ニューヨーク1901/New York 1901

(3人でインスト込み80分ほど)
【概要&ルール】
1901年。ニューヨークでは高層ビルの建築ラッシュを向かえていた。そこに死んだ叔父さんが残してくれたビルと現金をもとにニューヨークの建築王になろうというおっさん、おばさんがいた…。
ニューヨークの街にビルを建てまくって勝利点を稼ぐゲームです。
ビルを建てるゲームというと、ビルを建てるためにお金だの資源だのが必要なものが多いですが、このニューヨーク1901では、お金も資源も必要ありません。
ただ、カードで土地の権利を獲得し、その土地に最初から配られているビルタイルを配置するだけです。カードの獲得にもビルタイルの配置にもコストは必要ありません。
プレイヤーは終了条件を満たすまで以下の行動を時計回りに行います。
カード置き場に並んだカードから1枚を選び、その色と模様に対応する場所にコマをおきます。その後、ビルが建てたければコマをどけて、コマが置かれていた場所の大きさに収まるビルタイルを手元からボード上に配置します。

(こんな感じでカードにエリアの色と形が書かれており、カード獲得=土地獲得(そこにコマを置く)です。エリアの形は2マスか3マスかの2種類(3マスカードは2マスに比べて数が少ないです)、色は4色なのでカードは8種類しかありません)

(2手番使って2コマ配置し、大きいビルを最初から建てることもできます)
これだけでビルタイルに書かれた数字分の点数が入ります。
手番にはもうひとつ、ビルの立替という選択肢があります。立て替えは、自分が配置していたビルタイルをゲームから除外し、ビルの建てられていたエリアと隣接する自コマが置かれたエリアに収まる別のビルタイルを配置します。
除外したビルの点数がマイナスされることはありません。
終了条件を満たしたら、ゲーム開始時に選ばれた全プレイヤー共通の目的カードから点数を得て、最も点数の高いプレイヤーが勝利します。

(目的カードは4枚。左の3枚は指定された通りに面したビルを最も持っているプレイヤーに加点、一番右のは六角形の書かれたビルタイルを配置した数によって加点。目的のカードはゲームごとに変わります)
【プレイ内容】
如月さん、G2さん、僕の3人で。
※初期配置の位置を間違えてますが序盤の終わりごろに気づいたのでそのままやってます。
序盤は規定の通りに面したビル数が一番多ければ点数がもらえるカードの点数を狙って、その通りに面した土地から埋まっていきます。
誰かが獲得した土地は他プレイヤーに奪われることはないので、とっとと埋めちまえということで。

カードのめぐりもありましたが、G2さんは早めに大き目の土地を確保するように動いたので、通りボーナスの獲得は僕と如月さんの競い合いに。
ビル数ということなので2マス、3マスの小さいビルが建てられていきます。
実はビルには金銀銅のレベルがあり、規定点を越えないと、銀のビル、金のビルは建てることができません。まあ、規定点のハードルは低いので建てられるビルを適当に建ててたらすぐに越えますが。
ビルの立て替えは除外したビルよりも高レベルのビルしか建てられないので、序盤に銅しか建てられないのは後々立て替えで除外される準備みたいなものなのかもしれません。立て替えは既にビルを建てて得点済みのエリアで再度得点が得られるのでお得だとは思うのですが、立て替えることで通りに面したビルの数が減ることもありますし、何よりも立て替えを選択するとカードが取れないので自分の土地を増やせません。
僕はそれを嫌って中盤まで立て替えはあまりせず、新しい土地を獲得することを優先。如月さんは手元のビルタイルの形などを考慮しつつちょっとずつ立て替えていき、G2さんはガンガン立て替えをし、さらに3×3になるよう土地を固めて獲得し、超高層ビルタイル(ビルタイルは全プレイヤー共通のものが配られてますが、それ以外に4枚、共通のビルよりもでっかい(高い)ビルが数枚用意されており、早い者勝ちで建てられます。当然、大きければ大きいほど土地数に対する点数効率は良いです)の一番点数の高いやつを配置!
一気に点を伸ばします。

(超高層ビルタイルは同じ得点のものはありません。ゲーム終了時、同点の場合のタイブレイクになります)
広い土地を必要とするビルの方が点数は高いですし、2マス、3マスのビルは数が限られているので土地は隣接して確保したいです。ここで効いてくるのが通りに面するために細かくばらまいた土地で、近くに他プレイヤーがいててきめんに邪魔ですw。他プレイヤーが広い土地を確保し終えてるところに飛び込むのは大した邪魔になりませんし、自分は結局小さい土地しか取れないのであまり意味がありません。他プレイヤーも小さい土地、自分の小さい土地を確保している真ん中に誰のものでもない土地がある。そんな状況が方々で発生し、場に出ているカードをにらんで、如月さんはこの中ではこのカードを取るはずだ、G2さんは…とある程度は考えもしますが、僕が土地をとれば新しいカードが補充されますし、上家のG2さんのところでどんなカードが出てくるかなど読みようがありません。
そんなわけで、
「青でろー。青でろー」、「青でるなー。青でるなー」と自分の欲しい色が他人の手番で出ないように、自分の手番で出るように祈り続けます。
一応、場のカードを全て捨てて新しいものを引きなおすという特殊効果カードを各プレイヤー1枚は持ってますが、使ったのは如月さんだけでした(ゲーム終了時に1点になりますが、残しとくのは使いどころを見誤ったともいえます)。

