七王国の玉座 竜との舞踏拡張 会

およそ1年半前、横浜某所でマルチゲームの傑作である七王国の玉座を遊びました。その時は残念ながら時間切れ終了となってしまったのですが、(用事があって先に帰った僕を除き)感想戦は大変盛り上がったと聞いています。
本作は原作も人気シリーズであり、ボードゲームの評判も高かったことから拡張がいくつか発売されています。
そのうちのひとつ「竜との舞踏」を前回と同じメンバーで遊ぼうと声をかけていただき、またいそいそと参加してきました。
ルール等の紹介は前の記事か別のサイトをご覧ください。
この拡張の特徴は、小説内のあるシーンを切り取った初期配置になっていることです。そのため、通常ルールでは地盤固めから動き始めるところが、既に隙間なく各国が領地や十分な戦力を持っており、戦闘準備OKな状態で始まります(その分全ラウンド数が6ラウンドと通常の10ラウンドから短くなっていますが)。また、戦闘で使用する家カード(兵士たちの戦闘力に数値を加えたり、特殊な能力を持っている家(各プレイヤー)ごとに内容が異なるカード)の内容も全て新しいものになっています。
これは選択ルールとのことでしたが、通常の戦闘が兵士数や支援数、家カードに書かれた戦闘力の合計で決まるのに対し、更に追加で戦闘力を-1~+3するカードが戦闘時にランダムに配られます。これによって「確実な勝利」はほぼなくなっています。
各家の状態にそれぞれ特徴があって、どれにしますかねーと話したものの決まらないので、ランダムに決めたところ
・スターク家 白 一味さん
・グレイジョイ家 黒 PHYさん
・バラシオン家 黄 キノさん
・ラニスター家 赤 たる田さん
・ティレル家 緑 ひだり
・マーテル家 橙 しのぽさん
ということに。この拡張の主な特徴は「バラシオン家を攻め立てて調子に乗って補給線が伸びきったティレル家と包囲されてにっちもさっちもいかなくってるバラシオン家(ただし北から蛮族が援軍がきてる)」なので、キノさんと僕が当たり(?)を引いた形になりました。
※以下ではスタークとかの家名ではなく、プレイヤー名+色で記載します。
●1ラウンド目
-緑ひだり家-
騎士A:「ひだり様! 我々は調子に乗りすぎてしまったため、周りから攻められる危険がやばいです。そろそろ土地を縮小して守る土地と残す土地の選別をした方がよいのでは?」
ひだり:「うむ、言いたいことはわかるが、このゲームの勝利条件は支配している砦と城の数である。前回の経験から言って、いったんこう着した状況から土地を広げるのは生半可ではないことがわかっている。ここは攻めるべきだ!いまは白一味家以外の4国と国境を接しているが、赤たる田家、橙しのぽ家はうちに攻めてくる余裕はない。黒PHY家の動きは気になるがどこでも攻められるので気にしても仕方ない。設定に乗っかって黄キノ家を攻める!」
騎士A:「しかし、黄キノ家には”周りが敵に囲まれている時、支援を無効にする”という強いカードがありますぞ!」
ひだり:「攻め込んで使わせてしまえば、残りのカードを使いきるまでそのカードは使えない。どうせ使わせないと勝てる状態にはならないのだ!」
という脳内会話の後、黄キノ家と開戦!

狙い通りのカードを使わせることに成功します。これで次ラウンドでキノ家は本拠地を失うかも…?
