ミステリウム/Tajemnicze Domostwo(Mysterium)

(4人でインスト込み40分ほど)
【概要&ルール】
幽霊が取り憑いているといわれているある館。その館に泊まった客は不思議な夢を見るのです。あなたは霊能力者のひとりとなり、幽霊が見せる夢から100年前の惨劇とその犯人を突き止めなければなりません。
ディクシットで犯人を当てるゲームです。
プレイヤーはひとりが幽霊役になり、残りは霊能力者になります。
ゲーム開始時に霊能力者プレイヤーごとに、人物、場所、アイテムの組を作ります。これが、100年前の事件当時、館にきていた人が、どこでなにをしていたかを示します。
以降、幽霊はディクシットで使うような絵柄の手札を霊能者プレイヤーに渡すことで、場に並んだ候補のうちどれが正解の人物や場所などなのかを教えていきます。
全霊能者プレイヤーが自分に割り当てられた人物、場所、アイテムを当てる事ができたら最後に、幽霊役は人物の中から犯人を選び、その犯人を再び夢で(手札で)伝えます。
規定ラウンド内に犯人を当てることができれば、プレイヤーの勝利になります。

(手前にある3枚ずつの組が人物、場所、アイテムの正解です。プレイヤーごとに組を作ってます。正解の候補が場に並んでおり、人物、場所、アイテムの順に当てていきます。幽霊役は話すことは出来ず、手札を渡すことで当ててもらいます)
【プレイ内容】
いたるさん、如月さん、タロ吉さん、僕の4人で。
幽霊役が楽しいということだったので、やらせてもらいました。
※本来、人物、場所、アイテム、犯人の順で当てていくのですが、アイテム、場所、人物、犯人の順でこの日はやりました
(2015.03.09 23:36追記)本来~と書きましたが、ロシア語版とポーランド語版のルールの差異のようです(ポーランド語版はアイテム、場所、人物の順となる)。他にも幽霊役の手札枚数、犯人当て時の犯人の決定方法などが異なります。
まず、いたるさんに当ててもらうアイテムの正解を確認すると、髭剃り。これは、刃物っぽいのを渡せばたぶんわかってもらえるな…と思いながら、続いてタロ吉さんの分を確認すると、なんと手裏剣。刃物かぶっとるやんかーと心の中で突っ込みながらも、まあ、手裏剣はそこまで刃物っぽくもないから大丈夫だろ…と当初の考え通りにいたるさんに刃物の描かれたカードを渡しました。
(当然ですが、幽霊役は話してはいけません。ジェスチャーも不可です)
これは刃物だから髭剃りっぽいねーという話になり、ほっとしていたら、どなたかの口から「手裏剣もありますよ」との声が。
いやいやいや、髭剃りであってるから!と焦りましたが、とりあえず今回は髭剃りにしてみようということに(1ラウンドに各プレイヤー1回ずつ回答権があります。正解は全霊能者プレイヤーが答えてから、どれがあってる間違ってるを幽霊役が示します)。
タロ吉さんにはいいカードがなかったのですが、なんとなく十字に見えるカードを渡したら、手裏剣だと伝わってひと安心。
そして、如月さんですが正解はフライパン。丸いのが描かれたカードを渡せばいいか…とカードを選んでいると、候補には鞠が。こっちの方が丸いじゃないか…と頭を悩ませ、カードと相談した結果、食べ物の描かれたカードを出すことにしました。
幽霊役は手札枚数は決まっており、霊能者プレイヤーに渡した枚数だけ即補充できるので、ヒントに使えるカードがない正解に対して使えるようなカードがひける確率を上げるためにできるだけ多く渡したい場合もあります。
そんなわけで、食べ物であることを伝えつつ、手札枚数を減らすために、なんとなく食べ物っぽいものが描かれたカード3枚を如月さんに渡しました。
如月さん:「(1枚のカードに描かれたりんごを見て)丸いので、フライパンですかね」
僕:(意図は伝わってないけど、いいぞ!)
タロ吉さん:「丸いなら、鞠もありますよ」
如月さん:「ああ、確かに」
僕:(あああああ、やっぱそっちに行っちゃうかー)
いたるさん:「いや、丸いの示すだけなら3枚も出さないでしょう。3枚はこの三つ又になった燭台を指してると思いますよ」
如月さん、タロ吉さん:「おー、なるほど!!」
僕:(まじでー)
エレガントさではいたるさん案が正解なのですが、残念ながら僕はそこまで考えたわけでもなく。鞠とフライパンをちゃんと区別できるようなヒントが出せればよかったのですが、カード的にそれもできず、その後、如月さんは2ラウンド目で鞠、3ラウンド目でフライパンと2ラウンドもアイテムで足踏みさせてしまいました。
ゲームは全7ラウンドで当てなければならないものが4種類あるので、余裕は3ラウンドしかなく如月さんはあと1回しか間違えられません。
いたるさんは僕の手札と正解の相性が良かったのか、ほぼストレートで自分の分の人物、場所、アイテムを正解させて他の人の正解待ち(といっても、こちらが時計の歯車っぽいから…と出したヒントを、みなさんで、「あ、これ、建物写ってるから、この人じゃない?」というような解釈で正解させていったので、多分に運が大きかったのですが…)
タロ吉さんも人物までは到達。
といっても、如月さんがこのターンで場所を正解させないと失敗になってしまうというラウンドで、如月さんの正解は鳥かごが中央にある部屋。僕の手札にはいくつか鳥の描かれたカードがあったので、よし、鳥→鳥かごだ!と鳥のカードばかり何枚か出したところ、鳥だということは伝わったのですが、正解でない場所カードにあった鳥なのかなんなのかようわからん羽のある小さい石像に気づかれてしまい、鳥かごもありますよという声は採用されず、残念ながら不正解。
ゲーム失敗となってしまいました。
その後、如月さんが幽霊役をしたゲームでは見事なヒントといたるさん、タロ吉さんの活躍で犯人当てまでたどり着きました。
以下の写真が、犯人の候補である3人と如月さんが出したヒントです。