(特殊カードは、カード入れ替え、1手番に2枚カードを取る、1手番に2回建築の3種です)
序盤はこの祈りが通じていたのですが中盤から終盤にかけては如月さん、G2さんにいい風が吹き、超高層ビルを建てるための広い土地を確保できず、しかも、僕はまだ立て替えをあまりしてなかったので点数は完全に置いていかれました。
G2さんがこのまま逃げ切るかと思われましたが、ボード左側に8マスのエリアを独占することに成功し、そこにビル建設jから何回か立て替えを経て、超高層ビルを建設という流れで如月さんがG2さんに追いつき、追い越しました。

(まだ埋まっていってる途中ですが、左のピンクのエリアの一画が如月さんの茶色タイル&コマに占有されていってます)
迂闊に飛び込んでも邪魔されるし、今ある土地を広げた方がと全員が思ったのか、ボードの右側にはまだ誰も手をつけてない広い土地が。もうここに飛び込むしかなーいと、飛び込んだところ、意外と誰も邪魔に来なかったので、よしよし、この間に他の土地を…とかやってたら、G2さんが土地を2枚獲得する特殊カードを使って見事に封殺されましたが。
僕の手元には2、3マスのタイルはもうないので、G2さんに蓋をされてしまいもう土地が何にも使えなくなってしまいました。
うーん。一応まだ誰も手をつけてない土地はあるけど、そこに飛び込んでもちょっと狭くて超高層ビルは建てられない。
かといって、ここで勝負にでないと勝てないか!と僕も土地2枚獲得カードで、再び誰も手をつけてない土地に飛び込みます。
もうゲーム終了が見えており、他人の邪魔よりも自分の点数を伸ばす方を取ったのか、今回は誰も邪魔にこなかったので、徐々に徐々に土地を取り、2回建築カードも使ってその広い土地を有効に使って立て替え、立て替え、立て替え。
お題カードにある六角形ビルをぶっ壊すことになりますが、点数が伸びることはわかったので超高層ビルも最後の最後に建設。


(写真右下の赤と黄色の土地で構成された区画を独占しつつ、徐々に高レベル、高得点のビルに立て替えていってます)
この立て替えラッシュで追いつき、序盤にいい土地カードを取れたのが効いて3枚中2枚で通りに面したビル数ボーナスを獲得できたので突き放して勝利できました。

※終了条件のひとつである補充カードが足りなくなったらの方ばかり気にしていたため、「手元のビル数が規定枚数以下」の方を全員すっかり失念してました。ちゃんとやってれば、僕の立て替えラッシュ前に終了トリガーは引かれて如月さんが勝っていたはずです。
【感想】
何を今更という話ではあるんですが、面白いゲームを作るのにややこしいルールなんて全く必要ないんだな!というのを久しぶりに実感したゲームでした。
基本的に色が違うだけのカードを4択で選んで、カードの色と同じ場所ならどこにでもコマが置ける。そのコマのある場所に大きさのあったタイルを置いてビルを建てる。コマを置く場所に特別な条件もなく、ビルの建設に何もリソースなどがいらない。
おいおい何を言ってるんだい。土地を取るにはお金がいるだろう。ボードの縦列にアルファベットが横列に数字が振られててカードかタイルに座標が指定されてるだろう。ビルをを建てる?建築士を雇わなくていいのかい。粘土や木や鉄は支払わなくていいのかい。
でも、きっちり戦略要素のあるゲームとして成立してるんですよねー。遊ぶ前にファミリー向けとか聞いてたので、ルール単純な子供向けゲームみたいな感じなのかな?と思ってたんですが、ルール単純でも子供向けじゃなかったです(もちろん子供も遊べます)。
(まあ、立て替えは建物レベル上げないとダメとかちょっと制限ありますが)
このゲームの特徴は、散々書いた「条件の緩さ」だと思うのですが、その結果、好きなことが出来るか出来ないかが他プレイヤーとの絡みと若干のカード運に集約されてます。カード運といっても所詮4色ですし、自分がこの色が欲しい!というよりも他人に先に取られたくない!というのがカード運を気にする原因なので、結局、他プレイヤーとの絡みでゲーム中の綾が発生します。
僕がこのゲームを気に入った大きなポイントが、他プレイヤーとの絡みが綾と言いつつも、他人の手を妨害しあう絞りあうような展開は自分に損になるだけで、基本的に全プレイヤーが自分のプラスになるよう手を打ったら他人と欲しいエリアが被っていたので妨害するような結果になったというような、悪意よりもほぼ善意だけでプレイヤー間の絡みが発生するという点です。
遊んでみればわかるんですが、この土地取られたら困るだろうなという点はたまに出てくるんですが、他人の土地にちょこちょこちょっかい出すよりも自分の元々持ってた土地を広げるような手を打ったほうが点が伸びることが多いんですよね。
まあ、それだけだとソロプレイになっちゃうんですが、「通りに面した建物数」のボーナスが利いていて、そこで絡みも出てきますし、土地が固まらずに散らばるので後々、面していないところでも土地の取り合いが発生するようになってます。
あと、単純に高いビルを建てる(大きいタイルを配置する)のが楽しかったですw。
どん!どん!と立て替えで自分のビルが大きくなっていくのも楽しいですし、ビルは四角形のものばかりではなくて、テトリスのブロックみたいなのや変な形のがあるんですが、それをこの土地におけるかな、置くためにはこう土地を取らないとダメだな…と、タイル配置って大した作業でもないのになんで面白いんですかね。
ルールの単純さ(縛りの少なさ)、プレイしている際の気持ちよさ、チケット・トゥ・ライドやカルカソンヌクラスの誰でも深くも浅くも楽しめる王道ゲームなように僕は感じました。