北は北で海賊国家 黒PHY家が海から赤たる田家の領地を急襲。勝利して赤たる田家の本拠地隣に進軍します。
他家も戦線を開くため、自国を守るために国境にまで兵を進めました。
●2ラウンド目

このラウンドからイベントカードが引かれます。起こったイベントは招集(兵を生産)。キノ家を攻め滅ぼそうとしていた僕には追い風かと思いましたが、これは黄キノ家に吹いた風でした。
-緑ひだり家-
騎士A:「大変です! 黄キノ家の本拠地を包囲していた我が軍船の支援が、敵軍船の襲撃によって焼かれてしまいました! これでは黄キノ家を落とすために必要な戦力を確保できません! 先ほどの召集で「もうスタック作れないから港に軍船置くしかできないな」と仕方なしに置いたと見せかけた軍船が非常に邪魔です! そして港に攻め込むことはできないので、相手の軍船は排除できず、延々と支援を焼かれ続けることになりました…」
ひだり:「な、なんということだ。黄キノ家を攻めるのはやめにする! 今後の召集、戦力増強をにらんで樽のある土地をこのラウンドでは攻めに行くぞ(領地内にある樽マークが増えると持てる兵士のスタック数があがります。例えば、最低の1では兵士数2のスタックが2つまでしか持てませんが、最大の6になると4-3-2-2-2のスタックが持てます)。今回は最終的に勝とうが負けようが攻めまくるぞ。
ん? 赤たる田家はどうも先ほど攻められた土地を黒PHY家から奪還しようとしているな…。よしいまだ!」
ひだり:「たる田さん、僕、たる田さんの方に攻め込まないんで、そっちもこちらに攻め込まないで貰えます?(北の黒PHY家と戦う時にこちらまで構うの嫌ですよね?)」
たる田さん:「いいよー」
ひだり:「やったー」
黄キノ家を攻められなくなった緑ひだり家は、他家の「いい加減守りに入った方がいんじゃない?」という忠告にも耳を貸さず、まだまだ戦線を広げることを選択。赤たる田家と同盟を結んだのをいいことに黄キノ家の味方である蛮族が城を攻め取った隙に空くであろう樽を取りに。そして勝利。
ひだり:「よし!次は橙しのぽ家の領土に攻め込むぞ」
そう思っていると次の手番前に、黒PHY家はほとんどの海に軍船を置いているメリットを活かして一気に島の南に周り、緑ひだり家の樽つき土地に襲いかかろうとします。
PHYさん:「あ、やっぱやめてこっち攻める」
セーフ! 当初攻めようとした土地の隣、橙しのぽ家の土地には樽だけでなく城もあったことから、そちらに攻め込むことに変更、そして追加カードの引きの良さで黒PHY家が勝利! しかし、即座に本国からエリート部隊が駆け付け、PHY家の軍勢を蹂躙する橙しのぽ家。
これがひだり家の手番前に起こっていました。負けて逃げ帰った兵士は戦闘能力を持たず、攻め込まれると無条件で敗北、兵士は排除されます(七王国の玉座では戦闘に負けたからと言って必ず兵士は死にません。戦闘で使ったカードに剣か髑髏が含まれ、防御マークがなければ死にますが、剣のマーク付きのカードは全体の半分もありません)。
緑ひだり家:「橙しのぽ家に攻めるのはやめて、黒PHY家に攻め込む!」
兵士を減らす&楽に土地が取れる機会はそうないので、黒PHY家が逃げ帰った土地に進軍し勝利。
赤たる田家とは同盟を結んでいますが、国境を接している黄キノ家とは戦闘状態、橙しのぽ家は攻め込む先が基本的に緑ひだり家しかない(1エリアだけ黄キノ家もあり)ので必然的に戦闘状態になります。そしてわずか2ラウンド目で黒PHY家にも喧嘩を売ってしまいました。白一味家とはまだ戦いはありませんが、基本的には黒PHY家と同盟状態あるようなので、攻め込まれるのはほぼ確定です。
調子に乗ってる緑ひだり家ははたしてどうなるのか…。