(答えは記事の最後に)
そのヒントで無事に犯人を当て、今度はクリアとなりました。
【感想】
思っていることが伝わらない、伝えようがないもどかしさももちろんあるのですが、不自由な中でヒントを出すことも、出したヒントを拾ってくれることも、間違って解釈されることも面白いゲームでした。理不尽なもの夢だから!仕方ないから!で済んでますし。
(マシなヒント出せよ!とか傍若無人なこという人も幽霊役やれば、みんなにやさしくなれると思います)
ゲームの作り自体も面白いのですが、犯人当てという設定と、多少無茶なヒント、無茶な解釈が推理小説ぽくて好きな人にはたまらないです。トンデモな論理展開でも読者を納得させればよいと言うのが非常に近いです。
すかっと通じるのを楽しむと言うよりも、ままならなさ(某氏の言うところの幽霊役の気狂いっぷり)を楽しむゲームではあるのですが、上記のようにカードに描かれた形が似てるとか、案外良く使われる色合いが似てるとか、カードの出し方でメッセージ性を出したりとか、色々と手はあり、ディクシットに使われるような摩訶不思議な絵に含められた情報量の多さに驚かされます(そのせいで何言ってんだこいつってなるんですが)。
同じ絵を見ていても、中心に捉えるものや見え方の違いもかなりあって、そういう、違いも含めて楽しめると良いかなと。
そんなわけで、このゲームでは是非感想戦で考えの行き違いっぷりを楽しむところまでやって欲しいです。
(なんだったかで読んだ、人は如何に見たものを正しく記憶できないか、異なる印象を受けているかという話を思い出します)
今回遊ばせてもらったのはポーランド語版ですが、他にもロシア語版やイタリア語版がリリースされており、カードの絵は同じですがコンポーネントが異なります(ロシア、イタリアには水晶玉みたいなのがついてきます。ポーランド版は木製ディスクです)。また、英語版も発売が予定されており、箱絵は変わるようですがコンポーネントはどうなるかようわかりません。面白そうと思われた方も雰囲気などが大事なゲームだと思うので、あったものを選んで買われてはと思います。
※上の画像の答え:如月さんが伝えたかったのはビン!ということで、一番左の青いビンが描かれているメガネの人が犯人でした。