マグネイツ/ The Magnates: A Game of Power

(3人でインスト込み90分ほど)
【概要&ルール】
おう、そこの若いの。ポーランドって国の歴史について話してやろう。わが国は他国から攻められまくりの食い物にされまくりでな…。
ワレスのゴッズプレイグラウンドというくそ面白いゲームがあります。ポーランドを外敵から守りつつ土地を手に入れたりして点を稼ぐというようなゲームなのですが、3人専用だったり外敵が強すぎて毎ラウンドポーランドがぼろぼろにされたりと色々ハードルは高いですが、評価は高いゲームです(ワレスファンがきっついゲームが好きなだけかもしれませんが)。
そのゴッズプレイグラウンドのポーランド語版があるのですが、それでは4人プレイも可能になっていました。そのポーランド語版を販売していたパブリッシャーがゴッズプレイグランドを再度リメイクしたのが、マグネイツになります。
ゴッズプレイグラウンドとの違いは以下です。
・最大5人までプレイできる。
・デザイナーにワレスはクレジットされていない。
・アクション選択などはなくなり、全編共通デッキを使った競りのみ。
・どちらかというと、ゴッズプレイグラウンドというよりも、はげたかのえじきボードゲーム(バッティングないけど)。
というわけで、ルールです。プレイヤーは1~14の数字が書かれた13枚のカードを持っています(1と10は同じカードに書かれている)。
それを毎ラウンド、特権カード4種の競りに3枚、特殊能力カード5種の競りに5枚、戦争の解決に5枚分配して競りを行います。競りは全て同時に伏せてプレイして、一斉公開というものです。
ラウンド終了時に競りに使った全てのカードは手元に返ってきます。
特権カード、特殊能力カードには、自コマを何個おけるかが書かれており、競り落としたプレイヤーはカードの効果の使用権とともに、自コマをメインボード上の任意の地域に配置します。
戦争は、特殊能力カードの競り終了後に、5枚戦争カードがめくられ、戦争になる地域と敵の戦力が決まります。
その後、各戦争に対して各プレイヤーが1枚ずつカードをプレイし、それらのカードの数字の合計数が敵の戦力以上なら勝利となり、最も大きい数字をプレイしたプレイヤーに恩恵が、戦力未満なら敗北となり、最も小さい数字をプレイしたプレイヤーにペナルティがあるのと共に、そのエリアが封鎖されます。
こうして、規定ラウンドが経過するか、封鎖エリアが一定数以上になったらゲーム終了です。規定ラウンド経過時は、ボード上に配置したコマ数=基本点+各地域でのマジョリティ点を比べて最も高い人が勝利します。封鎖エリアに伴う終了の場合、ポーランド滅亡ということで全員敗北です。
【プレイ内容】
一味さん、G2さん、僕の3人で。
もう少し人数多いほうがよいかとは思うのですが、まあ、一応、リメイク前なら3人専用だったわけだしということで。
僕:「結構戦争で出てくる敵戦力強いので、戦争に強めのカード残していきましょう」
おふたり:「うんうん」
そして、最初の特権カードの競りでいきなり使われる12のカードw。
僕&G2さん:「ちょっとちょっと!」
一味さん:「いや、大丈夫だから!戦争にもカード残してあるから!」
特権カードは獲得したそのラウンドしか効果が使えませんが、引き分け時にどちらが勝ちか決める(競りだけでなく、最終的なゲームの勝者も!)、他人のコマを1つ捨ててそこに自分のコマを置くなどかなり強いものそろっています。
1ラウンド目は一味さんがタイブレイクを決定する特権カードを取り、タイブレイク全てを自分の勝ちにしたこともあり、一味さんがリード。
2ラウンド目ではG2さんが特権カードや特殊能力カードの競りで複数勝利し、巻き返します。