このラウンド、黄キノ家は緑ひだり家に本拠地を攻められる危険もなくなり、足場として使える中立の城を落とすのに成功。赤たる田家は先ほど取られた土地を奪い返すことに成功。黒PHY家はスタート時の状況に戻ってしまいました。橙しのぽ家は、北にうってでようとしていたものの、南に攻め込んできた黒PHY家の撃退に主力を使ってしまったため、北への戦線を整えることができず。
●3ラウンド目
イベントで補給が発生し、補給値がいまの領地の状態にあわせて変更されます。前ラウンドに樽つき土地を2つも取ったおかげで緑ひだり家の補給値は最大値である6に(PHYさんが戦闘で使ったカードの効果「次ラウンドに好きなイベントを起こせる」で補給が来るのは実はわかっていました)。

-緑ひだり家-
騎士A:「やりましたぞ! わが軍の補給値は最大になりました! これで次の補給が来るまではこのままです」
ひだり:「うむ。黒PHY家のカードのおかげとはいえ、狙い通り“樽つき土地を攻め取った次ラウンドに補給”が起こってくれたぞ。また招集がかかって欲しいが、そこまでは望みすぎか。よし、城を攻め取るためにいったん前線をさげて兵を集中させるぞ。そして、だいたいの感じだが、みんなパワートークン(お金みたいなもの)をそれなりに使った時期だと思う。一気呵成に攻めるために影響トラックの競りを行うぞ! (通常は影響トラックの競りはイベントなので選択肢はありませんが、一部イベントでは競りを行うかどうかの選択が伝書鴉トークンを持っているプレイヤーに任されます)」
いざ見てみると圧倒的にお金持だったわけではないですが、この競りで緑ひだり家は鉄の玉座トラック(手番順&トップは同点時の決定権が持てる)、領地トラック(戦闘のタイブレイク&トップは戦闘時に+1できるヴァレリア鋼の剣トークンが持てる)で1位、宮廷トラック(通常よりも効果の高いアクションが行えるスペシャルアクショントークンが使える権利&トップは伝書鴉トークンが持てる)で2位という、金で頬をひっぱたくような結果に。
保有可能な軍団数は最大で他家よりも頭一つ飛び抜け、戦闘以外の様々なことで同点時の決定権を持ち、戦闘ではタイブレイクでは必ず勝利、ラウンドに1回とは言え戦闘力を+1できる、なおかつ、スペシャルアクショントークンも毎ラウンド3つまで(最大3。6人のうち、宮廷トラックの順位によって3-3-2-1-0-0と使える数が決まります)使うことができます
まさにこの世の春!
当然周りから、あの家調子のってるんじゃないか、つぶそうぜという声も聞こえてきます。
ひだり:「この時が一番で、後は衰退していくばかりでしたとかブログに書きそう」
-再び緑ひだり家-
騎士A:「ひだり様! 先ほどは前線をさげるとのことでしたが、各トラックの状況も良く、この機にうってでるべきと私は考えます! 我が領地南東にある黄キノ家の土地など狙い目だと思いますし、いったん下がった後に再び領地を広げる大変さはひだり様もご存じの通り。あと2つの城か砦を落とし、勝利条件である7つの砦と城を手に入れるのはこのラウンドが好機ですぞ!」
ひだり:「うむ、その意見もよくわかる。よくわかるが、それはかなりの大博打だ。手元にある家カードは海戦時に船の戦闘力を2倍にするものだけで勝率は低く、その博打に失敗すれば残りのラウンドは蹂躙されるだけになってしまう…。弱腰ではあるがこのラウンドは下がって残りの3ラウンドに備える! これは決定事項だ!」
攻めると言う手も魅力的だったのですが、チキンぶりが顔を出し、このラウンドはいくらなんでも伸びすぎた戦線を縮めたのみで、緑ひだり家は領地(前ラウンドでとった樽付きの土地)を放棄します。そこに赤たる田家、黄キノ家が軍を進めてきた以外は特に大きな土地の変動はなし。黒PHY家が積極的に戦いを挑んでいましたが、追加カードの引き運などもあり、勝利には結び付かず。
