全くいけてないです。というか、限られたタイルが配られて、それを使って効率良く、タイルが不足することないよう、鉄道網を敷くゲームの方がまだよかったように思います。ダイスは単にプレイヤーを苦しめる要素にしかなってないので。

(2戦目の僕のスタート都市。川の目が出ないと全く進めませんw (左下に平地もありますが、そちらにいっても・・・))
ピック&デリバリーかと思って買った僕は論外ですが、ダイスゲームとして楽しむわけでもなく、タイルを配置するだけで面白いというのは、意外な発見でした。