(2ラウンド目の戦争開始前)
この時の戦争では一味さんのカード選択がうまくはまり、1差で勝つことが続き、一気にリードされます。そして、3ラウンド目。
僕:「戦争にやっかいなの(敗北時に今後全てのエリアで敵戦力を+2するコマが置かれる)がありますし、強いカード残して生きましょう」
G2さん&一味さん:「うんうん」
そして、特権カードの競りに11以上の強いカードを突っ込む3人。全員が強いカードを突っ込んだことで、11以上でも普通に負けることが発生し、その結果、G2さんが強いカードを突っ込んだのに競りでは勝っていないというかわいそうなことになってしまいました。
G2さん:「みんな嘘ばっかりだ!」
そして、結局、一番負けてはいけない戦争で負けて敵戦力+2のコマが置かれることに。
3ラウンド時点で一味さんがトップを走っているのは明白だったので、なんとか止めたいのですが、止める方法がありません。そりゃあ、競りで勝てばいいわけですが、そもそも競りで勝ってりゃトップになられてないわけで。戦争でわざと負けて…というのも考えましたが、ペナルティはその地域でマジョリティトップのプレイヤーとかではなく、敗北した戦争に最も低い(弱い)カードをプレイしていたプレイヤーなので、わざと戦争で負けることは可能でも一味さんに被害を与えられないと八方塞りです。
ペナルティは大抵の場合、そのプレイヤーのコマを1つ撤去なのですが、地域の属州におかれたコマを撤去というペナルティの戦争カードが3ラウンド目にでてきました。幸い(?)属州にコマを置いていたのは一味さんだけなので僕とG2さんは全力で負けるように1や2を使用し、無事敗北。
これでほんの少し一味さんのコマを削りましたが焼け石に水で、規定ラウンド終了後、一味さんが序盤からの優勢を守って勝利されました。

(ゲーム終了時)
【感想】
ゴッズプレイグラウンドを期待していたせいもありますが、正直、肩透かしをくらってしまいました。BGGにリメイクとして登録されているゲームが、まさかテーマとほんの少し似通った点を残しただけのゲームとは思いませんでした…。購入前にルールを読むのは大事ですね。きっと今後もよくて流し読み程度で買うのでしょうが。
延々と同じカード構成で競りをトータルで50回程度行い続けるゲームなので(競りが好きかくらいはありますが、)飽きるかと思っていたら、案外、最後まで楽しめました。
競りで使うカードが全員同じ構成であるで、かつ、カード使用が3枚、5枚、5枚と徐々に誰の手元に何が残っているかがはっきりしていく作りになっているため、残りの強いカードは○○だから…と定期的に他プイヤーを意識するような作りになっていること、今回が全員初プレイということもあって、徐々に相場観が変化していったことがあるのだと思います。
といっても、このゲーム、戦争に負けすぎると全員敗北でゲームが途中終了するのですが、最終的な点数になるコマの配置に関しては、戦争以外の特権カードや特殊能力カードの競りに勝った方が多く配置できるので、戦争よりも特権カードなどの競りに強いカードが使ったプレイヤーが頭1つ抜け出るという作りになってます。
戦争に勝つという共通の目的を持ちつつ、コマ数を競うという所謂、準協力ゲームというやつです。
そして、いったん頭1つ抜け出たプレイヤーを削る手段が少ない(特権カードの効果でコマを自分のと入れ替えるくらい)ため、なかなか追いつき、追い抜くことができません。どうも自分は苦手ではあるのですが、明らかにこの人勝ってるぽいなーと思えたなら、トップ以外は戦争に弱いカードしか残さずに負けまくって全員敗北を選んで、再スタートくらいの割り切りで遊ぶのが良いかもしれません。
(ゴッズプレイグラウンドはどんなにぼろぼろになっても規定ラウンド終了まではゲームを行い、点数勝負をします。そのため、「これはやばい!」と感じると軍備を諦めて終了時に点数になる学校をみんな作り始めますw)
ゴッズプレイグラウンドとは全く違うゲームですし、箱絵やボードの重厚さから想像するゲーム性よりはかなり軽いですし、途中終了ドンと来いとしか思えないバランスなんですが、なんかもう少し遊んでみたいゲームでした。
全員同じカードで競りってのが自分にとってそんなに魅力的なのかと我ながら意外でした。ぶっちゃければ、はげたかのえじきなんですけど、複数枚同時プロットというだけで、はげたかを複数ラウンドやるってのとはまた違う面白さがあるんですよね。ほんまボードゲームは何が琴線に触れて、何が面白さに寄与するのかようわからんです。

(1差で勝つと気持ちいいとかそういうこともあるんかな…)