そして、全6ラウンドのゲームがいよいよ後半戦に突入します。
●4ラウンド

-緑ひだり家-
ひだり:「できれば招集がかかって欲しいが…。そこで攻城兵器が手に入れば一気に攻勢に出られる…!」
騎士A:「た、大変です。このラウンドのイベントは影響トラックの競りです!」
ひだり:「な、なんだと! 我が家のパワートークンはいくら残っている!?」
騎士A:「前ラウンドの競りでほぼ使い切りましたので…。2つを残すのみです…」
ひだり:「ぐぐぐぐ」
実は先ほどの競りであまりパワートークンを使わなかった家が1つありました。
白一味家です。
鉄の玉座で1位、領地で2位、宮廷で2位と大躍進をとげます。
僕はと言えば、自家だけでなく、黄キノ家、赤たる田家、橙しのぽ家も貧乏だったこともあり、なんとか鉄の玉座トラックで3位、宮廷トラックではスペシャルアクショントークンを1つ確保できる4位につくことはできましたが、パワートークンは0w。やはり春はあっという間に終わってしまいましたw。
騎士A:「手番順、スペシャルアクショントークンはともかくとして、戦闘のタイブレイクである領地トラックが5位とほとんどの家に負けてしまいます…! 国庫も枯れ果て、やはり先ほどのラウンドで攻め込むべきだったのではないかと…」
ひだり:「ええい! 既に済んだことを言っても仕方ないではないか! 貴様の顔などもう見たくない!」
領地トラックで5位と最下層なので戦闘力が同点では負けてしまいます。
これから攻めてくるであろう橙しのぽ家、こちらから攻めようとしている黄キノ家ともに僕よりもトラック順位は上なので攻めるに攻められず。
ひだり:「とりあえず金(パワートークン)を集めたり、スペシャルアクションで本国で招集かけるとしよう」
たる田さん:「本国のスペシャルアクションを襲撃アクションで焼くね」
ひだり:「えー。同盟組んでるのにー」
焼かないとアクション無駄になるし、焼けばたる田さんに1金入るし仕方ないのはわかりますが・・・。と気づきました。領地トラックで唯一赤たる田家には勝っています。そして、僕の領土のうち飛び地になってしまっているものがひとつあり、たる田さんの持っている城を落とせば、その飛び地は解消されます。
ひだり:「(では、焼かれたのを口実にして)さっき焼かれましたし、報復でたる田さんの土地攻めますね」
この戦いは勝利して無事に領地をひとかたまりにすることに成功。ただ、元いた土地は空っぽにしてしまったので、黄キノ家にただであげてしまうことに。
そして、これまで黒PHY家にちょっかいをかけられるなど、なかなか北に攻め込む機会が作れなかった橙しのぽ家がついに北伐を開始しました。
その一手目で緑ひだり家の領土はまっぷたつに分断されてしまいました。
そして、ボードの北でも赤たる田家が鉄壁の支援布陣を展開することに成功(赤たる田家は中央に大量の兵士をおいて、支援することでもともとの自分の領土全てをカバーできるという土地になっており、今回は僕や黒PHY家に領土をとったり取られたりで中々その体制にもっていけなかったのを、ついにこの前のラウンドで完成させていたのです)
これで、ボード北にいる黒PHY家、白一味家は攻めあぐねるはず・・・?と考えていたのですが、赤たる田家はこの布陣では結局、現状維持にしかならないと考えたのか、支援をせずに兵の進軍を選択していました。支援でかためてくるだろうと考えるのを逆手にとって、南、緑ひだり家や橙しのぽ家方面に戦線を開くつもりだったようです。
しかし、支援が入ったからとってそうそう進軍を諦める黒PHY家、白一味家ではありませんでした。進軍トークンを前線に配置しており、赤たる田家の支援がないと見るや、また赤たる田家領に進軍してきました。本国東のエリアで赤たる田家と黒PHY家の攻め合いが続きましたが、豊富な軍船からの支援を持つ黒PHY家が押し切って勝利。前回と違い赤たる田家は主戦力も削られ、滅亡もうっすら見えるところまで追い込まれてしまいました。
●5ラウンド目

-緑ひだり家-
騎士B:「このラウンドのイベントは、カードを使い切って全て手札に戻したPHY家のカードの能力でまた補給を起こされてしまいました。これで我が家の補給レベルは6から4にさがります。また我が国土は橙しのぽ家によって分断されてしまいましたが、これにはいかがいたしましょう」
ひだり:「うむ・・・。招集を起こして欲しかったが仕方ない。また分断に関しては気にする必要はない。幸いなことにこのゲームには食料などの概念は無い。そして支援は攻め込む先の土地に隣接していれば良いので、逆に橙しのぽ家を挟撃できるようになったと考えるべきなのだ」
騎士B:「では、橙しのぽ家にうってでられますか?」
ひだり:「いや、さすがに兵力が少なくなりすぎた。このラウンドは専守防衛のラウンドとする」
騎士B:「ひだり様、了解でございますが、その前に影響トラックの競りでございます」
ひだり:「またか! もう本当にお金ないよ!」
三度目となる影響トラックの競りでしたが、黒PHY家と緑ひだり家は一文無し。赤たる田家、黄キノ家もごくわずか。白一味家と橙しのぽ家が若干まともにお金を持っているという感じで、その2家にいいようにすべてのトラックで上位を奪われてしまいました。もうあの春以降、一度たりとも上昇できていません。
兵力も全体的に下がっていたのでこのラウンドは防御に徹し、招集がかかるのにかけます。
黄キノ家の本国を囲んでいた軍船も自国の支援を行うためにエリアに隣接する湾内に移動、黄キノ家と橙しのぽ家からの進撃に備えます。
しかし、このラウンド、僕の領地が攻められることは無し。これは本当に助かりました。
他家も赤たる田家が領土奪還に動いたものの更に兵を減らした結果になった以外で大きな動きはなし。
●6ラウンド目

※本来なら最終ラウンドですが、ラウンドの数え間違いでまだあと2ラウンドあるとみんな思っています
-緑ひだり家-
騎士B:「ひだり様 ついに招集が発生しました。さらにこのラウンドは防御禁止です」
ひだり:「ようやく来たか! このラウンドは攻めまくるぞ! 黄キノ家と橙しのぽ家、両家に対して戦線を開く! 特に黄キノ家はあと数戦でカードを全て手札に戻される。そうなると例の支援無効の効果が使われて鉄壁になってしまう。その前に本国を落とすのだ! 橙しのぽ家は我が家の城を奪っていい気になっているがこれは、先にも伝えたとおり、挟撃しやすい位置に兵をおいてくれたにすぎない。先ほどの招集で攻城兵器も手に入れた。これでやつらを我が領土からたたき出せ!」
黄キノ家の本国周辺の海は北からやってきたキノ家の軍船に奪われていました。そこに攻め込み、海戦で勝利した上でその軍船を使って一気に本国に攻めあがるという電撃作戦です。
騎士B:「我が家最強、戦闘力4のカードで必勝の構えです。黄キノ家はカードは手元に1、2枚しかなく、しかも強いカードは使用済みで使えません」
初戦の海戦で負けてしまっては元も子もないので、最強のカードを出し、必勝の構えで望みましたが・・・。
騎士B:「追加カードの引きで戦闘力は同点。タイブレイクでは我が家の負けです」
追加カードの引きでなんと同点にまで差をつめられ、そしてタイブレイクである領地トラックは僕が下位のため、なんと敗北。電撃戦失敗です。
ひだり:「(自分の引き運的に)何をやっておるのだ! 仕方あるまい、予定変更して黄キノ家は本国ではなく、蛮族どもが治める城を湾越しに強襲だ。橙しのぽ家には予定通り攻城兵器を向かわせろ」
この2正面作戦は幸い両方とも成功。城と砦の数の合計でトップになります。
しかし、僕のこのトップは闇雲に攻めてようやく、なんとかといった感じのトップ。
それに対して、北では白一味家が長い間の沈黙を破り、ついに進軍を開始していました。
黒PHY家が強いのは海からの支援があるからですが、その支援を隣接する海から焼き払い、黒PHY家の領土に攻め込んでいました。黒PHY家は前ラウンドの復讐に燃える赤たる田家からも攻め込まれており、南へのけん制を捨てて最大戦力で攻め込んできた赤たる田家を止めることができません。
海は海で支援という足がかりを手に入れるために南から橙しのぽ家が黒PHY家の制海権を奪いにきており、ありとあらゆる方向から攻め込まれる黒PHY家。元が海中心なため、いったん攻め込まれると戦力の回復も難しく、こちらもあわや滅亡かとかなり危険な状態になっていました。
●7ラウンド目

この拡張は通常なら6ラウンドで終了なのですが、全く気づいていなかったので7ラウンド目です。
-緑ひだり家-
騎士B:「ひだり様。我が家は前ラウンドで強いカードは使い果たしてしまいました。このラウンドでは橙しのぽ家、黄キノ家が海からの支援を得つつ攻めてくるでしょう。今ならこの砦の裏口から逃げ出すこともできます。どうか、逃げて再起をおはかり下さい」
ひだり:「うぬぬぬ。せめて、せめて競りがあと1ラウンド起こらなければ・・・」
などという会話があったわけではありませんが、ここで僕とPHYは時間切れで帰宅。
トークンのプロットだけしてあとは残ったたる田さん達にお任せしました。
伝え聞いたところでは、もう止められまいと見られていた白一味家は思ったよりも伸び悩み、緑ひだり家の領土を蹂躙しまくった黄キノ家、橙しのぽ家が勢力を伸ばし、城・砦数では同点。タイブレイクで黄キノ家が勝ったとのことです・・・。
プレイ時間は5,6時間かかっていますが、初っ端から臨戦態勢で開始するというシナリオだということもあり、最初から最後までだれることなく、楽しい戦いを満喫できました。
兵士がなかなか死なない仕様であることもあり、勝った負けたの領土の取り合いが毎ラウンドどこかで起こり、どこかを攻めればその分手薄になるため、逆に攻められ・・・と自然とシーソーゲームになったのも楽しめた要因のひとつだと思います。
たぶん、誰かが気づかないうちにするするっと勝利条件を達成するか、勝った負けたの波が最終的に勝った方に傾いた人が勝つのだと思いますが、確実に攻めに転じる契機は存在しており、それをいかに見誤らないかというゲームのように思いました。
マルチということで当然殴り合いになるわけですし、プレイヤー同士がバランスよく殴り合えるのがこのゲームの魅力なので、殴り合いがリアル殴り合いに発展しない紳士の集まりであれば遊んで損は無いゲームだと思います。
更に、開始から国境が接していて臨戦態勢というだけでなく、緑のティレル家のように攻めやすそうにみえる家や黄色のバラシオン家のようにどん底すぎて攻めるしかない家があったり、戦闘時に使う家カードにもPHYさんが多用したイベントを決められるものや戦闘すればするほど強くなるものもあり、システム的に戦闘方向に意識を強く向けられているように思います。
ラウンド数も少ないですし、この拡張の方が基本ゲームよりも遊びやすく、楽しめるかもしれません(ゲームへの習熟期間なしでいきなり本番なので経験者だったからこその感想かもしれませんが)。
一番面白いのは間違いなくフル人数である6人揃ったときというのが欠点といえば欠点ですが、拡張で4人用というものも先日発売されたようですし、それもまた遊んでみたいものです。
なんにせよ、お誘いいただいてありがとうございました!